JPH09220662A - ガス溶接方法及びその装置 - Google Patents

ガス溶接方法及びその装置

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JPH09220662A
JPH09220662A JP4825896A JP4825896A JPH09220662A JP H09220662 A JPH09220662 A JP H09220662A JP 4825896 A JP4825896 A JP 4825896A JP 4825896 A JP4825896 A JP 4825896A JP H09220662 A JPH09220662 A JP H09220662A
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JP
Japan
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gas
welded
welding
oxygen
nozzle
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JP4825896A
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English (en)
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Yujiro Tamaki
勇治郎 玉木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接する対象の被溶接部に対し、燃料ガスと
酸化性ガスとの混合ガスを吹き付けて行うガス溶接時
に、大気中の酸素を被溶接部に取り込まないようなガス
溶接方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】 酸素にアルゴンを含有させた酸素ガスと
アセチレンガスとの混合ガスを、吹管部1からU字状の
分岐管11、12を経由してノズル13、14、15、16へ導き、
このノズルに設けた噴出口21、22から噴出させて溶接を
行う。これによりアルゴンが被溶接部を大気中の酸素か
ら遮蔽し、大気中から余分な酸素を被溶接部に取り込む
ことが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス溶接方法及び
その装置に関し、特に、酸素−アセチレンガスを用いる
ガス溶接(又は圧接)工法及びこの工法に使用するガス
溶接器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のガス溶接方法においては、図22
に示すように、溶接されるべき一対の鉄筋19a、19b等
の対象物を互いに接合させ、この接合部(被溶接部)20
の周囲にアセチレンと酸素との混合ガス噴出用のノズル
73を配し、このノズル73から上記混合ガスを被溶接部20
に吹き付けることが一般に行われている。
【0003】図22及び図23はガス溶接器を使用して一対
の鉄筋を突き合わせて溶接する方法を示すものである。
図22のように溶接する鉄筋19a、19bの突き合わせ部に
はV字形の切り欠き33を形成しておき、図示しない油圧
装置によって鉄筋19a、19bを矢印P、Pのように互い
に押圧しながらノズル73からの混合ガスの火焔62を突き
合わせ部に向けて噴出し、この突き合わせ部で鉄筋19
a、19bを互いに溶接する。切り欠き33は、鉄筋19a、
19bの表面層だけでなく、これらの中心部迄も確実に溶
接されるように設けたものである。
【0004】上記のように、押圧力P、Pを掛けながら
溶接するガス溶接にあっては、鉄筋19a、19bの突き合
わせ部からこれらの軸方向に左右に火焔焦点を移動させ
ながら溶接を行う。この移動距離lは、例えば径25mm以
下の鉄筋に対しては3〜5mm程度である。
【0005】被溶接部の加熱温度を高くし過ぎると、上
記の火焔焦点移動時に被溶接部の酸化が進行し、また燃
料のアセチレンガスから水やアセトン等の不純物が発生
し、これらが被溶接部に取り込まれて溶接された箇所が
脆くなり、甚だ不都合である。前記のように火焔焦点を
左右に移動させながら溶接を行うのは、このような不純
物の被溶接部への侵入を防止するためである。
【0006】溶接後は、図23に示すように、溶接箇所に
は押圧力P、Pによって環状の突起(瘤と呼ばれる)35
が形成されるのであるが、作業者の心理として、確実な
溶接を行おうとして環状突起35が形成される迄被溶接部
に火焔を集中させ、環状突起35が形成されてから火焔焦
点を左右に移動させるような作業になりがちである。
【0007】しかし、このような作業では、被溶接部の
温度が昇り過ぎて前述した不純物の被溶接部への侵入や
被溶接部の酸化が起こり、溶接箇所の強度が却って低下
してしまう。
【0008】その他、鉄筋の溶接は、屋外で行われるこ
とが多く、その上、高所や強風下で行われることも屡々
あり、前述の火焔焦点の移動は手作業によっているので
特に上記のような作業環境が良好でない場合は、溶接箇
所の強度が信頼性に欠けることが起こりがちである。
【0009】即ち、例えば、被溶接部を中心にして環状
突起35が形成されるべきであるが、ときとして図23に破
線で示す被溶接部20から偏倚して環状突起35が形成され
ることがある(片炙りと呼ばれる)。このような溶接で
は、溶接箇所の強度が不十分であることは言うまでもな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、燃料ガスから発生する
不純物が被溶接部に侵入することがなく被溶接部の酸化
も進行せず、作業環境が変化しても再現性が高く、確実
な溶接を高い信頼性を以て遂行できるガス溶接方法及び
この方法に使用するガス溶接器を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、従来にない効果的な方法及び溶接器を開発
し、本発明に到達したものである。
【0012】即ち、本発明に基づいてガス溶接の方法
は、ガス溶接されるべき対象物に燃料ガスと酸化性ガス
との混合ガスを吹き付けて溶接を行うに際し、不活性ガ
スを同時に吹き付け、前記混合ガス中の燃料ガスの燃焼
熱によって前記対象物を溶接するガス溶接方法に係るも
のである。
【0013】また、ガス溶接されるべき対象物に対向し
て、燃料ガスと酸化性ガスとの混合ガスを噴出させる噴
出口と不活性ガスの噴出口とを有し、前記混合ガス中の
燃料ガスの燃焼熱によって前記対象物を溶接するように
構成されたガス溶接器にも係るものである。
【0014】この場合、混合ガスを噴出させる噴出口と
不活性ガスを噴出させる噴出口とは、共通の噴出口であ
ってもよく、或いは別々の噴出口であってもよい。
【0015】本発明において、酸素等の酸化性ガスに対
するアルゴン等の不活性ガスの割合は、例えば50容量%
(以下、「%」で表す。)位までは可能であり、1〜50
%とし、1〜30%が実用的であり、更に15%又はその付
近が望ましい。この含有割合が多過ぎれば混合ガスの燃
焼効率が悪く、被溶接部が温度上昇し難くなり、加熱に
時間を要し、また、少な過ぎては上記のような大気中の
酸素の遮断及び被溶接部の酸化防止効果は得られ難く、
被溶接部の酸化が進行して脆くなり、強度が保てないこ
とがある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の溶接方法において、酸化
性ガスが不活性ガスを含有するガスからなることが望ま
しい。
【0017】そして、上記した混合ガスを吹き付ける位
置とは別の位置に対し、実質的に不活性ガスのみを吹き
付けることが望ましい。
【0018】また、上記した対象物の被溶接部の両側に
混合ガスを同時に吹き付けることが望ましい。
【0019】また、上記の不活性ガスとしてはアルゴン
を使用し、この不活性ガスの吹き付けを行う噴出口を有
することが望ましい。
【0020】この場合、混合ガスを噴出させる噴出口を
有するノズルと、不活性ガスを噴出させる噴出口を有す
るノズルとが設けられていることが望ましい。
【0021】しかし、ノズルの混合ガスを噴出させる噴
出口と不活性ガスを噴出させる噴出口とは、共通の噴出
口であってもよく又は別々の噴出口であってもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0023】図1は、第1の実施例による溶接器の斜視
図である。この溶接器は吹管部1とノズル部(又はバー
ナー部)2とからなり、吹管部1の先端には酸素ガス導
入管3とアセチレンガス導入管4とが設けられ、これら
の導入管からの各ガスが把持部7を経由して合流管部5
にて互いに混合されて吹管6からノズル部2へ導かれ
る。
【0024】図中の8はアセチレンガスの調節バルブ
(ナット)、9は酸素ガスの調節バルブ(ナット)、10
は酸素−アセチレン混合ガスの調節バルブ(ナット)で
あって、いずれも公知のねじ込み式バルブとして構成さ
れている。そして、混合ガス用の吹管6は更に、ノズル
部2のU字状分岐管11、12に夫々分岐され、各分岐管と
一体のノズル13及び14並びに15及び16に夫々連通されて
いる。
【0025】本実施例の特徴は、酸素ガス導入管3に導
入される酸素にアルゴンが混合されていることである。
アルゴンの作用については後述するが、これの混合の割
合は、例えば酸素85:アルゴン15の容量比で混合し、圧
縮注入されたボンベから高圧ホースによって導かれる。
【0026】従って、この溶接器においては、図2に示
すように、先ず、調節バルブ8を開いてアセチレンガス
を噴出させてバーナー2の先端で着火し、次に調節バル
ブ9を開いて酸素とアルゴンとが混合された酸素ガス
(以下、酸素ガス又は酸素と称することがある。)を装
置へ導入し、続いて調節バルブ10により混合ガス及びア
セチレンガスの噴出量を調節して火焔を調整する。
【0027】そして、本実施例においては、ノズル部2
は図3のように構成されていることが重要である。即
ち、各ノズル13〜16は溶接されるべき対象物19(例えば
鉄筋)の被溶接部20に対し、その径方向に放射状に対称
配置されていて、各先端には被溶接部20の円周方向に沿
う混合ガス噴出口21及び22が夫々図1及び拡大して示し
た図5のように上下に配置されている。
【0028】これにより、これらの各噴出口からの混合
ガス29は被溶接部20に対し8箇所に均等に吹き付けら
れ、従って、ガス炎による加熱は一様に行うことができ
る。なお、ガス溶接に際しては、各ノズル13〜16の中心
軸の交点Qに対象物19の中心が位置するように各ノズル
が配設され、またその中心よりの垂線と上記吹管6の延
長線とが互いに直交して交わるように各位置関係を定め
ておくのがよい。つまり、それによって、溶接時の混合
ガスの分布を一様にすることができるからである。
【0029】上記ノズル配置に加えて注目すべき構成
は、図3のように、上記の混合ガスが互いに 180度の角
度で対向したノズル13と16及び14と15内を通ってその先
端にまで導かれ、各ノズルの一方の噴出口21は、図4に
示すように、被溶接部20の上方の側に、また、他方の噴
出口22は被溶接部20の下方の側に夫々混合ガス29を吹き
付けるように配されていることである。
【0030】図4は、ノズル13〜16の拡大部分断面図、
図5はノズル13〜16の先端側から見た拡大正面図であ
り、上記の各噴出口を更に詳細に示したものである。
【0031】次に、上記のように構成されたガス溶接
(又は圧接)器を用いて溶接を行う方法を説明する。
【0032】まず、図6に示すように、互いに溶接され
るべき対象物、例えば一対の鉄筋19a、19bの各被溶接
部20を接当させる。この際、被溶接部20は溶接時の加熱
効率を良くするために斜めにカットされているから、そ
こには一定の間隙33が存在している。なお、図6〜図8
では、鉄筋19a、19bを水平にして互いに溶接する状態
を示している。
【0033】次いで、図7のように各ノズルによって一
対の鉄筋19a、19bの被溶接部(又は接合部)20を囲む
ようにセットし、各ノズルから酸素−アセチレン混合ガ
ス29のガス炎を矢印のように噴出させる。
【0034】この際、前述したように酸素がアルゴンを
含有しているため、不活性ガスであるアルゴンが溶接部
を大気の酸素から遮断するので、大気中から余分な酸素
を被溶接部に取り込むことがない。また、混合ガス中の
酸素の割合も必要以上とはならないように調節してい
る。
【0035】酸素に含有させるアルゴンガスの割合は、
例えば50%位までは可能であり、1〜50%とし、1〜30
%が実用的であり、更には15%又はその付近が望まし
い。この含有割合が多過ぎれば混合ガスの燃焼効率が悪
く、被溶接部が温度上昇し難くなり、加熱に時間を要
し、また、少な過ぎては上記のような大気中の酸素の遮
断及び被溶接部の酸化防止効果は得られ難く、被溶接部
の酸化が進行して脆くなり、強度が保てないことがあ
る。
【0036】なお、アセチレンと上記のアルゴン含有酸
素ガスとの混合比は、容量比で前者:後者=(1:1)
〜(2:1)であってよい。
【0037】こうして、ガス炎によって被溶接部20の両
側が温度上昇する際に鉄筋19a、19bを例えば図示しな
い油圧駆動によって圧接し(押圧力P、Pを作用させ
る)、この状態で溶接を行うことによって全周に一様に
盛上がった溶接部(環状突部)35が図8に示すように形
成され、両鉄筋を完全に溶着させることができる。
【0038】上記のように、被溶接部20には直接混合ガ
スを吹き付けず、被溶接部20を挟むようにしてその両側
に(例えば25mm径の鉄筋の場合は被溶接部から3〜5mm
又はそれ以上の両側位置に)同時に混合ガスを吹き付
け、アセチレンガスの燃焼熱によって上記両側の吹き付
け部を加熱し、熱伝導によって被溶接部を加熱して加圧
溶接することにより、被溶接部20が過度な高温になるこ
とがなく、酸化も進行せず、前述した燃料ガスから生成
される不純物が被溶接部20に侵入することがない。
【0039】なお、本実施例による溶接器による被溶接
物を溶接後に溶接箇所に切り欠きを入れて破断し、破断
面を観察したところ、酸化物等の不純物の介在やブロー
ホール、ピンホール等の欠陥は認められず、確実に溶接
されていることが確認された。また、溶接した鉄筋を黒
皮のまま及び旋盤加工して仕上げてから曲げ試験を行っ
たところ、いずれも 115度の曲げ角度で亀裂の発生は認
められなかった。
【0040】本実施例によれば、酸素ガスにアルゴンが
含有されて供給されるので、アルゴンが被溶接部を大気
の酸素から遮断し、余分な酸素を取り込む若しくは供給
することがないため、被溶接部が酸化せず、被溶接部20
が十分な強度を保ち信頼性の高い溶接が行える。この場
合、酸素ガス85%、アルゴンガス15%としたので、結果
が極めて良好であった。しかし、酸素ガス:アルゴンガ
ス=90:10、80:20、70:30でも十分効果があり、99:
1でも効果があった。更に、99.7:0.3 や99.3:0.7 と
したところ、アルゴンを全く供給しない場合よりは酸化
防止効果がみられた。
【0041】また、ガス溶接器を左右に移動させる必要
がなく、一定の位置で溶接するので、作業環境とは無関
係に図23について前述したような被溶接部から偏倚した
位置に環状突起が形成されることがなく、溶接位置が正
確になる。また、混合ガスの火焔は鉄筋の面に垂直には
当たらず、所定の角度を以て斜めに当たるので、火焔の
反射によるノズルの変形といったトラブルを起こすこと
もない。
【0042】図9及び図10は、前述のノズル構造の変形
例を示すものである。
【0043】これらの例で、図9は、一方の噴出口21と
他方の噴出口22とを2組設けたノズル43、そして図10は
噴出口21と他方の噴出口22を3組設けたノズル44であ
り、溶接しようとする対象物の径が大きくなるに従って
噴出口の数を増加し、効率良く溶接を行うようにしたも
のである。例えば図10のノズル44は、径51mm程度の鉄筋
を溶接可能である。
【0044】図11及び図12は、分岐管41、42をリング状
にし、ノズルを設けずに分岐管41、42に直接対の噴出口
51、52を多数設けた例を示している。そして、図11はそ
の平面図、図12は図11の XII−XII 線矢視拡大断面図で
ある。
【0045】図示の如く、リング状分岐管41、42の内周
側側壁に貫通孔を2列に多数設けて噴出口51、52を形成
し、噴出口51、52はリング状分岐管41、42の中心線Qに
向かうようにしてある。そして、図12に示すように、一
方の噴出口51は仮想線で示すように被溶接部20の上方側
に、他方の噴出口52は被溶接部20の下方側に向けてあ
る。このように噴出口51、52を所定の方向に向けるよう
にするには、分岐管41、42の肉厚は、これらの方向を決
めるに十分な厚さを要する。噴出口51、52を上記のよう
に多数設けることにより、一層大径の対象物の溶接を容
易に行うことができる。
【0046】また、図13に示すように、分岐管41、42に
噴出口51、52を1列に多数設け、上方に向けた噴出口51
と下方に向けた噴出口52とを交互に配することもでき
る。
【0047】図14は、第2の実施例による溶接器の斜視
図である。
【0048】この装置は吹管部1とノズル部(又はバー
ナー部)2とからなり、吹管部1の先端には酸素ガス導
入管3とアセチレンガス導入管4及びアルゴン導入管40
が設けられ、このうち酸素ガス導入管3及びアセチレン
ガス導入管4からの各ガスはその合流管部5にて互いに
混合されて吹管6からノズル部2へ導かれ、アルゴンガ
ス導入管40からのガスは別途吹管7を通ってノズル部2
へ導かれている。なお、後述する本実施例の特徴以外の
部分は前記した第1の実施例とほぼ同じであるので、細
部の説明は省略する。
【0049】本実施例による溶接器の特徴的な構成は、
図15に示すように、吹管7はノズル部2の手前で小管1
7、18に分岐され、これらは夫々上記分岐管11、12の側
壁を貫通した後、ノズル13、16又はノズル14、15(この
例ではノズル14、15)の先端にまで導かれている。な
お、ノズル部2はナット38、39を緩めることによって吹
管6、7から取り外し可能であり、また対象物のサイズ
に応じたノズルに交換できる。
【0050】図14に示すように、この溶接器の場合も前
記した第1の実施例と同じく、混合ガスの噴出口21及び
22は上下に配置された縦型になっている。そして、上記
の小管17、18を経由してノズル14、15の先端へ導かれた
アルゴンガスの噴出口30、31は、混合ガスの噴出口21と
噴出口22の間に設けられている。
【0051】従って、図16に示したノズル14又はノズル
15の要部の断面図のような配置になり、前記した第1の
実施例の場合はアルゴンガス37が酸素に含有され、この
酸素ガスが更にアセチレンガスとの混合ガス29として被
溶接部20に吹き付けられるのと異なり、図17に示すガス
流路図のように、混合ガス29と同時にアルゴンガス37の
みが別の噴出口30、31から混合ガス29とは混じり合わな
いように吹き付けられる。但し、この場合も吹き付ける
アルゴンガスの総量は第1の実施例と同じである(即
ち、酸素90:アルゴン10の容量%である)。
【0052】これにより、アルゴンが大気中の酸素の遮
蔽手段として作用すると共に、各ノズルからの混合ガス
29は図16のような角度関係で吹き付けられるために、各
混合ガス流が対象物の周面に衝突後に互いに混ざり合っ
て乱流が生じ、この乱流による混合ガス29流がアルゴン
ガス37と共に対象物の軸に沿う方向へも拡がる。このこ
とは、被溶接部を大気の酸素から遮断する上で効果的な
現象である。
【0053】また、図16のように、混合ガス29を互いに
逆方向に噴出させることによる効果として、これらの逆
方向への噴出によって混合ガス29同士の衝突による一種
の乱流作用が均等に生じ、これがガス炎の局在化を防ぐ
ことに寄与している。
【0054】また、本実施例による溶接方法において
は、従来のように溶接時に初期圧を加えなくても(即
ち、間隙33が存在していても)何ら問題はなく、溶接の
作業性が向上することになる。
【0055】また、上記溶接部は強度的にも充分であ
り、引張試験、曲げ試験も問題はないことも確認され
た。
【0056】本実施例によれば、第1の実施例と同様
に、アルゴンガスが溶接部を大気中の酸素から遮断する
と共に、アルゴンガスの噴出によって被溶接部20に対す
る大気中の酸素の遮蔽膜が形成されることになり、これ
によって被溶接部20における酸化反応が阻止され、酸化
膜又は酸化物の生成を効果的に防止することができる。
【0057】図18は、第3の実施例による溶接器の斜視
図である。
【0058】この装置も第2の実施例と同様に吹管部1
とノズル部(又はバーナー部)2とからなり、吹管部1
の先端には酸素ガス導入管3とアセチレンガス導入管4
及びアルゴンガス導入管40が設けられ、このうち酸素ガ
ス導入管3及びアセチレンガス導入管4からの各ガスは
その合流管部5にて互いに混合されて吹管6からノズル
部2へ導かれる。
【0059】そして、アルゴンガス導入管40からのガス
は別途に吹管7を通って、ノズル部2が設けられている
U字状分岐管11、12の外側面に沿って延設され、ノズル
13と14との間及びノズル15と16との間から30、31のよう
に立ち上がり、ノズル13〜16と同じように中心部へ向け
て噴出口を形成している。
【0060】つまり、図示の如く、前記した第2の実施
例の構造の一部を変えた形状になっており、後述する本
実施例の特徴以外は前記した各実施例と同様であるので
細部の説明は省略する。
【0061】本実施例による溶接器の特徴は、図18に示
すように、ノズル13〜16に設けた噴出口が前記の第1及
び第2の実施例とは異なり水平方向に配置された横型に
なっていることである。
【0062】図19は、第4の実施例による溶接器の概略
断面を示すものである。
【0063】この実施例では、混合ガス29としては第1
の実施例と同様に酸素にアルゴンを含有(酸素90:アル
ゴン10)させた酸素ガスとアセチレンとの混合ガス29を
使用し、吹管7へ導入するガスは前記第2の実施例とは
異なり、アセチレンガス36を使用する。
【0064】上記のように、各小管17、18は互いに 180
度の角度で対向して配置され、上記ノズル13〜16とは別
のノズル50、51として形成され、アセチレンガス噴出口
を有している。従って、これら噴出口は、対象物19に対
しその径方向にて互いにアセチレンガス36を吹き付ける
ことができるものである。
【0065】これにより、混合ガス29を対象物の全周に
ほぼ均等に吹き付けると同時に、この吹き付け位置とは
別の位置に対してアセチレンガス36をノズル30、31の噴
出口32、33により直接的に吹き付け、しかもこのアセチ
レンガス36が吹き付け時に混合ガス29と混じり合わない
ようにしている。
【0066】従って、第1の実施例の場合と同様に、ア
ルゴンガスによる被溶接部周辺の大気中の酸素の取り込
みを遮断することに加え、アセチレンガスにより被溶接
部に還元炎圏が形成され、大気中の酸素の遮断が一層効
果的となる。
【0067】この溶接器による溶接時には、図19に示す
ように、各ノズルからの混合ガス29は図示した角度関係
で吹き付けられるために、各混合ガス流が対象物の周面
に衝突後に互いに混ざり合って乱流が生じ、この乱流に
よる混合ガス流が還元ガスと共に対象物の軸に沿う方向
へも拡がる。これがガス炎の局在化を防ぐと共に還元炎
圏内を拡大するのに寄与する。このことは、被溶接部を
大気の酸素から遮断する上で効果的な現象である。
【0068】上記した溶接器により溶接された溶接部に
は、酸化物特有の表面性や外観は全く観察されず、カー
ボンが随所に存在若しくは被着していることが確認され
ている。これは、溶接中に上記した還元雰囲気が効果的
に作用しながら、アセチレン−酸素による溶接性が充分
であることを意味している。また、上記溶接部は強度的
にも充分であり、引張試験、曲げ試験も問題はないこと
も確認された。
【0069】なお、アセチレンガスの噴出口の位置は上
記のことから非常に重要であるが、本実施例によれば、
ノズル13〜16とは別のノズル53及び54に単独で形成して
いるために、その位置精度を出し易い。つまり、アセチ
レンガス36が溶接部20に当たる位置を、ノズル53、54を
曲げることによりある程度自由に調整することができ
る。
【0070】しかも、溶接前に鉄筋の表面に酸化膜が存
在していても、この酸化膜はアセチレンガス32の効果的
な供給によって溶接中に還元されるから、溶接部35中に
残存することはない。このために、上記酸化膜は予め除
去する必要は全くない。
【0071】図20は、上記した第4の実施例の変形例を
示し、U字状分岐管部分のみを示した平面図である。
【0072】そして、図示の如く、この変形例は小管1
7、18が第2の実施例と同様に、分岐管11、12の側壁内
を貫通してノズル14、15(又は、ノズル13、16でもよ
い。)に導かれている。
【0073】しかし、この変形例が第2の実施例と異な
る点は各噴出口が第3の実施例と同じく水平に配置され
ていることであり、小管17、18にはアセチレンガスが導
入されることである。従って、図示省略した吹管部は第
4の実施例と同じ構造になっている。
【0074】これにより、第4の実施例と同様に、混合
ガス29を対象物の全周にほぼ均等に吹き付けると同時
に、この吹き付け位置とは別の位置に対してアセチレン
ガス36をノズル30、31の噴出口32、33により直接的に吹
き付け、しかもこのアセチレンガス36が吹き付け時に混
合ガス29と混じり合わないようにしている。従って、こ
の場合も第4の実施例とほぼ同様の効果が奏せられる。
なお、図21は第4の実施例における吹管中のガス流路を
概略的に示すものである。
【0075】この実施例によれば、前述した第1及び第
2の実施例と同様に、酸素ガスに含まれているアルゴン
ガスが被溶接部を大気中の酸素から遮断すると共に、更
に、アセチレンガス36が混合ガス29と同時に、しかも混
合ガスとは別のノズルから別の位置へ吹き付けられるた
め、被溶接部20に対する還元炎圏内が充分に拡がること
になり、これに伴って被溶接部20における酸化反応が阻
止され、酸化膜又は酸化物の生成を効果的に防止するこ
とができる。
【0076】以上、本発明を例示したが、上述の例は本
発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0077】例えば、上述の各ノズルの本数や混合ガス
及びアセチレンガス噴出口の個数、位置は様々に変更す
ることができる。
【0078】また、使用するガスの種類もガス溶接又は
圧接に使用可能なものであれば、上記したものに限られ
ない。
【0079】例えば、燃料ガスとしては、アセチレンの
ほかに、水素、メタンガス、石炭ガス、天然ガス、液化
石油ガス(LPG)、ベンゾール水性ガス等が使用可能
であり、溶接対象物の金属の種類等により使い分ければ
よい。
【0080】また、不活性ガスとしては、アルゴンのほ
かに、窒素、クリプトン、キセノン、ヘリウム等が使用
可能である。
【0081】また、本発明が適用される対象物は上述の
鉄筋等の長手材以外であってもよく、対象物の種類によ
って各ガスの噴出方法及びノズルの構造等を適宜変更す
ることができる。
【0082】
【発明の作用効果】本発明は、ガス溶接されるべき対象
物に燃料ガスと酸化性ガスとの混合ガスを吹き付けて溶
接を行うに際し、不活性ガスを同時に吹き付け、前記混
合ガス中の燃料ガスの燃焼熱によって前記対象物を溶接
するので、不活性ガスによって、溶接中に被溶接部に余
分な酸素が取り込まれたり、作用することはない。
【0083】従って、被溶接部が過度に加熱されること
がないので、被溶接部が酸化されることなく、確実な溶
接を行うことができ、しかも被溶接部が十分な強度を保
ち、溶接の信頼性が高められるようなガス溶接方法及び
その装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による溶接器の斜視図で
ある。
【図2】同吹管中のガスの流路を示す概略図である。
【図3】同ノズル部(バーナー部)の一部を破断して示
した平面図である。
【図4】同ノズル部の拡大断面図である。
【図5】同ノズル部を噴出口側から見た拡大正面図であ
る。
【図6】同溶接作業の一段階を示す正面図である。
【図7】同溶接作業の他の一段階を示す正面図である。
【図8】同溶接作業の更に他の一段階を示す正面図であ
る。
【図9】同変形例によるノズル部を噴出口から見た拡大
正面図である。
【図10】同他の変形例によるノズル部を噴出口から見た
拡大正面図である。
【図11】同他の変形例によるバーナー部の平面図であ
る。
【図12】図11における XII−XII 線断面図である。
【図13】同変形例のバーナー部の一部を示す拡大正面図
である。
【図14】本発明の第2の実施例による溶接器の斜視図で
ある。
【図15】同ノズル部(バーナー部)の一部を破断して示
した平面図である。
【図16】同ノズル部の拡大断面図である。
【図17】同吹管中のガスの流路を示す概略図である。
【図18】本発明の第3の実施例による溶接器の斜視図で
ある。
【図19】本発明の第4の実施例による溶接器の一部を破
断して示した平面図である。
【図20】同第4の実施例の変形例によるノズル部(バー
ナー部)の一部を破断して示した平面図である。
【図21】同吹管中のガスの流路を示す概略図である。
【図22】従来例を示す溶接作業の一段階を示す正面図で
ある。
【図23】同溶接作業の他の一段階を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・吹管部 2・・・ノズル部(バーナー部) 3・・・酸素ガス導入管 4・・・アセチレンガス導入管 5・・・合流管部 6・・・吹管 7・・・把持部 8・・・アセチレンガス調節バルブ 9・・・ガス調節バルブ 10・・・酸素−アセチレン混合ガス調節バルブ 11、12・・・U字状分岐管 13、14、15、16、53、54・・・ノズル 17、18・・・小管 19・・・対象物 20・・・被溶接部 21、22、23、24、25、26、27、28・・・混合ガス噴出口 29・・・混合ガス 30、31・・・アルゴンガス噴出口 34・・・アセチレンガス噴出口 36・・・アセチレンガス 37・・・アルゴンガス 41、42・・・分岐管 43、44・・・ノズル 51、52・・・噴出口 40・・・アルゴンガス導入管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス溶接されるべき対象物に燃料ガスと
    酸化性ガスとの混合ガスを吹き付けて溶接を行うに際
    し、不活性ガスを同時に吹き付け、前記混合ガス中の燃
    料ガスの燃焼熱によって前記対象物を溶接するガス溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 酸化性ガスが不活性ガスを含有するガス
    からなる、請求項1に記載した方法。
  3. 【請求項3】 混合ガスを吹き付ける位置とは別の位置
    に対し、実質的に不活性ガスのみを吹き付ける、請求項
    1に記載した方法。
  4. 【請求項4】 対象物の被溶接部の両側に混合ガスを同
    時に吹き付ける、請求項1〜3のいずれか1項に記載し
    た方法。
  5. 【請求項5】 不活性ガスとしてアルゴンを使用する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載した方法。
  6. 【請求項6】 ガス溶接されるべき対象物に対向して、
    燃料ガスと酸化性ガスとの混合ガスを噴出させる噴出口
    と不活性ガスの噴出口とを有し、前記混合ガス中の燃料
    ガスの燃焼熱によって前記対象物を溶接するように構成
    されたガス溶接装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3に記載した不活性ガスの
    吹き付けを行う噴出口を有する、請求項6に記載した装
    置。
  8. 【請求項8】 混合ガスを噴出させる噴出口を有するノ
    ズルと、不活性ガスを噴出させる噴出口を有するノズル
    とが設けられている、請求項6又は7に記載した装置。
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