JP2003266155A - 溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズル - Google Patents
溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズルInfo
- Publication number
- JP2003266155A JP2003266155A JP2002067347A JP2002067347A JP2003266155A JP 2003266155 A JP2003266155 A JP 2003266155A JP 2002067347 A JP2002067347 A JP 2002067347A JP 2002067347 A JP2002067347 A JP 2002067347A JP 2003266155 A JP2003266155 A JP 2003266155A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molten steel
- immersion nozzle
- box
- continuous casting
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼スラブの連続鋳造において、アルゴン気泡
やアルミナなどの非金属系介在物の浮上分離を促進し、
鋼スラブ等の鋳片の製品欠陥を低減し得る連続鋳造方法
を提供する。 【解決手段】 鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を
上向きにし、該吐出口を囲む下方を開放した箱を設け、
該吐出口から流出する溶鋼流を前記箱内を上昇させてか
ら下降する流れにしてから鋳造することを特徴とする溶
鋼の連続鋳造方法。また、鋳型内に挿入した浸漬ノズル
の吐出口を上向きにし、該吐出口を囲み流出する溶鋼流
を前記箱内を上昇させてから下降する流れにする下方を
開放した箱を設け、該箱の上方に排気管を取り付けたこ
とを特徴とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。
やアルミナなどの非金属系介在物の浮上分離を促進し、
鋼スラブ等の鋳片の製品欠陥を低減し得る連続鋳造方法
を提供する。 【解決手段】 鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を
上向きにし、該吐出口を囲む下方を開放した箱を設け、
該吐出口から流出する溶鋼流を前記箱内を上昇させてか
ら下降する流れにしてから鋳造することを特徴とする溶
鋼の連続鋳造方法。また、鋳型内に挿入した浸漬ノズル
の吐出口を上向きにし、該吐出口を囲み流出する溶鋼流
を前記箱内を上昇させてから下降する流れにする下方を
開放した箱を設け、該箱の上方に排気管を取り付けたこ
とを特徴とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型を用いて溶鋼
を注湯し、この溶鋼を冷却して鋼片を製造する溶鋼の連
続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズルに関
するものである。
を注湯し、この溶鋼を冷却して鋼片を製造する溶鋼の連
続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造中にスラブの表皮下に捕
捉される気泡は、浸漬ノズルの詰まり防止のために、浸
漬ノズル内に吹き込んでいる不活性ガス(アルゴンガ
ス)が主原因である。介在物は溶鋼の酸化や脱酸などに
よって生成し、鋼中に残留したアルミ化合物(アルミナ
など)やモールド内湯面の連続パウダーである。他に、
浸漬ノズル内で生じた酸化物や溶鋼鍋やタンディッシュ
のスラグの混入物が主原因である。このような気泡や介
在物を含んだスラブを後工程でコイルに圧延するとヘゲ
やスリバーといった表面疵、またや膨れ状欠陥のような
重大な製品欠陥となる。
捉される気泡は、浸漬ノズルの詰まり防止のために、浸
漬ノズル内に吹き込んでいる不活性ガス(アルゴンガ
ス)が主原因である。介在物は溶鋼の酸化や脱酸などに
よって生成し、鋼中に残留したアルミ化合物(アルミナ
など)やモールド内湯面の連続パウダーである。他に、
浸漬ノズル内で生じた酸化物や溶鋼鍋やタンディッシュ
のスラグの混入物が主原因である。このような気泡や介
在物を含んだスラブを後工程でコイルに圧延するとヘゲ
やスリバーといった表面疵、またや膨れ状欠陥のような
重大な製品欠陥となる。
【0003】特に連続パウダーが凝固殼全面に捕捉され
ることにより生じるパウダー性の介在物欠陥は、浸漬ノ
ズルからの溶鋼吐出流が短辺面凝固殼に衝突して生じた
分岐上昇流による連続パウダーの巻き込みに起因する。
分岐上昇流が強く、湯面の盛り上がりが著しい場合には
パウダー溶融層が局部的に枯渇した状態となるので、モ
ールド内メニスカスへのパウダー溶融層の局部的流入不
足をもたらし、モールド内潤滑不足を生じる。また、メ
ニスカス部での抜熱の不均一やコーナー部の割れを招
く。このように浸漬ノズルからの溶鋼吐出流によって生
じるモールド内流動はスラブの欠陥生成に大きな影響を
及ぼす。
ることにより生じるパウダー性の介在物欠陥は、浸漬ノ
ズルからの溶鋼吐出流が短辺面凝固殼に衝突して生じた
分岐上昇流による連続パウダーの巻き込みに起因する。
分岐上昇流が強く、湯面の盛り上がりが著しい場合には
パウダー溶融層が局部的に枯渇した状態となるので、モ
ールド内メニスカスへのパウダー溶融層の局部的流入不
足をもたらし、モールド内潤滑不足を生じる。また、メ
ニスカス部での抜熱の不均一やコーナー部の割れを招
く。このように浸漬ノズルからの溶鋼吐出流によって生
じるモールド内流動はスラブの欠陥生成に大きな影響を
及ぼす。
【0004】このような問題を解決するために電磁攪拌
装置を適用したり、ノズルの吐出口の構造を工夫した
り、補助ノズルを使用したりする方法が提案されてい
る。電磁攪拌装置の例として特開平8−332553号
公報がある。連続鋳造用モールドの一対の短辺壁または
モールド直下の一対の短辺面側に一対の電磁攪拌装置を
配設し、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流による流動を制御
している。すなわち、溶鋼に対して短辺面に沿って鋳込
み方向と同方向に流動を与えて浸漬ノズルからの溶鋼吐
出流が短辺面凝固殼に衝突して生じる分岐上昇流を弱め
ようとしている。
装置を適用したり、ノズルの吐出口の構造を工夫した
り、補助ノズルを使用したりする方法が提案されてい
る。電磁攪拌装置の例として特開平8−332553号
公報がある。連続鋳造用モールドの一対の短辺壁または
モールド直下の一対の短辺面側に一対の電磁攪拌装置を
配設し、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流による流動を制御
している。すなわち、溶鋼に対して短辺面に沿って鋳込
み方向と同方向に流動を与えて浸漬ノズルからの溶鋼吐
出流が短辺面凝固殼に衝突して生じる分岐上昇流を弱め
ようとしている。
【0005】しかし、鋳込み速度が速く浸漬ノズルから
の溶鋼吐出流が大きい場合や幅の狭いスラブで浸漬ノズ
ルと短辺凝固殼との距離が短い場合は、溶鋼の上昇流を
電磁攪拌装置で充分に抑制できなかった。浸漬ノズルの
吐出口の構造の工夫として実開昭62−146553号
公報がある。筒体(浸漬ノズル)の溶鋼流路面積αと溶
鋼吐出面積βの比率β/αを0.9以上とすると共に吐
出口の上部の筒体外周に吐出口前方部とこの直上部とを
遮断する遮断壁を設けたことにより、鋳造方向への吐出
流の浸入深さを低減し、モールド内湯面に向かう上昇流
を低減できる方法を提案している。
の溶鋼吐出流が大きい場合や幅の狭いスラブで浸漬ノズ
ルと短辺凝固殼との距離が短い場合は、溶鋼の上昇流を
電磁攪拌装置で充分に抑制できなかった。浸漬ノズルの
吐出口の構造の工夫として実開昭62−146553号
公報がある。筒体(浸漬ノズル)の溶鋼流路面積αと溶
鋼吐出面積βの比率β/αを0.9以上とすると共に吐
出口の上部の筒体外周に吐出口前方部とこの直上部とを
遮断する遮断壁を設けたことにより、鋳造方向への吐出
流の浸入深さを低減し、モールド内湯面に向かう上昇流
を低減できる方法を提案している。
【0006】また、実開昭61−205647号公報で
は、浸漬ノズルに関して障害物を吐出口から離れた位置
に配置して高速での連続鋳造時パウダーの鋳片への取り
込み、介在物の浸入などのトラブルを防止する方法を提
案している。しかし、電磁攪拌と同様に鋳込み速度が速
く浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が大きい場合や幅の狭い
スラブで浸漬ノズルと短辺凝固殼との距離が短い場合
は、溶鋼の上昇流を電磁攪拌装置で充分に抑制できなか
った。補助ノズルの例としては、実開平5−18743
号公報がある。浸漬ノズルとモールドとの間に遮蔽筒を
設け吐出流が遮蔽筒で迂回させられるようにして、介在
物や気泡を浮上分離させ鋳片内の欠陥を低減する提案が
ある。しかし、遮蔽筒の上部が開放されているため遮蔽
筒の内部にもパウダーが必要であり巻き込みの原因とな
っており完全な対策にはなっていない。
は、浸漬ノズルに関して障害物を吐出口から離れた位置
に配置して高速での連続鋳造時パウダーの鋳片への取り
込み、介在物の浸入などのトラブルを防止する方法を提
案している。しかし、電磁攪拌と同様に鋳込み速度が速
く浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が大きい場合や幅の狭い
スラブで浸漬ノズルと短辺凝固殼との距離が短い場合
は、溶鋼の上昇流を電磁攪拌装置で充分に抑制できなか
った。補助ノズルの例としては、実開平5−18743
号公報がある。浸漬ノズルとモールドとの間に遮蔽筒を
設け吐出流が遮蔽筒で迂回させられるようにして、介在
物や気泡を浮上分離させ鋳片内の欠陥を低減する提案が
ある。しかし、遮蔽筒の上部が開放されているため遮蔽
筒の内部にもパウダーが必要であり巻き込みの原因とな
っており完全な対策にはなっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼スラブの
連続鋳造において、アルゴン気泡やアルミナなどの非金
属系介在物の浮上分離を促進し、鋼スラブ等の鋳片の製
品欠陥を低減し得る連続鋳造方法を提供するものであ
る。
連続鋳造において、アルゴン気泡やアルミナなどの非金
属系介在物の浮上分離を促進し、鋼スラブ等の鋳片の製
品欠陥を低減し得る連続鋳造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】その発明の要旨とすると
ころは、 (1)鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を上向きに
し、該吐出口を囲む下方を開放した箱を設け、該吐出口
から流出する溶鋼流を前記箱内を上昇させてから下降す
る流れにしてから鋳造することを特徴とする溶鋼の連続
鋳造方法。 (2)前記(1)記載の溶鋼の連続鋳造方法において、
前記箱内に鋳造する溶鋼のメニスカスを形成し、該箱の
内部の上方に集積した気体を排気することを特徴とする
溶鋼の連続鋳造方法。
ころは、 (1)鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を上向きに
し、該吐出口を囲む下方を開放した箱を設け、該吐出口
から流出する溶鋼流を前記箱内を上昇させてから下降す
る流れにしてから鋳造することを特徴とする溶鋼の連続
鋳造方法。 (2)前記(1)記載の溶鋼の連続鋳造方法において、
前記箱内に鋳造する溶鋼のメニスカスを形成し、該箱の
内部の上方に集積した気体を排気することを特徴とする
溶鋼の連続鋳造方法。
【0009】(3)前記(1)または(2)記載の溶鋼
の連続鋳造方法において、前記箱の内部の上方を負圧に
していることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 (4)前記(1)〜(3)に記載の溶鋼の連続鋳造方法
において、前記浸漬ノズルの先端部に下向きに開口した
吐出口を有し、前記鋳型内に下向きの溶鋼流を形成する
ことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 (5)鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を上向きに
し、該吐出口を囲み流出する溶鋼流を前記箱内を上昇さ
せてから下降する流れにする下方を開放した箱を設け、
該箱の上方に排気管を取り付けたことを特徴とする連続
鋳造に用いる浸漬ノズル。
の連続鋳造方法において、前記箱の内部の上方を負圧に
していることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 (4)前記(1)〜(3)に記載の溶鋼の連続鋳造方法
において、前記浸漬ノズルの先端部に下向きに開口した
吐出口を有し、前記鋳型内に下向きの溶鋼流を形成する
ことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 (5)鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を上向きに
し、該吐出口を囲み流出する溶鋼流を前記箱内を上昇さ
せてから下降する流れにする下方を開放した箱を設け、
該箱の上方に排気管を取り付けたことを特徴とする連続
鋳造に用いる浸漬ノズル。
【0010】(6)前記(5)記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記箱の下端を前記浸漬ノズルの
吐出口よりも下方に位置するようにしていることを特徴
とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 (7)前記(5)または(6)記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記箱の内部の上方に空間を設
け、該空間内に負圧にする排気管を設けたことを特徴と
する連続鋳造に用いる浸漬ノズル。
浸漬ノズルにおいて、前記箱の下端を前記浸漬ノズルの
吐出口よりも下方に位置するようにしていることを特徴
とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 (7)前記(5)または(6)記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記箱の内部の上方に空間を設
け、該空間内に負圧にする排気管を設けたことを特徴と
する連続鋳造に用いる浸漬ノズル。
【0011】(8)前記(5)〜(7)に記載の連続鋳
造に用いる浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルと前記
箱が分離して、前記鋳型内に挿入されていることを特徴
とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 (9)前記(5)〜(8)に記載の連続鋳造に用いる浸
漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルの先端部に下向きに
開口した吐出口を有していることを特徴とする連続鋳造
に用いる浸漬ノズル。 (10)前記(5)〜(9)に記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記箱の鋳型側の側壁に少なくと
も1個のサイド孔を設けていることを特徴とする連続鋳
造に用いる浸漬ノズルである。
造に用いる浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルと前記
箱が分離して、前記鋳型内に挿入されていることを特徴
とする連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 (9)前記(5)〜(8)に記載の連続鋳造に用いる浸
漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルの先端部に下向きに
開口した吐出口を有していることを特徴とする連続鋳造
に用いる浸漬ノズル。 (10)前記(5)〜(9)に記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記箱の鋳型側の側壁に少なくと
も1個のサイド孔を設けていることを特徴とする連続鋳
造に用いる浸漬ノズルである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図1は本発明に係る浸漬ノズルから
溶鋼が注入された状態での設備部分の側断面図である。
この図1に示すように、ストッパー11を開いて、ダン
ディッシュ4から浸漬ノズル3を介してモールド6内に
溶鋼9が注入される。第1の発明の手段としては、ダン
ディッシュ4からモールド6内に溶鋼9を導く浸漬ノズ
ル3の吐出口16を上方に向け、この吐出口16を囲む
箱蓋(箱)1をかぶせ、この箱蓋1に吸引管2を設け、
この吸引管2を真空ポンプ12で吸引し、箱蓋(箱)1
と溶鋼面18で形成される空間13を負圧にするように
した鋼スラブ等の鋳片の連続鋳造方法にある。
て詳細に説明する。図1は本発明に係る浸漬ノズルから
溶鋼が注入された状態での設備部分の側断面図である。
この図1に示すように、ストッパー11を開いて、ダン
ディッシュ4から浸漬ノズル3を介してモールド6内に
溶鋼9が注入される。第1の発明の手段としては、ダン
ディッシュ4からモールド6内に溶鋼9を導く浸漬ノズ
ル3の吐出口16を上方に向け、この吐出口16を囲む
箱蓋(箱)1をかぶせ、この箱蓋1に吸引管2を設け、
この吸引管2を真空ポンプ12で吸引し、箱蓋(箱)1
と溶鋼面18で形成される空間13を負圧にするように
した鋼スラブ等の鋳片の連続鋳造方法にある。
【0013】ストッパー11を開いて、溶鋼9をモール
ド6に注入を始めると溶鋼9は徐々にモールド6内に充
満してくる。メニスカス15が所定の位置に到達した
ら、その位置でメニスカス15を保持するため鋼スラブ
の引抜き速度と溶鋼9の注入量をバランスさせる。空間
13は負圧になっているので、溶鋼面18はメニスカス
15のレベルより高くなっている。パウダー5はメニス
カス15が所定の位置に安定してから投入するので、溶
鋼面18にはパウダー5は存在せず溶鋼9が露出してい
る状況となっている。
ド6に注入を始めると溶鋼9は徐々にモールド6内に充
満してくる。メニスカス15が所定の位置に到達した
ら、その位置でメニスカス15を保持するため鋼スラブ
の引抜き速度と溶鋼9の注入量をバランスさせる。空間
13は負圧になっているので、溶鋼面18はメニスカス
15のレベルより高くなっている。パウダー5はメニス
カス15が所定の位置に安定してから投入するので、溶
鋼面18にはパウダー5は存在せず溶鋼9が露出してい
る状況となっている。
【0014】空間13内では溶鋼面18は浸漬ノズル3
から吐出される溶鋼9やアルゴン気泡7で大きく波打っ
ているが、パウダー5は全く存在していないので、パウ
ダー5を溶鋼9に巻き込んで発生するパウダー5起因の
欠陥は発生しない。空間13内は負圧になっており、し
かも、溶鋼9に混在しているアルゴン気泡7から常時ア
ルゴンガスが供給されているので溶鋼9が露出していて
も表面が酸化されることはない。ダンディッシュ4から
供給された溶鋼9は浸漬ノズル3を通ってモールド6内
に導入される時は下向きの運動エネルギーを有している
が、浸漬ノズル3は吐出口16が上向きになっているの
で、溶鋼9の下向きの運動エネルギーは浸漬ノズル3の
中で一旦上向きの方向に変えられ吐出口16から噴出す
る時に大部分開放され減衰する。
から吐出される溶鋼9やアルゴン気泡7で大きく波打っ
ているが、パウダー5は全く存在していないので、パウ
ダー5を溶鋼9に巻き込んで発生するパウダー5起因の
欠陥は発生しない。空間13内は負圧になっており、し
かも、溶鋼9に混在しているアルゴン気泡7から常時ア
ルゴンガスが供給されているので溶鋼9が露出していて
も表面が酸化されることはない。ダンディッシュ4から
供給された溶鋼9は浸漬ノズル3を通ってモールド6内
に導入される時は下向きの運動エネルギーを有している
が、浸漬ノズル3は吐出口16が上向きになっているの
で、溶鋼9の下向きの運動エネルギーは浸漬ノズル3の
中で一旦上向きの方向に変えられ吐出口16から噴出す
る時に大部分開放され減衰する。
【0015】そのため溶鋼9の流れは箱蓋1の中で静か
な下向きの溶鋼流れ8として整流される。溶鋼9の最大
流速は大きく低下し、アルゴン気泡7や介在物は浮上し
やすくなる。加えて、従来の下向きに開口した浸漬ノズ
ルとは異なり、溶鋼9がモールド6の奥深くまで対流す
ることがないので、アルゴン気泡7や介在物が凝固殻1
0表面に捕捉されにくくなる。箱蓋1の材質は浸漬ノズ
ル3と同等な材質が望ましく、アルミナ系、炭化珪素
系、ジルコニア系、マグネシア系等の一般に適用されて
いるものを用いることができる。代表的なものとして
は、例えばアルミナグラファイトが望ましい。また、メ
ニスカス15周辺はパウダー5と接するため溶損が激し
いので、ジルコニアフラファイトをライニングするのが
望ましい。
な下向きの溶鋼流れ8として整流される。溶鋼9の最大
流速は大きく低下し、アルゴン気泡7や介在物は浮上し
やすくなる。加えて、従来の下向きに開口した浸漬ノズ
ルとは異なり、溶鋼9がモールド6の奥深くまで対流す
ることがないので、アルゴン気泡7や介在物が凝固殻1
0表面に捕捉されにくくなる。箱蓋1の材質は浸漬ノズ
ル3と同等な材質が望ましく、アルミナ系、炭化珪素
系、ジルコニア系、マグネシア系等の一般に適用されて
いるものを用いることができる。代表的なものとして
は、例えばアルミナグラファイトが望ましい。また、メ
ニスカス15周辺はパウダー5と接するため溶損が激し
いので、ジルコニアフラファイトをライニングするのが
望ましい。
【0016】吸引管2は真空ポンプ12に連結してお
り、湯面18と箱蓋1で形成される空間13に捕捉され
るアルゴン気泡7を吸引するようにしている。空間13
の負圧は0〜−3000mmaqあれば良い。0mma
qより大きいとアルゴン気泡7を全く吸引できない。そ
のため、空間13に留まったアルゴンガスが箱蓋1の下
端から抜け出してしまい、メニスカス15まで急激に浮
かび上がり破裂現象を起こし、パウダー5を溶鋼9に巻
き込む現象を引起すことにより介在物欠陥の原因とな
る。−3000mmaqより小さいと空間13の溶鋼9
ヘッドが高くなり、箱蓋1がモールド6とダンディッシ
ュ4の隙間に入らなくなる。また、溶鋼9により吸引管
2が閉塞してアルゴンガスを吸引できなくなる。望まし
くは10〜1500mmaqである。
り、湯面18と箱蓋1で形成される空間13に捕捉され
るアルゴン気泡7を吸引するようにしている。空間13
の負圧は0〜−3000mmaqあれば良い。0mma
qより大きいとアルゴン気泡7を全く吸引できない。そ
のため、空間13に留まったアルゴンガスが箱蓋1の下
端から抜け出してしまい、メニスカス15まで急激に浮
かび上がり破裂現象を起こし、パウダー5を溶鋼9に巻
き込む現象を引起すことにより介在物欠陥の原因とな
る。−3000mmaqより小さいと空間13の溶鋼9
ヘッドが高くなり、箱蓋1がモールド6とダンディッシ
ュ4の隙間に入らなくなる。また、溶鋼9により吸引管
2が閉塞してアルゴンガスを吸引できなくなる。望まし
くは10〜1500mmaqである。
【0017】また、第6の発明に示すように、真空ポン
プ12で吸引する代わりに吸引管2を集塵機(図示せ
ず)のダクトに連結しても良い。集塵機の吸引力は通常
100〜1000mmaqであり、最適な真空ポンプの
代替え方法である。アルゴン気泡7をモールド6内に適
宜浮遊させて介在物をメニスカス15まで浮遊させる狙
いがある場合は、箱蓋1の下端32は吐出口16よりも
上方に位置していても良い。この場合は、溶鋼9はメニ
スカス15近傍を適当に対流するのでパウダー5の流動
性もよく潤滑性能が発揮できる。ただし、箱蓋1の下端
32はオシレーションやメニスカス変動を考慮して、い
かなる場合もメニスカス15より上方に出ないような位
置でなければならない。
プ12で吸引する代わりに吸引管2を集塵機(図示せ
ず)のダクトに連結しても良い。集塵機の吸引力は通常
100〜1000mmaqであり、最適な真空ポンプの
代替え方法である。アルゴン気泡7をモールド6内に適
宜浮遊させて介在物をメニスカス15まで浮遊させる狙
いがある場合は、箱蓋1の下端32は吐出口16よりも
上方に位置していても良い。この場合は、溶鋼9はメニ
スカス15近傍を適当に対流するのでパウダー5の流動
性もよく潤滑性能が発揮できる。ただし、箱蓋1の下端
32はオシレーションやメニスカス変動を考慮して、い
かなる場合もメニスカス15より上方に出ないような位
置でなければならない。
【0018】第2の発明による手段としては、浸漬ノズ
ル3の吐出口16にかぶせる箱蓋(箱)1の下端32が
浸漬ノズル3の吐出口16の上端よりも下方にあるよう
にした鋼スラブの連続鋳造における鋳込み方法である。
吐出口16から上方に沸き上がるように噴出される溶鋼
9が下向きの流れに整流され、かつ完全にアルゴン気泡
7を空間13に捕捉するためには、吐出口16と箱蓋1
の下端32のラップ代Hは1〜100mm必要である。
1mm未満であるとアルゴン気泡7が完全に捕捉されな
い。100mmを超えるとメニスカス15近辺の溶鋼9
の流れが停滞しパウダー5の流動性が悪くなり潤滑剤と
しての効果が低減する。望ましくは10〜30mmであ
る。また、第7の発明に示すように、箱蓋(箱)1の高
さを調整することによりラップ代Hを適当に調整するこ
とができるので、メニスカス15周辺の溶鋼9流れを制
御でき、パウダー5を溶鋼9に巻き込む現象が低減でき
るので、パウダー5起因による鋼スラブの内部欠陥が低
減する。なお、符号29は鋳片を示す。
ル3の吐出口16にかぶせる箱蓋(箱)1の下端32が
浸漬ノズル3の吐出口16の上端よりも下方にあるよう
にした鋼スラブの連続鋳造における鋳込み方法である。
吐出口16から上方に沸き上がるように噴出される溶鋼
9が下向きの流れに整流され、かつ完全にアルゴン気泡
7を空間13に捕捉するためには、吐出口16と箱蓋1
の下端32のラップ代Hは1〜100mm必要である。
1mm未満であるとアルゴン気泡7が完全に捕捉されな
い。100mmを超えるとメニスカス15近辺の溶鋼9
の流れが停滞しパウダー5の流動性が悪くなり潤滑剤と
しての効果が低減する。望ましくは10〜30mmであ
る。また、第7の発明に示すように、箱蓋(箱)1の高
さを調整することによりラップ代Hを適当に調整するこ
とができるので、メニスカス15周辺の溶鋼9流れを制
御でき、パウダー5を溶鋼9に巻き込む現象が低減でき
るので、パウダー5起因による鋼スラブの内部欠陥が低
減する。なお、符号29は鋳片を示す。
【0019】図1において実施例を説明すると、ダンデ
ィッシュ4の底に先端に円盤28を設けたサポート14
を取り付ける。サポート14の円盤28に回転自由にな
るようにメネジ19を取り付ける。メネジ19には回転
用のハンドル20を設けている。箱蓋1にオネジ33を
取付け、メネジ19にねじ込むと、箱蓋1とサポート1
4を連結できる。メネジ19をハンドル20で回転させ
ると、箱蓋1が上昇、下降可能となる。また、箱蓋1の
高さ調整は、油圧シリンダ、電動シリンダ、エアシリン
ダなどを用い、メニスカス15の変動や鋳造速度、浸漬
ノズルへのアルゴン吹込み量、オシレーションサイクル
などと連動させて自動的に行わせることが可能である。
ィッシュ4の底に先端に円盤28を設けたサポート14
を取り付ける。サポート14の円盤28に回転自由にな
るようにメネジ19を取り付ける。メネジ19には回転
用のハンドル20を設けている。箱蓋1にオネジ33を
取付け、メネジ19にねじ込むと、箱蓋1とサポート1
4を連結できる。メネジ19をハンドル20で回転させ
ると、箱蓋1が上昇、下降可能となる。また、箱蓋1の
高さ調整は、油圧シリンダ、電動シリンダ、エアシリン
ダなどを用い、メニスカス15の変動や鋳造速度、浸漬
ノズルへのアルゴン吹込み量、オシレーションサイクル
などと連動させて自動的に行わせることが可能である。
【0020】第3の発明の手段として、浸漬ノズル3の
吐出口16をモールド6、メニスカス15より高くした
鋼スラブの連続鋳造方法である。空間13の中で溶鋼9
を浸漬ノズル3から上方に噴出させることにより完全に
アルゴン気泡7を捕捉する方法である。空間13の負圧
環境で脱ガスを効果的に行うことができる。また、第4
の発明の手段としては、吐出口16を上方に向けた浸漬
ノズル3の底面に孔17を開けた浸漬ノズル3である。
浸漬ノズル3の吐出口16を上方に向けたため、鋳込み
終了時に浸漬ノズル3の中に吐出口16のレベルまで溶
鋼を残留してしまう。そのため溶鋼歩留りが低下するの
で溶鋼を抜く必要がある。さらに、第5の発明手段は、
箱蓋1をダンディッシュ4あるいはダンディッシュカー
(図示せず)に取り付けたサポート14に固定した鋼ス
ラブ等の鋳片の連続鋳造方法である。箱蓋1はダンディ
ッシュ4や浸漬ノズル3と一体的に移動できるようにす
るため、ダンディッシュ4あるいはダンディッシュカー
(図示せず)に取り付けたサポート14に固定するのが
良い。
吐出口16をモールド6、メニスカス15より高くした
鋼スラブの連続鋳造方法である。空間13の中で溶鋼9
を浸漬ノズル3から上方に噴出させることにより完全に
アルゴン気泡7を捕捉する方法である。空間13の負圧
環境で脱ガスを効果的に行うことができる。また、第4
の発明の手段としては、吐出口16を上方に向けた浸漬
ノズル3の底面に孔17を開けた浸漬ノズル3である。
浸漬ノズル3の吐出口16を上方に向けたため、鋳込み
終了時に浸漬ノズル3の中に吐出口16のレベルまで溶
鋼を残留してしまう。そのため溶鋼歩留りが低下するの
で溶鋼を抜く必要がある。さらに、第5の発明手段は、
箱蓋1をダンディッシュ4あるいはダンディッシュカー
(図示せず)に取り付けたサポート14に固定した鋼ス
ラブ等の鋳片の連続鋳造方法である。箱蓋1はダンディ
ッシュ4や浸漬ノズル3と一体的に移動できるようにす
るため、ダンディッシュ4あるいはダンディッシュカー
(図示せず)に取り付けたサポート14に固定するのが
良い。
【0021】上述したような構造をとることにより、ダ
ンディッシュから供給された溶鋼は浸漬ノズルを通って
モールド内に導入される。浸漬ノズルは吐出口が上向き
になっているので、溶鋼が落下する時の下向きの運動エ
ネルギーは浸漬ノズルの中で一旦上向きの方向に変えら
れ吐出口から噴出する時に大部分開放され減衰する。そ
の後溶鋼は箱蓋の中で静かな下向きの流れとして整流さ
れる。溶鋼の最大流速は大きく低下し、アルゴン気泡や
介在物は浮上しやすくなる。加えて、従来の下向きに開
口した浸漬ノズルとは異なり、溶鋼がモールドの奥深く
まで対流することがないので、アルゴン気泡や介在物が
凝固殻表面に捕捉されにくくなる。箱蓋の下端と浸漬ノ
ズルの吐出口のラップ代を長くする程整流効果が大きく
なり、気泡や介在物が浮き上がり易くなる。
ンディッシュから供給された溶鋼は浸漬ノズルを通って
モールド内に導入される。浸漬ノズルは吐出口が上向き
になっているので、溶鋼が落下する時の下向きの運動エ
ネルギーは浸漬ノズルの中で一旦上向きの方向に変えら
れ吐出口から噴出する時に大部分開放され減衰する。そ
の後溶鋼は箱蓋の中で静かな下向きの流れとして整流さ
れる。溶鋼の最大流速は大きく低下し、アルゴン気泡や
介在物は浮上しやすくなる。加えて、従来の下向きに開
口した浸漬ノズルとは異なり、溶鋼がモールドの奥深く
まで対流することがないので、アルゴン気泡や介在物が
凝固殻表面に捕捉されにくくなる。箱蓋の下端と浸漬ノ
ズルの吐出口のラップ代を長くする程整流効果が大きく
なり、気泡や介在物が浮き上がり易くなる。
【0022】浸漬ノズルの吐出口からの噴出された溶鋼
は、負圧となっている空間内で対流するので、溶鋼内に
捕捉されていたアルゴン気泡は空間部に放出され真空ポ
ンプあるいは集塵ダクトで吸引される。すなわち、脱ガ
ス現象が生じるのでアルゴン気泡は空間部で完全に除去
されることになる。空間部における溶鋼面を広くした
り、負圧を高くすることにより脱ガス効率を向上でき
る。浸漬ノズルの吐出口をメニスカスより上方に設けれ
ば、空間部で噴流が生じるので脱ガス効果を一層促進す
ることができる。浸漬ノズル内に吹き込まれたアルゴン
ガスはアルゴン気泡となり溶鋼とともにモールド内に侵
入していくが、前述したように空間で完全に除去されて
しまう。
は、負圧となっている空間内で対流するので、溶鋼内に
捕捉されていたアルゴン気泡は空間部に放出され真空ポ
ンプあるいは集塵ダクトで吸引される。すなわち、脱ガ
ス現象が生じるのでアルゴン気泡は空間部で完全に除去
されることになる。空間部における溶鋼面を広くした
り、負圧を高くすることにより脱ガス効率を向上でき
る。浸漬ノズルの吐出口をメニスカスより上方に設けれ
ば、空間部で噴流が生じるので脱ガス効果を一層促進す
ることができる。浸漬ノズル内に吹き込まれたアルゴン
ガスはアルゴン気泡となり溶鋼とともにモールド内に侵
入していくが、前述したように空間で完全に除去されて
しまう。
【0023】従って、浸漬ノズル内に大量のアルゴンガ
スを吹き込むことができ、アルゴンガスで浸漬ノズル内
を圧力変動を抑制できるので、ダンディッシュと浸漬ノ
ズルの接続部や浸漬ノズルの表面から侵入してくる空気
を完全に遮断できる。従って、浸漬ノズルは完全に無酸
素状態が保持できるので、浸漬ノズル内にアルミナなど
の酸化物が生成しなくなり詰まりが皆無となる。浸漬ノ
ズルの底部に設けた孔は鋳込み終了時に残存した溶鋼を
完全に抜くためのものである。最後の一滴まで鋳造する
ことで歩留りの向上を図る。また、浸漬ノズルを取り外
す際に地金が残存していると重たくなり浸漬ノズル交換
の作業性が悪くなる。
スを吹き込むことができ、アルゴンガスで浸漬ノズル内
を圧力変動を抑制できるので、ダンディッシュと浸漬ノ
ズルの接続部や浸漬ノズルの表面から侵入してくる空気
を完全に遮断できる。従って、浸漬ノズルは完全に無酸
素状態が保持できるので、浸漬ノズル内にアルミナなど
の酸化物が生成しなくなり詰まりが皆無となる。浸漬ノ
ズルの底部に設けた孔は鋳込み終了時に残存した溶鋼を
完全に抜くためのものである。最後の一滴まで鋳造する
ことで歩留りの向上を図る。また、浸漬ノズルを取り外
す際に地金が残存していると重たくなり浸漬ノズル交換
の作業性が悪くなる。
【0024】さらに、図1に示すように、浸漬ノズル3
の先端部に下向きの孔17を設けており、この孔17か
ら溶鋼が鋳型内に下向きの流れを形成するので、上向き
の溶鋼流が減衰されて形成される下向き流れと浸漬ノズ
ル3からの直接の下向き流により、凝固しつつある鋳片
の深部に侵入する下向き流を浅くでき、この下向き流が
反転して形成される下方からの上昇流が鋳型の上面のメ
ニスカス(湯面)部のパウダー5に熱を供給することが
でき、メニスカス部の熱不足に起因するディッケル(塊
り)の生成を防止することができる。その結果、メニス
カス部の熱不足に起因する潤滑不良に起因する鋳型への
焼付きやブレークアウト等の操業の不安定化を防止する
ことができ、さらに、ディッケルが鋳片の内部に沈降
し、凝固した鋳片の介在物欠陥(内部欠陥)の発生を抑
制することができる。
の先端部に下向きの孔17を設けており、この孔17か
ら溶鋼が鋳型内に下向きの流れを形成するので、上向き
の溶鋼流が減衰されて形成される下向き流れと浸漬ノズ
ル3からの直接の下向き流により、凝固しつつある鋳片
の深部に侵入する下向き流を浅くでき、この下向き流が
反転して形成される下方からの上昇流が鋳型の上面のメ
ニスカス(湯面)部のパウダー5に熱を供給することが
でき、メニスカス部の熱不足に起因するディッケル(塊
り)の生成を防止することができる。その結果、メニス
カス部の熱不足に起因する潤滑不良に起因する鋳型への
焼付きやブレークアウト等の操業の不安定化を防止する
ことができ、さらに、ディッケルが鋳片の内部に沈降
し、凝固した鋳片の介在物欠陥(内部欠陥)の発生を抑
制することができる。
【0025】また、図2は、本発明に係る他の実施例を
示す浸漬ノズルから溶鋼が注入された状態での設備部分
の側断面図である。この図2に示すように、浸漬ノズル
3にアルゴンガスを吹き込むためのポーラス耐火物21
にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給管22を設
けており、アルゴンガスを0.5〜10NL/分程度供
給される。さらに、浸漬ノズル3の重量とその構造を簡
素化するために、上向きに5〜85°の角度θを有する
吐出口23とし、かつ、この吐出口23の上方に突出し
た鍔24を設けており、吐出口23の周囲を下方側
(底)を開放した箱蓋1で囲ったことにある。
示す浸漬ノズルから溶鋼が注入された状態での設備部分
の側断面図である。この図2に示すように、浸漬ノズル
3にアルゴンガスを吹き込むためのポーラス耐火物21
にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給管22を設
けており、アルゴンガスを0.5〜10NL/分程度供
給される。さらに、浸漬ノズル3の重量とその構造を簡
素化するために、上向きに5〜85°の角度θを有する
吐出口23とし、かつ、この吐出口23の上方に突出し
た鍔24を設けており、吐出口23の周囲を下方側
(底)を開放した箱蓋1で囲ったことにある。
【0026】なお、箱蓋1には、少なくとも1個のサイ
ド孔26を設けており、メニスカス部の熱不足を防止す
るため、最小限の溶鋼が流出し、パウダー5の溶解を促
進し、鋳型と凝固シェル10との正常な潤滑を行うよう
にしている。また、浸漬ノズル3と箱蓋1はそれぞれが
分割されており、ダンディッシュ4の底部に浸漬ノズル
3が一体に取付けられる。次に、二つの箱蓋1が浸漬ノ
ズル3の吐出口23のそれぞれに吐出口23を囲む位置
に配置される。この二つの箱蓋1の取付けは、ダンディ
ッシュ4の底部に金物を介して螺子込み式でサポート
(螺子付き取付け棒)14で支持するか、あるいはダン
ディッシュ4の底部に取り付けたシリンダーのロッド
(図示せず)の先端に箱蓋1を取る付けることもでき
る。
ド孔26を設けており、メニスカス部の熱不足を防止す
るため、最小限の溶鋼が流出し、パウダー5の溶解を促
進し、鋳型と凝固シェル10との正常な潤滑を行うよう
にしている。また、浸漬ノズル3と箱蓋1はそれぞれが
分割されており、ダンディッシュ4の底部に浸漬ノズル
3が一体に取付けられる。次に、二つの箱蓋1が浸漬ノ
ズル3の吐出口23のそれぞれに吐出口23を囲む位置
に配置される。この二つの箱蓋1の取付けは、ダンディ
ッシュ4の底部に金物を介して螺子込み式でサポート
(螺子付き取付け棒)14で支持するか、あるいはダン
ディッシュ4の底部に取り付けたシリンダーのロッド
(図示せず)の先端に箱蓋1を取る付けることもでき
る。
【0027】この構成以外は、図1と基本構成が同じで
あり、溶鋼中に混在するアルゴン気泡の浮上分離による
除去、介在物の浮上除去等の作用も同じである。特に、
図2の浸漬ノズルの場合、箱蓋1に少なくとも1個のサ
イド孔26を設け、このサイド孔26から新しい溶鋼を
メニスカス部に供給し、メニスカス部の熱不足を防止す
ることができ、パウダー5の溶解が促進され、この溶解
したパウダー5が鋳型と凝固シェル10との間に流入
し、鋳型と凝固シェル10との正常な潤滑を行うことが
できる。
あり、溶鋼中に混在するアルゴン気泡の浮上分離による
除去、介在物の浮上除去等の作用も同じである。特に、
図2の浸漬ノズルの場合、箱蓋1に少なくとも1個のサ
イド孔26を設け、このサイド孔26から新しい溶鋼を
メニスカス部に供給し、メニスカス部の熱不足を防止す
ることができ、パウダー5の溶解が促進され、この溶解
したパウダー5が鋳型と凝固シェル10との間に流入
し、鋳型と凝固シェル10との正常な潤滑を行うことが
できる。
【0028】そして、メニスカス部(パウダー5の下
面)の熱不足が解消され、パウダー5と溶鋼の一部が凝
固したディッケルの生成を確実に防止することができ
る。さらに、図1の浸漬ノズル3と異なる点は、鋳造を
終了する時に、浸漬ノズル3内に殆ど溶鋼が残留しない
ので、浸漬ノズル3の先端の孔17がなくとも良く、こ
の場合であっても、箱内で上昇流から下向き流に反転し
た溶鋼の流れが凝固しつつ、ある鋳片の内部に侵入し、
この下向き流が浅い部位でさらに反転して上昇流にな
り、鋳片の深部への気泡の侵入、介在物の侵入を抑制
し、気泡や介在物の少ない凝固シェルを形成することが
できる。
面)の熱不足が解消され、パウダー5と溶鋼の一部が凝
固したディッケルの生成を確実に防止することができ
る。さらに、図1の浸漬ノズル3と異なる点は、鋳造を
終了する時に、浸漬ノズル3内に殆ど溶鋼が残留しない
ので、浸漬ノズル3の先端の孔17がなくとも良く、こ
の場合であっても、箱内で上昇流から下向き流に反転し
た溶鋼の流れが凝固しつつ、ある鋳片の内部に侵入し、
この下向き流が浅い部位でさらに反転して上昇流にな
り、鋳片の深部への気泡の侵入、介在物の侵入を抑制
し、気泡や介在物の少ない凝固シェルを形成することが
できる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による鋼スラ
ブ等の鋳片の連続鋳造において、アルゴン気泡やアルミ
ナなどの非金属系介在物の浮上分離を促進し鋼スラブ等
の鋳片の製品欠陥を低減できる。また、浸漬ノズルに大
量のアルゴンガスを吹き込めるので浸漬ノズル詰まりが
なくなる等の優れた効果を奏するものである。
ブ等の鋳片の連続鋳造において、アルゴン気泡やアルミ
ナなどの非金属系介在物の浮上分離を促進し鋼スラブ等
の鋳片の製品欠陥を低減できる。また、浸漬ノズルに大
量のアルゴンガスを吹き込めるので浸漬ノズル詰まりが
なくなる等の優れた効果を奏するものである。
【図1】本発明に係る浸漬ノズルから溶鋼が注入された
状態での設備部分の側断面図である。
状態での設備部分の側断面図である。
【図2】本発明に係る他の実施例を示す浸漬ノズルから
溶鋼が注入された状態での設備部分の側断面図である。
溶鋼が注入された状態での設備部分の側断面図である。
【符号の説明】
1 箱蓋
2 吸引管
3 浸漬ノズル
4 ダンディッシュ
5 パウダー
6 モールド
7 アルゴン気泡
8 溶鋼流れ
9 溶鋼
10 凝固殻
11 ストッパー
12 真空ポンプ
13 空間
14 サポート
15 メニスカス
16 吐出口
17 孔
18 溶鋼面
19 メネジ
20 ハンドル
21 ポーラス耐火物
22 アルゴンガス供給管
23 吐出口
24 鍔
25 オネジ
26 サイド孔
27 箱蓋の下端
28 円盤
29 鋳片
Claims (10)
- 【請求項1】 鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を
上向きにし、該吐出口を囲む下方を開放した箱を設け、
該吐出口から流出する溶鋼流を前記箱内を上昇させてか
ら下降する流れにしてから鋳造することを特徴とする溶
鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の溶鋼の連続鋳造方法にお
いて、前記箱内に鋳造する溶鋼のメニスカスを形成し、
該箱の内部の上方に集積した気体を排気することを特徴
とする溶鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の溶鋼の連続鋳造
方法において、前記箱の内部の上方を負圧にしているこ
とを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載の溶鋼の連続鋳造方
法において、前記浸漬ノズルの先端部に下向きに開口し
た吐出口を有し、前記鋳型内に下向きの溶鋼流を形成す
ることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項5】 鋳型内に挿入した浸漬ノズルの吐出口を
上向きにし、該吐出口を囲み流出する溶鋼流を前記箱内
を上昇させてから下降する流れにする下方を開放した箱
を設け、該箱の上方に排気管を取り付けたことを特徴と
する連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 - 【請求項6】 請求項5記載の連続鋳造に用いる浸漬ノ
ズルにおいて、前記箱の下端を前記浸漬ノズルの吐出口
よりも下方に位置するようにしていることを特徴とする
連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 - 【請求項7】 請求項5または6記載の連続鋳造に用い
る浸漬ノズルにおいて、前記箱の内部の上方に空間を設
け、該空間内に負圧にする排気管を設けたことを特徴と
する連続鋳造に用いる浸漬ノズル。 - 【請求項8】 請求項5〜7に記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルと前記箱が分離し
て、前記鋳型内に挿入されていることを特徴とする連続
鋳造に用いる浸漬ノズル。 - 【請求項9】 請求項5〜8に記載の連続鋳造に用いる
浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルの先端部に下向き
に開口した吐出口を有していることを特徴とする連続鋳
造に用いる浸漬ノズル。 - 【請求項10】 請求項5〜9に記載の連続鋳造に用い
る浸漬ノズルにおいて、前記箱の鋳型側の側壁に少なく
とも1個のサイド孔を設けていることを特徴とする連続
鋳造に用いる浸漬ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002067347A JP2003266155A (ja) | 2002-03-12 | 2002-03-12 | 溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002067347A JP2003266155A (ja) | 2002-03-12 | 2002-03-12 | 溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003266155A true JP2003266155A (ja) | 2003-09-24 |
Family
ID=29198765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002067347A Withdrawn JP2003266155A (ja) | 2002-03-12 | 2002-03-12 | 溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003266155A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773833B1 (ko) | 2006-12-18 | 2007-11-06 | 주식회사 포스코 | 용융 몰드 플럭스용 침지 노즐 |
WO2011066622A1 (en) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | Nucor Corporation | Casting delivery nozzle |
JP2011136354A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Nippon Steel Corp | 浸漬ノズル及びこれを用いた連続鋳造方法 |
CN102239019A (zh) * | 2008-11-22 | 2011-11-09 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 浸嘴 |
JP2014018855A (ja) * | 2012-07-24 | 2014-02-03 | Jfe Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法及びその設備 |
-
2002
- 2002-03-12 JP JP2002067347A patent/JP2003266155A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773833B1 (ko) | 2006-12-18 | 2007-11-06 | 주식회사 포스코 | 용융 몰드 플럭스용 침지 노즐 |
CN102239019A (zh) * | 2008-11-22 | 2011-11-09 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 浸嘴 |
WO2011066622A1 (en) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | Nucor Corporation | Casting delivery nozzle |
US8225845B2 (en) | 2009-12-04 | 2012-07-24 | Nucor Corporation | Casting delivery nozzle |
US8646513B2 (en) | 2009-12-04 | 2014-02-11 | Nucor Corporation | Casting delivery nozzle |
JP2011136354A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Nippon Steel Corp | 浸漬ノズル及びこれを用いた連続鋳造方法 |
JP2014018855A (ja) * | 2012-07-24 | 2014-02-03 | Jfe Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法及びその設備 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102728827B (zh) | 提高钢液洁净度的连铸中间包 | |
JP4271551B2 (ja) | タンディッシュによる高清浄度鋼の連続鋳造装置 | |
JPH1085906A (ja) | 金属ストリップ鋳造装置及び耐火ノズル | |
JP2003266155A (ja) | 溶鋼の連続鋳造方法およびその連続鋳造に用いる浸漬ノズル | |
JPH1085907A (ja) | 金属ストリップ鋳造方法及び装置並びに耐火ノズル | |
JP3388661B2 (ja) | 溶鋼注入開始時の取鍋砂除去方法およびその装置 | |
JP2011143449A (ja) | 連続鋳造用タンディッシュにおける介在物除去方法 | |
JP2009066603A (ja) | 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造用タンディッシュ上ノズル | |
US20050284603A1 (en) | Controlled fluid flow mold and molten metal casting method for improved surface | |
JP3018960B2 (ja) | 連続鋳造方法およびそのストレート浸漬ノズル | |
JPH05293614A (ja) | タンディッシュの注入管 | |
KR100530101B1 (ko) | 턴디쉬 내부 용강의 와류발생 억제 댐 | |
JP4054318B2 (ja) | 品質特性に優れた鋳片の連続鋳造方法 | |
CN107983944A (zh) | 一种连铸过程中减少钢水铸余量的方法及装置 | |
KR101062953B1 (ko) | 침지노즐 | |
Szekeres | Review of strand casting factors affecting steel product cleanliness | |
JPH10128506A (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル | |
JPH04220148A (ja) | 溶湯供給ノズル | |
JP2000202602A (ja) | 連続鋳造用タンディッシュにおける介在物除去方法 | |
US20210323055A1 (en) | Method of molten metal casting utilizing an impact pad in the tundish | |
JP5510061B2 (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP2024085135A (ja) | 連続鋳造用のノズルおよび連続鋳造方法 | |
JP4421136B2 (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP2019535524A (ja) | 鋳造設備及びこれを用いた鋳造方法 | |
JPH04178249A (ja) | 連続鋳造鋳型内の潤滑方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |