JPH09227405A - 蛋白質含有組成物の製造方法 - Google Patents
蛋白質含有組成物の製造方法Info
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- JPH09227405A JPH09227405A JP9070126A JP7012697A JPH09227405A JP H09227405 A JPH09227405 A JP H09227405A JP 9070126 A JP9070126 A JP 9070126A JP 7012697 A JP7012697 A JP 7012697A JP H09227405 A JPH09227405 A JP H09227405A
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Abstract
組成物のトリアルキルホスフェート処理中の蛋白質の活
性低下を抑制すること。 【解決手段】 ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有
液状組成物をプロテアーゼ阻害剤の存在下でトリアルキ
ルホスフェートと接触させることを特徴とするウイルス
の不活化された蛋白質含有組成物の製造方法。 【効果】 プロテアーゼ阻害剤の存在下でトリアルキル
ホスフェート処理することにより蛋白質の活性低下を抑
制することができる。
Description
能性のある蛋白質含有組成物から実質的にウイルスが不
活化された蛋白質含有組成物を製造する方法に関する。
イルス、たとえば肝炎ウイルスやAIDSウイルスなど
が混入してくる可能性がある。
含有液状組成物を加熱する方法が知られている(特開昭
55−145615号公報、特開昭56−139422号公報、
特開昭56−106594号公報)。
法も知られている(特表昭58−500548号公報、
特開昭58−213721号公報)。
ホスフェートと接触せしめてウイルスを除去する方法が
知られている(特開昭60−51116号公報)。
に蛋白質の活性が低下する問題があった。
ホスフェート処理工程において蛋白質の活性を殆ど失う
ことなく効率よく夾雑ウイルスを不活化し、医薬品とし
てより安全な蛋白質含有組成物を製造する方法を提供し
ようとするものである。
決するために、ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有
液状組成物をプロテアーゼ阻害剤の存在下でトリアルキ
ルホスフェートと接触させることを特徴とするウイルス
の不活化された蛋白質含有組成物の製造方法を提供す
る。
ェート処理工程において蛋白質の活性を失うことなく効
率的にウイルスの不活化された蛋白質含有組成物が製造
される。
定されるものではなく、血漿由来蛋白質、他の組織由来
蛋白質、遺伝子組み換えや組織培養によって得られた蛋
白質などが挙げられる。蛋白質としては、たとえばプラ
スミノーゲン、血液凝固第V因子、血液凝固第VII 因
子、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子、血液凝固
第X因子、血液凝固第XIII因子、アンチトロンビンIII
、ハプトグロビン、トロンビン、プロトロンビン、免
疫グロブリン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、ア
ルブミン、ヘモグロビン、インターフェロン、プラスミ
ノーゲン活性化因子などが挙げられる。蛋白質含有液状
組成物は、上記の如き蛋白質を含有するものであれば、
特に制限されない。
組成物には特に制限はなく、たとえば血漿または組織抽
出液、血漿または組織抽出液を各種分画法により処理し
て得た画分からなる溶液、遺伝子組換え宿主または組織
の培養により得られる培養液、市販の蛋白質製剤(液状
のもの)または溶液としたものなどが挙げられる。
との接触時の蛋白質含有液状組成物の精製度は特に限定
されるものではなく、任意の精製度のものに適用可能で
あり、従ってトリアルキルホスフェートとの接触は蛋白
質の分離、精製のいずれの段階に適用してもよい。
ートは特に限定されないが、好適にはトリ−(n−ブチ
ル)ホスフェート、トリ−(tert−ブチル)ホスフェー
ト、トリ−(n−ヘキシル)ホスフェート、トリ−(2
−エチルヘキシル)ホスフェート、トリ−(n−デシ
ル)ホスフェートなどが挙げられる。特に好ましいトリ
アルキルホスフェートはトリ−(n−ブチル)ホスフェ
ート(以下TNBPと言う)である。なお、2種以上の異な
るトリアルキルホスフェートの混合物も使用することが
できる。
ートは、0.01〜10(w/v)%の範囲の量、好ま
しくは約0.1〜3(w/v)%の範囲の量において使
用される。
伴ってまたは伴わないで使用することができる。好まし
くは、トリアルキルホスフェートを界面活性剤と組み合
わせて使用する。この界面活性剤は、トリアルキルホス
フェートが蛋白質含有液状組成物と接触する前、同時、
または後の任意の段階に添加することができる。界面活
性剤の機能は、蛋白質含有組成物中のウイルスとトリア
ルキルホスフェートとの接触を強化することである。
エチレン誘導体、ソルビトール無水物の部分エステル、
たとえばポリソルベート80(商品名:トゥイーン80
など)、ポリソルベート20(商品名:トゥイーン20
など)および非イオン性油浴水洗剤、たとえばオキシエ
チル化アルキルフェノール(商品名:トリトンX100
など)が挙げられる。さらに、デオキシコール酸ナトリ
ウム、およびスルホベタインとして周知の合成ツブイッ
テルイオン洗剤であるZwittergents、たとえばN−ドデ
シル−N,N−ジメチル−2−アンモニオ−1−エタン
スルホネート、およびその同族体、または非イオン性洗
剤、たとえばオクチル−β,D−グルコピラノシドなど
が挙げられる。
的ではなく、たとえば約0.001%〜約10%、好ま
しくは約0.01%〜3%の範囲で使用することができ
る。
ロープコートウイルス、たとえばB型肝炎ウイルス、n
onAnonB型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス
(HIV)、ベシキュラーストマティティスウイルス
(Vesicular Stomatitis Virus)、シンドビスウイルス
(Sindbis Virus)等の不活化に特に有用である。また、
さらに乾燥状態で充分な時間加熱処理することにより、
熱に強いウイルスも不活化し得る。
蛋白質含有組成物の処理は、−5℃〜70℃、好ましく
は0℃〜60℃の温度で、好適には30分以上、より好
適には1〜30時間、さらに好適には3〜10時間行
う。
ロテアーゼの活性を阻害する物質であれば特に限定され
ない。たとえば、ε−アミノカプロン酸(EACA)、
リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、アプロチニ
ンなどの蛋白質などが例示される。
トリアルキルホスフェートは除去される。界面活性剤や
安定化剤を用いたときはそれらも除去される。除去はい
ずれの方法によってもよいが、たとえばアフィニティー
クロマトグラフィーで蛋白を吸着する方法、蛋白を沈澱
により回収する方法などが挙げられる。
在下でのトリアルキルホスフェート処理の前または後に
さらに公知の加熱処理を行ってもよい。加熱処理は液
状、乾燥状のいずれで行ってもよい。
の加熱処理はトリアルキルホスフェート処理の前後どち
らに行ってもよいが、好ましくはトリアルキルホスフェ
ート処理後に行う。トリアルキルホスフェート処理後に
行う場合、乾燥組成物はトリアルキルホスフェートなど
を除去した後、蛋白質を回収、公知の方法で凍結乾燥し
て得られる。
00℃、好ましくは55℃〜75℃において、通常3〜
200時間、好ましくは10〜100時間実施される。
また、蛋白質を熱から保護するため、安定化剤の存在下
で行ってもよい。安定化剤としては、たとえば、糖、糖
アルコール、アミノ酸などが挙げられる。
ものであり、通常、その水分含量が3%以下、好適には
1%以下が望ましい。
ェート処理の前後どちらに行ってもよいが、好ましくは
トリアルキルホスフェート処理後に行う。トリアルキル
ホスフェート処理後に行う場合、トリアルキルホスフェ
ートなどを除去した後に蛋白質を加熱する。
通常30℃〜100℃、好ましくは55℃〜75℃にお
いて、通常1〜100時間、好ましくは5〜30時間実施
される。また、蛋白質を熱から保護するため、安定化剤
の存在下で行ってもよい。安定化剤としては、たとえ
ば、糖、糖アルコール、アミノ酸などが挙げられる。
トリアルキルホスフェート処理工程において蛋白質の活
性を殆ど損失することなく、効率的にウイルスが不活化
された蛋白質含有組成物が製造される。
ート処理ではその温度で長く置くことにより溶液中に混
在するプロテアーゼによる蛋白質の分解が促進される可
能性があるが、プロテアーゼ阻害剤の存在下で処理する
ことより蛋白質の活性低下を抑制することができる。
ンベロープを持たないウイルスには不活化効果が弱い。
本発明のトリアルキルホスフェート処理の前または後
に、蛋白質含有組成物を加熱処理に付す工程を経ること
によってエンベロープを持たないウイルスも有意に不活
化することができる。
より安全な蛋白質含有組成物の工業的製法としてきわめ
て好ましい方法を提供するものであり、ウイルスの不活
化された蛋白質製剤を製造するのに特に有用である。
2Naおよび10単位/mlのアプロチニンを含む0.0
55Mクエン酸ナトリウム緩衝液、pH6.4で溶解し
た後、50℃で30分加熱しフィブリノゲンを変性・除
去する。この液を濃縮後、濃縮液にアプロチニンを30
単位/ml加え、TNBPを0.3%w/v、Tween 80を
1%w/v添加し、30℃、6時間以上のウイルス不活
化処理を行う。ウイルス不活化処理後フィブロネクチン
をDEAE−セファデックスに吸着させ、よく洗浄し
て、TNBP、Tween 80を除去した後、ゲルよりフィブ
ロネクチンを溶出し、濃縮する。
酸緩衝液、pH8.0で30mg/mlとなるように調製後
に、その水溶液1Lにショ糖1kgを添加してよく攪拌し
た後、60℃で10時間加熱し、ウイルスに対して安全
な製剤を製造する。
解し、水酸化アルミニウムゲルを1%w/v添加し、脱
プロトロンビン溶液を得る。この溶液にグリシンを2M
になるように添加し、フィブリノゲンを沈澱として除去
し、得られた上清に塩化ナトリウムを1.5Mになるよ
うに添加し、フィブロネクチンを上清に回収する。この
液を脱塩濃縮後、濃縮液にEACA(ε−アミノカプロ
ン酸)を4%加え、TNBPを0.3%w/v、Tween
80を1%w/v添加し、30℃、6時間以上のウイルス
不活化処理を行う。ウイルス不活化処理後、実施例1お
よび2と同様にTNBPおよびTween 80を除去し、さら
に60℃で10時間加熱処理し、ウイルスに対し安全な
製剤を製造する。
はFr.III ペーストを0.15M塩化ナトリウム溶液
で溶解した後、トロンボプラスチン(胎盤抽出液)を添
加して、プロトロンビンをトロンビンに変換する。そし
てSP−セファデックスでトロンビンを吸着し、0.15M
塩化ナトリウム溶液でよく洗浄した後、0.5M塩化ナ
トリウムを含む緩衝液でトロンビンを溶出する。SP−
セファデックス溶出液にTNBPを0.3%w/v、Tw
een 80を1%w/v添加し、30℃で加温して経時的に
サンプリングし、トロンビン活性を測定したが、30時
間後の活性ロスが大きく、30℃、6時間後でも90%
の活性維持が難しいと判断し、安定化剤のスクリーニン
グを行った。その結果、EACA(ε−アミノカプロン
酸)とアルギニンの添加により、トロンビンの活性低下
を防ぐことができ、特にEACAでは2%以上の添加で
30℃、30時間後も90%以上の活性を維持できた
(図1および図2参照)。
理食塩液に溶解した溶解液にTNBPを0.3%w/
v、Tween 80を1%w/v添加し、30℃で加温して、経
時的にサンプリングし、フィブリノゲン凝固活性を測定
した。その結果、30℃、24時間後では、全く凝固活
性を認めないことが判明し、安定化剤のスクリーニング
を行った。その結果、アプロチニンとEACAに安定化
効果のあることが判明した。EACAを0.5M以上添
加することにより30℃、24時間後も90%の凝固活
性を維持できた(図3参照)。
Pを0.3%w/v、Tween 80を1%w/v添加し、3
0℃で加温して3時間後、6時間後、30時間後にフィ
ブロネクチンのゼラチン結合活性を測定したところ、6
時間後の活性残存率は85%であり、30時間後では5
5%に低下したため、安定化剤のスクリーニングを行っ
た。その結果、EACAの場合は2%以上、アプロチニ
ンでは10単位/ml以上添加することにより、フィブロ
ネクチンの活性低下を防ぐことができた(表1および表
2参照)。
を検討した。 (実験方法)実施例3で得たフィブロネクチンの脱塩濃
縮液にアプロチニンを30単位/ml加え、TNBPを0.
3%w/v、Tween 80を1%w/vになるように添加
し、エンベロープのあるウイルスとしてVSV、シンド
ビスウイルス(sindbis virus)、エンベロープのないウ
イルスとしてエコーウィルス(Echo virus)をモニターウ
イルスとして106 〜107 個/ml添加し、30℃で加
温して経時的にサンプリングし、残存しているウイルス
を表3の方法により測定した。その結果は表4に示す通
りであり、いずれの製剤においてもVSV、シンドビス
ウイルスは30℃、30時間の処理で検出限界以下まで
不活化された。一方、膜のないウイルスであるエコーウ
イルスは30℃、6時間後もほとんど不活化されなかっ
た。
の活性残存率に及ぼすEACAの添加効果を経時的に見
たものである。
の活性残存率に及ぼすアルギニンの添加効果を経時的に
見たものである。
理時の活性残存率に及ぼすEACAの添加効果を経時的
に見たものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有
液状組成物をプロテアーゼ阻害剤の存在下でトリアルキ
ルホスフェートと接触させることを特徴とするウイルス
の不活化された蛋白質含有組成物の製造方法。 - 【請求項2】 蛋白質含有液状組成物をプロテアーゼ阻
害剤と界面活性剤の存在下でトリアルキルホスフェート
と接触させることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 蛋白質が血液凝固第VIII因子、血液凝固
第IX因子、トロンビン、フィブリノゲンおよびフィブロ
ネクチンからなる群より選ばれる少なくとも1つである
請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9070126A JP2965069B2 (ja) | 1989-01-13 | 1997-03-24 | 蛋白質含有組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP673689 | 1989-01-13 | ||
JP1-308466 | 1989-11-27 | ||
JP1-6736 | 1989-11-27 | ||
JP30846689 | 1989-11-27 | ||
JP9070126A JP2965069B2 (ja) | 1989-01-13 | 1997-03-24 | 蛋白質含有組成物の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005588A Division JP2681406B2 (ja) | 1989-01-13 | 1990-01-12 | 蛋白質含有組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227405A true JPH09227405A (ja) | 1997-09-02 |
JP2965069B2 JP2965069B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9070126A Expired - Lifetime JP2965069B2 (ja) | 1989-01-13 | 1997-03-24 | 蛋白質含有組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2965069B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001514672A (ja) * | 1997-12-24 | 2001-09-11 | アルファー セラピューティック コーポレーション | 静脈投与用ガンマグロブリンの製造方法とその生産物 |
JP2003528803A (ja) * | 1999-05-20 | 2003-09-30 | アルファ・セラピューティック・コーポレーション | 静注用免疫グロブリンの2回ウイルス不活化方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02504587A (ja) * | 1988-06-09 | 1990-12-27 | フォンダシオン・ナシオナール・ドゥ・トランスフューシオン・サンギーヌ | 7a因子に富む画分の製造方法及び医薬としてのその用途 |
-
1997
- 1997-03-24 JP JP9070126A patent/JP2965069B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02504587A (ja) * | 1988-06-09 | 1990-12-27 | フォンダシオン・ナシオナール・ドゥ・トランスフューシオン・サンギーヌ | 7a因子に富む画分の製造方法及び医薬としてのその用途 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001514672A (ja) * | 1997-12-24 | 2001-09-11 | アルファー セラピューティック コーポレーション | 静脈投与用ガンマグロブリンの製造方法とその生産物 |
JP2003528803A (ja) * | 1999-05-20 | 2003-09-30 | アルファ・セラピューティック・コーポレーション | 静注用免疫グロブリンの2回ウイルス不活化方法 |
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---|---|
JP2965069B2 (ja) | 1999-10-18 |
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