JPH09218509A - 感光性ペースト - Google Patents

感光性ペースト

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JPH09218509A
JPH09218509A JP2279596A JP2279596A JPH09218509A JP H09218509 A JPH09218509 A JP H09218509A JP 2279596 A JP2279596 A JP 2279596A JP 2279596 A JP2279596 A JP 2279596A JP H09218509 A JPH09218509 A JP H09218509A
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雄一朗 井口
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淳二 真多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高アスペクト比かつ高精度のパターン加工を可
能にする感光性ペーストを安定して提供する。 【解決手段】無機微粒子と感光性有機成分とリン含有化
合物を含むことを特徴とする感光性ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な感光性ペース
トに関する。本発明の感光性ペーストは、プラズマディ
スプレイ、プラズマアドレス液晶ディスプレイをはじめ
とする各種のディスプレイ、回路材料等のパターン加工
に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、回路材料やディスプレイにおい
て、小型・高精細化が進んでおり、それに伴って、パタ
ーン加工技術も技術向上が望まれている。特に、コンピ
ューターのCPU等に用いるグリーンシートやプラズマ
ディスプレイパネルの隔壁形成には、高精度であること
と共に、高アスペクト比のパターン加工が可能な材料が
望まれている。
【0003】従来、無機材料のパターン加工を行う場
合、無機粉末と有機バインダーからなるペーストによる
スクリーン印刷が多く用いられている。しかしながらス
クリーン印刷は精度の高いパターンが形成できないとい
う欠点があった。
【0004】この問題を改良する方法として、特開平1
−296534号公報、特開平2−165538号公
報、特開平5−342992号公報では、感光性ペース
トを用いてフォトリソグラフィ技術に形成する方法が提
案されている。しかしながら、感光性ペーストの感度や
解像度が低いために高アスペクト比、高精細の隔壁が得
られないために、例えば80μmを越えるような厚みの
ものをパターン加工する場合、複数回の加工工程(スク
リーン印刷・露光・現像)を必要とするため、工程が長
くなる欠点があった。
【0005】また、特開平2−165538号公報で
は、感光性ペーストを転写紙上にコーティングした後、
転写フィルムをガラス基板上に転写して隔壁を形成する
方法が、特開平3−57138号公報では、フォトレジ
スト層の溝に誘電体ペーストを充填して隔壁を形成する
方法がそれぞれ提案されている。また特開平4−109
536号公報では、感光性有機フィルムを用いて隔壁を
形成する方法が提案されている。しかしながら、これら
の方法では、転写フィルムやフォトレジストあるいは有
機フィルムを必要とするために工程が増えるという問題
点があった。また、高精細度や高アスペクト比を有する
隔壁を得るには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは高アスペ
クト比かつ高精度のパターン加工性を可能にする感光性
ペーストを鋭意検討したが、用いる無機微粒子の種類に
よっては有機成分と反応することによって、ゲル化が進
行し、ペーストが増粘によって使用できなくなる場合が
ある。
【0007】本発明は、このような感光性ペーストのゲ
ル化を抑制し、安定に使用でき、高アスペクト比かつ高
精度のパターン加工性を可能にする感光性ペーストを得
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、無機微
粒子と感光性化合物を含む有機成分を必須成分とする感
光性ペースト中にリン化合物を導入することを特徴とす
る感光性ペーストにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いるリン含有化合物と
は、リンを分子内に5〜80重量%含有する化合物のこ
とであり、このリン化合物をペースト中に添加すること
によって、ポットライフの長い感光性ペーストを得るこ
とができる。リン含有化合物は分子内にP−OH基を持
つ化合物であれば効果がある。
【0010】特に、一般式(A)、(B)、(C)に示
される化合物
【化4】
【化5】
【化6】 (R1 〜R6 :酸素原子を0〜4個含有する炭素数1〜
10の炭化水素基、X:酸素原子または硫黄原子、m:
1〜4の整数)が好ましく、具体例としては次に示す化
合物をあげられる。
【0011】亜リン酸ジブチル、亜リン酸ブチル、亜リ
ン酸ジメチル、亜リン酸メチル、亜リン酸プロピル、亜
リン酸ジプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸フェ
ニル、亜リン酸イソプロピル、亜リン酸ジイソプロピ
ル、亜リン酸nブチル−2−エチルヘキシルなどの亜リ
ン酸モノアルキル(C1〜10)エステル類、亜リン酸
ジアルキル(C1〜10)エステル類、リン酸ジブチ
ル、リン酸ブチル、リン酸ジメチル、リン酸メチル、リ
ン酸プロピル、リン酸ジプロピル、リン酸ジフェニル、
リン酸フェニル、リン酸イソプロピル、リン酸ジイソプ
ロピル、リン酸nブチル−2−エチルヘキシルなどのリ
ン酸モノアルキル(C1〜10)エステル類、リン酸ジ
アルキル(C1〜10)エステル類、リン酸化脂肪族モ
ノカルボン酸アルキルエステル類、前述のリン酸エステ
ル類の酸素を硫黄に置換したチオリン酸化合物などがあ
げられる。また、亜リン酸アルキルエステルやリン酸ア
ルキルエステルのアルキル部分にアクリル基やメタクリ
ル基、ビニル基などの不飽和基を有する化合物を用いて
も良い。さらに、ホスホン酸基やホスフィン酸基を有す
る化合物を用いても良い。
【0012】分子内にP−OH結合の占める比率が大き
いほどゲル化防止効果を高めることができるので、分子
内のリン含有率が5重量%以上の化合物が好ましい。
【0013】より好ましい化合物として、ヒドロキシエ
チリレンジホスホン酸に代表されるアルキルジホスホン
酸などのように、リン酸基や亜リン酸基を分子内に2つ
以上持つ化合物を用いることができる。
【0014】これらリン化合物の添加量は、ペースト中
に0.01〜10重量%、より好ましくは、0.05〜
1重量%にすることによって、感光性や基板面との密着
性に影響が少ない良好なペーストを得ることができる。
【0015】添加方法としては、ペースト中に溶解する
方法、溶媒に溶解した後にペーストと混合する方法、ガ
ラス微粒子などの無機微粒子の表面に処理する方法等を
用いることができる。表面に処理する場合の具体的な方
法は、有機溶媒や水などの液体中にリン化合物を溶解し
た後、溶媒を留去する方法を用いることができる。
【0016】溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、メ
タノール、エタノールを用いることが望ましい。溶媒を
留去した後、50〜200℃で12時間以上加熱処理を
施すとより好ましい。
【0017】本発明の感光性ペーストは上記のリン化合
物で表面処理した無機微粒子を50重量%以上含むこと
が好ましい。
【0018】本発明における無機微粒子とは、一般的に
電子材料に用いられる、ガラスや金属(金、白金、銀、
銅、ニッケル、アルミ、パラジウム、タングステン、酸
化ルテニウム等)の微粒子であり、本発明において特に
有用となるのは、ガラス微粒子である。無機微粒子の5
0重量%以上にガラス微粒子を用いることが好ましい。
【0019】ガラス微粒子としては、公知のものであれ
ば、特に限定はないが、 SiO2 3〜60重量% B2 3 3〜60重量% BaO 1〜25重量% Al2 3 1〜10重量% の組成範囲を有するガラスを用いることが好ましい。
【0020】また、ガラス粉末中に、TiO2 ,ZrO
2 ,Y2 3 などを含有することができるが、その量は
0〜20重量%であることが好ましい。
【0021】ガラス粉末中の組成としては、SiO2
3〜60重量%の範囲で配合することが好ましく、3重
量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性が低
下し、またガラス基板と熱膨張係数のミスマッチが起こ
り、所望の値から外れる。また60重量%以下にするこ
とによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き
付けが可能になるなどの利点がある。
【0022】B2 3 は3〜60重量%の範囲で配合す
ることによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁
層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上する
ことができる。また、60重量%を越えるとガラスの安
定性が低下する。
【0023】BaOやAl2 3 を添加することで、安
定したガラス粉末を得ることができる。
【0024】ZnOは30重量%以下の範囲で配合する
ことが好ましい。30重量%を越えると、ガラス基板上
に焼付けする温度が低くなり過ぎて制御できなくなり、
また絶縁抵抗が低くなるので好ましくない。。
【0025】上記において使用されるガラス粉末粒子径
は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれ
るが、50重量%粒子径が0.1〜10μmが好まし
い。
【0026】また、発明者らは、ガラス微粒子として、
形状が球状であるガラス微粒子を用いることによって、
高アスペクト比のパターンニングが可能であることを見
いだした。
【0027】この場合に用いるガラス微粒子としては、
50重量%粒子径が1.0〜7μm、10重量%粒子径
が0.4〜2μm、90重量%粒子径が4〜10μm、
比表面積0.2〜3.0m2 /gのガラス微粒子が適し
ている。さらに、球形率80個数%以上のガラス微粒子
を50重量%以上用いることが好ましい。ガラス微粒子
の球形率は、電子顕微鏡などで粒子を観察し、球形状
(楕球や卵形状も含む)の粒子の数の割合で評価する。
【0028】ガラス基板上にパターン加工を行う場合に
用いるガラス微粒子のガラス転移温度(Tg)は、35
0〜600℃であるのが好ましい。このような温度特性
を有するガラス粉末は、酸化鉛、酸化ビスマス、アルカ
リ金属酸化物を導入することによって得られるが、この
ような成分を含有する場合に、本発明は特に有効にな
る。
【0029】Bi2 3 、PbOを合計量で10〜50
重量%含有することで、温度特性を制御しやすくなる利
点がある。
【0030】また、Na2 O,Li2 O,K2 Oなどの
酸化物金属を添加してもよいが、20重量%以下にする
ことが耐水性の点で好ましい。ただし、これらのアルカ
リ金属酸化物を3〜15重量%添加することによって、
軟化温度、屈折率、熱膨張係数の制御が容易になる利点
がある。
【0031】Bi2 3 を合計量で5〜25重量%含有
し、かつ、アルカリ金属酸化物を3〜10重量%含有す
ることで、軟化温度、屈折率、熱膨張係数、電気的安定
性に優れたガラスを得ることができる。このようなガラ
スは従来からゲル化が起こりやすく、感光性ペーストに
は用いられなかったが、本発明によって、用いることが
できるようになった。
【0032】また、ガラス粉末として、水銀ランプのg
線(436nm)における屈折率が1.50〜1.65
のものを用いることによって、有機成分の屈折率と整合
させることができ、光散乱抑制による高精度のパターン
加工が可能になる。
【0033】本発明において使用される感光性有機成分
とは、ペースト中の感光性を有する化合物を含む有機成
分(ペーストから無機成分を除いた部分)のことであ
る。
【0034】感光性有機成分には、感光性モノマー、感
光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種
類から選ばれる反応性成分、および、バインダー、光重
合開始剤、紫外線吸光剤、増感剤、増感助剤、重合禁止
剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、
有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を加え
ることも行われる。
【0035】本発明に用いる感光性ペーストに関して
は、反応性成分の含有率が感光性有機成分中の10重量
%以上であることが光に対する感度の点で好ましい。さ
らには、30重量%以上であることが好ましい。
【0036】反応性成分としては、光不溶化型のものと
光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、 (1)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの (2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの (3)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの 等がある。また、光可溶型のものとしては、 (4)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類を含有するもの (5)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結
合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフト
キノン1、2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル 等がある。
【0037】本発明において用いる反応性成分は、上記
のすべてのものを用いることができるものの、(1)が
最も簡便な感光性ペーストである。
【0038】この場合用いる反応性モノマーとしては、
炭素−炭素不飽和結合を持つ化合物で、その具体的な例
として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n
−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリ
レート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチル
アクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチ
レングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペン
テニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアク
リレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエ
チレングリコールアクリレート、メトキシジエチレング
リコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレ
ート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアク
リレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シ
クロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グ
リセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシル
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、トリグリセロールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、アクリルアミド、アミノエチルアクリレートおよび
上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべ
てをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリ
ドンなどが挙げられる。
【0039】本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。これら以外に、不飽和カルボン酸
を加えることによって、感光後の現像性を向上すること
ができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、ア
クリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸
無水物などがあげられる。
【0040】一方、感光性オリゴマーや感光性ポリマー
としては、前述の反応性モノマーや、ベンゼン環、ナフ
タレン環などの芳香環を有するメタクリレートモノマー
もしくはアクリレートモノマー、具体的には、フェニル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチ
ル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビ
スフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオフェノー
ル(メタ)アクリレート、ベンジルメルカプタン(メ
タ)アクリレート、また、これらの芳香環の水素原子の
うち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマ
ー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、
臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチ
ルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチル
スチレン、ヒドロキシメチルスチレンのうち少なくとも
1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを用い
ることができる。
【0041】重合する際に、これらのモノマーの含有率
が10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上に
なるように、他の反応性のモノマーを共重合することが
できる。共重合するモノマーとしては、前述の炭素−炭
素不飽和結合を持つ化合物を用いることができる。
【0042】また、不飽和カルボン酸を共重合すること
によって、感光後の現像性を向上することができる。不
飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メ
タアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などが
あげられる。特に、本発明は有機成分中にカルボキシル
基を持つポリマーを用いた場合に有効である。
【0043】こうして得られた側鎖にカルボキシル基を
有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は5
0〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。
酸価が50未満、もしくは、180を越えると現像許容
幅が狭くなり、高精細なパターンが得られにくい。
【0044】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を付与することができる。好ま
しい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するもので
ある。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
【0045】このような側鎖をオリゴマーやポリマーに
付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0046】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。
【0047】イソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等があ
る。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエ
チレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタク
リル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー
中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基
に対して0.05〜1モル当量付加させることが好まし
い。
【0048】本発明において用いられる感光性ペースト
中に、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸光剤、増感
剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶
媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止
剤などの添加剤成分を加えることも行われる。
【0049】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0050】光重合開始剤としての具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジル−2−
メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキ
ノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアン
トラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、
ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアント
ロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビ
ス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,
6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシク
ロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2
−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4、4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジス
ルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニ
ルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオ
シン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコル
ビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せな
どがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以
上使用することができる。光重合開始剤は、反応性成分
にに対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、よ
り好ましくは、0.1〜5重量%である。重合開始剤の
量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重合開始剤
の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎる
おそれがある。
【0051】有機染料からなる紫外線吸光剤を添加する
ことも有効である。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加
することによって高アスペクト比、高精細、高解像度が
得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるも
のが用いられ、中でも350〜450nmの波長範囲で
高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられ
る。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キ
サンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染
料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニル
シアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息
香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤とし
て添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで
吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ま
しい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染
料が好ましい。有機染料の添加量は0.05〜5重量部
が好ましい。0.05重量%以下では紫外線吸光剤の添
加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の絶縁膜特
性が低下するので好ましくない。より好ましくは0.1
5〜1重量%である。有機顔料からなる紫外線吸光剤の
添加方法の一例を上げると、有機顔料を予め有機溶媒に
溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中にガラス粉末
を混合後、乾燥することによってできる。この方法によ
ってガラス粉末の個々の粉末表面に有機の膜をコートし
たいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
【0052】増感剤は、高感度を向上させるために添加
される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチ
オキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−
ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノ
ン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シク
ロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベン
ザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケト
ン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4
−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミ
ノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベン
ジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニ
ルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス
(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カ
ルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセト
ン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノク
マリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミ
ン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタ
ノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸
イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テト
ラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ
−テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを
1種または2種以上使用することができる。なお、増感
剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがあ
る。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、
その添加量は反応性成分に対して通常0.05〜5重量
%、より好ましくは0.1〜2重量%である。増感剤の
量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮され
ず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくな
りすぎるおそれがある。
【0053】重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上さ
せるために添加される。重合禁止剤の具体的な例として
は、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、
N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−
t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロ
ラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤
を添加する場合、その添加量は、感光性ペースト中に、
通常、0.001〜1重量%である。
【0054】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0055】酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t
−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−
メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2
−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニル
ホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する
場合、その添加量は通常、添加量は、ペースト中に、通
常、0.001〜1重量%である。
【0056】本発明の感光性ペーストには、溶液の粘度
を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき
使用される有機溶媒としては、メチルセルソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケト
ン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシ
ド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベン
ゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安
息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上
を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0057】ペーストを作成する際、ガラス微粒子の金
属酸化物が有機成分と反応して増粘するという問題があ
るが、これを防ぐためにゲル化防止剤を混入することが
望ましい。
【0058】感光性ペーストは、通常、無機微粒子、紫
外線吸光剤、感光性ポリマー、感光性モノマー、光重合
開始剤、ガラスフリットおよび溶媒等の各種成分を所定
の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で
均質に混合分散し作製する。ペーストの粘度は無機微粒
子、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの
添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は200
〜20万cps(センチ・ポイズ)が好ましい。
【0059】次に、感光性ペーストを用いてパターン加
工を行う一例について説明するが、本発明はこれに限定
されない。
【0060】ガラス基板もしくはセラミックスの基板の
上に、感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗
布する。塗布方法としては、スクリーン印刷、バーコー
ター、ロールコーター等公知の方法を用いることが出き
る。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペ
ーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0061】ここでペーストをガラス基板上に塗布する
場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表
面処理を行うことができる。表面処理液としてはシラン
カップリング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ト
リス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタク
リロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミ
ノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシランなどあるいは有機金属例えば有機チタン、有
機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シラン
カップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒例えばエチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで
0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの
表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後
に80〜140℃で10〜60分間乾燥する事によって
表面処理ができる。
【0062】塗布した上から、フォトマスクを用いて、
マスク露光する。用いるマスクは、感光性有機成分の種
類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定す
る。この際使用される活性光源は、たとえば、近紫外
線、紫外線、電子線、X線などが挙げられるが、これら
の中で紫外線が好ましく、その光源としてはたとえば低
圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンラン
プ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧
水銀灯が好適である。露光条件は塗布厚みによって異な
るが、5〜100mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を
用いて1〜30分間露光を行なう。
【0063】感光性ペーストを塗布した後に、その表面
に酸素遮蔽膜を設けることによって、パターン形状を向
上することができる。酸素遮蔽膜の一例としては、PV
Aの膜が挙げられる。PVA膜の形成方法は濃度が0.
5〜5重量%の水溶液をスピナーなどの方法で基板上に
均一に塗布した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥
する。好ましいPVAの溶液濃度は、1〜3重量%であ
る。この範囲にあると感度が一層向上する。PVA塗布
によって感度が向上するのは次の理由が推定される。す
なわち反応性成分が光反応する際に、空気中の酸素があ
ると光硬化の感度を妨害すると考えられるが、PVAの
膜があると余分な酸素を遮断できるので露光時に感度が
向上するので好ましい。PVA以外に水溶性で、透明な
ポリマー例えばセルロース系のメチルセルロースなども
使用できる。
【0064】露光後、現像液を使用して現像を行なう
が、この場合、浸漬法やスプレー法で行なう。現像液
は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機
溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失わ
れない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中に
カルボキシル基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ
水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナト
リウムや水酸化カルシウム水溶液などのような金属アル
カリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用い
た方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好まし
い。有機アルカリとしては、公知のアミン化合物を用い
ることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒ
ドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去さ
れずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離
させ、また露光部を腐食させるおそれがあり良くない。
【0065】次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や
温度はペーストや基板の種類によって異なるが、通常は
空気中もしくは窒素雰囲気中で焼成する。焼成温度は4
00〜1000℃で行う。ガラス基板上にパターン加工
する場合や無機微粒子として銀を用いた場合は、520
〜610℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行
う。
【0066】また、以上の工程中に、乾燥、予備反応の
目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
【0067】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
【0068】実施例は、ガラス微粒子および感光性有機
成分からなる感光性ペーストを作成した。作成手順は、
まず、感光性有機成分の各成分を80℃に加熱しながら
溶解し、その後、無機微粒子を添加し、混練機で混練す
ることによって、ペーストを作成した。
【0069】次に、30cm角のソーダガラス基板上
に、ドクターブレードを用いて130μmの塗布厚みに
なるように塗布を行った後、80℃で30分乾燥した。
ただし、ペーストによってはゲル化して塗布ができなく
なるものがあった。そこで、塗布できる状態にあるか否
かを1日後、3日後、7日後に評価した。塗布が可能で
あった物については以下の方法によって露光、現像を行
った。
【0070】次に、プラズマディスプレイ用隔壁に用い
るストライプ状のマスクを用いて露光を行った。マスク
は、ピッチ220μm、線幅60μm、ストライプ状の
パターン形成が可能になるように設計したクロムマスク
である。露光は、50mW/cm2 の出力の超高圧水銀
灯で紫外線露光を行った。
【0071】その後、モノエタノールアミンの1%水溶
液に浸漬して、現像を行った。さらに、得られたガラス
基板を120℃で1時間乾燥した後、560℃15分で
焼成を行った。
【0072】パターン加工性の評価は、パターン形状
(線幅50μm×高さ100μm、ピッチ220μmが
ターゲット)を電子顕微鏡観察によって観察した。
【0073】本実施例の感光性ペーストの組成を示す。 ガラス微粒子 :下記参照 80.0重量部 感光性モノマー:TMPTA 9.0重量部 感光性ポリマー:ポリマー1 13.3重量部 光重合開始剤 :MTPMP 2.0重量部 紫外線吸光剤 :スダン 0.1重量部 増感剤 :DET 2.0重量部 増感助剤 :EPA 1.0重量部 有機溶媒 :γ−BL 21.7重量部
【0074】表中の略称に関して、次に示す。
【0075】(ポリマー構造中の数字は、それぞれのモ
ノマーの構成モル比を示す) TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート ポリマー1:
【化7】 MTPMP:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2 −モルホリノプロパン−1 スダン :アゾ系染料、C24204 O DET :2,4−ジエチルチオキサントン EPA :p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル DBP :ジブチルフタレート γ−BL :γ−ブチロラクトン ゲル化防止剤に関しては、実施例1〜8ではイソプロピ
ルアルコールに溶解した後、50℃で減圧下留去した
後、80℃で5時間加熱を行い、無機微粒子にゲル化防
止剤をコーティングした。実施例9では、表面コーティ
ングではなく、ペースト中に溶解して用いた。
【0076】本実施例中、実施例1〜5と比較例1はガ
ラス1、実施例6〜9と比較例2はガラス2を用いた。
【0077】 球形率85個数%、屈折率1.73、50重量%平均粒
径3.2μm 球形率88個数%、屈折率1.58、50重量%平均粒
径3.3μm
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明のゲル化防止剤によって、高アス
ペクト比かつ高精度のパターン加工が可能な感光性ペー
ストが安定に使用できるようになる。これによって、デ
ィスプレイ、回路材料等の厚膜、高精度のパターン加工
が可能になり、精細性の向上、工程の簡略化が可能にな
る。
【0079】特に、簡便に高精度のプラズマディスプレ
イパネルの隔壁を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 H05K 1/09 D

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン含有化合物、感光性有機成分、無機微
    粒子を必須成分とする感光性ペースト。
  2. 【請求項2】リン含有化合物をペースト中に0.01〜
    10重量%含有することを特徴とする請求項1の感光性
    ペースト。
  3. 【請求項3】リン含有化合物として、分子内にP−OH
    構造を持つ化合物を用いることを特徴とする請求項1の
    感光性ペースト。
  4. 【請求項4】リン含有化合物として、下記一般式(A)
    〜(C)で表される化合物を用いることを特徴とする請
    求項1の感光性ペースト。 【化1】 【化2】 【化3】 (R1 〜R6 :酸素原子を0〜4個含有する炭素数1〜
    10の炭化水素基、X:酸素原子または硫黄原子、m:
    1〜4の整数)
  5. 【請求項5】リン含有化合物を表面被覆した無機微粒子
    を用いることを特徴とする請求項1の感光性ペースト。
  6. 【請求項6】無機微粒子の50重量%以上にガラス微粒
    子を用いることを特徴とする請求項1の感光性ペース
    ト。
  7. 【請求項7】ガラス微粒子として、ガラス転移温度(T
    g)が350〜600℃のガラス微粒子を用いることを
    特徴とする請求項6の感光性ペースト。
  8. 【請求項8】ガラス微粒子として、平均屈折率1.50
    〜1.65のガラス微粒子を用いることを特徴とする請
    求項6の感光性ペースト。
  9. 【請求項9】ガラス微粒子として、酸化ビスマスもしく
    は酸化鉛を10〜50重量%含有するガラス微粒子を用
    いることを特徴とする請求項6の感光性ペースト。
  10. 【請求項10】ガラス微粒子として、アルカリ金属酸化
    物を3〜20重量%含有するガラス微粒子を用いること
    を特徴とする請求項6の感光性ペースト。
  11. 【請求項11】ガラス微粒子が、酸化物換算表記で SiO2 5〜50重量% B2 3 5〜50重量% BaO 1〜25重量% Al2 3 1〜10重量% の成分を含有するガラス微粒子を用いることを特徴とす
    る請求項6の感光性ペースト。
  12. 【請求項12】ガラス微粒子として、平均粒径が1〜1
    0μmのガラス微粒子を用いることを特徴とする請求項
    6の感光性ペースト。
  13. 【請求項13】感光性有機成分として、カルボキシル基
    を持つ重量平均分子量300〜10万のポリマーを用い
    ることを特徴とする請求項1の感光性ペースト。
  14. 【請求項14】感光性有機成分として、炭素−炭素二重
    結合を持つ重量平均分子量300〜10万のポリマーを
    用いることを特徴とする請求項1の感光性ペースト。
  15. 【請求項15】有機染料からなる紫外線吸光剤を0.0
    5〜5重量%含有することを特徴とする請求項1の感光
    性ペースト。
  16. 【請求項16】プラズマディスプレイやプラズマアドレ
    ス液晶ディスプレイに用いることを特徴とする請求項1
    の感光性ペースト。
  17. 【請求項17】プラズマディスプレイやプラズマアドレ
    ス液晶ディスプレイの隔壁形成に用いることを特徴とす
    る請求項1の感光性ペースト。
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