JPH09220513A - 塗布具 - Google Patents

塗布具

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JPH09220513A JP8029001A JP2900196A JPH09220513A JP H09220513 A JPH09220513 A JP H09220513A JP 8029001 A JP8029001 A JP 8029001A JP 2900196 A JP2900196 A JP 2900196A JP H09220513 A JPH09220513 A JP H09220513A
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由美子 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布具において、長く連続筆記したり滑らか
な被塗布面に筆記する場合であっても円滑な筆記を得
る。 【解決手段】 塗布具において、ボールハウス4aの後
端には、ボール6の後部を受けるボール受座4a2が形
成され、ボール受座4a2の略中心部には、流動体誘導
孔4bが設けられると共に、流動体誘導孔4bの内壁に
は、流動体誘導孔4bを中心に放射状に配置され流動体
の誘導方向に沿って形成された複数の縦溝4cが設けら
れ、ボール6がボール受座4a2に当接したときの縦溝
4cの1本当たりの横断断面積が0.035(mm2
以上に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動体の塗布具に
係り、例えば修正液、水性・油性顔料インキ、化粧料等
の流動体を紙面等の被塗布面に筆記するための塗布具に
関する。
【0002】
【従来の技術】チップを使用した従来の塗布具として
は、実開平5−51480号公報に示されるように、修
正液などの流動体をインキとして収容した軸本体(イン
キタンク)と、流動体が吐出される吐出口が先端に設け
られたボールハウスを有するホルダー(チップ)と、ボ
ールハウス内に収容されると共に先方に付勢されて一部
が前記吐出口から外部に臨んだボール(球状塗布体)と
を備えた塗布具がある。
【0003】前記ボールは、ボールハウス内の内向きの
先端縁に対して当接・離脱する方向に移動自在に収納さ
れ、かつ、当接・離脱することにより前記吐出口を閉止
・開放するものである。そして、ボールハウスの後端に
は、ボールが被塗布面に押し当てられてボールが後方に
移動したときにボールの後面を受けるボール受座が形成
されている。このボール受座の横断面視略中心部には、
軸本体からの流動体をボールハウスに誘導する流動体誘
導孔が設けられると共に、該流動体誘導孔の内壁には、
4〜5本の縦溝が放射状に設けられている。さらに、流
動体誘導孔内には、ボールの後面に当接すると共に、ス
プリングにより弾発されボールを先方に付勢する可動子
(付勢手段)が挿通している。
【0004】以上のような構成を有する従来の塗布具に
よれば、使用者は、ボールを被塗布面に押し当てること
によって、吐出口を開放させると共にボール受座にボー
ルの後面を接触させてボールを回転させながら、被塗布
面の所定箇所に流動体を塗布することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
塗布具においては次のような問題点がある。すなわち、
前記流動体が顔料を含む着色剤あるいはその顔料が金属
粉顔料のように大きな粒子径を持つ場合など(通常この
ような場合は軸本体内にボール等の撹拌部材を入れて顔
料の沈降物を再撹拌する)にあっては、この塗布具で長
く連続筆記すると、ボール受座、縦溝に顔料が堆積して
円滑な筆記が得られなくなる恐れがある。この堆積した
顔料は、通常は使用時にボールの回転によりある程度吐
き出されるが、PETフィルム等の滑らかな被塗布面に
筆記を行う場合は、ボールが滑って回転しにくいため前
記堆積した顔料の吐き出しが十分に行われない場合があ
る。また、ペン先を下に向けて塗布具を保存しておいた
場合にも、ボール受座、縦溝に顔料が堆積するため筆記
の具合が影響される。なお、これらの問題は1〜数文字
を修正するような修正ペンとして塗布具を使用する場合
には起こりにくい。
【0006】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、ボール受座および縦溝における顔料
等の沈降物の堆積を防止して、長く連続筆記したり、滑
らかな被塗布面に筆記を行ったり、あるいは、ペン先を
下に向けて保存したりする場合でも、円滑に筆記を行う
ことのできる塗布具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために次の構成を有する。すなわち、請求項1の
発明は、流動体を内部に収納した軸本体と、該軸本体か
らの流動体が流出される吐出口が先端に設けられたボー
ルハウスを有するホルダーと、前記ボールハウス内に回
転自在に保持されると共に一部が前記吐出口から外部に
臨んで塗布面となるボールとを備え、前記ボールは、前
記吐出口の周囲の内壁に対して当接・離脱する方向に移
動自在に収容され前記当接・離脱することにより前記吐
出口を閉止・開放するものであり、前記ボールの一部を
被塗布面に押し当てることによって、前記吐出口との隙
間から流動体を吐出させて被塗布面に塗布する塗布具に
おいて、前記ボールハウスの後端には、前記ボールの一
部が被塗布面に押し当てられて後方に移動したときに前
記ボールの後部を受けるボール受座が形成されると共
に、該ボール受座の略中心部には、前記軸本体からの流
動体を前記ボールハウスに誘導する流動体誘導孔が設け
られ、該流動体誘導孔の内壁には、該流動体誘導孔を中
心に放射状に配置され流動体の誘導方向に沿って形成さ
れた複数の縦溝が設けられ、前記ボールが前記ボール受
座に当接したときの前記縦溝1本当たりの横断断面積
は、0.035(mm2)以上に設定されたことを特徴
とする塗布具である。
【0008】請求項2の発明は、前記縦溝が3本設けら
れたことを特徴とする請求項1記載の塗布具である。
【0009】請求項1の発明によれば、前記ボールがボ
ール受座に当接したときの前記縦溝1本当たりの横断断
面積を0.035(mm2)以上に設定したので、流動
体が容易に縦溝を通過するようになる。したがって、流
動体が顔料を含む着色剤あるいはその顔料が金属粉顔料
のように大きな粒子径を持ち、顔料の沈降物を再撹拌す
る撹拌部材を軸本体内に必要とするような場合であって
も、ボール受座、縦溝に顔料が堆積しにくくなるため、
長く連続筆記する場合や、フィルム面等で前記ボールが
滑って回転しにくい場合あるいはペン先を下向きに保存
しておいた場合でも、軸本体からボールハウスに至る流
動体の流れが良好になり、円滑に筆記を行うことができ
るようになる。
【0010】請求項1の発明において、より円滑な筆記
が得られるようにするには、前記縦溝1本当たりの横断
断面積は0.035(mm2)よりも大きい方が有利で
ある。縦溝の本数が少ないほど縦溝1本当たりの横断断
面積を大きく確保できるが、本発明者によれば、ホルダ
ーの加工性を考慮すると縦溝の最適な本数は3本である
と思料される。具体的に説明すると、縦溝が1本または
2本の場合は、加工上品質の安定したホルダーが得られ
ないという問題がある。逆に、縦溝を4本あるいは5本
以上に増やすと、あまり横断断面積の広い縦溝が得られ
ない。また、前記縦溝の製作にはブローチ加工を用いる
のが一般的であるため、縦溝の面積を大きくしかつ本数
を多くすると、ブローチ加工の際、ボール受座に歪み等
が発生し、また工具消耗も激しいため工具の交換回数も
多くコストが上がるという問題がある。
【0011】したがって、請求項2の発明によれば、縦
溝の本数を3本に設定することにより、加工上品質の安
定したホルダーが得られる上、ボール受座に歪みもな
く、縦溝1本当たりの横断断面積も大きくでき、しかも
ブローチ加工用工具の交換回数も少なくなりコスト削減
も図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の塗
布具の実施形態を説明する。なお、本発明において塗布
具とは、修正液、水性・油性インキを被塗布面に筆記す
るためのボールペン等の筆記具、またその他化粧料等の
流動体をインキとした塗布具をいう。
【0013】図1は、本実施形態に係る塗布具の縦断面
図である。図2および図3は、本実施形態に係る塗布具
の先端部の拡大縦断面図であって、図2は吐出口が閉止
している状態を示し、図3は吐出口が開放している状態
を示す図である。図4は図3におけるIV−IV断面図であ
る。
【0014】本実施形態の塗布具8について説明する。
この塗布具8は、図1および図2に示すように、流動体
を内部に収容した軸本体2と、軸本体2の先端部に取り
付けられたプラスチック製の口金(以下、口プラとい
う)14と、軸本体2からの流動体が流出される吐出口
4a1が先端に設けられたボールハウス4aを有し、か
つ、口プラ14内に嵌入されたホルダー4と、ボールハ
ウス4a内に回転自在に保持されると共に一部が吐出口
4a1から外部に臨んで塗布面となるボール6とを備
え、ボール6は、吐出口4a1の周囲の内壁に対して当
接・離脱する方向に移動自在に収容され当接・離脱する
ことにより吐出口4a1を閉止・開放するものであり、
ボール6の一部を被塗布面に押し当てられることによっ
て、吐出口4a1との隙間から流動体を吐出させて塗布
するものである。
【0015】また、ボールハウス4aの後端には、図2
に示すように、ボール6の一部が被塗布面に押し当てら
れてボール6が後方に移動したときにボール6の後面を
受けるボール受座4a2が形成される。さらに、ボール
受座4a2の横断面視略中心部には、軸本体2からの流
動体をボールハウス4aに誘導する流動体誘導孔4bが
設けられており、流動体誘導孔4bの内壁には、流動体
誘導孔4bを中心に放射状に配置され流動体の誘導方向
に沿って形成された複数の縦溝4cが設けられる。さら
に、流動体誘導孔4b内には、ボール6の後面に当接し
てボール6を先方に付勢する付勢手段12が挿通してい
る。
【0016】以下、各部の構成を詳細に説明する。軸本
体2は、図1に示すように、略円筒形形状を呈するもの
であって、軸本体2先端部に向けてやや先細りに形成さ
れたテーパー部2aと、このテーパー部2aの先端から
連続的に形成されて開口した円筒部2bとを有する。ま
た、軸本体2は、可撓性に富んだ塗布液タンクであっ
て、押圧されて撓むことにより内部の流動体をボールハ
ウス4aに供給することが可能なものである。
【0017】口プラ14は、図1に示すように、前側部
分の外周面形状が先端に向けて先細るテーパー形状を呈
し、このテーパー部14aの後端には、段部14bを介
して、テーパー部14a後端よりも外径の小さい円筒部
14cが連続的に設けられている。また、円筒部14c
後部の内周面には、中心軸線に沿って複数の縦リブ14
c1が設けられている。口プラ14は、段部14bが軸
本体2の円筒部2bの前端面に当たるまで軸本体2に圧
入され組付けられる。
【0018】ホルダー4は、図1に示すように、前後両
端で開口し、かつ、先端部が先細る略円筒形形状を呈す
るものであって、その後端が口プラ14の縦リブ14c
1の先端に当接するまで口プラ14内に圧入され、か
つ、その前側半分が外部に露出した状態で口プラ14に
接続されている。
【0019】ボールハウス4aは、図2に示すように、
横断面形状が円形かつ内面が平滑な孔であって、ボール
6の周りを流動体が流通可能な程度にボール6との間に
クリアランスを有するものである。また、ボールハウス
4aの先端開口となる吐出口4a1は、一般にかしめ部
と称されるものであって、ボール6がボールハウス4a
内に挿入された後に、ボール6の直径dよりも小さい口
径となるようかしめられており、これによってボール6
は、回転・移動可能な状態でボールハウス4a内に閉じ
込められ保持される。
【0020】ボール受座4a2は、図2に示すように、
ホルダー4の内壁から内側に向けて突出したものであ
り、後方に行くに従いその内径が小さくなるすり鉢状の
斜面である。流動体誘導孔4bは、横断面視で円形形状
を呈した孔であり、複数の縦溝4cは、流動体誘導孔4
bの周方向に所定の間隔をあけて、流動体誘導孔4bの
内壁に各々が凹形状を呈して3〜5箇所に設けられてい
る。
【0021】付勢手段12は、図2に示すように、先端
部が流動体誘導孔4bに後方から臨んでボール6の後端
部に当接し、かつ、長手方向略中央部に大径部12a1
を有する押し棒12aと、この押し棒12aの後部に嵌
装されて大径部12a1の段差面に先端が当接すると共
に後端が前記縦リブ14c1に係止された圧縮コイルス
プリング12bとからなる。なお、付勢手段は、この付
勢手段12に特に限定されず、ボール6の後端部に、板
状のスプリングあるいは先端を縮径した圧縮コイルスプ
リング等のスプリング部材を直接当接させたものでもよ
い。
【0022】本実施形態においては、図2に示すよう
に、ボール6の直径dはφ1.0(mm)、ボールハウ
ス4aの内径寸法Dはφ1.1(mm)である。また、
ボール6の前後方向Lの移動可能量は0.1(mm)、
ボール6の左右方向Wの移動可能量は片側で約0.04
(mm)となっている。また、図3に示すように、流動
体誘導孔4bの内径寸法Aはφ0.7(mm)、対向す
る縦溝4cの底部間の寸法Bは1.0(mm)であり、
ボール6がボール受座4a2に当接したときの前記縦溝
4cの1本当たりの横断断面積S(図4参照)は、0.
035〜0.046(mm2)に設定されている。この
横断断面積Sは、各縦溝4cの底部、各縦溝4cの左右
両側壁および流動体誘導孔4bの内径を直径とする円
(図4に想像線Xで示す)によって囲まれる面積をい
う。
【0023】なお、ボール6の前記左右方向Wの移動可
能量は、塗布時にボール6が後退してボール受座4a2
に当たった状態における、ボール6と吐出口4a1との
クリアランスで決まる。本実施形態では、ボール6の前
後方向の移動可能量が0.1(mm)、吐出口4a1の
内径寸法D’がφ0.955(mm)に設定されてお
り、ボール6が最も後退した状態のときの吐出口4a1
に相対するボール6の外周径d’(図3参照)はφ0.
866(mm)となる。よって、ボール6の左右方向W
の移動可能量は両側で0.089(mm)、すなわち片
側で0.044(mm)≒0.4(mm)となる。
【0024】これらの数値は、使用する流動体および使
用するボール6の直径に応じて適宜に選択可能である。
また、ボール6の材質は、超硬合金が最も好適であると
考えられるが、ステンレス鋼などでもよい。
【0025】また、縦溝4cの横断断面積Sの上限値
は、収容する流動体の種類により変動するが、ボール6
がボール受座4a2に当接したときにボール受座4a2
がボール6から受ける力に耐えられる範囲であれば適宜
に設定可能である。
【0026】以上のような構成を有する本実施形態の塗
布具によれば、ボール6がボール受座4a2に当接した
ときの縦溝4cの1本当たりの横断断面積を0.035
(mm2)以上に設定したので、流動体が容易に縦溝4
cを通過するようになる。したがって、流動体が顔料を
含む着色剤あるいはその顔料が金属粉顔料のように大き
な粒子径を持ち、顔料の沈降物を再撹拌するボール16
(図1参照)等の撹拌部材を軸本体2内に必要とするよ
うな場合であっても、ボール受座4a2、縦溝4cに顔
料が堆積しにくくなるため、長く連続筆記する場合や、
フィルム面等で前記ボール6が滑って回転しにくい場
合、あるいは、ペン先を下向きに保存しておいた場合で
も、軸本体2からボールハウス4aに至る流動体の流れ
が良好になり、円滑に筆記を行うことができるようにな
る。
【0027】また、より円滑な筆記が得られるようにす
るには、前記縦溝4cの1本当たりの横断断面積が0.
035(mm2)よりも大きい方が有利である。縦溝4
cの本数が少ないほど縦溝4cの1本当たりの横断断面
積Sを大きく確保できるが、本発明者によれば、ホルダ
ー4の加工性を考慮すると縦溝4cの最適な本数は3本
であると思料される。具体的に説明すると、縦溝4cが
1本または2本の場合は、加工上品質の安定したホルダ
ー4が得られないという問題がある。逆に縦溝4cを4
本あるいは5本以上に増やすと、あまり大きな横断断面
積Sが得られない。また、縦溝4cの製作にはブローチ
加工を用いるのが一般的であるため、縦溝4cの面積を
大きくしかつ本数を多くすると、ブローチ加工の際、ボ
ール受座4a2に歪み等が発生し、また工具消耗も激し
いため工具の交換回数も多くコストが上がるという問題
がある。
【0028】したがって、縦溝4cの本数を3本に設定
することで、加工上品質の安定したホルダー4が得られ
る上、ボール受座4a2に歪みもなく、縦溝4cの1本
当たりの横断断面積Sも大きくでき、しかもブローチ加
工用工具の交換回数も少なくなりコスト削減も図れる。
【0029】なお、本実施形態は、本発明の塗布具の好
適な実施の態様であり、本発明の技術的範囲は、この実
施形態に何ら限定されるものではない。
【0030】
【実施例】次に、本発明のより具体的な態様としての実
施例1〜実施例4と、縦溝の面積を0.035(m
2)未満に設定した比較例1〜比較例3との、連続筆
記における筆記安定性の比較試験を説明する。この比較
試験に係る実施例1〜4・比較例1〜3それぞれの縦溝
の本数(本)、縦溝1本当たりの横断断面積(mm2
および縦溝の横断総面積(mm2)を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この比較試験の試験方法と評価基準は下記
の通りである。 (試験方法)実施例1〜4および比較例1〜3の各塗布
具に所定のインキを充填し、PPC用紙およびPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に直径3c
mの螺旋書を休むことなく行い、描線かすれが発生する
までの程度を調べた。 (評価基準) ○:描線かすれの発生なし。 △:描線かすれは発生するが、すぐに復帰。 ×:3m以下で描線かすれが発生。
【0033】比較試験の結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2からわかるように、縦溝1本当たりの
横断断面積が0.035(mm2)よりも小さく設定さ
れた比較例1〜3では、ほとんどの場合において描線か
すれが発生してしまうのに対し、実施例1〜4では、描
線かすれの発生はほとんど無い。したがって、縦溝1本
当たりの横断断面積を0.035(mm2)以上に設定
した本発明によれば、長く連続筆記したり滑らかな被塗
布面に筆記を行ったりするときでも円滑な筆記が得られ
ることが、この比較試験からもわかる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明の塗布具によ
れば、前記ボールがボール受座に当接したときの前記縦
溝1本当たりの横断断面積を0.035(mm2)以上
に設定することにより、長く連続筆記する場合やフィル
ム面等で前記ボールが滑って回転しにくい場合あるいは
ペン先を下向きに保存しておいた場合であっても、軸本
体からボールハウスに至る流動体の流れを良好にし、円
滑な筆記を行うことができる。
【0037】また、縦溝の本数を3本に設定することに
より、加工上品質の安定したホルダーが得られる上、ボ
ール受座に歪みもなく、縦溝1本当たりの横断断面積も
大きくでき、しかもブローチ加工用工具の交換回数も少
なくしてコスト削減も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の塗布具の縦断面図である。
【図2】本実施形態の塗布具の先端部の拡大縦断面図で
あって、吐出口が閉止している状態を示す図である。
【図3】本実施形態の塗布具の先端部の拡大縦断面図で
あって、吐出口が開放している状態を示す図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【符号の説明】
2 軸本体 4 ホルダー 4a ボールハウス 4a1 吐出口 4a2 ボール受座 4b 流動体誘導孔 4c 縦溝 6 ボール 8 塗布具 12 付勢手段 12a 押し棒 12b 圧縮コイルスプリング 16 撹拌用ボール(撹拌部材の一例) S 縦溝の横断断面積 d ボールの直径 D ボールハウスの内径寸法

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動体を内部に収納した軸本体と、該軸
    本体からの流動体が流出される吐出口が先端に設けられ
    たボールハウスを有するホルダーと、前記ボールハウス
    内に回転自在に保持されると共に一部が前記吐出口から
    外部に臨んで塗布面となるボールとを備え、前記ボール
    は、前記吐出口の周囲の内壁に対して当接・離脱する方
    向に移動自在に収容され前記当接・離脱することにより
    前記吐出口を閉止・開放するものであり、前記ボールの
    一部を被塗布面に押し当てることによって、前記吐出口
    との隙間から流動体を吐出させて被塗布面に塗布する塗
    布具において、 前記ボールハウスの後端には、前記ボールの一部が被塗
    布面に押し当てられて後方に移動したときに前記ボール
    の後部を受けるボール受座が形成されると共に、該ボー
    ル受座の略中心部には、前記軸本体からの流動体を前記
    ボールハウスに誘導する流動体誘導孔が設けられ、 該流動体誘導孔の内壁には、該流動体誘導孔を中心に放
    射状に配置され流動体の誘導方向に沿って形成された複
    数の縦溝が設けられ、 前記ボールが前記ボール受座に当接したときの前記縦溝
    1本当たりの横断断面積は、0.035(mm2)以上
    に設定されたことを特徴とする塗布具。
  2. 【請求項2】 前記縦溝が3本設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の塗布具。
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SG123542A1 (en) * 2001-10-31 2006-07-26 Pilot Ink Co Ltd Ballpoint pen
JP2012158094A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Pentel Corp 塗布具

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