JPH09228523A - 可変間仕切壁用支柱と間仕切壁取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工負荷が小さく、居住者自身が随時に間取
り変更等のために設置、移設できる可変間仕切壁手段を
提供する。 【解決手段】 天井側上端部には固定ピン（２）を、床
面側下端部には位置決めピン（６）と高さ調節用のアジ
ャスター（４）とを有し、側面には間仕切壁パネルの取
付溝が配設されており、上端部固定ピン（２）並びに位
置決めピン（６）と高さ調節用のアジャスター（４）に
より床面に圧着固定される可変間仕切壁用支柱（１）
と、これに壁パネル（７）を取付けてなる可変間仕切
壁。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、可変間仕切壁用
支柱とこれを用いた間仕切壁取付構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、住宅向けの可変間仕切壁として、
壁パネルを天井面および床面に取付けた受具にて支持固
定した構造のものが知られている。また、その支持固定
に際して、支柱を介在させる方式のものも知られてい
る。たとえば、天井面に取付けた笠木と床面に固定した
地レールとの間に支柱を嵌合立設し、この支柱の側面に
は支持金具を取付けてこれにより横桟、巾木並びに側部
保持枠を固定し、これらの間にメッシュパネル等のパネ
ルを取付けた構造（実開昭５８−２９７２０号公報）等
が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
間仕切壁の構造の場合、天井面や床面にレール等の受具
をあらかじめ設けることが欠かせないため、そのための
作業負荷は大きく、また、支持される壁パネルもサイズ
が大きいこともあり、住居内への搬入、設置、さらには
住居内での移設は大変に難しく、専門業者による工事が
欠かせず、住宅の居住者自身が間取りを変更するために
間仕切壁を取付け、もしくは移設、解除することは不可
能であるという問題があった。

【０００４】そこで、この発明は、以上のような従来の
間仕切壁構造の欠点を解消し、居住者自身が随時に間取
り変更が可能な、作業負荷の小さな新しい可変間仕切壁
構造とそのための手段を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、天井側上端部には固定ピンを、
床面側下端部には位置決めピンと高さ調節用のアジャス
ターとを有し、側面には間仕切壁パネルの取付溝が配設
された支柱であって、上端部固定ピン並びに位置決めピ
ンと高さ調節用のアジャスターにより床面に圧着固定さ
れることを特徴とする可変間仕切壁用支柱を提供する。

【０００６】そしてこの発明は、中空構造からなる支柱
や、位置決めピンが着脱自在とされている支柱、中空構
造の内部空間には配線コードが挿通され、側面には配線
器具または照明器具が配設されて配線コードに結線され
ている支柱等も提供する。また、この発明は、上記の切
壁用支柱による間仕切壁取付構造であって、天井部には
上端部固定ピンが差し込まれ、位置決めピンと高さ調整
アジャスターにより下端部が床面に圧着固定された一対
の間仕切壁用支柱の各々の対向する側面取付溝に、間仕
切壁パネルの左右の木口部に配設したジョイント部材が
嵌合されることを特徴とする可変間仕切壁取付構造と、
その態様としての、ジョイント部材は、間仕切壁パネル
の木口部溝部に嵌合される構造、間仕切壁パネルの最下
端部には巾木が配設される構造、間仕切壁パネルの最上
端部には笠木が配設される構造等をも提供する。

【０００７】

【発明の実施の形態】そこで、以下、図面に沿って実施
例を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態について
説明する。

【０００８】

【実施例】添付した図面の図１は、この発明の支柱と可
変間仕切壁とを例示した要部分解斜視図であり、図２
は、その要部正面図である。また、図３、図４、図５お
よび図６は、各々、図２のＡ−Ａ′断面、Ｂ−Ｂ′断
面、Ｃ−Ｃ′断面およびＤ−Ｄ′断面を示したものであ
る。

【０００９】まず、たとえば図１および図２に示したよ
うに、この発明の可変間仕切壁用支柱（１）は、天井側
上端部に固定ピン（２）を、床側下端部には位置決めピ
ン（６）と高さ調節用のジャスター（４）とその台座
（５）とを有し、支柱（１）は、位置決めピン（６）と
高さ調節用のアジャスター（４）による圧着にて床面に
固定される。

【００１０】間仕切壁用の壁パネル（７）は、ジョイン
ト部材（８）を介して支柱（１）の側面の取付溝に固定
される。支柱（１）は、この例では、中空構造であり、
その側面には、照明器具や配線器具（１２）を配置し、
中空部に挿通した配線コードにより電源に結線してい
る。壁パネル（７）の最下端部には、図３に示したよう
に、その実により、巾木（９）が固定され、また最上端
部には化粧笠木（１１）が配設されてもいる。巾木
（９）には、図３および図５にも示したように蓋（１
０）が設けられ、間仕切壁設置後に配線コードの結線や
収納を可能としている。上下の複数の壁パネル（７）の
相互の間には必要に応じて横桟を介設することもでき
る。

【００１１】支柱（１）への壁パネル（７）の取付け
は、たとえば以上の例では、図４にも例示したように、
壁パネル（７）の木口部の溝部に嵌合させたジョイント
部材（８）の他端部を、壁パネル（７）の側面の溝部に
嵌合させることで可能としている。高さ調節ジャスター
（４）は、支柱（１）の取付長さの調節および固定を行
うためのもので、支柱（１）固定時には、アジャスター
（４）と台座（５）は、図５および図６にも示したよう
に、アジャスターカバー（３）により隠される。

【００１２】位置決めピン（６）は、アジャスター
（４）とは別体とすることができ、床面に位置決めピン
（６）を打ち込み、これに台座（５）をのせることによ
り、支柱（１）の位置決めが行われる。台座（５）の裏
面には、図１および図６に示したようにクッション材
（１５）が設けられており、位置決めピン（６）との組
み合わせにより、支柱（１）の横ずれを防止している。

【００１３】次に、以上の構造について、その施工方法
を説明する。 ＜Ｉ＞支柱の施工 １）支柱設置位置の決定 予め設置されている図１に示した天井の埋込みプラグ
（１６）から下げ振り等で床面に対して設置予定位置を
決め、位置決めピン（６）を床面に打ち込む。

【００１４】２）支柱の施工 ・位置決めピン（６）に台座（５）をかぶせる。 ・天井高に合わせ、支柱（１）の取付長をアジャスター
（４）により調節する。 ・アジャスターカバー（３）を支柱（１）に通す。

【００１５】・上端部固定ピン（２）を天井の埋込みプ
ラグ（１６）に差し込み、アジャスター（４）を台座に
乗せ、圧着固定できるところまで調節する。 ・アジャスターカバー（３）を下げて台座（５）を隠す ＜II＞壁パネルの施工 １）巾木の設置 支柱（１）と別の支柱（１）との間に巾木（９）を置
く。

【００１６】２）壁パネルの設置 ・壁パネル（７）の左右の木口部の一方の溝にジョイン
ト部材（８）をはめ込む。 ・ジョイント部材（８）をはめ込んだ壁パネル（７）を
支柱（１）の側面の溝に嵌合させ、巾木（９）の上に乗
せ、壁パネル（７）と巾木（９）を連結する。

【００１７】・上記壁パネル（７）のもう一方の木口部
の溝と別の支柱（１）の側面の溝の位置をそろえ、双方
の溝の中にジョイント部材（８）を上方から挿入し壁パ
ネル（７）と支柱（７）を連結する。 ・壁パネル（７）上端面に化粧笠木（１１）を取付け
る。 図７、図８および図８のＥ−Ｅ′断面とＦ−Ｆ′断面を
示した図９（ａ）（ｂ）は、この発明の別の例を示した
ものであり、支柱（１）には、配線器具（１２）ととも
に照明器具（１３）が取付けられており、支柱（１）の
中空部には、ＶＶＦケーブル（１４）等の配線コードが
挿通されている。

【００１８】この場合の支柱（１）の下端部には、ケー
ブル（１４）を通すための穴（１７）があけられてお
り、この穴（１７）からケーブル（１４）を取出すこと
で電源に結線可能としている。なお、以上のとおりの支
柱（１）は、間仕切壁の構成部材としての使用に限られ
ずに、図１０のように家具（テーブル）の構成部材とす
ることや、室内遊具の構成部材とすることも可能であ
る。

【００１９】もちろん、この発明は以上の例に限定され
ることはなく、その細部において様々な態様が可能であ
る。

【００２０】

【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、天井面や床面へのレール部材等の受具を取付け
る必要はなく、しかも壁パネルの取付けも容易な構造が
可能とされ、専門業者に依存することなく、居住者自身
によって、随時に間取り変更等のために間仕切壁の設
置、移設等が可能とされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の支柱とその間仕切壁構造を例示した
分解斜視図である。

【図２】図１に対応する要部正面図である。

【図３】図２におけるＡ−Ａ′断面図である。

【図４】図２におけるＢ−Ｂ′断面図である。

【図５】図２におけるＣ−Ｃ′断面図である。

【図６】図２におけるＤ−Ｄ′断面図である。

【図７】別の支柱の例を示した斜視図である。

【図８】図７の配線器具設置部を例示した正面図であ
る。

【図９】（ａ）（ｂ）は、各々、図８のＥ−Ｅ′断面図
と、Ｆ−Ｆ′断面図である。

【図１０】家具部材としての支柱の使用例を示した斜視
図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 固定ピン ３ アジャスターカバー ４ 高さ調節アジャスター ５ 台座 ６ 位置決めピン ７ 壁パネル ８ ジョイント部材 ９ 巾木 １０ 蓋 １１ 化粧笠木 １２ 配線器具 １３ 照明器具 １４ ＶＶＦケーブル １５ クッション材 １６ 埋込みプラグ １７ ＶＶＦケーブル用穴

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井側上端部には固定ピンを、床面側下
   端部には位置決めピンと高さ調節用のアジャスターとを
   有し、側面には間仕切壁パネルの取付溝が配設された支
   柱であって、上端部固定ピン並びに位置決めピンと高さ
   調節用のアジャスターにより床面に圧着固定されること
   を特徴とする可変間仕切壁用支柱。
2. 【請求項２】 中空構造からなる請求項１の支柱。
3. 【請求項３】 中空構造の内部空間には配線コードが挿
   通され、側面には配線器具または照明器具が配設されて
   配線コードに結線されている請求項２の支柱。
4. 【請求項４】 位置決めピンが着脱自在とされている請
   求項１ないし３のいずれかの支柱。
5. 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかの可変間仕
   切壁用支柱による間仕切壁取付構造であって、天井部に
   は上端部固定ピンが差し込まれ、位置決めピンと高さ調
   整アジャスターにより下端部が床面に圧着固定された一
   対の間仕切壁用支柱の各々の対向する側面取付溝に、間
   仕切壁パネルの左右の木口部に配設したジョイント部材
   が嵌合されることを特徴とする可変間仕切壁取付構造。
6. 【請求項６】 ジョイント部材は、間仕切壁パネルの木
   口部溝部に嵌合される請求項５の構造。
7. 【請求項７】 間仕切壁パネルの最下端部には巾木が配
   設される請求項５または６の構造。
8. 【請求項８】 間仕切壁パネルの最上端部には笠木が配
   設される請求項５ないし７のいずれかの構造。