JPH09220465A - 窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法 - Google Patents
窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法Info
- Publication number
- JPH09220465A JPH09220465A JP8056663A JP5666396A JPH09220465A JP H09220465 A JPH09220465 A JP H09220465A JP 8056663 A JP8056663 A JP 8056663A JP 5666396 A JP5666396 A JP 5666396A JP H09220465 A JPH09220465 A JP H09220465A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nox
- oxide
- catalyst material
- nitrogen oxides
- nitrogen oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ディーゼルエンジンなどの内燃機関の排気ガ
ス中の窒素酸化物を分解除去することができる窒素酸化
物除去用触媒材料、及びその材料を用いた窒素酸化物処
理装置を提供すること。 【解決手段】 実施例の窒素酸化物除去用触媒材料は、
Ba3In2ZrO8からなる複合酸化物である。この複
合酸化物は、酸化ジルコニウムの懸濁液に、硝酸バリウ
ムと硝酸インジウムを溶解させ、この懸濁液にアンモニ
ア水を徐々に滴下し加水分解した後、150℃で蒸発乾
固し、アルミナ乳鉢で粉砕して原料組成物とし、大気中
1000℃で6時間熱処理することにより得られ、高温
において窒素酸化物を効果的に分解除去することができ
る。
ス中の窒素酸化物を分解除去することができる窒素酸化
物除去用触媒材料、及びその材料を用いた窒素酸化物処
理装置を提供すること。 【解決手段】 実施例の窒素酸化物除去用触媒材料は、
Ba3In2ZrO8からなる複合酸化物である。この複
合酸化物は、酸化ジルコニウムの懸濁液に、硝酸バリウ
ムと硝酸インジウムを溶解させ、この懸濁液にアンモニ
ア水を徐々に滴下し加水分解した後、150℃で蒸発乾
固し、アルミナ乳鉢で粉砕して原料組成物とし、大気中
1000℃で6時間熱処理することにより得られ、高温
において窒素酸化物を効果的に分解除去することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気ガス中の窒素酸
化物を除去することのできる新規な窒素酸化物除去用触
媒材料、及びその材料を用いた窒素酸化物処理装置なら
びに窒素酸化物の除去方法に関する。
化物を除去することのできる新規な窒素酸化物除去用触
媒材料、及びその材料を用いた窒素酸化物処理装置なら
びに窒素酸化物の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年問題となっている環境問題の中で、
自動車等の内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸
化物等の有害物質を分解、除去する方法の開発が急務と
なっている。この排気ガスの浄化法としては、一酸化炭
素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)
の除去を同時に行なう三元触媒法が実用化されている。
ここでは三元触媒として、γ−アルミナをコートしたコ
ージェライト等の耐熱性担体にPd、Pt、Rh等の貴
金属を担持させたものが一般に用いられている。
自動車等の内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸
化物等の有害物質を分解、除去する方法の開発が急務と
なっている。この排気ガスの浄化法としては、一酸化炭
素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)
の除去を同時に行なう三元触媒法が実用化されている。
ここでは三元触媒として、γ−アルミナをコートしたコ
ージェライト等の耐熱性担体にPd、Pt、Rh等の貴
金属を担持させたものが一般に用いられている。
【0003】しかしながら、この三元触媒法は、排気ガ
ス中に存在する酸素によって担持された前記貴金属が被
毒を受けることにより、その活性が著しく低下してしま
い、三元触媒として有効に機能しなくなるため、理論空
燃比近辺のごく狭い領域でしか排気ガス浄化の効果が得
られないという問題がある。また、酸素過剰雰囲気下で
機能する触媒としてゼオライトの研究が進んでいるが、
耐熱性、耐水性の点で十分なものは得られていない。
ス中に存在する酸素によって担持された前記貴金属が被
毒を受けることにより、その活性が著しく低下してしま
い、三元触媒として有効に機能しなくなるため、理論空
燃比近辺のごく狭い領域でしか排気ガス浄化の効果が得
られないという問題がある。また、酸素過剰雰囲気下で
機能する触媒としてゼオライトの研究が進んでいるが、
耐熱性、耐水性の点で十分なものは得られていない。
【0004】一方、これとは別の方法として、アンモニ
ア(NH3)を用いた選択還元法がある。この方法は、
火力発電所等の固定式の燃焼装置において、アンモニア
を還元剤として酸素濃度の高い排気ガス中の窒素酸化物
の還元を行なう方法として実用化されているものであ
る。しかし、使用するアンモニアの毒性、危険性等のた
めに、この方法を自動車等の移動式燃焼装置や都市部で
の固定式燃焼装置に応用することは、安全性の面で問題
がある。
ア(NH3)を用いた選択還元法がある。この方法は、
火力発電所等の固定式の燃焼装置において、アンモニア
を還元剤として酸素濃度の高い排気ガス中の窒素酸化物
の還元を行なう方法として実用化されているものであ
る。しかし、使用するアンモニアの毒性、危険性等のた
めに、この方法を自動車等の移動式燃焼装置や都市部で
の固定式燃焼装置に応用することは、安全性の面で問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上はいずれも還元剤
を用いて窒素酸化物を還元除去する方法であるが、近
年、還元剤を用いずに窒素酸化物を直接分解除去する触
媒が提案されている。これは窒素酸化物の除去において
理想的な反応であり、触媒材料としては、ペロブスカイ
ト型の複合酸化物(特開平5−245370号公報、特
開平5−245371号公報)や、酸素欠陥を有しそれ
が高温で無秩序化することを利用したブラウンミラーラ
イト型の複合酸化物(特開平6−170224号公報)
が提案されている。しかしながら、これらは触媒活性の
点で不十分であり、未だ実用化には至っていないのが現
状である。
を用いて窒素酸化物を還元除去する方法であるが、近
年、還元剤を用いずに窒素酸化物を直接分解除去する触
媒が提案されている。これは窒素酸化物の除去において
理想的な反応であり、触媒材料としては、ペロブスカイ
ト型の複合酸化物(特開平5−245370号公報、特
開平5−245371号公報)や、酸素欠陥を有しそれ
が高温で無秩序化することを利用したブラウンミラーラ
イト型の複合酸化物(特開平6−170224号公報)
が提案されている。しかしながら、これらは触媒活性の
点で不十分であり、未だ実用化には至っていないのが現
状である。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、自動車などの排気ガス中の窒素酸化物
を分解、又は大気中に放出された窒素酸化物を分解除去
することができる窒素酸化物除去用触媒材料、及びその
材料を用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の
除去方法を提供することを目的とする。
れたものであり、自動車などの排気ガス中の窒素酸化物
を分解、又は大気中に放出された窒素酸化物を分解除去
することができる窒素酸化物除去用触媒材料、及びその
材料を用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の
除去方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、一般式:Ba3In2MO8(但
し、Mは、Zr、Ce、Hfの中から選ばれた一種また
は二種以上の金属元素)で表される複合酸化物を主相と
する窒素酸化物除去用触媒材料を要旨とする。
に、請求項1の発明は、一般式:Ba3In2MO8(但
し、Mは、Zr、Ce、Hfの中から選ばれた一種また
は二種以上の金属元素)で表される複合酸化物を主相と
する窒素酸化物除去用触媒材料を要旨とする。
【0008】請求項2の発明は、前記請求項1に記載の
窒素酸化物除去用触媒材料を、その一部又は全体に用い
て構成された窒素酸化物処理装置を要旨とする。具体的
には、窒素酸化物除去用触媒材料が、粉体の状態、又は
粒状やペレット状等に加工された状態、又はハニカム状
等に成形された状態で使用される各種の自動車等の排ガ
ス浄化装置やコジェネレーションなどの固定式燃焼装置
等が挙げられる。
窒素酸化物除去用触媒材料を、その一部又は全体に用い
て構成された窒素酸化物処理装置を要旨とする。具体的
には、窒素酸化物除去用触媒材料が、粉体の状態、又は
粒状やペレット状等に加工された状態、又はハニカム状
等に成形された状態で使用される各種の自動車等の排ガ
ス浄化装置やコジェネレーションなどの固定式燃焼装置
等が挙げられる。
【0009】請求項3の発明は、前記請求項1に記載の
窒素酸化物除去用触媒材料と窒素酸化物を含有するガス
とを700℃以上で接触させることにより前記窒素酸化
物を分解除去する窒素酸化物の除去方法を要旨とする。
窒素酸化物除去用触媒材料と窒素酸化物を含有するガス
とを700℃以上で接触させることにより前記窒素酸化
物を分解除去する窒素酸化物の除去方法を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記課題に対して
鋭意研究を進めた結果、バリウム(Ba)とインジウム
(In)を主金属元素として含み特定の結晶構造を有す
る複合酸化物が高い窒素酸化物分解作用を有することを
見出し、本発明に至ったものである。
鋭意研究を進めた結果、バリウム(Ba)とインジウム
(In)を主金属元素として含み特定の結晶構造を有す
る複合酸化物が高い窒素酸化物分解作用を有することを
見出し、本発明に至ったものである。
【0011】本発明の窒素酸化物除去用触媒材料を構成
する複合酸化物は、一般式:Ba3In2MO8で表わさ
れる。ここで、前記一般式中のMはZr、Ce、Hfの
中から選ばれた一種または二種以上の金属元素である。
また、この複合酸化物はCa3Fe2TiO8なる複合酸
化物と同じ結晶構造を有し、Ca3Fe2TiO8型複合
酸化物と称されるもののひとつである。これは、具体的
には、(Fe,Ti)O6八面体が各頂点を共有しつつ連
結してなる規則的な結晶格子配列に、2層おきに(F
e,Ti)O4 四面体が層状に挿入された構造をなして
いることを特徴とする。
する複合酸化物は、一般式:Ba3In2MO8で表わさ
れる。ここで、前記一般式中のMはZr、Ce、Hfの
中から選ばれた一種または二種以上の金属元素である。
また、この複合酸化物はCa3Fe2TiO8なる複合酸
化物と同じ結晶構造を有し、Ca3Fe2TiO8型複合
酸化物と称されるもののひとつである。これは、具体的
には、(Fe,Ti)O6八面体が各頂点を共有しつつ連
結してなる規則的な結晶格子配列に、2層おきに(F
e,Ti)O4 四面体が層状に挿入された構造をなして
いることを特徴とする。
【0012】例えば、前記一般式中のMがZrである場
合には、複合酸化物はBa3In2ZrO8として表わさ
れ、その結晶構造は、(In,Zr)O6 八面体が各頂
点を共有しつつ連結してなる規則的な結晶格子配列に、
2層おきに(In,Zr)O4四面体が層状に挿入された
構造を基本骨格となし、これらの間にBa元素が存在し
ていることを特徴とする。
合には、複合酸化物はBa3In2ZrO8として表わさ
れ、その結晶構造は、(In,Zr)O6 八面体が各頂
点を共有しつつ連結してなる規則的な結晶格子配列に、
2層おきに(In,Zr)O4四面体が層状に挿入された
構造を基本骨格となし、これらの間にBa元素が存在し
ていることを特徴とする。
【0013】上述した構成の複合酸化物からなる材料
は、例えば内燃機関の排気ガスと接触させることによ
り、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOX)を分解
し除去することができる。このメカニズムは未だ十分に
は明らかにされていないが、複合酸化物中の酸素欠陥が
高温状態において無秩序化し、窒素酸化物がこの酸素欠
陥に結合しやすくなり、その結果として窒素酸化物が分
解して窒素と酸素とを生成するものと考えられる。
は、例えば内燃機関の排気ガスと接触させることによ
り、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOX)を分解
し除去することができる。このメカニズムは未だ十分に
は明らかにされていないが、複合酸化物中の酸素欠陥が
高温状態において無秩序化し、窒素酸化物がこの酸素欠
陥に結合しやすくなり、その結果として窒素酸化物が分
解して窒素と酸素とを生成するものと考えられる。
【0014】本発明の窒素酸化物除去用触媒材料を製造
する方法としては、例えば、前記一般式中のMとしてZ
rを用いた場合を例にとると、微細なジルコニウム酸化
物(ZrO2)を純水中に均質に懸濁させ、この懸濁液
に主金属元素であるBaとInの硝酸塩を溶解して加水
分解後に蒸発乾固又はそのまま蒸発乾固して得られた残
渣を600℃以上で熱処理する方法が挙げられる。ここ
で、最も好ましい熱処理温度は、900〜1100℃で
あり、それによって、Ba3In2ZrO8の結晶が十分
生成し、分解もなく、且つ、副生成物も少ない良好な粉
末が得られる。
する方法としては、例えば、前記一般式中のMとしてZ
rを用いた場合を例にとると、微細なジルコニウム酸化
物(ZrO2)を純水中に均質に懸濁させ、この懸濁液
に主金属元素であるBaとInの硝酸塩を溶解して加水
分解後に蒸発乾固又はそのまま蒸発乾固して得られた残
渣を600℃以上で熱処理する方法が挙げられる。ここ
で、最も好ましい熱処理温度は、900〜1100℃で
あり、それによって、Ba3In2ZrO8の結晶が十分
生成し、分解もなく、且つ、副生成物も少ない良好な粉
末が得られる。
【0015】また、前記の製造方法の他に、Baの炭酸
塩及びIn、Zrの酸化物をボールミルにて湿式混合し
た後、乾燥及び熱処理することによっても合成すること
ができる。また、Zr、Ce、Hfの中から二種以上を
選択して複合酸化物を合成する場合であっても同様にし
て行なうことができる。尚、本発明の窒素酸化物除去用
触媒材料は、何等これらの製造方法により製造されるも
のに限定はされない。
塩及びIn、Zrの酸化物をボールミルにて湿式混合し
た後、乾燥及び熱処理することによっても合成すること
ができる。また、Zr、Ce、Hfの中から二種以上を
選択して複合酸化物を合成する場合であっても同様にし
て行なうことができる。尚、本発明の窒素酸化物除去用
触媒材料は、何等これらの製造方法により製造されるも
のに限定はされない。
【0016】本発明の窒素酸化物除去用触媒材料は、前
記一般式で表わされる複合酸化物を主成分として含むも
のであればその機能を十分発揮し得るものであり、構成
元素の未反応物や前記一般式に合致しない化合物、さら
には不可避的に存在する不純物が少量残存していても差
し支えない。しかし、窒素酸化物の分解除去効率を高め
るには、前記一般式で表わされる複合酸化物のみを単一
構成相として有することが好ましい。
記一般式で表わされる複合酸化物を主成分として含むも
のであればその機能を十分発揮し得るものであり、構成
元素の未反応物や前記一般式に合致しない化合物、さら
には不可避的に存在する不純物が少量残存していても差
し支えない。しかし、窒素酸化物の分解除去効率を高め
るには、前記一般式で表わされる複合酸化物のみを単一
構成相として有することが好ましい。
【0017】請求項2の発明では、窒素酸化物を除去す
る機能を有する上述した窒素酸化物除去用触媒材料を、
その一部又は全体に用いて窒素酸化物処理装置を構成
し、例えば自動車の排気ガス等をこの窒素酸化物処理装
置に導いて、排気ガス中の窒素酸化物をこの窒素酸化物
除去用触媒材料と接触させることによって、排気ガス中
の窒素酸化物を窒素と酸素とに分解し、排気ガスの浄化
を効果的に行なうことが可能となる。
る機能を有する上述した窒素酸化物除去用触媒材料を、
その一部又は全体に用いて窒素酸化物処理装置を構成
し、例えば自動車の排気ガス等をこの窒素酸化物処理装
置に導いて、排気ガス中の窒素酸化物をこの窒素酸化物
除去用触媒材料と接触させることによって、排気ガス中
の窒素酸化物を窒素と酸素とに分解し、排気ガスの浄化
を効果的に行なうことが可能となる。
【0018】窒素酸化物処理装置の構成としては、例え
ば処理対象とするガスの流路内または末端部に設けられ
た耐熱性容器内に上述した触媒材料を装填してなるもの
としてもよいし、前記触媒材料自体でもって装置の全体
を構成してもよい。このとき、排気ガスと接触し得る有
効面積を稼いで浄化効率を高めるために、粉末状、粒子
状、ペレット状、ハニカム形状等の各種形態のものとす
ることが望ましい。また、本発明の窒素酸化物除去用触
媒材料は、高温における窒素酸化物の分解能力に優れて
いるので、自動車等のように高温の排気ガスを排出する
ところに用いる装置として好適である。
ば処理対象とするガスの流路内または末端部に設けられ
た耐熱性容器内に上述した触媒材料を装填してなるもの
としてもよいし、前記触媒材料自体でもって装置の全体
を構成してもよい。このとき、排気ガスと接触し得る有
効面積を稼いで浄化効率を高めるために、粉末状、粒子
状、ペレット状、ハニカム形状等の各種形態のものとす
ることが望ましい。また、本発明の窒素酸化物除去用触
媒材料は、高温における窒素酸化物の分解能力に優れて
いるので、自動車等のように高温の排気ガスを排出する
ところに用いる装置として好適である。
【0019】請求項3の発明では、上述した窒素酸化物
除去用触媒材料を用いて窒素酸化物の除去を行なうに
は、700℃以上の高温で窒素酸化物含有ガスと本発明
の触媒材料とを接触させることが好ましい。例えば、処
理対象のガスが自動車等の内燃機関から排出される場合
のように高温の排気ガスであれば、そのまま本発明の触
媒材料をその流路中に配置して接触させればよく、比較
的温度が低いガスの場合には、別途加熱手段を設けてガ
スまたは触媒材料を加熱しながら接触させることが望ま
しい。更に好ましい温度範囲としては、850℃以上で
あるが、1200℃より高くなると複合酸化物自体の分
解、変形等が起こるため好ましくない。
除去用触媒材料を用いて窒素酸化物の除去を行なうに
は、700℃以上の高温で窒素酸化物含有ガスと本発明
の触媒材料とを接触させることが好ましい。例えば、処
理対象のガスが自動車等の内燃機関から排出される場合
のように高温の排気ガスであれば、そのまま本発明の触
媒材料をその流路中に配置して接触させればよく、比較
的温度が低いガスの場合には、別途加熱手段を設けてガ
スまたは触媒材料を加熱しながら接触させることが望ま
しい。更に好ましい温度範囲としては、850℃以上で
あるが、1200℃より高くなると複合酸化物自体の分
解、変形等が起こるため好ましくない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の窒素酸化物除去用触媒材料の
実施例について、その製造方法とともに説明する。本実
施例の窒素酸化物除去用触媒材料は、Ba及びInを主
金属元素とし、前記一般式中のMがZrである複合酸化
物:Ba3In2ZrO6からなるものである。
実施例について、その製造方法とともに説明する。本実
施例の窒素酸化物除去用触媒材料は、Ba及びInを主
金属元素とし、前記一般式中のMがZrである複合酸化
物:Ba3In2ZrO6からなるものである。
【0021】まず、本実施例の窒素酸化物除去用触媒材
料である複合酸化物の製造方法について説明する。純度
98%、平均粒子径1.0μmの酸化ジルコニウム(Z
rO2)の粉末を純水中に超音波法により懸濁させ、さ
らにこの懸濁液に試薬1級の硝酸バリウム(Ba(NO
3)2)と硝酸インジウム(In(NO3)3・3H2O)
とを溶解させた。このとき、各金属元素のモル比がB
a:In:Zr=3:2:1になるようにした。その後
この懸濁液に7%アンモニア水を徐々に滴下し、加水分
解させ、沈殿物を得た。
料である複合酸化物の製造方法について説明する。純度
98%、平均粒子径1.0μmの酸化ジルコニウム(Z
rO2)の粉末を純水中に超音波法により懸濁させ、さ
らにこの懸濁液に試薬1級の硝酸バリウム(Ba(NO
3)2)と硝酸インジウム(In(NO3)3・3H2O)
とを溶解させた。このとき、各金属元素のモル比がB
a:In:Zr=3:2:1になるようにした。その後
この懸濁液に7%アンモニア水を徐々に滴下し、加水分
解させ、沈殿物を得た。
【0022】次に、この沈殿物を150℃で蒸発乾固
し、アルミナ乳鉢で粉砕して原料組成物とした。これ
を、大気雰囲気中、1000℃で6時間熱処理して合成
粉末を得た。粉末X線回折により結晶相がBa3In2Z
rO8の単一相であることを確認した。このX線回折チ
ャートを図1に示す。なお、結晶相の確認はGoodenough
et al., Solid State Ionics, Vol.44, p21-31(1990)
に示されるBa3In2ZrO8のX線回折ピークパター
ンと同じであることを利用して確認した。また、得られ
た合成粉末の比表面積をBET法で測定したところ0.
64m2/gであった。
し、アルミナ乳鉢で粉砕して原料組成物とした。これ
を、大気雰囲気中、1000℃で6時間熱処理して合成
粉末を得た。粉末X線回折により結晶相がBa3In2Z
rO8の単一相であることを確認した。このX線回折チ
ャートを図1に示す。なお、結晶相の確認はGoodenough
et al., Solid State Ionics, Vol.44, p21-31(1990)
に示されるBa3In2ZrO8のX線回折ピークパター
ンと同じであることを利用して確認した。また、得られ
た合成粉末の比表面積をBET法で測定したところ0.
64m2/gであった。
【0023】次に、本実施例の窒素酸化物除去用触媒材
料の効果を確認するために行なった実験例について説明
する。上述した製造方法によって得られた合成粉末を、
200kg/cm2の圧力で一定形状に成形した後、そ
の成形体を粉砕し、標準ふるいにて26〜50メッシュ
の粒度のものに整粒した。整粒した粉末1gを石英ガラ
ス製の反応管に詰め、この反応管に、NO:1000p
pmを含有するヘリウムガスを、流速200ml/mi
n.(SV=20000h-1)で流通させた。
料の効果を確認するために行なった実験例について説明
する。上述した製造方法によって得られた合成粉末を、
200kg/cm2の圧力で一定形状に成形した後、そ
の成形体を粉砕し、標準ふるいにて26〜50メッシュ
の粒度のものに整粒した。整粒した粉末1gを石英ガラ
ス製の反応管に詰め、この反応管に、NO:1000p
pmを含有するヘリウムガスを、流速200ml/mi
n.(SV=20000h-1)で流通させた。
【0024】そして、反応管から出てきたガスに対し、
化学発光式窒素酸化物分析計及びガスクロマトグラフを
用いて、窒素酸化物分解特性を評価した。具体的には、
反応管から排出されるガス中のNOXの濃度を窒素酸化
物分析計で、また、N2、N2Oの濃度をガスクロマトグ
ラフで測定した。また、測定した温度範囲は500〜9
50℃である。得られた測定値をもとにしてNOからN
2への転化率を求めた結果を図2に示す。図2から明ら
かなように、本発明の触媒材料は700℃から950℃
にかけて良好なNO分解活性を示した。
化学発光式窒素酸化物分析計及びガスクロマトグラフを
用いて、窒素酸化物分解特性を評価した。具体的には、
反応管から排出されるガス中のNOXの濃度を窒素酸化
物分析計で、また、N2、N2Oの濃度をガスクロマトグ
ラフで測定した。また、測定した温度範囲は500〜9
50℃である。得られた測定値をもとにしてNOからN
2への転化率を求めた結果を図2に示す。図2から明ら
かなように、本発明の触媒材料は700℃から950℃
にかけて良好なNO分解活性を示した。
【0025】この様に、本実施例の窒素酸化物除去用触
媒材料は、高温において窒素酸化物を分解する機能を有
するため、自動車等の内燃機関から排出される高温の排
気ガスの浄化処理に好適である。従って、例えば、本実
施例の窒素酸化物除去用触媒材料を、粉体のまま、又は
粒状やペレット状等に加工して、又はハニカム状等に成
形して、排気ガスの通路に設けられた排気ガス浄化装置
内に装填することにより、効果的に自動車などの排気ガ
ス中の窒素酸化物を分解して除去することができる。
媒材料は、高温において窒素酸化物を分解する機能を有
するため、自動車等の内燃機関から排出される高温の排
気ガスの浄化処理に好適である。従って、例えば、本実
施例の窒素酸化物除去用触媒材料を、粉体のまま、又は
粒状やペレット状等に加工して、又はハニカム状等に成
形して、排気ガスの通路に設けられた排気ガス浄化装置
内に装填することにより、効果的に自動車などの排気ガ
ス中の窒素酸化物を分解して除去することができる。
【0026】また、上記一般式中のMとしてZrに代え
てCeまたはHfを用いた場合にも同様の効果を確認す
ることができた。尚、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各
種の態様で実施できることは勿論である。
てCeまたはHfを用いた場合にも同様の効果を確認す
ることができた。尚、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各
種の態様で実施できることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の複合酸化
物からなる窒素酸化物除去用触媒材料は、毒性のある還
元剤を用いることなく窒素酸化物を分解除去することが
でき、内燃機関の排気ガス浄化用触媒として有用なもの
である。また、大気中に放出される窒素酸化物の分解除
去にも有用なものである。従って、この窒素酸化物除去
用触媒材料を用いて窒素酸化物処理装置を構成すること
により、効果的に自動車などの排気ガス等の浄化を行な
うことができる。
物からなる窒素酸化物除去用触媒材料は、毒性のある還
元剤を用いることなく窒素酸化物を分解除去することが
でき、内燃機関の排気ガス浄化用触媒として有用なもの
である。また、大気中に放出される窒素酸化物の分解除
去にも有用なものである。従って、この窒素酸化物除去
用触媒材料を用いて窒素酸化物処理装置を構成すること
により、効果的に自動車などの排気ガス等の浄化を行な
うことができる。
【図1】 実施例における複合酸化物(Ba3In2Zr
O8)の粉末X線回折パターンである。
O8)の粉末X線回折パターンである。
【図2】 実施例の実験における複合酸化物の窒素酸化
物分解特性を示したグラフである。
物分解特性を示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式:Ba3In2MO8(但し、M
は、Zr、Ce、Hfの中から選ばれた一種または二種
以上の金属元素)で表される複合酸化物を主相とする窒
素酸化物除去用触媒材料。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載の窒素酸化物除去用
触媒材料を、その一部又は全体に用いて構成された窒素
酸化物処理装置。 - 【請求項3】 前記請求項1に記載の窒素酸化物除去用
触媒材料と窒素酸化物を含有するガスとを700℃以上
で接触させることにより前記窒素酸化物を分解除去する
窒素酸化物の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8056663A JPH09220465A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8056663A JPH09220465A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09220465A true JPH09220465A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=13033647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8056663A Pending JPH09220465A (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09220465A (ja) |
-
1996
- 1996-02-19 JP JP8056663A patent/JPH09220465A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2323758T3 (es) | Catalizador de combustion de particulas. | |
WO2005044426A1 (ja) | 窒素酸化物を接触還元する方法をそのための触媒 | |
JPH10235192A (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
EP0714693A1 (en) | Exhaust gas cleaner and method for cleaning exhaust gas | |
JP4090547B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP2000117106A (ja) | 希薄燃焼エンジン用排気ガス浄化用触媒 | |
WO2012093599A1 (ja) | 排気ガス浄化用触媒 | |
JPH07163871A (ja) | 窒素酸化物用吸着材および排気ガス浄化用触媒 | |
JPH11151440A (ja) | 窒素酸化物の分解除去用触媒及び窒素酸化物の分解除去方法 | |
JP3483190B2 (ja) | 窒素酸化物除去触媒及びその製造方法 | |
JP3374569B2 (ja) | 排ガス浄化触媒および浄化方法 | |
JP3889467B2 (ja) | 窒素酸化物除去用触媒材料及び該材料を用いた窒素酸化物処理装置並びに窒素酸化物除去方法 | |
JPH09220465A (ja) | 窒素酸化物除去用触媒材料及びこれを用いた窒素酸化物処理装置ならびに窒素酸化物の除去方法 | |
JPH05277376A (ja) | 窒素酸化物除去用触媒およびこれを用いてなる窒素酸化物除去方法 | |
WO2002055194A1 (fr) | Catalyseur destine a la clarification d'oxydes d'azote | |
EP2210861B1 (en) | Diesel particulate filter | |
JP3266471B2 (ja) | 窒素酸化物吸蔵用材料及び該材料を用いた窒素酸化物処理装置 | |
JPH09299806A (ja) | NOx含有排ガス浄化用触媒及びその浄化方法 | |
JP3266472B2 (ja) | 窒素酸化物吸蔵用材料及び該材料を用いた窒素酸化物処理装置 | |
KR0166465B1 (ko) | 배기가스 정화용 촉매의 제조방법 | |
JP3447513B2 (ja) | 排気ガス浄化用触媒および排気ガス浄化方法 | |
JPH08150336A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
KR100429825B1 (ko) | 자동차배기가스정화용촉매및그제조방법 | |
JPH04235742A (ja) | 排ガス浄化用アルデヒド分解触媒 | |
JPH09299792A (ja) | 窒素酸化物除去用触媒材料及び該材料を用いた窒素酸化物処理装置並びに窒素酸化物除去方法 |