JPH09214017A - ホール素子 - Google Patents
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Abstract
を提供する。 【解決手段】 強磁性体基板1、その上にパターニング
された感磁部を有する半導体薄膜3、更にその上に略矩
形の磁気集束用磁性体チップ7が積層されている構造の
ホール素子であって、感磁部と電極部4の境界を含む該
チップで隠されていない感磁部の領域が、シリコーン樹
脂等の樹脂8で覆われているホール素子。
Description
耐熱性に優れたホール素子に関する。
スクやCD−ROM等のドライブモータ用の回転位置検
出センサとして広く用いられている。モータの小型化に
伴って、小型で高感度なホール素子の要求が益々強まっ
ている。高感度ホール素子のペレットは、強磁性体基
板、その上に移動度の高い半導体薄膜、更にその上にほ
ぼ直方体の磁気集束用チップが載せられている構造をな
している。例えば、特公昭51−45234号公報に
は、移動度の高い薄膜をこの構造体にするための方法が
示されている。すなわち、雲母等の結晶性基板上に化合
物半導体薄膜を形成した後、この薄膜をエポキシ等の接
着剤を用いて強磁性体基板に接着し、結晶性基板を除
去、次いで接着剤で該半導体薄膜の感磁部の上に磁気集
束用磁性体を載せることによって、上記の積層構造を形
成する方法である。
後、半導体薄膜形成法を改良して半導体薄膜を形成し、
感磁部にやはり磁気集束用磁性体をつけて上記構造体と
する方法も提案されている(例えば、特願平7−302
835号)。近年、素子の高感度化の要求と相まって、
耐熱性への要求が強まってきた。ところが、上記のよう
にして形成した構造をもつペレットによりホール素子の
耐熱性を調べると、極めて良好なものからかなりの特性
変動を示すものまで種々存在した。
良された高感度のホール素子を提供することを目的とす
るものである。
性の差がなぜ起こるのかをペレットの構造を詳細に調査
し、重大な発見をなした。一つの知見として、ペレット
のまま、例えば、室温から急激に300℃の半田槽に浸
漬しても特性変動(主に抵抗値)は少ない。しかし、モ
ールド工程その他を経由して素子化して同様なテストを
行うと、特性変動が15%以上のものがあり、かつその
変動が全て抵抗値アップとして現れるという知見であ
る。本発明者らは、この理由を特にモールド工程でスト
レスがかかり、上記のようなテストをすると、そのスト
レスが解放されて電極部と感磁部に剥がれが発生し抵抗
値がアップするのではないかと考えた。それではなぜ変
動のないものとあるものが発生するのか。そこで、ペレ
ットの感磁部と磁気集束用チップの位置関係を調べた。
そこでわかったことは、感磁部と電極部の境界の辺に、
磁気集束用チップがきているもののうちから、特性変動
が大きい素子が出るということであった。
があるパターンの所に、直方体の磁気集束用チップを載
せた平面図であるが、このような素子構造は最悪の状態
になり、こうした状態のペレットの中から上記テストで
不良が発生することが判明した。そこで、チップの周辺
を樹脂で覆うことにより、この状態のペレットの改質が
できることを見出し本発明をなすに至った。
パターニングされた感磁部と電極部を有する半導体薄
膜、更にその上にほぼ直方体の磁気集束用磁性体チップ
を載せた構造のホール素子であって、該感磁部と該電極
部の境界を含む該チップで隠されていない感磁部の領域
が、樹脂で覆われていることを特徴とするホール素子で
ある。
わゆるダイボンダーを使う方法や、特公平7−1398
7号公報に記載されているウェハー単位で多数のペレッ
トに一度に載せる方法があるが、どのような方法でもチ
ップ載せ自体に公差がある。該感磁部の長さをL、該感
磁部の中心線と該チップの矩形面の一辺とのなす角度を
θとした時、図3のように一辺の長さがLsin45゜
のチップが真ん中に載った状態もあれば、同じチップが
チップ載せの公差分ずれてチップが載った状態もある。
前者の状態が、感磁部と電極部の境界の辺にチップがき
ているので、一番上記テストの耐熱性にとって問題のあ
る位置関係である。しかるに、チップの一辺の長さが
(Lsinθ−チップ載せの公差)から(Lsinθ+
チップ載せの公差)の範囲に入る場合に、危険な領域に
入る確率が高くなり、上記テストを行うとかなりの個数
のホール素子が耐熱性で問題となることになる。このチ
ップ載せの公差の大きさについては、チップ載せの手法
にもよるが、現状では20μm程度が限界である。従っ
て、チップの一辺の長さが(Lsinθ−20μm)か
ら(Lsinθ+20μm)の範囲にある場合、上記危
険領域に入る確率が高くなるが、このような状態のペレ
ットでも、該チップの周辺を樹脂で覆うことにより、耐
熱性の保証できるホール素子をつくることができるので
ある。なお、θの値は45゜≦θ≦90゜である。
薄膜との反応がないものであれば、樹脂で覆われていな
いものよりも変動の確率は小さくなる。しかし、上記し
たストレスの関係する問題であるので、ストレスを吸収
することのできる柔らかい樹脂が好ましく、例えば、シ
リコーン樹脂が好ましいものとして挙げられる。図1は
本発明の一例としてのホール素子のペレットの平面図で
あり、図2は図1のA部での切断面での断面図である。
ス、SiO2 等の無機物からなる)を介して、感磁部と
なる半導体層3が形成され、該半導体層の所定部分に電
極4及び接着層5を介して磁気集束用チップ7、さらに
該チップの周辺に樹脂層8がある構造となっている。電
極部4の一部にボンディング用電極部6が更に付与され
ている態様になっている。感磁部、電極部の構造は上記
以外にも種々とりうるので、本発明は、上記図に限定さ
れるものではない。
の場合、例えばダイボンダーでチップ載せを行う時の公
差は20μm程度であるから、チップ辺の長さが260
〜300μmの時に、耐熱性の上で危険領域に入る確率
が大きいので、本発明によりチップ周辺を樹脂で覆うこ
とが、耐熱性を保証するホール素子をつくる上で不可欠
である。
境界とチップの辺が平行になるように載せる場合、例え
ばLが400μmでチップ載せの公差20μmの場合、
チップ辺の長さが380〜420μmの時に、耐熱性の
上で危険領域に入る確率が大きいので、本発明によりチ
ップ周辺を樹脂で覆うことが同様に不可欠である。一
方、上記のような危険領域に入る確率の高くなるような
チップの置き方は、磁気集束効果を最大限発揮させるた
めに必要となることが多い。そのため、本発明による改
質が耐熱性素子をつくるために必須となる。
にも本発明は悪い影響はないのは当然である。なお、チ
ップの形状についてほぼ直方体とは、必ずしも正確な直
方体ではなくてもよいという意味であり、一見して直方
体、ないし立方体の形状のものを言う。
もに素子の抵抗値と感度を決める。例えば、厚みが大で
抵抗値の低い半導体薄膜を基準抵抗値にするためには、
W/Lを小さくしなければならないが、そうすると感度
が落ちる。逆に抵抗値の高い半導体薄膜を基準抵抗値に
するには、W/Lを大きくしなければならない。完全に
一定の移動度、抵抗値を示す薄膜の作製は極めて困難な
ので、一般には幾種類かのW/Lのマスクを用いてパタ
ーニングすることが行われている。その時、上記したよ
うな耐熱性にとっての危険領域に入る場合が発生するこ
とがあり、本発明に従いチップの周辺を樹脂で覆うこと
が必要となる。
ンジウムアンチモン、インジウム砒素、ガリウム砒素等
の化合物半導体から選択できる。これらのうち、高感度
ホール素子にふさわしいのは移動度の高いインジウムア
ンチモン系薄膜である。ここにインジウムアンチモン系
とは、一般式InSb1-XVX (Vは燐、砒素から選ば
れた一つ以上の元素で、Xは0〜0.5)で表される化
合物半導体である。これらの化合物半導体を感磁部とす
るホール素子がセンサとして機能するためには、実用上
の抵抗値を確保する必要があり、厚みを0.5〜1.5
μm程度に薄膜化することが好ましい要件である。勿
論、高感度を確保するために、高い移動度も当然必要で
ある。本発明者らは、この系の高移動度化の方法を種々
提案してきたが、これらの方法により作製した半導体薄
膜を本発明で好適に適用できる(特公平1−13211
号公報、特公平1−15135号公報、特公平2−47
849号公報、特公平2−47850号公報、特公平3
−59571号公報など参照)。
しては、パーマロイ、フェロシリコン、フェライト等の
磁性体を用いる事が出来る。そのうち、切断のしやすさ
や、価格の安いこと等の理由でフェライトが好適な素材
として利用出来る。磁性体チップをペレット上に載せる
際の接着剤5としては、樹脂が好ましい。上記したよう
に、磁性体チップを有するホール素子の耐熱性は、スト
レスに関係するので、柔らかいシリコーン系樹脂を用い
るのが好適である。
を、パターニング工程で所望の特性のでるLとWのマス
クを用いてパターン形成を行う。その際、電極形成も併
せて行う。その後、特公平7−13987号公報に記載
されているような方法でウェハー単位で多数のペレット
に一度にチップ載せを行う。その後、チップ周辺に樹脂
を滴下して固める。さらにダイシング工程により、一個
一個のペレットとし、これらのペレットをダイボンダ等
でリードフレームに固着し、ペレットの電極とリードフ
レームとをワイヤボンダ等でつなぎ、さらにモールド工
程等によりホール素子とするのが製造の一つの態様であ
る。個別にチップ載せを行う場合には、パターン形成後
ダイシングで一個一個のペレットとしたのちダイボンド
等でリードフレームに固着し、更にダイボンド等で一個
のペレットにつき一個のチップを載せていく、その際に
同時又は引き続いてチップ周辺に樹脂を滴下する態様も
ある。
性が保証できる素子である。
に詳細に説明する。
191号に記載の方法、即ち、初めにIn過剰のInS
b複合結晶薄膜を蒸着により形成し、次いで過剰のIn
と化合物を形成するSbを過剰に蒸着する方法により化
学量論組成の移動度43,000cm2/V/secのI
nSb薄膜を形成した。
上記のInSb薄膜上にポリイミド樹脂を滴下し、フェ
ライトをその上に重ね、重しを置いて200℃で12時
間放置した。次に室温に戻し、雲母を剥ぎ取った。この
InSb薄膜を担持したウェハー上にフォトリソグラフ
ィーの手法でホール素子パターンを形成した。感磁部の
Lは490μm、Wは140μmであった。電極部はC
uで形成し、ボンディングのための電極としてNi及び
Pdを積層した構造とした。
により、θが45°で一辺の長さが350μmの立方体
のフェライトチップをシリコーン樹脂を接着剤として載
せた。Lsinθはこの際346μmであり、危険領域
に入る確率の高いペレットである。ダイシング、ダイボ
ンディング、ワイヤーボンディング後にシリコーン樹脂
をチップ周辺に滴下してそれを固めた。モールド等の工
程を経てホール素子とした。この素子の平均感度は1
V、500Gで350mVであった。
ら100ヶ抜き取り、特性を測定した後、350℃の半
田槽に10秒浸漬して特性を測定し、浸漬前後の特性の
変化を見た。5%以上変動のある素子は皆無であった。
プの周辺に滴下しないでホール素子をつくり、実施例1
と同様なテストを行ったところ、15%以上の特性変化
を示す素子が13%発生し、かつ最大変動率は80%を
超えていた。
7−302835号に記載の方法、即ち、初めにIn過
剰のInSb複合結晶薄膜を蒸着により形成し、次いで
過剰のSbを蒸着してInSb薄膜を形成し、その後、
InSb薄膜を所望の抵抗値になるまで研磨する方法で
ウエハを作製した。実施例1と同様にし、感磁部のLを
400μm、Wを170μmでホール素子パターンを形
成し、θが45°で一辺の長さが300μmの立方体の
フェライトチップを載せた。Lsinθはこの際283
μmであり、チップ載せの公差からして危険領域に入る
確率が大きい。しかし、チップ周辺にシリコーン樹脂を
滴下することにより、実施例1と同様なテストでも不良
発生は皆無であった。
プ周辺に滴下しないでホール素子をつくり、実施例1と
同様なテストを行ったところ、100ヶ中9ヶが15%
以上の変化率を示した。
さが400μmのチップをダイボンダにより載せた。ワ
イヤボンド後、チップ周辺にシリコーン樹脂を滴下して
ホール素子をつくった。実施例1と同様なテストを行っ
ても不良発生は皆無であった。
いで、実施例3のペレットをホール素子にしたところ、
耐熱テストの結果は100ヶ中17ヶ15%以上の不良
発生があった。
れたホール素子を得ることができる。
ール素子の一例の平面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 強磁性体基板、その上にパターニングさ
れた感磁部と電極部を有する半導体薄膜、さらにその上
にほぼ直方体の磁気集束用磁性体チップを載せた構造の
ホール素子であって、該感磁部と該電極部の境界を含む
該チップで隠されていない感磁部の領域が、樹脂で覆わ
れていることを特徴とするホール素子。 - 【請求項2】 樹脂がシリコーン樹脂であることを特徴
とする請求項1記載のホール素子。 - 【請求項3】 感磁部の長さをL、該感磁部の中心線と
感磁部に接する磁気集束用チップの矩形面の一辺とのな
す角度をθとした時に、チップの一辺の長さが、(Ls
inθ+チップ載せの公差、但し45゜≦θ≦90゜)
以下で、(Lsinθ−チップ載せの公差、但し45゜
≦θ≦90゜)以上であることを特徴とする請求項1又
は2記載のホール素子。 - 【請求項4】 半導体薄膜がインジウムアンチモン系薄
膜であることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の
ホール素子。 - 【請求項5】 強磁性体基板、磁性体チップがフェライ
トであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4
記載のホール素子。 - 【請求項6】 磁性体チップを載せる際の接着剤がシリ
コーン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2又
は3又は4又は5記載のホール素子。
Priority Applications (1)
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JP8019882A JPH09214017A (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | ホール素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JPH09214017A true JPH09214017A (ja) | 1997-08-15 |
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Family Applications (1)
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JP8019882A Pending JPH09214017A (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | ホール素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH09214017A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1267427A1 (fr) * | 2001-06-12 | 2002-12-18 | Asulab S.A. | Procédé de fabrication en grand nombre d'une multiplicité de capteurs magnétiques |
KR100715648B1 (ko) * | 2004-08-11 | 2007-05-08 | (주) 아모센스 | 반도체 칩 매장형 수지 패키지, 반도체 칩 매장형 수지패키지의 제조 방법 및 반도체 칩 매장형 수지 패키지를이용한 자기 센서 |
JP2015198198A (ja) * | 2014-04-02 | 2015-11-09 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | ホール素子 |
-
1996
- 1996-02-06 JP JP8019882A patent/JPH09214017A/ja active Pending
Cited By (5)
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WO2002101845A3 (fr) * | 2001-06-12 | 2003-11-06 | Asulab Sa | Procede de fabrication en grand nombre d'une multiplicite de capteurs magnetiques |
US6949386B2 (en) | 2001-06-12 | 2005-09-27 | Asulab S.A. | Method for mass production of a plurality of magnetic sensors |
KR100715648B1 (ko) * | 2004-08-11 | 2007-05-08 | (주) 아모센스 | 반도체 칩 매장형 수지 패키지, 반도체 칩 매장형 수지패키지의 제조 방법 및 반도체 칩 매장형 수지 패키지를이용한 자기 센서 |
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