JPH09223816A - 半導体受光素子 - Google Patents

半導体受光素子

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JPH09223816A
JPH09223816A JP8029564A JP2956496A JPH09223816A JP H09223816 A JPH09223816 A JP H09223816A JP 8029564 A JP8029564 A JP 8029564A JP 2956496 A JP2956496 A JP 2956496A JP H09223816 A JPH09223816 A JP H09223816A
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JP
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semiconductor layer
type
region
layer
electrode
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Application number
JP8029564A
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English (en)
Inventor
Tadayoshi Murakami
忠良 村上
Seiji Sakata
成司 坂田
Mikio Kyomasu
幹雄 京増
Sadahisa Warashina
禎久 藁科
Koji Oba
公嗣 大場
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光して光電流が流れた場合であっても電圧
降下が発生することなく高速応答性を有する半導体受光
素子を提供する。 【解決手段】 3−5族化合物半導体からなるn型導電
性半導体層22上にノンドープ光吸収半導体層23とn
型導電性半導体層24とが順次積層され、そのn型導電
性半導体層24の所定領域にp型不純物拡散領域25が
形成され、p型不純物拡散領域25に接続する電極27
とn型導電性半導体層24に接続する電極28とが形成
される。p型不純物拡散領域25とノンドープ光吸収半
導体層23とn型導電性半導体層22とから、pinフ
ォトダイオードが形成され、n型導電性半導体層24と
電極28とから、ショットキ接合ダイオードが形成され
る。pinフォトダイオードに逆バイアス電圧が印加さ
れ、ショットキ接合ダイオードに順バイアス電圧が印加
されると、入射した光はpinフォトダイオードによっ
て受光され光電流が発生する。この光電流はショットキ
接合ダイオードを順方向に流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光信号を高速に受
光する半導体受光素子に関するものであり、特に高速光
通信に用いるのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】今日の光通信における情報伝送量はます
ます増大しているが、これに伴い光通信速度の高速化が
望まれている。従来より光通信における光受信用デバイ
スとして、波長1000nmから1600nmの光に感
度を有するpinフォトダイオードが用いられており、
このpinフォトダイオードの応答性も更なる高速化が
望まれている。
【0003】このpinフォトダイオードの応答特性
は、CR時定数とpinフォトダイオード中のキャリア
の走行時間とに大きく依存し、高速化を実現するための
一つの対策として、容量Cを低減することが必要であ
る。pinフォトダイオードにおける容量は、pin接
合部における容量とワイヤボンディングパッド部に生じ
る容量とからなるので、これらの容量を低減するには、
それぞれの面積を小さくすればよい。
【0004】しかしながら、表面入射型pinフォトダ
イオードにあっては、pin接合部とは別にワイヤボン
ディングパッド部を形成することが必要であり、ワイヤ
ボンディングのボールサイズの小型化には限界があるた
め、ワイヤボンディングパッド部の面積の小型化にも限
界がある。このような事情から、表面入射型pinフォ
トダイオードでは、容量を充分に低減することができ
ず、応答特性の高速化にも限界があった。
【0005】この問題を解決すべく、寄生容量が小さい
フリップチップボンディング方式を採用した裏面入射型
pinフォトダイオードからなる半導体受光素子が、特
開平3−296279号公報で提案されている。図7
は、従来の半導体受光素子の断面図である。この半導体
受光素子は、n+ 型InP基板11上に、n+ 型InP
層12、ノンドープInGaAs光吸収層13およびn
- 型InP層14を順次積層し、n- 型InP層14の
3箇所の所定領域にp型不純物拡散領域15Aおよび1
5Bを形成し、これによって3つのpinフォトダイオ
ードを形成したものである。中央のp型不純物拡散領域
15Aは、pin接合を生成させるのに支障がない程度
に小面積化されて小さな容量とされ、一方、p型不純物
拡散領域15Bは大面積化されている。そして、中央の
pinフォトダイオードは逆バイアス電圧が印加されて
受光素子として作用し、両側のpinフォトダイオード
は順バイアス電圧が印加されてpn接合ダイオードとし
て作用するものである。この半導体受光素子の等価回路
図は、図8のように表される。
【0006】このように、この半導体受光素子は、受光
素子であるpinフォトダイオードPD1のpin接合
部を小面積とするとともに、実装時にフリップチップボ
ンディング方式を採用することより、容量を小さくして
高速化を達成しようというものである。
【0007】ここで、pinフォトダイオードPD1
は、n+ 型InP層12、ノンドープInGaAs光吸
収層13、p型不純物拡散領域15Aなどで形成される
ものであり、pinフォトダイオードPD2およびPD
3それぞれは、n+ 型InP層12、ノンドープInG
aAs光吸収層13、p型不純物拡散領域15Bなどで
形成されるものである。これら3つのpinフォトダイ
オードPD1,PD2およびPD3に、図8に示すよう
な極性でバイアス電圧を印加すると、pinフォトダイ
オードPD1には逆バイアス電圧が印加され、pinフ
ォトダイオードPD2およびPD3には順バイアス電圧
が印加される。このようにバイアス電圧を印加すると、
pinフォトダイオードPD1は、入射した光を受光し
て光電流を生じ、その光電流が半導体受光素子の出力と
なる。
【0008】なお、この半導体受光素子におけるpin
フォトダイオードPD1のエネルギバンド図は図9に示
すとおりである。光通信で一般に使用される波長1.3
μmの光が、半導体受光素子の裏面(図7では上方、図
9では右方)より入射すると、その光のエネルギ0.9
5eVはn+ 型InP基板11およびn+ 型InP層1
2のエネルギバンドギャップ1.35eVより小さいの
で、その光はn+ 型InP基板11およびn+ 型InP
層12で吸収されることなく透過する。しかし、その光
のエネルギは、ノンドープInGaAs光吸収層13の
エネルギバンドギャップ0.75eVより大きいので、
その光はノンドープInGaAs光吸収層13の空乏層
に到達すると吸収され、電子・正孔対が生成されて光電
流が出力される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では以下のような問題点がある。図10は、従来の
半導体受光素子にバイアス電圧を印加したときの等価回
路図である。この図で、破線枠内は、半導体受光素子の
等価回路であり、破線枠外は、バイアス電圧を印加する
バイアス電源の等価回路であり、半導体受光素子には、
このバイアス電源よりバイアス電圧Vが印加される。
【0010】この図に示すように、pinフォトダイオ
ードPD1に光が入射すると、光電流Ipが流れる。こ
の光電流Ipは、pinフォトダイオードPD2および
PD3の両端子間に、ダイオードの順方向特性から求ま
る電圧V1 V1=A(ln((Ip/Io)+1)) … (1) を発生させる。ここで、AおよびIoそれぞれは、pi
nフォトダイオードPD2およびPD3の特性を表す値
であり、そのうち、Aは、絶対温度に依存する値であ
り、Ioは、電子・正孔それぞれの拡散係数や拡散距離
および不純物濃度などで決まる飽和電流値である。この
ようにpinフォトダイオードPD2およびPD3の両
端子間に電圧V1が発生すると、pinフォトダイオー
ドPD1の両端子間に印加される逆バイアス電圧はV−
V1となる。すなわち、pinフォトダイオードPD1
は、受光していないときには逆バイアス電圧として電圧
Vが印加されるが、受光して光電流Ipが流れると、電
圧降下が発生し逆バイアス電圧はV−V1となる。
【0011】一方、光通信においては通常、フォトダイ
オードに逆バイアス電圧を印加するとともに光電流Ip
を増幅するためのプリアンプと組み合わされた構成とさ
れ、また、容易に得られる5V電源が用いられている。
このプリアンプの回路構成は、一般に、2段のベース−
エミッタ間電圧が必要とされ、したがって、フォトダイ
オードに印加される逆バイアス電圧は3V程度までに降
下する。これに加えて、前述の光電流Ipの発生に伴う
V1分の電圧降下が生じることになる。
【0012】このように、受光素子として作用すべきp
inフォトダイオードPD1に印加される逆バイアス電
圧が低下すると、ノンドープInGaAs光吸収層13
内の電界強度が弱まり、応答特性が低下する。
【0013】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、受光して光電流が流れた場合であって
も電圧降下が発生することなく高速応答性を有する半導
体受光素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体受光
素子は、(1) 3−5族化合物半導体からなるn型導電性
半導体基板と、(2) n型導電性半導体基板上に積層され
た第1のn型導電性半導体層と、(3) 第1のn型導電性
半導体層上に積層された光吸収半導体層と、(4) 光吸収
半導体層上に積層された第2のn型導電性半導体層と、
(5) 第2のn型導電性半導体層と光吸収半導体層の所定
領域に形成されたp型不純物拡散領域と、(6) 第2のn
型導電性半導体層上であって、所定領域のうちの第1の
領域と所定領域以外の領域のうちの第2の領域とを除く
領域上に形成された絶縁層と、(7) 第1の領域において
p型不純物拡散領域に接続する第1の電極と、(8) 第2
の領域において第2のn型導電性半導体層に接続する金
属からなる第2の電極と、を備えることを特徴とする。
【0015】このような構成とすることにより、p型不
純物拡散領域と光吸収半導体層と第1のn型導電性半導
体層とから、pinフォトダイオードが形成され、ま
た、第2のn型導電性半導体層と第2の電極とから、シ
ョットキ接合ダイオードが形成される。そして、第1の
電極に対して第2の電極に高電位が印加されると、pi
nフォトダイオードには逆バイアス電圧が印加され、シ
ョットキ接合ダイオードには順バイアス電圧が印加され
る。このとき、第1のn型導電性半導体層の側から光が
入射すると、その光はpinフォトダイオードによって
受光され、光電流が発生する。この光電流はショットキ
接合ダイオードを順方向に流れる。しかし、このショッ
トキ接合ダイオードに光電流が流れることに因り生じる
電圧降下は小さいので、pinフォトダイオードに印加
される逆バイアス電圧の降下も小さく、それ故、応答特
性の低下が小さい。
【0016】さらに、第1の電極を、pinフォトダイ
オードに逆バイアス電圧が印加されたときに生じる空乏
層の面積以下の面積とすれば、pinフォトダイオード
のpin接合部の容量が小さくなるので、応答特性が高
速になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0018】先ず、本発明にかかる半導体受光素子の構
造について、その製造工程とともに説明する。図1は、
本発明に係る半導体受光素子の断面構成図であり、図2
は、本発明に係る半導体受光素子の製造工程図である。
【0019】基板として用いられるn+ 型InP基板2
1は、3−5族化合物半導体の1つであり、光通信に用
いられる波長帯域1000nmから1600nmの光を
透過させるものである。このn+ 型InP基板21は、
例えば、厚さが約200μmであり、不純物濃度が約5
×1018cm-3である。
【0020】このn+ 型InP基板21の上に、n-
InP層(第1のn型導電性半導体層)22、ノンドー
プInGaAs光吸収層23、およびn- 型InP層
(第2のn型導電性半導体層)24が順次積層される
(図2(a))。n- 型InP層22および24それぞ
れは、例えば、厚さが約1.5μmであり、不純物濃度
が約3×1015cm-3であり、ノンドープInGaAs
光吸収層23は、例えば、厚さが約2.5μmであり、
不純物濃度が約1×1015cm-3である。
【0021】続いて、n- 型InP層24の所定領域に
p型不純物拡散領域25が形成される(図2(b))。
このp型不純物拡散領域25は、ノンドープInGaA
s光吸収層23に僅かに入ったところまで形成される。
例えば、不純物元素はZnであり、不純物濃度は1×1
18〜3×1018cm-3である。
【0022】この後、n- 型InP層24の上に絶縁層
26が積層される(図2(c))。この絶縁層26は、
例えばSiNからなる膜である。絶縁層26は、少なく
ともp型不純物拡散領域25が形成されている領域と形
成されていない領域との境界をまたいで形成され、ま
た、p型不純物拡散領域25が形成された領域の中央付
近にも形成される。しかし、p型不純物拡散領域25が
形成された領域の上の一部(第1の領域)、および、p
型不純物拡散領域25が形成されていないn- 型InP
層24の上の一部(第2の領域)には形成されない。
【0023】さらに、この上に電極27,28が形成さ
れる(図2(d))。この電極27,28のそれぞれの
材質は、例えばTi/Pt/Auであり、また、Au、
Al、W、Pt、Ni等も用いられ得る。
【0024】電極(第1の電極)27は、p型不純物拡
散領域25の上部を覆うように形成され、その一部がp
型不純物拡散領域25に接する。このようにして、n+
型InP層22、ノンドープInGaAs光吸収層2
3、p型不純物拡散領域25などで形成されるpinフ
ォトダイオードPD5が構成される。この電極27は、
p型不純物拡散領域25へのコンタクトメタルであり、
この電極27の面積を、pinフォトダイオードPD5
に逆バイアス電圧が印加されたときに生ずる空乏層の面
積以下とする。これにより、電極27とn- 型InP層
24との間の浮遊容量を無視できるほど小さくすること
ができる。さらに、電極27のうち絶縁層26の上に形
成された部分にフリップチップボンディングを行なうこ
とにより、ボンディング時のp型不純物拡散領域25へ
の衝撃を緩和することができる。
【0025】一方、電極(第2の電極)28は、p型不
純物拡散領域25が形成されていない領域の上に形成さ
れ、その一部がn- 型InP層24に接する。この電極
28とn- 型InP層24との接合面がショットキ接合
となるので、これらによりショットキ接合ダイオードP
D6およびPD7が構成される。
【0026】なお、電極27は、薄い絶縁層26の上に
形成されるので、ほぼ平坦であり、電極28も、平坦な
- 型InP層24の上に形成されるので、これも平坦
である。したがって、これら電極27,28それぞれは
機械的ストレスに強く、フリップチップボンディングを
容易に行なうことができる。
【0027】そして、n+ 型InP基板21の裏面に、
反射防止膜29を形成し、さらに遮光膜30を形成する
(図1)。反射防止膜29は、図1の下方から入射した
光を反射させない為に形成されるものであり、例えば、
SiNからなる膜である。遮光膜30は、p型不純物拡
散領域25が形成されている領域に対応する裏面の領域
を除いた領域に形成され、図1の下方から入射した光を
p型不純物拡散領域25へのみ透過させるものであり、
例えば、AuGe/Ni/Auからなり、また、Cr/
AuやAl等でもよい。
【0028】以上のようにして製造された半導体受光素
子を電極側から見た平面図は図3のようになる。なお、
この図において二点鎖線X−X’に沿って切断した断面
図が図1である。この図に示すように、電極側から見る
と、p型不純物拡散領域25は円形形状であり、そのp
型不純物拡散領域25内に同心円状に絶縁層26の孔部
すなわちコンタクトホール31が複数個形成されてい
る。この上に更に、円形形状の電極27が、p型不純物
拡散領域25の円中心と同一の中心点の周りに形成さ
れ、電極27とp型不純物拡散領域25とは、コンタク
トホール31を介して接続している。また、電極28
は、この図で4隅に形成されており、n- 型InP層2
4とショットキ接合されている。
【0029】また、本発明に係る半導体受光素子の光入
射側から見た平面図は図4のようになる。この図に示す
ように、反射防止膜29は、n+ 型InP基板21の裏
面ほぼ全体を覆って形成されている。また、遮光膜30
も、中央の孔部を除いて、n+ 型InP基板21の裏面
ほぼ全体を覆って形成されている。遮光膜30の中央の
孔部は、p型不純物拡散領域25に対応する位置にあ
る。したがって、裏面から入射した光は、この遮光膜3
0の孔部を通過し、反射防止膜29、n+ 型InP基板
21およびn- 型InP層22を透過して、ノンドープ
InGaAs光吸収層23に到達し、ノンドープInG
aAs光吸収層23で吸収されて光電流に変換される。
【0030】以上のようにして形成されたpinフォト
ダイオードPD5とショットキ接合ダイオードPD6お
よびPD7との等価回路を図5に示す。なお、図1の断
面図で表示されているショットキ接合ダイオードは2個
であり、図3の平面図では4個であるが、図5では2個
として図示している。この図に示すように、受光素子で
あるpinフォトダイオードPD5に逆バイアス電圧が
印加され、ショットキ接合ダイオードPD6およびPD
7には順バイアス電圧が印加される。
【0031】このうち、pinフォトダイオードPD5
のエネルギバンド図は、図9と同様となる。一方、ショ
ットキ接合ダイオードPD6またはPD7のエネルギバ
ンド図は、図6に示すものとなる。一般に、ショットキ
接合の拡散電位Vdは、pn接合の拡散電位と比べて小
さい。それ故、ショットキ接合ダイオードPD6および
PD7に光電流Ipが流れることに因る電圧降下V1
は、従来のpn接合ダイオードにおける電圧降下に比べ
て小さい。つまり、受光素子として作用するpinフォ
トダイオードPD5に印加される逆バイアス電圧の低
下、すなわち、ノンドープInGaAs光吸収層23に
印加される電界強度の低下は小さい。したがって、本発
明に係る半導体受光素子の応答特性は、受光して光電流
Ipが流れた場合であっても低下することはない。
【0032】また、ショットキ接合ダイオードPD6お
よびPD7の微分抵抗は、pn接合ダイオードの微分抵
抗に比べて小さくすることができる。このようにする
と、受光素子として作用するpinフォトダイオードP
D5が受光する光量が少なく光電流Ipが小さい場合で
あっても、半導体受光素子全体としての動作速度の低下
は僅かである。したがって、本発明に係る半導体受光素
子の最小受光感度を、従来のものと比較して小さくする
ことができる。
【0033】さらに、ショットキ接合ダイオードとした
ことにより以下のような効果もある。従来のものにおい
ては、pinフォトダイオードPD1と同様に、pin
フォトダイオードPD2およびPD3も光を受けると光
電流Iqを発生する。この光電流Iqは、本来の受光素
子であるpinフォトダイオードPD1から発生する光
電流Ipが流れる方向と反対の方向に流れる電流である
ので、光電流Ipを打ち消すことになる。しかし、本発
明に係る半導体受光素子におけるショットキ接合ダイオ
ードPD6およびPD7は、ノンドープInGaAs光
吸収層23に空乏層が生じることはないので、波長1.
3μmの光が入射しても光電流の発生は僅かである。し
たがって、pinフォトダイオードPD5だけでなくシ
ョットキ接合ダイオードPD6およびPD7に光が入射
した場合であっても、pinフォトダイオードPD5か
ら発生する光電流Ipは、殆ど出力低下を受けることな
く出力される。
【0034】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。図3に示した電極側
平面図に限られるものではなく、pinフォトダイオー
ドおよびショットキ接合ダイオードそれぞれの形状、配
置、個数等は種々に改変することが可能である。例え
ば、図1および図2(d)においては、電極28は本半
導体受光素子の周辺端まで形成されているが、ダイシン
グ等の素子製造工程およびショットキ接合特性を考慮す
ると、電極28が周辺端まで形成されている必要はな
い。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明に係
る半導体受光素子は、3−5族化合物半導体からなる第
1のn型導電性半導体層上に光吸収半導体層と第2のn
型導電性半導体層とが順次積層され、その第2のn型導
電性半導体層と光吸収半導体層の所定領域にp型不純物
拡散領域が形成され、p型不純物拡散領域に接続する第
1の電極と第2のn型導電性半導体層に接続する第2の
電極とが形成される。
【0036】このような構成としたので、p型不純物拡
散領域と光吸収半導体層と第1のn型導電性半導体層と
から、pinフォトダイオードが形成され、また、第2
のn型導電性半導体層と第2の電極とから、ショットキ
接合ダイオードが形成される。そして、第1の電極に対
して第2の電極に高電位が印加されると、pinフォト
ダイオードには逆バイアス電圧が印加され、ショットキ
接合ダイオードには順バイアス電圧が印加される。この
とき、第1のn型導電性半導体層の側から光が入射する
と、その光はpinフォトダイオードによって受光さ
れ、光電流が発生する。この光電流はショットキ接合ダ
イオードを順方向に流れる。しかし、このショットキ接
合ダイオードに光電流が流れることに因り生じる電圧降
下は小さいので、pinフォトダイオードに印加される
逆バイアス電圧の降下も小さく、それ故、応答特性の低
下が小さい。
【0037】また、ショットキ接合ダイオードの微分抵
抗は小さいので、pinフォトダイオードが受光する光
量が少なく光電流が小さくても、本発明に係る半導体受
光素子の動作速度の低下は僅かであるので、最小受光感
度は小さい。また、ショットキ接合ダイオードに光が入
射しても、そこで発生する光電流は僅かであり、pin
フォトダイオードが受光して出力された光電流が打ち消
されることはない。
【0038】また、第1の電極を、pinフォトダイオ
ードに逆バイアス電圧が印加されたときに生じる空乏層
の面積以下の面積とすれば、pinフォトダイオードの
pin接合部の容量が小さくなるので、応答特性が高速
になる。
【0039】さらに、第1の電極とp型不純物拡散層と
を小面積のコンタクトホールで接続することにより、第
1の電極は薄い絶縁層の上に形成されてほぼ平坦とな
り、また、第2の電極も平坦な第2のn型導電性半導体
層の上に形成されて平坦となる。したがって、両電極と
も機械的ストレスに強く、フリップチップボンディング
が容易となり、p型不純物拡散層への衝撃が緩和され
る。また、フリップチップボンディング方式を採用する
ことから寄生容量が小さく、この点でも応答速度の高速
化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体受光素子の断面構成図であ
る。
【図2】本発明に係る半導体受光素子の製造工程図であ
る。
【図3】本発明に係る半導体受光素子の電極側から見た
平面図である。
【図4】本発明に係る半導体受光素子の光入射側から見
た平面図である。
【図5】本発明に係る半導体受光素子の等価回路図であ
る。
【図6】ショットキ接合ダイオードのエネルギバンド図
である。
【図7】従来の半導体受光素子の断面図である。
【図8】従来の半導体受光素子の等価回路図である。
【図9】pinフォトダイオードのエネルギバンド図で
ある。
【図10】従来の半導体受光素子にバイアス電圧を印加
したときの等価回路図である。
【符号の説明】
21…n+ 型InP基板、22…n- 型InP層、23
…ノンドープInGaAs光吸収層、24…n- 型In
P層、25…p型不純物拡散領域、26…絶縁層、2
7,28…電極、29…反射防止膜、30…遮光膜、3
1…コンタクトホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藁科 禎久 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 大場 公嗣 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−5族化合物半導体からなるn型導電
    性半導体基板と、 前記n型導電性半導体基板上に積層された第1のn型導
    電性半導体層と、 前記第1のn型導電性半導体層上に積層された光吸収半
    導体層と、 前記光吸収半導体層上に積層された第2のn型導電性半
    導体層と、 前記第2のn型導電性半導体層と前記光吸収半導体層の
    所定領域に形成されたp型不純物拡散領域と、 前記第2のn型導電性半導体層上であって、前記所定領
    域のうちの第1の領域と前記所定領域以外の領域のうち
    の第2の領域とを除く領域上に形成された絶縁層と、 前記第1の領域において前記p型不純物拡散領域に接続
    する第1の電極と、 前記第2の領域において前記第2のn型導電性半導体層
    に接続する金属からなる第2の電極と、 を備えることを特徴とする半導体受光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極は、前記p型不純物拡散
    領域と前記光吸収半導体層と前記第1のn型導電性半導
    体層とから前記n型導電性半導体基板上に形成されるp
    inフォトダイオードに逆バイアス電圧が印加されたと
    きに生じる空乏層の面積以下の面積である、ことを特徴
    とする請求項1記載の半導体受光素子。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230784A (ja) * 1998-02-12 1999-08-27 Hamamatsu Photonics Kk 光学式エンコーダ
KR100867106B1 (ko) * 2007-08-13 2008-11-06 쌍신전자통신주식회사 광 감지용 반도체 소자 및 이것의 제조방법
JP2012119490A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Sumitomo Electric Device Innovations Inc 半導体受光素子及びそれを有する受光装置
CN103915525A (zh) * 2014-04-08 2014-07-09 上海电力学院 一种提高光电转化性能的红外焦平面探测器
CN114566579A (zh) * 2016-07-05 2022-05-31 苏州乐琻半导体有限公司 半导体元件

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