JPH09216898A - 短縮形態の抑制性κBタンパク質(IκB)、その組換え産生および用途 - Google Patents

短縮形態の抑制性κBタンパク質(IκB)、その組換え産生および用途

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JPH09216898A
JPH09216898A JP8333479A JP33347996A JPH09216898A JP H09216898 A JPH09216898 A JP H09216898A JP 8333479 A JP8333479 A JP 8333479A JP 33347996 A JP33347996 A JP 33347996A JP H09216898 A JPH09216898 A JP H09216898A
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protein
cells
iκb
plasmid
dna
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JP8333479A
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Gary Allen Peltz
ゲーリー・アレン・ペルツ
Paula Nanette Belloni
ポーラ・ナネット・ベローニ
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F Hoffmann La Roche AG
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F Hoffmann La Roche AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インビボで不活化されず、したがってNFκ
Bを阻害し続け、炎症の誘導を妨げるか予防するIκB
様変異タンパク質を提供すること。 【解決手段】 生物学的に活性なタンパク質であって、
該タンパク質はIκBの活性を、κB核因子(NFκ
B)仲介による炎症応答の活性化を阻害することによっ
て擬態し、IκBαの短縮形態である、タンパク質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写因子、特に転
写因子NFκBの活性化を阻害するタンパク質に関す
る。本発明はまた、これらのタンパク質の組換え産生
(特にインビボでの産生)、これらのタンパク質をコー
ドする核酸、発現および送達ベクター、ならびに、特に
成人呼吸困難症候群(adult respiratory distress syn
drome :ARDS)、喘息、アログラフト拒絶、炎症性
関節炎、脈管炎、および脈管再狭窄の、遺伝子治療とい
う手段による、ならびにNFκBの阻害に対して典型的
に応答性である他の条件による、それらの治療的用途お
よび予防的用途に関する。
【0002】
【従来の技術】炎症の間には、多くの異なる遺伝子の発
現が上皮細胞および内皮細胞においてアップレギュレー
トされており、それらにはインターロイキン、転写因
子、付着分子、および凝固系の成分などをコードする遺
伝子があげられる。これらの遺伝子の多くの転写には転
写因子NFκBが関与している。
【0003】転写因子NFκBは、細胞の細胞質におい
て構造的に発現される。NFκB様タンパク質による遺
伝子転写の誘導は、転写後の改変が原因である。この改
変により予め形成された転写因子の細胞質から核への輸
送が可能になる。この輸送は、IκBと呼ばれる抑制タ
ンパク質のリン酸化および分解により制御される。この
タンパク質はNFκBと複合体を形成し、それによって
NFκBを細胞質内に保持するのである。適切なシグナ
ルによる細胞の刺激はIκBの改変につながり、それが
次にIκBのNFκBからの解離の原因となる。
【0004】IκBタンパク質のNFκBへの結合はN
FκBの核局在シグナル(nuclear localization signa
l:NLS) を遮断する。特定の物質による細胞の刺激
は、細胞型および細胞の発生段階に依存し、IκBがN
FκBに結合できなくするような方法でIκBを改変し
てNFκBのIκBからの解離を導く。この改変を導く
シグナルには、酸素基の生成、若しくはキナーゼ活性化
が関与し、特異的な部位でのIκBのリン酸化を導くと
考えられている;特に、32Ser、36Serおよび42
yr。その結果、そのNLSの遮断がなくなり、そして
NFκBは核に輸送される。ここで、NFκBは遺伝子
の発現を制御する領域の特定のDNA配列に結合する。
これらの部位へのNFκB結合は、炎症過程に関与する
遺伝子の転写を導く。
【0005】転写因子NFκBは、最初、成熟B細胞か
ら単離され、ここではκ軽鎖エンハンサー内の10塩基
配列モチーフに結合している。NFκBは最初この細胞
型および細胞のこの発生期に特異的であると考えられて
いたが、NFκB様タンパク質が多くの細胞型で同定さ
れてきたので、上記のように考察され、遺伝子転写の誘
導に、より一般的に関与していることが示された。この
ことは、いくつかの誘導遺伝子における機能的に活性な
NFκB結合部位の同定により、さらに支持されてい
る。
【0006】NFκBは、50kDサブユニット(p5
0)および65kDサブユニット(p65)からなるヘテ
ロダイマータンパク質である。p50およびp65に対
するcDNAはクローン化され、300アミノ酸の領域
にわたって相同であることが示された。このp50サブ
ユニットは、哺乳動物および鳥類から単離されたc−r
elプロトオンコジーンの産物、および背側のショウジ
ョウバエの遺伝子産物と著しい相同性を示す。最近、N
FκBファミリーのさらなるメンバー、relBが、血
清刺激線維芽細胞から超初期応答遺伝子(immediate ear
ly response gene) としてクローン化された。
【0007】p50およびp65は、異なる性質を有し
ているが、いずれもホモダイマーを形成することができ
る:p50ホモダイマーは強いDNA結合親和性を有す
るが、転写をトランス活性化することはできない。一
方、p65ホモダイマーはDNAには弱くしか結合しな
いがトランス活性化が可能である。p50は、110kD
前駆体(p110)のアミノ末端部分として合成され、
DNA結合活性および二量体化活性を持たない。カルボ
キシ末端部分は、8個のアンキリン反復を含み、これ
は、細胞周期制御および分化に関与するいくつかのタン
パク質に見いだされたモチーフである。より短い(2.
6kb)RNA種は、4kbのp50前駆体RNAと同時に
誘導され、そのクローニングは、別のスプライシングま
たは異なるプロモーターの使用により、110kDタンパ
ク質のC末端部分もまた独立に発現されることを明らか
にした。
【0008】IκBファミリーの5つのメンバーが同定
された:IκBα、IκBβ、p105/IκBγ、p
100/IκBΔおよびIκBε(Baeuerle and Baltim
ore,Cell 87, 13-20 (1996)) 。全てのIκB様ファミ
リーメンバーは複数のアンキリン反復を有し、それはN
F−κB活性化の阻害に必須である。
【0009】3つの全てのIκBα様タンパク質は、5
つのアンキリン反復を有する。RL/IF−1がクロー
ン化され、肝切除30分以内に再生肝において発現され
ることが示された。欠失変異研究は、pp40の5アン
キリン反復のうちの4つが、DNA結合活性の阻害およ
びc−relとの会合に必須であること、およびC末端
領域が必要であることを明らかにした。単一特異性抗体
を用いる研究は110kDのp50前駆体を用いて行わ
れ、C末端部分(IκB活性を有する部分)がp50の
アミノ末端領域に位置する核局在シグナル(NLS)を
遮断することが示された。Brown らは、Science 267, 1
485-1488(1955)において、NH2 末端の54アミノ酸を
欠くIκB欠失変異体は、シグナルによってタンパク質
分解もリン酸化も受けず、NFκBを終始阻害し続けた
ことを報告した。Scheinman らおよびAuphanらは、グル
ココルチコイド誘導免疫抑制が、IκB合成の誘導を介
して仲介されることを報告した(Science, 270, 283-286
および286-290(1995))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ビボで不活化されず、したがってNFκBを阻害し続
け、炎症の誘導を妨げるか予防するIκB様変異タンパ
ク質を提供することである。したがって、本発明は、生
物学的に活性なタンパク質であって、炎症応答のκB核
因子( NFκB) 仲介活性化を阻害することによってI
κBの活性化を擬態するタンパク質を提供する。このタ
ンパク質は、配列番号(SEQ ID NO)1の配列を有するI
κBαの短縮形態であるΔ(290−317)、Δ(2
81−317)、Δ(267−317)、Δ(243−
317)、およびΔ(1−44)からなる群から選択さ
れる。
【0011】
【課題を解決するための手段】好ましい局面は、短縮形
態のタンパク質をコードするcDNAの提供である。よ
り好ましい局面は、Δ(1−44)IκBαタンパク質
をコードするcDNA(配列番号2)の提供である。
【0012】別の局面において、本発明は、哺乳動物に
おける呼吸障害、特に成人呼吸困難症候群(adult resp
iratory distress syndrome :ARDS)、アログラフ
ト拒絶、喘息、炎症性関節炎、脈管炎、および再狭窄を
処置する方法に関し、それはそのような処置が必要な哺
乳動物にIκBαの短縮形態であるΔ(290−31
7)、Δ(281−317)、Δ(267−317)、
Δ(243−317)、およびΔ(1−44)からなる
群から選択された治療的効果量のタンパク質を投与し、
IκBαの短縮形態であるΔ(290−317)、Δ
(281−317)、Δ(267−317)、Δ(24
3−317)、およびΔ(1−44)からなる群から選
択されるタンパク質をコードする核酸のインビボまたは
インビトロでの哺乳動物細胞への送達およびその細胞で
のそれらの発現を介して治療的効果量のタンパク質を提
供することによる処置方法である。好ましい実施態様に
おいては、この核酸はΔ(1−44)短縮形態をコード
する核酸である(配列番号2)。
【0013】以下の定義を、本明細書中の発明を記載す
るために用いられる種々の用語の意味および範囲を例示
し定義するために示す。
【0014】用語「処置」若しくは「処置する」とは、
哺乳動物における疾患の任意の処置を意味し、(i)疾
患の予防、すなわち疾患の臨床的症状の進行を引き起こ
さないようにすること;(ii)疾患の阻害、すなわち臨
床的症状の進行を止めること;および/または(iii)疾
患の軽減、すなわち臨床的症状の緩解を引き起こすこ
と、を包含する。
【0015】用語「効果量」とは、処置される疾患状態
の処置を提供するのに十分な投与量を意味する。これは
患者、疾患および行われる治療に依存して変化する。
【0016】本明細書中で用いられる用語「形質転換さ
れた」および「トランスフェクションされた」とは、ポ
リヌクレオチド、例えば、IκB変異タンパク質をコー
ドするcDNAの標的細胞への導入を意味する。
【0017】「作動可能に連結した」とは、その成分の
正常な機能が働き得るような並列をいう。したがって、
制御配列に「作動可能に連結した」コード配列とは、こ
のコード配列がこれらの配列の制御下で発現され得る配
置をいう。
【0018】「制御配列」とは、特定の宿主生物におい
て作動可能に連結したコード配列の発現に必要なDNA
配列をいう。真核生物細胞に適切なこの制御配列は、プ
ロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびエンハン
サーである。
【0019】「発現系」とは、作動可能に連結した所望
のコード配列と制御配列とを含むDNA配列をいい、そ
の結果これらの配列で形質転換された細胞はコードされ
たタンパク質を発現することができる。形質転換を行う
ために、この発現系はベクター上に含まれ得る;しか
し、この当該DNAも次いで宿主の染色体に組み込まれ
る。
【0020】「ベクター」は、一本鎖、二本鎖、環状、
若しくはスーパーコイル状DNAを含むDNA分子を意
味する。このベクターは、機能的な遺伝子発現を可能に
する適切な距離で作動可能に連結した次のエレメントか
らなる:プロモーター、5′mRNAリーダー配列、転
写開始部位、核酸カセット、3′非翻訳領域、およびポ
リアデニル化部位。1以上のこれらのエレメントは、特
別な適用のためには除くことができる。この核酸カセッ
トは発現されるべき核酸配列を挿入するための制限部位
を含むことができる。機能的なベクターにおいては、こ
の核酸カセットは翻訳開始部位および終結部位を含む発
現されるべき核酸配列を含む。
【0021】本明細書中で用いられる用語「薬学的に受
容可能な」とは、活性成分の生物学的活性の効力を妨げ
ず、それが投与される宿主に対して毒性ではない担体媒
体をいう。
【0022】本発明は、上記のように、IκBα(配列
番号1:SEQ ID NO 1)の短縮形態であるΔ(290−
317)、Δ(281−317)、Δ(267−31
7)、Δ(243−317)、およびΔ(1−44)か
らなる群から選択される短縮形態の抑制性κBタンパク
質(IκBα)に関する。好ましい実施態様は、抑制性
κBタンパク質のN末端短縮形態Δ(1−44)(Iκ
B−NTという)であり、図1に示した配列を有する。
これらの短縮されたIκBタンパク質(IκBΔ29
0、IκBΔ281、IκBΔ267、IκBΔ24
3、およびIκB−NT)は、炎症によって誘導される
タンパク質分解に耐性であり、しかもNFκBへの結合
能およびその転写活性の阻害能は保持している。これら
の性質は組換え短縮IκBタンパク質が潜在的なNFκ
B活性化阻害物質として機能することを可能にし、それ
が顕著な抗炎症活性を有するであろうことを示す。Iκ
B−NTをコードするcDNAは、肺性毛細血管内皮細
胞(pulmonary capillary endotherial cells) 内で発現
されて、成人呼吸困難症候群(ARDS)、喘息、脈管
炎、および炎症性関節炎を処置し得る。さらに、移植さ
れた器官若しくは血管移植片がこの処方物で処理されて
アログラフト拒絶を阻害し得る。血管内皮細胞はPTC
A後にカテーテルを介して短縮形態物で処理されて再狭
窄を阻害し得る。
【0023】IκB−NT短縮型変異体(アミノ酸45
−317をコードしている)は、他のIκB分子および
IκB変異タンパク質に比べ、NFκB活性化の阻害物
質としていくつかの重要な利点を有する。この短縮型変
異体はIκBαのNH2 末端の44アミノ酸を欠いてい
る。これらは、種々の細胞活性化シグナルに対する応答
において、このタンパク質のシグナル依存性分解を調節
する。残基32位および36位のセリンはリン酸化さ
れ、22位および23位のリシンはユビキチン化される
(Scherer et al.,PNAS(USA)92, 11259-11263(1995)) 。
そして42位のチロシンは活性化シグナルに応答してリ
ン酸化される(Imbert et al.,Cell 86, 787-798(1996)
。これらの事象はIκBαのNFκBからの分離を導
き、その結果、NFκB活性化とIκBαの分解に帰す
る。したがって、IκB−NT短縮型変異体上の3つの
全ての重要なシグナル伝達部位を欠失することは、活性
化依存性タンパク質分解に耐性のNFκB阻害物質を産
生することになる。さらに、短縮型変異体は、遺伝子治
療として発現される場合には、アミノ酸置換を有するI
κBαよりも免疫原性が少くなるであろう。さらに、I
κBβは、それがNFκB活性化を阻害し得る前にリン
酸化されなければならないが、リン酸化されていないI
κBαはNFκBを阻害し得る(Kremer et al., J Biol
Chem 271,16310-16316(1996))。
【0024】本明細書に記載されるIκB変異タンパク
質は明確な化学構造を有するタンパク質性物質からな
る。しかし、正確な構造は、多くの因子、特にタンパク
質に対して生じることが知られている化学的修飾に依存
する。例えば、全てのタンパク質にはイオン化し得るア
ミノ基およびカルボキシ基が含まれるので、阻害物質が
酸性塩若しくは塩基性塩の形態で、あるいは中性形態で
得られ得ることはもちろん明らかである。一次アミノ酸
配列は糖分子を用いる誘導体化(グリコシル化)によっ
て、もしくは糖との会合によってしばしば生じる他の化
学的誘導体化(例えば、脂質、リン酸、アセチル基など
による阻害物質への共有結合若しくはイオン結合を含
む)によって増大し得るということも明らかである。こ
れらの改変は、インビトロまたはインビボで起こり得、
後者は翻訳後プロセッシングシステムを介して宿主によ
って行われる。そのような改変は、それらがどのように
して起こるかに関わりなく、IκB活性が破壊されない
限り、IκB変異タンパク質の定義の範囲内にあること
が意図されていることが理解されるであろう。もちろ
ん、そのような改変が分子の生物学的活性を増加若しく
は減少させ得ることが予想され、そしてそのように化学
的に改変された分子もまた本発明の範囲内にあることが
意図される。
【0025】ヒト完全長IκB(アミノ酸1−317)
をコードするcDNAを、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HU
VEC)mRNAから標準的な方法を用いるPCR増幅
によって調製したcDNAライブラリーから単離した。
このcDNAを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIお
よびXba1で消化した後、真核生物発現プラスミド
(pBJneo)に連結し、プラスミドpIκB−fl
を生成した。IκB短縮型変異体(アミノ酸1−28
9、1−280、1−266、1−242、および45
−317をコードする)を、完全長ヒトIκBをコード
するプラスミドを鋳型として用いてPCR増幅により構
築した。好ましい欠失変異体(IκB−NT)は、少な
くともアミノ末端の最初の44アミノ酸を欠いている;
des−Ser70までの、最初のアンキリン反復の開
始部分のN末端欠失変異体もまた効果的であることが予
想される。
【0026】クローニング、増幅、発現、および精製の
別の方法は当業者には明らかであろう。代表的な方法
は、Sambrook, Fritsch and Maniatis, Molecular Clon
ing, aLaboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harb
or Laboratory (1989) に開示されている。
【0027】本発明の発現産物、すなわち、IκB変異
タンパク質は、抗炎症性を示す種々の哺乳動物の状態の
予防および処置に有用である。特に、本発明の変異タン
パク質は、ヒトにおける成人呼吸困難症候群(ARD
S)、アログラフト拒絶、喘息、炎症性関節炎、脈管
炎、および脈管再狭窄の予防的処置および治療的処置に
関して示される。
【0028】本発明の変異タンパク質はまた、IκBに
対する抗体の生成、および続くそれらの診断用および薬
学的スクリーニング用ツールとしての使用においても有
用である。発現ベクターは、免疫応答の評価のための、
NFκB抑制哺乳動物細胞の生成において有用である。
【0029】本発明のさらなる局面は、活性成分とし
て、本発明のタンパク質若しくは薬学的に受容可能なそ
の塩を、薬学的に受容可能な非毒性担体と混合した状態
で含む医薬組成物に関する。そのような組成物は、非経
口(皮下、筋肉内、若しくは静脈内)投与用に、特に液
体溶液若しくは懸濁液の形態で、調製することができ
る;経口若しくは口内投与用には、特に錠剤若しくはカ
プセルの形態で、肺投与若しくは鼻腔内投与用には、特
に粉末、点鼻、若しくはエアロゾルの形態で;そして直
腸もしくは経皮投与用に、調製することができる。
【0030】この組成物は、好都合にも単位用量形態で
投与することができ、例えば、Remington's Pharmaceut
ical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company,
Easton, PA., (1985) に記載されているような、医薬分
野で周知の任意の方法によって調製することができる。
【0031】本発明の化合物を長い期間、例えば、1週
間から1年間にわたって被験体に送達することは、所望
の放出期間の間、十分な活性成分を有する制御された放
出システムを、単一回投与することによって達成するこ
とができる。種々の制御された放出システム、例えば、
モノリシック(monolithic)型もしくはリザーバー型マイ
クロカプセル、デポインプラント(depot implant) 、浸
透ポンプ、ベシクル(vesicle) 、ミセル、リポソーム、
経皮パッチ、イオン導入デバイス(iontophoretic devic
e)および別の注射可能な形態を、この目的のために用い
ることができる。活性成分の送達が所望される部位での
局在化することは、いくつかの制御された放出デバイス
のさらなる特徴であり、特定の疾患の処置において有益
であることを証明することができる。
【0032】制御された放出処方物の1つの形態は、ゆ
っくりと分解して非毒性であり、非免疫原性のポリマ
ー、例えば、Kent,Lewis,Sanders,and Tice のパイオニ
ア研究である米国特許第4,675,189号に記載さ
れた(乳酸/グリコール酸)共重合体(copoly(lactic/g
lycolic)acid) 内に分散させるかカプセル化したこのタ
ンパク質若しくはその塩を含む。この化合物、若しく
は、好ましくはそれらの比較的不溶性の塩もまたコレス
テロール若しくは他の脂質マトリックスペレット、また
はシラストマーマトリックスインプラントで処方するこ
とができる。さらなる徐放性デポインプラント若しくは
注射可能な処方物は、当業者には明らかであろう。例え
ば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery
Systems, J.R. Robinson ed.,Marcel Dekker, Inc., N
ew York, 1978 、およびR.W. Baker,Controlled Releas
e of Biologically Active Agents,John Wiley & Sons,
NewYork, 1987を参照されたい。
【0033】効果量の変異タンパク質自身を標的組織に
送達することも可能であり得るが、タンパク質分解の問
題と低い送達効率の問題から、本発明の変異タンパク質
のインサイチュ、特に細胞質での発現が最も望ましいの
であり、それにより、NFκB仲介性転写活性化は、N
FκBの核内への移動を妨げることにより阻害され得
る。
【0034】
【発明の実施の形態】1つの実施態様において、本発明
は、標的細胞内で構造的に発現され本明細書に記載され
るIκB変異タンパク質をコードする異種cDNA配列
を提供する。このIκB変異タンパク質をコードする配
列は、異種プロモーター配列に作動可能に連結され、持
続的にこの変異タンパク質を発現するようになってい
る。代表的なプロモーターには、CMV、SV40、お
よびヒートショックプロモーターがあげられるが、これ
らに限定されない。
【0035】別の実施態様においては、本発明の変異タ
ンパク質をコードするcDNA配列は、異種誘導プロモ
ーター配列に作動可能に連結され、特別な外因性の刺激
によって発現が誘発されるようになっている。適切な外
因性の刺激は、補体(complement)カスケードの自然な進
行によるか、または外来性薬剤の標的細胞への導入を介
して、若しくは放射線照射のようないくつかの他の非化
学的な外部からの刺激を介して提供され得る。代表的な
誘導プロモーターシステムは、米国特許第5,364,
791号(Vegetoら) に記載されたステロイド「遺伝子
スイッチ」技術、およびGossenらによってPNAS 89, 554
7-5551(1992)で報告されたテトラサイクリン感受性シス
テムである。
【0036】本発明は、処置される状態、用いられる治
療レジメ、および患者の全体的な健康状態に適切である
ように、インビボ若しくはエクスビボで実施され得るこ
とが意図される。選択したプロトコルに応じて、cDN
Aの標的細胞への導入には種々の技術が有用である。多
くの技術がインビボ若しくはエクスビボのどちらかのト
ランスフェクションに等しく有用である;しかし、当業
者は与えられた状況において特定の技術がより適切であ
ることを理解し、それにしたがうであろう。一般に、こ
れらの技術は物理的、化学的、および生物学的カテゴリ
ーに分けられ、以下でより詳細に考察する。
【0037】生物学的トランスフェクション技術には、
レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイル
ス、ポックスウイルス、および細菌プラスミドの使用が
あげられる。
【0038】レトロウイルスベクターは、そのゲノムを
宿主のゲノムにランダムに組み込むことによって複製す
るレトロウイルスから誘導される。レトロウイルスベク
ターは、他のウイルスベクターより大きな遺伝的搭載量
(genetic payload) を有する。しかし、レトロウイルス
ベクターには、ウイルス、若しくは患者にすでに存在し
てウイルス生成物を産生し得るレトロウイルス遺伝子の
混入という固有の安全性の問題がある。これらはレトロ
ウイルスベクターがその複製能力を再び獲得して、十分
に機能的なウイルスとなることを可能にし得る。レトロ
ウイルスベクターは筋肉、脳、および増殖しない他の細
胞で有用である。適切なレトロウイルスベクターは国際
公開第92/07573号パンフレットに記載されてい
る。
【0039】アデノウイルスは、直線状、二本鎖DNA
ウイルスである。アデノウイルス血清型は呼吸感染に関
連し、いくつかの非感染性血清型も存在する。アデノウ
イルスは、細胞核内で複製する中くらいの大きさのゲノ
ムを有する。アデノウイルスはレセプターを通って細胞
に入り、次いでそれらのウイルスDNAが核に移動し、
そして発現される。それらは呼吸上皮に親和性があり、
肺および気道の障害の治療に有用であり得る。それらは
また、上皮細胞を標的化するためにも用いられ得る。そ
れらは高力価を生み、比較的安定で、それらがDNAウ
イルスであるのでエアロゾルにより送達され得る。これ
らのウイルスは、取り扱いが比較的容易であり、染色体
に入らないので挿入変異についての懸念が軽減される。
アデノウイルスベクターの使用および開発にはいくつか
の制限がある。アデノウイルスのゲノムは直線状なの
で、それらは安定性が低く、転写エラーを起こしやす
い。アデノウイルスベクターを生成するために用いられ
る細胞系は低レベルの感染性ウイルスベクターがわずか
に生じ、天然の野生型ウイルスの残留がある。さらに、
アデノウイルスに対する抗体はこれらの形質転換された
アデノウイルスに対しても作用し得る。適切なアデノウ
イルスベクターは、Rosenfeld et al., Science,252, 4
32(1991) に記載されている。
【0040】アデノ随伴ウイルス(AAV)は、パルボ
ウイルス科に属し、約4〜6kbの一本鎖DNAからな
る。AAVベクターは宿主細胞内で安定であり、AAV
が細胞の遺伝子発現を変更するか、若しくは遺伝的再編
成(rearrangement) を引き起こすという証拠はない。A
AVは有することのできる遺伝物質の最少量によって制
限をうける。わずか約5kbのDNAがAAVベクターに
パッケージされ得る。
【0041】ポックスウイルスベクターは大きなウイル
スで、遺伝子が挿入され得るいくつかの部位を有する。
それらは熱に安定であり、室温で保存され得る。安全性
の研究は、ポックスウイルスベクターが複製欠陥で宿主
から宿主あるいは宿主から周囲へ伝染できないことを示
す。他のウイルスのように、組換えおよび感染性の粒子
の形成という固有の問題がある。ポックスウイルスは食
作用によって取り込まれ、したがって異種細胞集団に入
る。
【0042】プラスミドは、細菌中に見られる二本鎖D
NAであり、細菌のゲノムとは独立して複製、転写およ
び翻訳を行う。細菌由来のプラスミドは、遺伝子送達の
適当なベクターであることがわかっている。複製遺伝子
はプラスミドから除かれて、それが前駆細胞に送られる
のを防止する。例えば、筋肉組織に注射された場合、プ
ラスミドは細胞に取り込まれる。それは染色体には組み
込まれないが独立して転写され、そして翻訳される。
【0043】化学的ベクターおよび物理的ベクターは、
生物学的ベクターの使用に関わる安全性の懸念を取り除
く。本発明の実施における使用方法には、リポソーム、
脂質、および両親媒性物質(amphiphiles) 、細胞レセプ
ター、リン酸カルシウム若しくはDEAE−デキストラ
ン仲介トランスフェクション、マイクロインジェクショ
ン、エレクトロポレーション、およびポリペプチド−D
NA複合体があげられるが、これらに限定されない。
【0044】リポソームは中空で球状の担体でリン脂質
からなる。全身に注射された場合、リポソームは肝臓、
脾臓、肺、および網内細胞系において細胞膜と融合する
か、若しくは細胞に取り込まれる。標的特異性を増大さ
せるため、特定の細胞レセプターに対するモノクローナ
ル抗体若しくはリガンドをこのリポソームの表面に付着
させる。
【0045】このリポソーム内のDNAは、分解から保
護されている。さらに、リポソームの使用は細胞障壁制
限を伴う問題を克服する。リポソームは生物学的に不活
性であり、ウイルスがするような複製の危険性を提起し
ないという利点がある。
【0046】細胞レセプター標的遺伝子送達は別の1つ
の方法である。全ての細胞は、多くの物質若しくはリガ
ンドに結合する一般的なおよび特有のレセプターを、そ
の細胞表面に有している。レセプターに結合するリガン
ドは、しばしば遺伝子活性化のためのシグナル伝達経路
に取り込まれてその一部になる。特有のレセプターを標
的とすることによりリガンドに結合した遺伝子は、所望
でない細胞タイプについての懸念なしに、あるいは細胞
に入ることに対する細胞表面抵抗性を克服することな
く、特定の細胞によって取り込まれる。
【0047】リン酸カルシウム若しくはDEAE−デキ
ストラン仲介性トランスフェクションは、広く用いられ
ているトランスフェクション法である。トランスフェク
ションされたDNAはエンドサイトーシスにより細胞の
細胞質に入る。細胞タイプに依存して、培養細胞集団の
20%までが任意の1回でトランスフェクションされ
る。
【0048】培養中の細胞によるDNAの取り込みは、
その核酸がリン酸カルシウム−DNA同時沈殿物として
存在する場合に、著しく促進される。Grahamとvan der
Eb(1973)は、アデノウイルスDNAとSV40DNAを
付着細胞に導入する手順を開発し、中性pH(7.05)
でのリン酸カルシウム−DNA同時沈殿物の形成に最適
な、カルシウム(125mM)およびDNA(5〜30μ
g/ml)の濃度を記載した。さらに、彼らは沈殿反応に最
適な時間(20〜30分)および次のその沈殿物への細
胞の曝露の最適時間(5〜24時間)を確立した。彼ら
の研究はクローン化されたDNAを多くの異なる種類の
哺乳動物細胞に導入する基礎を築き、信頼できる細胞の
安定な形質転換方法とクローン化されたDNAの一時的
な発現方法を直接的に導いた。この手順の多くの小さな
改変が記載されてきたが、ほとんどは、沈殿反応におけ
る成分の混合の順序および方法の入れ替えを含んでい
る。手順の効率の増大は、トランスフェクションプロト
コルの後のグリセロールショックおよび/またはクロロ
キン処理のようなさらなる工程を組み込むことにより達
成される。酪酸ナトリウムによる処理もまた、サルおよ
びヒトの細胞において、SV40エンハンサーを含むプ
ラスミドの発現を高めることが示された。
【0049】DEAE−デキストランは、元来、ポリオ
ウイルスRNAならびにSV40DNAおよびポリオー
マウイルスDNAを細胞に導入する促進物質として用い
られていた。わずかな改変をともなったこの手順が、ウ
イルスゲノムおよびウイルス配列を有するプラスミドの
トランスフェクションに広く用いられ続けている。DE
AE−デキストランの作用の機構はわかっていないが、
ポリマーがDNAに結合してヌクレアーゼの作用を阻害
するか、および/または細胞に結合してDNAのエンド
サイトーシスを促進すると考えられている。
【0050】DEAE−デキストランによって仲介され
るトランスフェクションは、3つの重要な面でリン酸カ
ルシウム同時沈殿とは異なっている。第1に、それは、
一般にクローン化された遺伝子の一時的な発現にのみ用
いられ、細胞の安定した形質転換には用いられない。第
2に、それはBSC−1、CV−1、およびCOS細胞
系では非常に効率がよいが、他の多くの細胞タイプでは
満足のいくものではない。おそらく、ポリマーが毒性で
あるためである。第3に、リン酸カルシウム同時沈殿よ
りもDEAE−デキストランによるトランスフェクショ
ンの方がより少ない量のDNAが用いられる。105
ル細胞の最大トランスフェクション効率は100−20
0ngのスーパーコイルプラスミドDNAにより達成され
る;より多い量のDNA(<2〜3μg)は阻害的であり
得る。リン酸カルシウムによって仲介されるトランスフ
ェクションは沈殿物を形成するのに高濃度のDNAを必
要とするが、これとは対照的に、キャリアDNAはDE
AE−デキストラントランスフェクション法には決して
用いられない。
【0051】DEAE−デキストラントランスフェクシ
ョンの多くの変法が記載されている。この方法の効率に
大いに影響を及ぼす2つの重要な変数がある:用いられ
るDEAE−デキストランの濃度およびDNA/DEA
E−デキストラン混合物への細胞の曝露の時間の長さで
ある。短時間(30分〜1.5時間)に比較的高濃度の
DEAE−デキストラン(1mg/ml)を用いるか、長時間
(8時間まで)で低濃度(250μg/ml)を用いるかの
いずれかである。これらのトランスフェクション手順の
うち最初のものがより効率的であるが、細胞が促進物質
に曝露されている場合、弱体化(distress)の初期の兆候
についてその細胞をモニターすることも含む。2番目の
技術はストリンジェントが低く、したがってより信頼性
がある。
【0052】ポリカチオンであるポリブレン(登録商
標)は、低分子量DNA(例えば、プラスミドDNA)
の、他の方法によるトランスフェクションに対して比較
的抵抗性の細胞系への、効率的で安定な導入を可能にす
る。
【0053】ポリブレンは、リン酸カルシウム同時沈殿
法を用いるトランスフェクションに比較的抵抗性である
ことが証明された細胞への、DNAトランスフェクショ
ンの促進物質として用いられてきた。この方法は、プラ
スミドDNAによるCHO細胞の安定な形質転換に効率
的にはたらき、リン酸カルシウム−DNA同時沈殿より
約15倍の形質転換体を生じる。しかし、高分子量DN
Aの形質転換効率では2つの方法の間に違いはない。ポ
リブレン仲介性トランスフェクションが一時的なクロー
ン化DNAの発現に用いられ得るかどうか、あるいはそ
れがCHO以外の細胞系の安定な形質転換に適合し得る
かどうかということはわかっていない。
【0054】プロトプラスト融合は、本発明のcDNA
を標的細胞に導入する別の方法である。この方法では、
目的のプラスミドの多数のコピーを有する細菌に由来す
るプロトプラストを培養哺乳動物細胞と直接混合する。
細胞膜の融合後(通常、ポリエチレングリコールを用い
る)、細菌の内容物は哺乳動物細胞の細胞質に送達さ
れ、プラスミドDNAは核に移入される。プロトプラス
ト融合は一時的な発現アッセイに一般に用いられている
多くの細胞系へのトランスフェクションほど効率的では
ないが、DNAのエンドサイトーシスが非効率的に起こ
っている細胞系にとっては有用である。プロトプラスト
融合は、宿主染色体にタンデムに組み込まれたプラスミ
ドDNAの多重コピーを頻繁に生じる。
【0055】クローン化されたDNAは、目的のプラス
ミドDNAを有する細菌から調製したプロトプラストを
培養細胞と融合させることにより哺乳動物細胞に導入さ
れ得る。この細菌をクロラムフェニコール存在下で増殖
させてプラスミドDNAを増幅させ、次いでリゾチーム
で処理して細胞壁を取り除く。得られたプロトプラスト
を単層の哺乳動物細胞上で遠心分離し、そして得られた
混合物をポリエチレングリコール(PEG)で処理して
融合を促進する。この工程の間に、細菌DNAおよびプ
ラスミドDNAは哺乳動物細胞へ移入される。次いで、
PEGを除き、細胞を、いかなる生存細菌の増殖をも阻
害するために、カナマイシンを含む新鮮な組織培養培地
中でインキュベーションした。プロトプラスト融合は、
クローン化された遺伝子の一時的な発現にも、哺乳動物
細胞の安定な系の確立にもどちらにも用いられる。
【0056】プロトプラスト融合を用いて免疫グロブリ
ン遺伝子をB細胞に、そしてグロビン遺伝子をマウス赤
白血病細胞に安定に導入した。この方法の利点は、その
高い効率にある。しかし、操作に時間がかかり、同時形
質転換は通常不可能である。したがって、目的の遺伝子
は、所望の選択マーカーを有するプラスミド上に常に有
されていなければならない。
【0057】エレクトロポレーションは短く高い電圧の
電気パルスを哺乳動物細胞に適用して原形質膜にナノメ
ーターサイズの孔の形成を導くことを包含する。DNA
は、これらの孔を通して、あるいはこの孔の閉鎖に伴う
膜成分の再送達の結果としてのいずれかにより、細胞の
細胞質に直接取り込まれる。エレクトロポレーションは
極めて効率的であり得、クローン化された遺伝子の一時
的な発現にも、目的の遺伝子の組み込まれたコピーを有
する細胞系の確立にもどちらにも用いられ得る。エレク
トロポレーションは、リン酸カルシウム仲介トランスフ
ェクションおよびプロトプラスト融合とは対照的に、1
つ、多くても数個の外来DNAの組み込まれたコピーを
有する細胞系を頻繁に生じさせる。
【0058】この手順は、一時的な発現および安定な形
質転換のどちらにも用いられるが、トランスフェクショ
ンの効率は幅広く変化する。特定の細胞系に関して、許
容可能なレベルの一時的発現若しくは安定な形質転換を
導く条件を決定するために、一連の予備実験を行うこと
が必須である。
【0059】エレクトロポレーションによるトランスフ
ェクションの効率は、多くの因子により影響を受ける。
1)適用された電場の強さ。低電圧では培養細胞の原形
質膜はDNA分子の通過を可能にするほど十分に変化し
ない;高電圧では、細胞は不可逆的に損傷を受ける。ほ
とんどの哺乳動物細胞系については、最高レベルの一時
的発現(例えば、CAT活性のアッセイによる測定)
は、250V/cm〜750V/cmの間の電圧を適用した場合
に達成される。典型的に、20%〜50%の間の細胞が
この処理で生き残る。2)電気パルスの長さ。通常、単
一の電気パルスが細胞を通過する。いくつかのエレクト
ロポレーション装置は実験者がパルスの長さと形を制御
することを可能にしている;他の装置では、パルスの特
徴はパワーサプライのキャパシタンスによってのみ決定
される。利用可能なデータは、エレクトロポレーション
に必要な電気パルスの最適の長さが、20〜100ミリ
秒であることを示している。一時的な発現の効率は、細
胞が、電気パルスへの被曝の後エレクトロポレーション
チャンバーで1〜2分間インキュベートされる場合に増
加する。3)温度。ある研究者たちは、一時的な発現の
最大レベルは、細胞がエレクトロポレーションの間室温
に維持される場合に得られることを報告している;他の
研究者たちは、細胞を0℃に維持する場合に、よりよい
結果を得た。これらの相違は、種々のタイプの哺乳動物
細胞の電流の通過に対する応答の違い、または大きな電
圧(>1,000V/cm)および/または延長された電気
パルス(>100ミリ秒)を用いた場合のエレクトロポ
レーションの間に生じた熱の量の違いが原因であり得
る。4)DNAのコンホメーションおよび濃度。直鎖状
DNAも環状DNAもどちらもエレクトロポレーション
によってトランスフェクトされ得るが、一時的発現も安
定な形質転換もどちらも高いレベルが得られるのは、直
鎖状DNAを用いる場合である。効果的なトランスフェ
クションはDNA濃度が1μg/ml〜40μg/mlの範囲で
得られた。5)培地のイオン組成。トランスフェクショ
ンの効率は、細胞が緩衝化塩溶液(例えば、HEPES
緩衝生理食塩水)中に懸濁されている方がマンニトール
若しくはスクロースのような非イオン性物質の緩衝溶液
中に懸濁されているより数倍高い。エレクトロポレーシ
ョンは1つの大きな利点を有する:それはリン酸カルシ
ウム−DNA同時沈殿のような他の方法に対して屈折性
である(refractive)細胞系でうまく働く。しかし、研究
されている特定の細胞系についての最適条件を決めるた
めには相当な作業が必要である。多くの異なるエレクト
ロポレーション器具が市販されており、製造者はそれら
の使用のための詳細なプロトコルを提供している。
【0060】DNAを細胞に導入するもう一つの重要な
方法は、DNAを化学的に修飾されたタンパク質と結合
させることである。これらの修飾されたタンパク質は、
化学的に付着させた合成ポリリシンペプチドを介してD
NAと結合し、標的細胞上の特定のレセプターと結合す
る能力を有する。これらの複合体が特定のレセプターに
仲介されたエンドサイトーシスによって取り込まれた
後、このDNAにコードされた遺伝子は、標的細胞によ
って発現され得る。実験は、トランスフェリン/ポリリ
シン/DNA複合体、ならびにアシアログリコプロテイ
ン/ポリリシン/DNA複合体を用いて行われた。共有
結合的に、化学的に結合させた天然のリガンドを:
(1)別々の組織に対して特異的にDNAを標的化する
ため;(2)より効率的な取り込み工程を提供するため
に、用いる。これらの方法は、DNAに結合し得る化合
物を作成するために、化学的方法若しくは酵素的方法を
用いる、リガンドのインビトロ修飾を必要とするので、
制限がある。あるいは、Ledleyらの国際公開第94/2
5608パンフレットに記載されたDNA結合タンパク
質技術を用いてもよい。
【0061】リポソームはインビトロおよびインビボで
の送達手段としてのそれらの有用性に関して集中的に研
究されている。これらの手順のほとんどは、DNA若し
くはRNAをリポソーム内にカプセル化し、その後この
リポソームを細胞膜に融合させることを包含する。しか
し、DNAが合成カチオン性脂質若しくは両親媒性物質
と複合体を形成し、融合によって細胞に導入されるトラ
ンスフェクション法もまた開示されている。
【0062】本発明のIκB変異タンパク質をコードす
る核酸を投与する好ましい方法は、非ウイルスベクタ
ー、好ましくはカチオン性両親媒性物質(例えば、DO
TMA)を用いるトランスフェクションによる。このカ
チオン性両親媒性物質(例えば、DOTMA)は米国特
許第4,897,355号明細書、国際公開第95/1
4381号、同第96/18372号、同第96/01
840号、同第96/01841号パンフレット、およ
びProc. Nat. Acad. Sci. (USA)93, 3176-3181(1996)記
載され、それらの開示を本明細書中に参考として援用す
る。
【0063】このDNAトランスフェクション法は、炎
症性障害の処置のための治療用プロトコルの一部として
用いられ得る。この処置は、罹患した患者から細胞を取
り出し、インビトロで適切な遺伝子を用いてトランスフ
ェクションし、うまくトランスフェクションされた細胞
を再注射することにより行われるか;あるいは適切なD
NAを、インビボでトランスフェクション事象が起きる
ことを可能にする適切なビヒクルと一緒に、直接罹患し
た患者に全身的に投与することにより行われ得る。イン
ビトロプロトコルは、文献(Anderson, Science 226, 40
1-409(1984); Williams et al., Proc. Nat. Acad. Sc
i. 83, 2655-2670(1986))から適合させた以下の方法で
行われる。適切な量の組織細胞(1,000万〜100
億個)を患者から抽出する。この組織細胞は、肝臓、脾
臓、血液若しくは皮膚のような種々の器官に由来し得る
が、好ましくは骨髄由来である。この細胞は、この組織
をトリプシン処理することによって、若しくは必要なら
他の手段によって組織培養物として調製され、適切な培
地で適切な時間(例えば、1日〜2週間)増殖し、次い
で、処置される特定の遺伝障害に適切なDNA/DOT
MAリポソーム複合体を添加することにより、およびこ
れまでに記載した方法と矛盾のない組成物によりトラン
スフェクトされる。この細胞を適切な長さの時間、約4
〜72時間インキュベーションし、うまくトランスフェ
クトされた細胞を洗浄して罹患した個体に再注射して戻
す。
【0064】インビボトランスフェクションプロトコル
は、Nicolau et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 80, 1068
-1072(1983) にしたがって行われ得る。DNAリポソー
ム複合体、若しくは二重被覆(double coated) DNA複
合体、または共有結合的に修飾された二重被覆複合体
を、Eppsteinら(前出)によって記載されたように調製
する。共有結合的に修飾された複合体は、付着した抗
体、タンパク質、ホルモン、炭水化物、若しくは他の化
学的修飾を含み、そのことによりそれらは目的の特定の
細胞に対する標的となる。例えば、この複合体は、この
複合体を内皮細胞に対する標的とするために、この内皮
細胞に対する抗体を含むことができる;あるいはそれら
は、この複合体を骨髄細胞に対する標的とするために、
骨髄細胞の特定の亜集団(subpopulation) に対する抗体
を含むことができる。罹患した患者への投与は静脈内
(IV)、皮下(SC)、腹腔内(IP)、筋肉内(I
M)、局所用、若しくは鼻若しくは肺へのエアロゾルに
よるものであり得る。治療用プロトコルは単一回の処置
または必要な回数その複合体を与えるかのいずれかを含
み得る。IV用量はボーラスとして若しくは徐々に注入
することによって与えられ得る。
【0065】
【実施例】以下の実施例は当業者がより明瞭に本発明を
理解し実施することを可能にするために与えられる。そ
れらは本発明の範囲を限定すると考えられるべきではな
く、それらを例示し、提示するものとしてのみ考慮され
るべきである。
【0066】実施例1 IκBプラスミドの構築 ヒト完全長IκB(アミノ酸1−317)をコードする
cDNAを、ヒト臍帯静脈内皮細胞cDNAライブラリ
ー(Strategene,La Jolla,CA)から、PCR増幅によって
単離した。PCR増幅は、以下のオリゴヌクレオチドプ
ライマー(制限エンドヌクレアーゼ部位に下線を付し
た)を用いて製造者(GeneAmp kit, PerkinElmer, Norwa
lk, CT)の条件に従って行った:
【0067】
【表1】
【0068】30増幅サイクルのそれぞれは、94℃で
1分間(変性)、55℃で1.5分間(アニーリン
グ)、および72℃で2分間(伸張)行った。このcD
NAを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIおよびXb
alで消化した後、真核生物発現プラスミドpBJne
o(Lin et al., Science 249, 677-679(1990))に連結し
て、プラスミドpIκB−flを生成した。IκB−N
T短縮型変異体(アミノ酸46−317をコードする)
を、完全長ヒトIκBコードするプラスミドを鋳型とし
て用いてPCR増幅により構築した。PCR反応は以下
のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて(上記のよう
に)行った(制限エンドヌクレアーゼ部位には下線を付
した):
【0069】
【表2】
【0070】885bpのPCR増幅物をXba1および
EcoRI制限酵素で消化し、pBJneo真核生物発
現プラスミドにサブクローニングしてプラスミドpIκ
B−NTを生成した。
【0071】同様に、カルボキシ末端に欠失を有するI
κBの他の短縮型変異体を完全長IκBとして上記のよ
うに調製した。同じ順方向プライマーを以下の逆方向プ
ライマーと一緒にPCR増幅に用いた:
【0072】
【表3】
【0073】実施例2 コントロールプラスミドおよびマーカープラスミドの構
ヒトコラゲナーゼBプロモーター領域(ヌクレオチド−
670〜+7)をヒトゲノムDNAからPCR増幅し
た。このヒトゲノムDNAは、ヒトEBV形質転換B細
胞系から市販のキット(Turbogen, Invitrogen)を用いて
入手した。このヒトコラゲナーゼBプロモーター領域
は、NF−KB認識部位(Sato et al., Oncogene 8:395
(1993))を含んでいる。PCR増幅は以下のオリゴヌク
レオチドプライマーを用いて製造者の指示に従って上記
のように行った:
【0074】
【表4】
【0075】増幅されたDNAをHindIII およびS
phI制限エンドヌクレアーゼで消化し、βガラクトシ
ダーゼをコードするプラスミドpSDK−LacZ(p
SDK−LacZpAともいう)(Logan et al., Devel
opment 117, 905-916(1993))に連結し、pGelBとい
う。ヒト、マウス、および変異させたマウス3XNFκ
B/lacZプラスミド(pNFκB/LacZ)を、
以下のオリゴヌクレオチドをプラスミドpSDKLac
Z−TKのHindIII およびSalI部位に連結する
ことにより調製した。このプラスミドはlacZレポー
ター遺伝子の発現を起こす最小チミジンキナーゼプロモ
ーターを含んでいる:
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】NFκB認識エレメントには下線を付して
いる。挿入配列の方向はDNA配列分析によって確認し
た。
【0080】実施例3 トランスフェクション法およびアッセイ U20S細胞(骨肉腫細胞系、ATCC受託番号HTB
96)を、10%ウシ胎児血清、およびペニシリン/ス
トレプトマイシンを含むMcCoy's 5A培地(Gibco/BRL Gai
thersburg MD) 中で37℃で5%CO2 のインキュベー
ター内で培養した。細胞を2mMのEDTAを含むPBS
で処理することにより対数増殖期(70%集密)で採取
した。遠心分離および洗浄の後、この細胞を、Hepe
s(1.3g/100ml)pH7.0および50μg/mlの
107 細胞/mlのプラスミドを含むPBS緩衝液に再懸
濁した。この細胞懸濁液を4℃で30分間インキュベー
ションし、次いで室温でBioRad(Hercules, CA)エレクト
ロポレーターを250mVで960uF設定で用いてエレク
トロポレーションした。次いで、この細胞を6mlの組織
培養培地の添加により希釈して、Costerマイクロウェル
内で培養した。培養培地を20時間後に交換した。刺激
の10時間前にこの培地をOptiMEM(Gibco/BRL)培地と置
き換えた。アッセイの18時間前にホルボール12−ミ
リステート13−アセテート(PMA)をマイクロウェ
ルに加えて最終濃度を25ng/ml とした。
【0081】冷PBS培地で洗浄した後、細胞を0.2
5mlのPBSにスクラップすることによって採取した。
洗浄後、この細胞を、0.25M スクロース、10mM T
risHCl pH7.4、10mM EDTAを含む60μl の
溶液に再懸濁した。細胞をドライアイス/エタノールバ
スを用いる凍結と37℃での解凍という3回のサイクル
によって破砕した。核と砕片を除くために遠心分離した
後、上清をアッセイのために取り出した。細胞破砕液中
のタンパク質の量はPierce(Rockford IL) タンパク質ア
ッセイキットを製造者の指示に従って用いて測定した。
細胞破砕液中のβガラクトシダーゼ活性は、4−メチル
ウンベリフェリルβ−Dガラクトシド(MUG, Sigma #M16
33) を基質として用いて測定した。アッセイは96ウェ
ルプレートで製造者の指示に従って行った。5μg のタ
ンパク質を含む細胞破砕液(1〜10μl)と一緒にイン
キュベーションした後に加水分解される基質の量は、Cy
toFluorII fluorometer (Millipore, Bedford, MA)を用
いて蛍光測定によって測定した。
【0082】実施例4 NFκB活性化の阻害 この実施例は、IκB−NTがU20S細胞におけるN
F−KB活性化を阻害することを実証する。細胞を、実
施例3に従って、完全長IκBα若しくは短縮形態のI
κBαをコードするプラスミド(実施例1のpIκB−
flおよびpIκB−NT)およびLacZレポーター
配列およびヒトNF−KB認識部位を有するプラスミド
(実施例2のpNFκB/LacZ)を用いて同時トラ
ンスフェクションした。NFκBが作用させるLacZ
活性の量は刺激されていない細胞およびPMAで刺激し
た細胞において測定した。コントロールとして、細胞
を、pGelB、NFκB認識部位変異プラスミド(実
施例2)、またはpNFκB/LacZよりむしろpC
MV−LacZ(IκBに非反応性)で同時トランスフ
ェクションした。測定したβガラクトシダーゼ活性の量
は、細胞破砕液中のタンパク質の量で標準化した:結果
を図2に示す。
【0083】pGelB細胞は、PMA活性化に対して
応答することを見ることができる;IκB−flおよび
IK−NTはどちらもその応答が著しく減少する。同様
に、3XNF−KB(pNFκB/LacZ)と名付け
た細胞の応答もIκB−NTによって著しく減少され
る。IκB−NTで観察される阻害の方がIκB−fl
よりもより大きいということは前者が分解に対する抵抗
性があるということである。NF−KBによる認識部位
がないので、LacZの発現およびβ−ガラクトシダー
ゼ活性がない。CMV−LacZ発現がIκBとは独立
していることは公知である。
【0084】実施例5 この実施例は、IκB変異タンパク質が活性化によって
誘導されるタンパク質分解に対して耐性であることを実
証する。活性化0分、5分若しくは15分後のU20S
細胞における完全長IκBαタンパク質および短縮型I
κBαタンパク質の量を抗IκBαモノクローナル抗体
を用いてイムノブロッティングにより定量した。U20
S細胞を、完全長NFκBおよび短縮形態NFκBをコ
ードするプラスミドにより一時的にトランスフェクショ
ンした。次いで、細胞破砕物を調製し、イムノブロッテ
ィング前に15%ポリアクリルアミドゲルによるゲル電
気泳動によってタンパク質を分離した。
【0085】各サンプルについて、107 U20Sを5
0μg の実施例1のプラスミドでエレクトロポレーショ
ンした。それらをOptimem 培地中で培養し、36時間
後、および72時間後に50ng/ml のTNF−α(Genzy
me) で0分、5分若しくは15分間刺激した。次いで、
細胞を、50mM Hepes pH7.5、150mM N
aCl、10%グリセロール、1% Triton X−10
0、1mM EDTA、1.5mM MgCl2 、100mM
NaF、および10mMピロリン酸ナトリウム、1mM
PMSF、1mMオルトバナジン酸ナトリウム(Na orthov
anadate)、10μg/mlアプロチニン、10μg/mlロイペ
プチンを含む溶解緩衝液中で4℃で破砕した。破砕物を
遠心分離して細胞砕片および核を除き、150μg のタ
ンパク質を15%SDS−PAGEゲルの各レーンに負
荷した。イムノブロッティングをECL法により製造者
の指示に従って行った。抗IκBα/MAD−3抗体(S
anta Cruz Biotechnology #SD-203)を完全長IκBαお
よびカルボキシ末端短縮型IκBαの一次抗体として用
い、#SC−271をIκB−NT用として用いた。結
果を図3に示す。
【0086】実施例6 この実施例は、IκB短縮型がgelBプロモーター活
性を阻害することを実証する。U20S細胞をLacZ
レポーター遺伝子プラスミド(pGelB)および完全
長IκBα若しくは短縮形態のIκBαで同時トランス
フェクションした。次いで、刺激されなかった細胞若し
くはPMA活性化細胞におけるβガラクトシダーゼ活性
の量を測定した。結果を図4に示す。
【0087】全てのIκB短縮型は、NFκB活性を阻
害し、IκB−NTが最も作用が強かった。
【0088】実施例7 エピソーム性レトロウイルスベクターの構築およびウイ
ルス産生 完全長IκB(pWZRneo−IκB)若しくは短縮
型IκB−NT(pWZRneo−IκB−NT)を含
むエピソーム性レトロウイルス発現ベクターを、Kinsel
laおよびNolan(Human Gene Therapy 7, 1405-1413(199
6))にしたがって構築した。このエピソーム性ベクター
を以下のように修飾した:LZRA−LacZ(A)を
BspH1で切断しEBV EBNA−1配列およびO
ri配列を含む7.5kbフラグメントを生成した。pW
ZLneoをBspH1で切断してampr配列を除
き、5.48kbフラグメントを生成した。この7.5kb
および5.48kbフラグメントを連結してネオマイシン
耐性を含むハイブリッドEBVエピソーム性レトロウイ
ルスベクター(pWZRneo)を生成した。
【0089】各ベクターを、高力価の両種指向性(ampho
tropic) パッケージング細胞系ΨNX−A内に、Kinsel
laおよびNolan (前出)が記載したようにトランスフェ
クションし、3つのレトロウイルスプロデューサー細胞
系Ψ−IκB/WT、Ψ−IκB/NTおよびΨ−ベク
ターを生成した(記号Ψはパッケージング細胞系を表
す)。
【0090】実施例8 ヒト内皮細胞におけるIκBα変異タンパク質のレトロ
ウイルスに基づく発現 この実施例は、レトロウイルスプロモーターを用いるI
κB変異タンパク質のヒト内皮細胞における発現が活性
化によって誘導されるタンパク質分解に対して耐性であ
ることを実証する。ヒトの肺の微小血管内皮細胞(HL
MVEC)をClonetics から購入し、5%ウシ胎児血清
および10ng/ml のFGFを含むDMEM/F12培地
で37℃で6.5%CO2 インキュベーター内で培養し
た。IκB変異タンパク質を、HLMVEC内でレトロ
ウイルストランスフェクションにより以下のように過剰
発現させた。レトロウイルス培養上清を各プロデューサ
ー細胞系から採取し、T−75フラスコ中で培養された
HLMVECに10mlのΨ−IκB/WT、Ψ−IκB
/NT若しくはΨ−ベクターのレトロウイルス培養上清
で形質導入し、12μg/mlのDEAEデキストラン+1
0ng/ml のFGFを補充した。培養培地を16時間後に
交換し、細胞を、感染後1週間、分析前に培養物中で発
達させた。
【0091】形質導入されたHLMVEC±活性化にお
ける完全長IκBαおよび短縮型IκBαタンパク質の
発現をイムノブロッティングにより定量した。形質導入
されたHLMVECをT−75フラスコで集密になるま
で培養し、新鮮な培地±0.1ng/ml のIL−1および
TNFαと一緒に6時間インキュベーションした。細胞
破砕物およびイムノブロッティングは実施例5に記載し
たように調製した。抗IκBαMAD−3ポリクローナ
ル抗体(Santa Cruz Biotechnology #SC-203)を用いて完
全長IκBを、SC−271を用いてIκB−NTを検
出した。結果を図5に示す。
【0092】実施例9 IκBα変異タンパク質はインビトロで炎症仲介物質を
阻害する この実施例は、IκB短縮型の安定な発現が、細胞付着
分子(ICAM、VCAM、およびe−セレクチン)、
ならびにMCP−1およびIL−8ケモカインの誘導を
サイトカイン活性化ヒト肺微小血管内皮細胞(HLMV
EC)において阻害することを実証する。ICAM、V
CAM、およびe−セレクチンは、モノクローナル抗体
(R&D Systems, α-ICAM BBA-3 、α-VCAM BBA5、および
α-ELAMBBA2) を用いてELISAにより以下のように
定量した。neoベクター(Ψベクターコントロール)
若しくはN末端短縮型IκBΨ−NTを含むレトロウイ
ルス構築物で形質導入したHLMVECを96ウェルマ
イクロタイタープレート±IL−1/TNF(0.1ng
/ml)で6時間インキュベーションした。細胞をPBSで
洗浄し、4%緩衝化ホルマリンで10分間固定して0.
5%BSAを含むPBS(PBSB)で3回洗浄し、1
0%正常ヤギ血清を含むPBSBでブロックした。モノ
クローナル抗体をウェル3個ずつに0.1μg/mlで90
分間添加し、次いでHRP−結合ヤギ抗マウスIgGを
30分間添加した。免疫反応性をIPD基質を用いて検
出し、ODの変化を分光測定によって検出した(Molecul
ar Dynamics)。発現は、サイトカイン刺激HLMVEC
Ψベクターコントロール細胞において検出された最大応
答に対するパーセントとして示す。結果を図6に示す。
【0093】IL−8およびMCP−1の発現および分
泌を、24ウェルプレート±IL−1/TNF(0.1
ng/ml)内で培養されたHLMVEC/Ψベクター若しく
はHLMVEC/Ψ−NT細胞から得た馴化培地におい
て測定した。馴化培地を24時間目、および48時間目
に採取し、MCP−1およびIL−8レベルを、製造者
によって記載されたのと全く同じようにELISA(R&D
Systems) により検出した。結果を図7に示す。
【0094】実施例10 IκB−NT変異タンパク質はインビボで炎症を阻害す
この実施例は、IκB−NTの局所的適用がラットの肺
において免疫複合体が誘導する急性炎症を阻害すること
を示す。IκBα−NT若しくはクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)のレポーター遺
伝子の発現を調節するCMVプロモーターおよびウシ成
長ホルモンポリアデニル化配列を含むプラスミドを構築
した。100μg の精製プラスミドを、30ゲージの針
をつけたP10チューブを用いて気管を通してラットの
肺に点注した。プラスミドDNAの点注の24時間後、
肺の炎症を、Mulliganら(J. Clin. Invest 88,1396-140
6)に記載されたように、IgG免疫複合体を形成するこ
とにより誘導した。簡潔に述べると、3mgのウサギBS
A−IgGを含む300μl の水を、麻酔したラットの
気管を通じて点注し、その直後に1mgのBSAを含む
0.5mlのPBSを静脈内注射した(尾部静脈)。肺内
部に免疫複合体が形成され、肺の気管支洗浄流体(Bronc
hial lavage fluid :BAL) への細胞流入物(cellula
r influx) の測定によって急性炎症が4〜24時間後に
検出される。動物の屠殺時に肺に10mlのPBSを点注
してBAL内の細胞を洗い出し、細胞流入物を100μ
l のアリコート中の細胞総数をCoulter Cell Counterを
用いて計数することにより定量した。24時間の時点で
の結果を図8に示す。処置されたマウスのBAL細胞数
が、コントロールのそれより一桁低いことが観察され
た。
【0095】本発明は、それらの特定の実施態様を示す
ことによって記載されてきたが、種々の変更が可能であ
り、等価のものは本発明の真の意図および範囲から逸脱
しない限り置換されてもよいことは当業者によって理解
されるべきである。さらに、特定の状況、材料、目的の
組成物、方法、方法の工程を本発明の目的、真の意図、
および範囲に適合させるために多くの改変がなされても
よい。そのような改変の全ては、本明細書に付随した請
求項の範囲内にあることが意図される。上記に引用した
全ての特許および刊行物は本明細書によって参考として
援用される。
【0096】
【配列表】
(1)一般情報 (i)出願人 (A) 名称:エフ・ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (B) 通り:グレンツアーヘルストラッセ 124 (C) 市:バーゼル (D) 州:ベーエス (E) 国:スイス国 (F) 郵便番号:CH−4070 (G) 電話番号:061−688 42 56 (H) TELEFAX:061−688 13 95 (I) TELEX:962292/965542 hlr
ch (ii)発明の名称:短縮形態の抑制性κBタンパク質
(IκB)、その組換え産生および用途 (iii)配列の数:15 (iv)コンピューター読取り可能形式: (A) 媒体タイプ:フロッピーディスク (B) コンピューター:アップル マッキントッシュ (C) オペレーティングシステム:システム7.1(マッ
キントッシュ) (D) ソフトウエア:ワード5.0 (2)配列番号1の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:317アミノ酸 (B) 型:アミノ酸 (C) 鎖の数: (D) トポロジー:不明 (ii)配列の種類:タンパク質 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号1
【0097】
【表8】
【0098】
【表9】
【0099】(2)配列番号2の情報: (i)配列の特色: (A) 長さ:819塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:不明 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号2:
【0100】
【表10】
【0101】(2)配列番号3の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:33塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号3
【0102】
【表11】
【0103】(2)配列番号4の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:35塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号4
【0104】
【表12】
【0105】(2)配列番号5の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:30塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号5
【0106】
【表13】
【0107】(2)配列番号6の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:35塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号6
【0108】
【表14】
【0109】(2)配列番号7の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:33塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号7
【0110】
【表15】
【0111】(2)配列番号8の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:34塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号8
【0112】
【表16】
【0113】(2)配列番号9の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:33塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号9
【0114】
【表17】
【0115】(2)配列番号10の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:33塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号10
【0116】
【表18】
【0117】(2)配列番号11の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:37塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号11
【0118】
【表19】
【0119】(2)配列番号12の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:34塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号12
【0120】
【表20】
【0121】(2)配列番号13の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:88塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号13
【0122】
【表21】
【0123】(2)配列番号14の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:88塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号14
【0124】
【表22】
【0125】(2)配列番号15の情報 (i)配列の特色: (A) 長さ:88塩基対 (B) 型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号15
【0126】
【表23】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のN末端短縮型IκBα変異タンパク質
のアミノ酸配列(配列番号1(Δ1−44))およびこ
のIκB変異タンパク質をコードするcDNA核酸配
列。
【図2】U20S細胞におけるNFκB活性化のIκB
変異タンパク質阻害。
【図3】活性化誘導タンパク質分解に対して耐性である
IκB変異タンパク質。
【図4】LacZレポーター遺伝子同時トランスフェク
ションアッセイにおけるGelBプロモーター活性のI
κB変異タンパク質阻害。
【図5】ヒト内皮細胞におけるレトロウイルスに基づく
発現。
【図6】サイトカイン誘導CAM発現の阻害。
【図7】ケモカイン産生の阻害。
【図8】予防的インビボ遺伝子治療。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 21/04 A61K 37/02 ABG C07K 16/18 ACD C12N 5/10 ACE 15/09 ZNA C12N 5/00 B C12P 21/02 9282−4B 15/00 ZNAA //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ポーラ・ナネット・ベローニ アメリカ合衆国、カリフォルニア 94019、 ハーフ・ムーン・ベイ、チュニタス・クリ ーク・ロード 2900

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的に活性なタンパク質であって、
    該タンパク質はIκBの活性を、κB核因子(NFκ
    B)仲介による炎症応答の活性化を阻害することによっ
    て擬態し、IκBαの短縮形態である、タンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号1の配列を有するIκBαのΔ
    (290−317)、Δ(281−317)、Δ(26
    7−317)、Δ(243−317)、およびΔ(1−
    44)からなる群から選択される、請求項1に記載の生
    物学的に活性なタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号1のΔ(1−44)によって定
    義される、請求項1に記載の生物学的に活性なタンパク
    質。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    タンパク質をコードする核酸配列。
  5. 【請求項5】 配列番号2によって定義される、請求項
    4に記載の核酸配列。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の核酸配列であ
    って、該配列の発現に必要な調節エレメントに作動可能
    に連結している核酸配列を含む発現ベクター。
  7. 【請求項7】 さらに、誘導プロモーターを含む、請求
    項6に記載のベクター。
  8. 【請求項8】 プラスミドである、請求項6または7に
    記載のベクター。
  9. 【請求項9】 プラスミドpIκB−NTである、請求
    項8に記載のベクター。
  10. 【請求項10】 請求項1から3のいずれか1項に記載
    のタンパク質に対する抗体。
  11. 【請求項11】 請求項1から3のいずれか1項に記載
    の生物学的に活性なタンパク質を調製する方法であっ
    て、 a)請求項6から9のいずれか1項に記載のベクターで
    宿主細胞を形質転換する工程、 b)該ベクターを増幅し、そして該タンパク質を発現さ
    せる条件下で、該宿主細胞を培養する工程、 c)該培養培地から該タンパク質を採取する工程、を包
    含する方法。
  12. 【請求項12】 治療的に活性な物質としての請求項1
    から3のいずれか1項に記載の生物学的に活性なタンパ
    ク質。
  13. 【請求項13】 成人呼吸困難症候群、アログラフト拒
    絶、喘息、炎症性関節炎、脈管炎、および再狭窄の処置
    のための治療的に活性な物質としての請求項1から3の
    いずれか1項に記載の生物学的に活性なタンパク質。
  14. 【請求項14】 治療的に活性な物質としての請求項6
    から9のいずれか1項に記載の発現ベクター。
  15. 【請求項15】 成人呼吸困難症候群、アログラフト拒
    絶、喘息、炎症性関節炎、脈管炎、および再狭窄の処置
    のための治療的に活性な物質としての請求項6から9の
    いずれか1項に記載の発現ベクター。
  16. 【請求項16】 請求項1から3のいずれか1項に記載
    のタンパク質、および薬学的に受容可能な担体物質を含
    む、医薬組成物。
  17. 【請求項17】 医薬組成物を調製するための、請求項
    1から3のいずれか1項に記載の生物学的に活性なタン
    パク質の用途。
  18. 【請求項18】 成人呼吸困難症候群、アログラフト拒
    絶、喘息、炎症性関節炎、脈管炎、および再狭窄の処置
    のための医薬組成物を調製するための、請求項1から3
    のいずれか1項に記載の生物学的に活性なタンパク質の
    用途。
  19. 【請求項19】 治療的効果量の請求項1から3のいず
    れか1項に記載のタンパク質の調製のための請求項6か
    ら9のいずれか1項に記載の発現ベクターの用途。
  20. 【請求項20】 請求項1から3のいずれか1項に記載
    のタンパク質を産生するための請求項4または5に記載
    の核酸配列の用途。
  21. 【請求項21】 請求項6から9のいずれか1項に記載
    の発現ベクターを製造するための請求項4または5に記
    載の核酸配列の用途。
  22. 【請求項22】 請求項11の請求項に係る方法によっ
    て調製された全ての請求項1から3のいずれか1項に記
    載の生物学的に活性なタンパク質。
JP8333479A 1995-12-15 1996-12-13 短縮形態の抑制性κBタンパク質(IκB)、その組換え産生および用途 Pending JPH09216898A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5981486A (en) * 1995-04-13 1999-11-09 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Peptide suppressing IκBα phosphorylation

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5981486A (en) * 1995-04-13 1999-11-09 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Peptide suppressing IκBα phosphorylation

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