JPH09222139A - パーキングブレーキ装置の構造 - Google Patents

パーキングブレーキ装置の構造

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JPH09222139A
JPH09222139A JP5425896A JP5425896A JPH09222139A JP H09222139 A JPH09222139 A JP H09222139A JP 5425896 A JP5425896 A JP 5425896A JP 5425896 A JP5425896 A JP 5425896A JP H09222139 A JPH09222139 A JP H09222139A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で容易に分解、組立可能な、整備性の
良いパーキングブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 パーキングブレーキ装置20を、カバー
21、アウタドラム23、ころ軸受15、スペーサ1
6、インナドラム17、ピストン30、スプリング3
1、エンドプレート24、ディスク26、プレート27
によりユニットとして構成し、インナドラム17をスペ
ーサ16で径方向に支持し、インナドラム17とアウタ
ドラム23を軸方向に係合させる。このパーキングブレ
ーキ装置20のユニットを減速機ケース4にボルト22
で締着し、ユニットとして容易に分解、組立を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用トランスミ
ッション等の出力部に装置される多板式のパーキングブ
レーキ装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用のパーキングブレーキ装置として
は従来から種々の構造のものがあるが、多板式のパーキ
ングブレーキ装置の一例として実開平4−133033
により提案されたものがある。
【0003】図6は実開平4−133033により提案
されたパーキングブレーキ装置を装着した減速機の一部
断面図である。すなわち駆動装置50からの入力はギヤ
ケース51内の減速機により減速され、駆動軸52を介
して駆動輪53に伝えられる。パーキングブレーキ装置
60はギヤケース51に取着されたブレーキケース54
内の駆動軸52の途中に設けられている。
【0004】図7はパーキングブレーキ装置60部分の
詳細断面図である。パーキングブレーキ装置60は駆動
軸52に係合する回転プレート61と、ブレーキケース
54に係合する固定プレート62と、スプリング63を
内設したピストン64と、スナップリング65によりブ
レーキケース54に係止されてスプリング63の力を支
えるプレート66とからなっている。駐車時にはスプリ
ング63によってピストン64が図中右側に移動し、回
転プレート61と固定プレート62を押し付けてブレー
キ力を発生する。駐車ブレーキ解除時にはブレーキケー
ス54とピストン64とにより構成される受圧室67に
導かれる流体圧によってピストン64を図中左側に移動
させてブレーキを解除するようになっている。図7では
上半分にパーキングブレーキON時を、下半分にパーキ
ングブレーキOFF時を示している。
【0005】図8はピストン64とスプリング63なら
びにプレート66をボルト68により一つのユニット6
9とした状態を示している。ピストン64とプレート6
6にはそれぞれ相応する位置にボルト穴が設けられてい
る。
【0006】このユニット69をブレーキケース54に
装着してスナップリング65で固定した後にボルト68
を抜き取ることで、多大なスプリング力に抗することな
く容易にブレーキの装着を行うことができる。また、分
解時にはボルト68を締めつけてピストン64、スプリ
ング63、プレート66を一体のユニット69とした後
にスナップリング65を外してユニット69をブレーキ
ケース54から取り外すことで容易に、安全に分解が可
能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成においては、ピストン、スプリング、プレートを一体
としたユニットと、回転プレート、固定プレートとが分
離された構造であり、しかも駆動軸が回転プレート内を
貫通している。そのため、回転プレートのディスク面が
磨耗して交換する場合、あるいはパーキングブレーキ装
置の整備を行う場合等でパーキングブレーキ装置を分解
するときには、ユニットを外し、駆動軸を抜き取った後
に固定プレートおよび回転プレートを取り外さなければ
ならず、分解作業が面倒で時間もかかる。同様に組み立
て作業も面倒で多大の時間を要するという問題がある。
【0008】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、短時間で容易に分解、組立が可能な整備性の良
いパーキングブレーキ装置の構造を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るパーキングブレーキ装置の構造にお
いては、軸受を介してケースに出力軸を支持し、ケース
に固設されたアウタドラムと、出力軸に取着されたイン
ナドラムとを備え、アウタドラムに係合する固定プレー
トとインナドラムに係合する回転プレートとを、圧着側
に付勢するスプリングによりピストンを介して圧着させ
るようにしたパーキングブレーキ装置において、前記ケ
ースに着脱自在に取着されたアウタドラムと、前記スプ
リングを内設して前記ケースに着脱自在に取着されたカ
バーと、前記軸受と出力軸との間に嵌挿され、前記イン
ナドラムを径方向に支持するスペーサと、パーキングブ
レーキ着脱時、前記アウタドラムを軸方向に移動したと
きに前記インナドラムを係止する突起部を前記アウタド
ラムに備えた構成としている。
【0010】前記スプリングの付勢力を解除するため
に、前記カバーとピストンとを締着する締付ボルト用の
ボルト穴を前記カバーに、前記締付ボルト用のめねじを
前記ピストンに設けた構成としている。
【0011】
【作用】上記のような構成としたため、アウタドラムを
軸方向に移動させるとインナドラムはアウタドラムの突
起部に係止し、固定プレート、回転プレート、カバー、
軸受、スペーサとともに一体のユニットとなって移動す
る。その際インナドラムはスペーサによって径方向に支
持され、パーキングブレーキ装置はユニットとして分
解、組立が可能となる。
【0012】また、必要に応じてカバーとピストンとを
締付ボルトで締着することによりスプリングの付勢力を
解除し、パーキングブレーキOFFの状態にすることが
可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】以下に本発明に係る
パーキングブレーキの構造の実施例について、図面を参
照して詳述する。
【0014】図1は変速機1の側面図であり、その後部
には減速機2が装着されている。減速機2の出力側には
前方カップリング11および後方カップリング12が装
着されており、入力軸3から入った動力は変速機1で変
速されたのち、減速機2で減速されて出力側の前方カッ
プリング11および後方カップリング12から出力され
る。
【0015】図2は図1のA矢視図であり、減速機ケー
ス4の前方カップリング11側にはカバー21がボルト
A22により締着されている。
【0016】図3は図2のB−B断面図であり、減速機
2の下部の構成を示している。出力軸10の後方カップ
リング12側は、減速機ケース4にケージ5およびテー
パころ軸受13を介して回転自在に取着されている。出
力軸10には減速歯車14が固着され、動力が伝達され
るようになっている。出力軸10の前方カップリング1
1側は、カバー21にころ軸受15およびスペーサ16
を介して回転自在に取着されており、前方カップリング
11側にはパーキングブレーキ装置20が設けられてい
る。前方カップリング11は出力軸10のスプライン1
0aに挿入され、ボルトB18により締着されている。
【0017】つぎにパーキングブレーキ装置20の構成
について説明する。出力軸10にはスペーサ16に当接
して軸方向にインナドラム17が設けられている。減速
機ケース4にはカバー21とアウタドラム23がボルト
22により共締めされており、アウタドラム23の先端
部にはエンドプレート24がスナップリング25により
固設されている。エンドプレート24のカバー21側に
は、インナドラム17に係合する複数のディスク26と
アウタドラム23に係合する複数のプレート27が交互
に配置されている。
【0018】アウタドラム23のカバー21側にはピス
トン30が軸方向に摺動可能に内設され、常時はカバー
21に内設された複数のスプリング31によりプレート
27側に付勢されていてプレート27とディスク26と
を圧着し、パーキングブレーキONの状態(図3の上半
分の状態)にある。パーキングブレーキをOFFにする
場合には、アウタドラム23とピストン30との間に形
成された油室32に、図示されない油圧装置から圧油を
供給し、スプリング31を圧縮してピストン30を図の
左側に移動し、ディスク26とプレート27との圧着を
解除してパーキングブレーキOFFの状態(図3の下半
分の状態)にする。
【0019】図4は図2のC−C断面図であり、パーキ
ングブレーキ装置20部を詳細に示している。すなわ
ち、スペーサ16はスプライン16aで出力軸10に係
合しており、インナドラム17はスプライン17aで出
力軸10に係合している。そして、スペーサ16の端部
に設けられた段付部16bはインナドラム17の端部に
設けられた段付穴17bに嵌合しており、スペーサ16
はインナドラム17を径方向に支持している。エンドプ
レート24の内径部にはインナドラム17の外径Dより
小さな直径dの突起部24aが設けられている。カバー
21にはボルト穴35が設けられ、ピストン30にはめ
ねじ33が設けられており、必要に応じてボルトC34
によりピストン30をカバー21側に引き寄せて締着で
きるようになっている。これは油圧によるパーキングブ
レーキ装置20の解除が不可能なときにパーキングブレ
ーキ装置20を解除したい場合、ボルト34によってピ
ストン30をカバー21側に引き寄せ、パーキングブレ
ーキ装置20をOFFにする。
【0020】図5のパーキングブレーキ装置20は図2
のD−D断面図であり、カバー21とアウタドラム23
とをボルトD28により締着している。インナドラム1
7は前述のようにスペーサ16に嵌合しており、その外
径はエンドプレート24の突起部24aの内径dより大
きいため、パーキングブレーキ装置20はカバー21、
アウタドラム23、エンドプレート24、ころ軸受1
5、スペーサ16、インナドラム17、ディスク26、
プレート27より構成される独立したユニットとなって
いる。
【0021】つぎに、パーキングブレーキ装置20の分
解方法について説明する。 (1)まず、図3に示すボルトB18を外し、前方カッ
プリング11を出力軸10から抜き取る。 (2)つぎに、ボルトA22を外し、パーキングブレー
キ装置20のユニットを減速機ケース4から抜き取る。
(図5参照)。すなわち、カバー21およびアウタドラ
ム23を図の左側に引き出すと、エンドプレート24の
突起部24aはインナドラム17の外径に係合し、イン
ナドラム17は同時に一体となって左側に引き出され
る。この場合、ころ軸受15はスペーサ16に嵌入され
ており、スペーサ16は出力軸10にスプライン16a
で係合し、インナドラム17は出力軸10にスプライン
17aで係合しているため、容易に抜き取ることができ
る。このときピストン30はスプリング31に付勢され
てディスク26とプレート27をエンドプレート24に
圧着しており、パーキングブレーキONの状態にある。
すなわち、パーキングブレーキ装置20はユニットとし
て取り出すことが可能であり、分解整備が非常に容易と
なる。
【0022】つぎに、パーキングブレーキ装置20の組
立方法について説明する。 (1)まず、パーキングブレーキ装置20をユニットと
して組み立てる。インナドラム17は段付穴17bがス
ペーサ16の段付部16bに嵌合しているため自動的に
芯だしがなされる。なお、このとき、スペーサ16のス
プライン16aとインナドラム17のスプライン17a
との位相を組立治具等で合わせておく。このユニットの
状態ではピストン30はスプリング31に付勢され、デ
ィスク26とプレート27をエンドプレート24に圧着
してパーキングブレーキONの状態にある。 (2)つぎに図5に示す状態でパーキングブレーキ装置
20ユニットを駆動軸10に挿入し、カバー21をボル
トA22により減速機ケース4に締着する。 (3)つぎに、前方カップリング11を出力軸10に挿
入し、ボルトB18で締着して組み立てを完了する。し
たがって、組み立てもパーキングブレーキ装置20をあ
らかじめユニットにしておくことが可能となり、作業が
極めて容易となる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上詳述したような構成とした
ため、ディスクおよびプレートを含んだパーキングブレ
ーキ装置のユニット化が可能となるとともに、ユニット
の分解、組立が容易にできるため、短時間で分解、組立
ができ、整備性の良いパーキングブレーキ装置の構造が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパーキングブレーキ装置を装着した変
速機の外観図である。
【図2】図1のA矢視図であり、パーキングブレーキカ
バーの正面図である。
【図3】図2のB−B断面図であり、パーキングブレー
キ装置の構成を示す側面断面図である。
【図4】図2のC−C断面図であり、ピストン解放用の
ボルトの構造を示すパーキングブレーキ装置の側面断面
図である。
【図5】パーキングブレーキ装置のユニットでの分解状
況を示す側面断面図であり、図2のD−D断面を示す。
【図6】従来のパーキングブレーキ装置を装着した減速
機の一部断面図である。
【図7】従来のパーキングブレーキ装置の構成を示す側
面断面図である。
【図8】同、ピストンとプレートとのユニットの構成を
示す断面図てある。
【符号の説明】
4 減速機ケース 10 出力軸 11 前方カップリング 13 テーパころ軸受 15 ころ軸受 16 スペーサ 16a,17a スプライン 16b 段付部 17 インナドラム 17b 段付穴 20 パーキングブレーキ装置 21 カバー 22 ボルトA 23 アウタドラム 24 エンドプレート 25 スナップリング 26 ディスク 27 プレート 28 ボルトD 30 ピストン 31 スプリング 33 めねじ 34 ボルトC

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受を介してケースに出力軸を支持し、
    ケースに固設されたアウタドラムと、出力軸に取着され
    たインナドラムとを備え、アウタドラムに係合する固定
    プレートとインナドラムに係合する回転プレートとを、
    圧着側に付勢するスプリングによりピストンを介して圧
    着させるようにしたパーキングブレーキ装置において、 前記ケースに着脱自在に取着されたアウタドラムと、前
    記スプリングを内設して前記ケースに着脱自在に取着さ
    れたカバーと、前記軸受と出力軸との間に嵌挿され、前
    記インナドラムを径方向に支持するスペーサと、パーキ
    ングブレーキ着脱時、前記アウタドラムを軸方向に移動
    したときに前記インナドラムを係止する突起部を前記ア
    ウタドラムに備えたことを特徴とするパーキングブレー
    キ装置の構造。
  2. 【請求項2】 前記スプリングの付勢力を解除するため
    に、前記カバーとピストンとを締着する締付ボルト用の
    ボルト穴を前記カバーに、前記締付ボルト用のめねじを
    前記ピストンに設けたことを特徴とする請求項1のパー
    キングブレーキ装置の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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