JPH09225604A - 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた鋼の連続鋳造方法Info
- Publication number
- JPH09225604A JPH09225604A JP3700196A JP3700196A JPH09225604A JP H09225604 A JPH09225604 A JP H09225604A JP 3700196 A JP3700196 A JP 3700196A JP 3700196 A JP3700196 A JP 3700196A JP H09225604 A JPH09225604 A JP H09225604A
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- inert gas
- continuous casting
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は鋳片の内部品質および表面品質に悪影
響を及ぼす鋳型内偏流を、簡便に、経済的に、かつ効果
的に抑制することのできる鋼の連続鋳造用ノズルおよび
該ノズルを用いた鋼の連続鋳造方法を提供することであ
る。 【解決手段】浸漬ノズル内に不活性ガスを導入し、内部
の圧力を制御することによって鋳型内溶鋼レベルよりも
高い位置に安定的に二次メニスカスを形成せしめ、該二
次メニスカスにおいて溶鋼の位置エネルギーを吸収する
することによりノズル吐出孔からの溶鋼流動に偏流が生
じることを防止する。
響を及ぼす鋳型内偏流を、簡便に、経済的に、かつ効果
的に抑制することのできる鋼の連続鋳造用ノズルおよび
該ノズルを用いた鋼の連続鋳造方法を提供することであ
る。 【解決手段】浸漬ノズル内に不活性ガスを導入し、内部
の圧力を制御することによって鋳型内溶鋼レベルよりも
高い位置に安定的に二次メニスカスを形成せしめ、該二
次メニスカスにおいて溶鋼の位置エネルギーを吸収する
することによりノズル吐出孔からの溶鋼流動に偏流が生
じることを防止する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造用浸
漬ノズルとその連続鋳造用浸漬ノズルを用いた鋼の連続
鋳造方法に関する。
漬ノズルとその連続鋳造用浸漬ノズルを用いた鋼の連続
鋳造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】鋼の連続鋳造ではタンディッシュと呼ば
れる中間容器から、水冷された鋳型の中に溶鋼が注入さ
れる。溶鋼の再酸化防止の観点から、タンディッシュか
ら鋳型への溶鋼移送には通常浸漬ノズルが用いられる。
浸漬ノズルにはいくつかの溶鋼吐出孔があけられてお
り、鋳型内での溶鋼流動を均一化するなどの目的のた
め、溶鋼吐出孔のあけ方等に種々の工夫がなされてい
る。
れる中間容器から、水冷された鋳型の中に溶鋼が注入さ
れる。溶鋼の再酸化防止の観点から、タンディッシュか
ら鋳型への溶鋼移送には通常浸漬ノズルが用いられる。
浸漬ノズルにはいくつかの溶鋼吐出孔があけられてお
り、鋳型内での溶鋼流動を均一化するなどの目的のた
め、溶鋼吐出孔のあけ方等に種々の工夫がなされてい
る。
【０００３】また、鋳型内の流動に偏流が生じると得ら
れた製品に大きな欠陥が生じるため、例えば特開昭６３
−８０９４８号公報に開示されている様に、ノズル外部
から電磁力を印加して流動を制御することにより偏流を
防止する方法が提案されている。しかし、これはタンデ
ィッシュと鋳型の狭い空間の中に設備を入れなければな
らず、実用的ではない。
れた製品に大きな欠陥が生じるため、例えば特開昭６３
−８０９４８号公報に開示されている様に、ノズル外部
から電磁力を印加して流動を制御することにより偏流を
防止する方法が提案されている。しかし、これはタンデ
ィッシュと鋳型の狭い空間の中に設備を入れなければな
らず、実用的ではない。
【０００４】また特開昭５７−１３０７４５号公報に開
示されている様に、ノズル内にらせん状の溝を切り回転
流を与えることにより偏流を防止する方法、実公平(実
用新案公告)７−２３０９１号公報に開示されている様
にノズル内部に段差をつけることによる偏流防止方法等
がある。これらはノズル内の流動を制御することによ
り、鋳型内流動を均一化するためのものであるが、ノズ
ル内に段差をつけることから、ノズル閉塞の問題があ
り、ノズル寿命の点では必ずしも良好な手段とはいい難
い。
示されている様に、ノズル内にらせん状の溝を切り回転
流を与えることにより偏流を防止する方法、実公平(実
用新案公告)７−２３０９１号公報に開示されている様
にノズル内部に段差をつけることによる偏流防止方法等
がある。これらはノズル内の流動を制御することによ
り、鋳型内流動を均一化するためのものであるが、ノズ
ル内に段差をつけることから、ノズル閉塞の問題があ
り、ノズル寿命の点では必ずしも良好な手段とはいい難
い。
【０００５】ノズルが、溶鋼中の介在物等が付着するこ
とによって閉塞することを防止する目的で、特公昭５９
−２４９０２号公報に開示されているように、アルゴン
ガス等の不活性ガスが導入されることがある。不活性ガ
スの導入は介在物の付着防止には多大な効果をもたらす
が、鋳型内での偏流を防止できるものではない。また、
ガス流量が過大であれば鋳型内に大量に入ることによ
り、ノズル近傍で突沸現象が生じ、上に浮かべられてい
る連続鋳造用パウダーを巻き込んだり、気泡が鋳片内に
取り込まれ、製品の気泡性欠陥につながる等の問題点を
有している。
とによって閉塞することを防止する目的で、特公昭５９
−２４９０２号公報に開示されているように、アルゴン
ガス等の不活性ガスが導入されることがある。不活性ガ
スの導入は介在物の付着防止には多大な効果をもたらす
が、鋳型内での偏流を防止できるものではない。また、
ガス流量が過大であれば鋳型内に大量に入ることによ
り、ノズル近傍で突沸現象が生じ、上に浮かべられてい
る連続鋳造用パウダーを巻き込んだり、気泡が鋳片内に
取り込まれ、製品の気泡性欠陥につながる等の問題点を
有している。
【０００６】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は以上述べ
た問題点を鑑みなされたものであり、その目的とすると
ころは、鋳片の内部品質および表面品質に悪影響を及ぼ
す鋳型内偏流を、簡便に、経済的にかつ効果的に抑制す
ることのできる鋼の連続鋳造用ノズルおよび該ノズルを
用いた鋼の連続鋳造方法を提供することである。
た問題点を鑑みなされたものであり、その目的とすると
ころは、鋳片の内部品質および表面品質に悪影響を及ぼ
す鋳型内偏流を、簡便に、経済的にかつ効果的に抑制す
ることのできる鋼の連続鋳造用ノズルおよび該ノズルを
用いた鋼の連続鋳造方法を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の手段は以下の通りである。 (1)鋼の連続鋳造に用いる浸漬ノズルであって、当該ノ
ズルは不活性ガス導入孔および排気用孔を有し、二次メ
ニスカスをノズル内に安定して形成することを特徴とす
る、鋼の連続鋳造用浸漬ノズルである。
の、本発明の手段は以下の通りである。 (1)鋼の連続鋳造に用いる浸漬ノズルであって、当該ノ
ズルは不活性ガス導入孔および排気用孔を有し、二次メ
ニスカスをノズル内に安定して形成することを特徴とす
る、鋼の連続鋳造用浸漬ノズルである。
【０００８】(2)鋼の連続鋳造を行なうにあたり、前記
(１)記載の連続鋳造用浸漬ノズルを用いて鋳造を行なう
ことを特徴とする、鋼の連続鋳造方法である。
(１)記載の連続鋳造用浸漬ノズルを用いて鋳造を行なう
ことを特徴とする、鋼の連続鋳造方法である。
【０００９】本発明においては、浸漬ノズル内に不活性
ガスを導入し、内部の圧力を制御することによって鋳型
内溶鋼レベルよりも高い位置に安定的に二次メニスカス
を形成せしめ、該二次メニスカスにおいて溶鋼の位置の
エネルギーを吸収することにより、ノズルの溶鋼吐出孔
からの溶鋼流動に偏流が生じることを防止する。
ガスを導入し、内部の圧力を制御することによって鋳型
内溶鋼レベルよりも高い位置に安定的に二次メニスカス
を形成せしめ、該二次メニスカスにおいて溶鋼の位置の
エネルギーを吸収することにより、ノズルの溶鋼吐出孔
からの溶鋼流動に偏流が生じることを防止する。
【００１０】
【発明の実施の形態】ＣＡＭＰ−ＩＳＩＪ（１９８８）
−１２５８に開示されているように、浸漬ノズル内は充
満流になることもあり、非充満になることもある。非充
満の場合は溶鋼の注入量にも依存するが、流動による負
圧が発生し、ノズルの接続が不完全な場合には外気を吸
い込むと考えられている。この非充満の場合のノズル内
の溶鋼レベルが二次メニスカスに相当する。
−１２５８に開示されているように、浸漬ノズル内は充
満流になることもあり、非充満になることもある。非充
満の場合は溶鋼の注入量にも依存するが、流動による負
圧が発生し、ノズルの接続が不完全な場合には外気を吸
い込むと考えられている。この非充満の場合のノズル内
の溶鋼レベルが二次メニスカスに相当する。
【００１１】本発明の鋼の連続鋳造用浸漬ノズルについ
て図１に基づいて詳述すると以下のようになる。すなわ
ち、連続鋳造用浸漬ノズル１の中間部に不活性ガスの導
入孔２と排気孔３を設ける。これらは圧力調整装置７を
介して排気ポンプ１０、不活性ガス供給装置１１と配管
されている。
て図１に基づいて詳述すると以下のようになる。すなわ
ち、連続鋳造用浸漬ノズル１の中間部に不活性ガスの導
入孔２と排気孔３を設ける。これらは圧力調整装置７を
介して排気ポンプ１０、不活性ガス供給装置１１と配管
されている。
【００１２】圧力調整装置７により不活性ガスの導入圧
力、流入量を調節し、ノズル内に形成される二次メニス
カス４の位置を連続鋳造用鋳型５内のメニスカス６より
も高い位置に保持する。ここで、ノズル内の圧力はノズ
ル材質およびノズルの気孔率に依存するが、減圧状態で
もよいし、加圧状態でも良い。その設定圧力の値により
二次メニスカスの位置を変えることが可能である。
力、流入量を調節し、ノズル内に形成される二次メニス
カス４の位置を連続鋳造用鋳型５内のメニスカス６より
も高い位置に保持する。ここで、ノズル内の圧力はノズ
ル材質およびノズルの気孔率に依存するが、減圧状態で
もよいし、加圧状態でも良い。その設定圧力の値により
二次メニスカスの位置を変えることが可能である。
【００１３】
【表１】
【００１４】このような配置にすることにより鋳型内の
偏流が防止できる理由は以下の通りである。すなわち、
タンディッシュに接続された連続鋳造用浸漬ノズル内に
おいて、タンディッシュからの溶鋼流を、ノズル内に形
成された二次メニスカスにおいて一旦受け止めることに
より、タンディッシュから落下してきた運動エネルギー
が表面波となって吸収されることから、減衰し、二次メ
ニスカス以降は緩やかな流れとなって鋳型内に流入し、
偏流の生成が抑制されるのである。
偏流が防止できる理由は以下の通りである。すなわち、
タンディッシュに接続された連続鋳造用浸漬ノズル内に
おいて、タンディッシュからの溶鋼流を、ノズル内に形
成された二次メニスカスにおいて一旦受け止めることに
より、タンディッシュから落下してきた運動エネルギー
が表面波となって吸収されることから、減衰し、二次メ
ニスカス以降は緩やかな流れとなって鋳型内に流入し、
偏流の生成が抑制されるのである。
【００１５】
【実施例】本発明による連続鋳造用浸漬ノズルを用いて
極低炭素鋼、低炭素鋼、中炭素鋼の鋳造実験を行なっ
た。その結果を表１にまとめる。不活性ガスを導入し、
かつ排気機能を持たせた本発明例ではモールド内の偏流
の発生が比較例の１／１０以下となり、製品の欠陥の発
生率も激減している。
極低炭素鋼、低炭素鋼、中炭素鋼の鋳造実験を行なっ
た。その結果を表１にまとめる。不活性ガスを導入し、
かつ排気機能を持たせた本発明例ではモールド内の偏流
の発生が比較例の１／１０以下となり、製品の欠陥の発
生率も激減している。
【００１６】
【発明の効果】タンディッシュから鋳型内への鋼の浸漬
ノズルにおいて、不活性ガスの導入孔と排気孔を設け、
ノズル内に形成させる二次メニスカスの高さを鋳型内の
メニスカス部よりも高い位置に保持することにより、タ
ンディッシュからの溶鋼のエネルギーを吸収することが
でき、鋳型内の偏流発生を抑制できる。その結果、非金
属介在物や、連続鋳造用パウダー等の鋳片内部への巻き
込みが抑制されるので、内部欠陥並びに表面欠陥が大幅
に改善される。
ノズルにおいて、不活性ガスの導入孔と排気孔を設け、
ノズル内に形成させる二次メニスカスの高さを鋳型内の
メニスカス部よりも高い位置に保持することにより、タ
ンディッシュからの溶鋼のエネルギーを吸収することが
でき、鋳型内の偏流発生を抑制できる。その結果、非金
属介在物や、連続鋳造用パウダー等の鋳片内部への巻き
込みが抑制されるので、内部欠陥並びに表面欠陥が大幅
に改善される。
【図１】本発明の鋼の連続鋳造用ノズル
１：連続鋳造用浸漬ノズル、２：不活性ガス導入孔、
３：不活性ガス排気孔、４：二次メニスカス、５：連続
鋳造用鋳型、６：鋳型内メニスカス、７：圧力調整装
置、８：溶鋼吐出孔、９：タンディッシュ、１０：排気
ポンプ、１１：不活性ガス供給装置。
３：不活性ガス排気孔、４：二次メニスカス、５：連続
鋳造用鋳型、６：鋳型内メニスカス、７：圧力調整装
置、８：溶鋼吐出孔、９：タンディッシュ、１０：排気
ポンプ、１１：不活性ガス供給装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶谷 敏之 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項１】鋼の連続鋳造に用いる浸漬ノズルであっ
て、当該ノズルは不活性ガス導入孔および排気用孔を有
し、二次メニスカスをノズル内に安定して形成すること
を特徴とする、鋼の連続鋳造用浸漬ノズル。 - 【請求項２】鋼の連続鋳造を行なうにあたり、請求項１
記載の連続鋳造用浸漬ノズルを用いて鋳造を行なうこと
を特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3700196A JPH09225604A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3700196A JPH09225604A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた鋼の連続鋳造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09225604A true JPH09225604A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12485486
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3700196A Withdrawn JPH09225604A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた鋼の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09225604A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007049824A1 (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-03 | Nippon Steel Corporation | 極低炭素鋳片の製造方法 |
| US7784527B2 (en) | 2005-09-05 | 2010-08-31 | Nippon Steel Corporation | Continuous casting method of steel |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP3700196A patent/JPH09225604A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7784527B2 (en) | 2005-09-05 | 2010-08-31 | Nippon Steel Corporation | Continuous casting method of steel |
| WO2007049824A1 (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-03 | Nippon Steel Corporation | 極低炭素鋳片の製造方法 |
| JPWO2007049824A1 (ja) * | 2005-10-27 | 2009-04-30 | 新日本製鐵株式会社 | 極低炭素鋳片の製造方法 |
| JP4772798B2 (ja) * | 2005-10-27 | 2011-09-14 | 新日本製鐵株式会社 | 極低炭素鋳片の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |