JPH09228066A - アルミニウム含有金属材料の耐食性・塑性加工性増進表面処理用水性組成物、処理液、および処理方法 - Google Patents

アルミニウム含有金属材料の耐食性・塑性加工性増進表面処理用水性組成物、処理液、および処理方法

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JPH09228066A
JPH09228066A JP3968096A JP3968096A JPH09228066A JP H09228066 A JPH09228066 A JP H09228066A JP 3968096 A JP3968096 A JP 3968096A JP 3968096 A JP3968096 A JP 3968096A JP H09228066 A JPH09228066 A JP H09228066A
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corrosion resistance
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Jun Kawaguchi
純 川口
Kazuhiko Mori
和彦 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al含有金属材料表面上に、裸耐食性、塗装
密着性、鍛造性に優れた緻密な化成皮膜を形成する。 【解決手段】 Mo,W,Re、又はV原子を含む酸素
酸化合物、りん酸化合物およびフッ化物を、重金属酸素
酸イオン、りん酸イオンおよびフッ素が、0.1〜5
0:1〜100:0.1〜10の重量比をなすように含
有させた水性処理液を、Al含有金属材料表面に接触さ
せて表面処理し、この処理表面を水洗し乾燥して、化成
皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム含有
金属材料の耐食性・塑性加工性増進表面処理用水性組成
物、水性処理液および表面処理方法に関するものであ
る。本発明に係るアルミニウム含有金属材料の表面処理
用水性組成物、水性処理液、および処理方法は、その表
面処理後に、塗装を施す場合は、処理表面が塗料に対し
良好な密着性と耐食性を示し、また潤滑処理を施す場合
には、処理表面に良好な潤滑性と塑性加工性が付与され
るものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム含有金属材料、すなわちア
ルミニウム材料およびアルミニウム合金材料は、実用金
属材料の中では、構造材料として鉄鋼に次いで重要な材
料である。特に最近は地球温暖化等に伴う環境問題か
ら、自動車の燃費向上が叫ばれており、車体軽量化を目
的としてアルミニウム含有金属(合金)材料が多用され
る傾向にある。
【0003】アルミニウム含有金属材料は高い活性を有
する金属材料であるが、その表面は強固な酸化物皮膜に
覆われているので、格別の表面処理を施さなくても比較
的高い耐食性を有している。しかし、実際には、さらに
高い耐食性が要求されたり、また意匠性を目的とする場
合には、塗装される場合が多い。このような場合、素材
表面に直接塗装を行うだけでは十分な塗膜密着性と耐食
性が得られず、このため、通常は、アルミニウム含有金
属材料の表面に下地処理としてクロメート処理などの化
成処理を施し、それによってクロムの水和酸化物皮膜や
リン酸クロメート皮膜等を形成し、その後に塗装に供さ
れている。
【0004】上記クロメート処理は、アルミニウム含有
金属材料表面に、塗料に対する良好な密着性を付与し、
かつ耐食性を向上させるものであって、薬剤コストも比
較的安価な湿式表面処理であるので、工業的にきわめて
有用な方法である。しかしクロメート処理は、処理液中
に6価のクロムイオンを含有するため、特別な廃水処理
設備を必要とする。場合によっては、このクロメート処
理システムを運用するためのコストの大部分が廃水処理
に占められてしまうこともしばしば見受けられる。そこ
で、従来から、6価クロムフリーの表面処理システムの
出現が望まれていた。
【0005】一方、アルミニウム含有金属材料を冷間加
工する場合には、ダイスとワークとの間に潤滑性を付与
するために、ステアリン酸の金属塩のような石鹸類、グ
ラファイト、および二硫化モリブデンなどのような固体
潤滑剤、又は鉱油を基材とするプレス油やワックスのよ
うな各種潤滑剤が用いられる。しかし、これらの潤滑剤
を効果的に作用させるためには、潤滑膜を形成する前
に、このアルミニウム含有金属材料の表面上に無機質の
皮膜を形成し、潤滑剤の接着土台またはキャリヤを形成
するのが一般的である。このような無機質皮膜の形成に
は、主に化成処理法が用いられる。例えば特公昭17−
1063号公報には、硅フッ化水素酸の希薄水溶液に難
溶性金属フッ化物の過剰量を投入して懸濁状態とした処
理液に、アルミニウム含有金属材料を浸漬し、これに加
熱処理を施す方法が開示されており、特開昭51−10
6676号公報には、アルカリ土類金属水酸化物と水溶
性アルカリ土類金属塩とのアルカリ性混合水溶液中にお
いて、アルミニウム含有金属材料を浸漬処理する方法が
開示されている。
【0006】しかし、これらの従来方法は何れも懸濁状
態の処理液を用いるため、その上澄み液の部分において
成分濃度は過飽和状態となっており、処理を長期にわた
って継続することにより、溶解蓄積されたアルミニウム
イオンの影響を大きく受けることになる。その結果、処
理液は恒久的に使用することができず、ある一定量の処
理が行われた時点で、処理液に対し、廃棄更新が必要と
なる。従って、これらの従来方法は、品質管理の面にお
いても、経済性の面においても有利な方法とは言えない
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記既存技術
の問題点、すなわちアルミニウム含有金属材料の塗装下
地処理におけるクロメート処理の廃水処理負担の問題、
さらに冷間加工における潤滑下地処理液の加工負荷によ
る耐久性の問題などを解決することができ、アルミニウ
ム含有金属材料の表面に優れた裸耐食性、塗装密着性お
よび潤滑性(塑性加工性)を付与する化成皮膜を形成す
るための、クロムフリー表面処理用水性組成物、処理
液、およびそれを用いた表面処理方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金の化成処理について鋭意検討
した結果、塗装下地処理並びに潤滑剤の下地処理とし
て、前述の問題点を解決することが可能な表面処理用水
性組成物、表面処理液および表面処理方法を完成するに
至った。
【0009】本発明に係るアルミニウム含有金属材料の
耐食性・塑性加工性増進表面処理用水性組成物は、モリ
ブデン、タングステン、レニウムおよびバナジウムから
選ばれた重金属の原子を含む少なくとも1種の重金属酸
素酸イオンと、りん酸化合物と、フッ化物とを、重金属
酸素酸イオン、りん酸イオンおよびフッ素の重量比が
0.1〜50:1〜100:0.1〜10になるように
含有していることを特徴とするものである。
【0010】本発明のアルミニウム含有金属材料の耐食
・塑性加工性増進表面処理用水性処理液は、モリブデ
ン、タングステン、レニウムおよびバナジウムから選ば
れた重金属原子を含む少なくとも1種の重金属酸素酸
と、りん酸化合物と、フッ化物とを含み、重金属酸素酸
イオン濃度が0.1〜50g/リットルであり、りん酸
イオン濃度が1〜100g/リットルであり、かつフッ
素濃度が0.1〜10g/リットルであることを特徴と
するものである。
【0011】本発明のアルミニウム含有金属材料の耐食
・塑性加工増進表面処理方法は、アルミニウム含有金属
材料の表面に、前記定義の水性処理液を接触させてこれ
を表面処理し、次にこの処理表面に水洗を施すことを特
徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム含有金属材
料の表面処理用水性組成物、処理液および処理方法につ
いて下記に詳細に説明する。本発明において、アルミニ
ウム含有金属材料は、アルミニウムを含有している限
り、その組成、形状、寸法などに限定はないが、その表
面は、油分や汚れ等を除去するために前処理としてあら
かじめ有機溶剤または界面活性剤を含む水系洗浄液等に
よって脱脂洗浄が施されたものであることが好ましい。
【0013】本発明の表面処理用水性組成物は、下記に
述べるアルミニウム含有金属材料の表面処理に必要な成
分物質を所定の比率で含有するもので、通常は表面処理
用水性組成物の製造場所とその使用場所が離れている際
に、移送が容易なように高濃度に調製されるのが好まし
く、これを適当な濃度になるように水により希釈して実
用表面処理液を調製することができる。
【0014】本発明の表面処理用水性組成物および表面
処理液は、基本的にモリブデン、タングステン、バナジ
ウムおよびレニウムから選ばれた重金属の原子を含む少
なくとも1種の重金属酸素酸化合物と、りん酸化合物
と、フッ化物とを含む水溶液で構成される。この水性組
成物において最も重要なことは、重金属酸素酸イオンを
含有することである。単にりん酸塩皮膜を析出させるだ
けなら、必ずしもこれらの重金属酸素酸イオンを共存さ
せる必要はないが、本発明の重金属酸素酸イオンを含有
しない状態で形成されるりん酸塩皮膜は粗大な結晶を含
み、粗くポーラスなものとなる。後述するように、本発
明の重金属酸素酸イオンの添加により、極めて緻密なり
ん酸塩化成皮膜を形成させることが可能になる。本発明
の水性組成物において、前記重金属酸素酸イオンと、り
ん酸イオンと、フッ素との配合重量比は、0.1〜5
0:1〜100:0.1〜10であり、0.5〜20:
5〜50:0.5〜5であることが好ましい。上記3成
分イオンの配合重量比が、上記比の範囲外になると、こ
の表面処理用水性組成物から得られる処理液の組成が、
不適当なものになる。
【0015】本発明におけるモリブデン、タングステ
ン、レニウムおよびバナジウムの酸素酸イオンとは、こ
れらのオルト酸イオン、すなわちMoO4 2- ,W
4 2- ,ReO4 - およびVO3 - 、並びに、これらの
重金属原子を含むポリ酸イオンなども含有する。従って
処理浴中における存在形態は、Mo7 24 6-,W8 26
4-,V 2 7 4- などのポリモリブデン酸、ポリタングス
テン酸およびポリバナジン酸イオンの形であってもよ
い。
【0016】上記のモリブデン酸イオン、タングステン
酸イオン、レニウム酸イオンおよびバナジン酸イオン
は、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウ
ムなどのように重金属酸素酸のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩などの水溶性化合物の形で処理液に添加含
有されることが好ましい。本発明の表面処理用水性処理
液は、上記水性組成物を用いて、(一般にこれを水で希
釈して)調製されるが、本発明の実用処理液中に含まれ
るモリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、レニウ
ム酸イオンおよびバナジン酸イオンは、それらの濃度の
合計が0.1〜50g/リットルの範囲内にあることが
好ましく、0.5〜20g/リットルであることがより
好ましい。この合計濃度が0.1g/リットル未満で
は、形成される皮膜が粗くポーラスとなり、またそれが
50g/リットルを超えると、重金属酸素酸添加の効果
が飽和し、コストが上昇する。
【0017】本発明の水性組成物および表面処理液の調
製において、りん酸イオンは酸の形で供給することもで
きるが、りん酸ナトリウム、りん酸アンモニウムなどの
可溶性塩として供給することが好ましく、りん酸一ナト
リウム、りん酸一アンモニウムなどの酸性りん酸塩を用
いることが最も好ましい。また、実用表面処理液におけ
るりん酸イオンの濃度範囲は1〜100g/リットルで
あり、好ましくは5〜50g/リットルである。りん酸
イオンの濃度が1g/リットル未満では、化成皮膜が十
分に形成されず性能的に不満足なものとなり、またそれ
が100g/リットルを超えると、りん酸化合物添加の
効果が飽和し、経済的に不利となる。
【0018】次に、本発明において用いられるフッ化物
とは、水性処理液中においてフッ素含有イオンを生成す
るものであってフッ素含有イオンとはフッ素原子のみか
らなるイオンと錯フッ化物イオンとを包含するものであ
る。フッ化物の供給源としては、フッ化水素酸、フッ化
ナトリウム、酸性フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、
フッ化アンモニウム、硼フッ化ナトリウム、珪フッ化ナ
トリウム、硼フッ化水素酸、珪フッ化水素酸、ジルコン
フッ化水素酸、チタンフッ化水素酸などがあげられ、こ
れらの化合物の中から適時選択される。また、本発明の
表面処理液におけるフッ素濃度は、0.1〜10g/リ
ットルであることが好ましく、0.5〜5g/リットル
であることがより好ましい。この濃度が0.1g/リッ
トル未満では、アルミニウム含有金属材料に対するエッ
チング力が不足するので化成皮膜が十分に形成されず、
またそれが10g/リットルを超えると、エッチングが
過剰となり粗い皮膜が形成されるので好ましくない。本
発明の表面処理における化学反応を厳密に考慮すると、
フッ素化合物において、反応に直接的に作用するものは
遊離のフッ素イオンであり、その濃度はフッ素イオンメ
ーター等で測定することができる。このような遊離のフ
ッ素イオンの好ましい濃度範囲は0.001〜5g/リ
ットルなので、現場管理にこのような測定器を用いるこ
とにより、安定な品質の表面処理を行うことができる。
【0019】本発明の表面処理液のpHは、平滑で十分な
皮膜付着量を得るために、1.0〜9の範囲内にあるこ
とが好ましく、2.5〜6の範囲内にあることがより好
ましい。アルミニウム含有金属材料を表面処理するとき
の温度は、通常20〜80℃が好ましく、処理時間は1
〜600秒間であることが好ましい。ただし、これらの
処理条件はアルミニウム含有金属材料の素材の種類およ
びその表面状態に依存するので、表面処理液のフッ素濃
度、遊離のフッ素イオン濃度、pH値、並びに、処理温度
および時間を、適宜に設定することができる。これらの
条件は、処理される金属材料の種類および表面状態に応
じて、形成される皮膜重量が0.1〜20g/m2 の範
囲になるように設定されることが好ましく、0.5〜
5.0g/m2 の範囲となるように設定されることがよ
り好ましい。
【0020】本発明の化成処理液による皮膜形成が終了
したならば速やかに水洗し、乾燥して処理を完了する。
このとき、本発明の表面処理が塗装下地層の形成を目的
とする場合は、特に水洗を十分に行うことが必要であ
る。これが不十分であると乾燥後の金属材料表面に水可
溶性成分が残留し、腐食環境において塗装性能を著しく
劣化させることがある。また、乾燥は自然乾燥(常温放
置)でもよいが、工業的には、例えば80〜150℃程
度の温度、数秒〜数分間の条件で、温風加熱することに
より速やかに乾燥することが好ましい。
【0021】本発明の表面処理方法によれば、アルミニ
ウム含有金属材料の表面にモリブデン、タングステン、
レニウムおよびバナジウムから選ばれる少なくとも1種
の元素と、さらにアルミニウムと、りんと、酸素とを主
成分元素とする皮膜が形成される。この皮膜成分の中
で、アルミニウムは、表面処理液中に予じめ含まれてい
ないが、処理中に、フッ素イオンを含む酸性溶液中に、
アルミニウムが溶解してイオン化し、これが皮膜中に取
り込まれるのである。一方、このように溶解したアルミ
ニウムイオンの一部は、皮膜中に取り込まれずに、表面
処理液中に蓄積するが、これはそれ以降の処理には特に
問題とはならない。何故ならば、過剰なアルミニウムイ
オンの蓄積は、一般にアルミニウム含有金属材料の溶解
反応を抑制するが、フッ素イオン、特に遊離フッ素イオ
ン、が共存するとアルミニウムのフッ素錯体が形成さ
れ、それによってアルミニウムイオンの悪影響がマスキ
ングされるからである。
【0022】本発明方法により形成された表面処理皮膜
は、結晶粒子が極めて微細または非晶質であり、アルミ
ニウム含有金属材料表面に強固に付着し、かつ金属材料
表面をきわめて緻密に覆うことができ、後に処理される
塗膜や潤滑膜のような有機系化合物とよく密着すること
ができる。このため本発明の表面処理を施されたアルミ
ニウム含有金属材料に塗装を施した場合、特にアルミニ
ウム材料上の塗膜に特徴的な糸錆の発生などを有効に防
止することができる。さらに、例えばステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カルシウム、プレス潤滑油などの
潤滑剤を化成皮膜上に塗布することにより、本発明の化
成皮膜がこれら潤滑剤のキャリアとなり、当該金属材料
に良好な塑性加工性を付与することができる。また、本
発明方法により形成される緻密な化成皮膜は、それだけ
でもアルミニウム含有金属材料の耐食性を向上させると
いう付帯的な効果も有するのである。
【0023】
【実施例】下記実施例および比較例により、さらに本発
明を具体的に説明する。
【0024】実施例1〜5および比較例1〜5 実施例および比較例において、金属材料試験片として
は、裸耐食性および塗装性能の評価には0.8mm厚のJ
IS A5052平板材(サイズ:70×150mm)を
用い、また塑性加工性の評価には図1(A),(B)に
示すような、JIS A6061によるリング材(外径
26mm、内径13mm、厚さ8.77mm)を用いた。何れ
も、本発明の表面処理を行う前に、60℃に加熱した日
本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤ファインク
リーナー315(商標)の2%水溶液に3分間浸漬し、
水洗して表面を清浄にした。
【0025】次に、前記試験片を、表1に示す組成に調
製した水溶液中に浸漬して表面処理を施した。この時何
れの場合も液温を70℃、浸漬時間を3分間とした。処
理後、試験片に水洗並びに脱イオン水洗を施し、100
℃に設定されたオーブン中に5分間程度放置して乾燥し
た。さらに、塗装性能評価用の平板材には、アルキッド
系白色塗料をスプレー塗装し、140℃で20分間焼き
付けた。この時目標膜厚を25μmとした。
【0026】上記のようにして表面処理を行った平板材
の一部は、裸耐食性を調査するためにそのままJIS
Z2371に規定される塩水噴霧試験(以下、SSTと
記す)に供した。SSTは120時間まで行い、その時
発生した白錆面積を、全表面に対する%で評価した。
【0027】上記の表面処理を施した平板材の一部を用
いて、バウデン−レーベン摩擦係数試験機により油潤滑
下における摩擦係数を評価した。この時、圧子の荷重を
200gとし、油としてトヨタモーターオイル(クリー
ンロイヤルII SE7.5W−30(商標))を用い
て、圧子の進行方向を圧延板目と直角にして200回摺
動させた。
【0028】塗装後の試験片の一部には、鋭利なカッタ
ーを用いて、2mm間隔の素地に達する傷を入れることに
より100個の碁盤目を描き、これにスコッチテープ粘
着−剥離テストを行い残存した碁盤目の数により皮膜密
着性を評価した。
【0029】残りの塗装試験片には、耐糸錆性を評価す
るために、鋭利なカッターで試験片の対角線方向に素地
に達する2本のクロスカットを入れた後、これを30℃
の0.5 mol/L HCl+1%H2 2 水溶液中に1
分間浸漬し、水洗することなく24時間室温に放置した
後、50℃・80%RHの湿潤雰囲気中にて1000時間
経時させた。試験後に、クロスカット部より発生した糸
錆の長さを測定した。
【0030】塑性加工性を評価するためのリング状試験
片には、日本パーカライジング(株)製プレス油ファイ
ンリューベ−TD477A(商標)を塗布し、平板ダイ
スを設置した200ton プレス機により、圧下率約60
%で圧縮した。この圧下状況を図2に示す。リング圧縮
試験は佃誠、高田与男;アルトピア、(5),p.72
(1979)の記載の方法により行った。この試験方法
では潤滑性の劣る試料ほどリングの内径が小さくなる
が、この時の圧下率と内径縮小率から摩擦せん断係数
(小さい程よい)を求め、塑性加工性(鍛造性)を評価
した。
【0031】
【表1】
【0032】表1の註 1.実施例1〜5および比較例1の表面処理液には、重
金属酸素酸塩の他に、3g/リットルのリン酸、18g
/リットルの第一リン酸ソーダおよび2g/リットルの
フッ化ナトリウムを添加した。 2.比較例2の表面処理液には、重金属酸素酸塩の他
に、3g/リットルのリン酸と18g/リットルの第一
リン酸ソーダを添加した。 3.比較例3の表面処理液には、重金属酸素酸塩の他
に、3g/リットルのリン酸、18g/リットルの第一
リン酸ソーダおよび30g/リットルのフッ化ナトリウ
ムを添加した。 4.比較例4の表面処理液には、重金属酸素酸塩の他
に、30g/リットルのフッ化ナトリウムを添加した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】上記実施例の成績からも明らかなよう
に、本発明の水性組成物、表面処理液並びに処理方法を
用いることにより、アルミニウム含有金属材料表面に良
好な裸耐食性と塗装性能を付与することができる。さら
に、得られた化成皮膜は、油潤滑下における摩擦係数も
低く、従って良好な塑性加工性(鍛造性)を示す。本発
明の表面処理液は、公害性のクロム化合物を含むことも
なく、またこの表面処理液は無色透明で液の管理および
操業も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、圧縮試験用リング状試験片の平
面形状を示す説明図。図1(B)は、図1(A)の試験
片の側面状況を示す説明図。
【図2】図2は、圧縮試験用リング状試験片の圧縮試験
前および後の形状を示す側面説明図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モリブデン、タングステン、レニウムお
    よびバナジウムから選ばれた重金属原子を含む少なくと
    も1種の重金属酸素酸化合物と、りん酸化合物と、フッ
    化物とを、重金属酸素酸イオン、りん酸イオン、および
    フッ素の重量比が0.1〜50:1〜100:0.1〜
    10になるように含有していることを特徴とする、アル
    ミニウム含有金属材料の耐食性・塑性加工性増進表面処
    理用水性組成物。
  2. 【請求項2】 モリブデン、タングステン、レニウムお
    よびバナジウムから選ばれた重金属原子を含む少なくと
    も1種の重金属酸素酸化合物と、りん酸化合物と、フッ
    化物とを含み、重金属酸素酸イオンの濃度が0.1〜5
    0g/リットルであり、りん酸イオンの濃度が1〜10
    0g/リットルであり、かつフッ素濃度が0.1〜10
    g/リットルであることを特徴とする、アルミニウム含
    有金属材料の耐食性・塑性加工性増進表面処理用水性処
    理液。
  3. 【請求項3】 アルミニウム含有金属材料の表面に、請
    求項2に記載の水性表面処理液を接触させてこれを表面
    処理し、次にこの処理表面に水洗を施すことを特徴とす
    る、アルミニウム含有金属材料の耐食性・塑性加工性増
    進表面処理方法。
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