JPH09219540A - GaN薄膜の形成方法 - Google Patents

GaN薄膜の形成方法

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JPH09219540A
JPH09219540A JP4540596A JP4540596A JPH09219540A JP H09219540 A JPH09219540 A JP H09219540A JP 4540596 A JP4540596 A JP 4540596A JP 4540596 A JP4540596 A JP 4540596A JP H09219540 A JPH09219540 A JP H09219540A
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JP
Japan
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thin film
aln
gan
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gan thin
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JP4540596A
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Satoru Tanaka
悟 田中
Sohachi Iwai
荘八 岩井
Katsunobu Aoyanagi
克信 青柳
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SiC基板上にバッファー層としてAlN薄膜
を介してGaN薄膜を形成する際に、GaN薄膜中の転
位密度を大幅に低減させる。 【解決手段】SiC基板上にバッファー層としてAlN
薄膜を介してGaN薄膜を形成するGaN薄膜の形成方
法において、上記AlN薄膜の厚さを4.6nm以下に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN(窒化ガリ
ウム)薄膜の形成方法に関し、さらに詳細には、SiC
(シリコン・カーバイド)基板上にバッファー層として
AlN(窒化アルミニウム)薄膜を介してGaN薄膜を
形成するGaN薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、青色波長域〜紫外波長域のような短波長域における
発光素子用材料として、III−V族窒化物半導体であ
るGaNが着目されており、GaN薄膜を材料とした青
色発光ダイオード(LED)が実現されるとともに、G
aN薄膜を材料とした青色レーザーの研究が進められて
いる。
【0003】こうしたGaN薄膜を材料とした青色LE
Dの発光の効率を向上させたり、GaN薄膜を材料とし
た青色レーザーを実現するためには、GaN薄膜中に存
在する、例えば、ミスフィット転位やミスフィット転位
によって生じる貫通転位のような転位あるいは粒界など
の構造欠陥を制御することが重要であると考えられてい
る。
【0004】ところで、基板として広く使用されるサフ
ァイア(Al23)上に形成されたGaN薄膜における
欠陥密度(単位面積当たりの構造欠陥の数)は、Al2
3上に形成され実用化されている他のIII−V族系
化合物半導体(GaAs,InPなど)薄膜における欠
陥密度と比較すると、極めて高い値を示していた。
【0005】このようなGaN薄膜の欠陥密度の高さ
は、主にGaN薄膜と基板材料(Al23)との格子不
整合に起因するものであり、基板材料としてGaN薄膜
と格子整合するGaN基板が存在しない現状において
は、GaN薄膜の欠陥密度の高さは避け難い問題として
指摘されていた。
【0006】従来、GaN薄膜の欠陥密度の高さを改善
するためには、薄膜構造を模式的に示した図1(b)に
示すように、基板材料として、例えば、SiC基板の一
種である6H−SiC(0001)基板を用い、6H−
SiC(0001)基板上に厚さ10nm以上のAlN
薄膜を形成し、このAlN薄膜上にGaN薄膜(例え
ば、厚さ1.5μm)を形成するようにしていた。
【0007】即ち、AlN薄膜は、SiC基板との格子
不整合率が1%であるとともに、GaN薄膜との格子不
整合率が2.5%であり、こうしたAlN薄膜をSiC
基板とGaN薄膜とのバッファー層として用いたもので
あった。
【0008】上記した図1(b)に示す薄膜構造におい
て、厚さ10nm以上のAlN薄膜上に1.5μmの厚
さのGaN薄膜を形成した場合には、構造欠陥の中の貫
通転位に関しては1010cm-2オーダーの転位密度が得
られたが、さらに転位密度を大幅に低減することが望ま
れていた。
【0009】本発明は、上記した要望に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、SiC基板上に
バッファー層としてAlN薄膜を介してGaN薄膜を形
成する際に、GaN薄膜中の転位密度を大幅に低減させ
たGaN薄膜の形成方法を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明におけるGaN薄膜の形成方法は、SiC基
板上にバッファー層としてAlN薄膜を介してGaN薄
膜を形成するGaN薄膜の形成方法において、上記Al
N薄膜の厚さを4.6nm以下にするようにしたもので
ある。
【0011】さらに、上記AlN薄膜の上記GaN薄膜
と接する表面を平滑化するようにしたものである。
【0012】バッファー層としてSiC基板上に形成さ
れたAlN薄膜の臨界膜厚は、「マシューズとブラッケ
スリーの力バランス方法(The Force Bal
ance Method of Matthews a
nd Blakeslee)」を用いることによって、
図2に示す式1により計算することができる。
【0013】式1において、「ポアソン比ν=0.29
7」であるときに、バッファー層としてSiC基板上に
形成されたAlN薄膜の臨界膜厚は4.6nmとなる。
【0014】SiC基板上に形成されたAlN薄膜の厚
さが臨界膜厚(4.6nm)以下である場合には、Al
N薄膜はSiC基板に対してスードモーフィック(ps
eudomorphic)に歪んでおり(即ち、弾性歪
みのみによって格子不整合(格子不整合率=1%)を解
消しており)、AlN薄膜中にミスフィット転位やミス
フィット転位によって生じる貫通転位が発生することは
ない。
【0015】一方、SiC基板上に形成されたAlN薄
膜の厚さが臨界膜厚(4.6nm)を超えると、AlN
薄膜は弾性的に歪みエネルギーを蓄えることがもはやで
きず、AlN薄膜中にミスフィット転位ならびにミスフ
ィット転位によって生じる貫通転位が発生する。
【0016】なお、通常ミスフィット転位は試料(Al
N薄膜)の表面から導入され、貫通転位を伴って転位の
ハーフループを形成しつつ界面に到達して、格子不整合
を緩和する。ここで、ハーフループが試料(AlN薄
膜)端にまで達すると、試料(AlN薄膜)中に貫通転
位は残らずに理想的な不整合界面となる。しかしなが
ら、一般にMOCVD(Metallorganic
Chemical Vapor Depositio
n)などにより薄膜を形成する際における膜成長温度
(約1000゜C)程度では、パイエルスーナバロ力に
よって転位の移動度は制限され、貫通転位が試料(Al
N薄膜)中に残留することになる。
【0017】従って、SiC基板上に形成されたAlN
薄膜の厚さが臨界膜厚(4.6nm)を超える場合に
は、AlN薄膜中に貫通転位が発生し、AlN薄膜中に
発生した貫通転位がGaN薄膜に伝搬し、結果としてG
aN薄膜中の貫通転位の転位密度が高くなる。
【0018】しかしながら、SiC基板上に形成された
AlN薄膜の厚さが臨界膜厚(4.6nm)以下である
場合には、AlN薄膜中に貫通転位が発生することがな
く、このため貫通転位がGaN薄膜に伝搬することがな
いので、GaN薄膜における貫通転位の転位密度を低減
することができる。
【0019】また、上記したSiC基板とAlN薄膜と
の界面における現象と同様な現象は、GaN薄膜とAl
N薄膜との界面(格子不整合率=2.5%)においても
生じている。
【0020】しかしながら、GaN薄膜とAlN薄膜と
よりなる系においては、GaN薄膜中における転位のパ
イエルスーナバロ力がAlN薄膜中の値に比べて小さい
ために、一般にMOCVDなどにより薄膜を形成する際
における膜成長温度(約1000゜C)程度でも、転位
は比較的容易にGaN薄膜中を移動できるものであり、
ハーフループは試料(GaN薄膜)端に達することがで
き、GaN薄膜中に残留する貫通転位は少ない。
【0021】このため、AlN薄膜中に残留する貫通転
位の密度を低減することにより、GaN薄膜中における
貫通転位の密度を低減することができる。
【0022】また、GaN薄膜を形成する前のAlN薄
膜の表面は、AlN薄膜の膜厚の増加に従って表面粗さ
が増大する。即ち、このAlN薄膜の膜厚を薄くすれば
するほど、AlN薄膜の表面が平滑化され、それにより
AlN薄膜中に残留する貫通転位の密度を低減すること
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明によるGaN薄膜の形成方法の実施の形態を詳細に
説明するものとする。
【0024】図1(a)は、本発明によるGaN薄膜の
形成方法によって、SiC基板として6H−SiC(0
001)基板上にAlN薄膜を介して形成されたGaN
薄膜の薄膜構造を、模式的に示す説明図である。ここ
で、AlN薄膜の厚さは、上記した臨界膜厚(4.6n
m)以下とするものである。
【0025】ここで、図1(a)(b)に示す薄膜構造
を形成するには、例えば、MOCVDやMBE(Mol
ecular Beam Epitaxy)などの薄膜
製造技術を用いて形成することができる。図3には、M
OCVDを用いて図1(a)(b)に示す薄膜構造を形
成する際の実験条件が示されている。
【0026】図3に示す実験条件により、AlN薄膜の
厚さを1nm〜12nmに変化させて、厚さ1.5μm
のGaN薄膜を形成した場合には、SiC基板上に形成
されたAlN薄膜の厚さが上記した臨界膜厚(4.6n
m)を超える場合には、GaN薄膜中に1010cm-2
ーダーの貫通転位の転位密度が観察されたのに対して、
SiC基板上に形成されたAlN薄膜の厚さが上記した
臨界膜厚(4.6nm)以下の場合には、GaN薄膜中
の貫通転位の転位密度は107cm-2オーダーという大
幅に低い転位密度が観察された。
【0027】図4は、AlN薄膜の厚さを上記した臨界
膜厚(4.6nm)を超えた12nmとした場合におけ
る、透過型電子顕微鏡(TEM)による図1(b)に示
す薄膜構造の断面の電子顕微鏡写真であり、GaN薄膜
中に多数の貫通転位が発生していることがわかる。
【0028】一方、図5は、AlN薄膜の厚さを上記し
た臨界膜厚(4.6nm)以下の1nmとした場合にお
ける、TEMによる図1(a)に示す薄膜構造の断面の
電子顕微鏡写真であり、GaN薄膜中に貫通転位が発生
していないことがわかる。
【0029】このように、AlN薄膜の厚さが臨界膜厚
(4.6nm)以下である場合には、AlN薄膜の厚さ
が臨界膜厚(4.6nm)を超える場合に比して、著し
くGaN薄膜中の貫通転位の転位密度を低減することが
できる。
【0030】また、図3に示すように、GaN薄膜を形
成する前のAlN薄膜の表面を原子間力顕微鏡(AF
M)により観察した結果、AlN薄膜の膜厚の増加に従
って表面粗さが増大することが観察された。即ち、この
AlN薄膜の膜厚を薄くすればするほど、AlN薄膜の
表面が平滑化され、AlN薄膜中に残留する貫通転位の
密度の低減に寄与する。
【0031】従って、臨界膜厚(4.6nm)以下のA
lN薄膜の厚さとしては、例えば、図6に示すように、
SiC基板上に1分子層の厚さのAlN薄膜を形成する
ようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、SiC基板上にバッファー層としてAlN
薄膜を介してGaN薄膜を形成する際に、GaN薄膜中
の転位密度を大幅に低減させることができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明によるGaN薄膜の形成方法
によって、SiC基板として6H−SiC(0001)
基板上にAlN薄膜を介して形成されたGaN薄膜の薄
膜構造を、模式的に示す説明図であり、(b)は、従来
のSiC基板として6H−SiC(0001)基板上に
AlN薄膜を介して形成されたGaN薄膜の薄膜構造
を、模式的に示す説明図である。
【図2】式1を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における実験条件を示す説
明図である。
【図4】AlN薄膜の厚さを臨界膜厚(4.6nm)を
超えた12nmとした場合における、TEMによる図1
(b)に示す薄膜構造の断面の電子顕微鏡写真である。
【図5】AlN薄膜の厚さを臨界膜厚(4.6nm)以
下の1nmとした場合における、TEMによる図1
(a)に示す薄膜構造の断面の電子顕微鏡写真である。
【図6】SiC基板上に1分子層の厚さのAlN薄膜を
形成した状態を模式的に示す断面説明図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiC基板上にバッファー層としてAl
    N薄膜を介してGaN薄膜を形成するGaN薄膜の形成
    方法において、前記AlN薄膜の厚さを4.6nm以下
    にすることを特徴とするGaN薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記AlN薄膜の前記GaN薄膜と接す
    る表面を平滑化することを特徴とする請求項1記載のG
    aN薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記AlN薄膜の厚さを1分子層の厚さ
    とする請求項1または2のいずれか1項に記載のGaN
    薄膜の形成方法。
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