JPH09230199A - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

Info

Publication number
JPH09230199A
JPH09230199A JP7440696A JP7440696A JPH09230199A JP H09230199 A JPH09230199 A JP H09230199A JP 7440696 A JP7440696 A JP 7440696A JP 7440696 A JP7440696 A JP 7440696A JP H09230199 A JPH09230199 A JP H09230199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
frame
optical axis
lens
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7440696A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Hirayama
淳 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7440696A priority Critical patent/JPH09230199A/ja
Publication of JPH09230199A publication Critical patent/JPH09230199A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産に適した構造を備え、光軸方向に短
く精度の高い低コストのレンズ鏡筒を提供する。 【解決手段】 固定枠1と、この固定枠1に対して光軸
方向の進退のみ自在に設けられた1群枠2と、この1群
枠2の後方において上記固定枠1に対し光軸方向の進退
のみ自在に設けられた2群枠3と、後端面に形成された
1群カム4aに上記1群枠2が当接する第1カム環4
と、この第1カム環4の後方に配置されており前端面に
形成された2群カム5aに上記2群枠3が当接する第2
カム環5と、上記第1カム環4と第2カム環5とを光軸
周りには一体に光軸方向には相対移動可能に連結する係
合部4b,5dと、上記第1カム環4の前方に光軸周り
に回動自在に配置されており後端面に形成されたAFカ
ム6aに上記第1カム環4が当接するAF環6と、上記
1群枠2および2群枠3をそれぞれ上記第1カム環4の
1群カム4aおよび第2カム環5の2群カム5aに当接
する方向に付勢するばね8とを備えたレンズ鏡筒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ鏡筒、より
詳しくは、カム作用により複数の鏡枠が光軸方向に進退
するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の鏡枠を有し、これらの鏡枠がカム
作用により光軸方向に進退することによってズームを行
うレンズ鏡筒は、従来より種々のものが提案されてい
る。
【0003】このようなレンズ鏡筒の一例として、例え
ば特開昭57−116309号公報には、ズーミング作
用を行う2つのレンズ群の移動と、合焦作用を行うレン
ズ群の移動とを、カム溝を形成した複数の枠部材を回転
させることにより行うズームレンズ鏡筒が記載されてい
る。
【0004】より詳しくは、このズームレンズ鏡筒は、
第1群レンズが固定されている第1レンズ保持部材と、
第2群レンズが固定されている第2レンズ保持部材と、
光軸周りの回動および光軸方向の移動が許容されていて
上記第1レンズ保持部材とカム結合する第1のカム部材
と、この第1のカム部材と光軸周りの一体的な回動が許
容されるとともに光軸方向の移動が禁止されていて上記
第2レンズ保持部材とカム結合する第2のカム部材とを
備え、上記第1のカム部材が回転することによりまたは
光軸方向に移動することにより第1レンズ保持部材が光
軸方向に移動され、上記第1のカム部材が回転するとき
に第2のカム部材が同時に一体的に回動することにより
上記第2レンズ保持部材が光軸方向に移動されるように
なっている。
【0005】また、実開昭62−190210号公報に
は、全く同様にして、カム溝が設けられた複数の枠部材
を回転させることにより、ズーミングおよび合焦を行う
ためのレンズを光軸方向に移動させるズームレンズ鏡筒
が記載されている。
【0006】さらに、実公平6−48483号公報に
は、光軸方向のレンズマウント側に光軸方向の移動が阻
止された第1のカム枠を設け、この第1のカム枠が回動
することにより、第3群レンズおよび第4群レンズを、
該第1のカム枠上に形成されたカム溝とズーム固定リン
グ上に形成されたカム溝によって光軸方向に移動するレ
ンズ鏡筒が記載されている。
【0007】このレンズ鏡筒は、上記第1のカム枠の前
部に、該第1のカム枠に一体となって回動を行い、光軸
方向には単独で可動する第2のカム枠が設けられてお
り、この第2のカム枠が上記第1のカム枠と一体に回動
することによって第1群レンズおよび第2群レンズを第
1,第2のカム上に形成されたカム溝とズーム固定リン
グ上に形成されたカム溝により光軸方向に移動し、一
方、第2のカム枠が単独で光軸方向へ移動することによ
り第1群レンズおよび第2群レンズのみを光軸方向へ移
動することができるようになっている。
【0008】上述した実公平6−48483号公報と特
開昭57−116309号公報の何れにおいても、鏡筒
内に第1のカム部材と第2のカム部材が構成されてい
て、一方のカム部材は光軸方向の移動が規制されて回動
のみを行い、他方のカム部材は光軸方向にも移動可能と
なっていて回動は上記一方のカム部材と同時に行うよう
になっている。そして、双方のカム部材を回動させるこ
とにより、双方のカム部材のカム溝に係合したレンズ群
が光軸方向に移動し、また、別部材の作用によって上記
他方のカム部材を光軸方向へ移動することにより、該他
方のカム部材のカム溝に係合したレンズ群のみが光軸方
向に移動する。
【0009】ところで、近年の大衆向け小型コンパクト
カメラにおいては、高い部品精度を要求されるレンズ鏡
筒でさえもプラスチック成型品で作られるようになって
きており、これによってカメラの軽量化を図るとともに
生産コストの低下を達成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にみられるようなカム溝を用いた鏡筒をプラスチッ
ク成型する際には、コラプシブルコア構造等の非常に複
雑な内スライドの型構造が必要とされるために、通常の
型に比して非常に高い型製造費を要するという難点があ
った。
【0011】また、このような複雑な型構造を用いた場
合には、1回の成型サイクルで部品を1個しか成型する
ことができず(1ケ取り)、他の複数個成型する部品と
の数が合わないために、成型機を余分に必要としたり、
あるいは取り数が少いために、全生産数に対する成型シ
ョット回数が他部品より多くなって型を他部品の型より
も酷使することになり、型の耐久性が問題になってい
た。
【0012】さらに、レンズ鏡筒を組み立てる際にも、
上記従来例においては、カム溝が形成されたカム枠の内
側に移動枠を入れて、カムブロックを通して外側からね
じ締め等により移動枠をカム溝に嵌合させなければなら
ないために、組立においても非常に手間がかかるものと
なっていた。
【0013】加えて、組立られたレンズ鏡筒において、
カム溝とカムフォロワの間に存在するガタ量によって
は、そのガタが被写体側へ寄った場合とフィルム面側へ
寄った場合とで、光学的性能に狂いが生じることがあっ
た。
【0014】また、上述した実公平6−48483号公
報と特開昭57−116309号公報の何れにおいて
も、第1のカム部材と第2のカム部材がそれぞれ固定筒
の外周に嵌合して光軸方向に独立してスペースを占めて
いるために、光軸方向に大きなスペースが必要となって
しまい、結果としてレンズ鏡筒の長さが長くなってしま
っていた。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、大量生産に適した構造を備える精度の高い低コス
トのレンズ鏡筒を提供することを目的としている。
【0016】また本発明は、光軸方向のスペースを極力
小さくすることができるレンズ鏡筒を提供することを目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1による本発明のレンズ鏡筒は、第1鏡枠
と、第2鏡枠と、光軸周りに回動もしくは光軸方向に進
退されることにより上記第1鏡枠を光軸方向に進退させ
る第1カム枠と、光軸周りに回動されることにより上記
第2鏡枠を光軸方向に進退させる第2カム枠と、上記第
1カム枠と第2カム枠とを光軸周りには一体に光軸方向
には相対移動可能に連結する連結手段とを備えており、
変倍動作時に、上記第1カム枠と第2カム枠とを光軸周
りに一体的に回動させるとともに上記第1カム枠を第2
カム枠に対して光軸方向に進退させることにより上記第
1鏡枠と第2鏡枠をそれぞれ光軸方向に進退させ、合焦
動作時に、上記第1カム枠を上記第2カム枠に対して光
軸方向に進退させることにより上記第1鏡枠を第2鏡枠
に対し光軸方向に進退させるものである。
【0018】また、請求項2による本発明のレンズ鏡筒
は、固定枠と、この固定枠に対し光軸方向の進退のみ自
在に設けられた第1鏡枠と、上記固定枠に対し光軸方向
の進退のみ自在に設けられた第2鏡枠と、上記第1鏡枠
とカム結合する第1カム枠と、上記第2鏡枠とカム結合
する第2カム枠と、上記第1カム枠と第2カム枠とを光
軸周りには一体に光軸方向には相対移動可能に連結する
連結手段と、上記第1カム枠とカム結合する第3カム枠
とを備えており、変倍動作時に、上記第1カム枠と第2
カム枠とを光軸周りに一体に回動させるとともに上記第
3カム枠とのカム作用により上記第1カム枠を光軸方向
に進退させて上記第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸
方向に進退させ、合焦動作時に、上記第3カム枠を光軸
周りに回動させて上記第1カム枠を光軸方向に進退し、
上記第1鏡枠を上記第2鏡枠に対して光軸方向に進退さ
せるものである。
【0019】さらに、請求項3による本発明のレンズ鏡
筒は、固定枠と、この固定枠に対し光軸方向の進退のみ
自在に設けられた第1鏡枠と、この第1鏡枠の後方にて
上記固定枠に対し光軸方向の進退のみ自在に設けられた
第2鏡枠と、後端面に形成された端面カムに上記第1鏡
枠が当接する第1カム枠と、この第1カム枠の後方に配
置されており前端面に形成された端面カムに上記第2鏡
枠が当接する第2カム枠と、上記第1カム枠と第2カム
枠とを光軸周りには一体に光軸方向には相対移動可能に
連結する連結手段と、上記第1カム枠の前方に光軸周り
に回動自在に配置されており後端面に形成された端面カ
ムに上記第1カム枠が当接する第3カム枠と、上記第1
鏡枠および第2鏡枠をそれぞれ上記第1カム枠および第
2カム枠の端面カムに当接する方向に付勢する付勢手段
とを備えており、変倍動作時に、上記第1カム枠と第2
カム枠とを光軸周りに一体に回動させるとともに上記第
3カム枠とのカム作用により上記第1カム枠を光軸方向
に進退させて上記第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸
方向に進退させ、合焦動作時に、上記第3カム枠を光軸
周りに回動させて上記第1カム枠を光軸方向に進退し、
上記第1鏡枠を上記第2鏡枠に対して光軸方向に進退さ
せるものである。
【0020】そして、請求項4による本発明のレンズ鏡
筒は、第1カム枠と、この第1カム枠に対し光軸方向に
隣接して配置される第2カム枠と、上記第1カム枠の所
定の角度位置に形成され上記第2カム枠に向けて突出す
る第1端面カムと、上記第2カム枠の所定の角度位置に
形成され上記第1カム枠に向けて突出する第2端面カム
と、上記第1カム枠の内周もしくは外周に設けられた第
1円筒部と、上記第2カム枠の内周もしくは外周に設け
られた第2円筒部とを備えており、上記第1端面カム
は、上記第2カム枠における第2端面カムが形成された
径方向位置の上記第2端面カムが形成されていない周位
置に収納され、上記第2端面カムは、上記第1カム枠に
おける第1端面カムが形成された径方向位置の上記第1
端面カムが形成されていない周位置に収納されるもので
ある。
【0021】加えて、請求項5による本発明のレンズ鏡
筒は、第1カム枠と、この第1カム枠に対し光軸方向に
隣接して配置される第2カム枠と、上記第1カム枠の径
方向の内側もしくは外側の一方の上記第2カム枠と対向
する端面に設けられ該第2カム枠に向けて突出する第1
端面カムと、上記第2カム枠の径方向の内側もしくは外
側の一方の上記第1カム枠と対向する端面に設けられ該
第1カム枠に向けて突出する第2端面カムと、上記第1
カム枠の径方向の内側もしくは外側の他方に設けられ上
記第1端面カムの基端部および上記第2端面カムの先端
部をカバーする第1カバーと、上記第2カム枠の径方向
の内側もしくは外側の他方に設けられ上記第2端面カム
の基端部および上記第1端面カムの先端部をカバーする
第2カバーとを備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1から図12は本発明の第1の
実施形態を示したものであり、図1はレンズ鏡筒を示す
光軸に沿った上半分の断面図である。
【0023】このレンズ鏡筒は、図示しないカメラ本体
に固定された固定枠1と、この固定枠1の内周面側に光
軸方向に摺動自在に配設された1群レンズ9を保持する
第1鏡枠たる1群枠2と、同固定枠1の内周面側に光軸
方向に摺動自在に配設された2群レンズ10を保持する
第2鏡枠たる2群枠3と、上記固定枠1の外周面側に回
動自在に配設された上記1群枠2を駆動するための第1
カム枠たる第1カム環4と、同固定枠1の外周面側に回
動自在に配設された上記2群枠3を駆動するための第2
カム枠たる第2カム環5と、上記第1カム環4の外周面
側に配設され該第1カム環4を介して上記1群枠2を駆
動するための第3カム枠たるAF環6と、このAF環6
の光軸方向の移動を規制するカム押え7と、上記1群枠
2と2群枠3を互いに離間する方向に付勢する付勢手段
たるばね8と、上記1群枠2の被写体側に嵌合された文
字環11とを有して構成されている。
【0024】上記固定枠1は、フィルムへの露光範囲を
規定するフィルムマスク面1aから被写体側へ向かって
円筒状に形成された筒状部材でなる。本実施形態におけ
るカメラはプラスチック成型部品を主に構成されている
ために、この固定枠1は、カメラ本体と一体で成型して
も良いし、あるいは別部材として形成してカメラ本体に
接着あるいはビス締め等により固定するようにしても良
い。この固定枠1には、周方向の3等分位置に直進溝1
bがそれぞれ形成されており、上記1群枠2と2群枠3
の後述するカムフォロワ2a,3aおよび回転止めピン
2c,3cがそれぞれ嵌入するようになっている。さら
に、この固定枠1の先端には係合部1cが形成されてい
て、上記カム押え7の後述する係合部7aに嵌合してい
る。また、固定枠1のフィルム面側には、上記第2カム
環5の後述する端面5eが当接する当付面1dが形成さ
れている。
【0025】上記1群枠2は、上述のように1群レンズ
9が接着によって固定されている枠部材であり、その後
端部には周方向の3等分位置から1群枠カムフォロワ2
aが外方に突設されている。この1群枠カムフォロワ2
aは、上述のように、固定枠1の直進溝1bに摺動可能
に嵌入していて、上記ばね8により第1カム環4の後述
する1群カム4aに当接するように付勢されている。ま
た、この1群枠カムフォロワ2aの基端部側には、図6
に示すような略楕円形状の円筒面を有する嵌合部2bが
形成されていて、この嵌合部2bは、第1カム環4の後
述する内径4fと回転可能に嵌合している。さらに、1
群枠カムフォロワ2aの近傍となる周面には回転止めピ
ン2cが突設されており、この回転止めピン2cと1群
枠カムフォロワ2aの間には切欠2dが、該1群枠カム
フォロワ2aを挟んでこの切欠2dの反対側には切欠2
eが形成されている。そして1群枠2のフィルム面側の
内周面2fは、上記2群枠3の後述する嵌合面3eに摺
動可能に嵌合している。
【0026】上記2群枠3は、上述のように2群レンズ
10が接着によって固定されている枠部材であり、その
後端部には周方向の3等分位置から2群枠カムフォロワ
3aが外方に突設されている。この2群枠カムフォロワ
3aは、上述のように、固定枠1の直進溝1bに摺動可
能に嵌入していて、上記ばね8により第2カム環5の後
述する2群カム5aに当接するように付勢されている。
この2群枠カムフォロワ3aの基端部側には、図7に示
すような略楕円形状の平面3bが形成されている。ま
た、2群枠カムフォロワ3aの近傍となる周面には回転
止めピン3cが突設されている。そして、2群枠3の外
周面の周方向の3等分位置には光軸方向の軌条をなす嵌
合面3eが設けられており、上記1群枠2のフィルム面
側の内周面2fと光軸方向に摺動可能に嵌合している。
【0027】上記第1カム環4は、その内周面が、固定
枠1の外周面に回転可能かつ前後移動可能な状態で嵌合
している。この第1カム環4は、肉厚の方向において、
内径側がカム部4d、外径側が円筒部4eにそれぞれな
っている。この円筒部4eは、図3に示すように、外径
側の全周に渡って形成されており、フィルム面側の端面
から第2カム環5の後述する係合部5dに係合する凸状
をなす連結手段たる係合部4bが突設されている。ま
た、上記カム部4dは、内径側の一部に台形状をなして
形成されていて、その一部が円筒部4eよりもさらにフ
ィルム面側に突出している。このカム部4dの斜面とな
るフィルム面側の端面は端面カムたる1群カム4aとな
っており、上記1群枠カムフォロワ2aが当接してい
る。さらに、第1カム環4の内径側は内径4fとなって
いて、1群枠カムフォロワ2aの基端側に設けられた嵌
合部2bに当接している。第1カム環4の外周面上に
は、AF用カムフォロワ4cが突設されていて、上記ば
ね8の作用により、AF環6の後述するAFカム6aに
当接している。
【0028】上記第2カム環5は、第1カム環4と同様
に、その内周面が、固定枠1の外周面に回転可能かつ前
後移動可能な状態で嵌合している。この第2カム環5
も、肉厚の方向において、内径側がカム部5f、外径側
が円筒部5gにそれぞれなっている。図4は第2カム環
5の後述する遮光部5cおよび平ギヤー5bを省略して
外径側から示した展開図である。上記円筒部5gは、外
径側の全周に渡って形成されており、被写体側の端面に
は上記第1カム環4の係合部4bに係合する凹状をなす
連結手段たる係合部5dが突設されている。また、上記
カム部5fは、内径側の一部にやや弧をなす略台形状に
形成されていて、その一部が円筒部5gよりもさらに被
写体側に突出している。なお、後述する図5に示すよう
に、第1カム環4と第2カム環5が固定枠1に組み込ま
れて、その係合部4b,5dが互いに係合した状態にお
いては、第1カム環4のカム部4dがフィルム面側へ突
出した部分は、第2カム環5のカム部5fが存在しない
範囲となる円筒部5gの内側に収納される。同様にし
て、第2カム環5のカム部5fが被写体側へ突出した部
分は、第1カム環4のカム部4dが存在しない範囲とな
る円筒部4eの内側に収納される。また、上記カム部5
fの弧状の斜面となる被写体側の端面は端面カムたる2
群カム5aとなっており、上記2群枠カムフォロワ3a
が当接している。第2カム環5のフィルム面側の外周面
には平ギヤー5bが形成されており、カメラ本体から駆
動力を伝えられるズームギヤー14が噛合している。第
2カム環5の外周の被写体側には遮光部5cが形成され
ていて、この遮光部5cは、図示しないファインダ光学
系に入射した光が、第1カム環4と第2カム環5の隙間
から入るのを遮光する役割をはたすものである。また、
第2カム環5の端面5eは、固定枠1の当付面1dに当
接して、光軸方向のフィルム面側への移動を規制されて
いる。
【0029】第1カム環4と第2カム環5は、上記係合
部4b,5dの係合によって一体に回転するようになっ
ているために、ズームギヤー14から第2カム環5に伝
えられた駆動力は、第1カム環4にも伝達される。
【0030】上述のように、1群カム4aおよび2群カ
ム5aは、通常のレンズ鏡筒において使用されるカム溝
ではなく、端面カムとなっている。従って、簡単な型構
造により成型することができて、しかも取り数も多いた
めに、コストダウンを図ることができる。
【0031】上記AF環6は、フィルム面側に端面カム
たるAFカム6aが形成されていて、このAFカム6a
も端面カムであるために、AF環6も簡単な型構造で成
型することができて、コストダウンを図るのに適してい
る。また、AF環6の外周面側にはAFフェイスギヤー
6bが形成されていて、AFギヤー15に噛合すること
により、カメラ本体側から伝えられたAF駆動力が伝達
されるようになっている。上記AFギヤー15に接続さ
れるギヤー列の内の1つの歯車には、光検出により回転
に合わせたパルスを発生する検出装置が取り付けられて
おり、これによりAF環6の回転量を検出することがで
きるように構成されている。AF環6の被写体側の外周
面6cは、カム押え7の内周面7bに対して回転可能に
嵌合している。そして、AF環6の当接面6dは、カム
押え7に当接して光軸方向の被写体側への移動を規制さ
れている。
【0032】上記カム押え7は、レンズ鏡筒の先端部に
取り付けられるリング状の部材であり、その内径側から
突設された係合部7aが上記固定枠1の先端側に形成さ
れた係合部1cと嵌合して、図示しない固定ねじによっ
て、カメラ本体側に固定されている。
【0033】上記1群枠2の被写体側には、断面略コの
字形状をなす部分が形成されていて、そこにはプランジ
ャ12が固定されている。そして、このプランジャ12
が固定されている部分を覆うようにして、被写体側から
文字環11が該1群枠2に接着して固定されている。
【0034】1群枠2には、フィルムへの露光量を調節
する役割をはたすシャッタ羽根16が、羽根押え13を
用いて取り付けられている。このシャッタ羽根16に
は、上記プランジャ12の駆動力が、図示しないレバー
によって伝えられるようになっている。上記羽根押え1
3は、1群枠2に対して当接面13aで当接するととも
にビスを用いて固定されていて、シャッタ羽根16を押
える働きをし、かつばね8の付勢力を直接受ける役割を
果たしている。
【0035】上記ばね8は、図1に図示したように、例
えば内径Dのコイルばねで構成されていて、圧縮された
状態で羽根押え13と2群枠3の間に取り付けられるこ
とにより、伸長する方向の付勢力を発生するようになっ
ている。
【0036】これにより、フィルム面側については、ま
ず2群枠3がフィルム面側へ向かって付勢され、2群枠
カムフォロワ3aが第2カム環5の2群カム5aに当接
することにより、ばね8の付勢力が第2カム環5に伝わ
る。従って、第2カム環5もフィルム面側に付勢力を受
けて、その端面5eが、固定枠1の基端側の当付面1d
に当接する。
【0037】一方、被写体側については、まず羽根押え
13がばね8の付勢力を受けて被写体側に押圧され、羽
根押え13が1群枠2に対して当接面13aで当接して
いるために、1群枠2が被写体側へ向かって付勢され
る。これにより1群枠カムフォロワ2aが第1カム環4
の1群カム4aと当接して、第1カム環4が被写体方向
へ付勢される。この付勢力により、第1カム環4の外周
面から突設されたAF用カムフォロワ4cが、AF環6
のAFカム6aに当接する。そしてAF環6は被写体側
に付勢されて、固定部材であるカム押え7に当接面6d
が当接する。
【0038】従って、第1カム環4,第2カム環5,A
F環6は、それぞれカムとして端面カムを用いている
が、ばね8の作用によりガタが発生することなく付勢さ
れているために、通常のカム溝を用いた場合と比較して
も、同等以上のカム機能を果たすものとなっている。
【0039】図2は本実施形態におけるズーム可能なレ
ンズ鏡筒の、1群レンズと2群レンズの焦点距離と移動
量の関係を示す線図である。
【0040】図示のように、この実施形態におけるレン
ズ鏡筒は、そのズーム範囲が35mmから70mmとなって
おり、1群レンズ9は焦点距離に対して直線的に移動す
る。また、2群レンズ10は焦点距離に対して曲線的に
移動していて、広角側になる程、その移動量が大きくな
っている。
【0041】図2において点線で示した直線は、AF環
6が回動してオートフォーカス動作(AF動作)を行う
ときに、1群レンズ9が被写体側に移動する最大の位置
を示している。本実施形態におけるズーム可能なレンズ
鏡筒は、このように1群レンズ9のみが移動することに
よってAF動作を行い、また被写体距離が等しい場合に
は、その移動量は焦点距離によらず、ほぼ等しい値とな
る。
【0042】図5は、1群レンズ9,2群レンズ10を
上記図2に示したように移動させる、第1カム環4,第
2カム環5,AFカム6によるカム機構を模式的に示す
展開図である。
【0043】固定枠1の直進溝1bには、上記1群枠カ
ムフォロワ2aおよび2群枠カムフォロワ3aが、それ
ぞれ図示したように入っている。すなわち、1群枠カム
フォロワ2aは、回転止めピン2cの略円筒面側を直進
溝1bの一端面に接して嵌入し、2群枠カムフォロワ3
aは、回転止めピン3cの略円筒面側を直進溝1bの他
端面に接して嵌入している。
【0044】そして上記1群枠カムフォロワ2aは、第
1カム環4の1群カム4aの内径側を嵌合部2bに載置
した状態で該1群カム4aに当接している。
【0045】また、上述のように第1カム環4と第2カ
ム環5は、それぞれの係合部4b,5dにより光軸方向
に摺動可能に係合されているために、回転方向には双方
が一体的に運動を行うとともに、スラスト方向には相対
的な位置を変えることができる。
【0046】第1カム環4のAF用カムフォロワ4c
は、図5においては模式的に平面的に表わしているが、
AF環6のAFカム6aに当接している。
【0047】AF環6の被写体側の当接面6dは、ばね
8の作用により、図5には示していないカム押え7に当
接している。また、第2カム環5のフィルム面側の端面
5eは、ばね8の作用により、図5には示していない固
定枠1の当付面1dに当接している。図5においては、
第1カム環4の1群用カム4aおよび第2カム環5の2
群カム5aは1ケ所のみを示したが、周方向の3等分位
置にそれぞれ形成されている。同様に係合部4b,5d
も、周方向の3等分位置にそれぞれ形成されている。
【0048】図6は1群枠2の1群枠カムフォロワ2a
の近傍を示す拡大斜視図である。
【0049】1群枠カムフォロワ2aは、図示したよう
に円柱形状をなしており、1群枠2の外周面の3等分位
置から径方向に放射状に突出されている。この1群枠カ
ムフォロワ2aの基端側には、円筒面2bが形成されて
いる。この円筒面2bは、光軸に直交する方向に幅を有
しており、この外径は第1カム環4の内径4fに対して
摺動可能に嵌合している。従って、図5に示すように、
1群枠2は、該円筒面2bの一部で第1カム環4の内径
4fと摺動可能に嵌合し、1群枠2が第1カム環4に対
して同軸となるのを保証している。
【0050】上述したように、1群枠2は、ばね8の作
用により被写体側へ向かって付勢されており、1群枠カ
ムフォロワ2aと第1カム環4の1群カム4aが当接
し、1群枠2はこの1群カム4aに沿って回転しながら
被写体側へ繰り出そうとする力を受ける。
【0051】この回転力を回転止めピン2cが固定枠1
の直進溝の片側の端面に当接して受け止めることによ
り、1群枠2は、その回転が規制されて、第1カム環4
に対して所定の回転方向の位置に止まることになる。す
なわち、1群枠2は、その光軸方向の位置が、1群枠カ
ムフォロワ2aと1群カム4aの当接により定まるとと
もに、回転方向の位置が回転止めピン2cと直進溝1b
の当接により定まる。
【0052】図7は2群枠3の2群枠カムフォロワ3a
の近傍を示す拡大斜視図である。
【0053】2群枠カムフォロワ3aも1群枠カムフォ
ロワ2aと同様に円柱形状をなしており、2群枠3の外
周面の3等分位置から径方向に放射状に突出している。
2群枠カムフォロワ3aの基端側には平面3bが形成さ
れている。
【0054】2群枠3は、上述したように、1群枠2の
内周面2fに対して外径の嵌合面3eが嵌合しているた
めに、1群レンズ9と2群レンズ10の光軸の同一性が
保証されて、1群枠2の場合ように円筒面2bを形成し
て第2カム環5と嵌合させる必要はない。
【0055】2群枠3は、1群枠2と同様に、ばね8に
よって第2カム環5の2群カム5aに当接した2群枠カ
ムフォロワ3aが受ける回転力により、回転止めピン3
cが固定枠1の直進溝1bの片側の端面に当接して、そ
の光軸方向の位置が定まっている。
【0056】図8は、1群枠2と2群枠3がテレ状態に
おいて最も接近した際の、1群枠カムフォロワ2a、回
転止めピン2cと2群枠カムフォロワ3a、回転止めピ
ン3cの位置関係を外周方向から示した展開図である。
【0057】このときには、1群枠2の1群枠カムフォ
ロワ2aと回転止めピン2cの間に設けられた切欠2d
に2群枠カムフォロワ3a部が入り込むとともに、切欠
2eに回転止めピン3cが入り込んでいる。
【0058】図5に示したように、AF環6のAFカム
6aに対して、第1カム環4のAF用カムフォロワ4c
は、ばね8の付勢力によって当て付いている。ズームギ
ヤー14により第2カム環5が駆動されると、係合部4
b,5dの作用により、第1カム環4も同時に回転す
る。
【0059】この際に、第1カム環4のAF用カムフォ
ロワ4cはAFカム6aに対して展開図上で点接触し、
またAF環6はカム押え7に対して被写体側の端面が全
周で接触するために、AF環6と第1カム環4の摺動抵
抗が、AF環6とカム押え7の摺動抵抗よりも小さくな
る。このように構成しておくことにより、第1カム環4
は、AF環6が停止した状態でテレ方向である図5の矢
印A方向に回転することができるために、AFカム6a
に沿ってフィルム面の方向に後退することになる。
【0060】従って、1群枠2の移動は、第1カム環4
の1群カム4aとAF環6のAFカム6aの合成により
行われることになるために、第1カム環4の1群カム4
aの光軸方向の移動量は、実際の1群レンズ9の移動量
に対してAFカム6aによる第1カム環4の後退量を見
込んでおく必要がある。
【0061】図9はAFカム6aの詳細を示す展開図で
ある。
【0062】AFカム6aは、リード角が小さくかつ一
定な斜面でなり、円方向の2等分位置に同一形状で形成
されている。これに対応して、第1カム環4のAF用カ
ムフォロワ4cも、第1カム環4の外周面から周方向に
180°対向した位置に2ケ所突出して形成されてい
る。この実施形態において、ズームによるワイドからテ
レまでの第1カム環4および第2カム環5の回転角は8
0°となっているために、AF用カムフォロワ4cは、
ワイドの∞(無限遠)時は図9におけるE位置、テレの
∞(無限遠)時は同図9のF位置に位置することにな
る。
【0063】AFカム6aは、一定のリード角をなすカ
ム、つまり直線のカムであるから、図9のE位置とF位
置の間のどこでズーム駆動を停止させたとしても、測距
情報に基づいてAF環6を所定パルス分だけ回転させれ
ば、所定のAF動作を行うことができる。
【0064】上述したように、本実施形態におけるズー
ム可能なレンズ鏡筒は、1群レンズ9のみの移動により
AF動作を行う。AF環6が所定量だけ回転すると、A
Fカム6aに沿って1群枠2が光軸方向に移動する。な
お、係合部4b,5dの作用により、第2カム環5に対
しては、第1カム環4からの回転動作は伝わるが光軸方
向の移動は伝わらないために、AF動作により第2カム
環5が光軸方向に移動することはない。
【0065】AF環6は一方向回転であり、その回転方
向は図5または図9の矢印B方向である。従って、1群
レンズ9は、撮影前の初期状態では至近側にあって、A
F環6が回転すると∞側に繰り込んでAF動作を行う。
【0066】ズームのワイド端位置においては、図9の
符号aに示す範囲でAF環6が回転することにより至近
から∞までのAF動作が行われる。同様にスタンダード
位置では図9の符号bに示す範囲で、テレ端の位置では
図9の符号cに示す範囲で、それぞれAF動作が行われ
る。
【0067】また、AFカム6aは、ワイド〜テレ間に
おいて、部品寸法公差やレンズ寸法公差のバラツキに起
因して∞のピント位置が個々のレンズによりズレた場合
に、この発生したズレを補正する機能(fc調整機能)
を有している。
【0068】その補正は、AF動作と同様に、1群レン
ズ9を所定量だけ動かすことにより行う。その詳細につ
いては後述するが、図9において、ワイド,スタンダー
ド,テレの各位置におけるこの調整量を、fc調整範囲
a′,a″、b′,b″、c′,c″としておく。な
お、その他のズーム位置においては、このAF範囲のf
c調整範囲a′,a″は単純にシフトするだけであり、
範囲の大きさは変わらない。
【0069】通常、AFモータの回転は定常状態に達す
るまである時間を必要とするために、ワイドの至近状態
で第1カム環4のAF用カムフォロワ4cが図9の符号
a′に示す範囲の下端に位置していると、AF駆動させ
てすぐに停止させる場合、つまりワイドでのfc位置が
最も被写体側へ寄っておりかつ至近距離での撮影を行う
ような場合には、AFモータの回転が定常状態に達して
いないために停止の精度があまり良くない。従って、A
F用カムフォロワ4cのワイドにおける初期位置は図9
の符号sに示す位置としておき、モータの回転が定常状
態となってからfc調整範囲a′に入るようにしてお
く。また、他のズーム位置ではズーム回転角分だけ初期
位置sはシフトする。
【0070】図9のオン位置は、図示しないメカスイッ
チがオンとなる位置を示している。このメカスイッチ
は、例えば金属切片により構成された通常のものであ
り、カム押え7に固定されていて、AF環6の外周の所
定の角度位置に凸起を設けることにより、図9に示すオ
ン位置でメカスイッチがオンするように構成しておく。
こうしてメカスイッチがオンした位置からパルスカウン
トを開始して、所定のパルス数だけ駆動した後にモータ
を停止させる。
【0071】図10は、メカスイッチのオン,オフとA
F環9により移動する1群レンズ9の位置の関係を示す
図である。
【0072】AF環6の停止位置ではメカスイッチはオ
フ状態であり、AF環6が所定量だけ回転するとメカス
イッチがオン状態になり、ここからAFパルスのカウン
トが開始される。メカスイッチがオンしてから所定量だ
け回転するとfc調整範囲となり、実質的にはここから
AF動作に入る。
【0073】上述したAFモータの回転は、停止位置か
らfc調整範囲に入るまでの間に定常状態になるように
しておく。
【0074】上記AFカム6aは、上述したように周方
向の2等分位置に対称となるように2ヶ所形成されてい
て、1回撮影する毎にAF環6は半回転し、ワイドの場
合、反対側のカムの初期位置sにAF用カムフォロワ4
cが当接するようにセットされる。
【0075】図9に示した範囲dは、AF動作によって
繰り込まれた1群枠2および第1カム環4を初期状態に
繰り出すための復帰カム6eである。この復帰カム6e
もやはり周方向の2等分位置に対称となるように2ケ所
形成されている。
【0076】レリーズ動作を行った後に再び停止位置に
停止させるためには、図10に示すように、復帰カム6
eを通過中にメカスイッチがオフになるので、そこから
所定パルスだけ数えてから停止させればよい。
【0077】次に、上述したfc調整の方法について説
明する。
【0078】まず、コリメータにカメラをセットしてA
F動作を行い、図10に示した称呼の無限遠(∞)位置
で停止させる。このときの焦点位置をコリメータで測定
して、ズレ量を1群レンズ9の繰出量のパルス数に換算
し、カメラに設けられたEEPROM等の記憶手段に書
き込んでおく。
【0079】図11に示すように、結像位置がフィルム
面よりも被写体側にあるときは、このズレ量ΔX1 をA
F環6の回転角θ1 に換算して、そのパルス数を上記E
EPROM等に書き込んでおけば、実際にAF駆動を行
う際に、図10に示すように、AF環6をθ1 だけ余分
に回転させることにより、∞でピントの合った写真を得
ることができる。この場合には、無限遠位置は基準とな
る∞位置からθ1 だけ余分に回転させたG位置となり、
一方、至近位置は基準となる至近位置からθ1だけ余分
に回転させたH位置となる。
【0080】図12に示すように、結像位置がフィルム
面よりも撮影者側にあるときは、このズレ量ΔX2 をA
F環6の回転角θ2 に換算して、そのパルス数を上記E
EPROM等に書き込んでおけば、実際にAF駆動を行
う際に、図10に示すように、AF環6をθ2 だけ少な
く回転させることにより、∞でピントの合った写真を得
ることができる。この場合には、無限遠位置は基準とな
る∞位置からθ2 だけ少なく回転させたI位置となり、
一方、至近位置は基準となる至近位置からθ2だけ少な
く回転させたJ位置となる。
【0081】上記fc調整値は、ワイド〜テレ間の数ポ
イントで測定して、各ポイント間を近似した数式を上記
EEPROM等に書き込んでおく。そして撮影を行う際
には、上記数式を用いてズーミング位置に応じた適切な
補正をかけることで、より正確な補正を行うことができ
る。
【0082】次に、このような実施形態の作用を説明す
る。
【0083】まずズーミング作用について説明する。カ
メラ本体側のズームモータにより発生した駆動力は、ギ
ヤー列を介してズームギヤー14に伝達され、さらに第
2カム環5の外周の平ギヤー5bに伝わって、該第2カ
ム環5が図5の矢印A方向に回転する。これにより、第
2カム環5の2群カム5aに当接した2群枠カムフォロ
ワ3aが、光軸方向の被写体側に向かって繰り出され
る。
【0084】このときに、2群枠3の光軸方向の位置
は、2群枠カムフォロワ3aがばね8の付勢力により2
群カム5aに当接して、2群枠回転止めピン3cが固定
枠1の直進溝1bの端面に当接することにより定まる。
【0085】上記第2カム環5の回転力は、第2カム環
5の係合部5dと第1カム環4の係合部4bの係合によ
り第1カム環4に伝達され、該第1カム環4が回転する
と、第1カム環4の1群カム4aに当接した1群枠カム
フォロワ2aが、1群カム4aに沿って光軸方向の被写
体側へ繰り出される。
【0086】このときに、1群枠2の光軸方向の位置
は、1群枠カムフォロワ2aがばね8の付勢力により1
群カム4aに当接して、1群枠回転止めピン2cが固定
枠1の直進溝1bに当接することにより定まる。
【0087】第1カム環4のAF用カムフォロワ4c
は、ばね8の付勢力によりAFカム6aに当接している
ために、第1カム環4はAFカム6aによって光軸方向
のフィルム面側に移動する。
【0088】このようにズーミング作用においては、第
1カム環4と第2カム環5の双方が同時に移動すること
により、2群枠3は、第2カム環5の2群カム5aによ
って繰り出され、1群枠2は、第1カム環4の1群カム
4aとAF環6のAFカム6aの作用で繰り出される。
【0089】次にAF動作について説明する。撮影者が
レリーズ操作を行うと、カメラ本体側からAF用の駆動
力がAFギヤー15に伝達され、係合しているAFフェ
イスギヤー6bによりAF環6が図5の矢印B方向へ回
転する。
【0090】停止位置から所定量だけAF環6が回転す
ると、メカスイッチがオンしてパルスカウントが開始さ
れる。そして、基準となる至近位置からズーミング位置
に対応したfc調整量分だけシフトした実際の至近位置
に達し、さらに、カメラ本体の被写体距離情報に基づい
て、この実際の至近位置を越えて所定のパルス数だけ繰
り込んだ位置まで移動し、目標位置で停止して露光が行
われる。
【0091】露光が終了した後に、再びAF環6は矢印
B方向に回転して、第1カム環4のAF用カムフォロワ
4cがAF環6の復帰カム6eによって繰り出されて、
図9の初期位置sに復帰する。
【0092】以上説明したように、このような第1の実
施形態によれば、2群構成のズーム可能なレンズ鏡筒に
おいて、それぞれのレンズ群の移動を行うカムを端面カ
ムとして2つの部材にそれぞれ形成し、さらにAFを行
うカムも端面カムとして、これら3種類のカムに対応す
る3種カムフォロワの全てを、単一のばねを用いて該カ
ムに当接するようにしたために、少ない部品点数で2群
ズームレンズ鏡筒を構成することができる。
【0093】また、従来はカムをカム溝として構成して
いたために、プラスチック成型の際にコラプシブルコア
構造と呼ばれる複雑な内スライド構造が必要であった
が、本実施形態においては全てのカムを端面カムとした
ために、単純な型構成で1回の取り数を多くしてプラス
チック成型することが可能となる。
【0094】さらに、2つのカム環のそれぞれに、肉厚
方向にカム部と円筒部を形成して、これら2つのカム環
を係合させる際に、相手側に対して突出したカム部を相
手側の円筒部の内側へ巧みに収納する構成としたため
に、従来のものに比して光軸方向に要するスペースが小
さくて済む。
【0095】そして、カムフォロワと移動枠を一体に成
型して、所定のカム面にばねの付勢力で当接させるだけ
なので、従来のような、カム環に設けられた溝状のカム
にカムフォロワをねじ止めしていたものと比較すると、
容易に組立てることが可能になる。
【0096】加えて、ばねの付勢力によりカムフォロワ
と端面カムが常に当接しているために、ガタが発生する
こともなく、光学性能が劣化することはない。
【0097】また、1群レンズを移動する第1カム環と
2群レンズを駆動する第2カム環を双方共固定枠の外周
に回転可能に嵌合して、係合部により双方が同時に回転
するように結合した際に、第1カム環のカム部が第2カ
ム環の円筒部の内側に入り、第2カム環のカム部が第1
カム環の円筒部の内側に入るようにしたために、第1カ
ム環のカム部と第2カム環のカム部を光軸方向において
位置的に重ねることが可能となり、光軸方向のスペース
を大幅に縮小することができる。
【0098】図13,図14は本発明の第2の実施形態
を示したものであり、図13はレンズ鏡筒を示す光軸に
沿った上半分の断面図である。
【0099】この第2の実施形態は上述の第1の実施形
態をやや変形したものであり、第1の実施形態と同様で
ある部分については同一の符号を付して説明を省略し、
主として異なる点についてのみ説明する。
【0100】上述の第1の実施形態においては、1群枠
2は、ばね8によって被写体側へ付勢されているが、誤
操作等により1群枠2を前から押された場合には、1群
枠2は、ばね8の付勢力に打ち勝って沈胴してしまう。
【0101】前からの押圧力がなくなれば、1群枠2は
ばね8の付勢力によって再び被写体側へ付勢されて、1
群枠カムフォロワ2aが第1カム環4の1群カム4aに
当接して元の状態に復帰するが、このような動作を行う
と、撮影者に不安感を与える可能性がある。
【0102】そこでこの第2の実施形態においては、誤
操作や異常使用時などに被写体側からフィルム面側に向
かって押圧力が加えられた場合にも、必要以上に1群枠
2が沈胴することのないように、第2カム環5の2群カ
ム5aよりも被写体側となる部分に、図13に示すよう
な1群補助カム5hが形成されている。
【0103】この1群補助カム5hは、2群枠カムフォ
ロワ3aよりも外径が大きく、1群枠カムフォロワ2a
よりも外径が小さくなるように形成されている。これに
より、異常時等に1群枠2の先端が押圧された場合で
も、1群枠カムフォロワ2aが第2カム環5の1群補助
カム5hに当接して光軸方向の移動を規制されるため
に、それ以上は沈胴することはない。
【0104】図14は、第1カム環4,第2カム環5,
AFカム6に形成されたカム機構を模式的に示す展開図
である。
【0105】第2カム環5の2群カム5aの被写体側に
は、直線形状をなす1群補助カム5hが形成されてい
る。なお、図14中に示すように、1群枠カムフォロワ
2aと1群補助カム5hの間の空間の光軸方向の長さで
あるa寸法は、適当な長さが確保されている。これは、
もしa寸法を0にした場合には、AF動作中に第1カム
環4が光軸方向のフィルム面側に最も下がった位置、す
なわち第1カム環4のAF用カムフォロワ4cがAF環
6の復帰カム6eに係合する直前の位置になると、1群
枠カムフォロワ2aが1群補助カム5aに当接してしま
うためであり、この当接が起こらない程度の隙間はとっ
ておく必要がある。
【0106】このような第2の実施形態によれば、上述
の第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、
1群補助カムを2群カムと同様に端面カムで形成したた
めに、プラスチック成型により部品を成型する場合に、
第1の実施形態と同様にして簡単な型構造で成型するこ
とができて、大量生産に適した低コストの優れたものと
なっている。
【0107】また、補助カムを設けたことにより、レン
ズ鏡筒が誤って押圧された場合にも使用者に違和感を与
えることもないし、万が一異物等が混入することにより
1群枠が良好に摺動しなくなり、ばねの付勢力によって
も1群枠カムフォロワが第1カム環の1群カムに当接し
ないようなことが発生したときでも、ズーミングにより
1群補助カムが1群枠カムフォロワを強制的に繰り出す
ために、信頼性の観点からも優れたものとなっている。
【0108】なお、上記第2の実施形態で示したよう
に、使用者がレンズ鏡筒を押圧したときに2群枠が沈胴
してしまうことへの対策としては、第1カム環4の1群
用カムを端面カムではなく通常のカム溝に形成するとと
もに、第1カム環4が光軸方向のフィルム面側へは所定
量以上後退しないような当付面を形成するようにしても
良い。この場合には、成型に必要な型構造はやや複雑に
なるが、1群カムは上述したように1群枠2を線形移動
するカムであるために、カム溝を成型する内径側の型を
回転抜き構造にすれば、コラプシブルコア構造の型構造
よりは簡単な型構造で済む。また、ばねの付勢力によっ
てカム溝の一方の端面に1群枠カムフォロワが当接する
点は全く同様であるから、カムフォロワとカム溝にガタ
があってもその影響を受けることはなく、1群カム4a
の動きに精度良く追従させることができる。そして、2
群カム5aとしては依然として端面カムを用いているた
めに、少なくとも従来例よりも生産性を上げてコストを
下げることが可能である。
【0109】図15から図20は本発明の第3の実施形
態を示したものであり、図15はレンズ鏡筒を示す光軸
に沿った上半分の断面図、図16はレンズ鏡筒の1群レ
ンズと2群レンズの焦点距離と移動量の関係を示す線
図、図17は固定枠とカム環とフォーカス環の係合関係
を示す展開図、図18は上記図17におけるフォーカス
環の他の構成を示す展開図、図19は2群枠に形成され
た補助カムを模式的に示す展開図、図20はカム環を外
径側から示した展開図である。
【0110】この第3の実施形態において、上述の第
1,第2の実施形態と同様である部分については説明を
省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0111】この第3の実施形態におけるズーム可能な
レンズ鏡筒は、上述の第1,第2の実施形態と同様に2
群のレンズ構成でなり、それぞれのレンズ群の動きもほ
ぼ同様である。ただし、この実施形態においては、望遠
側の焦点距離は60mmとなっている。また、フォーカシ
ングを1群レンズ39のみの動きで行う点も全く同様で
あるが、第3の実施形態におけるズームレンズはローコ
ストの普及機に設けられたものであるために、∞から至
近距離までの無段階のAFではなく、被写体距離3mの
位置と∞の位置の2つの位置を切り換える簡易的なAF
機能となっている点も上述の第1の実施形態とは異なっ
ている。
【0112】このレンズ鏡筒は、図示しないカメラ本体
に固定された固定枠31と、この固定枠31の内周面側
に光軸方向に摺動自在に配設された1群レンズ39を保
持する第1鏡枠たる1群枠32と、上記固定枠31の内
周面側に光軸方向に摺動自在に配設された2群レンズ4
0を保持する第2鏡枠たる2群枠33と、上記固定枠3
1の外周面側に回動自在かつ光軸方向に移動可能に配設
されたカム枠たるカム環34と、このカム環34の外周
面側に配設されたカム枠たるフォーカス環36と、この
フォーカス環36の光軸方向の移動を規制するカム押え
37と、上記1群枠32と2群枠33を互いに離間する
方向に付勢する付勢手段たるばね38と、上記1群枠3
2の被写体側に嵌合された文字環41とを有して構成さ
れている。
【0113】上記固定枠31は、フィルムへの露光範囲
を規定するフィルムマスク面31aから被写体側へ向か
って円筒状に形成された筒状部材でなる。この固定枠3
1には、周方向の3等分位置に略台形状をなす切欠31
bがそれぞれ形成されており、この切欠31bは、1群
直進ガイド31cと端面カムたる2群カム31dの2つ
の形状を有してなる。さらに、この固定枠31の先端に
は係合部31eが形成されていて、上記カム押え37の
後述する係合部37aに嵌合している。
【0114】上記1群枠32は、上述のように1群レン
ズ39が接着によって固定されている枠部材であり、そ
の後端部には周方向の3等分位置から円柱状の1群枠カ
ムフォロワ32aが外方に突設されている。この1群枠
カムフォロワ32aの基端部側には、略楕円形状の円筒
面を有する嵌合部32bが段差状をなして形成されてい
て、この嵌合部32bは、第1カム環34の内径の縁と
回転可能に嵌合している。この嵌合部32bは、図17
に示すように、光軸と直交する方向に幅を有しており、
1群枠カムフォロワ32aの基端側の強度を高めてい
る。そして、1群枠32のフィルム面側の内周面32c
は、上記2群枠33の後述する嵌合面33eに摺動可能
に嵌合している。
【0115】上記2群枠33は、上述のように2群レン
ズ40が接着によって固定されている枠部材であり、そ
の後端部には周方向の3等分位置から円柱状の2群枠カ
ムフォロワ33aが外方に突設されている。この2群枠
カムフォロワ33aの基端部側には、光軸と直交する方
向に幅を有する平面33bが形成されていて、該基端部
側の強度を高めている。また、2群枠33の被写体側の
周面が嵌合面33eとなっており、上記1群枠32のフ
ィルム面側の内周面32cと光軸方向に摺動可能に嵌合
している。この2群枠33の外径の被写体側には補助カ
ム33fが形成されていて、この補助カム33fは、上
記カム環34のズーム回転角度と同じ角度範囲で周方向
の2等分位置に形成されている。
【0116】図19は上記2群枠33の補助カム33f
を示す展開図である。
【0117】補助カム33fは、図16に示したような
任意の焦点距離における1群レンズ39と2群レンズ4
0の位置の差ΔZを、図19に示すように、その焦点距
離に対応したカム環34の回転角の位置により、任意の
基準線からΔZだけとるようにするものとして定義され
ている。
【0118】上記カム環34は、肉厚方向において、内
径側がカム部34b、外径側が円筒部34cにそれぞれ
なっている。図20はカム環34を外径側から見た展開
図である。円筒部34cは全周にわたって形成されてい
て、カム部34bは周方向の3等分位置に三角形状をな
してそれぞれ形成されている。なお、上記固定枠31と
の摺動面はカム部34bの内周面となっている。このカ
ム環34のカム部34bには、図17にも示すように、
光軸に対して傾斜して設けられた端面カムたる1群カム
34aと、光軸方向に沿った2群回転ガイド34dが形
成されている。そして、1群カム34aには1群枠カム
フォロワ32aが、2群回転ガイド34dには2群枠カ
ムフォロワ33aが、上記ばね38の作用によりそれぞ
れ当接している。これら1群カム34aおよび2群回転
ガイド34dは、共に段差でなる端面カムにより構成さ
れているために、カムをプラスチック成型する際にカム
溝の場合ように複雑な内スライド構造(コラプシブルコ
ア構造)の成型用の型を使う必要がなく、単純な型構造
で、取り数も多く成型することが可能である。さらに、
カム環34のフィルム面側の外周面には平ギヤー34e
が形成されており、ズームギヤー44が噛合してカメラ
本体側から駆動力を伝えるようになっている。また、カ
ム環34の外周面には、円柱状をなすフォーカス用カム
フォロワ34fが、周方向の2等分位置に突設されてい
る。
【0119】上記フォーカス環36は、外周の摺動面3
6aがカム押え37の内径摺動面37bと回転可能に嵌
合しており、後述するばね38の作用により、フォーカ
ス環36の被写体側端面36bはカム押え37に当接し
ている。このフォーカス環36のフィルム面側には、通
常の撮影時およびズーミング時に、ばね38の作用によ
り上記カム環34のフォーカス用カムフォロワ34fが
当接している通常撮影時当接面36cが形成されてい
る。この通常撮影時当接面36cの近傍には、さらにフ
ィルム面側に∞撮影時当接面36dが形成され、両者の
間は図17に示すようにカム斜面36eを介して滑らか
に接続されている。通常撮影時当接面36cのカム斜面
36eに対して反対側は当接面36fとなっており、∞
撮影時当接面36dのカム斜面36eに対して反対側は
当接面36gとなっている。上記カム環34のフォーカ
ス用カムフォロワ34fは、これらの2つの当接面36
f,36gの間で、カム環34とフォーカス環36が相
対的に回転することにより動くことができる。これらの
通常撮影時当接面36c、∞撮影時当接面36d、カム
斜面36e、当接面36f,36gは、カム環34のフ
ォーカス用カムフォロワ34fに対応して、周方向の2
等分位置に180°対向して形成されている。また、フ
ォーカス環36の外周にはフェイスギヤー36hが形成
されており、フォーカス切換ギヤー45と係合してい
る。このフォーカス環36も上記カム環34と同様に、
端面カムを有して構成されているために、単純な型で成
型することが可能である。
【0120】上記カム押え37は、レンズ鏡筒の先端部
に取り付けられるリング状の部材であり、その内径側か
ら突設された係合部37aが上記固定枠31の先端側に
形成された係合部31eと嵌合して、図示しない固定ね
じによって、カメラ本体側に固定されている。
【0121】上記1群枠32の被写体側には、断面略コ
の字形状をなす部分が形成されていて、そこにはプラン
ジャ42が固定されている。そして、このプランジャ4
2が固定されている部分を覆うようにして、被写体側か
ら文字環41が該1群枠32に接着して固定されてい
る。
【0122】1群枠32には、フィルムへの露光量を調
節する役割をはたす2枚でなるシャッタ羽根46が、羽
根押え43を用いて取り付けられている。このシャッタ
羽根46には、上記プランジャ42の駆動力が、図示し
ないレバーによって伝えられるようになっている。上記
羽根押え43はビスを用いて固定されていて、シャッタ
羽根46を押える働きをし、かつばね38の付勢力を直
接受ける役割を果たしている。この羽根押え43には、
周方向の2等分位置に突起43aが突設されている。こ
れらの2つの突起43aの位置は、上記2群枠33の補
助カム33fに対向する位置に設けられており、ズーム
がワイド状態である場合には図19の符号Rに示す位置
に、ズームがテレ状態である場合には2群枠33に対し
て相対移動するために符号Sに示す位置にくる。この突
起43aは、ワイド〜テレ間においては補助カム33f
と平行に移動する。
【0123】これら突起43aと補助カム33fの距離
は、ワイド〜テレ間においては、図19に示したような
距離Lだけ空けておく。この距離Lとしては、図17に
おけるフォーカス環36の通常撮影時当接面36cと∞
撮影時当接面36dの段差量に、余裕量を加えた分とす
る。
【0124】また、2群枠33の被写体側には、ばね受
け47が該2群枠33に対して回転可能に嵌合してい
る。
【0125】そして、このばね受け47と上記羽根押え
43に挟まれるようにして、ばね38が圧縮された状態
で入っている。このばね38は、図15に示したように
内径Dのコイルばねで構成されていて、上述した第1の
実施形態と同様に、1群枠32と2群枠33を光軸方向
に互いに離間する方向に付勢している。
【0126】従って、2群枠33はフィルム面側へ付勢
され、これにより2群枠カムフォロワ33aが、固定枠
31の2群カム31dに当接するとともにカム環34の
2群回転ガイド34dにも当接する。
【0127】また、1群枠32は被写体側へ付勢され、
これにより1群枠カムフォロワ32aが、固定枠31の
1群直進ガイド31cに当接するとともにカム環34の
1群カム34aにも当接する。この付勢力は1群カム3
4aのカム面に対して垂直にカム環34に伝わるため
に、カム環34は1群枠カムフォロワ32aから図17
の矢印Pに示すような力を受け、その光軸方向の分力に
より、矢印P′に示すような付勢力が被写体側へ作用す
る。
【0128】一方、上述の2群回転ガイド34dと2群
枠カムフォロワ33aの当接においては、2群回転ガイ
ド34dが光軸と平行であるために、光軸方向への分力
は働かない。従ってカム環34の全体は、矢印P′に示
す力により被写体へ向けて付勢される。
【0129】こうして、カム環34のフォーカス用カム
フォロワ34fがフォーカス環36の通常撮影時当接面
36cに当接し、これにより、フォーカス環36も被写
体側へ付勢される。そして、フォーカス環36の被写体
側端面36bが固定部材であるカム押え37に当接す
る。
【0130】次に、このような第3の実施形態の作用に
ついて説明する。
【0131】まず、被写体距離3mで通常撮影時のズー
ミングについて説明する。図17において、カム環34
がテレ方向、すなわち矢印K方向に回転すると、1群枠
カムフォロワ32aは、ばね38の作用によりカム環3
4の1群カム34aに常に当接しているために、1群カ
ム34aに従って被写体側へ繰り出される。
【0132】このときばね8の作用により、1群カム3
4aに当接した1群枠カムフォロワ32aは、固定枠3
1の1群直進ガイド31cにも常に当接しながら繰り出
すために、1群枠32は直進繰り出しとなる。
【0133】一方、2群枠カムフォロワ33aは、カム
環34が矢印K方向に回転することにより、2群回転ガ
イド34dから回転方向に力を受ける。ばね38の作用
により、2群枠カムフォロワ33aは常に被写体側へ付
勢されて固定枠31の2群カム31dへ当接しているた
めに、2群枠33は2群カム31dの曲線に沿って回転
して繰り出しを行う。
【0134】2群枠33が回転繰り出しを行うと、図1
9において補助カム33fも1群枠32に固定された羽
根押え43の突起43aに対して回転繰り出しを行う。
【0135】補助カム33fは、上述したように、基準
線からカム環34の回転角に対応した1群枠32と2群
枠33の間隔ΔZをとってあるために、図19における
距離Lは、どのズーム位置においても変わらない。従っ
て、使用者の誤操作等によって1群枠32が被写体側か
ら押圧されたとしても、距離L以上に沈胴することはな
く、補助カム33fはその際のガイドとなっている。
【0136】また、2群枠33は1群枠32に対して回
転移動を行うが、ばね受け47は2群枠33に対して摺
動可能に嵌合しているために、ばね受け47は1群枠3
2およびばね38と一体に回転する。従って、1群枠3
2と2群枠33が相対的に回転しても、ばね38にはね
じれ等が発生することはない。
【0137】次に、フォーカス環36は、カム環34が
回転することによってフォーカス用カムフォロワ34f
も回転するために、このフォーカス用カムフォロワ34
fがカム斜面36eに当接して、フォーカス環36もカ
ム環34と同方向に回転力を受ける。
【0138】本実施形態におけるカメラはローコストの
普及機であるために、カメラ内には駆動源であるモータ
は1つしか配設されておらず、ズームによるカム環34
の回転、フォーカス環36の回転、巻き上げ、巻き戻し
等の駆動を、全てこの単一のモータにより、駆動力を切
り換えて行っている。
【0139】上記ズーミング動作中には、ズームギヤー
44にモータからのギヤー列が係合しているために、フ
ォーカスギヤー45はフリーとなっており、フォーカス
環36は自由に回転することができる。従って、フォー
カス用カムフォロワ34fから回転力を受けたフォーカ
ス環36はカム環34と一体に回転して、フォーカス用
カムフォロワ34fは常にフォーカス環36の通常撮影
時当接面36cに当接しているために、どのズーム領域
においても被写体距離3mの位置で合焦している。
【0140】なお、本実施形態におけるズーム可能なレ
ンズ鏡筒は、望遠側が60mmと短くF値も暗くしてある
ために、被写界深度が深くピントの合う範囲が広くなっ
ている。従って、無限遠の被写体以外は、ズームの被写
体距離が3mであっても、ピントの合った写真を撮影す
ることができる。
【0141】カム環34がテレからワイド方向へ回転し
た際は、上記動作とは逆の動作が行われ、1群枠32は
直進繰り込みをし、2群枠33は回転繰り込みを行う。
フォーカス環36は、カム環34のフォーカス用カムフ
ォロワ34fが当接面36fに当接することにより、上
記動きとは逆の回転を行う。
【0142】続いて、フォーカシング動作を説明する。
上述したように、本実施形態においては被写体距離3m
と無限遠の場合の2段階のフォーカスが可能であり、通
常は被写体距離3mの位置にフォーカス環36は位置し
ている。
【0143】任意のズーム位置において、カメラ本体に
設けられた図示しない無限遠撮影ボタンを押すと、ズー
ムギヤー44に係合していたモータからのギヤー列がフ
ォーカスギヤー45へと切り換わり、さらにモータが駆
動してフォーカスギヤー45が回転して、フォーカス環
36が図17の矢印L方向へ回転する。
【0144】すると、カム環34のフォーカス用カムフ
ォロワ34fがフォーカス環36のカム斜面36eに乗
り上げて、カム環34全体がフィルム面側となる矢印M
の方向へ移動する。さらにフォーカス環36が回転する
と、フォーカス用カムフォロワ34fは∞撮影時当接面
36dに乗り上げて、当接面36gがフォーカス用カム
フォロワ34fに当接し、フォーカス環36の回転が停
止する。
【0145】カム環34全体が矢印M方向に移動する
と、1群枠カムフォロワ32aは1群カム34aに当接
しているために、やはり矢印M方向に移動する。
【0146】一方、2群枠カムフォロワ33aは、固定
枠31の2群カム31dに当接するとともに、カム環3
4に対しては光軸と平行、つまり矢印M方向と平行な2
群回転ガイド34dに当接しているために、カム環34
が矢印M方向に動いても光軸方向に移動することはな
い。
【0147】従って、1群枠32のみが光軸方向のフィ
ルム面側へ移動し、図16において破線で示した∞の位
置にセットされ、この状態でレリーズすることにより、
無限遠にピントの合った写真を撮影することができる。
【0148】再び通常の被写体距離3mに戻す際は、フ
ォーカス環36を矢印Lと逆方向に回転させて、フォー
カス用カムフォロワ34fを通常撮影時当接面36cに
当接させることにより、カム環34および1群枠32が
被写体側へ繰り出されて、再び被写体距離3mでの撮影
が可能になる。
【0149】なお、上述においては、フォーカス環36
のフォーカス用カムフォロワ34fに当接する端面の形
状を図17に示すように形成したが、例えば、図18に
示すように、略直線をなす斜面36c′を有するフォー
カス環36′として形成して、この斜面36c′をフォ
ーカス用カムフォロワ34fに当接させるようにしても
よい。このように構成することにより、第1,第2の実
施形態と同様に無段階のAFが可能なレンズ鏡筒とする
ことができる。
【0150】以上説明したように、このような第3の実
施形態によれば、上述の第1,第2の実施形態とほぼ同
様の効果を奏するとともに、2群構成のズーム可能なレ
ンズ鏡筒において、それぞれのレンズ群の移動を行う2
つのカムの内、1群レンズ用のカムはカム環に端面カム
として構成し、2群レンズ用のカムは固定枠に端面カム
として構成したために、カム環を1つ設けるだけで、必
要な機能を満たすことができて、部品の点数を減少する
ことができる。
【0151】また、フォーカス切換を行うカムも端面形
状として、3種類のカムに対応するカムフォロワの全て
を1つのばねを用いて各カムに当接するように構成した
ために、少ない部品点数で、2群ズームレンズ鏡筒を構
成することができる。
【0152】さらに、従来はカムをカム溝として構成し
ていたために、プラスチック成型の際にコラプシブルコ
ア構造と呼ばれる複雑な内スライド構造が必要であった
が、本実施形態においては全てのカムを端面カムとした
ために、単純な型構成で1回の取り数を多くしてプラス
チック成型することが可能となる。
【0153】そして、第1の実施形態同様に、カムフォ
ロワと移動枠を一体成型して、カム面にばねの力により
当接させるだけなので、組立性においても優れたものと
なっている。
【0154】図21から図25は本発明の第4の実施形
態を示したものであり、図21はレンズ鏡筒を示す光軸
上半分の縦断面図であって図22のQ−Q’断面図、図
22はカム構造を平面的に模式的に示した図、図23は
レンズ鏡筒を示す光軸上半分の縦断面図であって図22
のT−T’断面図である。
【0155】この第4の実施形態において、上述の第1
から第3の実施形態と同様である部分については説明を
省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0156】この第4の実施形態におけるレンズ鏡筒
は、図21に示すように、1群レンズ58と2群レンズ
59と3群レンズ60とでなる3群に分かれたレンズ構
成をとっており、ズーミング作用を行う際、あるいは合
焦作用を行う際には、全ての群を、あるいは一部の群を
駆動するようになっている。
【0157】このレンズ鏡筒は、図示しないカメラ本体
に一体でまたは別体で固定された固定枠51と、この固
定枠51の内周面側に光軸方向に摺動自在に配設された
1群レンズ58を保持する第1鏡枠たる1群枠52と、
同固定枠51の内周面側に光軸方向に摺動自在に配設さ
れた2群レンズ59を保持する第2鏡枠たる2群枠53
と、この2群枠53の内周側に配設された3群レンズ6
0を保持する第3鏡枠たる3群枠54と、上記固定枠5
1の外周面側に回動自在に配設されていて上記1群枠5
2または2群枠53の少なくとも一方を駆動するための
第1カム枠たる第1カム環55と、同固定枠51の外周
面側に回動自在に配設されていて上記3群枠54を駆動
するための第2カム枠たる第2カム環56と、上記第1
カム環55の外周面側に配設されていて該第1カム環5
5を介して上記2群枠53を駆動するための第3カム枠
たるAF環65と、このAF環65の光軸方向の移動を
規制するカム押え57と、上記2群レンズ59の前面側
に構成されるシャッタ機構のシャッタ羽根72と、この
シャッタ羽根72を図示しないレバーを介して開閉させ
るものであり上記2群枠53に取り付けられているプラ
ンジャ71と、上記1群枠52の被写体側に接着によっ
て固定された文字環73とを有して構成されている。
【0158】上記固定枠51は、上記1群枠52を非線
形に回転繰り出しするための1群カム51aと、上記2
群枠53を直進繰り出しするための2群カム51bと、
上記3群枠54を非線形に直進繰り出しするための3群
カム51cとが、円周上3等分の位置にそれぞれ形成さ
れている。
【0159】上記1群枠52は、複数のレンズでなる1
群レンズ58が接着によって内周側に固定されていて、
フィルム面側の外周に設けられた嵌合部52dによって
上記固定枠51の内径51eに対し光軸周りの回転およ
び摺動が可能なように嵌合している。また、この1群枠
52には、上記嵌合部52dの周方向の3等分位置に図
示しないねじ穴が穿設されていて、後述する1群カムフ
ォロワ61が螺合して固定されている。さらに、この1
群枠52のフィルム面側の端面近傍には、図示のよう
に、2群枠53の後述する突起部53bをよけるための
切欠52eが、該突起部53bの角度位置に対応した位
置から該1群枠52の回転角の範囲に設けられている。
【0160】上記2群枠53は、複数のレンズでなる2
群レンズ59が接着によって内周側に固定されていて、
その外径53aが上記1群枠52の被写体側の内径52
aと、光軸方向の摺動および光軸周りの回転が可能とな
るように嵌合している。また、この2群枠53のフィル
ム面側の端面近傍には、外径側へ向かう突起部53bが
周方向の3等分位置にそれぞれ突設されていて、後述す
る2群カムフォロワ62がこの突起部53bに穿設され
たねじ穴53cに螺合して固定されている。
【0161】上記3群枠54は、3群レンズ60が接着
によって内周側に固定されていて、その外径54aが上
記2群枠53のフィルム面側の内径53dと光軸方向の
摺動が可能となるように嵌合している。また、この3群
枠54のフィルム面側の端面近傍には、外径側へ向かう
突起部54bが周方向の3等分位置にそれぞれ突設され
ていて、後述する3群カムフォロワ63がこの突起部5
4bに穿設されたねじ穴54cに螺合して固定されてい
る。
【0162】上記第1カム環55は、その内径55aが
上記固定枠51の外径51dに対して回転可能かつ光軸
方向に前後移動可能に嵌合している。この第1カム環5
5には、図22に示すような2種類のカム溝、すなわ
ち、上記1群枠52を非線形に回転繰り出しするための
1群カム55bと、上記2群枠53を線形に直進繰り出
しするための2群カム55cとが、周方向の3等分位置
にそれぞれ刻設されている。
【0163】上記1群カムフォロワ61は、その嵌合面
61aが円筒状に形成されていて、上記第1カム環55
の1群カム55bと固定枠51の1群カム51aの双方
のカム溝に対して摺動可能に嵌入している。
【0164】上記2群カムフォロワ62は、その嵌合面
62aが上記1群カムフォロワ61と同様に円筒状に形
成されていて、第1カム環55の2群カム55cと固定
枠51の2群カム51bの双方に対して摺動可能に嵌入
している。
【0165】上記第2カム環56も、上記第1カム環5
5と同様に、その内径56aが固定枠51の外径51d
に回転可能かつ光軸方向に摺動可能に嵌合している。こ
の第2カム環56には、図22に示すような2種類のカ
ム溝、すなわち、上記3群枠54を非線形に直進繰り出
しするための3群カム56bと、該第2カム環56のス
ラスト方向の位置を固定するためのスラスト固定用カム
56cとが、周方向の3等分位置にそれぞれ形成されて
いて、スラスト固定用カム56cは、後述するズームギ
ヤー56dの存在しない周方向の範囲に、該第2カム環
56の回転角に余裕角を加えた角度分だけ形成されてい
る。
【0166】上記3群カムフォロワ63は、その嵌合面
63aが円筒状に形成されていて、上記第2カム環56
の3群カム56bと固定枠51の3群カム51cの双方
のカム溝に対して摺動可能に嵌入している。
【0167】スラスト固定用カムフォロワ70は、その
嵌合面70aが上記スラスト固定用カム56cに対して
摺動するものであり、該スラスト固定用カム56cに対
応して、固定枠51の外周面後端側の3ヶ所に、先端に
形成されたねじにより螺合して固定されている。
【0168】ここで、図24および図25を参照して第
1カム環55と第2カム環56についてより詳細に説明
する。図24は第1カム環55を外径側から示す展開
図、図25は第2カム環56を外径側から示す展開図で
ある。
【0169】上記第1カム環55は、外径側に円筒部5
5fが形成されているとともに、内径側に略矩形形状を
なすカム部55eが周方向の3等分位置に60°の角度
範囲で上記第2カム環56側に突出するよう形成されて
おり、これら複数のカム部55e同士の間もそれぞれ6
0°の角度となっている。そして、カム部55eは、上
記1群カム55bと2群カム55cが形成されていて、
その周方向の両端面は係合部55gとなっている。
【0170】また、上記第2カム環56は、外径側に円
筒部56fが形成されているとともに、内径側に略矩形
形状をなすカム部56eが周方向の3等分位置に60°
の角度範囲で上記第1カム環55側に突出するよう形成
されており、これら複数のカム部56e同士の間もそれ
ぞれ60°の角度となっている。そして、カム部56e
は、上記3群カム56bとスラスト固定用カム56cが
形成されていて、その周方向の両端面は係合部56gと
なっている。また、この第2カム環56の外周面のフィ
ルム面側には、周方向に沿ったギヤー56dが刻設され
ていて、ズームギヤー66(図21参照)と噛合して、
図示しないズームモータからの駆動力が伝達されるよう
になっている。
【0171】このような構成において、第1カム環55
の60°のカム部55eが、第2カム環56の円筒部5
6fより内径側となるカム部56eの存在しない60°
の範囲に嵌入することにより、上記係合部55gと係合
部56gが互いに当接して、第1カム環55と第2カム
環56が一体的に回転するよう係合している。
【0172】なお、上記第1カム環55は、光軸方向に
は位置規制されていないために、第2カム環56に係合
した状態で光軸方向に移動することが可能である。
【0173】上記AF環65は、第1カム環55の外周
のやや被写体よりとなる側に配設されていて、その外周
65bが上記カム押え57の嵌合径57aと回転可能な
状態で嵌合している。
【0174】上記カム押え57は、内径側に設けられた
係合部57cが上記固定枠51の先端の係合部51fと
係合して、図示しないねじを用いて固定されている。
【0175】スラスト止め67は、AF環65の外周側
に穿設されたねじ穴65aに螺合して固定されていて、
カム押え57に周方向に刻設されたカム溝57dに嵌入
して、該AF環65のスラスト方向の移動を規制するも
のである。これらカム押え57のカム溝57dおよびA
F環65のねじ穴65aは、共に周方向の2等分位置に
形成されていて、該カム溝57dの範囲としては、AF
環65の回転量に余裕分を加えた量だけとってある。
【0176】上記AF環65には、図22にその一部を
示すように、カム溝でなるAFカム65cが刻設されて
いる。本実施形態におけるズームレンズは、同じ被写体
距離であってもレンズの焦点距離に応じてフォーカス群
である2群レンズ59の繰り出し量が変わるバリフォー
カルレンズとなっているために、AFカム65cは図示
のような曲線形状となっている。このAFカム65cに
は、AFカムフォロワ68が嵌入しており、このAFカ
ムフォロワ68は上記第1カム環55の外周に螺合して
固定されている。
【0177】さらに、AF環65の外周のフィルム面側
には、フェイスギヤー65dが形成されており、モータ
の駆動力が伝達されるAFギヤー69と噛合している。
【0178】次に、このような第4の実施形態の作用に
ついて説明する。
【0179】まず、ズーミング作用について説明する。
カメラ本体に設けられている図示しないズームボタンを
テレ方向に操作すると、駆動源であるズームモータが駆
動され、このズームモータから駆動力が伝えられたズー
ムギヤー66が回転する。このズームギヤー66の回転
は、係合している第2カム環56の外周のギヤー56d
に伝達されて、第2カム環56が固定枠51に対して図
22の矢印Vの方向へ回転する。
【0180】これにより、第2カム環56上に形成され
た3群カム56bも固定枠51上の3群カム51cに対
して矢印Vの方向へ回転するために、両者のカムに摺動
可能に嵌入している3群カムフォロワ63は、3群カム
51cに沿って被写体側へ繰り出される。これにより3
群カムフォロワ63が固定された3群枠54が、被写体
側へ繰り出される。
【0181】また、第2カム環56が回転すると、第1
カム環55は、その係合部55gと当接している第2カ
ム環56の係合部56gから回転力を受けて、その回転
方向、すなわち矢印Vの方向に、該第2カム環56と一
体的に回転する。
【0182】これに伴い、第1カム環55の外周に固定
されたAFカムフォロワ68は、AF環65のAFカム
65cに沿って移動する。このとき、AF環65の外周
に形成されたフェイスギヤー65dはAFギヤー69と
噛合しているが、AFギヤー69には上記ズームモータ
とは別のAFモータからのギヤー列が噛合しており、ズ
ーミング時にはこのAFモータは停止しているために、
AF環65は回転することはない。従って、第1カム環
55は、回転しながらAFカム65cに沿ってフィルム
面側へ後退する。
【0183】なお、第2カム環56については、上述し
たように、フィルム面側の端面近傍に形成されたスラス
ト固定用カム56cが、固定枠51に螺合されているス
ラスト固定用カムフォロワ70に摺動可能に嵌入してい
るために、光軸方向に移動することはない。
【0184】こうして上記第1カム環55は、第2カム
環56と共に回転しながらAFカム65cに沿ってフィ
ルム面側へ後退する。これに伴い、第1カム環55の1
群カム55bと2群カム55cは、固定枠51の1群カ
ム51aと2群カム51bに対して、それぞれ図22の
矢印Vの方向へ回転する。
【0185】こうして、1群カム51aと1群カム55
bの双方に摺動可能に嵌入している1群カムフォロワ6
1は、該1群カム51aに沿って光軸に対して回転しな
がら繰り出され、また、2群カム51bと2群カム55
cの双方に摺動可能に嵌入している2群カムフォロワ6
2は、該2群カム51bに沿って直進に繰り出される。
【0186】これにより、上記1群カムフォロワ61が
螺合されている1群枠52は回転しながら被写体側へ繰
り出され、また、上記2群カムフォロワ62が螺合され
ている2群枠53は被写体側へ向かって直進に繰り出さ
れる。なお、上述したように第1カム環55はAFカム
65cに沿って回転しながら繰り込まれているために、
上記1群枠52と2群枠53の光軸方向への移動量は、
該第1カム環55の繰り込み量が合成されたものとなっ
ている。
【0187】次に、AF作用について説明する。本実施
形態のレンズ鏡筒は、ズーミング時には上述したように
3つのレンズ群の全てが移動を行うが、これに対してA
F時には2群レンズ59のみが駆動されるようになって
いる。
【0188】すなわち、カメラ本体に設けられた図示し
ないレリーズボタンを押すと、駆動源であるAFモータ
が駆動されて、このAFモータから駆動力が伝達された
AFギヤー69が回転する。
【0189】このAFギヤー69は、AF環65のフェ
イスギヤー65dと噛合しているために、該AF環65
は、光軸を中心として図23の矢印W方向へ回転する。
このときAF環65は、該AF環65に固定されたスラ
スト止め67がカム押え57のカム溝57dに摺動可能
に嵌入しているために、光軸方向に移動することはな
い。
【0190】こうしてAF環65が回転することによ
り、AFカム65cに摺動可能に嵌入したAFカムフォ
ロワ68が、AFカム65cに沿って移動する。
【0191】このときに、第2カム環56はギヤー56
dがズームギヤー66に噛合しており、このズームギヤ
ー66はギヤー列を介して図示しないズームモータに噛
合しているが、該ズームモータはAF動作時は停止して
いるために、第2カム環56は回転することはない。
【0192】従って、第2カム環56と回動一体に係合
している第1カム環55も回転することができないため
に、第1カム環55は、AFカム65cによって被写体
側へ直進にのみ繰り出される。
【0193】上述したように、第1カム環55に形成さ
れた1群カム55bは光軸と平行であり、2群カム55
cは光軸に対して平行ではないために、第1カム環55
の光軸方向の移動によって、2群カム55cに係合した
2群カムフォロワ62のみが光軸方向に移動し、1群カ
ムフォロワ61は移動しない。
【0194】こうして2群カムフォロワ62が、固定枠
51の2群カム51bに沿って移動することにより、該
2群カムフォロワ62が固定されている2群枠53が光
軸方向に移動して、合焦作用が行われる。
【0195】このような第4の実施形態によれば、比較
的複雑にレンズ群が移動する3群構成の光学系におい
て、それぞれのレンズ群を移動するためのカムを2つの
カム環に効率的に振り分けて形成し、双方のカム環をカ
ム部と円筒部とで構成して、一方のカム環のカム部を他
方のカム環のカム部が存在しない範囲となる円筒部の内
側に収納することによって、光軸方向のスペースを大幅
に小さくすることができる。
【0196】また、双方のカム環の相対的な回転を規制
する係合部を、カム部の両端面にしたために、径方向の
スペースも有利となる。
【0197】こうして、複数のカムが任意に配置された
従来のレンズ鏡筒と比較すると、光軸方向のスペースを
大幅に削減したレンズ鏡筒となり、光軸方向のスペース
を極めて抑制した小型なズームカメラを構成することが
可能になる。
【0198】なお、上述の各実施形態においては、円筒
部の内径側にカム部を設けているが、双方のカム環の円
筒部の外径側にカム部を形成して円筒部の内径を固定枠
に嵌合させるようにしても、同様の効果を奏することが
できる。
【0199】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができ
る。
【0200】(1) 第1鏡枠と、第2鏡枠と、光軸周
りに回動もしくは光軸方向に進退されることにより上記
第1鏡枠を光軸方向に進退させる第1カム枠と、光軸周
りに回動されることにより上記第2鏡枠を光軸方向に進
退させる第2カム枠と、上記第1カム枠と第2カム枠と
を、光軸周りには一体に、光軸方向には相対移動可能に
連結する連結手段と、を具備しており、変倍動作時に、
上記第1カム枠と第2カム枠とを光軸周りに一体的に回
動させるとともに上記第1カム枠を第2カム枠に対して
光軸方向に進退させることにより上記第1鏡枠と第2鏡
枠をそれぞれ光軸方向に進退させ、合焦動作時に、上記
第1カム枠を上記第2カム枠に対して光軸方向に進退さ
せることにより上記第1鏡枠を第2鏡枠に対し光軸方向
に進退させることを特徴とするレンズ鏡筒。
【0201】(2) 固定枠と、この固定枠に対し光軸
方向の進退のみ自在に設けられた第1鏡枠と、上記固定
枠に対し光軸方向の進退のみ自在に設けられた第2鏡枠
と、上記第1鏡枠とカム結合する第1カム枠と、上記第
2鏡枠とカム結合する第2カム枠と、上記第1カム枠と
第2カム枠とを、光軸周りには一体に、光軸方向には相
対移動可能に連結する連結手段と、上記第1カム枠とカ
ム結合する第3カム枠と、を具備しており、変倍動作時
に、上記第1カム枠と第2カム枠とを光軸周りに一体に
回動させるとともに上記第3カム枠とのカム作用により
上記第1カム枠を光軸方向に進退させて上記第1鏡枠と
第2鏡枠とをそれぞれ光軸方向に進退させ、合焦動作時
に、上記第3カム枠を光軸周りに回動させて上記第1カ
ム枠を光軸方向に進退し、上記第1鏡枠を上記第2鏡枠
に対して光軸方向に進退させることを特徴とするレンズ
鏡筒。
【0202】(3) 固定枠と、この固定枠に対し光軸
方向の進退のみ自在に設けられた第1鏡枠と、この第1
鏡枠の後方にて、上記固定枠に対し光軸方向の進退のみ
自在に設けられた第2鏡枠と、後端面に形成された端面
カムに上記第1鏡枠が当接する第1カム枠と、この第1
カム枠の後方に配置されており、前端面に形成された端
面カムに上記第2鏡枠が当接する第2カム枠と、上記第
1カム枠と第2カム枠とを、光軸周りには一体に、光軸
方向には相対移動可能に連結する連結手段と、上記第1
カム枠の前方に、光軸周りに回動自在に配置されてお
り、後端面に形成された端面カムに上記第1カム枠が当
接する第3カム枠と、上記第1鏡枠および第2鏡枠を、
それぞれ上記第1カム枠および第2カム枠の端面カムに
当接する方向に付勢する付勢手段と、を具備しており、
変倍動作時に、上記第1カム枠と第2カム枠とを光軸周
りに一体に回動させるとともに上記第3カム枠とのカム
作用により上記第1カム枠を光軸方向に進退させて上記
第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸方向に進退させ、
合焦動作時に、上記第3カム枠を光軸周りに回動させて
上記第1カム枠を光軸方向に進退し、上記第1鏡枠を上
記第2鏡枠に対して光軸方向に進退させることを特徴と
するレンズ鏡筒。
【0203】(4) 固定枠と、この固定枠に設けられ
た直進カムに沿って光軸方向に進退自在に設けられた第
1鏡枠と、上記固定枠に設けられた傾斜カムに沿って光
軸方向に進退自在かつ光軸周りに回動自在に設けられた
第2鏡枠と、上記第1鏡枠を上記固定枠の直進カムに押
し付ける傾斜カムと、上記第2鏡枠を上記固定枠の傾斜
カムに押し付ける直進カムとを有し、上記固定枠に対し
光軸方向に進退自在かつ光軸周りに回動自在に設けられ
た第1カム枠と、上記固定枠に対して光軸周りに回動さ
れることにより、上記第1カム枠を光軸方向に進退させ
る第2カム枠と、を具備しており、変倍動作時に、上記
第1カム枠を固定枠に対して光軸周りに回動させること
により第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸方向に進退
させ、合焦動作時に、上記第2カム枠を光軸周りに回動
させて上記第1カム枠を光軸方向に進退させることによ
り、上記第1鏡枠を上記第2鏡枠に対し光軸方向に進退
させることを特徴とするレンズ鏡筒。
【0204】(5) 上記(1)において、上記第1鏡
枠および第2鏡枠は、それぞれ、光軸周りの回動を規制
されている。
【0205】(6) 上記(1),(2),(3)にお
いて、上記第1鏡枠および第2鏡枠は、それぞれ、固定
枠に設けられた直進溝によって、光軸周りの回動を規制
されている。
【0206】(7) 上記(1),(2),(3),
(4)において、上記第1鏡枠および第2鏡枠は、それ
ぞれ、レンズ鏡筒における光学素子を保持する。
【0207】(8) 上記(1),(2)において、上
記第1鏡枠および第2鏡枠は、それぞれ、上記第1カム
枠および第2カム枠の端面にそれぞれ形成された端面カ
ムに当接する。
【0208】(9) 上記(8)において、上記第1カ
ム枠の後方に上記第2カム枠が設けられている。
【0209】(10) 上記(9)において、上記端面
カムは、上記第1カム枠の後端面および上記第2カム枠
の前端面に設けられている。
【0210】(11) 上記(10)において、上記第
1鏡枠と第2鏡枠との間には、伸長性のばねが架設され
ている。
【0211】(12) 上記(8)において、上記第1
鏡枠および第2鏡枠は、それぞれ、上記第1カム枠およ
び第2カム枠の端面カムに当接するカムフォロワを有す
る。
【0212】(13) 上記(8)において、さらに、
上記第1鏡枠および第2鏡枠を、それぞれ、上記第1カ
ム枠および第2カム枠の端面カムに向けて付勢する付勢
手段を有する。
【0213】(14) 上記(3),(13)におい
て、上記付勢手段は上記第1鏡枠と第2鏡枠との間に架
設された伸長性のばねである。
【0214】(15) 上記(14)において、上記ば
ねはコイル状に形成されたばねである。
【0215】(16) 上記(3),(13)におい
て、上記付勢手段は、上記第1鏡枠を上記第1カム枠に
向けて付勢することにより、該第1カム枠を上記第3カ
ム枠に向けて付勢する。
【0216】(17) 上記(2)において、上記第1
カム枠は、上記第3カム枠の端面に形成された端面カム
に当接する。
【0217】(18) 上記(1),(2),(3)に
おいて、駆動源の駆動力が変倍動作時における上記第2
カム枠の回動力として供給される。
【0218】(19) 上記(1)において、駆動源の
駆動力が合焦動作時における上記第1カム枠の進退力と
して供給される。
【0219】(20) 上記(2),(3)において、
駆動源の駆動力が合焦動作時における上記第3カム枠の
回動力として供給される。
【0220】(21) 上記(4)において、上記第1
カム枠の傾斜カムは、該第1カム枠における光軸方向の
端面に設けられた端面カムである。
【0221】(22) 上記(4)において、上記固定
枠の傾斜カムは、該固定枠における光軸方向の端面に設
けられた端面カムである。
【0222】(23) 上記(21),(22)におい
て、上記第1鏡枠および第2鏡枠は、それぞれ、上記第
1カム枠および固定枠の端面カムに当接するカムフォロ
ワを有する。
【0223】(24) 上記(4)において、さらに、
上記第1鏡枠および第2鏡枠を、それぞれ、上記第1カ
ム枠および固定枠の端面カムに向けて付勢する付勢手段
を有する。
【0224】(25) 上記(24)において、上記付
勢手段は上記第1鏡枠と第2鏡枠との間に架設された伸
長性のばねである。
【0225】(26) 上記(25)において、上記ば
ねはコイル状に形成されたばねである。
【0226】(27) 上記(25)において、上記付
勢手段は、上記第1鏡枠を上記第1カム枠に向けて付勢
することにより、上記第1カム枠を上記第2カム枠に向
けて付勢する。
【0227】(28) 上記(4)において、上記第1
カム枠は、上記第2カム枠の端面に形成された端面カム
に当接する。
【0228】(29) 上記(4)において、駆動源の
駆動力が変倍動作時における上記第1カム枠の回動力と
して供給される。
【0229】(30) 上記(4)において、駆動源の
駆動力が合焦動作時における上記第2カム枠の回動力と
して供給される。
【0230】(31) 第1カム枠と、この第1カム枠
に対し光軸方向に隣接して配置される第2カム枠と、上
記第1カム枠の所定の角度位置に形成され、上記第2カ
ム枠に向けて突出する第1端面カムと、上記第2カム枠
の所定の角度位置に形成され、上記第1カム枠に向けて
突出する第2端面カムと、上記第1カム枠の内周もしく
は外周に設けられた第1円筒部と、上記第2カム枠の内
周もしくは外周に設けられた第2円筒部と、を具備して
おり、上記第1端面カムは、上記第2カム枠における第
2端面カムが形成された径方向位置の、上記第2端面カ
ムが形成されていない周位置に収納され、上記第2端面
カムは、上記第1カム枠における第1端面カムが形成さ
れた径方向位置の、上記第1端面カムが形成されていな
い周位置に収納されることを特徴とするレンズ鏡筒。
【0231】(32) 第1カム枠と、この第1カム枠
に対し光軸方向に隣接して配置される第2カム枠と、上
記第1カム枠の径方向の内側もしくは外側の一方の、上
記第2カム枠と対向する端面に設けられ、該第2カム枠
に向けて突出する第1端面カムと、上記第2カム枠の径
方向の内側もしくは外側の一方の、上記第1カム枠と対
向する端面に設けられ、該第1カム枠に向けて突出する
第2端面カムと、上記第1カム枠の径方向の内側もしく
は外側の他方に設けられ、上記第1端面カムの基端部お
よび上記第2端面カムの先端部をカバーする第1カバー
と、上記第2カム枠の径方向の内側もしくは外側の他方
に設けられ、上記第2端面カムの基端部および上記第1
端面カムの先端部をカバーする第2カバーと、を具備す
ることを特徴とするレンズ鏡筒。
【0232】(33) 上記(31)において、上記第
1円筒部は上記第2端面カムの先端部を、上記第2円筒
部は上記第1端面カムの先端部を、それぞれ保護するも
のである。
【0233】(34) 上記(31)において、上記第
1円筒部は上記第1端面カムの基端部および上記第2端
面カムの先端部を、上記第2円筒部は上記第2端面カム
の基端部および上記第1端面カムの先端部を、それぞれ
保護するものである。
【0234】(35) 上記(31)において、上記第
1円筒部と第2円筒部は、光軸周りの相対回動のみを規
制する係合手段を有する。
【0235】(36) 上記(32)において、第1カ
バーと第2カバーは、光軸周りの相対回動のみを規制す
る係合手段を有する。
【0236】(37) 上記(31),(32)におい
て、上記第1端面カムと第2端面カムのそれぞれは、少
なくとも2つのレンズ保持枠を光軸方向に駆動するため
の端面カムである。
【0237】(38) 上記(31),(32)におい
て、上記第1端面カムと第2端面カムのそれぞれは、上
記第1カム枠と第2カム枠の径方向の内側に設けられて
いる。
【0238】(39) 上記(31),(32)におい
て、上記第1端面カムと第2端面カムのそれぞれは、上
記第1カム枠と第2カム枠とが光軸方向に最接近して
も、当接しないように設定されている。
【0239】(40) 上記(31),(32)におい
て、上記第1端面カムと第2端面カムは、それぞれ上記
第1カム枠と第2カム枠の内側に嵌合したレンズ保持枠
の外周に突設されたカムフォロワが当接する。
【0240】(41) 上記(32)において、上記第
1端面カムと第2端面カムは、それぞれ上記第1カム枠
および第2カム枠における、互いが突設されていない空
間部分に入り込む。
【0241】(42) 上記(32)において、上記第
1カバーおよび第2カバーは、円筒形に形成されてい
る。
【0242】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
量生産に適した構造を備える精度の高い低コストのレン
ズ鏡筒となる。また、本発明のレンズ鏡筒によれば、光
軸方向のスペースを極力小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のレンズ鏡筒を示す光
軸に沿った上半分の断面図。
【図2】上記第1の実施形態におけるレンズ鏡筒の1群
レンズと2群レンズの焦点距離と移動量の関係を示す線
図。
【図3】上記第1の実施形態の第1カム環を外径側から
示す展開図。
【図4】上記第1の実施形態の第2カム環を、その一部
を省略して外径側から示す展開図。
【図5】上記第1の実施形態の第1カム環,第2カム
環,AFカムによるカム機構を模式的に示す展開図。
【図6】上記第1の実施形態における1群枠の1群枠カ
ムフォロワの近傍を示す拡大斜視図。
【図7】上記第1の実施形態における2群枠の2群枠カ
ムフォロワの近傍を示す拡大斜視図。
【図8】上記第1の実施形態において、1群枠と2群枠
がテレ状態において最も接近した際の各カムフォロワと
回転止めピンの位置関係を外径方向から示す展開図。
【図9】上記第1の実施形態におけるAFカムの詳細を
示す展開図。
【図10】上記第1の実施形態において、メカスイッチ
のオン,オフとAF環により移動する1群レンズの位置
関係を示す図。
【図11】上記第1の実施形態において、結像位置がフ
ィルム面よりも被写体側にあるときの状態を示す図。
【図12】上記第1の実施形態において、結像位置がフ
ィルム面よりも撮影者側にあるときの状態を示す図。
【図13】本発明の第2の実施形態のレンズ鏡筒を示す
光軸に沿った上半分の断面図。
【図14】上記第2の実施形態において、第1カム環,
第2カム環,AFカムに形成されたカム機構を模式的に
示す展開図。
【図15】本発明の第3の実施形態のレンズ鏡筒を示す
光軸に沿った上半分の断面図。
【図16】上記第3の実施形態におけるレンズ鏡筒の1
群レンズと2群レンズの焦点距離と移動量の関係を示す
線図。
【図17】上記第3の実施形態において、固定枠とカム
環とフォーカス環の係合関係を示す展開図。
【図18】上記図17におけるフォーカス環の他の構成
を示す展開図。
【図19】上記第3の実施形態の2群枠に形成された補
助カムを模式的に示す展開図。
【図20】上記第3の実施形態のカム環を外径側から示
す展開図。
【図21】本発明の第4の実施形態のレンズ鏡筒を示す
光軸上半分の縦断面図であって図22のQ−Q’断面
図。
【図22】上記第4の実施形態のレンズ鏡筒におけるカ
ム構造を平面的に模式的に示した図。
【図23】上記第4の実施形態のレンズ鏡筒を示す光軸
上半分の縦断面図であって図22のT−T’断面図。
【図24】上記第4の実施形態のレンズ鏡筒の第1カム
環を外径側から示す展開図。
【図25】上記第4の実施形態のレンズ鏡筒の第2カム
環を外径側から示す展開図。
【符号の説明】
1,31,51…固定枠 2,32,52…1群枠(第1鏡枠) 3,33,53…2群枠(第2鏡枠) 4,55…第1カム環(第1カム枠) 4a,34a…1群カム(端面カム) 4b,5d…係合部(連結手段) 5,56…第2カム環(第2カム枠) 5a,31d…2群カム(端面カム) 5h…1群補助カム 6,65…AF環(第3カム枠) 6a…AFカム(端面カム) 7,37,57…カム押え 8,38…ばね(付勢手段) 9,39,58…1群レンズ 10,40,59…2群レンズ 31c…1群直進ガイド 33f…補助カム 34…カム環(カム枠) 34d…2群回転ガイド 36…フォーカス環(カム枠) 36c…通常撮影時当接面 36c′…斜面 36d…∞撮影時当接面 55e…カム部(第1端面カム) 55f…円筒部(第1円筒部,第1カバー) 56e…カム部(第2端面カム) 56f…円筒部(第2円筒部,第1カバー) 60…3群レンズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1鏡枠と、 第2鏡枠と、 光軸周りに回動もしくは光軸方向に進退されることによ
    り上記第1鏡枠を光軸方向に進退させる第1カム枠と、 光軸周りに回動されることにより上記第2鏡枠を光軸方
    向に進退させる第2カム枠と、 上記第1カム枠と第2カム枠とを、光軸周りには一体
    に、光軸方向には相対移動可能に連結する連結手段と、 を具備しており、変倍動作時に、上記第1カム枠と第2
    カム枠とを光軸周りに一体的に回動させるとともに上記
    第1カム枠を第2カム枠に対して光軸方向に進退させる
    ことにより上記第1鏡枠と第2鏡枠をそれぞれ光軸方向
    に進退させ、合焦動作時に、上記第1カム枠を上記第2
    カム枠に対して光軸方向に進退させることにより上記第
    1鏡枠を第2鏡枠に対し光軸方向に進退させることを特
    徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 固定枠と、 この固定枠に対し光軸方向の進退のみ自在に設けられた
    第1鏡枠と、 上記固定枠に対し光軸方向の進退のみ自在に設けられた
    第2鏡枠と、 上記第1鏡枠とカム結合する第1カム枠と、 上記第2鏡枠とカム結合する第2カム枠と、 上記第1カム枠と第2カム枠とを、光軸周りには一体
    に、光軸方向には相対移動可能に連結する連結手段と、 上記第1カム枠とカム結合する第3カム枠と、 を具備しており、変倍動作時に、上記第1カム枠と第2
    カム枠とを光軸周りに一体に回動させるとともに上記第
    3カム枠とのカム作用により上記第1カム枠を光軸方向
    に進退させて上記第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸
    方向に進退させ、合焦動作時に、上記第3カム枠を光軸
    周りに回動させて上記第1カム枠を光軸方向に進退し、
    上記第1鏡枠を上記第2鏡枠に対して光軸方向に進退さ
    せることを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 固定枠と、 この固定枠に対し光軸方向の進退のみ自在に設けられた
    第1鏡枠と、 この第1鏡枠の後方にて、上記固定枠に対し光軸方向の
    進退のみ自在に設けられた第2鏡枠と、 後端面に形成された端面カムに上記第1鏡枠が当接する
    第1カム枠と、 この第1カム枠の後方に配置されており、前端面に形成
    された端面カムに上記第2鏡枠が当接する第2カム枠
    と、 上記第1カム枠と第2カム枠とを、光軸周りには一体
    に、光軸方向には相対移動可能に連結する連結手段と、 上記第1カム枠の前方に、光軸周りに回動自在に配置さ
    れており、後端面に形成された端面カムに上記第1カム
    枠が当接する第3カム枠と、 上記第1鏡枠および第2鏡枠を、それぞれ上記第1カム
    枠および第2カム枠の端面カムに当接する方向に付勢す
    る付勢手段と、 を具備しており、変倍動作時に、上記第1カム枠と第2
    カム枠とを光軸周りに一体に回動させるとともに上記第
    3カム枠とのカム作用により上記第1カム枠を光軸方向
    に進退させて上記第1鏡枠と第2鏡枠とをそれぞれ光軸
    方向に進退させ、合焦動作時に、上記第3カム枠を光軸
    周りに回動させて上記第1カム枠を光軸方向に進退し、
    上記第1鏡枠を上記第2鏡枠に対して光軸方向に進退さ
    せることを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】 第1カム枠と、 この第1カム枠に対し光軸方向に隣接して配置される第
    2カム枠と、 上記第1カム枠の所定の角度位置に形成され、上記第2
    カム枠に向けて突出する第1端面カムと、 上記第2カム枠の所定の角度位置に形成され、上記第1
    カム枠に向けて突出する第2端面カムと、 上記第1カム枠の内周もしくは外周に設けられた第1円
    筒部と、 上記第2カム枠の内周もしくは外周に設けられた第2円
    筒部と、 を具備しており、上記第1端面カムは、上記第2カム枠
    における第2端面カムが形成された径方向位置の、上記
    第2端面カムが形成されていない周位置に収納され、上
    記第2端面カムは、上記第1カム枠における第1端面カ
    ムが形成された径方向位置の、上記第1端面カムが形成
    されていない周位置に収納されることを特徴とするレン
    ズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 第1カム枠と、 この第1カム枠に対し光軸方向に隣接して配置される第
    2カム枠と、 上記第1カム枠の径方向の内側もしくは外側の一方の、
    上記第2カム枠と対向する端面に設けられ、該第2カム
    枠に向けて突出する第1端面カムと、 上記第2カム枠の径方向の内側もしくは外側の一方の、
    上記第1カム枠と対向する端面に設けられ、該第1カム
    枠に向けて突出する第2端面カムと、 上記第1カム枠の径方向の内側もしくは外側の他方に設
    けられ、上記第1端面カムの基端部および上記第2端面
    カムの先端部をカバーする第1カバーと、 上記第2カム枠の径方向の内側もしくは外側の他方に設
    けられ、上記第2端面カムの基端部および上記第1端面
    カムの先端部をカバーする第2カバーと、 を具備することを特徴とするレンズ鏡筒。
JP7440696A 1995-12-20 1996-03-28 レンズ鏡筒 Pending JPH09230199A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7440696A JPH09230199A (ja) 1995-12-20 1996-03-28 レンズ鏡筒

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33212295 1995-12-20
JP7-332122 1995-12-20
JP7440696A JPH09230199A (ja) 1995-12-20 1996-03-28 レンズ鏡筒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09230199A true JPH09230199A (ja) 1997-09-05

Family

ID=26415550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7440696A Pending JPH09230199A (ja) 1995-12-20 1996-03-28 レンズ鏡筒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09230199A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221652A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Olympus Optical Co Ltd ズーム式カメラ
JP2005308852A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Sony Corp 沈胴式レンズ鏡筒および撮像装置
JP2006017821A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nidec Copal Corp レンズ駆動装置
JP2009222873A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hoya Corp レンズ鏡筒

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221652A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Olympus Optical Co Ltd ズーム式カメラ
JP2005308852A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Sony Corp 沈胴式レンズ鏡筒および撮像装置
JP2006017821A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nidec Copal Corp レンズ駆動装置
JP4679083B2 (ja) * 2004-06-30 2011-04-27 日本電産コパル株式会社 レンズ駆動装置
JP2009222873A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hoya Corp レンズ鏡筒

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6665129B2 (en) Lens barrel and a zoom lens barrel
US7753598B2 (en) Lens barrel
JP3358260B2 (ja) 沈胴式ズームカメラ、及びこれに用いられる鏡筒装置
US7808728B2 (en) Lens barrel and image pickup apparatus
US8004774B2 (en) Lens apparatus and image-pickup apparatus
JP4599676B2 (ja) レンズ鏡筒
JP2008242068A (ja) レンズ鏡胴、撮像装置および情報端末装置
US8780469B2 (en) Lens barrel and image pickup apparatus
JP2009251063A (ja) レンズ鏡筒
US6788475B2 (en) Lens barrel having a lens barrier mechanism
JP2003270511A (ja) 開放開口規制装置
JP5201811B2 (ja) レンズ鏡筒及び撮像装置
JP5959996B2 (ja) レンズ鏡筒
US20020135889A1 (en) Lens barrel
US7864458B2 (en) Lens barrel
JPH09230199A (ja) レンズ鏡筒
JPH09211516A (ja) カメラの焦点距離可変レンズ
JP2741239B2 (ja) ズームレンズ鏡胴
JP2001215564A (ja) ズームレンズ鏡筒の可動フード分解機構
JP3638254B2 (ja) レンズ鏡筒
JP4256689B2 (ja) レンズ鏡筒の切替移動構造
JP2537398B2 (ja) ズ―ムレンズ鏡筒
JP3709152B2 (ja) レンズ鏡筒
US20020036843A1 (en) Reduction gear mechanism
JPH0457007A (ja) ズームレンズ鏡胴

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040715

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040727

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02