JPH09227723A - 低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物 - Google Patents
低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物Info
- Publication number
- JPH09227723A JPH09227723A JP6191396A JP6191396A JPH09227723A JP H09227723 A JPH09227723 A JP H09227723A JP 6191396 A JP6191396 A JP 6191396A JP 6191396 A JP6191396 A JP 6191396A JP H09227723 A JPH09227723 A JP H09227723A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- component
- carbon black
- dibutyl phthalate
- butadiene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 少なくとも耐湿潤スキッド性及び耐摩耗性を
維持しながら、転がり抵抗性が向上したゴム組成物を提
供する。 【解決手段】 スチレン含有量が3〜22モル%、1、
2ビニル結合したブタジエン成分の含有量が20〜58
モル%、その内で水素添加されたものの含有率が5〜3
0モル%にされた重合体分子鎖がカップリングした水添
ビニルSBR単独またはジエン系ゴムとのブレンドでな
るゴム成分に、CTABが50〜70m2/g、圧縮DBP
が95cm3/100g以上、DBPと圧縮DBPの差が25cm
3/100g以上であるカーボンブラックが配合されたゴム組
成物。
維持しながら、転がり抵抗性が向上したゴム組成物を提
供する。 【解決手段】 スチレン含有量が3〜22モル%、1、
2ビニル結合したブタジエン成分の含有量が20〜58
モル%、その内で水素添加されたものの含有率が5〜3
0モル%にされた重合体分子鎖がカップリングした水添
ビニルSBR単独またはジエン系ゴムとのブレンドでな
るゴム成分に、CTABが50〜70m2/g、圧縮DBP
が95cm3/100g以上、DBPと圧縮DBPの差が25cm
3/100g以上であるカーボンブラックが配合されたゴム組
成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低燃費性、湿潤路
面での耐スキッド性、耐摩耗性及び低温特性に優れた低
燃費タイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
面での耐スキッド性、耐摩耗性及び低温特性に優れた低
燃費タイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化、自動車の増加に伴
う排気ガスの増加等の環境問題から燃料効率のよい自動
車が開発されつつあり、タイヤについても運転の安全性
につながる湿潤路面での耐スキッド性、経済性及び省資
源につながる耐摩耗性を維持しながら転がり抵抗を小さ
くした低燃費性タイヤの開発が要請されている。タイヤ
の転がり抵抗はトレッドのヒステリシスロスに依存する
ところが大きいので、従来より低転がり抵抗性のゴム組
成物の研究が続けられている。転がり抵抗性を小さくす
るため、補強剤に粒子径が大きいカーボンブラックを使
用する方法、低価格の広く使用されていた乳化重合スチ
レンブタジエンゴム(以下スチレンブタジエンゴムをS
BRと言う)に換えてブタジエン成分の1、2ビニル結
合含有量の多い溶液重合のSBR、所謂ビニルSBRを
使用する方法、カーボンブラックとオイルの配合量を少
なくする方法等を適宜組み合わせたゴム組成物が用いら
れている。また、N−(2メチル−2ニトロプロピル)
−4ニトロソアニリン、5ニトロソ−8ヒドロキシキノ
リン等のニトロソ化合物を添加してポリマーとカーボン
ブラックの結合を高める方法が提案されている。しかし
一般に、これらの方法で転がり抵抗性を小さくすれば、
他の特性が低下すると言われている。例えば、粒子径の
大きいカーボンブラックを使用した場合、或るいはカー
ボンブラックとオイルの配合量を少なくした場合は耐摩
耗性が低下し、ビニルSBRを使用した場合には湿潤路
面での耐スキッド性(以下、湿潤路面での耐スキッド性
を耐湿潤スキッドと言う)の低下は乳化重合SBRより
小さいが、やはり満足できるレベルに維持すことができ
ない。従来の汎用されていた材料を適宜組み合わせて、
耐摩耗性、耐湿潤スキッド、低温性能を維持しながら転
がり抵抗性を小さくするには限度があり、特開平7−7
6635号の発明は、ブタジエン成分の1、2ビニル結
合含有量が20〜80重量%の溶液重合SBRを部分水
素添加し、1、2ビニル結合の5〜50重量%が水添さ
れた部分水添ビニルSBRを全ゴム成分の40〜100
重量%用いて耐摩耗性、耐湿潤スキッドを維持しながら
低転がり抵抗性を下げる方法を提案している。
う排気ガスの増加等の環境問題から燃料効率のよい自動
車が開発されつつあり、タイヤについても運転の安全性
につながる湿潤路面での耐スキッド性、経済性及び省資
源につながる耐摩耗性を維持しながら転がり抵抗を小さ
くした低燃費性タイヤの開発が要請されている。タイヤ
の転がり抵抗はトレッドのヒステリシスロスに依存する
ところが大きいので、従来より低転がり抵抗性のゴム組
成物の研究が続けられている。転がり抵抗性を小さくす
るため、補強剤に粒子径が大きいカーボンブラックを使
用する方法、低価格の広く使用されていた乳化重合スチ
レンブタジエンゴム(以下スチレンブタジエンゴムをS
BRと言う)に換えてブタジエン成分の1、2ビニル結
合含有量の多い溶液重合のSBR、所謂ビニルSBRを
使用する方法、カーボンブラックとオイルの配合量を少
なくする方法等を適宜組み合わせたゴム組成物が用いら
れている。また、N−(2メチル−2ニトロプロピル)
−4ニトロソアニリン、5ニトロソ−8ヒドロキシキノ
リン等のニトロソ化合物を添加してポリマーとカーボン
ブラックの結合を高める方法が提案されている。しかし
一般に、これらの方法で転がり抵抗性を小さくすれば、
他の特性が低下すると言われている。例えば、粒子径の
大きいカーボンブラックを使用した場合、或るいはカー
ボンブラックとオイルの配合量を少なくした場合は耐摩
耗性が低下し、ビニルSBRを使用した場合には湿潤路
面での耐スキッド性(以下、湿潤路面での耐スキッド性
を耐湿潤スキッドと言う)の低下は乳化重合SBRより
小さいが、やはり満足できるレベルに維持すことができ
ない。従来の汎用されていた材料を適宜組み合わせて、
耐摩耗性、耐湿潤スキッド、低温性能を維持しながら転
がり抵抗性を小さくするには限度があり、特開平7−7
6635号の発明は、ブタジエン成分の1、2ビニル結
合含有量が20〜80重量%の溶液重合SBRを部分水
素添加し、1、2ビニル結合の5〜50重量%が水添さ
れた部分水添ビニルSBRを全ゴム成分の40〜100
重量%用いて耐摩耗性、耐湿潤スキッドを維持しながら
低転がり抵抗性を下げる方法を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−76635
号公報に記載されている部分水添ビニルSBRに通常の
カーボンブラックを配合したゴム組成物は、従来の材料
を用いたゴム組成物より耐摩耗性、耐湿潤スキッド、低
温特性を維持しながら低転がり抵抗性を小さくできる
が、上記の性能を同時に満足できるレベルまで向上させ
るまでには至っていない。
号公報に記載されている部分水添ビニルSBRに通常の
カーボンブラックを配合したゴム組成物は、従来の材料
を用いたゴム組成物より耐摩耗性、耐湿潤スキッド、低
温特性を維持しながら低転がり抵抗性を小さくできる
が、上記の性能を同時に満足できるレベルまで向上させ
るまでには至っていない。
【0004】本発明は、低温特性に優れ、タイヤの低転
がり抵抗性、耐摩耗性、耐湿潤スキッド性を向上させる
トレッド用ゴム組成物を提供することを目的にして成さ
れたものである。
がり抵抗性、耐摩耗性、耐湿潤スキッド性を向上させる
トレッド用ゴム組成物を提供することを目的にして成さ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ミクロ構造を
調整した部分水添ビニルSBRに、従来のトレッドゴム
組成物に使用されていたカーボンブラックより比表面積
を小さくし、ストラクチャーを発達させたカーボンブラ
ックを配合することによって低転がり抵抗性、耐摩耗
性、耐湿潤スキッドを同時に向上させるものである。す
なわち本発明は、スチレン含有量が3〜22モル%、
1、2ビニル結合したブタジエン成分の含有量が20〜
58モル%であるポリマーの分子鎖がカップリングさ
れ、1、2ビニル結合ブタジエン成分の内で水素添加さ
れたプタジエン成分の含有率が5〜30モル%である溶
液重合スチレンブタジエンゴム30〜100重量%と上
記以外のジエン系ゴム70〜0重量%でなるゴム成分1
00重量部に対し、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド吸着比表面積が50〜70m2/g、圧縮ジブチルフ
タレート吸油量が95cm3/100g以上、ジブチルフタレー
ト吸油量と圧縮ジブチルフタレート吸油量の差が25cm
3/100g以上であるカーボンブラックが50〜90重量部
配合された低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物である。
調整した部分水添ビニルSBRに、従来のトレッドゴム
組成物に使用されていたカーボンブラックより比表面積
を小さくし、ストラクチャーを発達させたカーボンブラ
ックを配合することによって低転がり抵抗性、耐摩耗
性、耐湿潤スキッドを同時に向上させるものである。す
なわち本発明は、スチレン含有量が3〜22モル%、
1、2ビニル結合したブタジエン成分の含有量が20〜
58モル%であるポリマーの分子鎖がカップリングさ
れ、1、2ビニル結合ブタジエン成分の内で水素添加さ
れたプタジエン成分の含有率が5〜30モル%である溶
液重合スチレンブタジエンゴム30〜100重量%と上
記以外のジエン系ゴム70〜0重量%でなるゴム成分1
00重量部に対し、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド吸着比表面積が50〜70m2/g、圧縮ジブチルフ
タレート吸油量が95cm3/100g以上、ジブチルフタレー
ト吸油量と圧縮ジブチルフタレート吸油量の差が25cm
3/100g以上であるカーボンブラックが50〜90重量部
配合された低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるブタジエン成分の
1、2ビニル結合したブタジエン部分の一部が水素添加
された溶液重合のSBR(以下、ブタジエン成分の1、
2ビニル結合したブタジエン部分の一部が水素添加され
た溶液重合SBRを水添ビニルSBRと言う)は、例え
ば特開平7−76635号公報に記載されるように、脂
肪族炭化水素系溶剤または脂環族炭化水素系溶剤中でア
ルキルリチウム触媒を用いてスチレンとブタジエンを重
合し、得られた重合体溶液に錫の塩化物または硅素の塩
化物を加えてカップリングして分子量を増大させ、更に
チタンの有機化合物を触媒にして加圧下で水素と反応さ
せて得ることができる。また、本発明に用いるカーボン
ブラックは、特開平7−41694号公報に記載される
方法によって得ることができる。
1、2ビニル結合したブタジエン部分の一部が水素添加
された溶液重合のSBR(以下、ブタジエン成分の1、
2ビニル結合したブタジエン部分の一部が水素添加され
た溶液重合SBRを水添ビニルSBRと言う)は、例え
ば特開平7−76635号公報に記載されるように、脂
肪族炭化水素系溶剤または脂環族炭化水素系溶剤中でア
ルキルリチウム触媒を用いてスチレンとブタジエンを重
合し、得られた重合体溶液に錫の塩化物または硅素の塩
化物を加えてカップリングして分子量を増大させ、更に
チタンの有機化合物を触媒にして加圧下で水素と反応さ
せて得ることができる。また、本発明に用いるカーボン
ブラックは、特開平7−41694号公報に記載される
方法によって得ることができる。
【0007】水添ビニルSBR中のスチレン含有量が3
モル%未満の場合は耐湿潤スキッドが劣り、22モル%
より多い場合は転がり抵抗が大きくなり、耐摩耗性、低
温特性が劣り、1、2ビニル結合(以下、1、2ビニル
結合をビニル結合と言う)したブタジエン成分の含有量
が、水添ビニルSBR全体を100モル%として、20
モル%より少ない場合には、必要とする量のビニル結合
したブタジエン成分の水添されたもの(以下、ビニル結
合したブタジエン成分の水添されたものを水添ビニル結
合と言う)が得られず、本発明の特徴が発現されない。
58モル%より多い場合は転がり抵抗が大きくなり、耐
摩耗性、低温特性が劣る。水添ビニル結合が5モル%未
満の場合は転がり抵抗が大きくなり、30モル%より多
くなると機械的強度が低下する。
モル%未満の場合は耐湿潤スキッドが劣り、22モル%
より多い場合は転がり抵抗が大きくなり、耐摩耗性、低
温特性が劣り、1、2ビニル結合(以下、1、2ビニル
結合をビニル結合と言う)したブタジエン成分の含有量
が、水添ビニルSBR全体を100モル%として、20
モル%より少ない場合には、必要とする量のビニル結合
したブタジエン成分の水添されたもの(以下、ビニル結
合したブタジエン成分の水添されたものを水添ビニル結
合と言う)が得られず、本発明の特徴が発現されない。
58モル%より多い場合は転がり抵抗が大きくなり、耐
摩耗性、低温特性が劣る。水添ビニル結合が5モル%未
満の場合は転がり抵抗が大きくなり、30モル%より多
くなると機械的強度が低下する。
【0008】本発明に用いる水添ビニルSBRは、水添
に先立って錫の塩化物、硅素の塩化物等でカップリング
効率30%以上にカップリングされて分子量が増大され
ると同時にカーボンブラックと相互作用して転がり抵抗
を低減する活性基が付与される。カップリング剤として
は、特に限定しないが、転がり抵抗の低減効果の大きい
塩化第2錫が好適である。カップリング効率が30%未
満の場合、カップリングすることにより得られる効果が
発現せず、低転がり抵抗、耐摩耗性、耐湿潤スキッドの
バランスが劣る。
に先立って錫の塩化物、硅素の塩化物等でカップリング
効率30%以上にカップリングされて分子量が増大され
ると同時にカーボンブラックと相互作用して転がり抵抗
を低減する活性基が付与される。カップリング剤として
は、特に限定しないが、転がり抵抗の低減効果の大きい
塩化第2錫が好適である。カップリング効率が30%未
満の場合、カップリングすることにより得られる効果が
発現せず、低転がり抵抗、耐摩耗性、耐湿潤スキッドの
バランスが劣る。
【0009】本発明のゴム組成物のゴム成分としては、
水添ビニルSBR単独或るいは水添ビニルSBRと天然
ゴム、SBR、BR等のジエン系ゴムとをブレンドした
ものが用いられ、水添ビニルSBRのブレンド率が高い
方が水添ビニルSBRの特徴がより強く発現して好まし
いが、30重量%まで少なくしても水添ビニルSBRの
特徴が発現する。
水添ビニルSBR単独或るいは水添ビニルSBRと天然
ゴム、SBR、BR等のジエン系ゴムとをブレンドした
ものが用いられ、水添ビニルSBRのブレンド率が高い
方が水添ビニルSBRの特徴がより強く発現して好まし
いが、30重量%まで少なくしても水添ビニルSBRの
特徴が発現する。
【0010】ASTM D3765によって測定される
カーボンブラックのセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド吸着比表面積(以下、カーボンブラックのセチル
トリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積をCT
ABと言う)が50m2/g未満の場合は耐摩耗性が劣り、
70m2/gより大きい場合は転がり抵抗が大きくなり、低
温特性が劣る。ASTM D3493によって測定され
る圧縮ジブチルフタレート吸油量(以下、圧縮ジブチル
フタレート吸油量を圧縮DBPと言う)が95cm3/100g
未満の場合は補強性が小さくなって耐摩耗性が著しく低
下する。ストラクチャーが発達した状態で混合機に投入
し、混合中にストラクチャーを破壊するようにすれば分
散がより均一になって、耐摩耗性が向上し、ヒステリシ
スロスが低下するので、カーボンブラックのストラクチ
ャーが混合中に破壊される量の指標であるジブチルフタ
レート吸油量(以下、ジブチルフタレート吸油量をDB
Pと言う)と圧縮DBPの差ΔDBP(ΔDBP=DB
P−圧縮DBP)を25cm3/100g以上にして均一に分散
させ、本発明に使用するカーボンブラックのCTAB及
び圧縮DBPを特定することによって得られる特徴を強
く発現させる。尚、DBPはJIS K6221によっ
て測定された値である。カーボンブラックの配合量は、
従来のトレッド用ゴム組成物に配合される一般的な量が
適用できるが、ゴム成分100重量部に対し、50〜9
0重量部(以下、重量部を単に部と言う)が好適で、5
0部未満では耐摩耗性が不十分であり、90部より多く
なれば転がり抵抗が大きくなり、低温特性が低下する傾
向になる。
カーボンブラックのセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド吸着比表面積(以下、カーボンブラックのセチル
トリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積をCT
ABと言う)が50m2/g未満の場合は耐摩耗性が劣り、
70m2/gより大きい場合は転がり抵抗が大きくなり、低
温特性が劣る。ASTM D3493によって測定され
る圧縮ジブチルフタレート吸油量(以下、圧縮ジブチル
フタレート吸油量を圧縮DBPと言う)が95cm3/100g
未満の場合は補強性が小さくなって耐摩耗性が著しく低
下する。ストラクチャーが発達した状態で混合機に投入
し、混合中にストラクチャーを破壊するようにすれば分
散がより均一になって、耐摩耗性が向上し、ヒステリシ
スロスが低下するので、カーボンブラックのストラクチ
ャーが混合中に破壊される量の指標であるジブチルフタ
レート吸油量(以下、ジブチルフタレート吸油量をDB
Pと言う)と圧縮DBPの差ΔDBP(ΔDBP=DB
P−圧縮DBP)を25cm3/100g以上にして均一に分散
させ、本発明に使用するカーボンブラックのCTAB及
び圧縮DBPを特定することによって得られる特徴を強
く発現させる。尚、DBPはJIS K6221によっ
て測定された値である。カーボンブラックの配合量は、
従来のトレッド用ゴム組成物に配合される一般的な量が
適用できるが、ゴム成分100重量部に対し、50〜9
0重量部(以下、重量部を単に部と言う)が好適で、5
0部未満では耐摩耗性が不十分であり、90部より多く
なれば転がり抵抗が大きくなり、低温特性が低下する傾
向になる。
【0011】本発明のゴム組成物は前記したゴム成分、
カーボンブラックに加えて、タイヤ用ゴム組成物に一般
に配合される各種添加剤を任意に配合することができ、
その配合量も一般的な量とすることができる。任意に配
合する添加剤としては、例えば加硫促進剤、亜鉛華、ス
テアリン酸、老化防止剤、軟化剤などを挙げることがで
きる。
カーボンブラックに加えて、タイヤ用ゴム組成物に一般
に配合される各種添加剤を任意に配合することができ、
その配合量も一般的な量とすることができる。任意に配
合する添加剤としては、例えば加硫促進剤、亜鉛華、ス
テアリン酸、老化防止剤、軟化剤などを挙げることがで
きる。
【0012】
【実施例】表1に示すゴム成分に表2に示すコロイダル
特性を持つカーボンブラックを表3に示す比率(重量
部)で配合し、さらにアロマティックオイル40部、老
化防止剤(N(1,3−ジメチル−ブチル)−N−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン)1部、ワックス1部及
びステアリン酸2部をバンバリーミキサーを用いて混合
し、一旦冷却した後、加硫促進剤CBS1部と硫黄1.
7部を追加混合して混合ゴムを得た。混合ゴムの一部を
所定形状の試験片に加硫成形して硬度を下記に示す試験
条件で測定し、結果を表3に示した。残余の混合ゴムを
トレッドゴムとして常法に従ってサイズ185/70R
14のタイヤを試作し、転がり抵抗、耐摩耗性及び耐湿
潤スキッドを下記方法に従って評価した。得られた結果
を表3に示した。
特性を持つカーボンブラックを表3に示す比率(重量
部)で配合し、さらにアロマティックオイル40部、老
化防止剤(N(1,3−ジメチル−ブチル)−N−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン)1部、ワックス1部及
びステアリン酸2部をバンバリーミキサーを用いて混合
し、一旦冷却した後、加硫促進剤CBS1部と硫黄1.
7部を追加混合して混合ゴムを得た。混合ゴムの一部を
所定形状の試験片に加硫成形して硬度を下記に示す試験
条件で測定し、結果を表3に示した。残余の混合ゴムを
トレッドゴムとして常法に従ってサイズ185/70R
14のタイヤを試作し、転がり抵抗、耐摩耗性及び耐湿
潤スキッドを下記方法に従って評価した。得られた結果
を表3に示した。
【0013】硬度:23℃の恒温槽に3時間放置した試
験片と0℃の恒温槽に3時間放置した試験片を準備し、
JIS K6301に準拠して、常温硬度と低温硬度を
測定した。 転がり抵抗:内圧を2kgf/cm2 にしてリム組みしたタイ
ヤを1軸ドラム試験機にセットし、荷重400kgf 、速
度80km/hrでドラム走行させて回転抵抗を測定し、 [(試験タイヤの回転抵抗)/(比較例1タイヤの回転抵
抗)]×100 の式で求めた指数で示した。値が小さいほど好ましい。 耐摩耗性:予め溝深さを測定したタイヤを自動車に装着
して走行し、2000km走行毎に装着位置の交換を行い
ながら12000km走行した後溝深さを測定して、走行
前後の溝深さの差から摩耗量を求め、 [(比較例1タイヤの摩耗量)/(試験タイヤの摩耗量)]
×100 の式で求めた指数で示した。値が大きいほど好ましい。 耐湿潤スキッド:米国の「統一タイヤ等級格付け基準」
UTQGSに記載する方法に従って、湿潤アスファルト
路面でのトラクション係数を求め、 [(試験タイヤのトラクション係数)/(比較例1タイヤ
のトラクション係数)]− ×100 −−で求めた指数で示した。値が大きいほど好ましい。
験片と0℃の恒温槽に3時間放置した試験片を準備し、
JIS K6301に準拠して、常温硬度と低温硬度を
測定した。 転がり抵抗:内圧を2kgf/cm2 にしてリム組みしたタイ
ヤを1軸ドラム試験機にセットし、荷重400kgf 、速
度80km/hrでドラム走行させて回転抵抗を測定し、 [(試験タイヤの回転抵抗)/(比較例1タイヤの回転抵
抗)]×100 の式で求めた指数で示した。値が小さいほど好ましい。 耐摩耗性:予め溝深さを測定したタイヤを自動車に装着
して走行し、2000km走行毎に装着位置の交換を行い
ながら12000km走行した後溝深さを測定して、走行
前後の溝深さの差から摩耗量を求め、 [(比較例1タイヤの摩耗量)/(試験タイヤの摩耗量)]
×100 の式で求めた指数で示した。値が大きいほど好ましい。 耐湿潤スキッド:米国の「統一タイヤ等級格付け基準」
UTQGSに記載する方法に従って、湿潤アスファルト
路面でのトラクション係数を求め、 [(試験タイヤのトラクション係数)/(比較例1タイヤ
のトラクション係数)]− ×100 −−で求めた指数で示した。値が大きいほど好ましい。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】比較例1はゴム成分に乳化重合のSBR#
1502を使用した従来のゴム組成物であってコントロ
ールとする。実施例はいずれも比較例1より優れてい
る。比較例2は水添する前のビニルSBRを使用した例
であって転がり抵抗が劣る。比較例3はカップリングを
省略した水添ビニルSBRを使用した例であって転がり
抵抗と耐摩耗性が劣る。比較例4はスチレン含有量が2
2モル%より多い例であって転がり抵抗と耐摩耗性が劣
る。比較例5はビニル結合量が58モル%より多い例で
あって転がり抵抗と耐摩耗性が劣る。比較例6はカーボ
ンブラックの配合量が50部より少ない例であって耐摩
耗性と耐湿潤スキッドが劣る。比較例7はカーボンブラ
ックの配合量が90部より多い例であって転がり抵抗が
大きく、耐摩耗性も劣る。比較例8はCTABが50m2
/gより小さく、圧縮DBPが25cm3/100gより小さいカ
ーボンブラックを使用した例であって耐摩耗性が劣る。
比較例9はCTABが70m2/gより大きく、ΔDBPが
25cm3/100gより小さいカーボンブラックを使用した例
であって転がり抵抗が大きく、耐摩耗性が劣る。比較例
10はスチレン含有量が3モル%より少ない水添ビニル
SBRとブタジエンゴムをブレンドして使用した例であ
って耐湿潤スキッドが劣る。比較例11はビニル結合量
が20モル%より少なく、水添ビニル結合量が5モル%
より少ない水添ビニルSBRとブタジエンゴムをブレン
ドして使用した例であって転がり抵抗が大きくなる。
1502を使用した従来のゴム組成物であってコントロ
ールとする。実施例はいずれも比較例1より優れてい
る。比較例2は水添する前のビニルSBRを使用した例
であって転がり抵抗が劣る。比較例3はカップリングを
省略した水添ビニルSBRを使用した例であって転がり
抵抗と耐摩耗性が劣る。比較例4はスチレン含有量が2
2モル%より多い例であって転がり抵抗と耐摩耗性が劣
る。比較例5はビニル結合量が58モル%より多い例で
あって転がり抵抗と耐摩耗性が劣る。比較例6はカーボ
ンブラックの配合量が50部より少ない例であって耐摩
耗性と耐湿潤スキッドが劣る。比較例7はカーボンブラ
ックの配合量が90部より多い例であって転がり抵抗が
大きく、耐摩耗性も劣る。比較例8はCTABが50m2
/gより小さく、圧縮DBPが25cm3/100gより小さいカ
ーボンブラックを使用した例であって耐摩耗性が劣る。
比較例9はCTABが70m2/gより大きく、ΔDBPが
25cm3/100gより小さいカーボンブラックを使用した例
であって転がり抵抗が大きく、耐摩耗性が劣る。比較例
10はスチレン含有量が3モル%より少ない水添ビニル
SBRとブタジエンゴムをブレンドして使用した例であ
って耐湿潤スキッドが劣る。比較例11はビニル結合量
が20モル%より少なく、水添ビニル結合量が5モル%
より少ない水添ビニルSBRとブタジエンゴムをブレン
ドして使用した例であって転がり抵抗が大きくなる。
【0018】
【発明の効果】ゴム組成物のゴム成分をスチレン含有量
が3〜22モル%、1、2ビニル結合したブタジエン成
分の含有量が20〜58モル%、その内で水素添加され
たものの含有率が5〜30モル%にされた重合体分子鎖
がカップリングした水添ビニルSBR単独またはジエン
系ゴムとのブレンドにし、カーボンブラックをCTAB
が50〜70m2/g、圧縮DBPが95cm3/100g以上、D
BPと圧縮DBPの差が25cm3/100g以上に特定するこ
とにより、低転がり抵抗性、耐湿潤スキッド性及び耐摩
耗性を同時に向上させることができる。
が3〜22モル%、1、2ビニル結合したブタジエン成
分の含有量が20〜58モル%、その内で水素添加され
たものの含有率が5〜30モル%にされた重合体分子鎖
がカップリングした水添ビニルSBR単独またはジエン
系ゴムとのブレンドにし、カーボンブラックをCTAB
が50〜70m2/g、圧縮DBPが95cm3/100g以上、D
BPと圧縮DBPの差が25cm3/100g以上に特定するこ
とにより、低転がり抵抗性、耐湿潤スキッド性及び耐摩
耗性を同時に向上させることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 スチレン含有量が3〜22モル%、1、
2ビニル結合したブタジエン成分の含有量が20〜58
モル%であるポリマーの分子鎖がカップリングされ、
1、2ビニル結合ブタジエン成分の内で水素添加された
プタジエン成分の含有率が5〜30モル%である溶液重
合スチレンブタジエンゴム30〜100重量%と上記以
外のジエン系ゴム70〜0重量%でなるゴム成分100
重量部に対し、セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド吸着比表面積が50〜70m2/g、圧縮ジブチルフタレ
ート吸油量が95cm3/100g以上、ジブチルフタレート吸
油量と圧縮ジブチルフタレート吸油量の差が25cm3/10
0g以上であるカーボンブラックが50〜90重量部配合
されたことを特徴とする低燃費タイヤ用トレッドゴム組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6191396A JPH09227723A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6191396A JPH09227723A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227723A true JPH09227723A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13184886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6191396A Withdrawn JPH09227723A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 低燃費タイヤ用トレッドゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09227723A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020129821A1 (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 株式会社クラレ | ゴム組成物 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP6191396A patent/JPH09227723A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020129821A1 (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 株式会社クラレ | ゴム組成物 |
JPWO2020129821A1 (ja) * | 2018-12-17 | 2021-11-04 | 株式会社クラレ | ゴム組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |