JP3422174B2 - 電池の残存容量計 - Google Patents

電池の残存容量計

Info

Publication number
JP3422174B2
JP3422174B2 JP11224696A JP11224696A JP3422174B2 JP 3422174 B2 JP3422174 B2 JP 3422174B2 JP 11224696 A JP11224696 A JP 11224696A JP 11224696 A JP11224696 A JP 11224696A JP 3422174 B2 JP3422174 B2 JP 3422174B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
battery
voltage
power
average value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11224696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09297163A (ja
Inventor
正人 折口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP11224696A priority Critical patent/JP3422174B2/ja
Publication of JPH09297163A publication Critical patent/JPH09297163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3422174B2 publication Critical patent/JP3422174B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池の残存容量を表
示する計器に関する。
【0002】
【従来の技術】電池の開放電圧に対する放電深度(DO
D)の特性に基づいて、電池の開放電圧を測定して残存
容量を表示する電池の残存容量計が知られている(たと
えば、特開昭59−147279号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電池は、残
存容量があっても温度により実際に出力可能な容量が変
化するので、同一の残存容量に対して温度が高い時は出
力容量が高く、温度が低い時は出力容量が低い。また、
電池自体の劣化によっても出力可能な容量が変化し、同
一の残存容量に対して新品では出力容量が高く、劣化し
たものは出力容量が低い。しかし、従来の電池の残存容
量計では、開放電圧に対する放電深度の特性に基づいて
残存容量を表示しているので、温度や劣化などの電池の
状態によっては残存容量表示に相当する出力容量が得ら
れず、残存容量の表示があるにもかかわらず放電を停止
しなければならないことがある。
【0004】本発明の目的は、電池の状態に応じた出力
可能な残存容量を表示する電池の残存容量計を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の発明
は、放電電流の立ち上がり後の、電池の状態が急激に変
化する不安定な過渡領域から安定な拡散領域へ移行した
後の電池の端子電圧と電流を測定する測定手段と、測定
手段による測定結果に基づいて電池の電圧−電流特性を
直線回帰し、電池の最大放電電力を演算する電力演算手
段と、測定手段により測定された電流の平均値を演算す
る平均値演算手段と、電流平均値に対する最大放電電力
の補正係数を記憶する記憶手段と、平均値演算手段によ
り演算された平均値に対応する補正係数を記憶手段から
読み出し、この補正係数により最大放電電力を補正する
電力補正手段と、電力補正手段により補正された最大放
電電力に応じて電池の残存容量を決定する残存容量決定
手段とを備える。 (2) 請求項2の発明は、放電電流の立ち上がり後
の、電池の状態が急激に変化する不安定な過渡領域から
安定な拡散領域へ移行した後の電池の端子電圧と電流を
測定する測定手段と、測定手段による端子電圧と電流の
測定までの所定時間における電流の平均値を演算する平
均値演算手段と、電流平均値に対する端子電圧の補正係
数を記憶する記憶手段と、平均値演算手段で演算された
平均値に対応する補正係数を記憶手段から読み出し、こ
の補正係数により測定手段で測定された端子電圧を補正
する電圧補正手段と、測定手段により測定された電流と
電圧補正手段により補正された端子電圧とに基づいて電
池の電圧−電流特性を直線回帰し、電池の最大放電電力
を演算する電力演算手段と、電力演算手段により演算さ
れた最大放電電力に応じて電池の残存容量を決定する残
存容量決定手段とを備える。
【0006】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、放電
電流の立ち上がり後の、電池の状態が急激に変化する不
安定な過渡領域から安定な拡散領域へ移行した後の電池
の端子電圧と電流を測定し、これらの測定結果に基づい
て電池の電圧−電流特性を直線回帰して最大放電電力を
演算する。さらに、電流平均値に対する最大放電電力の
補正係数を記憶しておき、測定電流の平均値を求めて平
均値に対応する補正係数を読み出し、この補正係数によ
り最大放電電力を補正して電池の残存容量を決定するよ
うにしたので、電池の状態に応じた出力可能な残存容量
を表示することができる。 (2) 請求項2の発明によれば、放電電流の立ち上が
り後の、電池の状態が急激に変化する不安定な過渡領域
から安定な拡散領域へ移行した後の電池の端子電圧と電
流を測定するとともに、これらの測定までの所定時間に
おける電流の平均値を演算する。さらに、電流平均値に
対する端子電圧の補正係数を記憶しておき、演算結果の
電流平均値に対応する補正係数を読み出して端子電圧を
補正し、測定電流と補正後の端子電圧に基づいて電池の
電圧−電流特性を直線回帰して最大放電電力を演算し、
最大放電電力に応じて電池の残存容量を決定するように
したので、平均電流の変化による最大放電電力の変動分
が補正され、電池の正確な状態を検出することができ、
出力可能な正確な残存容量を表示することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、一実施形態の電気自動車
の走行駆動機構の構成を示すブロック図である。力行時
には、電池11が放電してインバータ12に直流電力を
供給し、インバータ12は直流電力を交流電力に変換し
てモータ13に印加する。これにより、モータ13が走
行エネルギーを発生して車両が走行する。一方、回生時
には、車両の走行エネルギーがモータ13およびインバ
ータ12を介して電気エネルギーに逆変換され、電池1
1が充電されるとともに、車両に回生ブレーキがかか
る。電池11はn個の単セル111〜11nから構成さ
れる。この明細書では各単セルの両端電圧をセル電圧と
呼ぶ。電圧センサー14は電池11の端子電圧(以下、
総電圧と呼ぶ)Vtを検出し、電流センサー15は電池
11に流れる電流Iを検出する。なお、電流Iは、モー
タ駆動時に電池11からインバータ12へ流れる方向を
正とし、回生ブレーキ時にインバータ12から電池11
へ流れる方向を負とする。バッテリーコントローラ16
は、電圧センサー14および電流センサー15により検
出された総電圧Vtと電流Iとに基づいて、電池11の
最大放電電力と最大充電電力を演算してインバータ12
の出力制御および回生制御を行なうとともに、電池11
の残存容量を演算して表示器18に表示する。。
【0008】《電池の特性について》ここで、電池の特
性について説明する。ある種類の電池、例えばリチウム
イオン電池やニッケル水素電池は次のような特性を有し
ている。 (1) 図2に示すように、電池の放電深度(以下、D
OD(Depth of Discharge)と呼ぶ)が低い状態(〜60
%)では充電時と放電時の内部抵抗がほぼ一致する。 (2) 充放電時の電圧V−電流I特性の直線性がよ
い。この種の電池のこのような特性を利用すれば、DO
Dや温度などの電池の状態に応じた正確な最大放電電力
と最大充電電力を演算することが可能である。なお、電
池はリチウムイオン電池やニッケル水素電池に限定され
ず、上記特性を有する電池であればよい。
【0009】一般に、電池は、一定電流で放電した時に
放電反応の時間経過につれて電圧が低下し、一定電流で
充電した時に充電反応の時間経過につれて電圧が上昇す
るという特性を有している。図3は一定電流で放電した
時の電池の総電圧Vtの変化を示す。時刻t1からt3
までの期間、一定電流I1で放電を行なうと総電圧Vt
は図のように変化する。放電開始時刻t1において、総
電圧VtはV0からV1まで0.1mS以下の瞬時に低下
する。この過渡電圧VXは電池の液抵抗や接触抵抗など
による電圧降下である。次に、時刻t1からt2までの
期間T1において、総電圧VtはV1からV2まで急激に
低下する。この低下時間は100mS以下であり、過渡
電圧VYは電池の電荷移動抵抗による電圧降下である。
さらに、時刻t2からt3までの期間T2において、総
電圧VtはV2からV3まで緩やかに低下する。この過渡
電圧VZは電解液の濃度分極による電圧降下であり、一
般にこの領域は拡散領域と呼ばれる。その後、放電停止
時刻t3を過ぎると、総電圧Vtは急激に回復する。期
間T1とT3は短時間に推移する過渡状態であり、期間
T2は電池の通常の使用状態である。このように、電池
の端子電圧は、放電電流に応じて変化するとともに、放
電反応の時間経過にともなって変化する。したがって、
放電反応の過渡状態における端子電圧に基づいて電池の
最大放電電力を演算すると誤差を生じ、場合によっては
放電時の端子電圧が電池の放電終止電圧以下に低下する
おそれがある。なお、放電終止電圧とは、これ以上放電
を継続できない電池の許容最小電圧である。
【0010】《最大充放電電力の演算方法》次に、電池
の最大放電電力と最大充電電力の演算方法を説明する。
まず、放電中の電池のV−I特性をサンプリングし、図
4に示すように、サンプリング結果をV−Iグラフにプ
ロットする(図中に×印で示す)。上述したように、こ
の種の電池では充放電時の内部抵抗がほぼ一致し、且つ
V−I特性の直線性がよいので、サンプリング結果のV
−I特性を直線回帰することができ、さらに回帰直線を
充電側および放電側に延長することができる。図におい
て、回帰直線のVt軸切片Eoは電池の開放電圧を表わ
し、回帰直線の傾きは電池の内部抵抗Rを表わす。回帰
直線は、
【数1】Vt=Eo−I・R と表わすことができる。
【0011】回帰直線と充電時の許容最大電圧Vmaxと
の交点Aの電流ICmaxは充電許容値を与え、交点Aでは
次式が成立する。
【数2】Vmax=Eo−ICmax・R 同様に、回帰直線と放電時の放電終止電圧Vminとの交
点Bの電流IDmaxは放電許容値を与え、交点Bでは次式
が成立する。
【数3】Vmin=Eo−IDmax・R
【0012】最大充電電力PCは、上記数式2により、
【数4】 PC=Vmax・ICmax=Vmax・(Eo−Vmax)/R また、最大放電電力PDは、数式3により、
【数5】 PD=Vmin・IDmax=Vmin・(Eo−Vmin)/R となる。放電中のV−I特性のサンプリング値は、電池
のDODや温度などの電池の状態に応じた値であり、こ
のようなサンプリング値を直線回帰して求められる最大
充電電力PCと最大放電電力PDは、当然ながらDODや
温度などの電池の状態に応じた電力である。
【0013】ところで、電気自動車に搭載される電池の
放電終止電圧Vminは、通常、
【数6】Vmin≧Eo/2 の関係にある。一方、一般に電池の最大出力P、すなわ
ち最大放電電力Pは、
【数7】Vt=Eo/2 にて得られることが知られている。このため、電気自動
車用電池の放電終止電圧Vminが、
【数8】Vmin>Eo/2 の範囲に設定されると、上述した方法で演算された最大
放電電力PDは、一般の電池の最大放電電力よりも小さ
くなる。この明細書では、放電終止電圧Vminを数式6
の範囲内で設定し、設定した放電終止電圧Vminに対し
て演算された放電電力を電池の最大放電電力とする。
【0014】《電池のV−I特性のサンプリング方法》
次に、電池のV−I特性のサンプリング方法を説明す
る。電池の総電圧Vtと電流Iとの関係は上記数式1に
より表わされる。ところが、上述したように、電池の総
電圧Vtは放電反応の時間経過につれて変化し、同一の
放電電流において電圧をサンプリングしても反応段階が
違えば同一の電圧が得られない。逆に、同一の電圧にお
いて電流をサンプリングしても反応段階が違えば同一の
電流は得られない。つまり、電池自体の化学反応の段階
によって総電圧Vtと放電電流Iが変化するので、時々
刻々の電池の能力を正確に推定するためには、電池の反
応段階を考慮してV−I特性のサンプリングを行なう必
要がある。
【0015】図5は、放電中の総電圧Vtと放電電流I
のサンプリングタイミングを説明する図である。一般
に、電池は、放電電流の減少時には電流の変化に対して
電圧の変化が遅れるという性質がある。そのため、総電
圧Vtと放電電流Iのサンプリングに際しては放電反応
から充電反応、放電反応から放電停止、あるいは平衡状
態から放電反応または充電反応というような、異なる反
応形態間の過渡現象と放電電流の減少時とを除くため
に、放電電流の立ち上がりを検出し、放電電流増加時の
総電圧Vtと放電電流Iをサンプリングする。また、過
渡領域(図3の過度電圧VX,VYを生じる期間T1)に
おける不安定な総電圧Vtと放電電流Iのサンプリング
を避けるために、放電電流の立ち上がりから所定時間Δ
t後の総電圧Vtと放電電流Iをサンプリングする。
【0016】ここで、放電電流の立ち上がりは電流Iと
その変化率dI/dtが共に正となった時点とする。な
お、この放電電流の立ち上がり点は電池の放電反応の開
始点である。図5の例では、t1,t3,t5が放電電
流の立ち上がり点になり、それらの時点から所定時間Δ
t後のt2,t4,t6時点においてそれぞれ、総電圧
V1,V2,V3と放電電流I1,I2,I3をサンプ
リングする。これにより、電池の状態が急激に変化する
不安定な過渡領域における測定が避けられ、安定な拡散
領域における電池の総電圧Vtと放電電流Iを測定する
ことができる。なお、V−I特性のサンプリングに際し
ては、放電電流の立ち上がりから所定時間内に新たに放
電電流の立ち上がりがあった場合には、その時点から改
めて計時を開始し、所定時間後に総電圧Vtと放電電流
Iをサンプリングする。
【0017】《最大放電電力の補正》ところで、電池
は、上述したように放電反応の時間経過につれて端子電
圧が低下するため、放電電流や放電時間などの放電条件
によって最大放電電力の演算結果にばらつきを生じる。
そこで、この実施形態では、放電電流平均値に対する最
大放電電力補正係数をバッテリーコントローラ16の不
揮発性メモリ(不図示)に予め記憶しておき、電池11
の総電圧Vtと放電電流Iのサンプリング期間中の平均
放電電流Iaveに応じた最大放電電力補正係数Kを読
み出し、最大放電電力PDを補正する。一般に、平均放
電電流Iaveが大きい場合には最大放電電力PDが低
めに演算されるので、図6に示すように平均放電電流I
aveが大きくなるにしたがって補正係数Kを大きくす
る。補正後の最大放電電力PD’は、
【数9】PD’=K・PD
【0018】《残存容量表示》図7は、バッテリコント
ローラ16で実行される残存容量表示処理を示すフロー
チャートである。このフローチャートにより、この実施
形態の動作を説明する。バッテリコントローラ16は、
電気自動車の運行中、この処理を繰り返し実行する。ス
テップ1において、上述したように放電電流増加時の総
電圧Vtと電流Iをサンプリングするとともに、今回の
サンプリング期間中の平均放電電流Iaveを求めるた
めに所定の時間ごとに電流Iを測定する。次に、採取す
るデータ数を確保して演算精度を上げるために、ステッ
プ2で所定の電力量放電したか否かを確認し、所定の電
力量放電した時はステップ3へ進み、そうでなければス
テップ1へ戻ってサンプリングを続ける。所定の放電電
力量のサンプリングを終了した時は、ステップ3でサン
プリングデータに基づいて電池11のV−I特性を直線
回帰し、続くステップ4で上述したように最大充放電電
力PD,PCを演算する。
【0019】ステップ5において、上記ステップ1で所
定時間ごとに測定した電流Iから今回のサンプリング期
間中の平均電流Iaveを求める。続くステップ6で、
図6により平均電流Iaveに対応する最大放電電力補
正係数Kを決定する。ステップ7では、補正係数Kを用
いて数式9により最大放電電力PDを補正し、PD’を得
る。ステップ8で、図8に示す予め設定された最大放電
電力PD’に対する残存容量Lの特性から、補正後の最
大放電電力PD’に相当する残存容量Lを読み出す。ス
テップ9で表示器17に残存容量Lを表示し、ふたたび
ステップ1へ戻る。
【0020】このように、電池の放電時に総電圧と電流
をサンプリングするとともに所定時間ごとの電流を測定
し、サンプリング結果の総電圧と電流を直線回帰して最
大放電電力を演算し、サンプリング期間中の測定電流の
平均値を算出して最大放電電力補正係数を決定する。そ
して、補正係数により最大放電電力を補正して残存容量
を決定し表示するようにしたので、電池の状態に応じた
出力可能な残存容量を表示することができる。なお、上
記実施形態ではサンプリング期間中に所定時間間隔で測
定した放電電流の平均値に基づいて最大放電電力補正係
数を決定したが、放電電流増加時に総電圧Vtと対でサ
ンプリングした放電電流Iを平均し、その平均値に基づ
いて最大放電電力補正係数を決定するようにしてもよ
い。
【0021】−発明の実施の形態の変形例− 上述した実施形態では、サンプリング期間中の平均電流
に応じて最大放電電力を補正し、残存容量を求める例を
示したが、この変形例では、総電圧と電流のサンプリン
グ時点までの所定時間における平均電流に応じてサンプ
リングされた総電圧を補正し、補正した総電圧と電流に
より電池のV−I特性を直線回帰する。そして、回帰直
線に基づいて最大放電電力を演算し、最大放電電力に応
じた残存容量を決定し表示する。なお、平均電流に対す
る総電圧補正係数はバッテリコントローラ16の不揮発
性メモリ(不図示)に記憶される。
【0022】図9はこの変形例の残存容量表示処理を示
すフローチャートである。なお、この変形例の構成は上
述した図1に示す実施形態の構成と同様であり、説明を
省略する。バッテリコントローラ16は、電気自動車の
運行中、この処理を繰り返し実行する。ステップ11に
おいて、上述したように放電電流増加時の総電圧Vtと
電流Iをサンプリングするとともに、所定時間ごとに放
電電流を測定する。ステップ12で、測定電流に基づい
て総電圧Vtと電流Iをサンプリングするまでの所定時
間における平均電流を算出し、この平均電流に対応する
補正係数をメモリから読み出して総電圧Vtを補正す
る。この補正は総電圧Vtと電流Iをサンプリングする
たびに行なう。次に、採取するデータ数を確保して演算
精度を上げるために、ステップ13で所定の電力量放電
したか否かを確認し、所定の電力量放電した時はステッ
プ14へ進み、そうでなければステップ11へ戻ってサ
ンプリングを続ける。所定の放電電力量のサンプリング
を終了した時は、ステップ14で、補正後のサンプリン
グデータに基づいて電池11のV−I特性を直線回帰
し、続くステップ15で上述したように最大充放電電力
PD,PCを演算する。ステップ16において、上述した
図8に示す最大放電電力に対する残存容量の特性から最
大放電電力に相当する残存容量を読み出し、ステップ1
7で、表示器17に残存容量を表示してふたたびステッ
プ11へ戻る。
【0023】ここで、例えば図10に示すように放電電
流Iの平均値が小、中、大と周期的なパターンで繰り返
し変化する場合には、図11に示すように最大放電電力
PDが鋸歯状に変化するため、このような最大放電電力
PDから残存容量を求めると誤差が大きくなってしま
う。この変形例では、総電圧と電流のサンプリング時点
までの所定時間における平均電流に応じてサンプリング
された総電圧を補正し、補正した総電圧と電流により電
池のV−I特性を直線回帰する。そして、回帰直線に基
づいて最大放電電力を演算し、最大放電電力に応じた残
存容量を決定し表示するようにしたので、平均電流の変
化による最大放電電力の変動分が補正され、電池の正確
な状態を検出することができ、出力可能な正確な残存容
量を表示することができる。なお、上記変形例では所定
時間ごとに測定した電流の平均値に応じた補正係数で総
電圧を補正する例を示したが、サンプリング電流値に応
じた補正係数を設定し、サンプリング電流値に応じて総
電圧を補正するようにしてもよい。
【0024】以上の一実施形態の構成において、電圧セ
ンサー14および電流センサー15が測定手段を、バッ
テリーコントローラ16が電力演算手段、平均値演算手
段、電力補正手段、残存容量決定手段および電圧補正手
段をそれぞれ構成する。なお、上述した実施形態とその
変形例では電気自動車に搭載される電池の残存容量を表
示する例を示したが、電気自動車用以外の電池に対して
も本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 電池の放電深度DODと内部抵抗との関係を
示す図である。
【図3】 一定電流で放電した時の電池の総電圧の変化
を示す図である。
【図4】 放電時の総電圧と放電電流のサンプリングデ
ータによる回帰直線を示す図である。
【図5】 放電中の総電圧と放電電流のサンプリングタ
イミングを説明する図である。
【図6】 平均電流Iaveに対する最大放電電力補正
係数Kの関係を示す図である。
【図7】 一実施形態の残存容量表示処理を示すフロー
チャートである。
【図8】 補正後の最大放電電力PD’に対する残存容
量Lの関係を示す図である。
【図9】 一実施形態の変形例の残存容量表示処理を示
すフローチャートである。
【図10】 平均値が小、中、大の周期的なパターンで
繰り返し変化する放電電流を示す図である。
【図11】 図10に示す放電電流変化に対する最大放
電電力PDの変化を示す図である。
【符号の説明】
11 電池 12 インバータ 13 モータ 14 電圧センサー 15 電流センサー 16 バッテリコントローラ 17 表示器 111〜11n 単セル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電電流の立ち上がり後の、電池の状態
    が急激に変化する不安定な過渡領域から安定な拡散領域
    へ移行した後の電池の端子電圧と電流を測定する測定手
    段と、 前記測定手段による測定結果に基づいて電池の電圧−電
    流特性を直線回帰し、電池の最大放電電力を演算する電
    力演算手段と、 前記測定手段により測定された電流の平均値を演算する
    平均値演算手段と、 電流平均値に対する最大放電電力の補正係数を記憶する
    記憶手段と、 前記平均値演算手段により演算された平均値に対応する
    補正係数を前記記憶手段から読み出し、この補正係数に
    より前記最大放電電力を補正する電力補正手段と、 前記電力補正手段により補正された最大放電電力に応じ
    て電池の残存容量を決定する残存容量決定手段とを備え
    ることを特徴とする電池の残存容量計。
  2. 【請求項2】 放電電流の立ち上がり後の、電池の状態
    が急激に変化する不安定な過渡領域から安定な拡散領域
    へ移行した後の電池の端子電圧と電流を測定する測定手
    段と、 前記測定手段による端子電圧と電流の測定までの所定時
    間における電流の平均値を演算する平均値演算手段と、 電流平均値に対する端子電圧の補正係数を記憶する記憶
    手段と、 前記平均値演算手段で演算された平均値に対応する補正
    係数を前記記憶手段から読み出し、この補正係数により
    前記測定手段で測定された端子電圧を補正する電圧補正
    手段と、 前記測定手段により測定された電流と前記電圧補正手段
    により補正された端子電圧とに基づいて電池の電圧−電
    流特性を直線回帰し、電池の最大放電電力を演算する電
    力演算手段と、 前記電力演算手段により演算された最大放電電力に応じ
    て電池の残存容量を決定する残存容量決定手段とを備え
    ることを特徴とする電池の残存容量計。
JP11224696A 1996-05-07 1996-05-07 電池の残存容量計 Expired - Fee Related JP3422174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224696A JP3422174B2 (ja) 1996-05-07 1996-05-07 電池の残存容量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224696A JP3422174B2 (ja) 1996-05-07 1996-05-07 電池の残存容量計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09297163A JPH09297163A (ja) 1997-11-18
JP3422174B2 true JP3422174B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=14581908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11224696A Expired - Fee Related JP3422174B2 (ja) 1996-05-07 1996-05-07 電池の残存容量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3422174B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4517472B2 (ja) * 2000-04-28 2010-08-04 ソニー株式会社 電子機器
JP4802414B2 (ja) * 2001-08-06 2011-10-26 日産自動車株式会社 電池の残容量計
US8878539B2 (en) 2004-04-06 2014-11-04 Robert Bosch Gmbh State of charge tracking system for battery systems based on relaxation voltage
MXPA06011390A (es) * 2004-04-06 2007-06-19 Cobasys Llc Estimador del estado de carga de bateria.
JP2007121030A (ja) 2005-10-26 2007-05-17 Denso Corp 車両用蓄電装置の内部状態検出装置
JP7036081B2 (ja) * 2019-04-03 2022-03-15 株式会社デンソー 制御装置
CN111413630B (zh) * 2020-03-11 2022-06-14 合肥国轩高科动力能源有限公司 一种锂电池的脉冲放电功率修正方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09297163A (ja) 1997-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9263773B2 (en) Secondary battery state of charge determination apparatus, and method of determining state of charge of secondary battery
JP3387287B2 (ja) 回生充電制御装置
US6850038B2 (en) Method of estimating state of charge and open circuit voltage of battery, and method and device for computing degradation degree of battery
JP3285720B2 (ja) 組電池の劣化検出方法及び劣化検出装置
JP5515524B2 (ja) 二次電池の劣化状態判別システム、および二次電池の劣化状態判別方法
EP2711727B1 (en) Battery condition estimation device and method of generating open circuit voltage characteristic
JPH0652903A (ja) バッテリの動作パラメータをモニタするバッテリモニタ
CN103797374A (zh) 用于电池监控的系统和方法
US8823326B2 (en) Method for determining the state of charge of a battery in charging or discharging phase
JP5040733B2 (ja) 電池の充放電可能電力推定方法
JP3385845B2 (ja) 電気自動車の電力制御装置
JP2007017357A (ja) 電池残存容量検出方法及び電池残存容量検出装置
US6091246A (en) Battery remaining capacity measuring apparatus
JP3453821B2 (ja) 電池残存容量計測装置
JP3385837B2 (ja) 電気自動車の電力制御装置
JP2020079723A (ja) 二次電池システム
JPH08179018A (ja) 二次電池の残存容量表示装置
JP3422174B2 (ja) 電池の残存容量計
JP3528428B2 (ja) 電気自動車の電力制御装置
JP2014109535A (ja) 内部抵抗推定装置、充電装置、放電装置、内部抵抗推定方法
JP3376804B2 (ja) 電池の最大充放電電力の演算装置
JP2008041565A (ja) 電池特性の検出方法及び検出装置
JP3346003B2 (ja) イオン二次電池の容量検出方法
JPH0784015A (ja) 鉛蓄電池の残存容量検出装置
JPH08339834A (ja) 蓄電池の劣化度判定方法、及び劣化度判定装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees