JPH09224690A - ビオチンの製造方法 - Google Patents

ビオチンの製造方法

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JPH09224690A
JPH09224690A JP8057044A JP5704496A JPH09224690A JP H09224690 A JPH09224690 A JP H09224690A JP 8057044 A JP8057044 A JP 8057044A JP 5704496 A JP5704496 A JP 5704496A JP H09224690 A JPH09224690 A JP H09224690A
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JP
Japan
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biotin
plasmid
adenosyl
escherichia coli
operon
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JP8057044A
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English (en)
Inventor
Ouji Ifuku
欧二 伊福
Nobuyoshi Koga
信義 古賀
Naoyuki Kanzaki
直之 神崎
Kazuo Nakahama
一雄 中濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み換え微生物を用いる改良されたビオチン
の製造方法の提供 【解決手段】 S−アデノシル−L−メチオニン合成酵
素遺伝子を担持するプラスミドを含んでなる微生物の培
養。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組み換え微生物を
用いるビオチンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から特定の有用物質の生産能を高め
るべく各種の変異株が創製されてきた。例えば、動植物
および微生物にとって重要なビタミンであるビオチンを
特定の有用物質とするその生産菌について概観すると、
バシルス(Bacillus)属、クロモバクテリウム(Chromo
bacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属およ
びアースロバクター(Arthrobacter)属等の微生物に人
工的突然変異を生起せしめたものが知られている。さら
に、近年の遺伝子組換え法に適用する宿主−ベクター系
の宿主として、具体的にはエシェリヒア(Escherichi
a)属に属するα−デヒドロビオチン耐性株(例えば、
特開昭61−149091号公報参照)、ビオチンによ
るフィードバック抑制が解除された株(例えば、特開昭
61−202686号公報参照)および酢酸生産能が低
減した株(例えば、ヨーロッパ特許公開第031622
9号明細書参照)が知られており、またエシェリヒア属
以外に属するものとしては、特定の組換えプラスミドの
宿主としてバシルス属、シュードモナス属またはサッカ
ロミセス(Saccharomyces)属に属する微生物の使用が
知られている(例えば、特開昭64−44889号公報
参照)。なお、前記特許公報等はそれぞれ対応する宿主
の組換えプラスミドによる形質転換体を用いるビオチン
の製造方法を公表している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】微生物産生の有用物質
としてビオチンを例にとると、前述の変異株はいずれも
所定の目的は達成しているとはいえ、いまだ改良の余地
がある。例えば、前記公報のうちヨーロッパ特許出願公
開第0316229号明細書は前述のごとくビオチンに
よるフィードバック抑制が解除された脱抑制変異株に、
さらに酢酸産生能が低減する形質を付与せしめた変異株
を宿主とし用いることが提案されている。そしてこのよ
うな宿主微生物に、ビオチン生産能を有するエシェリヒ
ア コリ(Escherichia coli)より得たビオチンオペロ
ンをベクターDNAに組み込んだ組換えプラスミドを含
有せしめてなる組換えエシェリヒア コリを用い、グル
コースを基質とする安価で、しかも従来と比べ効率的な
ディ・ノボ(de novo)合成によるビオチンの生産方法
も公表されている。
【0004】しかし、さらに有用物質、例えばビオチン
の産生能の向上に資する変異菌株を入手することの必要
性は現在も変わることなく存在する。そこで、本発明の
目的は、特にビオチンの生産に有利に用いることができ
る組み換え体プラスミドを含有せしめた微生物を利用す
ることにより、さらに、効率の良いビオチン類の製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビオチン
生合成の最終段階であるデチオビオチンからビオチンへ
の反応にS−アデノシル−L−メチオニンが必要である
[Biosci.Biotech.Biochem.,56,1780(19
92)等]こと、及びビオチン生合成中間体である7、
8−ジアミノペラルゴン酸のアミノ基供与体がS−アデ
ノシル−L−メチオニンである[J.Biol.Chem.,25
0,4029(1975)等]ことに着目し、ビオチン
生産菌のS−アデノシル−L−メチオニンの生成能を強
化することによりビオチン生産量が向上すると予想し
た。
【0006】こうして、ビオチン生産菌からS−アデノ
シル−L−メチオニン合成酵素遺伝子を分離し、この遺
伝子を利用することによりビオチン蓄積量が著しく増大
した株を取得することに成功した。
【0007】したがって、本発明によれば、S−アデノ
シル−L−メチオニン合成酵素遺伝子を担持するプラス
ミド及びビオチンオペロンを含んでなる微生物を栄養培
地で培養し、培養物よりビオチンを回収することを特徴
とするビオチンの製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の方法によれば、ビオチン
は、その前駆体、特にデチオビオチンの強化された生産
性を伴って、ビオチン自体の生産性も高めることができ
る。
【0009】このような方法において用いられる微生物
は、ビオチンオペロンを宿主菌の染色体上に有するか、
またはビオチンオペロンがプラスミドに担持されて導入
されたもののいずれであってもよい。好ましくは、プラ
スミドに担持された形態のビオチンオペロンを有する微
生物が使用される。より好ましくは、S−アデノシル−
L−メチオニン合成酵素遺伝子を担持するのと同じプラ
スミド上にビオチンオペロンが組み込まれている形態で
存在する微生物が使用される。これらの微生物は、無
論、それらの染色体上にもビオチンオペロンを有するも
のであってもよい。
【0010】宿主微生物としては、エシェリヒア属の微
生物を都合よく使用することができ、この場合、ビオチ
ンオペロンはエシェリヒア属に由来するものが有利に使
用できる。
【0011】本発明に用いられるS−アデノシル−L−
メチオニン合成酵素遺伝子は、S−アデノシル−L−メ
チオニン合成酵素活性を有する蛋白質をコードするもの
であれば如何なる遺伝子配列を有するものでもかまわな
いが、好ましくはエシェリヒア コリのS−アデノシル
−L−メチオニン合成酵素蛋白質をコードする遺伝子を
挙げることができる。S−アデノシル−L−メチオニン
合成酵素遺伝子は、たとえば、既知のエシェリヒア コ
リのS−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子配
列[J.Biol.Chem.,259,14505,(198
4)]をもとにその翻訳領域を挟む2つのプライマー合
成遺伝子を用いて例えばPCR(Polymerase Chain Rea
ction)法等で取得することができる。得られるS−ア
デノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子がプロモータ
ーを有する場合はそのままプラスミドに連結し、本発明
に用いてもよいが、場合により他のエシェリヒア コリ
発現プロモーター(例えば、プラスミドpBR322の
アンピシリン耐性遺伝子のblaプロモーター)に連結
し、また例えば、市販の誘導型プロモーターを有するプ
ラスミドベクター(例えば、tac系誘導型プロモータ
ーを有するpKK223−3、ファルマシア社製、など
が挙げられる)に連結し、用いることができる。
【0012】ビオチンオペロンとしては、例えばエシェ
リヒア属、バシルス属、セラチア属(Serratia)由来の
ビオチンオペロン等があげられる。エシェリヒア属由来
としてはエシェリヒア コリ由来のビオチンオペロン
(特開昭61−202686号公報参照)があげられ
る。該ビオチンオペロンには、ビオチン生合成に関与す
るbioA、bioB、bioF、bioC、bioD
の5つの遺伝子がコードされている。また、これらのビ
オチンオペロンの一部を改変したものも本発明では用い
ることができ、例えば、エシェリヒア コリのビオチン
オペロンの制御領域及びbioB開始コドン近傍のいず
れかの塩基配列が野生型に比べて少なくとも1塩基対変
異しているもの等が挙げられる。ここにいうビオチンオ
ペロンの制御領域とは、bioAとbioBの間に存在
するr鎖を示す配列表の配列番号1、及びより詳細に
は、図1に示す塩基配列のうちbioB開始コドンAT
GのAを1として−1番目の塩基対から−86番目の塩
基対までの領域をいい、bioB開始コドン近傍とは、
bioB開始コドンATGのAを1として1番目の塩基
対から6番目の塩基対までの領域をいう。さらに具体的
には、bioB開始コドンATGのAを1として上流−
53番目、−5番目、下流4番目の少なくともいずれか
ひとつのGC対がAT対に変異されたもの等が挙げられ
る(特開平5−219956号公報参照)。
【0013】本発明で用いられるプラスミドとしては、
例えばエシェリヒア属、バシルス属またはセラチア属に
属する微生物に保持され、かつ遺伝子が発現できるもの
があげられる。好ましくはエシェリヒア属に属する微生
物に保持されているプラスミドであり、pBR322系
プラスミド、コリシン(Col1)E1系プラスミド、ラ
ムダーファージ系などの通常使用されているものが挙げ
られる。ビオチンオペロンを有するプラスミドとして
は、例えばpXBA312(エシェリヒア コリDRK
−3323[pXBA312](FERM BP−21
17)由来、特開平2−502065号公報)、pXB
RP319(エシェリヒア・コリMM44/pXBRP
319(FERM BP−4724)]由来のもの、及
びそれらの誘導体等があげられる。
【0014】S−アデノシル−L−メチオニン合成酵素
遺伝子をこれらのプラスミドに連結して用いることも可
能であり、好ましい例としては後述の実施例3で得られ
たプラスミドpBMP319,pXMH3123,pB
RM36,pKRM42およびpKSM910等が挙げ
られる。
【0015】本発明で宿主菌株として用いられる微生物
としては、ビオチン産生蓄積能を有する微生物であれば
いずれでもよく、例えばエシェリヒア属、バシルス属ま
たはセラチア属に属する微生物等が挙げられる。このう
ちエシェリヒア コリ属に属する微生物が好ましい。
【0016】エシェリヒア属に属する微生物としては、
例えばエシェリヒア コリ IFO14410、エシェ
リヒア コリ W−3110(IFO 12713)お
よびその由来株エシェリヒア コリ DR−85(特開
昭61−202686号公報参照)、エシェリヒア コ
リ DR−332(特開昭62−155081号公報参
照)、エシェリヒア コリ DRK−3323(特表平
2−50265号公報参照)、エシェリヒア コリ B
M4062(特表昭64−500081号公報参照)、
エシェリヒア コリBD10[FERM BP−472
5株よりプラスミドを除去した宿主菌株]、同ANA9
1[FERM BP−44928株よりプラスミドを除
去した宿主菌株]等が挙げられる。
【0017】上記のプラスミドを用いて宿主菌を形質転
換する方法としては、それ自体既知の方法、例えばエシ
ェリヒア属に属する微生物を宿主とする場合は、上記の
モレキュラー・クローニング ア・ラボラトリー・マニ
ュアル・コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, ColdSp
ring Habor Laboratory)、1982に記載されている
方法等があげられる。こうして得られた形質転換体は、
エシェリヒア属に属する微生物を培養するのに通常用い
られている栄養培地、培養条件下で培養することによっ
て、培養液中にビオチンを著量蓄積することができる。
【0018】例えば、本発明の培養に用いられる培地
は、用いられる微生物が利用し得る栄養源を含むものな
ら、液状でも固状でもよいが、大量に処理するときには
液体培地を用いるのがより適当である。培地には同化し
得る炭素源、消化し得る窒素源、無機物質、微量栄養素
等が適宜配合される。炭素源としては、たとえばブドウ
糖、乳糖、ショ糖、麦芽糖、デキストリン、でん粉、マ
ンニトール、ソルビトール、グリセロール、油脂類
(例、大豆油、オリーブ油、ヌカ油、ごま油、ラード
油、チキン油など)、各種脂肪酸(例、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸
など)等が用いられる。窒素源としては、たとえば肉エ
キス、酵母エキス、乾燥酵母、大豆粉、脱脂大豆粉、コ
ーンスティープリカー、ペプトン、綿実粉、癈糖密、尿
素、チオ尿素、アンモニア、アンモニウム塩類(例、硫
酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウムなど)等を用いることができる。
さらにナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ムなどを含む塩類、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、ニ
ッケルなどの金属塩類、リン酸、ホウ酸などの塩類、酢
酸、プロピオン酸などの有機酸の塩類が適宜用いられ
る。さらに、アミノ酸(例、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸、アラニン、リジン、バリン、メチオニン、プロリ
ン等)、ペプチド(例、ジペプチド、トリペプチド
等)、ビタミン類(例、B1、B2、ニコチン酸、B12
C等)、核酸類(例、プリン、ピリミジンおよびその誘
導体)等を用いてもよい。培地のpHを調節する目的で
無機または有機の酸、アルカリ類等を加えてもよく、あ
るいは消泡の目的で油脂類、表面活性剤等の適量を用い
ることができる。作出された微生物に薬剤耐性が付与さ
れている場合には、対応する抗菌剤を培地に添加するこ
とによって汚染菌の混入を防ぐことができる。培養は振
とう培養あるいは通気撹拌培養などの好気的条件下で行
うのが好ましい。培養温度は25〜37℃が好適であ
り、培養中の培地のpHは中性付近に維持することが望
ましい。培養期間は通常24〜72時間程度である。培
養を終了した後、培養液からのビオチン類の回収にあた
っては、ビオチン類の諸性質を利用して、一般の天然物
からの抽出精製に利用される諸方法が応用できる。例え
ば、培養物から菌体を除き、活性炭にビオチン類を吸着
させ、しかるのち溶出させてイオン交換樹脂で分離精製
するか、あるいは培養ろ液を直接イオン交換樹脂で処理
して分離精製し、水またはアルコールより再結晶するこ
とによりビオチン類を精製することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲をこれらの例に限定するこ
とを意図するものではない。
【0020】実施例1 エシェリヒア コリのS−アデ
ノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子のクローニング (1) 染色体DNAの調製 大腸菌W3110(ATCC1498)株をL−培地
(ペプトン10g/l、酵母エキス5g/l、グルコー
ス1g/l、塩化ナトリウム5g/l、)中、37℃3
時間振とう培養を行い、対数増殖期の菌体を集洗後、フ
ェノール法[Biochim. Biophys. Acta. 72,619
(1963)]による通常のDNA抽出法によって抽出
精製し、染色体DNAを得た。
【0021】(2) PCR法によるS−アデノシル−
L−メチオニン合成酵素遺伝子の増幅 前記エシェリヒア コリ染色体DNAを鋳型にして、S
−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子[J.Bio
l.Chem.,259、14505(1984)参照]の翻
訳領域を挟む2つの合成プライマー[5′−CCACA
CAACAGTTTGAGC−3′(配列番号2)、
[5′−TTGGTGTAATCGGTTTCAGGT
TGTG−3′(配列番号3)](TAKARA社カス
タム合成)を用い、GaneAmpR PCR Reagent Kit(Tak
ara社製)を使って、DNA変性92℃1分、プライ
マーのアニーリングは60℃2分、プライマー伸張反応
は72℃3分で、30サイクルのPCR反応を行った。
【0022】(3) S−アデノシル−L−メチオニン
合成酵素遺伝子のクローニング 前記PCR産物をT4ポリヌクレオチドキナーゼ(TA
KARA社製)で5′−Pを付加した後、クレノウフラ
グメント(TAKARA社製)処理で末端を平滑末端と
して揃えて、クローニングベクター BluescriptIISK
(TOYOBO社製)の SmaI 部位に挿入し、ベクター
に存在するベーターガラクトシダーゼ遺伝子に対して逆
向きにS−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子
が挿入されたpMK308プラスミドを選択した。
【0023】実施例2 発現系の構築 実施例1で得られたプラスミドpMK308を制限酵素
XbaI、XhoIで切断後、クレノウフラグメント処
理で末端を平滑末端として揃えて、プラスミドpBR3
22のSspI部位に挿入し、blaプロモーターに対
して正方向に挿入されたpMTA2を選択した。
【0024】実施例3 ビオチンオペロンの導入 (1)野性型ビオチンオペロンを含むプラスミドの構築 エシェリヒア コリMM44/pXBRP319(IF
O 15721、FERM BP−4724)より常法に
より取得されるpXBRP319は、ビオチンオペロン
を含むプラスミドである。エシエリヒア コリDRK3
323/pXBA312(FERM BP−2117、
特開平2−505065号公報参照)株から常法により
取得されるpXBA312はビオチンオペロンを含むプ
ラスミドである。プラスミドpXBR319およびpX
KR401はpXBA312由来のコピー数の異なるプ
ラスミドである。プラスミドpXBR319は、次のよ
うに作製した。pXBA312を制限酵素EcoRIに
より完全切断後、制限酵素PstIで部分切断し(切断
部位が2箇所存在するため、bioD内のPstIサイ
トを残した断片を選択する)、ビオチンオペロンを完全
に含む断片を回収する。次に、この断片をプラスミドp
BR322(TAKARA社製)のEcoRI−Pst
I部位に挿入して、プラスミドpXBA312に比ベコ
ピー数が少ない野性株ビオチンオペロンを有するプラス
ミドpXBR319を作製した。プラスミドpXKR4
01は次のように作製した。プラスミドpMW119
(ニッポンジーン社製)を制限酵素PstIおよびAt
aIIを用いて完全に切断した。得られた約2.4kb
pの断片を、クレノウフラグメント処理を末端を平滑末
端として揃えた。一方、プラスミドpBR322を制限
酵素EcoRIおよびAvaIを用いて完全に切断し
た。得られた約1.4kbpの断片を、クレノウフラグ
メント処理で末端を平滑末端として揃えた。これら2つ
の断片をDNAライゲーションキット(TAKARA社
製)を用いて連結させ、制限酵素XbaIを用いて切断
した。この約3.8kbpの断片をプラスミドpXBA
312の制限酵素XbaI切断により得られるビオチン
オペロンを含む約6.0kbpの断片にDNAライゲー
ションキット(TAKARA社製)を用いて連結させ
た。得られたプラスミドpXKR401は、コピー数が
5以下の野性型ビオチンオペロンを有するプラスミドで
ある。
【0025】(2)変異型ビオチンオペロンを含むプラ
スミドの構築 図1に示すビオチンオペロンの制御領域に変異をもつプ
ラスミドを構築した。前記のプラスミドpXKR401
のbioB開始コドンATGのAを1として上流−53
番目のGC対がAT対に変異された(特開平5−219
956号公報参照)プラスミドpXKS912を以下の
ようにして構築した。プラスミドpXKR401を制限
酵素EcoT221およびNcoIを用いて完全に切断
し、約8.2kbp断片を得た。この断片とプラスミド
pAMP912(特開平5−219956号公報参照)
の制限酵素EcoT221およびNcoIを用いて完全
に切断し得られた約0.88kbp断片とをDNAライ
ゲーションキット(TAKARA社製)を用いて連結さ
せた。得られたプラスミドpXKS912はコピー数が
5以下の変異型ビオチンオペロンを有するプラスミドで
ある。
【0026】(3)ビオチンオペロンをもつプラスミド
へのS−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子の
導入 前記プラスミドpXBRP319、pXBA312、p
XBR319、pXKR401およびpXKS912の
EcoRI部位に、実施例2で取得されたpMTA2を
EcoRIで切断後、取得された発現型S−アデノシル
−L−メチオニン合成酵素遺伝子を含む断片をそれぞれ
挿入し、それぞれプラスミドpBMP319、pXMH
3123、pBRM36、pKRM42およびpKSM
910を取得した。
【0027】実施例4 ANA91株へのプラスミドの
導入 エシェリヒア コリANA91/pXBRP319(F
ERM BP−4928)株よりアクリジンオレンジを
用いたキュアリングによりプラスミドを除去したANA
91株に常法のカルシウム法[J.Mol.Biol.,53,
109,(1970)]によりプラスミドpBMP31
9を形質転換し、ANA91/pBMP319株を取得
した。
【0028】実施例5 DRK3323株へのプラスミ
ドの導入 エシエリヒア コリDRK3323株(微工研条寄21
16号、特表平2−50265号公報参照)にカルシウ
ム法によりプラスミドpXMH3123、pBRM3
6、pKRM42およびpKSM910をそれぞれ形質
転換し、DRK3323/pXMH3123、DRK3
323/pBRM36、DRK3323/pKRM42
およびDRK3323/pKSM910株をそれぞれ取
得した。
【0029】実施例6 ビオチンの生産量 実施例4で取得されたANA91/pBMP319株お
よびコントロールとしてANA91/pXBRP319
株の2株の菌体懸濁液をそれぞれ12mg/lのテトラ
サイクリンを含む2xYT寒天培地(トリプトン16g
/l、酵母エキス10g/l、塩化ナトリウム5g/l
および寒天15g/l)に塗抹し、37℃で約16時間
保温した。生育したコロニーの1白金耳をグルコース3
0g/l、炭酸カルシウム30g/l、コーンスティー
プリカー50g/l、硫安2g/l、DL−アラニン3
g/l、リン酸一カリウム1g/l、リン酸二カリウム
2g/l、硫酸マグネシウム(7水和物)0.1g/
l、硫酸第一鉄(7水和物)0.03g/l、硫酸マン
ガン(4−6水和物)0.03g/l、DL−メチオニ
ン0.5g/l(または無添加)およびチアミン塩酸塩0.
02g/lからなる培地(pH7.1)1mlを含む試
験管に接種し、37℃で30時間振とうしながら培養を
行った。培養後の培養液を遠心分離し、ビオンチンを得
た。実施例5で得られたDRK3323/pXMH31
23、DRK3323/pBRM36、DRK3323
/pKRM42株、DRK3323/pKSM910株
およびそれぞれのコントロールとしてDRK3323/
pXBA312、DRK3323/pXBR319、D
RK3323/pXKR401、DRK3323/pX
KS912株の合計8株を、まず前培養としてL−培地
(テトラサイクリン20mg/lを含む)30mlを含
む200ml容フラスコに寒天保存培地から一白金耳接
種して37℃で16時間振とう培養した。この前培養液
の0.6mlをH−培地(リン酸二ナトリウム)(12
水和物)17.6g/l、リン酸一カリウム2.4g/
l、硫酸アンモニウム4.0g/l、酵母エキス10g
/l、硫酸第一鉄(7水和物)0.1g/l、塩化カル
シウム(2水和物)0.05g/l、塩化マンガン(4
水和物)0.05g/l、硫酸マグネシウム(7水和
物)0.1g/l、グリコース5.0g/l、DL−アラ
ニン5.0g/l(pH7.1)20mlを含む500m
l容坂口フラスコで37℃で24時間振とう培養した。
培養後の培養液を遠心分離し、ビオチンを得た。
【0030】ビオチンの定量は、ビオチンとデチオビオ
チンの総量としてその濃度をアビジンを用いた比色定量
法[Methods in Enzymology Vol.XVVI.49]に
より定量し、算出した。ビオチンの定量はラクトバシル
スプランタラム(ATCC8014)を用いたバイオア
ッセイ法で定量し、算出した。
【0031】結果を図2及び図3に示す。この図より、
本発明の方法、すなわち、S−アデノシル−L−メチオ
ニン合成酵素遺伝子をビオチンオペロンと共に担持する
プラスミドによる形質転換体すべてが、前記遺伝子をも
たず、ビオチンオペロンを担持するプラスミドによる形
質転換体に比し、有意に優れたビオチンおよびデチオビ
オチンの生産性を示すことが分かる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、従来の組み換え微生物を用い
る技術に比し、有意に優れたビオチン類の発酵製造方法
が提供される。この優れた効果は、組み換え微生物の形
質転換をS−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝
子を担持するプラスミドを用いて行ったことにより得ら
れる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】ビオチンオペロンの制御領域及びbioB開始
コドン近傍の塩基配列を示す図である。
【図2】本発明と従来方法によるビオチン類の生産性の
比較を示すグラフである。なお、図中、(metk)は、S
−アデノシル−L−メチオニン合成酵素遺伝子が存在す
ることを意味する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/18 C12R 1:19) (C12N 9/88 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 神崎 直之 大阪府茨木市大正町2−15−203 (72)発明者 中濱 一雄 京都府長岡京市梅が丘1丁目16番地の2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 S−アデノシル−L−メチオニン合成酵
    素遺伝子を担持するプラスミド及びビオチンオペロンを
    含んでなる微生物を栄養培地で培養し、培養物よりビオ
    チンを回収することを特徴とするビオチンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ビオチンオペロンがプラスミドに担
    持されている、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記微生物がエシェリヒア コリであ
    る、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ビオチンオペロン及びS−アデノシ
    ル−L−メチオニン合成酵素遺伝子が同一のプラスミド
    に担持されている、請求項1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ビオチンオペロン及びS−アデノシ
    ル−L−メチオニン合成酵素遺伝子がエシェリヒア コ
    リに由来するものである、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999042591A1 (de) * 1998-02-19 1999-08-26 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von biotin
WO2003008591A1 (en) * 2001-07-16 2003-01-30 Bio Holdings Co., Ltd. Adenosylmethionine synthetase from streptomyces sp., gene sequences coding the same and method for mass production of secondary metabolites including antibiotics thereof

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US7666631B2 (en) 2001-07-16 2010-02-23 Joo-Won Suh Adenosylmethionine synthetase from streptomyces sp., gene sequences coding the same and method for mass production of secondary metabolites including antibiotics thereof

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