JPH09229052A - 高トルク用ダンパ - Google Patents

高トルク用ダンパ

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JPH09229052A
JPH09229052A JP5689796A JP5689796A JPH09229052A JP H09229052 A JPH09229052 A JP H09229052A JP 5689796 A JP5689796 A JP 5689796A JP 5689796 A JP5689796 A JP 5689796A JP H09229052 A JPH09229052 A JP H09229052A
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torque
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俊男 飯山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度変化のような環境の変化により,トルク
値が影響を受けることがなく,常に所望のトルク値,所
望のダンピング効果を得ることができる,応答性のよい
高トルク用ダンパを提供する。 【構成】 切欠部1bの下端からトルク発生位置1cま
での範囲は中心からの距離が略一定,トルク発生位置か
ら切欠部の上端までは中心からの距離が連続的に増加す
るように,外径面にカム形状部1aが形成された内輪1
と,内径面から放射外方向へ延びる中空のポケット2d
を複数個備え,これら各ポケットの対向する側壁にそれ
ぞれの中間部分からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね
保持用スリット2e,2fの形成された外輪2と,上記
内輪のカム形状部をローラ5を介して押圧するように,
上記外輪の板ばね保持用スリットに保持されて上記中空
のポケットをほぼ回転方向に延びる板ばね4とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高いトルクのダンピン
グ作用を発揮する高トルク用ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,例えば,ピアノの鍵盤蓋等のよう
な上下開閉式の蓋を操作する場合,急激に閉じるのを防
止するために,衝撃緩和装置を設けることが行われる。
従来の装置は,例えばオイルダンパのように,オイルを
圧縮しようとするとき発生する反発力を利用するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,このような従
来のダンパにあっては,オイルのような粘性流体の粘性
抵抗を利用しているため,環境の変化,特に温度の変化
により粘性抵抗が変化するので,温度によりトルク値が
異なり,ダンピング効果が異なるという欠点があった。
また,可動弁により粘性流体の流量を調節しているの
で,応答性が悪く,蓋の開きが少ない状態で離すと,ダ
ンピング効果の生じる前に,蓋が勢い良く閉じてしまう
という欠点があった。また,蓋の閉じる速度によりトル
ク値が異なり,手でゆっくりと蓋を閉じる場合には,ダ
ンピング効果を期待できないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は,上記課題を解決するために,内輪の外径面または外
輪の内径面に,内輪または外輪の中心からの距離が連続
的に増加或いは減少するようにカム形状部を形成し,該
カム形状部を押圧することにより,該押圧力と内輪また
は外輪の中心からカム形状部までの距離とによるトルク
を発生させ,内輪または外輪を右方向或いは左方向に回
転させることを特徴とする高トルク用ダンパを提供する
ものである。
【0005】請求項2に記載の発明は,上記課題を解決
するために,切欠部の下端からトルク発生位置までの範
囲は中心からの距離が略一定,トルク発生位置から切欠
部の上端までは中心からの距離が連続的に増加するよう
に,外径面にカム形状部が形成された内輪と,内径面か
ら放射外方向へ延びる中空のポケットを複数個備え,こ
れら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分か
らほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの
形成された外輪と,上記内輪のカム形状部をローラを介
して押圧するように,上記外輪の板ばね保持用スリット
に保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延び
る板ばねとからなることを特徴とする高トルク用ダンパ
を提供するものである。
【0006】請求項3に記載の発明は,上記課題を解決
するために,切欠部の下端からトルク発生位置までの範
囲は中心からの距離が略一定,トルク発生位置から切欠
部の上端までは中心からの距離が連続的に減少するよう
に,内径面にカム形状部が形成された外輪と,外径面か
ら放射内方向へ延びる中空のポケットを複数個備え,こ
れら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分か
らほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの
形成された内輪と,上記外輪のカム形状部をローラを介
して押圧するように,上記内輪の板ばね保持用スリット
に保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延び
る板ばねとからなることを特徴とする高トルク用ダンパ
を提供するものである。
【0007】請求項4に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記内輪に代えて軸を用いたことを特徴と
する請求項1乃至3のいずれかに記載の高トルク用ダン
パを提供するものである。
【0008】請求項5に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記板ばねが外輪の内径面または内輪の外
径面に対し一様な方向に傾斜していることを特徴とする
請求項2乃至4のいずれかに記載の高トルク用ダンパを
提供するものである。
【0009】請求項6に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記ローラに代えてボールを用いたことを
特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の高トルク
用ダンパを提供するものである。
【0010】請求項7に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上下開閉式の蓋のヒンジ部に用いられた場
合に,蓋が開いた状態及び中途に開いた状態の範囲を移
動する場合には発生するトルクが略零であり,蓋が中途
に開いた状態及び閉じた状態の範囲を移動する場合には
蓋を開くようなトルクが発生することを特徴とする高ト
ルク用ダンパを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1乃至図4は本発明の第1の実
施の形態を説明するための図である。
【0012】これらの図において,1は外径面にカム形
状部1aが形成された内輪であり,カム形状部1aは,
切欠部1bの下端からトルク発生位置1cまでの範囲は
中心からの距離がほぼ一定,トルク発生位置1cから切
欠部1bの上端までは中心からの距離が連続的に増加す
るように形成されている。
【0013】2は合成樹脂製の外輪であって,内径面に
沿って円周方向にほぼ一定間隔で3個の中空のポケット
2dが形成されている。各ポケット2dはほぼ同一形状
で同じ大きさであり,内径面ではローラ5が内径面から
脱落しないように,ローラ5の直径よりも小さな幅を有
する。各ポケット2dは内径面からテーパー状に広がっ
てローラ5の直径よりも大きな幅となり,底面まで延び
る。また,各ポケット2dはローラ5の直径よりも大き
な深さをもち,その底面よりも上の箇所で,各ポケット
2dのほぼ平坦な側壁からほぼ回転方向に沿ってスリッ
ト2e,2fが延びる。
【0014】スリット2eと2fはほぼ直線上にあり,
スリット2eと2fに板ばね4が挿し込めるようになっ
ている。スリット2eと2fは図2からも分かるよう
に,側壁近傍部では一般的な板ばね4の厚みよりも若干
だけおおきな幅を持ち,その奥では板ばね4の先端部分
が遊べるだけの空間をもっている。また,各ポケット2
dの底面と板ばね4との間の間隙は,板ばね4が最大に
撓んだ時にも板ばね4がその底面に接触しない程度に設
定される。したがって,ローラ5が板ばね4を放射外方
向に押圧するとき,板ばね4は放射外方向に撓むことが
でき,所定の弾性力を保持してローラ5に対して加圧力
を与えることができる。板ばね4の外輪2の厚み方向の
寸法はローラ5の長さとほぼ同程度である。
【0015】3は一端が開放され,他端に軸の挿通され
る穴の開いているハウジングであって,開放されている
側の内径が,軸の挿通される穴の開いている側の内径よ
りも大きくなっており,外輪2が開放されている側から
組み込まれる。
【0016】4は内輪1のカム形状部1aをローラ5を
介して弾性力で押圧するように,スリット2eと2fに
挿し込まれる板ばねである。板ばね4は外輪の内径面に
対し一様な方向に傾斜している。このように板ばねを傾
斜させることにより,板ばねがローラに押圧されて最大
に撓んだ状態でも,ローラが板ばねにより囲まれること
がないので,ローラは自由に回転することができる。
尚,要求されるトルクが比較的低くてよい場合には,板
ばねを大きく撓ませなくてよいので,このように板ばね
を傾斜させる必要はない。
【0017】6は板ばね4とローラ5を配設して内輪1
と外輪2とを組み合わせた後,これらが軸方向に脱落す
るのを防止するためにハウジング3の開放された側から
ハウジング3に圧入されるシールド板,7は軸である。
【0018】図1(a)は,ローラ5と内輪のカム形状
部1aとが,切欠部1bの下端近傍で接触している状態
を示す図であり,同図に示すように,これはこのダンパ
がピアノ8の鍵盤蓋のような上下開閉式の蓋8aのヒン
ジ部8bに用いられた場合に,蓋が開いた状態であり,
蓋が閉じた状態を0°として,例えば100°開いた状
態である。
【0019】図1(b)は,ローラ5と内輪のカム形状
部1aとが,トルク発生位置1cで接触している状態を
示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が中途に
開いた状態,例えば70°開いた状態である。
【0020】図1(c)は,ローラ5と内輪のカム形状
部1aとが,切欠部1bの上端近傍で接触している状態
を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が閉じ
た状態である。
【0021】次に動作を説明する。
【0022】先ず,蓋8を開いた状態,例えば図1
(a)に示すように100°開いた状態から,中途に開
いた状態,例えば図1(b)に示すように70°開いた
状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ
5は,内輪のカム形状部1a上を,切欠部1bの下端近
傍からトルク発生位置1cまで回転しながら移動する。
【0023】この範囲では,内輪1の中心からカム形状
部1aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部1
a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零
である。従って,蓋8を100°開いた状態から70°
開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響
を受けない。
【0024】次に,蓋8を図1(b)に示すように70
°開いた状態から,図1(c)に示すように閉じた状態
へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5
は,内輪のカム形状部1a上を,トルク発生位置1cか
ら切欠部1bの上端近傍まで回転しながら移動する。
【0025】この範囲では,内輪1の中心からカム形状
部1aまでの距離が連続的に増加するように形成されて
おり,内輪のカム形状部1aの脹らみが連続的に増加し
ているので,板ばね4も連続的に撓みが増大する。その
結果,カム形状部1a上を戻ろうとする方向,即ち内輪
1を右方向に回転させる方向にトルクが発生する。従っ
て,蓋8を70°開いた状態から閉じた状態へ移動する
場合には,内輪を左方向に回転させて蓋を閉じようとす
る方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルク
は,内輪1を右方向に回転させて蓋を開こうとする方向
に作用するので,蓋は徐々に閉じる。
【0026】次に,蓋8を図1(c)に示すように閉じ
た状態から,図1(b)に示すように70°開いた状態
へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5
は,内輪のカム形状部1a上を,切欠部1bの上端近傍
からトルク発生位置1cまで回転しながら移動する。
【0027】この範囲では,内輪1の中心からカム形状
部1aまでの距離が連続的に減少するように形成されて
おり,内輪のカム形状部1aの脹らみが連続的に減少し
ているので,板ばね4も連続的に撓みが減少する。その
結果,カム形状部1a上を先に進もうとする方向,即ち
内輪1を右方向に回転させる方向にトルクが発生する。
従って,蓋を閉じた状態から70°開いた状態へ移動す
る場合には,内輪を左方向に回転させて蓋を閉じようと
する方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルク
は,内輪1を右方向に回転させて蓋を開こうとする方向
に作用するので,蓋は僅かの力で軽く持ち上げることが
できる。
【0028】次に,蓋8を図1(b)に示すように70
°開いた状態から,図1(a)に示すように100°開
いた状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ロ
ーラ5は,内輪のカム形状部1a上を,トルク発生位置
1cから切欠部1bの下端近傍まで回転しながら移動す
る。
【0029】この範囲では,内輪1の中心からカム形状
部1aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部1
a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零
である。従って,蓋8を70°開いた状態から100°
開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響
を受けない。
【0030】ここで,内輪1のカム形状部1aのトルク
発生位置1cから切欠部1bの上端までは,カム形状部
1aの脹らみが連続的に増加するように形成されている
が,その増加率については,必要に応じて種々のものが
形成できるので,この発明の高トルク用ダンパは種々の
用途に適用することができる。
【0031】図5乃至図8は本発明の第2の実施の形態
を説明するための図である。
【0032】これらの図において,1は合成樹脂製の内
輪であって,外径面に沿って円周方向にほぼ一定間隔で
3個の中空のポケット1dが形成されている。各ポケッ
ト1dはほぼ同一形状で同じ大きさであり,外径面では
ローラ5が外径面から脱落しないように,ローラ5の直
径よりも小さな幅を有する。各ポケット1dは外径面か
らテーパー状に広がってローラ5の直径よりも大きな幅
となり,底面まで延びる。また,各ポケット1dはロー
ラ5の直径よりも大きな深さをもち,その底面よりも上
の箇所で,各ポケット1dのほぼ平坦な側壁からほぼ回
転方向に沿ってスリット1e,1fが延びる。
【0033】スリット1eと1fはほぼ直線上にあり,
スリット1eと1fに板ばね4が挿し込めるようになっ
ている。スリット1eと1fは図6からも分かるよう
に,側壁近傍部では一般的な板ばね4の厚みよりも若干
だけおおきな幅を持ち,その奥では板ばね4の先端部分
が遊べるだけの空間をもっている。また,各ポケット1
dの底面と板ばね4との間の間隙は,板ばね4が最大に
撓んだ時にも板ばね4がその底面に接触しない程度に設
定される。したがって,ローラ5が板ばね4を放射内方
向に押圧するとき,板ばね4は放射内方向に撓むことが
でき,所定の弾性力を保持してローラ5に対して加圧力
を与えることができる。板ばね4の内輪1の厚み方向の
寸法はローラ5の長さとほぼ同程度である。
【0034】2は内径面にカム形状部2aが形成された
外輪であり,カム形状部2aは,切欠部2bの下端から
トルク発生位置2cまでの範囲は中心からの距離がほぼ
一定,トルク発生位置2cから切欠部2bの上端までは
中心からの距離が連続的に減少するように形成されてい
る。
【0035】3は一端が開放され,他端に軸の挿通され
る穴の開いているハウジングであって,開放されている
側の内径が,軸の挿通される穴の開いている側の内径よ
りも大きくなっており,外輪2が開放されている側から
組み込まれる。
【0036】4は外輪2のカム形状部2aをローラ5を
介して弾性力で押圧するように,スリット1eと1fに
挿し込まれる板ばねである。板ばね4は内輪の外径面に
対し一様な方向に傾斜している。このように板ばねを傾
斜させることにより,板ばねがローラに押圧されて最大
に撓んだ状態でも,ローラが板ばねにより囲まれること
がないので,ローラは自由に回転することができる。
尚,要求されるトルクが比較的低くてよい場合には,板
ばねを大きく撓ませなくてよいので,このように板ばね
を傾斜させる必要はない。
【0037】6は板ばね4とローラ5を配設して内輪1
と外輪2とを組み合わせた後,これらが軸方向に脱落す
るのを防止するためにハウジング3の開放された側から
ハウジング3に圧入されるシールド板,7は軸である。
【0038】図5(a)は,ローラ5と外輪のカム形状
部2aとが,切欠部2bの下端近傍で接触している状態
を示す図であり,同図に示すように,これはこのダンパ
がピアノ8の鍵盤蓋のような上下開閉式の蓋8aのヒン
ジ部8bに用いられた場合に,蓋が開いた状態であり,
蓋が閉じた状態を0°として,例えば100°開いた状
態である。
【0039】図5(b)は,ローラ5と内輪のカム形状
部2aとが,トルク発生位置2cで接触している状態を
示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が中途に
開いた状態,例えば70°開いた状態である。
【0040】図5(c)は,ローラ5と内輪のカム形状
部2aとが,切欠部2bの上端近傍で接触している状態
を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が閉じ
た状態である。
【0041】次に動作を説明する。
【0042】先ず,蓋8を開いた状態,例えば図5
(a)に示すように100°開いた状態から,中途に開
いた状態,例えば図5(b)に示すように70°開いた
状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ
5は,外輪のカム形状部2a上を,切欠部2bの下端近
傍からトルク発生位置2cまで回転しながら移動する。
【0043】この範囲では,外輪2の中心からカム形状
部2aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部2
a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零
である。従って,蓋8を100°開いた状態から70°
開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響
を受けない。
【0044】次に,蓋8を図5(b)に示すように70
°開いた状態から,図5(c)に示すように閉じた状態
へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5
は,外輪のカム形状部2a上を,トルク発生位置2cか
ら切欠部2bの上端近傍まで回転しながら移動する。
【0045】この範囲では,外輪2の中心からカム形状
部2aまでの距離が連続的に減少するように形成されて
おり,外輪のカム形状部2aの脹らみが連続的に増加し
ているので,板ばね4も連続的に撓みが増大する。その
結果,カム形状部2a上を戻ろうとする方向,即ち内輪
1を左方向に回転させる方向にトルクが発生する。従っ
て,蓋8を70°開いた状態から閉じた状態へ移動する
場合には,内輪を右方向に回転させて蓋を閉じようとす
る方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルク
は,内輪1を左方向に回転させて蓋を開こうとする方向
に作用するので,蓋は徐々に閉じる。
【0046】次に,蓋8を図5(c)に示すように閉じ
た状態から,図5(b)に示すように70°開いた状態
へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5
は,外輪のカム形状部2a上を,切欠部2bの上端近傍
からトルク発生位置2cまで回転しながら移動する。
【0047】この範囲では,外輪2の中心からカム形状
部2aまでの距離が連続的に増加するように形成されて
おり,外輪のカム形状部2aの脹らみが連続的に減少し
ているので,板ばね4も連続的に撓みが減少する。その
結果,カム形状部2a上を先に進もうとする方向,即ち
内輪1を左方向に回転させる方向にトルクが発生する。
従って,蓋を閉じた状態から70°開いた状態へ移動す
る場合には,内輪を右方向に回転させて蓋を閉じようと
する方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルク
は,内輪1を左方向に回転させて蓋を開こうとする方向
に作用するので,蓋は僅かの力で軽く持ち上げることが
できる。
【0048】次に,蓋8を図5(b)に示すように70
°開いた状態から,図5(a)に示すように100°開
いた状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ロ
ーラ5は,外輪のカム形状部2a上を,トルク発生位置
2cから切欠部2bの下端近傍まで回転しながら移動す
る。
【0049】この範囲では,外輪2の中心からカム形状
部2aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部2
a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零
である。従って,蓋8を70°開いた状態から100°
開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響
を受けない。
【0050】ここで,外輪2のカム形状部2aのトルク
発生位置2cから切欠部2bの上端までは,カム形状部
2aの脹らみが連続的に増加するように形成されている
が,その増加率については,必要に応じて種々のものが
形成できるので,この発明の高トルク用ダンパは種々の
用途に適用することができる。
【0051】尚,以上の実施の形態においては,外輪を
固定して内輪を回転させる場合について説明したが,必
要に応じて,内輪を固定して外輪を回転させる場合につ
いても,同様に実施することができる。また,カム形状
部を押圧することのできる弾性体であれば,板ばねに限
定されることなく,同様に実施することができる。ま
た,必要に応じて,外輪とハウジング,或いは内輪と軸
を一体化することができ,その場合には,それぞれハウ
ジング,内輪が不要になる。更に,ローラの代わりにボ
ールを用いても同様に実施することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように,本発明は粘性流体
の粘性抵抗を利用するものではないので,温度の変化の
ような環境の変化により,トルク値が影響を受けること
もなく,常に所望のトルク値,所望のダンピング効果を
得ることができる。また,応答性がよく,ピアノの鍵盤
蓋等をいずれの状態で離しても,所望のダンピング効果
を得ることができるので,上下開閉式の蓋が勢い良く閉
じることがない。また,ピアノの鍵盤蓋のように重い蓋
に使用した場合にも,トルクが蓋を持ち上げて開く方向
に常に働いているので,蓋を比較的軽い力で持ち上げ,
開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための図
である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を説明するための図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するための図
である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明するための図
である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明するための図
である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を説明するための図
である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明するための図
である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を説明するための図
である。
【符号の説明】
1…内輪 1a…カム形状
部 1b…切欠部 1c…トルク発
生位置 1d…ポケット 1e,1f…ス
リット 2…外輪 2a…カム形状
部 2b…切欠部 2c…トルク発
生位置 2d…ポケット 2e,2f…ス
リット 3…ハウジング 4…板ばね 5…ローラ 6…シールド板 7…軸 8…ピアノ 8a…蓋 8b…ヒンジ部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪の外径面または外輪の内径面に,内
    輪または外輪の中心からの距離が連続的に増加或いは減
    少するようにカム形状部を形成し,該カム形状部を押圧
    することにより,該押圧力と内輪または外輪の中心から
    カム形状部までの距離とによるトルクを発生させ,内輪
    または外輪を右方向或いは左方向に回転させることを特
    徴とする高トルク用ダンパ。
  2. 【請求項2】 切欠部の下端からトルク発生位置までの
    範囲は中心からの距離が略一定,トルク発生位置から切
    欠部の上端までは中心からの距離が連続的に増加するよ
    うに,外径面にカム形状部が形成された内輪と,内径面
    から放射外方向へ延びる中空のポケットを複数個備え,
    これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分
    からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリット
    の形成された外輪と,上記内輪のカム形状部をローラを
    介して押圧するように,上記外輪の板ばね保持用スリッ
    トに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延
    びる板ばねとからなることを特徴とする高トルク用ダン
    パ。
  3. 【請求項3】 切欠部の下端からトルク発生位置までの
    範囲は中心からの距離が略一定,トルク発生位置から切
    欠部の上端までは中心からの距離が連続的に減少するよ
    うに,内径面にカム形状部が形成された外輪と,外径面
    から放射内方向へ延びる中空のポケットを複数個備え,
    これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分
    からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリット
    の形成された内輪と,上記外輪のカム形状部をローラを
    介して押圧するように,上記内輪の板ばね保持用スリッ
    トに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延
    びる板ばねとからなることを特徴とする高トルク用ダン
    パ。
  4. 【請求項4】 上記内輪に代えて軸を用いたことを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高トルク用ダ
    ンパ。
  5. 【請求項5】 上記板ばねが外輪の内径面または内輪の
    外径面に対し一様な方向に傾斜していることを特徴とす
    る請求項2乃至4のいずれかに記載の高トルク用ダン
    パ。
  6. 【請求項6】 上記ローラに代えてボールを用いたこと
    を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の高トル
    ク用ダンパ。
  7. 【請求項7】 上下開閉式の蓋のヒンジ部に用いられた
    場合に,蓋が開いた状態及び中途に開いた状態の範囲を
    移動する場合には発生するトルクが略零であり,蓋が中
    途に開いた状態及び閉じた状態の範囲を移動する場合に
    は蓋を開くようなトルクが発生することを特徴とする高
    トルク用ダンパ。
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