JPH09220795A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH09220795A
JPH09220795A JP8030425A JP3042596A JPH09220795A JP H09220795 A JPH09220795 A JP H09220795A JP 8030425 A JP8030425 A JP 8030425A JP 3042596 A JP3042596 A JP 3042596A JP H09220795 A JPH09220795 A JP H09220795A
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利文 大澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻取り性に優れ、特に高密度磁気記録媒体用
として有用な二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルムを提供
する。 【解決手段】 平均粒径40nm以上の不活性粒子を実
質的に含有しない熱可塑性樹脂層Aの片面に、不活性粒
子を含有しかつ熱可塑性樹脂層Aよりも粗い表面を有す
る熱可塑性樹脂層Bが積層されている二軸配向積層フィ
ルムであって、該熱可塑性樹脂層Aの表面が、フィルム
長手方向に対し0±10度の方向で、高さ2〜85n
m、平均幅20〜500μmのうねり状突起を4〜25
00個/mm 2 の頻度で有することを特徴とする積層フ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フィルムに関
し、更に詳しくは巻取り性、無欠点性、易滑性、ハンド
リング性等に優れ、特に電磁変換特性、ドロップアウ
ト、磁性層面の走行性、耐久性に優れた磁気記録媒体の
ベースフィルムとして有用な積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高密度化の進歩は
めざましく、例えば、強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパ
ッタリング等の物理沈着法又はメッキ法により非磁性支
持体上に形成せしめた金属薄膜型磁気記録媒体、またメ
タル粉や酸化鉄粉等の針状磁性粉体を2μm以下に塗布
した薄層塗布型磁気記録媒体の開発実用化が進められて
いる。前者の例としては、例えば、Coの蒸着テープ
(特開昭54―147010号公報)、Co―Cr合金
からなる垂直磁気記録媒体(特開昭52―134706
号公報)が知られ、また後者の例としては、例えば、極
薄層塗布型磁気記録媒体による高密度磁気記録(電子通
信学会技術報告MR94―78(1995―02))等
が知られている。
【0003】従来の塗布型磁気記録媒体(磁性粉末を有
機高分子バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布
してなる磁気記録媒体)は記録密度が低く、記録波長も
長い為に、磁性層の厚みが2μm程度以上と厚いのに対
して、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティ
ング等の薄膜形成手段によって形成される強磁性金属薄
膜は厚みが0.2μm以下と非常に薄く、また極薄層塗
布型の場合も、非磁性下地層を設けるものの、0.13
μmの厚みのものが提案され、非常に薄くなっている。
【0004】この為、上記の高密度磁気記録媒体におい
ては、非磁性支持体(ベースフィルム)の表面状態が磁
性層の表面性に大きな影響を及ぼし、特に金属薄膜型の
磁気記録媒体の場合には、非磁性支持体の表面状態がそ
のまま磁性層(磁気記録層)表面の凹凸として発現し、
それが記録・再生信号の雑音の原因となる。従って、非
磁性支持体の表面はできるだけ平滑であることが望まし
い。
【0005】一方、非磁性支持体(ベースフィルム)の
製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しとい
ったハンドリングの観点からは、フィルム表面が平滑過
ぎると、フィルム―フィルム相互の滑り性が悪化し、ブ
ッキング現象が発生し、ロールに巻いたときの形状(ロ
ールフォーメーション)が悪化し、製品歩留りの低下、
ひいては製品の製造コストの上昇をきたす。従って、製
造コストという観点では非磁性支持体(ベースフィル
ム)の表面は出来るだけ粗いことが望ましい。
【0006】このように、非磁性支持体の表面は、電磁
変換特性の観点からは平滑であることが要求され、ハン
ドリング性、フィルムコストの観点からは粗いことが要
求される。
【0007】さらに金属薄膜型磁気記録媒体の場合に
は、実際に使用される時の重大な問題点として、金属薄
膜面の走行性がある。磁性体粉末を有機高分子バンダー
中に混入させてベースフィルムに塗布してなる塗布型磁
気記録媒体の場合には、該バインダー中に潤滑剤を分散
させて磁性層面の走行性を向上させることが出来るが、
金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、この様な対策をと
ることができず、走行性を安定して保つのは非常に難し
く、特に高温高湿条件下の走行性が劣るなどの欠点を有
している。
【0008】そこで、優れた品質の高密度磁気記録媒体
を製造するには、上記二律背反する性質を同時に満足さ
せることが必要とされる。
【0009】この為の具体的方法として、フィルム表
面に特定の塗剤を塗布し、不連続皮膜を形成させる方法
(特公平3―80410号、特開昭60―180839
号、特開昭60―180838号、特開昭60―180
837号、特開昭56―16937号、特開昭58―6
8223号等)、フィルム表面に微細凹凸を有する連
続皮膜を塗布形成する方法(特開平5―194772
号、特開平5―210833号)、共押出し法等の技
術により表裏異面化する方法(特開平2―214657
号、特公平7―80282号)、又はととの組合
せによる方法(特開平3―73409号)等が提案され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
不連続皮膜や微細凹凸を有する連続皮膜を塗布形成する
方法においては、フィルム―フィルム間の滑り、ブロッ
キングといった課題は解決できているが、ベースフィル
ムの製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出し
といったハンドリングの点では不十分であり、製品歩留
り、製品コストの観点で、高密度大容量磁気記録媒体用
ベースフィルムへの適用には問題がある。また従来の共
押出し技術或いは、共押出し技術と不連続皮膜或いは連
続皮膜の組合わせ技術においても、同様の問題を抱えて
いる。さらに金属薄膜型磁気記録媒体の場合は高温高湿
条件下の走行性の問題を抱えたままである。
【0011】本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を
解消し、製膜工程での搬送性、耐傷付き性、巻取り性に
優れた積層フィルムを、さらにはこれら特性を有し、金
属薄膜型磁気記録媒体として用いた場合にも高温高湿条
件下の走行性に優れた、安価な高密度磁気記録媒体用二
軸配向積層フィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、第1に、平均粒径40nm以上の不活性粒子
を実質的に含有しない熱可塑性樹脂層Aの片面に、不活
性粒子を含有しかつ該熱可塑性樹脂層Aよりも粗い表面
を有する熱可塑性樹脂層Bが積層されている二軸配向積
層フィルムであって、該熱可塑性樹脂層Aの表面が、フ
ィルム長手方向に対し0±10度の方向で、高さ2〜8
5nm、平均幅20〜500μmのうねり状突起を4〜
2500個/mm2 の頻度で有することを特徴とする積
層フィルムによって達成される。
【0013】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を例示するこ
とができる。これらのうちポリステル系樹脂、さらには
芳香族ポリエステルが好ましい。
【0014】この芳香族ポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ―1,4―シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート等を好まし
く例示することができる。これらのうち、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレートが好ましい。
【0015】これらポリエステルは、ホモポリエステル
であっても、コポリエステルであっても良い。コポリエ
ステルの場合、例えばポリエチレンテレフタレート及び
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
の共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、
プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポ
リエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタ
ノール、p―キシレングリコール等の他のジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸(但し、ポリエチレン―2,6―ナフ
タレンジカルボキシレートの場合)、2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸(但し、ポリエチレンテレフタレートの
場合)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸等の他のジ
カルボン酸成分、p―オキシエトキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸成分等が挙げられる。これら共重合成分の
量は20モル%以下、更には10モル%以下であること
が好ましい。
【0016】さらに、トリメリット酸、ピロメリット酸
等の3官能以上の多官能化合物を共重合させることもで
きる。この場合ポリマーが実質的に線状である量、例え
ば2モル%以下共重合させるのがよい。
【0017】本発明において、二軸配向積層フィルムは
熱可塑性樹脂層Aと熱可塑性樹脂層Bとを有するが、層
Aと層Bの熱可塑性樹脂は同じでも違っていてもよい。
このうち同じ樹脂であることが好ましい。特に層Aと層
Bがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン―
2,6―ナフタレンジカルボキシレートからなるのが好
ましい。
【0018】本発明における二軸配向積層フィルムは、
平坦表面の層(すなわち熱可塑性樹脂層A)と粗面の層
(すなわち熱可塑性樹脂層B)とを有する。そして、熱
可塑性樹脂Bの層Aとは接しない面には、必要に応じ被
覆層Cを設けることが可能である。また熱可塑性樹脂層
Aの層Bと接しない面には、本発明の効果を阻害しない
範囲の薄い被覆層を設けることも必要に応じて可能であ
る。
【0019】この熱可塑性樹脂層Aは、平均粒径が40
nm以上、好ましくは10nm以上、更に好ましくは5
nm以上の不活性粒子を実質的に含有せず、さらにその
表面のフィルム長手方向に対し0±10度の方向に測定
した粗さプロファイルにおいて高さ2〜85nm、好ま
しくは2〜50nm、更に好ましくは2〜25nm、平
均幅20〜500μm、好ましくは20〜300μm、
更に好ましくは20〜200μmのうねり状突起が4〜
2500個/mm2 、好ましくは10〜2000個/m
2 、更に好ましくは10〜2000個/mm2 の頻度
で存在する表面特性を有する。
【0020】このうねり状突起は高さが2nm未満、あ
るいは幅が500μmを超えると、製膜工程での搬送、
フィルムの傷付き、製品ロールの巻姿、フィルム―フィ
ルム間のブロッキング現象、また金属薄膜型磁気記録用
として用いられた場合の高温高湿条件下のテープの走行
性といった点で不十分である。
【0021】一方、うねり状突起の高さが85μmを超
えると、電磁変換特性に支障をきたし、高密度磁気記録
媒体用ベースフィルムとしては適さない。またうねり状
突起の平均幅が20μm未満ではうねり状突起の高さが
25nm以下の領域で、製膜工程での搬送性、テープの
走行性の点が不十分となる。
【0022】なお、うねり状突起の測定方向はフィルム
長手方向に対し0±10度の方向とするが、これは本発
明によるベースフィルムを用いた高密度磁気記録テープ
が適用される磁気記録システムのテープ上を磁気ヘッド
がスキャンするトラックと同じ方向に合せることによ
る。
【0023】熱可塑性樹脂層Aでのうねり状突起は、そ
の形成方法によって制約を受けるものでないが、熱可塑
性樹脂層B中に含有せしめた不活性粒子の延伸に伴う層
Aの突き上げ作用によるのが好ましい。
【0024】この突き上げ作用をより効率よく発現させ
るには、該不活性粒子の平均粒径と熱可塑性樹脂層Aの
厚さとが特定の関係を満たすようにするのが好ましい。
すなわち、熱可塑性樹脂層B中の不活性粒子は単独粒子
又は大きさの違う2種以上の粒子からなるが、単独粒子
の平均粒径又は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の
平均粒径をdB (μm)とし、層Aの厚さをtA (μ
m)とすると、下記式1
【0025】
【数2】4≦tA /dB ≦40 ……1 を満足するようにするのが好ましい。このtA /dB
4〜25、更には4〜16、特に4〜8であるのが好ま
しい。
【0026】本発明における熱可塑性樹脂層Aは、さら
に、その表面粗さが、中心面平均粗さ(WRaA )で1
0nm以下、更には5nm以下、特に2nm以下、就中
1nm以下であることが好ましい。この表面粗さが粗れ
すぎると、電磁変換特性等が低下し、好ましくない。
【0027】本発明において粗面を形成する熱可塑性樹
脂層Bは、上記のように不活性粒子を含有する。そして
この表面は熱可塑性樹脂層Aの表面よりも粗い表面粗さ
を有する。換言すると、熱可塑性樹脂層Bの中心面平均
粗さWRaB と熱可塑性樹脂層Aの中心面平均粗さWR
A とが下記式2
【0028】
【数3】WRaB >WRaA ……2 ここで、WRaA 、WRaB は熱可塑性樹脂層A、Bの
それぞれの外側の表面で測定した非接触3次元中心面平
均粗さである。を満足する。WRaB はWRaA よりも
1nm以上、更に1.5nm以上大きいことが好まし
い。そして、この中心面平均粗さWRaB は2nm以上
15nm未満、更には3〜10nm、特に3〜7nmで
あることが好ましい。
【0029】熱可塑性樹脂層Bの表面粗さWRaB が1
5nm以上では、熱可塑性樹脂層Aの表面のうねり状突
起の高さ、平均幅が前述の要件を満たすのが難しく、ま
た2nm未満では搬送性等のハンドリング性、テープの
走行性等の点で不十分であり、好ましくない。さらにW
RaB がWRaA 以下では、その平坦性の故にベースフ
ィルムの製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しと
いったハンドリング性の悪化をきたし、またフィルム―
フィルム相互の滑り性の悪化によりブロッキング現象が
発生し、ロールに巻いたときの形状(ロールフォーメー
ション)が悪化し、生産性の悪化、製品歩留りの低下、
ひいては製品の製造コストの上昇をきたすので好ましく
ない。
【0030】熱可塑性樹脂層Bに上記の表面特性を付与
し、かつ熱可塑性樹脂層Aに上記のうねり状突起を発現
させるには、層B中の不活性粒子の前記平均粒径dB
0.2〜1μm、更に0.2〜0.8μm、特に0.2
〜0.6μmであることが好ましい。この平均粒径dB
は、不活性粒子が単独粒子からなる場合にはこの平均粒
径を、また大きさの違う2種以上の粒子からなる場合に
はこれらのうち最も大きい粒子の平均粒径を意味する。
【0031】この平均粒径dB を有する不活性粒子とし
ては、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋ス
チレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタク
リレート、メチルメタクリレート共重合体、架橋メチル
メタクリレート共重合体、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリ
ル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き耐熱性有機高分子か
らなる微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオ
リン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、
二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等
の如き無機化合物からなる微粒子のいずれを用いてもよ
い。これらの中、体積形状係数が0.4〜π/6の粒子
が好ましい。
【0032】熱可塑性樹脂層Bには、上記平均粒径dB
を有する粒子のほかに平均粒径の小さい粒子を1種以上
含有させることができる。そしてこの場合、第2、第3
の小さい粒子として、平均粒径が0.01μm以上0.
1μm以下の微細粒子、例えばコロイダルシリカ、α、
γ、δ、θ等の結晶形態を有するアルミナ等の微細粒子
を好ましく用いることができる。また平均粒径dB を有
する不活性粒子として例示したもののうち平均粒径が
0.01μm以上0.1μm以下の微細粒子も用いるこ
とができる。
【0033】これら不活性粒子の含有量は0.001〜
5.0重量%、更には0.005〜1.0重量%、特に
0.01〜0.5重量%であることが好ましい。
【0034】本発明において積層フィルムの全厚みは、
通常2.5〜20μm、好ましくは3.0〜10μm、
更に好ましくは4.0〜10μmである。平坦層Aと粗
面層Bとの層厚構成は、平坦層Aの表面にうねり状突起
が生じるように、粗面層Bに添加する不活性粒子の平均
粒径dB と平坦層Aの層厚tA とから好適な厚みに設定
される。平坦層Aの厚さtA は0.8μm以上であるこ
と、また粗面層Bの厚さtB は不活性粒子Bの前記平均
粒径dB の1/2倍以上(μm)であることが好まし
い。
【0035】本発明の積層フィルムは、従来から知られ
ている或いは当業界に蓄積されている方法で製造するこ
とができる。そのうち、共押出し法により製造するのが
好ましい。例えば、二軸配向ポリエステルフィルムで説
明すると、押出し口金内又は口金以前(一般に前者はマ
ルチマニホールド方式、後者はフィードブロック方式と
呼ぶ)で、前述の平坦層のポリエステルAと不活性粒子
を含有する粗面層のポリエステルBを溶融状態にて積層
複合し、前述の好適な厚み比の積層構造と成し、次いで
口金より融点Tm℃〜(Tm+70)℃の温度でフィル
ム状に共押出した後、40〜90℃で急冷固化し未延伸
積層フィルムを得る。しかる後に、該未延伸積層フィル
ムを常法に従って一軸方向(縦方向又は横方向)に(T
g−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:該
ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜8.0倍の
倍率で、好ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸し、
次いで前記方向とは直角方向にTg〜(Tg+70)℃
温度で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜
7.5倍の倍率で延伸する。更に必要に応じて縦方向及
び/又は横方向に再度延伸しても良い。即ち、2段、3
段、4段、或いは多段の延伸を行うと良い。全延伸倍率
は、面積延伸倍率として通常9倍以上、好ましくは12
〜35倍、更に好ましくは15〜26倍である。更に引
き続いて、二軸配向フィルムを(Tg+70)〜(Tm
−10)℃の温度、例えば180〜250℃で熱固定結
晶化することによって優れた寸法安定性が付与される。
なお、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
【0036】かかる方法により、層間密着性の良い二軸
配向積層ポリエステルフィルムが得られる。
【0037】上述の例は、熱可塑性樹脂層A、Bが共に
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
又はポリエチレンテレフタレートの場合に好適である
が、層Aのみ或いは層Bのみがポリエチレン―2,6―
ナフタレンジカルボキシレート又はポリエチレンテレフ
タレートの場合にも同様である。
【0038】なお、積層フィルムの製造に際し、熱可塑
性樹脂に、所望により上述の不活性粒子以外の添加剤例
えば安定剤、着色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤等
を添加含有させることができる。
【0039】本発明において、磁気記録媒体としてのヘ
ッドタッチ、走行耐久性を初めとする各種性能を向上さ
せ、同時に薄膜化を達成するには、積層フィルムのヤン
グ率を縦方向、横方向でそれぞれ450kg/mm2
上、600kg/mm2 以上、更には480kg/mm
2 以上、680kg/mm2 以上、特に550kg/m
2 以上、800kg/mm2 以上、就中550kg/
mm2 以上、1000kg/mm2 以上とするのが好ま
しい。また、ポリエチレンテレフタレート層の結晶化度
は30〜50%、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレート層の結晶化度は28〜38%であるこ
とが望ましい。いずれも下限を下回ると、熱収縮率が大
きくなるし、一方上限を上回るとフィルムの耐磨耗性が
悪化し、ロールやガイドピン表面と摺動した場合に白粉
が生じやすくなる。
【0040】本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂層
A、即ち平坦面側の表面に、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバル
ト、クロム又はこれらを主成分とする合金もしくは酸化
物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面
に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカー
ボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系潤滑
層を順次設け、更に熱可塑性樹脂層B側の表面に公知の
バックコート層を設けることにより、特に短波長領域の
出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロッ
プアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁
気記録媒体とすることが出来る。この蒸着型電磁記録媒
体は、アナログ信号記録用Hi8、ディジタル信号記録
用ディジタルビデオカセットレコーダー(DVC)、デ
ータ8ミリ、DDSIV用テープ媒体として極めて有用で
ある。
【0041】本発明の積層フィルムは、また、熱可塑性
樹脂層A、即ち平坦面側表面に、鉄又は鉄を主成分とす
る針状微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸
ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層
厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるよ
うに塗布し、更に熱可塑性樹脂層B側の表面に公知の方
法でバックコート層を設けることにより、特に短波長領
域での出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、
ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メ
タル塗布型磁気記録媒体とすることが出来る。また、必
要に応じて層Aの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層
として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁
性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することも
できる。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信
号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W―VH
S、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットコ
ーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタ
ルβカム、D2、D3、SX等用テープ媒体として極め
て有用である。
【0042】本発明の積層フィルムは、また、熱可塑性
樹脂層A、即ち平坦面側表面に、酸化鉄又は酸化クロム
等の針状微細磁性粉、又はバリウムフェライト等の板状
微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニー
ル共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが
1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗
布し、更に熱可塑性樹脂層B側の表面に公知の方法でバ
ックコート層を設けることにより、特に短波長領域での
出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロッ
プアウト、エラーレートの少ない高密度記録用塗布型磁
気記録媒体とすることが出来る。また、必要に応じて層
Aの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な
酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の
有機バインダー中に分散、塗設することも出来る。この
酸化物塗布型磁気記録媒体は、ディジタル信号記録用デ
ータストリーマー用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気
記録媒体として有用である。
【0043】上述のW―VHSはアナログのHDTV信
号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHD
TV信号記録用として適用可能なものであり、本発明の
フィルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に
極めて有用なベースフィルムと言うことができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、本発明において用いた測定法は次の通りであ
る。
【0045】(1)固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒中35℃で測定した値から
求める。
【0046】(2)粒子の平均粒径I(平均粒径:0.
06μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューグル パーテ
ィクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle
Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降
曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算
曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球
直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book
「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁2
42〜247参照)。
【0047】(3)粒子の平均粒径II(平均粒径:0.
06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、
光散乱法を用いて測定する。即ち、Nicomp In
struments Inc.社製のNICOMP M
ODEL 270 SUBMICRON PARTIC
LE SIZER により求められる全粒子の50重量
%の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。
【0048】(4)体積形状係数f 走査型電子顕微鏡により用いたサイズに応じた倍率にて
各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼックス
500(日本レギュレーター製)を用い、投影面最大径
及び粒子の体積を算出し、次式により算出する。
【0049】
【数4】f=V/D3 式中、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μm3 )、
Dは投影面の最大径(μm)を表す。
【0050】(5)層厚 フィルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10
点測定し、その平均値を用いる。層厚は、薄い側の層厚
を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全
厚より薄い側の層厚に引き算して求める。即ち、二次イ
オン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ
5000nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度
の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度
比(M+/C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ500
0nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という
界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて
粒子濃度は高くなる。本発明の場合、粒子濃度は一旦安
定値1になった後、上昇或いは減少して安定値2になる
場合と、単調に減少する場合とがある。この分布曲線を
もとに、前者の場合は(安定値1+安定値2)/2の粒
子濃度を与える深さをもって、また後者の場合は粒子濃
度が安定値1の1/2になる深さ(この深さは安定値1
を与える深さよりも深い)をもって、当該層の層厚とす
る。
【0051】測定条件は以下の通りである。 測定装置 二次イオン質量分析装置(SIMS);PERKIN
ELMER社製 6300 測定条件 一次イオン種 :O2+ 一次イオン加速電圧:12KV 一次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E―GUNN :0.5KV―3.0A 尚、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒
子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSI
MSでは測定が難しいので、表面からエッチングしなが
らFT―IR(フーリエトランスフォーム赤外分光
法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で
上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。
【0052】(6)フィルム表面のうねり状突起 WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて、うねり状突起の大きさ、高さに応じ、測定倍率
40倍、測定面積234μm×240μm(0.056
mm2 )、又は測定倍率10倍、測定面積956μm×
980μm(0.937mm2 )にて測定し、得られた
三次元粗さチャートより、うねりの高さ、平均幅を読み
取る。尚、測定はフィルムの長手方向に対し5〜10度
の方向に切り出したサンプルにて行った。
【0053】(7)中心面平均粗さ WRa WYKO社製非接触3次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて測定倍率40倍、測定面積242μm×239μ
m(0.058mm2 )の条件にて測定を行ない、同粗
さ計内臓ソフトによる表面解析より、WRaは以下の式
により計算されアウトプットされた値を用いる。
【0054】
【数5】
【0055】また、Zjkは測定方向(242μm)、そ
れと直行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N
分割したときの各方向のj番目、k番目の位置に於ける
3次元粗さチャート上の高さである。
【0056】(8)ヤング率 東洋ボールドウィン社製の引っ張り試験機テンシロンを
用いて、温度20℃、湿度50%に調節された室内に於
いて、長さ300mm、幅12.7mmの試料フィルム
を、10%/分のひずみ速度で引っ張り、引っ張り応力
―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて次ぎの式によっ
て計算する。
【0057】
【数6】E=Δσ/Δε ここで、Eはヤング率(kg/mm2 )、Δσは直線上
の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは同じ2
点間のひずみ差である。
【0058】(9)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化後、幅560mm×
長さ9000mのサイズで、10ロールのスリットを行
い、1週間放置後の、フィルムシワの発生状況よる製品
化可能ロール本数よって、以下の基準にて巻き取り性の
評価をする。
【0059】
【0060】(10)磁気テープの製造及び特性評価 二軸配向積層フィルムの熱可塑性樹脂A、即ち平坦面側
表面に、真空蒸着法により、コバルト100%の強磁性
薄膜を0.02μmの厚みになるように2層(各層厚約
0.1μm)形成し、その表面にダイアモンドライクカ
ーボン(DLC)膜、更に含フッ素カルボン酸系潤滑層
を順次設け、更に熱可塑性樹脂B側の表面に公知方法で
バックコート層を設ける。その後、8mm幅にスリット
し、市販の8mmビデオカセットにローディングする。
次いで、以下の市販の機器を用いてテープの特性を測定
する。
【0061】使用機器:8mmビデオテープレコーダー
ソニー(株)製EDV―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター
【0062】C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を
記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの
値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用
蒸着テープのC/NをOdBとし、相対値で表す。 高温高湿下の走行性 50℃、80%RHの高温高湿下でテープを継続再生走
行させた時、再生画像を観察し、画像の揺れの有無で判
定する。
【0063】(11)フィルムのすり傷 スリット後の最終製品ロールよりフィルムをサンプリン
グし、平坦面側表面を光学顕微鏡100倍にて観察し、
20視野中のすり傷の個数をカウントする。判定基準は
以下の通りである。
【0064】
【0065】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤
として亜燐酸を、更に滑剤として表1、2に示す不活性
粒子を添加して常法により重合し、固有粘度0.60の
層A用、及び層B用のポリエチレンテフタレート(PE
T)(それぞれ樹脂A、樹脂B)を得た。
【0066】この樹脂A、樹脂Bをそれぞれ170℃で
3時間乾燥後、2台の押出し機に供給し、溶融温度28
0〜300℃にて溶融し、マルチマニホールド型共押出
しダイを用いて、樹脂層Aの片面に樹脂層Bを積層さ
せ、急冷して厚さ129μmの未延伸積層フィルムを得
た。
【0067】得られた未延伸フィルムを予熱し、更に低
速・高速のロール間でフィルム温度95℃にて3.2倍
に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、110
℃にて横方向に4.1倍に延伸した。得られた二軸延伸
フィルムを220℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み9.
8μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。各
層の厚みについては、2台の押出し機の吐出量により調
整した。このフィルムのヤング率は縦方向500kg/
mm2 、横方向700kg/mm2 であった。
【0068】この積層二軸配向フィルムの表面特性、平
坦層Aの厚みtA と粗面層Bが含有する不活性粒子のう
ち、最も大きい粒子の平均粒径dB との比tA /dB
巻き取り性、このフィルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気
テープの特性を表3に示す。
【0069】[実施例2、3、比較例1〜3、5]表
1、2に示す粒子を使用し、粗面層B、平坦層Aの層厚
みを表1、2の通り調整した以外は、実施例1と同様の
方法で、積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。但
し、比較例5は単層構造のフィルムである。得られた積
層二軸配向フィルムの特性、及びこれらのフィルムを用
いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの特性を表3に示す。
【0070】[実施例4〜7、比較例4、6]表1、2
に示す粒子を使用し、かつジメチルテレフタレートの代
わりに2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを同モ
ル量使用した以外は実施例1と同様の方法で平坦層A、
粗面層B用のポリエチレン―2,6―ナフタレート(P
EN)(それぞれ樹脂A、樹脂B)を得た。
【0071】この樹脂A、樹脂Bをそれぞれ170℃で
6時間乾燥後、実施例1と同様にして各層厚を調整し、
各実施例、比較例を満たす未延伸積層フィルムを得た。
但し、比較例6は単層構造のフィルムである。
【0072】得られた未延伸フィルムを予熱し、更に低
速・高速のロール間で、フィルム温度135℃にて3.
6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、1
55℃にて横方向に6.0倍に延伸した。得られた二軸
延伸フィルムを200℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み
4.8μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た
(但し、比較例6は単層構造)。これらのフィルムのヤ
ング率は縦方向560kg/mm2 、横方向1100k
g/mm2 であった。但し、実施例6では縦倍率4.8
5×横倍率5.0の延伸条件で、全厚4.8μm、ヤン
グ率が縦方向700kg/mm2 、横方向730kg/
mm2 のフィルムを得、また実施例7では縦倍率4.0
×横倍率5.0の延伸条件で、全厚が7.5μm、ヤン
グ率が縦方向600kg/mm2 、横方向900kg/
mm2 のフィルムを得た。この様にして得られたフィル
ムの特性、及びこれらのフィルムを用いた強磁性薄膜蒸
着磁気テープの特性を表3に示す。
【0073】表3から明らかなように、本発明による積
層フィルムは、耐スリ傷性に優れ、片面が非常に平坦
で、優れた電磁変換特性を示すと同時に、電磁変換特性
に悪影響を与えない程度の、高さが低く幅の大きいうね
り状突起を併せ持つ効果によるテープとしての高温高湿
下の安定した走行性と、該うねりと反対面の粗面との両
方の効果により、極めて優れたベースフィルムとしての
巻き取り性とを兼ね備えている。一方、従来の技術は、
これら4つの要件を同時に満足できていない。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、巻取り性、無欠点性、
易滑性、ハンドリング性に優れ、特に電磁変換特性、ド
ロップアウト、磁性層の走行性、耐久性の優れた高密度
磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な積層フィル
ムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 B32B 27/36 G11B 5/66 G11B 5/66 // B29K 67:00 105:16 B29L 9:00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径40nm以上の不活性粒子を実
    質的に含有しない熱可塑性樹脂層Aの片面に、不活性粒
    子を含有しかつ該熱可塑性樹脂層Aよりも粗い表面を有
    する熱可塑性樹脂層Bが積層されている二軸配向積層フ
    ィルムであって、該熱可塑性樹脂層Aの表面が、フィル
    ム長手方向に対し0±10度の方向で、高さ2〜85n
    m、平均幅20〜500μmのうねり状突起を4〜25
    00個/mm2 の頻度で有することを特徴とする積層フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂層B中の不活性粒子が単独
    粒子又は大きさの違う2種以上粒子からなり、単独粒子
    の平均粒径又は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の
    平均粒径と熱可塑性樹脂層Aの厚みが下記式1を満足す
    る請求項1に記載の積層フィルム。 【数1】4≦tA /dB ≦40 ……1 ここで、tA は熱可塑性樹脂層Aの厚み(μm)であ
    り、dB は熱可塑性樹脂層B中の単独粒子の平均粒径
    (μm)又は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の平
    均粒径(μm)である。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂層B中の不活性粒子の、単
    独粒子の平均粒径又は2種以上の粒子のうち最も大きい
    粒子の平均粒径が0.2〜1μmであり、かつ不活性粒
    子の含有量が0.001〜5.0重量%である請求項1
    又は2に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂層Aの表面の中心面平均粗
    さWRaA が10nm以下である請求項1に記載の積層
    フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂層Bの表面の中心面平均粗
    さWRaB が2nm以上15nm未満である請求項1に
    記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂層Aの厚みが0.8μm以
    上で、熱可塑性樹脂層Bの厚みが不活性粒子Bの平均粒
    径dB の1/2倍以上である請求項1又は2に記載の積
    層フィルム。
  7. 【請求項7】 積層フィルムの全厚みが2.5〜20μ
    mである請求項1に記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 層A及び層Bの熱可塑性樹脂がそれぞれ
    芳香族ポリエステルである請求項1に記載の積層フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 芳香族ポリエステルがポリエチレンテレ
    フタレート又はポリエチレン―2,6―ナフタレンジカ
    ルボキシレートである請求項8に記載の積層フィルム。
  10. 【請求項10】 磁気記録媒体のベースフィルムである
    請求項1に記載の積層フィルム。
  11. 【請求項11】 磁気記録媒体が金属薄膜型磁気記録媒
    体である請求項10に記載の積層フィルム。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体が磁性層の厚みが1μm
    以下の塗布型磁気記録媒体である請求項10に記載の積
    層フィルム。
  13. 【請求項13】 磁気記録媒体がデイジタル信号記録型
    磁気記録媒体である請求項10、11又は12に記載の
    積層フィルム。
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