JPH09225704A - 薄肉パイプ旋削用防振具 - Google Patents
薄肉パイプ旋削用防振具Info
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- JPH09225704A JPH09225704A JP3510296A JP3510296A JPH09225704A JP H09225704 A JPH09225704 A JP H09225704A JP 3510296 A JP3510296 A JP 3510296A JP 3510296 A JP3510296 A JP 3510296A JP H09225704 A JPH09225704 A JP H09225704A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 旋削する薄肉パイプ内に挿入して表面旋削時
のびびり振動を効果的に抑制することができ、しかもそ
の着脱が容易でロボットラインによる旋削加工に適する
薄肉パイプ旋削用防振具を提供する。 【解決手段】 旋削する薄肉パイプ(P) の内径と同じ外
径をもつ円筒材を軸方向に小切削幅で切断して円周方向
で複数に分割されると共に、各切断部(2a)同志を突き合
わせて筒状に組み合わされ、かつ外周に複数の締結溝
(3) を長さ方向に等ピッチに設けてなる分割筒状の防振
本体(2) を、各締結溝(3) 内に装着した弾性締結リング
(4) で外周側から一体に締結してなる構成の防振具(1)
とする。 【効果】 旋削時の回転による遠心力で、各防振本体外
周面が薄肉パイプ内面に密着してびびり振動を抑制で
き、また停止時には防振本体の組み合わせ径を旋削対象
の薄肉パイプ内径よりも小さくして容易に着脱できる。
のびびり振動を効果的に抑制することができ、しかもそ
の着脱が容易でロボットラインによる旋削加工に適する
薄肉パイプ旋削用防振具を提供する。 【解決手段】 旋削する薄肉パイプ(P) の内径と同じ外
径をもつ円筒材を軸方向に小切削幅で切断して円周方向
で複数に分割されると共に、各切断部(2a)同志を突き合
わせて筒状に組み合わされ、かつ外周に複数の締結溝
(3) を長さ方向に等ピッチに設けてなる分割筒状の防振
本体(2) を、各締結溝(3) 内に装着した弾性締結リング
(4) で外周側から一体に締結してなる構成の防振具(1)
とする。 【効果】 旋削時の回転による遠心力で、各防振本体外
周面が薄肉パイプ内面に密着してびびり振動を抑制で
き、また停止時には防振本体の組み合わせ径を旋削対象
の薄肉パイプ内径よりも小さくして容易に着脱できる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉パイプを内側
からバックアップして表面旋削時のびびり振動を抑制す
る薄肉パイプ旋削用防振具に関する。
からバックアップして表面旋削時のびびり振動を抑制す
る薄肉パイプ旋削用防振具に関する。
【０００２】
【従来の技術】薄肉パイプを両端支持式旋盤で表面旋削
する場合、その内部が空洞なため旋盤およびバイトから
の振動の影響が大きく、高精度の表面粗度（安定した波
形の旋削状態）を保持するのは困難である。特にＡｌ薄
肉パイプ等は半径方向の外圧に対して撓みを生じ易いた
め、その傾向が顕著となる。このため、Ａｌ薄肉パイプ
等の薄肉筒状部材を表面旋削する際には、加工精度を保
証するために、その内側からバックアップして旋削時の
びびり振動を抑制することが必要となる。そして、従来
では、旋削する薄肉パイプ内に、その内径と略等しい外
径に形成された、ゴムまたはプラスチック製の弾性防振
具や、筒状に巻いたゴムシートなどを挿入してワーク内
面に密着させる方法や、外周面にゴム層を有する一対の
半円筒状防振具を挿入し、その両端の両者間の隙間に楔
を圧入して対の半円筒状防振具それぞれのゴム層をワー
ク内面に圧接させる方法などが、一般的に採用されてい
た。
する場合、その内部が空洞なため旋盤およびバイトから
の振動の影響が大きく、高精度の表面粗度（安定した波
形の旋削状態）を保持するのは困難である。特にＡｌ薄
肉パイプ等は半径方向の外圧に対して撓みを生じ易いた
め、その傾向が顕著となる。このため、Ａｌ薄肉パイプ
等の薄肉筒状部材を表面旋削する際には、加工精度を保
証するために、その内側からバックアップして旋削時の
びびり振動を抑制することが必要となる。そして、従来
では、旋削する薄肉パイプ内に、その内径と略等しい外
径に形成された、ゴムまたはプラスチック製の弾性防振
具や、筒状に巻いたゴムシートなどを挿入してワーク内
面に密着させる方法や、外周面にゴム層を有する一対の
半円筒状防振具を挿入し、その両端の両者間の隙間に楔
を圧入して対の半円筒状防振具それぞれのゴム層をワー
ク内面に圧接させる方法などが、一般的に採用されてい
た。
【０００３】しかし、上記前者の方法では、防振具や筒
状のゴムシートをワーク内に密着状態に押し込んで挿入
する必要があるため、その装脱が煩雑で時間を要し、ま
た、後者の方法では、ワーク内面に加わる力が周方向で
不均一になるという問題が有るため、これらの点を解消
するために、例えば、実開昭61−166736号公報では、
〔図３〕に示すように、筒状のコア(22)の外周面に圧縮
空気を出し入れする開口(23a) を有する空気袋(23)を装
着してなる防振止具(21)が提案されている。この防振止
具(21)は、ワークとしての薄肉円(P) 内に挿入し、その
空気袋(23)に圧縮空気を供給することで、ワーク内面を
均等に加圧して旋削時のびびり振動を効果的に抑制でき
ると共に、空気袋(23)内の空気を抜いた状態において、
その着脱が容易な構成とされている。
状のゴムシートをワーク内に密着状態に押し込んで挿入
する必要があるため、その装脱が煩雑で時間を要し、ま
た、後者の方法では、ワーク内面に加わる力が周方向で
不均一になるという問題が有るため、これらの点を解消
するために、例えば、実開昭61−166736号公報では、
〔図３〕に示すように、筒状のコア(22)の外周面に圧縮
空気を出し入れする開口(23a) を有する空気袋(23)を装
着してなる防振止具(21)が提案されている。この防振止
具(21)は、ワークとしての薄肉円(P) 内に挿入し、その
空気袋(23)に圧縮空気を供給することで、ワーク内面を
均等に加圧して旋削時のびびり振動を効果的に抑制でき
ると共に、空気袋(23)内の空気を抜いた状態において、
その着脱が容易な構成とされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の製造
工場においては、各種部材の機械加工の工程での省力化
および効率向上を目的とした自動化が急速に進展してお
り、特に、小型で比較的軽量な部材の機械加工における
ハンドリングにはロボットハンドの適用が拡大されつつ
ある。しかし、Ａｌ薄肉パイプ等の薄肉筒状部材の旋削
加工においては、その加工精度を保証するために、前述
のように旋削時のびびり振動を抑制する防振具が必要と
され、これがロボットハンドの適用を阻害する要因とな
っていた。
工場においては、各種部材の機械加工の工程での省力化
および効率向上を目的とした自動化が急速に進展してお
り、特に、小型で比較的軽量な部材の機械加工における
ハンドリングにはロボットハンドの適用が拡大されつつ
ある。しかし、Ａｌ薄肉パイプ等の薄肉筒状部材の旋削
加工においては、その加工精度を保証するために、前述
のように旋削時のびびり振動を抑制する防振具が必要と
され、これがロボットハンドの適用を阻害する要因とな
っていた。
【０００５】すなわち、前記従来の防振具は、それぞれ
に防振効果は認められるが、ワークに対する着脱は人手
によって行われており、これをロボットハンドによって
効率良く行うことが困難である。例えば、ワーク内径と
同径の弾性防振具や筒状ゴムシート等を押し込んで挿入
する方法や、対の半円筒状防振具を楔で圧着させる方法
では、それらを加工前の各ワーク内にセットしておいた
としても、これを加工後に引き出すは特別仕様のロボッ
トハンドが必要となり、また、前記後者の装置（実開昭
61−166736号）では、同様に加工前にセットしておいて
も、これを加工後に引き出すは空気袋から空気を排出さ
せる必要があり、同様に特別仕様のロボットハンドが必
要となり、いずれも汎用的なロボットラインには適用で
きない。従って、旋削時にびびり振動の発生し易いＡｌ
薄肉パイプ等の薄肉筒状部材をロボットラインで加工し
て、省力化および生産効率の向上を図るには、ワークに
対する着脱を汎用ロボットハンドによって素早くかつ容
易に行える新たな構成の防振具が必要となる。
に防振効果は認められるが、ワークに対する着脱は人手
によって行われており、これをロボットハンドによって
効率良く行うことが困難である。例えば、ワーク内径と
同径の弾性防振具や筒状ゴムシート等を押し込んで挿入
する方法や、対の半円筒状防振具を楔で圧着させる方法
では、それらを加工前の各ワーク内にセットしておいた
としても、これを加工後に引き出すは特別仕様のロボッ
トハンドが必要となり、また、前記後者の装置（実開昭
61−166736号）では、同様に加工前にセットしておいて
も、これを加工後に引き出すは空気袋から空気を排出さ
せる必要があり、同様に特別仕様のロボットハンドが必
要となり、いずれも汎用的なロボットラインには適用で
きない。従って、旋削時にびびり振動の発生し易いＡｌ
薄肉パイプ等の薄肉筒状部材をロボットラインで加工し
て、省力化および生産効率の向上を図るには、ワークに
対する着脱を汎用ロボットハンドによって素早くかつ容
易に行える新たな構成の防振具が必要となる。
【０００６】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、薄肉パイプの表面旋削時におけるびびり振
動を抑制して加工精度を保証することができ、しかもそ
の着脱が容易であって、ロボットラインでの旋削加工に
適用できる薄肉パイプ旋削用防振具を提供することを目
的とする。
れたもので、薄肉パイプの表面旋削時におけるびびり振
動を抑制して加工精度を保証することができ、しかもそ
の着脱が容易であって、ロボットラインでの旋削加工に
適用できる薄肉パイプ旋削用防振具を提供することを目
的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る薄肉パイプ旋削用防振具は、旋削する薄肉パ
イプの内部に挿入され、該薄肉パイプを内側からバック
アップして表面旋削時のびびり振動を抑制する薄肉パイ
プ旋削用防振具であって、前記薄肉パイプの内径と同径
の外径をもつ円筒材を軸方向に小切削幅で切断して円周
方向で複数に分割されると共に、その切断部を突き合わ
せて筒状に組み合わされ、かつ外周に複数の締結溝を長
さ方向に等ピッチに設けてなる分割筒状の防振本体と、
この防振本体の各締結溝内に装着され、該分割筒状の防
振本体を外周側から一体に締結する弾性材からなる弾性
締結リングとを具備してなることを特徴とする。
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る薄肉パイプ旋削用防振具は、旋削する薄肉パ
イプの内部に挿入され、該薄肉パイプを内側からバック
アップして表面旋削時のびびり振動を抑制する薄肉パイ
プ旋削用防振具であって、前記薄肉パイプの内径と同径
の外径をもつ円筒材を軸方向に小切削幅で切断して円周
方向で複数に分割されると共に、その切断部を突き合わ
せて筒状に組み合わされ、かつ外周に複数の締結溝を長
さ方向に等ピッチに設けてなる分割筒状の防振本体と、
この防振本体の各締結溝内に装着され、該分割筒状の防
振本体を外周側から一体に締結する弾性材からなる弾性
締結リングとを具備してなることを特徴とする。
【０００８】また、前記防振本体が、少なくとも外周の
表面層が弾性材で構成された円筒材からなるものとされ
て良い。
表面層が弾性材で構成された円筒材からなるものとされ
て良い。
【０００９】上記本発明の防振具は、分割円筒状の防振
本体を、その外周に設けた複数の締結溝内に装着した弾
性締結リングで一体に締結してなる構成としてるので、
旋削する薄肉パイプ内に挿入された後、該薄肉パイプが
旋削のために回転されると、その回転による遠心力で締
結リングが伸展して各防振本体の外周面が薄肉パイプ内
面に密着し、これにより切削時のびびり振動を抑制する
ことができる。また、その防振本体は、旋削する薄肉パ
イプの内径と同径の外径をもつ円筒材を小切削幅で軸方
向に切断して円周方向で複数に分割されてなるので、回
転時には、その外周面が薄肉パイプ内面に広い面積でも
って密着し、びびり振動を効果的に抑制することがで
き、一方、該薄肉パイプへの着脱時には、弾性締結リン
グの弾性によって互いの切断部で密着して一体化され、
その外径が各切断部の切削幅に対応する分だけ、挿入す
る薄肉パイプの内径よりも小さくなるので、その挿入は
容易であり、特に加工後の取り出しは該薄肉パイプを傾
斜させるだけで良く、また、このようなモーションは汎
用的なロッボットハンドで容易に行うことができる。
本体を、その外周に設けた複数の締結溝内に装着した弾
性締結リングで一体に締結してなる構成としてるので、
旋削する薄肉パイプ内に挿入された後、該薄肉パイプが
旋削のために回転されると、その回転による遠心力で締
結リングが伸展して各防振本体の外周面が薄肉パイプ内
面に密着し、これにより切削時のびびり振動を抑制する
ことができる。また、その防振本体は、旋削する薄肉パ
イプの内径と同径の外径をもつ円筒材を小切削幅で軸方
向に切断して円周方向で複数に分割されてなるので、回
転時には、その外周面が薄肉パイプ内面に広い面積でも
って密着し、びびり振動を効果的に抑制することがで
き、一方、該薄肉パイプへの着脱時には、弾性締結リン
グの弾性によって互いの切断部で密着して一体化され、
その外径が各切断部の切削幅に対応する分だけ、挿入す
る薄肉パイプの内径よりも小さくなるので、その挿入は
容易であり、特に加工後の取り出しは該薄肉パイプを傾
斜させるだけで良く、また、このようなモーションは汎
用的なロッボットハンドで容易に行うことができる。
【００１０】また、前記防振本体が、少なくとも外周の
表面層が弾性材で構成された円筒材からなるものとする
ことで、つまり各防振本体の外周の表面層または全体を
弾性材で構成することで、旋削時の遠心力による薄肉パ
イプ内面に対する密着をより確かなものとして、かつ弾
性材自体の制振効果も得られて、旋削時のびびり振動を
より効果的に抑制することができる。
表面層が弾性材で構成された円筒材からなるものとする
ことで、つまり各防振本体の外周の表面層または全体を
弾性材で構成することで、旋削時の遠心力による薄肉パ
イプ内面に対する密着をより確かなものとして、かつ弾
性材自体の制振効果も得られて、旋削時のびびり振動を
より効果的に抑制することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。〔図１〕は、本発明の１実施形態
を示す図面であって、 (a)図は旋削設備および旋削形態
の説明図、 (b)図は防振具の構成を示す斜視図、 (c)図
は (b)図のＡ−Ａ断面図、 (d)図および (e)図は防振具
の作動説明図である。
を参照して説明する。〔図１〕は、本発明の１実施形態
を示す図面であって、 (a)図は旋削設備および旋削形態
の説明図、 (b)図は防振具の構成を示す斜視図、 (c)図
は (b)図のＡ−Ａ断面図、 (d)図および (e)図は防振具
の作動説明図である。
【００１２】〔図１〕の (a)図は、本例で用いた旋盤の
概要説明図である。この旋盤(M) は、ワークとしてのＡ
ｌ薄肉パイプ(P) を両端からセンター型のチャック(C)
で支持して、バイト(B) で表面旋削する両端部支持式の
旋盤である。なお、この旋盤(M) に対するワークのハン
ドリングは、ここでは図示を省略したロボットハンドに
よって行うものとされている。
概要説明図である。この旋盤(M) は、ワークとしてのＡ
ｌ薄肉パイプ(P) を両端からセンター型のチャック(C)
で支持して、バイト(B) で表面旋削する両端部支持式の
旋盤である。なお、この旋盤(M) に対するワークのハン
ドリングは、ここでは図示を省略したロボットハンドに
よって行うものとされている。
【００１３】本例では、上記旋盤(M) により、外径が30
mm、内径が28mm、長さ250mm のＡｌ薄肉パイプ(P) の表
面旋削加工を行った。また、その旋削加工に際して、次
に述べる構成の防振具(1) を同Ａｌ薄肉パイプ(P) 内に
挿入して旋削した。
mm、内径が28mm、長さ250mm のＡｌ薄肉パイプ(P) の表
面旋削加工を行った。また、その旋削加工に際して、次
に述べる構成の防振具(1) を同Ａｌ薄肉パイプ(P) 内に
挿入して旋削した。
【００１４】〔図１〕の (b)図および (c)図は、本例の
防振具(1) の構成を示す図面で、同(b)図において、(2)
は防振本体であって、この防振本体(2) は、外径が旋
削するＡｌ薄肉パイプ(P) の内径と同径であって、その
長さが同Ａｌ薄肉パイプ(P)の長さよりも僅かに短く形
成されたウレタン材からなる円筒を、軸方向に小切削量
で切断して円周方向で４等分に分割することで、それぞ
れが同形の扇状断面を有する分割円筒状とされると共
に、 (c)図に示すように、各切断部(2a)同志を突き合わ
せて筒状に組み合わされ、かつ、外周上に複数の締結溝
(3) を長さ方向に等ピッチに設けてなる。また、この防
振本体(2) は、各締結溝(3) 内に装着されたゴム製の弾
性締結リング(4) によって締結され、一体の防振具(1)
とされている。
防振具(1) の構成を示す図面で、同(b)図において、(2)
は防振本体であって、この防振本体(2) は、外径が旋
削するＡｌ薄肉パイプ(P) の内径と同径であって、その
長さが同Ａｌ薄肉パイプ(P)の長さよりも僅かに短く形
成されたウレタン材からなる円筒を、軸方向に小切削量
で切断して円周方向で４等分に分割することで、それぞ
れが同形の扇状断面を有する分割円筒状とされると共
に、 (c)図に示すように、各切断部(2a)同志を突き合わ
せて筒状に組み合わされ、かつ、外周上に複数の締結溝
(3) を長さ方向に等ピッチに設けてなる。また、この防
振本体(2) は、各締結溝(3) 内に装着されたゴム製の弾
性締結リング(4) によって締結され、一体の防振具(1)
とされている。
【００１５】上記構成の本例の防振具(1) は、旋削する
Ａｌ薄肉パイプ(P) 内に挿入され、該Ａｌ薄肉パイプ
(P) が旋削のために回転させられると、その回転による
遠心力よって、内部に挿入されている防振具(1) の弾性
締結リング(4) が伸展し、その作動説明図である (d)図
に示すように、該防振具(1) の各防振本体(2) の外周面
がＡｌ薄肉パイプ(P) の内面に密着し、これにより切削
時のびびり振動を抑制することができる。更に、その防
振本体(2) は、弾性を有するウレタン材からなるので、
旋削時の遠心力によるＡｌ薄肉パイプ(P) 内面に対する
密着をより確かなものとし、かつそれ自体の弾性による
制振効果も得られて、旋削時のびびり振動をより効果的
に抑制することができる。また、この防振具(1) の防振
本体(2) は、旋削する薄肉パイプ(P) の内径と同径の外
径をもつ円筒材を小切削幅で軸方向に切断して円周方向
で複数に分割されてなるので、回転時においては、各防
振本体(2) の外周面が薄肉パイプ内面に広い面積でもっ
て均等に密着して、びびり振動を効果的に抑制すること
ができる。一方、Ａｌ薄肉パイプ(P) への着脱時には、
弾性締結リング(4) の弾性により各防振本体(2) が互い
の切断部(2a)で密着して一体化され、 (e)図に示すよう
に、その外径が各切断部(2a)の切削幅（本例では各 1m
m) に対応する分だけ、挿入するＡｌ薄肉パイプ(P) の
内径よりも小さくなって、その着脱が容易に行うことが
でき、特に加工後には、同Ａｌ薄肉パイプ(P) を傾斜さ
せるだけで、その内部から容易に落下させて取り出すこ
とのできる。また、その防振本体(2) は弾性を有するウ
レタン材からなるので、着脱に際してＡｌ薄肉パイプ
(P) 内面を傷つけることを防止できる。
Ａｌ薄肉パイプ(P) 内に挿入され、該Ａｌ薄肉パイプ
(P) が旋削のために回転させられると、その回転による
遠心力よって、内部に挿入されている防振具(1) の弾性
締結リング(4) が伸展し、その作動説明図である (d)図
に示すように、該防振具(1) の各防振本体(2) の外周面
がＡｌ薄肉パイプ(P) の内面に密着し、これにより切削
時のびびり振動を抑制することができる。更に、その防
振本体(2) は、弾性を有するウレタン材からなるので、
旋削時の遠心力によるＡｌ薄肉パイプ(P) 内面に対する
密着をより確かなものとし、かつそれ自体の弾性による
制振効果も得られて、旋削時のびびり振動をより効果的
に抑制することができる。また、この防振具(1) の防振
本体(2) は、旋削する薄肉パイプ(P) の内径と同径の外
径をもつ円筒材を小切削幅で軸方向に切断して円周方向
で複数に分割されてなるので、回転時においては、各防
振本体(2) の外周面が薄肉パイプ内面に広い面積でもっ
て均等に密着して、びびり振動を効果的に抑制すること
ができる。一方、Ａｌ薄肉パイプ(P) への着脱時には、
弾性締結リング(4) の弾性により各防振本体(2) が互い
の切断部(2a)で密着して一体化され、 (e)図に示すよう
に、その外径が各切断部(2a)の切削幅（本例では各 1m
m) に対応する分だけ、挿入するＡｌ薄肉パイプ(P) の
内径よりも小さくなって、その着脱が容易に行うことが
でき、特に加工後には、同Ａｌ薄肉パイプ(P) を傾斜さ
せるだけで、その内部から容易に落下させて取り出すこ
とのできる。また、その防振本体(2) は弾性を有するウ
レタン材からなるので、着脱に際してＡｌ薄肉パイプ
(P) 内面を傷つけることを防止できる。
【００１６】ここで、本例においては、この防振具(1)
は、上記構成のもとで、筒状に組み合わされた防振本体
(2) の外径が、回転時に28mmの真円となり、かつ回転停
止時に27mmとなるようにし、また全長はチャック(C) に
接触しないように 200mmの長さにすると共に、その外周
の弾性締結リング(4) 間のピッチを25mmとして８カ所か
ら締結されてなるものとした。
は、上記構成のもとで、筒状に組み合わされた防振本体
(2) の外径が、回転時に28mmの真円となり、かつ回転停
止時に27mmとなるようにし、また全長はチャック(C) に
接触しないように 200mmの長さにすると共に、その外周
の弾性締結リング(4) 間のピッチを25mmとして８カ所か
ら締結されてなるものとした。
【００１７】また、この防振具(1) は、旋削対象のＡｌ
薄肉パイプ(P) のラインストック数に対応する個数で準
備すると共に、ラインストックされている加工前のＡｌ
薄肉パイプ(P) それぞれに挿入しておき、これらを、そ
の概要説明図である〔図２〕に示すように、前記旋盤
(M) に附帯配置されているロボットハンド(H) によっ
て、該旋盤(M) にセットして旋削加工し、また加工後に
は、同ロボットハンド(H)によって、加工済のＡｌ薄肉
パイプ(P) を、該旋盤(M) から取り外すと共に加工品ス
トック部への搬送の中途で、垂直方向に回動させて内部
の防振具(1) を回収ケース(R) 内に落下させて回収し
た。
薄肉パイプ(P) のラインストック数に対応する個数で準
備すると共に、ラインストックされている加工前のＡｌ
薄肉パイプ(P) それぞれに挿入しておき、これらを、そ
の概要説明図である〔図２〕に示すように、前記旋盤
(M) に附帯配置されているロボットハンド(H) によっ
て、該旋盤(M) にセットして旋削加工し、また加工後に
は、同ロボットハンド(H)によって、加工済のＡｌ薄肉
パイプ(P) を、該旋盤(M) から取り外すと共に加工品ス
トック部への搬送の中途で、垂直方向に回動させて内部
の防振具(1) を回収ケース(R) 内に落下させて回収し
た。
【００１８】このようにして旋削加工する本例では、Ａ
ｌ薄肉パイプの旋削時におけるびびり振動を効果的に抑
制して加工精度を保証できると共に、その加工に際する
ハンドリングにロボットハンドを適用して、生産効率を
向上させることができた。
ｌ薄肉パイプの旋削時におけるびびり振動を効果的に抑
制して加工精度を保証できると共に、その加工に際する
ハンドリングにロボットハンドを適用して、生産効率を
向上させることができた。
【００１９】なお、上記例ではＡｌ薄肉パイプの旋削加
工について述べたが、本発明はこれに限定されるもので
なく、本発明係る防振具は、旋削時にびびり振動の発生
し易い薄肉筒状部材であれば、Ａｌ材以外の材料からな
る薄肉なパイプおよび筒状部材の表面旋削加工に用いて
同様の効果が得られることは言うまでもない。また、上
記例では、防振具の防振本体は、ウレタン円筒を４分割
してなるものとしたが、これは１例であって、その円周
方向の分割数は、回転時と停止時との組み合わせ径の差
とワーク内面に対する回転時の密着面積とを考慮されて
いる限り、４分割以外の分割数とされて良いことは言う
までもない。また、防振本体の材料としては、挿入する
ワーク内面を傷つけないような弾性や表面特性を有し、
かつハンドリング時の作業性を考慮して、軽量でかつ一
定の剛性をもつ構成にできるものであれば、ウレタン材
を始めとして、ゴム材、合成樹脂およびそれらの発泡材
を用いることができ、更にまた、それら弾性材単独のみ
でなく、例えば、Ａｌ等の軽合金パイプの外周面に、そ
れら弾性材からなる表層を形成した円筒材を分割してな
る複合型の防振本体とされても良い。
工について述べたが、本発明はこれに限定されるもので
なく、本発明係る防振具は、旋削時にびびり振動の発生
し易い薄肉筒状部材であれば、Ａｌ材以外の材料からな
る薄肉なパイプおよび筒状部材の表面旋削加工に用いて
同様の効果が得られることは言うまでもない。また、上
記例では、防振具の防振本体は、ウレタン円筒を４分割
してなるものとしたが、これは１例であって、その円周
方向の分割数は、回転時と停止時との組み合わせ径の差
とワーク内面に対する回転時の密着面積とを考慮されて
いる限り、４分割以外の分割数とされて良いことは言う
までもない。また、防振本体の材料としては、挿入する
ワーク内面を傷つけないような弾性や表面特性を有し、
かつハンドリング時の作業性を考慮して、軽量でかつ一
定の剛性をもつ構成にできるものであれば、ウレタン材
を始めとして、ゴム材、合成樹脂およびそれらの発泡材
を用いることができ、更にまた、それら弾性材単独のみ
でなく、例えば、Ａｌ等の軽合金パイプの外周面に、そ
れら弾性材からなる表層を形成した円筒材を分割してな
る複合型の防振本体とされても良い。
【００２０】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る薄肉
パイプ旋削用防振具は、薄肉パイプの旋削時におけるび
びり振動を効果的に抑制して加工精度を確保することが
でき、しかも着脱が容易であって、加工に際するハンド
リングにロボットハンドを適用でき、よって省力化およ
び生産効率の向上を達成するができる。
パイプ旋削用防振具は、薄肉パイプの旋削時におけるび
びり振動を効果的に抑制して加工精度を確保することが
でき、しかも着脱が容易であって、加工に際するハンド
リングにロボットハンドを適用でき、よって省力化およ
び生産効率の向上を達成するができる。
【図１】本発明の１実施形態を示す図面であって、 (a)
図は旋削設備および旋削形態の説明図、 (b)図は防振具
の構成を示す斜視図、 (c)図は (b)図のＡ−Ａ断面図、
(d)図および (e)図は防振具の作動説明図である。
図は旋削設備および旋削形態の説明図、 (b)図は防振具
の構成を示す斜視図、 (c)図は (b)図のＡ−Ａ断面図、
(d)図および (e)図は防振具の作動説明図である。
【図２】本発明の１実施形態におけるハンドリングの概
要説明図である。
要説明図である。
【図３】従来の防振具の構成を示す断面図である。
(1) --防振具 (2) --防振本体 (2a)--切断部 (3) --締結溝 (4) --弾性締結リング (B) --バイト (C) --チャック (H) --ロボットハンド (M) --旋盤 (P) --Ａｌ薄肉パイプ (R) --回収ケース
Claims (2)
- 【請求項１】 旋削する薄肉パイプの内部に挿入され、
該薄肉パイプを内側からバックアップして表面旋削時の
びびり振動を抑制する薄肉パイプ旋削用防振具であっ
て、前記薄肉パイプの内径と同径の外径をもつ円筒材を
軸方向に小切削幅で切断して円周方向で複数に分割され
ると共に、その切断部を突き合わせて筒状に組み合わさ
れ、かつ外周に複数の締結溝を長さ方向に等ピッチに設
けてなる分割筒状の防振本体と、この防振本体の各締結
溝内に装着され、該分割筒状の防振本体を外周側から一
体に締結する弾性材からなる弾性締結リングとを具備し
てなることを特徴とする薄肉パイプ旋削用防振具。 - 【請求項２】 前記防振本体が、少なくとも外周の表面
層が弾性材で構成された円筒材からなる請求項１記載の
薄肉パイプ旋削用防振具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3510296A JPH09225704A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 薄肉パイプ旋削用防振具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3510296A JPH09225704A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 薄肉パイプ旋削用防振具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09225704A true JPH09225704A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12432580
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3510296A Withdrawn JPH09225704A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 薄肉パイプ旋削用防振具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09225704A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100691762B1 (ko) * | 2005-03-03 | 2007-03-12 | 김종서 | 파이프 자동 척킹장치 |
| JP2019171554A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 株式会社リコー | 中空円筒状被加工物及びその旋削加工方法、中空円筒状被加工物の旋削加工装置、並びに電子写真感光体用円筒状基体、電子写真感光体、画像形成装置、及び中子 |
| CN113997632A (zh) * | 2020-09-28 | 2022-02-01 | 深圳市望盛科技有限公司 | 一种特种包装盒的设备模具及特种包装盒的加工方法 |
| CN114310367A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-04-12 | 上海新力动力设备研究所 | 一种大长径比薄壁壳体减振工装 |
-
1996
- 1996-02-22 JP JP3510296A patent/JPH09225704A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100691762B1 (ko) * | 2005-03-03 | 2007-03-12 | 김종서 | 파이프 자동 척킹장치 |
| JP2019171554A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 株式会社リコー | 中空円筒状被加工物及びその旋削加工方法、中空円筒状被加工物の旋削加工装置、並びに電子写真感光体用円筒状基体、電子写真感光体、画像形成装置、及び中子 |
| CN113997632A (zh) * | 2020-09-28 | 2022-02-01 | 深圳市望盛科技有限公司 | 一种特种包装盒的设备模具及特种包装盒的加工方法 |
| CN113997632B (zh) * | 2020-09-28 | 2024-04-02 | 深圳市望盛科技有限公司 | 一种特种包装盒的加工设备及特种包装盒的加工方法 |
| CN114310367A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-04-12 | 上海新力动力设备研究所 | 一种大长径比薄壁壳体减振工装 |
| CN114310367B (zh) * | 2021-12-23 | 2023-08-01 | 上海新力动力设备研究所 | 一种大长径比薄壁壳体减振工装 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |