JPH09218251A - 電池の最大充放電電力の演算装置 - Google Patents

電池の最大充放電電力の演算装置

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JPH09218251A
JPH09218251A JP8024281A JP2428196A JPH09218251A JP H09218251 A JPH09218251 A JP H09218251A JP 8024281 A JP8024281 A JP 8024281A JP 2428196 A JP2428196 A JP 2428196A JP H09218251 A JPH09218251 A JP H09218251A
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匡 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の正確な最大放電電力と最大充電電力を
演算する。 【解決手段】 放電電流Iの増加時の複数の時点、放電
電流Iの立ち上がりt1,t2,t3,t4,t5から
1秒後と3秒後に電池の端子電圧Vと放電電流Iを測定
し、それらの測定結果に基づいて電池の最大充放電電力
を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の放電可能な
最大電力と充電可能な最大電力の演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電池は、一定電流で放電した時
に放電反応の時間経過につれて電圧が低下する特性を有
している。図14は、一定電流で放電した時の電池の端
子電圧Vの変化を示す図である。時刻t1からt3まで
の期間に一定電流I1を放電した時、端子電圧Vは図の
ように変化する。放電開始時刻t1において、端子電圧
VはV0からV1まで0.1mS以下の瞬時に低下する。
この過渡電圧VXは電池の液抵抗や接触抵抗などによる
電圧降下である。次に、時刻t1からt2までの期間T
1において、端子電圧VはV1からV2まで急激に低下す
る。この低下時間は100mS以下であり、過渡電圧V
Yは電池の電荷移動抵抗による電圧降下である。さら
に、時刻t2からt3までの期間T2において、端子電
圧VはV2からV3まで緩やかに低下する。この過渡電圧
VZは電解液の濃度分極による電圧降下であり、一般に
この領域は拡散領域と呼ばれる。その後、放電停止時刻
t3を過ぎると、端子電圧Vは急激に回復する。期間T
1とT3は短時間に推移する過渡状態であり、期間T2
は電池の通常の使用状態である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、電池の端
子電圧は、放電電流に応じて変化するとともに、放電反
応の時間経過にともなって変化する。したがって、この
ような端子電圧に基づいて電池の最大放電電力を演算す
ると誤差を生じ、場合によっては放電時の端子電圧が電
池の放電終止電圧以下に低下するおそれがある。なお、
放電終止電圧とは、これ以上放電を継続すると劣化を早
めるとされる電池の許容最小電圧である。
【0004】本発明の目的は、電池の正確な最大放電電
力と最大充電電力を演算することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 発明の一実施の形態を示す図9を参照して請求
項1〜3の発明を説明すると、請求項1の発明は、電池
の放電電流増加時の複数の時点において電池の端子電圧
と放電電流を測定し、それらの測定結果に基づいて電池
の最大放電電力と最大充電電力を演算する。図9に示す
ように、放電電流Iの増加時の複数の時点、すなわち放
電電流Iの立ち上がりt1,t2,t3,t4,t5か
ら1秒後(×印)と3秒後(○印)に電池の端子電圧V
と放電電流Iを測定し、それらの測定結果に基づいて電
池の最大充放電電力を演算する。 (2) 請求項2の発明は、電池の放電電流増加時の複
数の時点において電池の端子電圧と放電電流を測定する
測定手段と、この測定手段による測定結果に基づいて電
池の最大放電電力と最大充電電力を演算する演算手段と
を備える。 (3) 請求項3の演算装置は、測定手段によって、放
電電流の立ち上がりから所定時間経過後の複数の時点に
おいて端子電圧と放電電流を測定するようにしたもので
ある。図9に示すように、放電電流の立ち上がりt1,
t2,t3,t4,t5から所定時間、この例では1秒
後の複数の時点、1秒後(×印)と3秒後(○印)に端
子電圧Vと放電電流Iを測定する。従来の技術の欄にお
いて図14により説明したように、放電電流の立ち上が
りt1からおよそ100mSの期間T1は放電反応の過
渡状態にあり、放電電流Iに対して端子電圧Vが急変す
る。このような不安定な過渡期間における端子電圧Vと
放電電流Iをサンプリングすると、最大充放電電力の演
算結果に大きな誤差が生じるので、この過渡期間経過後
にサンプリングを行なう。 (4) 発明の一実施の形態を示す図10を参照して請
求項4の発明を説明すると、請求項4の演算装置は、演
算手段によって、測定手段で測定された端子電圧と放電
電流により電池の電圧−電流特性を直線回帰し、その回
帰直線に基づいて最大放電電力と最大充電電力とを演算
するようにしたものである。放電電流増加時の複数の時
点において測定された端子電圧Vと放電電流I(図10
の×印と○印)により電池の電圧−電流特性を直線回帰
し、その回帰直線Jに基づいて電池の最大充放電電力を
演算する。なお、図10は電流I>0の放電側のみを示
しており、回帰直線Jと放電終止電圧Vminとの交点の
電流IDmaxに基づいて電池の最大放電電力を求める。ま
た、図3に示すように、電流I<0の充電側に回帰直線
Jを延長し、回帰直線Jと許容最大電圧Vmaxとの交点
の電流ICmaxに基づいて最大充電電力を求める。 (5) 請求項5の演算装置は、演算手段によって、放
電電流の範囲を複数の領域に分割し、各分割電流領域ご
とに最新の端子電圧と放電電流とを所定個数ずつ記憶
し、記憶されている端子電圧と放電電流に基づいて電池
の電圧−電流特性を直線回帰するようにしたものであ
る。 (6) 請求項6の演算装置は、演算手段によって、少
なくとも3個以上の分割電流領域の端子電圧と放電電流
に基づいて電池の電圧−電流特性を直線回帰するように
したものである。
【0006】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2の発明によれば、電池の放電電流増加時の複数の時
点において電池の端子電圧と放電電流を測定し、それら
の測定結果に基づいて電池の最大放電電力と最大充電電
力を演算するようにしたので、放電電流と放電時間が異
なる種々の放電形態に対する平均的な最大充放電電力を
得ることができる。請求項3の発明によれば、放電電流
の立ち上がりから所定時間経過後の複数の時点において
端子電圧と放電電流を測定するようにしたので、電池の
放電反応が不安定な過渡期間における端子電圧と放電電
流の測定が避けられ、安定な拡散領域における端子電圧
と放電電流を測定することができ、それらの測定結果に
基づいて正確な最大充放電電力を演算することができ
る。請求項4の発明によれば、放電電流増加時の複数の
時点において測定された端子電圧と放電電流により電池
の電圧−電流特性を直線回帰し、その回帰直線に基づい
て電池の最大充放電電力を演算するようにしたので、回
帰直線の演算精度がよくなり、放電電流と放電時間が異
なる種々の放電形態に対する平均的な最大充放電電力を
得ることができる。請求項5の発明によれば、放電電流
の範囲を複数の領域に分割し、各分割電流領域ごとに最
新の端子電圧と放電電流とを所定個数ずつ記憶し、記憶
されている端子電圧と放電電流に基づいて電池の電圧−
電流特性を直線回帰するようにしたので、特定の分割電
流領域に集中した測定結果に基づく電圧−電流特性の直
線回帰が避けられ、端子電圧と放電電流の広い範囲の測
定結果に基づいて正確な回帰直線が得られ、より正確な
最大充放電電力を演算することができる。請求項6の発
明によれば、少なくとも3個以上の分割電流領域の端子
電圧と放電電流に基づいて電池の電圧−電流特性を直線
回帰するようにしたので、直線回帰精度をより向上させ
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を電気自動車に応用した一
実施形態を説明する。なお、本発明は電気自動車への応
用に限定されず、電池を充放電する装置であれば本発明
を応用することができる。
【0008】図1は一実施形態の構成を示すブロック図
である。電池11はインバータ12に直流電力を供給
し、インバータ12は直流電力を交流電力に変換して走
行エネルギーを発生する。また、回生時には車両の走行
エネルギーがモータ13およびインバータ12を介して
電気エネルギーに逆変換され、電池11が充電されると
ともに、車両に回生ブレーキがかかる。電圧センサー1
4は電池11の両端電圧Vを検出し、電流センサー15
は電池11に流れる電流Iを検出する。なお、電流I
は、モータ駆動時に電池11からインバータ12へ流れ
る方向を正とし、回生充電時にインバータ12から電池
11へ流れる方向を負とする。コントローラ16は、電
圧センサー14および電流センサー15により検出され
た電圧Vと電流Iとに基づいて、電池11の最大放電電
力と最大充電電力を演算し、演算結果に基づいてインバ
ータ12の出力制御や回生制御などを行なう。
【0009】ここで、電池の特性について説明する。あ
る種類の電池、例えばリチウムイオン電池やニッケル水
素電池は次のような特性を有している。 (1) 図2に示すように、電池の放電深度(以下、D
OD(Depth of Discharge)と呼ぶ)が低い状態(〜60
%)では充電時と放電時の内部抵抗がほぼ一致する。 (2) 充放電時の電圧V−電流I特性の直線性がよ
い。 この種の電池のこのような特性を利用すれば、DODや
温度などの電池の状態に応じた正確な最大放電電力と最
大充電電力を演算することが可能である。なお、電池は
リチウムイオン電池やニッケル水素電池に限定されず、
上記特性を有する電池であればよい。
【0010】次に、電池の最大放電電力と最大充電電力
の演算方法を説明する。まず、放電中の電池のV−I特
性をサンプリングし、図3に示すように、サンプリング
結果をV−Iグラフにプロットする(図中に×印で示
す)。上述したように、この種の電池では充放電時の内
部抵抗がほぼ一致し、且つV−I特性の直線性がよいの
で、サンプリング結果のV−I特性を直線回帰すること
ができ、さらに回帰直線を充電側および放電側に延長す
ることができる。図において、回帰直線のV軸切片Eo
は電池の開放電圧を表わし、回帰直線の傾きは電池の内
部抵抗Rを表わす。回帰直線は、
【数1】V=Eo−I・R と表わすことができる。
【0011】回帰直線と充電時の許容最大電圧Vmaxと
の交点Aの電流ICmaxは充電許容値を与え、交点Aでは
次式が成立する。
【数2】Vmax=Eo−ICmax・R 同様に、回帰直線と放電時の放電終止電圧Vminとの交
点Bの電流IDmaxは放電許容値を与え、交点Bでは次式
が成立する。
【数3】Vmin=Eo−IDmax・R
【0012】最大充電電力PCは、上記数式2により、
【数4】 PC=Vmax・ICmax=Vmax・(Eo−Vmax)/R また、最大放電電力PDは、数式3により、
【数5】 PD=Vmin・IDmax=Vmin・(Eo−Vmin)/R となる。放電中のV−I特性のサンプリング値は、電池
のDODや温度などの電池の状態に応じた値であり、こ
のようなサンプリング値を直線回帰して求められる最大
充電電力PCと最大放電電力PDは、当然ながらDODや
温度などの電池の状態に応じた電力である。なお、図2
に示すように、DODが60%を越えると、放電時の内
部抵抗Rと充電時の内部抵抗Rの差が大きくなり、演算
される最大充電電力PCは大きな誤差を含む。しかし、
DODが60%を越える状態では、電池の真の最大充電
電力がインバーター12から回生される最大電力よりも
十分に大きいため、最大充電電力の演算値PCに大きな
誤差があっても問題にならない。
【0013】ところで、電気自動車に搭載される電池の
放電終止電圧Vminは、通常、
【数6】Vmin≧Eo/2 の関係にある。一方、一般に電池の最大出力P、すなわ
ち最大放電電力Pは、
【数7】V=Eo/2 にて得られることが知られている。このため、電気自動
車用電池の放電終止電圧Vminが、
【数8】Vmin>Eo/2 の範囲に設定されると、上述した方法で演算された最大
放電電力PDは、上述した一般の電池の最大放電電力P
よりも小さくなる。この明細書では、放電終止電圧Vmi
nを数式6の範囲内で設定し、設定した放電終止電圧Vm
inに対して演算された放電電力を電池の最大放電電力と
する。
【0014】次に、電池のV−I特性のサンプリング方
法を説明する。電池の電圧Vと電流Iとの関係は上記数
式1により表わされる。ところが、上述したように、電
池の端子電圧Vは放電反応の時間経過につれて変化し、
同一の放電電流において電圧をサンプリングしても反応
段階が違えば同一の電圧が得られない。逆に、同一の電
圧において電流をサンプリングしても反応段階が違えば
同一の電流は得られない。つまり、電池自体の化学反応
の段階によって端子電圧Vと放電電流Iが変化するの
で、時々刻々の電池の能力を正確に推定するためには、
電池の反応段階を考慮してV−I特性のサンプリングを
行なう必要がある。
【0015】図4は、放電中の端子電圧Vと放電電流I
のサンプリングタイミングを説明する図である。一般
に、電池は、放電電流の減少時には電流の変化に対して
電圧の変化が遅れるという性質がある。そのため、端子
電圧Vと放電電流Iのサンプリングに際しては放電反応
から充電反応、放電反応から放電停止、あるいは平衡状
態から放電反応または充電反応というような、異なる反
応形態間の過渡現象と放電電流の減少時とを除くため
に、放電電流の立ち上がりを検出し、放電電流増加時の
端子電圧Vと放電電流Iをサンプリングする。また、過
渡領域(図14の過度電圧VX,VYを生じる期間T1)
における不安定な端子電圧Vと放電電流Iのサンプリン
グを避けるために、放電電流の立ち上がりから所定時間
後の端子電圧Vと放電電流Iをサンプリングする。
【0016】ここで、放電電流の立ち上がりは電流Iと
その変化率dI/dtが共に正となった時点とする。な
お、この放電電流の立ち上がり点は電池の放電反応の開
始点である。図4の例では、t1,t3,t5が放電電
流の立ち上がり時点になり、それらの時点から所定時間
Δt後のt2,t4,t6時点においてそれぞれ、端子
電圧V1,V2,V3と放電電流I1,I2,I3をサ
ンプリングする。これにより、電池の状態が急激に変化
する不安定な過渡領域における測定が避けられ、安定な
拡散領域における電池の端子電圧と放電電流を測定する
ことができる。なお、V−I特性のサンプリングに際し
ては、放電電流の立ち上がりから所定時間内に新たに放
電電流の立ち上がりがあった場合は、その時点から改め
て計時を開始し、所定時間後に端子電圧Vと放電電流I
をサンプリングする。
【0017】ところで、V−I特性のサンプリングタイ
ミングを放電電流の立ち上がりから所定時間後の1点だ
けにすると、次のような問題が生じる。図5は、放電電
流の立ち上がりから所定時間Δt後に放電電流Iと端子
電圧Vをサンプリングした時の様子を示す。また、図6
はサンプリング結果をV−Iグラフにプロットし、直線
回帰したものである。この電池の最大放電電力PDは、
上述した数式5により求められる。演算された最大放電
電力PDは、放電電流の立ち上がりから所定時間Δt後
のサンプリング結果に基づいて得られたものであるか
ら、所定時間Δtだけ放電可能な最大電力である。とこ
ろが、この最大放電電力PDでΔt時間を越える放電を
行なうと、図6に直線Cで示すように電池の特性が低下
し、放電終止電圧Vminが等出力線に沿ってVmin’まで
下がってしまう。
【0018】つまり、電池の放電可能な電力は反応段階
により異なるので、必要な放電時間に応じたV−Iデー
タのサンプリングを行なう必要がある。そこで、放電電
流の立ち上がり後、複数の時点でV−I特性のサンプリ
ングを行なうことにする。図7は、放電電流の立ち上が
りから所定時間Δt1後とΔt2後に放電電流Iと端子
電圧Vをサンプリングした時の様子を示す。また、図8
はサンプリング結果をV−Iグラフにプロットし、直線
回帰したものである。図8において、直線Dは放電電流
の立ち上がりから所定時間Δt1後のサンプリングデー
タ(×印)に基づく回帰直線であり、直線Eは放電電流
の立ち上がりから所定時間Δt2後のサンプリングデー
タ(○印)に基づく回帰直線である。また、直線Fは、
放電電流の立ち上がりから所定時間Δt1後とΔt2後
のサンプリングデータ(×と○の両方)に基づく回帰直
線である。この回帰直線Fにより最大放電電力PDを求
めれば、放電電流と放電時間が異なる種々の放電形態に
対する平均的な最大電力を得ることができる。
【0019】図9は、電気自動車の通常の走行パターン
において複数の時点でV−I特性のサンプリングをした
例を示す。この例では、放電電流の立ち上がりから1秒
後と3秒後にサンプリングを行なう。また、図10はサ
ンプリング結果をV−Iグラフにプロットし、直線回帰
したものである。図10において、直線Gは放電電流の
立ち上がりから1秒後のサンプリングデータ(×印)に
基づく回帰直線であり、直線Hは放電電流の立ち上がり
から3秒後のサンプリングデータ(○印)に基づく回帰
直線である。また、直線Jは、放電電流の立ち上がりか
ら1秒後と3秒後のサンプリングデータ(×と○の両
方)に基づく回帰直線である。
【0020】図11は、図9と図10に示すサンプリン
グデータをサンプリングタイミングΔtと放電電流Iに
より分類したものである。1秒後のサンプリングでは5
個のデータが採取され、3秒後のサンプリングでは3個
のデータが採取された。しかし、図10に示すように、
Δtが小さい1秒後のサンプリングデータは低電流領域
に集中しやすく、したがってこれらのデータによる回帰
演算精度は低い。一方、Δtが大きい3秒後のサンプリ
ングデータは広い電流範囲に分布するものの、データ数
が少なくなりやすく、やはり回帰演算精度が低い。とこ
ろが、放電電流の立ち上がりから複数の時点、すなわち
1秒後と3秒後のサンプリングデータは当然データ数が
多く、また電流Iと電圧Vの広い範囲に分布しているの
で、回帰演算精度が高くなる。したがって、これらのデ
ータによる回帰直線Jから最大放電電力PDを演算すれ
ば、放電電流と放電時間が異なる種々の放電形態に対す
る理想的な平均最大電力を得ることができる。また、複
数の時点のサンプリングデータに基づいて回帰演算精度
が向上すれば、図3に示すように、算出された回帰直線
を充電側に延長して正確な最大充電電力PCを求めるこ
とができる。
【0021】なお、図7〜図10に示すサンプリング例
では、放電電流の立ち上がり後、2つの時点でサンプリ
ングを行なう例を示したが、サンプリングタイミングは
3つ以上としてもよい。また、V−I特性のサンプリン
グに際しては、放電電流の立ち上がりから所定時間内に
新たに放電電流の立ち上がりがあった場合は、その時点
から改めて計時を開始し、所定時間後に端子電圧Vと放
電電流Iをサンプリングする。
【0022】上述した複数のタイミングでサンプリング
したデータは、次の方法でストックする。放電電流Iの
範囲を複数の領域に分割し、各領域ごとに所定個数のス
トックメモリを用意する。例えば図12に示すように、
放電電流の範囲を5つの領域に分割し、各領域ごとに3
個ずつストックメモリを用意する。そして、所定のサン
プリング時間中に、上述したタイミングで電流inと電
圧vn(nはサンプリング順位を示す)とをサンプリン
グし、電流領域ごとに分類してストックする。電流領域
におけるデータが所定個数に達したら、最も古いデータ
を消去して最新のデータをストックする。例えば図12
の例において、(i8,v8)のデータがサンプリングさ
れ、そのデータがI2〜I3領域に含まれる場合には、そ
の領域の最も古いデータ(i3,v3)を消去し、代りに
最新のデータ(i8,v8)を記憶する。このサンプリン
グデータのストック方法によれば、各分割電流領域ごと
に一次回帰するのに充分な所定個数のデータしかストッ
クしないので、特定の分割電流領域に集中したサンプリ
ングデータに基づくV−I特性の直線回帰が避けられ、
端子電圧と放電電流の広い範囲のサンプリングデータに
基づいて正確な直線回帰が可能となり、正確な最大充放
電電力PD,PCを推定できる。また、分割電流領域ごと
に所定個数のサンプリングデータをストックするので、
放電電流範囲内の広い範囲のサンプリングデータを用い
て正確な直線回帰を行なうことができ、正確な最大充放
電電力PD,PCを推定できる上に、コントローラに膨大
なメモリ容量を確保する必要もなくなる。
【0023】V−I特性のサンプリングは所定時間内ま
たは所定の放電電気量ごとに行ない、上記方法でストッ
クしたデータに基づいて最大放電電力PDと最大充電電
力PCを演算する。最大放電電力PDと最大充電電力PC
の演算を終了したらメモリにストックされているサンプ
リングデータをすべて消去し、次のサンプリング時間に
は改めてデータをストックする。これにより、電池の最
新の状態における端子電圧Vと放電電流Iをサンプリン
グすることができ、最新の電池状態におけるサンプリン
グデータに基づいて正確な最大放電電力PDと最大充電
電力PCを演算できる。
【0024】図13は、コントローラ16の処理を示す
フローチャートである。このフローチャートにより、こ
の実施形態の動作を説明する。コントローラ16は、電
気自動車の運行中はこの処理を繰り返し実行する。ステ
ップ1において、放電電流増加時の複数の時点で電圧V
と電流Iをサンプリングし、上述した方法でサンプリン
グデータをストックする。このサンプリングは所定時間
内、または所定の放電電気量ごとに行なう。サンプリン
グが終了したら、ステップ2で狭い電流範囲における回
帰演算を防止して演算精度を上げるため、3つ以上の分
割電流領域にサンプリングデータがストックされている
か否かを確認する。3つ以上の領域にデータがストック
されていればステップ3へ進み、ストックデータにより
V−I特性を直線回帰する。一方、ステップ2において
3つ以上の分割電流領域にサンプリングデータがストッ
クされていなかった時は、最大充放電電力PD,PCの演
算は行なわない。ステップ4において、回帰直線により
放電終止電圧Vminにおける電流IDmaxを求め、上記数
式5により最大放電電力PDを演算するとともに、許容
最大電圧Vmaxにおける電流ICmaxを求め、上記数式4
により最大充電電力PCを演算する。続くステップ5
で、算出した最大放電電力PDと最大充電電力PCをイン
バータ12へ出力し、力行時の電力が最大放電電力PD
以下になるように出力制御を行なうとともに、回生時の
電力が最大充電電力PC以下になるように回生制御す
る。
【0025】以上の一実施形態の構成において、電圧セ
ンサー14と電流センサー15が測定手段を、コントロ
ーラ16が演算手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】 電池の放電深度(DOD)と内部抵抗との関
係を示す図。
【図3】 放電時の端子電圧Vと放電電流Iとのサンプ
リングデータによる回帰直線を示す図。
【図4】 放電中の端子電圧Vと放電電流Iのサンプリ
ングタイミングを説明する図。
【図5】 放電電流の立ち上がりから所定時間Δt後に
放電電流Iと端子電圧Vをサンプリングした場合を示す
図。
【図6】 図5に示すサンプリング結果をV−Iグラフ
にプロットし、直線回帰した図。
【図7】 放電電流の立ち上がりから所定時間Δt1後
とΔt2後に放電電流Iと端子電圧Vをサンプリングし
た場合を示す図。
【図8】 図7に示すサンプリング結果をV−Iグラフ
にプロットし、直線回帰した図。
【図9】 電気自動車の通常の走行パターンにおいて複
数の時点でV−I特性のサンプリングをした例を示す
図。
【図10】 図9に示すサンプリング結果をV−Iグラ
フにプロットし、直線回帰した図。
【図11】 図9と図10に示すサンプリングデータを
サンプリングタイミングΔtと放電電流Iにより分類し
た図。
【図12】 サンプリングデータのストック方法を説明
する図。
【図13】 一実施形態の動作を示すフローチャート。
【図14】 一定電流で放電した時の電池の端子電圧V
の変化を示す図。
【符号の説明】
11 電池 12 インバータ 13 モータ 14 電圧センサー 15 電流センサー 16 コントローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池の放電電流増加時の複数の時点にお
    いて前記電池の端子電圧と放電電流を測定し、それらの
    測定結果に基づいて前記電池の最大放電電力と最大充電
    電力を演算することを特徴とする電池の最大充放電電力
    の演算装置。
  2. 【請求項2】 電池の放電電流増加時の複数の時点にお
    いて前記電池の端子電圧と放電電流を測定する測定手段
    と、 前記測定手段による測定結果に基づいて前記電池の最大
    放電電力と最大充電電力を演算する演算手段とを備える
    ことを特徴とする電池の最大充放電電力の演算装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電池の最大充放電電力
    の演算装置において、 前記測定手段は、放電電流の立ち上がりから所定時間経
    過後の複数の時点において端子電圧と放電電流を測定す
    ることを特徴とする電池の最大充放電電力の演算装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の電池の
    最大充放電電力の演算装置において、 前記演算手段は、前記測定手段で測定された端子電圧と
    放電電流により前記電池の電圧−電流特性を直線回帰
    し、その回帰直線に基づいて最大放電電力と最大充電電
    力とを演算することを特徴とする電池の最大充放電電力
    の演算装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電池の最大充放電電力
    の演算装置において、 前記演算手段は、放電電流の範囲を複数の領域に分割
    し、各分割電流領域ごとに最新の端子電圧と放電電流と
    を所定個数ずつ記憶し、記憶されている端子電圧と放電
    電流に基づいて前記電池の電圧−電流特性を直線回帰す
    ることを特徴とする電池の最大充放電電力の演算装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電池の最大充放電電力
    の演算装置において、 前記演算手段は、少なくとも3個以上の前記分割電流領
    域の端子電圧と放電電流に基づいて前記電池の電圧−電
    流特性を直線回帰することを特徴とする電池の最大充放
    電電力の演算装置。
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