JP2008041565A - 電池特性の検出方法及び検出装置 - Google Patents

電池特性の検出方法及び検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の内部物質移動速度を反映した簡易かつ高精度の一時的特性変化の検出。
【解決手段】二次電池40に電圧矩形波を印加し、そのときの応答電流に基づいて内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータを算出し、例えば特性変化の生じていない標準状態における電池の電気化学的パラメータ等と比較し、比較結果が所定しきい値以下になった場合、電池に特性変化が発生したと判定する。電気化学的パラメータは、拡散係数を反映した数値であり、一例として電圧矩形波の印加の際の応答電流から算出可能な充電電荷Qf、放電電荷Qrを採用することができる。この拡散係数を反映した電気化学的パラメータはメモリ効果などの一時的特性変化によって変化し、一時的変化が解消されると通常値に戻るため、このパラメータを採用することで、高精度かつ簡易に、そして短時間に特性変化を検出できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電池特性の一時的変化や特性劣化の検出に関する。
電力源としての電池に、メモリ効果等の一時的な特性変化や劣化などによる特性変化が発生するとその電池の能力等に制限が生ずるため、電池の状態を検出することは重要である。
電池の状態を検出する方法として、従来より、電池の内部抵抗を検出し、その抵抗値に基づいて、電池にメモリ効果又は劣化が生じているかどうかを検出する方法が提案されている。例えば、特許文献1に開示されたバッテリの状態検出装置では、ニッケル化合物を正極に用いたバッテリにメモリ効果又は劣化のいずれが発生しているかどうかを、測定した内部抵抗を利用して判断する。より具体的には、バッテリ使用可能残容量として、充電から放電に至る過程においてバッテリから放電可能な残容量、又は放電から充電に至る過程においてバッテリに充電可能な残容量を検出する。このバッテリの最大残容量である定格容量に対する上記バッテリ使用可能残容量の比率と、上記内部抵抗とに基づいて、バッテリにメモリ効果または劣化のいずれかが生じたことを検出するのである。ここで、内部抵抗は、例えば、電池の充放電時の電流電圧特性を直線回帰し、その直線から求めている。
また、特許文献2に記載された電池の状態検知装置においても、蓄電手段の電圧、電流、温度、抵抗及び電解液濃度等を計測し、その結果と、蓄電手段の特性データ、演算係数及び演算手順等の設定情報を利用して蓄電手段の状態情報を演算して求める。特許文献2では、さらに、演算結果自体を、設定値又は論理として設定した設定情報と比較し、その差を学習しながら後の演算にフィードバックする補正を行う。このように演算結果を設定情報と比較して、その差を学習しながら後の演算にフィードバックする補正を行うことで、演算に用いる特性データが少なくても、演算が容易で高精度な蓄電手段の状態検知を実現することを目的としている。
特開2002−42895号公報 特開2003−303627号公報 特開2005−69889号公報
上記特許文献1には、内部抵抗を利用して電池特性を検出することが記載され、特許文献2においても、蓄電手段を構成する要素である内部抵抗を利用し、電池の端子間電圧(OCV)、充電状態(SOC)を演算している。しかし、いずれの文献においても、この内部抵抗を特に分類して考慮していない。ところが、本願発明者の研究により、電池にメモリ効果が発生した場合には、内部物質移動速度が低下することが明らかになった(上記特許文献3参照)。
ここで、電池の抵抗は一般的に大きく以下の3要因に分類できる。
(1)IR損(集電構造、電解液比抵抗、電極面積等に由来)
(2)反応抵抗(電池反応の起こり易さを反映。電気化学的な交換電流密度でも同義)
(3)物質移動抵抗(電極内反応物質が反応部位まで移動する動き易さを反映)
従来、内部抵抗について、上記オーム損抵抗と、それ以外の抵抗とを分離して考慮する試みはあったが、(2)反応抵抗と(3)物質移動抵抗とを区別することは行われておらず、上記特許文献1,2においても考慮がない。したがって、メモリ効果に代表される電池の一時的な特性変化を高精度に検知することが困難であった。
また、内部抵抗を算出するために代表的な方法として、放電曲線の変化を検知する方法があげられるが、電池を所定電流で放電させることが必要となり、そのために一定時間は、放電電流の変化や充電を禁止することが必要となる。つまり、その期間は電池を使用することができず、利用者に不利益をもたらすことになる。
また、充電・放電時の電圧変化をサンプリングし、いわゆるI−Vプロットの傾きから抵抗を算出する手法は、使用電流がある程度振れないとサンプリングが原点付近に集中し、直線回帰の信頼性が低下する。当然、電流が大きく振れるまでは、抵抗算出はなされず、測定に時間を要することにかわりはない。
本発明は、内部抵抗の一種である電池内の物質移動抵抗を考慮して簡易かつ迅速に電池の特性変化を検出する方法を提供する。
本発明は、所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加した際の応答電流を測定し、前記測定結果に基づいて算出した電池反応に関与する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータと、標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータに応じた所定しきい値とを比較し、前記算出した電気化学的パラメータが前記所定しきい値未満になった場合に前記電池に特性変化が発生したと判定する。
本発明の他の態様では、上記検出方法において、前記電気化学的パラメータは、前記電圧矩形波を印加した際の応答電流に基づいて算出した拡散係数を反映した電気化学的パラメータである。
本発明の他の態様では、所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加した際の応答電流を測定し、前記応答電流に基づいて、充電電荷量及び放電電荷量を算出し、該充電電荷量と放電電荷量との差又は比が、所定しきい値以下の場合に、前記電池に特性変化が発生したと判定する。
本発明の他の態様では、電池特性の検出装置であって、所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加する矩形波印加手段と、前記電圧矩形波を印加した際の電池の応答電流を測定する電流測定手段と、前記応答電流の測定結果に基づいて電池反応に関与する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータを算出する算出手段と、標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータに応じた所定しきい値と、前記算出した電気化学的パラメータと、を比較する比較手段と、前記算出した電気化学的パラメータが前記所定しきい値未満になった場合に前記電池に特性変化が発生したと判定する判定手段と、を備える。
本発明の他の態様では、上記検出装置において、温度測定手段と、所定温度毎の標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータ情報を格納する記憶手段と、を備え、前記温度測定手段で得た温度に対応する前記電気化学的パラメータを前記所定しきい値として、前記算出手段で得た前記算出した電気化学的パラメータと比較し、前記電池の特性を判定する。
本発明の他の態様では、前記電圧矩形波の振幅は、前記電池に固有の分極曲線における分極と電流密度の対数との関係が線形から非線形になる限界電流密度の5%〜90%となる電流が前記電池に流れるように決定されている。
本発明の他の態様では、前記電圧矩形波は、前記電池を電源として動作するモータ用インバータ(例えば、ハイブリット自動車等に搭載されるモータのインバータ)を用いて該当電池に印加する。
本発明では、電池に所定の電圧矩形波を印加した際の応答電流を測定し、測定結果に基づいて算出される電池反応に関与する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータを利用して電池の特性変化を判定する。この電気化学的パラメータは、例えば電圧矩形波を印加した際の応答電流に基づいて算出可能な電池電極表面における拡散係数を反映するパラメータである。より具体的には、このパラメータとしては、応答電流から求めることが可能な充電電荷と放電電荷を採用することができる。
メモリ効果等の一時的特性変化が生ずると、電池の放電カーブ、及びSOC(充電状態)−OCV(端子間電圧)関係が変化することが知られている。その結果、電池の残存容量推定における誤差の拡大、及び、残存容量推定誤差により電力源としての電池能力の過剰な制限が懸念される。
しかし、本願発明者の研究により、注目する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータは、一時的特性変化に対応して変化し、また一時的な変化から復帰した場合には通常値に復帰することが明らかになっている。したがって、このような電気化学的パラメータを利用して電池の特性変化を判定することで、電池におけるメモリ効果等の一時的特性変化を確実に検出することができる。
また、電圧矩形波を印加して応答電流を測定するが、この電圧矩形波により、電池は充電と放電の両方を実行するため、電池特性測定前後における電池容量の損失が防止されている。また、充電と放電の双方の動作時における電気化学的パラメータがそれぞれ内部物質移動速度を反映するため、一時的特性変動を非常に高精度に検出でき、また、非常に簡易な測定によって検知でき、電力源としての電池能力の制限を抑制することができる。
さらに、本発明では、電圧矩形波の振幅を、電池に固有の分極曲線における分極と電流密度の対数との関係が線形から非線形になる限界電流密度の5%〜90%となる電流が前記電池に流れるように決定することができる。このような電流値とすることで、大容量の電池などにおいても少量の応答電流によって、かつ短時間に、電池の一時的特性変化を簡易に検知することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電池の特性検出装置10と、その検出対象である電池40を含む構成の概略図を示している。電池40は、電気自動車やハイブリット自動車などの走行用のモータ52に、インバータ50を介して駆動電力を供給する電源として用いられ、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等が用いられる。車両の始動時や加速時には、この二次電池40からの電力がインバータ50を介して走行用モータ52に供給され、車両の減速時には、モータ52が発電機として機能し、得られた電力が二次電池40に回生される。このようにして、二次電池40は充放電を繰り返すこととなる。
電池の特性検出装置10は、上記のような電池40の電極間に流れる電流を測定する電流測定部16と、この電流測定部16の測定結果に基づいて、演算、比較を実行して電池特性を判定する判定部20を備える。ここで、特性判定に用いる電圧矩形波は、例えば、二次電池40の電力を車両用等のモータ52を駆動するためのインバータ50が作成することができる。図1の例では、インバータ50が作成した電圧矩形波をスイッチ34を閉に制御した状態で二次電池40の端子間に印加する。電流測定部16は、電圧矩形波を印加した際の電池の応答電流を測定し、電池特性判定部20は、電流測定部16から得られる応答電流に基づいて、後述するように内部物質移動速度を反映する電気化学的パラメータを演算、比較する。なお、二次電池40の端子間には電圧検出部14が設けられており、後述する分極曲線を作成し、またその曲線から分極特性(特に分極値η)を求める際などに端子間電圧を測定する。
記憶部12には、標準状態(メモリ効果などの一時的特性変化も劣化も生じていない状態)における二次電池40の電気化学的パラメータが記憶されており、特性判定部20は、記憶部12から読み出した標準状態での電気化学的パラメータと、応答電流に基づいて演算して求めた電気化学的パラメータとを比較し、特性変化を判定する。特性が温度毎に異なることを考慮する場合には、図1に示すように二次電池40を測定する温度測定部18を設ける。また、この場合、記憶部12には予め標準状態で温度毎に測定した電池固有の電気化学的パラメータを記憶しておき、温度測定結果に応じた標準状態の電気化学的パラメータを、特性判定の比較データ(しきい値)として用いることが好適である。
次に、本実施形態の測定原理及び図1に示す特性判定装置のより具体的な動作について説明する。本実施形態に係る測定原理は、二次電池40においてメモリ効果等の一時的特性変化が発生した時、電池の電気化学的パラメータの中で、内部物質移動速度を反映する拡散係数が平常時より普遍的に低下することを利用する。本発明者は、このメモリ効果等の一時的特性変化による拡散係数の低下を見いだし、さらにその拡散係数が深放電等のメモリ効果リフレッシュ過程を経ることで平常値に復帰することを確認した。このような電池の拡散係数(または拡散係数を反映するパラメータ)を測ることで、該当電池のメモリ効果有無、及び、解消を検知することを可能としている。
ここで、メモリ効果は、水酸化ニッケルを正極活物質に用いるアルカリ二次電池で発生することが知られている。つまり、一般論として、メモリ効果はアルカリ二次電池における水酸化ニッケル正極の変化によるものと認識されており、本実施形態において特性判定する対象である電池40としては、このようなアルカリ二次電池などが採用可能である。
二次電池40の特性判定に際しては、以下に説明するように、まず(i)分極曲線を作成し、(ii)その特性に応じた電圧矩形波を印加して応答電流を解析し、(iii)内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータとして、拡散係数を利用し、電池特性の変化を検出する。ここで、この拡散係数は、以下のように、電圧矩形波を印加したときの充電電荷及び放電電荷に反映されており、応答電流からこの充放電電荷を求めることができる。
(i)分極曲線の作成
まず、該当電池の正極(水酸化ニッケル電極)を用い、正極の還元方向の分極曲線を作成する。分極曲線は、分極をη、電流密度をiとしたとき、分極ηと電流密度の対数logiとの関係を表す曲線である。分極曲線の作成は周知の方法で行うことができる。例えば、メモリ効果の発生していない電池(基準電池)の正極を用いて三極式電池を作製する。そして、実電池使用域に準じてしかるべき充電状態とし、ポテンショスタット、ファンクションジェネレータ、レコーダ等を用い、自然電位(Ei)からある値η分だけ分極させ、その際の応答電流を計測するといった方法で、該当電池の分極ηと電流密度iとの関係を求めることができる。
図2は、ここで作成される分極曲線の例を示す。図2において、横軸に分極ηを示し、縦軸に電流密度の対数logi(mA/cm2)を示している。分極ηの単位は、例えばmVで表され、電流密度iの単位は例えばmA/cm2で表される。
図2によれば、logiの値がlogi0以下の領域(ηがη0以上の領域)においては、分極ηと電流密度の対数logiは、ほぼ線形関係にあるが、logiが、logi0よりも大きい領域(ηがη0よりも小さい領域)においては、線形関係から外れている。すなわち、基準電池の正極の分極ηと電流密度の対数logiとの関係が、線形関係を有しなくなる電流密度はi0であることが図2より読み取れる。このように分極曲線から求めたi0に基づき、定電流での充電及び放電をさせる際の電流密度isが、i0の5%〜90%とするような分極幅(矩形波の振幅)ηに電圧矩形波を調整し、計測対象電池に重畳させることがメモリ効果等の一時的特性変化検知の上で有効である。このように分極曲線から求めた振幅を持つ矩形波を、分極ηの電圧矩形波として設定する。
(ii)電圧矩形波に対する電流応答解析
上記のようにして決定した電圧矩形波を二次電池40の電極に印加した際に、電流測定部16によって応答電流を計測するが、この計測される電池の応答電流は、電気化学においてよく知られる電位制御で電流と時間の関係を計測するクロノアンペロメトリの中のクロノクーロメトリ法で説かれている式を基に電気化学的パラメータとして数値化し、電池特性検出に利用できるように解析する。
クロノクーロメトリ法については、電気化学計測の解説書 Bard, Allen J.「Electrochemical Methods Fundamentals and Applications」John Wiley & Sons, Inc., 136-212 (1980).等、または、近年では電気化学計測装置の取扱説明書にも解析方法が紹介されている。
(ii−1)電極電位と表面濃度
以下、電池の電極電位と電極の表面濃度の関係について、平衡が成立している一般的な酸化還元反応[O+ne=R]を例に考える。なお、Oは酸化体、eは電子、nは反応電子数、Rは還元体である。一般に、上記のような反応の場合における電池の電極電位Eは、以下に示すネルンストの式で表現できる。
Figure 2008041565
ここで、E0は、酸化還元反応の標準電極電位、Eは電極電位、Co、CRは、平衡が成立しているときの電極表面における酸化体濃度、還元体濃度である。式(1)より、電極電位を変えることは、表面濃度を変えることであると理解できる。
Figure 2008041565
クロノクーロメトリをはじめとする一般的なクロノアンペロメトリでは、電位ステップを与える場合の開始電位Eiと、ステップ後の電位Esの設定方法に関して、表面酸化体が全て還元されるようにEsを設定するなど、できるだけEi−Esを大きくとることを推奨している。
しかし、本実施形態のような車両の電池など、一般的な電池の電極周辺では、酸化体と還元体が任意の比で混合されており、その一方が消失するほど大きな電位差を与えると、通常、電気化学計測機器では対応不能なほど巨大な電流が流れ、一般的なクロノアンペロメトリ手法をそのまま適応することは不適切である。
一方、本実施形態のように、(i)で示した通り、別途作成した分極曲線から求めた分極幅ηの電圧矩形波を採用し、これを電池電極間に重畳すれば、その電池状態を過大な電流を流すことなく検知でき、有効な結果を得ることができる。
(ii−2)ダブルポテンシャルステップクロノクーロメトリ
次に、電位を矩形状に変化させるダブルポテンシャルステップクロノクーロメトリについて、その電位波形、応答電流、電荷と時間の模式図を、図3を参照して説明する。
図3(a)に示す通り、タイミング0において、初期電位(自然電位)EiからEsへ、分極ηに等しい量だけ電位をステップさせ、タイミング(時間)τにて、再びEiへ電位をステップさせる。EiからEsへの変化をフォワードステップ(充電ステップ)、EsからEiをリバースステップ(放電ステップ)と定義する。なお、フォワードステップからリバースステップまでの期間(0〜τ)は、電池電極間がη(=Es−Ei)だけ分極される充電期間であり、リバースステップからその終了までの期間(τ〜2τ)は、電池電極間がEsから自然電位Eiへと電位がステップし、その電位Eiが保持され、電池電極間が−η(=Ei−Es)だけ分極される放電期間となる。
以上のように(i)の分極曲線から求めた分極ηの電圧矩形波は、振幅が、
Es−Ei=η
で表され、分極方向が時間τで反転する矩形波である。
応答電流は図3(b)に示すように、フォワードステップにおいて、アノードからカソードに向かう電流(充電電流)ifが最大となり、その後、応答電流は、電極表面における内部物質の濃度勾配の時間推移に従い、時間と共に減少する。電圧矩形波の電位が反転するリバースステップでは、カソードからアノードへの逆向きの応答電流が流れ(つまり、放電電流)、この電流irは、やはり電極表面における内部物質の能動勾配に従って、時間と共に減少していく。
フォワード、リバースそれぞれの電位ステップにて生成される還元体・酸化体の量は、電荷として図3(c)のような挙動をとる。
すなわち、フォワードステップで生成した還元体のうち一部は、電極内部へ拡散するため電極の反応表面に留まらない。したがって、フォワードステップで生成した還元体の全てが続くリバースステップの出発源とは成り得ず、タイミング0〜τの期間におけるフォワードステップ電荷|Qf|と、タイミングτ〜2τの期間におけるリバースステップ電荷|Qr|は一致しない。なお、リバースステップ電荷Qrの符号は、放電電流irの流れる向きが充電電流ifと逆であるため、フォーワードステップ電荷Qfと逆となる。よって、Qf+Qr>0(|Qf|−|Qr|>0)となる。
このような充電電荷と放電電荷の不一致は、反転時間τの設定に大きく依存するが、物質移動(拡散)ができるだけ速いことが望ましい電池電極においては、標準状態であれば電荷の不一致がある程度大きい。
したがって、対象電池に内部物質移動由来の状態変化が生じると、図3(c)の電荷の時間推移(クロノクーログラム)が変化し、このQfとQrに基づいて内部物質移動由来の状態変化、即ち、一時的特性変化の発生を検出することができるのである。
特性変化の判定は、本実施形態では、電圧矩形波の1サイクル分(0〜2τ)の電荷量の変化を利用して実行する。具体的には、充電電荷と放電電荷の差分(Qf+Qr)は、タイミング0〜2τの期間の全応答電流量に応じた電荷量Q2τから求める。充放電電荷と充電電荷の比(|Qf|−|Qr|)/|Qf|は、タイミング0〜τの期間の応答電流量に応じた電荷量Qτと、タイミング0〜2τの期間の応答電流量Q2τから求めることができる。なお、ここで、電荷は、正式なクーロン(C=A・s)で求めずに、サンプリング時間毎の電流積算で求めることができる。
以下に、ダブルポテンシャルステップクロノクーロメトリにおける電荷と時間の関係式を示す。
Figure 2008041565
Figure 2008041565
ここで、式(3)、(4)に示すQf、Qrは何れも絶対値である。また、式(3)、(4)のQf、QrにおけるCo0、Doは、電極表面における酸化体濃度、酸化体の拡散係数である。さらに、(3)式及び(4)式のいずれも、nは反応電子数、Fはファラデー定数、Sは反応面積で、Qdlは電気二重層由来の電荷である。
以上のように、充電電荷Qf、放電電荷Qrは、Doで表される拡散係数を反映しており、充電電荷Qf、放電電荷Qrを用いれば、一時的特性変化の発生を判定できる。さらに、このQf、Qrは、上述のように、サンプリング時間毎の電流積算によって求めることができる。つまり、特性判定部20は、充電期間(タイミング0〜τ)中、電流測定部16から得られる電流値ifを積算することによりQf(Qτ)を算出することができ、放電期間(タイミングτ〜2τ)中、電流測定部16から得られる電流値irを積算することによりQrを算出することができる。但し、本実施形態では、Qr自体を演算して求める必要はなく、0〜2τの期間中の電荷の変化量をその期間の応答電流に基づいて算出することで、特性劣化の判定に必要な|Qf|−|Qr|値又は(|Qf|−|Qr|)/|Qf|を得ている。
なお、以上の二式から解る通り、電荷は時間√tの一次関数と見なすことができ、その切片であるQdlは電極表面状態を反映するパラメータであることから、電荷−時間(√t)の関係から電極表面状態変化についても検知することも可能である。
(iii)一時的特性変化の検知
図4は、ある温度において計測対象電池がメモリ効果を発生していない標準状態、メモリ効果発現時、及び、メモリ効果解消時に、分極ηの電圧矩形波を2サイクル重畳させた際のクロノクーログラム(充放電特性)である。以上の説明では、メモリ効果解消時についても初期状態を含む標準状態と同様に説明したが、図4では、標準状態と、メモリ効果解消状態との差を調べるために、t=0〜4τにおいて充電電荷と放電電荷の差分と、充電電荷との比Q(x+1)τ/Qxτの比を算出している。ここで、xは、奇数の自然数であり、Qxτは各サイクルにおける充電電荷に相当し、Q(x+1)τは、1サイクルにおける充電電荷と放電電荷の差に相当する。そして、図4の特性から、標準状態とメモリ効果解消状態の特性が一致していることが理解できる。ここで、図4の例では、電圧矩形波の1/2サイクルであるτは、ダブルポテンシャルステップクロノクーロメトリで一般的な1秒以内よりは、長い値を用いた。しかし、最長でもこの電圧矩形波の1サイクルは、十秒間程度である。
1サイクル目、標準状態と解消時のQ2τ/Qτは、いずれも0.46であるのに対し、発現時のQ2τ/Qτは0.14であり、発現時の値は明らかに小さくなっている。
2サイクル目で比較しても、標準状態・解消時では、いずれもQ4τ/Q3τ:0.61であるのに対し、発現時には、Q4τ/Q3τ:0.22と、より明確な差が認められる。
このように、任意の温度においてQ(1+x)τ/Qxτを検出し、あらかじめ温度毎に計測済みで記憶部12に格納した電池固有(標準状態)のQr/Qfをしきい値に利用し、これと比較することで、短時間にかつ精度よく一時的特性変化の発現を検知することが可能であることが理解できる。
なお、メモリ効果に限らず、物質移動速度の変化に由来した状態変化について、Q(x+1)τ/Qxτ(充放電荷と充電電荷との比:(|Qf|−|Qr|)/|Qf|)、又はQ(x+1)τ(充電電荷と放電電荷の差:|Qf|−|Qr|)を利用してその発生を検出することが可能である。
図4の例では、電圧矩形波の重畳回数として2サイクルを例示したが、サイクル数を増やした場合、計測される電荷量Qτにおいて、標準状態とメモリ効果発現のような状態変化時とのかい離は拡大する傾向にあることが図より明らかである。したがって、使用機器において、検出時間に大きな制約が無い場合等には、2サイクル以上の期間、検出を実行してても良い。また、Q(x+1)τ/Qxτでなく一定サイクル後のQ(x+1)τ(充電電荷と放電電荷の差:|Qf|−|Qr|)から、状態変化検知を実施することも可能である。
さらに、上記式(3)及び式(4)に基づき、時間−電荷の切片に相当する値の解析より、電極反応面に関する状態変化検知も可能である。
(iv)矩形波の設定
ここで、本実施形態において電池に印加する分極ηの電圧矩形波について、その作成方法を例示する。分極ηは、上述のように電圧矩形波を電池に印加した際に電池に流れる応答電流が、規制電流(電流密度)i0の5%〜90%となるように設定することが好ましいが、より好適には10%〜50%の電流が二次電池40に流れるように設定する。一例として、本実施形態では、規制電流(電流密度)i0の20%(i0×0.2)程度の電流が二次電池40に応答電流として流れるような分極ηの電圧矩形波を採用する。もちろん、分極ηはこれに限られず、二次電池40及び特性検出装置10を含む図1に示すような回路構成の特性に応じた最適な電流値とすることが好適である。
該当する二次電池40がハイブリット自動車等に使用されている場合、この二次電池40は、インバータ50を介し、直接発電機又はモータ52に接続され、直接モータ52等に電池40が接続されることはない。
インバータ50を介し、モータやDC/DCコンバータ用の主電源として電池40を使用する場合、インバータ50が矩形状の放電波形を作るのは容易で、検出すべき状態にあわせて、τ、ηの設定は、大きな自由度で実行できる。また、応答電流計測においても、ハイブリット自動車等においては、高精度・高速応答の電流センサを備えている為、それらを利用することができ、その電流センサを電流測定部16として利用すれば、特性判定のための特別な構成を設けることなく特性の検出装置を得ることができ、最小限の構成によって高精度の装置が実現できる。
また、ハイブリット自動車等でなくとも、近年、モータ駆動を利用する電動車椅子などでは、PWM等のパルス制御方式のモータコントローラ(いわゆるインバータ)を用いることが主流になっている。このようなパルス制御式で電池が放電する場合も、実波形は矩形状である。よって、この制御波形を利用することも可能である。
τ、ηを特性検知上、望ましい値に設定することができない場合は、別途、矩形重畳回路を設ければよい。
上記のような矩形波を発生することが可能な機能があらかじめ備わっていない場合、オペアンプを用いた一般的なコンパレータ回路を利用することができる。また、オペアンプ、コンデンサー、抵抗等の値により、τ、ηを設定することが可能である。
次に、以上のような検出原理を採用した特性判定のためのより具体的な手順の一例について、さらに、図5〜図7を参照して説明する。
記憶部12には、予め標準状態における該当電池の一定サイクル後(充電+放電)のQ(x+1)τ(充電電荷と放電電荷の差:Qf+Qr)値、又はQ(x+1)τ/Qxτ(充放電電荷と充電電荷の比:Qr/Qf)値を格納しておく。また、電圧矩形波の分極η、反転サイクルτについても、予め図2のような該当電池の分極曲線を求め、電圧矩形波の印加部(例えば図1のインバータ50)又は印加部を制御する制御部(図1において図示を省略)に設定しておく。
制御部などの命令により、図5に示すように、状態検知が開始すると(S1)、判定部20は、まず、特性判定部20内などに設けた劣化履歴カウンタのカウント値を確認する(S2)。この劣化履歴カウンタには、以前に該当電池に対して一時的特性変化が判定されていたかどうかが記憶されており、カウンタ値が1未満(<1)の場合、メモリ効果発生履歴なしと判断し(S3)、履歴なしの状態検知に移行する(S4)。一方、カウンタ値が1以上(1≦)の場合には、メモリ効果発生履歴ありと判断し(S5)、履歴ありの状態検知に移行する(S6)。
履歴なしと判断された場合、図6に示す履歴なし状態での検知を開始する(S10)。まず、温度測定部18によって、電池温度を計測し(S11)、予め設定された電圧矩形波の重畳を開始し、特性判定部20は、同時に電流測定部16から得られる応答電流の積算を開始する(S12)。所定サイクルの電圧矩形波の印加が終了すると(例えば図3に示すような1サイクル分としたり、図4のように複数サイクルとできる)、同時にこのサイクル分の電流積算を終了する(S13)。特性判定部20は、得られた電流積算値から対応する0〜xτの間の総電荷量Q(x+1)τ(Qf+Qr)を算出し(S14)、記憶部12から対応温度での標準状態における電池固有の電荷量Q(x+1)τ(標準値)を読み出し、この標準値をしきい値として、算出電荷量Q(x+1)τ値と比較する(S15)。
なお、しきい値は、標準値と等しくなくとも良く、誤差などを考慮し、例えば標準値の80%等、しきい値として最適な値に設定することができる。
ここで、Q(x+1)τ値は、電池充電状態SOCによって変化する。したがって、しきい値は、SOC毎のQ(x+1)τを実測するか、式(3)及び式(4)を利用して|Qf|−|Qr|を算出し、その値をSOC毎にしきい値として格納しておき、電池特性の測定時に求めたSOCに応じて、しきい値と比較することが好適である。
式(3)及び式(4)を利用して、想定されるSOCから|Qf|−|Qr|を算出する方法の一例は以下の通りである。
上記式(3)及び式(4)において酸化体の濃度Co0以外は、電池の固有値又は定数であり、上記式(3)及び式(4)において酸化体の濃度Co0は、電流値×時間(A・h)又はSOCで代用することができる。例えば、容量10Ahの電池におけるSOC40%のCo0は、以下のように演算できる。SOCが0%から100%になる方向において、10Ah=10×3600A・secの容量が利用可能である。ここで、A・sec=C(クーロン)、かつ1F(ファラデー)=96485C/molであるから、
36000C/96485C/mol=0.373mol
の電荷が利用可能である。即ち、0.373molが充電と放電の間で変化する。
よって、SOC:0%なら、0.373molが全て還元体であり、100%ならば0.373molが全て酸化体であり、40%ならば0.373×0.4molが酸化体となる。この酸化体が二次電池において所定容積中に存在するので、容積を仮に20cm3とすると、SOCが40%の時のCo0は、以下の演算により得られる。
Co0[SOC40%]=0.373×0.4/20
=0.0075mol/cm3
このようにして所定のSOCでのCo0を算出することができ、この値を式(3)及び(4)に代入すれば、|Qf|と、|Qr|をそれぞれ求めることができ、[|Qf|−|Qr|]の理論値を算出することができる。そして、この理論値に利用状況などに即した定数aを乗じた値をしきい値[|Qf|−|Qr|]×aとして記憶部に格納しておけばよい。
次に、特性判定部20が、以上のようにして設定されたしきい値と、算出電荷量Q(x+1)τ値とを比較し、この算出電荷量が、しきい値未満でない、つまりしきい値以上と判断した場合(No)、該特性判定部20は、さらにメモリ効果等の一時的劣化の発生なしと判定し、履歴カウンタ値は変更せず(+0とする)(S16)、状態検知を終了する。
一方、算出電荷量Q(x+1)τ値がしきい値未満と判断された場合(Yes)、特性判定部20は、一時的劣化の発生と判定し、履歴カウンタ値を1増やし(+1)(S17)、状態検知を終了する。なお、一時的特性変化の発生の有無については、必要に応じて使用者に対して表示しても良い。一時的特性変化が発生していない場合には、例えば、そのまま電池の通常動作に移行することを許可することができ、一時的特性変化が発生していると判定された場合には、例えば、自動的にメモリ効果解消のために深放電等のリフレッシュステップに移行し、一時的特性変化を解消しても良い。
次に、図5の劣化履歴カウンタ確認(S2)において、カウンタ値が1以上と判定され、劣化履歴有りの場合の状態検知について、図7を参照して説明する。履歴有りの状態検知を開始した場合(S20)、電池温度を計測し(S21)、電圧矩形波を印加して電流積算を実行し(S22)、この電圧矩形波印加終了時に電流積算を終了し(S23)、得られた電流積算値に基づいて電荷量Q(x+1)τ値を算出する(S24)。さらに、測定温度に応じた標準の電荷量Q(x+1)τ値を記憶部12から読み出し、この標準値をしきい値として、算出電荷量Q(x+1)τ値と比較する(S25)。このように、検知開始から比較までは、図6の劣化履歴なしの場合と同様である。
しきい値と算出値の比較の結果、算出値がしきい値未満でない、つまり、しきい値以上であれば(No)、一時的特性変化の発生なしと判定し、履歴カウンタ値を1減らし(−1)(S26)、状態検知を終了する。
しきい値と、算出値とを比較した結果、算出値がしきい値未満の場合(Yes)、一時的特性変化の発生と判定し、履歴カウンタ値を1増やす(+1)(S27)。次に履歴カウンタ値が所定しきい値かどうかを判定し(S28)、しきい値未満であれば(Yes)、一時的特性変化であると判断し(S30)、検知を終了する。上述のように、この場合、一時的特性変化を解消するためのリフレッシュステップに移行し、一時的特性変化を解消することができる。
しきい値以上の場合(No)、一時的ではなく、継続的特性変化と判断し、これが電池の劣化進行であると認定し(S29)、検知を終了する。なお、劣化進行と判断した場合には、警告表示等を行うことで、使用者の電池の劣化の告知や、使用停止を促すことが可能となる。
以上の手順により、拡散係数を反映した電池の電気化学的パラメータによって電池の一時的特性変化だけでなく、変化なし、さらに劣化進行を迅速、かつ、正確に判定することができる。また、電池が特性を測定可能な所定状態に達したならば、最長でも十秒間程度の電圧矩形波を印加することで、非常に速やかに内部物質移動抵抗由来のパラメータを算出できる。なお、以上の手順では、算出対象とする電荷量として、Q(x+1)τ、言い換えると充電電荷Qfと放電電荷の差(|Qf|−|Qr|)を採用しているが、既に説明したようにQ(x+1)τ/Qxτ、つまり、充電電荷Qfと、充放電電荷の比(|Qf|−|Qr|)/|Qf|を採用しても同様に正確な特性変化の有無等を判定することができる。
また、しきい値として標準状態で各温度において測定した電荷量を採用したが、単純に、ある一点の温度で測定した電荷量に応じたしきい値を採用しても良い。この場合、温度測定部18を省略しても良いし、ある一点の温度で測定した電荷量に対して測定した温度に応じた補正を演算し、これをしきい値として採用しても良い。
また、SOCに応じたしきい値を採用し、電池特性測定時において検出したSOCに対応するしきい値を用いる場合、SOCは、従来知られた端子間電圧より求める内部抵抗値とSOCとの特性マップなどに基づいた方法によって検出することができる。また、二次電池40の端子間電圧から内部物質移動速度に応じた分極値又は抵抗値を求めそれらとSOCとの関係から、SOCを求めても良い。図8は、このような内部物質移動速度に応じた分極値等を求める原理を簡単に示している。図2に示したような分極曲線において分極値がη0より大きくなるような電流密度ioの5%〜90%の定電流によって二次電池を定電流放電させ、放電開始直後の電圧E1、放電開始から所定期間経過後の端子間電圧E2を求める。この放電開始直後から所定時期までの期間では、内部物質の移動が支配的であり、E1とE2の差が、内部物質移動支配下での分極値Ed(=E1−E2)に相当する。また、抵抗値Rdは、Rd=E1−/I1−E2/I2で求めることができる。このような内部物質移動支配下での分極値又は抵抗値を利用し、そして、Ed−SOC特性、又はRd−SOC特性に基づいてSOCを求めることで、より高精度にSOCを求めることができる。
本発明の実施形態に係る電池特性判定装置の構成を説明する図である。 本発明の実施形態に係る二次電池の分極曲線を示す図である。 本発明の実施形態に係るダブルポテンシャルステップクロノクーロメトリにおける電位波形、応答電流、電荷と時間との相関関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る電圧矩形波を2サイクル期間印加した場合のクロノクーログラムである。 本発明の実施形態に係る状態検知動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る状態検知動作を示す図5に続く一時劣化履歴がない場合のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る状態検知動作を示す図5に続く一時劣化履歴のある場合のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る放電開始からの時間と端子間電圧との関係を示す図である。
符号の説明
10 特性検出装置、12 記憶部、16 電流測定部、18 温度測定部、20 電池特性判定部、34 スイッチ、40 二次電池、50 インバータ、52 モータ。

Claims (11)

  1. 所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加した際の応答電流を測定し、
    前記測定結果に基づいて算出した電池反応に関与する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータと、標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータに応じた所定しきい値とを比較し、
    前記算出した電気化学的パラメータが前記所定しきい値未満になった場合に前記電池に特性変化が発生したと判定することを特徴とする電池特性の検出方法。
  2. 請求項1に記載の電池特性の検出方法において、
    前記電気化学的パラメータは、前記電圧矩形波を印加した際の応答電流に基づいて算出した拡散係数を反映したパラメータであることを特徴とする電池特性の検出方法。
  3. 所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加した際の応答電流を測定し、
    前記応答電流に基づいて、充電電荷量及び放電電荷量を算出し、
    該充電電荷量と放電電荷量との差又は比が、所定しきい値以下の場合に、前記電池に特性変化が発生したと判定することを特徴とする電池特性の検出方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電池特性の検出方法において、
    前記特性変化の発生は、一時的特性変化の発生と判定することを特徴とする電池特性の検出方法。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電池特性の検出方法において、
    前記電池の特性判定は、複数回実行し、所定回数以上、前記特性変化の発生が判定された場合に前記電池の特性劣化と判定することを特徴とする電池特性の検出方法。
  6. 電池特性の検出装置であって、
    所定状態の電池に、所定の電圧矩形波を印加する矩形波印加手段と、
    前記電圧矩形波を印加した際の電池の応答電流を測定する電流測定手段と、
    前記応答電流の測定結果に基づいて電池反応に関与する内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータを算出する算出手段と、
    標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータに応じた所定しきい値と、前記算出した電気化学的パラメータと、を比較する比較手段と、
    前記算出した電気化学的パラメータが前記所定しきい値未満になった場合に前記電池に特性変化が発生したと判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする電池特性の検出装置。
  7. 請求項6に記載の電池特性の検出装置において、
    前記電気化学的パラメータは、前記電圧矩形波を印加した際の応答電流に基づいて算出した拡散係数を反映したパラメータであることを特徴とする電池特性の検出装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の検出装置において、
    前記電気化学的パラメータは、前記電圧矩形波を印加した際の応答電流に基づいて算出した充電電荷と放電電荷の差又は比であることを特徴とする電池特性の検出装置。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の検出装置において、
    温度測定手段と、
    所定温度毎の標準状態における内部物質移動速度を反映した電気化学的パラメータ情報を格納する記憶手段と、を備え、
    前記温度測定手段で得た温度に対応する前記電気化学的パラメータを前記所定しきい値として、前記算出手段で得た前記算出した電気化学的パラメータと比較し、前記電池の特性を判定することを特徴とする電池特性の検出装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の検出方法又は検出装置において、
    前記電圧矩形波の振幅は、前記電池に固有の分極曲線における分極と電流密度の対数との関係が線形から非線形になる限界電流密度の5%〜90%となる電流が前記電池に流れるように決定されていることを特徴とする電池特性の検出方法又は検出装置。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の検出方法又は検出装置において、
    前記電圧矩形波は、前記電池を電源として動作するモータ用インバータを用いて該当電池に印加することを特徴とする電池特性の検出方法又は検出装置。
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