JPH0922997A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH0922997A
JPH0922997A JP16863195A JP16863195A JPH0922997A JP H0922997 A JPH0922997 A JP H0922997A JP 16863195 A JP16863195 A JP 16863195A JP 16863195 A JP16863195 A JP 16863195A JP H0922997 A JPH0922997 A JP H0922997A
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JP
Japan
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region
semiconductor region
diode
semiconductor
breakdown
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Withdrawn
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JP16863195A
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Muneyoshi Yamamoto
宗是 山本
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐圧の半導体装置において、封止材中の可
動電荷の影響によって生じる耐圧変動を防ぐ。 【構成】 n+ 半導体基板(カソード領域)1の上面に
- エピタキシャル層2を形成し、その表面領域にp+
アノード領域3を形成する。n- エピタキシャル層2の
表面領域において、p+ アノード領域3を2重に取り囲
むように、p+ FLR(Field Limited Ring)4および
+ FLR5をが形成する。p+ アノード領域3とp+
FLR4との間のn- エピタキシャル層2の表面領域に
n領域21設ける。n領域21は、n- エピタキシャル
層2と比べて、その不純物濃度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】高耐圧の半導体装置に係わり、特
に、高耐圧のダイオード、トランジスタ、サイリスタに
関する。
【0002】
【従来の技術】メカトロニクスやカーエレクトロニクス
などの分野における半導体技術の応用の拡大はめざまし
く、それらの分野で、高耐圧のダイオード、トランジス
タ、サイリスタ等の半導体装置が利用されている。
【0003】図6は、従来の高耐圧半導体装置の一例と
して採り上げたダイオードの断面図である。同図に示す
ダイオードは、n+ 半導体基板(カソード領域)1の上
面にn- エピタキシャル層2が形成され、その表面領域
にp+ アノード領域3が形成されている。また、n-
ピタキシャル層2の表面領域において、p+ アノード領
域3を2重に取り囲むようにp+ FLR(Field Limite
d Ring)4およびp+ FLR5が形成されている。さら
に、n- エピタキシャル層2の表面領域において、この
ダイオード素子の最外周にn+ EQR(Equi-potential
Ring )6が形成されている。
【0004】p+ アノード領域3およびn+ EQR6の
各表面に接続して、それぞれアノード電極8およびEQ
R電極9が形成され、他の領域の表面には、酸化膜など
からなる絶縁膜7が形成されている。また、n+ 半導体
基板1の下面には、カソード電極10が形成されてい
る。さらに、絶縁膜7の表面に、このダイオード素子を
保護するための封止材11が設けられている。
【0005】p+ FLR4およびp+ FLR5は、この
ダイオードの耐圧を高めるために設けている。また、n
+ EQR6は、チャネルストッパとして機能するととも
に、チップ端部の電位をn+ 半導体基板1の電位と同電
位とする。
【0006】上記構成のダイオードに逆バイアス電圧を
印加すると、すなわち、たとえば、アノード電極8を接
地し、カソード電極10に正電位を印加すると、p+
ノード領域3とn- エピタキシャル層2との間のpn接
合面からn- エピタキシャル層2領域側に空乏層が広が
る(p+ アノード領域3領域側は、不純物濃度が高いの
で、空乏層はほとんど広がらない)。
【0007】この空乏層は、図6に示すように、上記逆
バイアス電圧が大きくなるほどn-エピタキシャル層2
領域を広がってゆき、電圧V1 において、p+ FLR4
まで達し、さらに電圧V2 においてp+ FLR5まで達
する。
【0008】ところで、上記構成のダイオードでは、逆
バイアス電圧を大きくしていくと、通常、p+ アノード
領域3のコーナー部(図中、Xで示す部分)でブレイク
ダウン(アバランシェ降伏)が発生する。一方、p+
ノード領域3の底部(図中、Yで示す部分)ではブレイ
クダウンは起こりにくい。換言すれば、ブレイクダウン
の起こりやすさは、p領域の形状に依存し、pn接合を
形成する曲面が急峻なものほどブレイクダウンが起こり
やすい。
【0009】p+ FLR4およびp+ FLR5は、この
特性を利用し、ブレイクダウンが発生する電圧(降伏電
圧)を高くする目的で設けられている。すなわち、逆バ
イアス電圧を高くしたときに、空乏層がp+ アノード領
域3からp+ FLR4およびp+ FLR5を包むように
広がると、p+ アノード領域3、p+ FLR4およびp
+ FLR5は、それらが1つのp領域であるかのように
振る舞う。このため、p+ アノード領域3のコーナー部
は、あたかも上記1つのp領域の底部に位置しているよ
うにな状態となり、そこでブレイクダウンが起こりにく
くなるので、ダイオード自体の耐圧が高くなる。
【0010】上記逆バイアス電圧をさらに大きくする
と、たとえば、電圧V3 でブレイクダウンが発生する。
この状態では、上述したように、p+ アノード領域3、
+ FLR4およびp+ FLR5が1つのp領域である
かのように振る舞うので、n領域との境界を形成する曲
面が急峻なものほどブレイクダウンが起こりやすいとい
う性質を考慮すれば、p+ FLR4またはp+ FLR5
の先端部(図中、Z1 、Z2 で示す部分)でブレイクダ
ウンが発生しやすくなるが、実際には、p+ FLR4ま
たはp+ FLR5の先端部では、空乏層による電界は弱
いので、結局、空乏層による電界が最も強くなるp+
ノード領域3のコーナー部でブレイクダウンが発生す
る。
【0011】このように、従来のダイオードでは、p+
FLR4およびp+ FLR5を設けることによって、p
+ アノード領域3のコーナー部でのブレイクダウンを起
こりにくくし、耐圧を高くしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、半
導体装置は、破損・腐食などを防ぐために、封止材を用
いてその表面を覆っている。封止材としては、エポキシ
樹脂などの各種樹脂やシリコンゲルなどを用いている。
【0013】ところが、一般に、これらの封止材には、
不純物イオン等の可動電荷が含まれている。そして、こ
れらの可動電荷は、半導体装置に対するバイアス状態な
どに応じて、封止材中を移動する。このように、封止材
中の可動電荷が移動すると、その電荷分布が変化するの
で、各半導体領域の電荷の振舞いにも影響が及び、半導
体装置の特性も変動してしまう。
【0014】図7は、上記図6の構成のダイオードにお
ける可動電荷の影響を説明する図である。図7に示すよ
うに、ダイオードに逆バイアス電圧を印加した状態で
は、封止材11中の正に帯電した可動電荷(以下、単
に、可動正電荷と呼ぶ)は、電位が低い状態となってい
るアノード電極8近傍に集まり、負に帯電した可動電荷
(以下、単に、可動負電荷と呼ぶ)は、アノード電極8
と比べて相対的に高電位状態となっているn- エピタキ
シャル層2の上部に集まる。
【0015】この結果、n- エピタキシャル層2の表面
近傍領域では、可動負電荷の影響により正イオンが引き
つけられ(負イオンが追い出され)、その領域のn型不
純物濃度が低下する。このように、n型不純物濃度が低
下すると、その領域で空乏層が広がりやすくなる。たと
えば、図6に示すダイオード(封止材11中に可動電荷
が無い仮想的なダイオード)においては、逆バイアス電
圧として電圧V1 を印可した場合、空乏層はp+ FLR
4までしか到達しなかったが、図7に示す実際のダイオ
ードでは、封止材11中の可動電荷の影響によって、空
乏層がp+ FLR5まで広がる。
【0016】このため、図7に示すダイオードにおいて
は、逆バイアス電圧を電圧V2 まで大きくすると、p+
FLR4またはp+ FLR5からさらに空乏層が十分に
広がる状態となるので、その先端部では空乏層による電
界がかなり強くなる。また、上述したように、p+ FL
R4またはp+ FLR5の先端部は、n領域との境界を
形成する曲面が急峻なのでブレイクダウンが起こりやす
い。したがって、p+FLR4またはp+ FLR5の先
端部では、電圧V2 (電圧V2 は、p+ アノード領域3
のコーナー部でブレイクダウンが発生する電圧V3 より
も小さい)程度でブレイクダウンが起こる可能性があ
る。すなわち、封止材11中の可動電荷の影響により、
ブレイクダウンが発生する場所がかわり、ダイオードの
耐圧が変動してしまう可能性がある。
【0017】封止材11中の可動電荷の振舞いは、温度
に依存する。すなわち、たとえば、高温状態においては
封止材11中の可動電荷がより動きやすくなる。このた
め、高温状態において図7に示すダイオードに逆バイア
ス電圧を印加すると、n- エピタキシャル層2の上部に
は、より多くの可動負電荷が集まるので、n- エピタキ
シャル層2の表面近傍領域のn不純物濃度はさらに低く
なる(場合によってはp型に反転する)。したがって、
空乏層がより広がりやすくなり、その空乏層によってp
+ FLR4またはp+ FLR5の先端部に加わる電界が
さらに強くなるので、p+ FLR4またはp+ FLR5
の先端部においてブレイクダウンが発生する可能性がよ
り高くなる。すなわち、ダイオードの耐圧は、高温状態
において低下することが予測される。
【0018】このように、従来のダイオードでは、温度
変化による封止材11中の可動電荷の振舞いの変化によ
って耐圧が変動してしまうという問題があった。また、
製造ばらつき等により、封止材11中の可動電荷の数が
異なると、そのことによっても耐圧が変動していた。
【0019】封止材11中の可動電荷の影響によるダイ
オードの耐圧変動を小さくするためには、n- エピタキ
シャル層2の不純物濃度を高くする手法が考えられる。
-エピタキシャル層2の不純物濃度を高くすると、温
度変化などにより封止材11中の可動電荷の分布がかわ
っても、n- エピタキシャル層2の表面近傍領域でのイ
オン分布の変化による不純物濃度の変動はわずかである
ので、耐圧の変動も小さい。しかしながら、n- エピタ
キシャル層2の不純物濃度を高くすると、その領域内で
空乏層が広がりにくくなるので、p+ FLR4またはp
+ FLR5まで空乏層が到達せず、低い電位でブレイク
ダウンが起きてしまい、高耐圧のダイオードを実現でき
ない。
【0020】封止材11中の可動電荷の影響を小さくす
るための他の手法としては、p+ アノード領域3とp+
FLR4との間の距離を大きくする構成が考えられる。
このような構成とすれば、逆バイアス電圧として電圧V
2 を印加したときに、p+ アノード領域3から広がる空
乏層は、たとえば、ようやくp+ FLR5に到達する程
度となるので、p+ FLR4またはp+ FLR5から広
がる空乏層による電界は、p+ FLR4またはp+ FL
R5の先端部においては弱く、そこでブレイクダウンが
起こることはない。
【0021】しかしながら、この構成では、チップ面積
が大きくなるという欠点がある。また、p+ アノード領
域3とp+ FLR4との間の距離を大きくしすぎると、
+アノード領域3から広がる空乏層がp+ FLR4に
まで届かず、p+ FLR4を設けた意味がなくなってし
まう。
【0022】上述のように、FLR(Field Limited Ri
ng)を設けた従来の高耐圧ダイオードでは、封止材中の
可動電荷の影響によって耐圧変動が起こるという問題が
あった。この問題は、ダイオードのみに起因するもので
はなく、高耐圧のトランジスタやサイリスタにも起こっ
ていた。
【0023】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、耐圧変動を抑えた高耐圧半導体装置を提供すること
を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
第1の導電型の第1の半導体領域の表面部に、第2の導
電型の第2の半導体領域および該第2の半導体領域から
所定間隔を隔てながら該第2の半導体領域を取り囲むよ
うに第2の導電型の第3の半導体領域を形成した構成を
前提とする。
【0025】上記第1の半導体領域の表面部において、
上記第2の半導体領域と上記第3の半導体領域との間の
領域に、上記第1の半導体領域よりも高い不純物濃度の
第1の導電型の第4の半導体領域を形成する。
【0026】
【作用】第1および第2の半導体領域の間が逆バイアス
状態となるように電圧を印加すると、それら2つの半導
体領域の間のpn接合面から空乏層が広がる。第1の半
導体領域側に広がる空乏層は、その表面部では、第4の
半導体領域内を広がっていく。この第4の半導体領域
は、第1の半導体領域と比べて不純物濃度が高いので、
上記各半導体領域の外部における電荷分布の変化に対し
て電気的特性はほとんど影響を受けず、空乏層の広がり
方はほとんどかわらない。
【0027】このように、外部電荷分布の変化に対して
空乏層の広がり方がほとんどかわらないので、外部電荷
分布の変化によって、ブレイクダウンが発生する位置が
かわることはなく、第1の半導体領域と第2の半導体領
域との間でブレイクダウンが発生する前に、第1の半導
体領域と第3の半導体領域との間でブレイクダウンが発
生することを防ぐことができ、耐圧が安定する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明の半導体装置の一実施
例として採り上げた高耐圧ダイオードの断面図である。
本実施例のダイオードは、数100V程度(または、そ
れ以上)の耐圧を持った高耐圧ダイオードである。な
お、図1において、図6で用いた符号と同じ符号は、同
じ領域を示す。
【0029】本実施例のダイオードは、図6に示した従
来のダイオードに対して、p+ アノード領域3とp+
LR4との間のn- エピタキシャル層2の表面領域にn
領域21を設けている。n領域21は、n- エピタキシ
ャル層2と比べて、その不純物濃度を高く形成してい
る。ここで、各領域の不純物濃度およびサイズの一例を
示す。
【0030】n- エピタキシャル層2の不純物濃度は、
このダイオードが高い耐圧を得るために低く形成してあ
り、1〜5×1014cm-3程度である。p+ アノード領域
3、p+ FLR4およびp+ FLR5の不純物濃度は、
1×1018cm-3程度である。n領域21の不純物濃度
は、n- エピタキシャル層2と比べて1〜2桁高く、1
〜5×1016cm-3程度である。
【0031】p+ アノード領域3とp+ FLR4との間
の水平方向距離は、n- エピタキシャル層2の表面にお
いて、10〜15μm程度であり、望ましくは、10μm
程度に形成する。また、n領域21は、p+ アノード領
域3の半分程度の深さに形成する。
【0032】n領域21は、たとえば、イオン打込みに
よってn型不純物を導入し、そのn型不純物を拡散させ
ることによって形成する。なお、この拡散プロセスは、
+アノード領域3などの拡散プロセスと同時に行うこ
とができる。
【0033】上記構成のダイオードに逆バイアス電圧を
印加したときの空乏層の広がりを破線で示す。同図に示
すように、空乏層は、p+ アノード領域3からp+ アノ
ード領域3と接しているn領域、すなわちn- エピタキ
シャル層2およびn領域21側に広がっていく。実際
は、空乏層はp+ アノード領域3側にも広がるが、p+
アノード領域3の不純物濃度はかなり高いので、その広
がりはn- エピタキシャル層2側と比べて小さく、図示
していない。
【0034】n- エピタキシャル層2においては、空乏
層は、図6に示した従来のダイオードと同じように広が
る。一方、n領域21においては、その不純物濃度が高
いので、空乏層の広がり方は小さい。このため、p+
ノード領域3から広がる空乏層をp+ FLR4に到達さ
せるためには、図6に示した従来のダイオードと比べて
やや大きい電圧を印加する必要がある。換言すれば、こ
のダイオードの耐圧を制御するために、図6に示した従
来のダイオードと同じ電圧(図6における電圧V1 )を
印加したときに空乏層をp+ FLR4に到達させるため
には、本実施例のダイオードのp+ アノード領域3とp
+ FLR4との間の距離を、図6に示したダイオードと
比べて少し小さくすればよい。
【0035】ところで、一般に知られているように、空
乏層が広がりにくい領域では、ブレイクダウンが発生し
やすい。本実施例のダイオードでは、この空乏層が広が
りにくいn領域21をp+ アノード領域3よりも浅い表
面領域のみに形成している。一方、上述したように、p
n接合の境界を形成する曲面が急峻なものほどブレイク
ダウンが起こりやすく、p+ アノード領域3のコーナー
部(図中、Xで示す部分)がこのブレイクダウンが起こ
りやすい場所になっている。すなわち、本実施例のダイ
オードでは、ブレイクダウンが起こりやすいと考えられ
るp+ アノード領域3のコーナー部には、n領域21を
接続させず、不純物濃度が低いn- エピタキシャル層2
を接続する構造としている。このため、n領域21を設
けることによって耐圧が低下することはほとんどない。
【0036】次に、封止材11中の可動電荷の影響につ
いて説明する。本実施例のダイオードにおいても、封止
材11中には可動電荷が存在し、ダイオードに対してバ
イアス電圧を印加したときの振る舞いや、高温状態にお
いてより移動しやすくなる点は、図7を用いて説明した
通りである。すなわち、このダイオードに逆バイアス電
圧を印加すると、封止材11中の可動正電荷は、電位が
低い状態となっているアノード電極8近傍に集まり、可
動負電荷は、n- エピタキシャル層2(n領域21を含
む)の上部に集まる。そして、温度が高くなるほど、こ
のような可動電荷の移動は顕著になる。
【0037】n領域21およびn- エピタキシャル層2
の表面近傍領域では、可動負電荷の影響により正イオン
が引きつけられ(負イオンが追い出され)、その領域の
n型不純物濃度が低下する。ところが、n領域21は、
不純物濃度が高いので、封止材11中の可動電荷の分布
が変化することによってn領域21内の不純物濃度が低
下するとしても、その影響はわずかであり、電気的な特
性はほとんどかわらない。このため、たとえば、温度変
化によって封止材11中の可動電荷の分布が変化した場
合においても、n領域21における空乏層の広がりは同
じである。
【0038】このダイオードに対する逆バイアス電圧を
大きくしていくと、空乏層はp+ FLR4およびp+
LR5に到達する。そして、この逆バイアス電圧が電圧
V3になると、p+ アノード領域3のコーナー部でブレ
イクダウンが起こる。このとき、p+ FLR4またはp
+ FLR5の先端部では、空乏層による電界は弱く、ブ
レイクダウンが起こることはない。
【0039】このことを図6および図7を参照して従来
のダイオードと比較しながら説明する。従来のダイオー
ドでは、封止材11中の可動電荷の分布が変化すると、
空乏層の広がりやすさがかわり、p+ FLR4またはp
+ FLR5に加わる電界強度が変化していたため、ブレ
イクダウンが発生する場所が特定できず、一定の耐圧を
得ることができなかった。
【0040】一方、本実施例のダイオードでは、封止材
11中の可動電荷の分布が変化しても、空乏層の広がり
やすさはかわらず、p+ FLR4またはp+ FLR5に
加わる電界強度も変化しない。このため、所定の逆バイ
アス電圧(電圧V3 )を印加したときに、p+ FLR4
またはp+ FLR5においてブレイクダウンが発生する
前にp+ アノード領域3においてブレイクダウンが発生
するように、各領域の不純物濃度、サイズ、形状などを
設計しておけば、逆バイアス電圧を大きくしていったと
きに、p+ アノード領域3において確実にブレイクダウ
ンを発生させることができる。
【0041】このように、本実施例のダイオードは、所
定の逆バイアス電圧でp+ アノード領域3において確実
にブレイクダウンを発生させることができるので、一定
の耐圧を得ることができる。
【0042】図2は、逆バイアス電圧とブレイクダウン
電流(アバランシェ電流)の関係を示した図である。図
2(a) は、p+ アノード領域3においてブレイクダウン
が発生した場合の電圧と電流の関係を示している。本実
施例のダイオードでは、温度によらずこのような特性が
得られ、その耐圧が安定している。
【0043】図2(b) は、p+ FLR4またはp+ FL
R5においてブレイクダウンが発生した場合の電圧と電
流の関係を示している。上述の例では、高温状態におい
て従来のダイオードに逆バイアス電圧を印加したときに
このような関係になる。p+FLR4またはp+ FLR
5においてブレイクダウンが発生すると、図7に示すよ
うに、ブレイクダウン電流は、n- エピタキシャル層2
の表面を介してp+ アノード領域3に流れ込む。このよ
うに、n- エピタキシャル層2の表面を電流が流れる
と、空乏層の分布が不安定となり、図2(b) に示すよう
に、電圧と電流の関係を表すカーブの立ち上がりが緩や
かになる(ソフト波形)。この状態では、耐圧が電圧V
3 に対して変動している。
【0044】図3は、本発明の半導体装置によるダイオ
ードの他の実施例の断面図である。図3において、図1
で用いた符号と同じ符号は、同じ領域を示す。図3に示
すダイオードは、n- エピタキシャル層2の表面領域に
おいて、n+EQR6に接続してn領域22を設けてい
る。n領域22は、n- エピタキシャル層2と比べて高
い不純物濃度を有しており、n領域21と同一プロセス
で形成することができる。このような構成とすれば、空
乏層の広がりをn領域22で止めることができる。
【0045】図4は、本発明の半導体装置によるダイオ
ードのさらに他の実施例の断面図である。図4におい
て、図1で用いた符号と同じ符号は、同じ領域を示す。
図4に示すダイオードは、p+ FLR5の表面に接続さ
せて、フィールドプレート23を設けている。フィール
ドプレート23は、絶縁膜7の上面において、他の電極
(8、9)とは接続させずに、p+ アノード領域3を中
心として外方向に向かって伸びるようにn- エピタキシ
ャル層2の上部に形成する。フィールドプレート23
は、たとえばアルミニウム等の導電性のよい材料を用い
て形成する。
【0046】上記構成とすれば、p+ FLR5の表面近
傍部(図中、Z3 で示す部分)におけるブレイクダウン
を防ぐことができる。すなわち、たとえば、製造ばらつ
き等により、絶縁膜7に通常よりも多くの不純物が含ま
れている場合には、n- エピタキシャル層2の表面近傍
領域の不純物濃度が高くなることがあるが、フィールド
プレート23を設けることにより、p+ FLR5の外側
のn- エピタキシャル層2において空乏層が広がりやす
くなるので、p+ FLR5の表面近傍部でブレイクダウ
ンは起こりにくくなる。
【0047】このように、p+ アノード領域3とp+
LR4との間にn領域21を設けることに加えてフィー
ルドプレート23を設ければ、高耐圧が得られるととも
に、その耐圧は安定する。
【0048】上記実施例では、ダイオードを採り上げて
説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の半
導体装置にも適用可能である。図5(a) および図5(b)
に、それぞれ本発明をトランジスタおよびサイリスタに
適用した例を示す。
【0049】図5(a) に示すトランジスタは、n+ 半導
体基板(コレクタ領域)31の上面にn- エピタキシャ
ル層32が形成され、その表面領域にpベース領域33
が形成されている。また、pベース領域33内の表面領
域の所定位置にn+ エミッタ領域34が形成されてい
る。さらに、n- エピタキシャル層32の表面領域にお
いてpベース領域33を2重に取り囲むようにpFLR
(Field Limited Ring)35およびpFLR36が形成
されている。そして、pベース領域33とpFLR35
との間のn- エピタキシャル層32の表面領域にn領域
37が設けられている。
【0050】図5(b) に示すサイリスタは基本的に上記
トランジスタと同じ構成である。
【0051】
【発明の効果】高耐圧の半導体装置において、逆バイア
ス電圧を印加したときに空乏層が広がる領域のうち表面
近傍領域の不純物濃度を高くしたので、封止材中の可動
電荷の影響によって生じる耐圧変動を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一実施例として採り上げ
た高耐圧ダイオードの断面図である。
【図2】逆バイアス電圧とブレイクダウン電流(アバラ
ンシェ電流)の関係を示した図である。
【図3】本発明によるダイオードの他の実施例の断面図
である。
【図4】本発明によるダイオードのさらに他の実施例の
断面図である。
【図5】同図(a) および(b) は、それぞれ本発明による
トランジスタおよびサイリスタの断面図である。
【図6】従来の高耐圧ダイオードの断面図である。
【図7】図6の構成のダイオードにおける可動電荷の影
響を説明する図である。
【符号の説明】
1 n+ 半導体基板(カソード領域) 2 n- エピタキシャル層 3 p+ アノード領域 4 p+ FLR 5 p+ FLR 6 n+ EQR 7 絶縁膜 8 アノード電極 9 EQR電極 10 カソード電極 11 封止材 21 n領域 22 n領域 23 フィールドプレート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電型の第1の半導体領域の表面
    部に、第2の導電型の第2の半導体領域および該第2の
    半導体領域から所定間隔を隔てながら該第2の半導体領
    域を取り囲むように第2の導電型の第3の半導体領域を
    形成した半導体装置において、 上記第1の半導体領域の表面部において、上記第2の半
    導体領域と上記第3の半導体領域との間の領域に、上記
    第1の半導体領域よりも高い不純物濃度の第1の導電型
    の第4の半導体領域を形成したことを特徴とする半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の半導体領域の表面部におい
    て、上記第3の半導体領域から所定間隔を隔てながら該
    第3の半導体領域を取り囲むように第1の導電型の第5
    の半導体領域を形成したことを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の半導体領域の表面部におい
    て、上記第3の半導体領域から所定間隔を隔てながら該
    第3の半導体領域を取り囲むように第2の導電型の第6
    の半導体領域を形成し、該第6の半導体領域に接続させ
    てフィールドプレートを設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記第4の半導体領域を上記第2の半導
    体領域よりも浅く形成したことを特徴とする請求項1に
    記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 第1の導電型の第1の半導体領域の表面
    部に、第2の導電型の第2の半導体領域および該第2の
    半導体領域から所定間隔を隔てながら該第2の半導体領
    域を取り囲むように第2の導電型の第3の半導体領域を
    形成した半導体装置において、 上記第1の半導体領域と上記第2の半導体領域との間が
    逆バイアス状態となるように電圧を印加したときに、上
    記第1の半導体領域と上記第3の半導体領域との間でブ
    レイクダウンが発生する前に上記第1の半導体領域と上
    記第2の半導体領域との間でブレイクダウンが発生する
    ように、上記第1の半導体領域の表面部において上記第
    2の半導体領域の近傍領域の不純物濃度を制御すること
    を特徴とする半導体装置。
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