JPH09212034A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH09212034A
JPH09212034A JP8019069A JP1906996A JPH09212034A JP H09212034 A JPH09212034 A JP H09212034A JP 8019069 A JP8019069 A JP 8019069A JP 1906996 A JP1906996 A JP 1906996A JP H09212034 A JPH09212034 A JP H09212034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
printing
heating
forming apparatus
transfer material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8019069A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3420418B2 (ja
Inventor
Masahiro Goto
正弘 後藤
Hiroko Ogama
裕子 大釜
Satoru Izawa
悟 伊澤
Masami Takeda
正美 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP01906996A priority Critical patent/JP3420418B2/ja
Publication of JPH09212034A publication Critical patent/JPH09212034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3420418B2 publication Critical patent/JP3420418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Counters In Electrophotography And Two-Sided Copying (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひとたび加熱定着装置を通過することにより
高抵抗化した転写材が、再び加熱定着装置を通過するこ
とにより、加熱ローラー及び加熱フィルム表面のフッ素
樹脂層を帯電させる。このため、フッ素樹脂層の表面電
位が上昇すると、転写材上のトナーを引きつける方向の
電界が強く働くために、オフセットが発生し易くなる。 【解決手段】 両面または多重プリントの為の転写材搬
送部が画像形成装置に対して装着脱可能な多重・両面ユ
ニット(M2)となっており、画像形成終了後、加熱定
着装置9の加熱状態を継続すると同時に、該加熱状態継
続時間を該多重・両面ユニット(M2)装着時には長く
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,レーザー
ビームプリンタなど電子写真プロセスを用いた画像形成
装置に関し、より好適には、多重あるいは両面プリント
機能を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機あるいはレーザービー
ムプリンタ等の画像形成装置においては、帯電,露光,
現像,転写,クリーニング,定着等の一連の画像形成プ
ロセスを、同一の転写材に対して複数回行うことによ
り、多重あるいは両面の画像形成を自動的に行うように
したものが知られている。
【0003】このような画像形成装置に組み込まれる定
着手段としては、熱効率および安全性の面から接触型の
加熱定着装置が用いられている。この種の加熱定着装置
としては、例えば、内部にハロゲンヒーター等の加熱
手段を有する加熱ローラーと、加熱ローラーに対して所
定のニップ幅を形成するための弾性体からなる加熱ロー
ラーとから成る一対のローラー対を有する加熱ローラー
定着装置、セラミックヒーター等の発熱体を薄肉の耐
熱性フィルムを介し、加圧ローラー等の加圧部材で加圧
し所定のニップを形成する、加熱フィルム定着装置など
が知られている。
【0004】上記のような接触型の加熱定着装置におい
ては、転写材(被記録材)上のトナーの一部が加熱ロー
ラーあるいは加熱フィルムに転移する、いわゆるオフセ
ット現象が発生し易いので、このオフセット現象を防止
するために、加熱ローラーあるいは加熱フィルムにはP
FA,PTFE等の離型性の良いフッ素樹脂層が被覆さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の検討によると、上記従来例では多重又は両面印字
を行った場合に加熱ローラー,加熱フィルム共に、長期
耐久によりオフセットが発生し易くなる傾向があること
が判明した。
【0006】すなわち、ひとたび加熱定着装置を通過す
ることにより高抵抗化した転写材が、再び加熱定着装置
を通過することにより、加熱ローラー及び加熱フィルム
表面のフッ素樹脂層を帯電させる。この結果、多重又は
両面印字を連続して行うと、フッ素樹脂層の表面電位が
徐々に上昇していく。すなわち、フッ素樹脂層の帯電
は、転写時に転写材に与えられた電荷がフッ素樹脂層に
移動することによって生じる。このため、フッ素樹脂層
の表面電位が上昇すると、転写材上のトナーを引きつけ
る方向の電界が強く働くために、オフセットが発生し易
くなる。
【0007】但し、上記の現象はフッ素樹脂層が帯電し
ても、画像形成装置の休止時にフッ素樹脂層の表面電位
が減衰すれば、フッ素樹脂層の表面電位は過度に上昇す
ることがないため、オフセット現象にまで至ることはな
い。
【0008】しかし、本発明者等の検討結果によると、
PFA,PTFE等のフッ素樹脂は定着温度領域では表
面電位減衰は生じ易いが、室温状態では極めて絶縁性が
高く殆ど表面電位は減衰しないということが判明した。
この為、近年広く採用されてきている節電モードを有す
る画像形成装置においては、節電モード時にはプリンタ
ー,複写機等の画像形成装置が所定時間使用されないと
きに加熱定着装置への通電が遮断されるため、加熱ロー
ラーは室温状態で放置される時間が長くなり、フッ素樹
脂層の表面電位減衰が行われることが無く上記オフセッ
ト現象が発生しやすくなる。
【0009】また、加熱フィルムはクイックスタート性
に優れているため、プリント終了後は必ず発熱体への通
電は遮断されるため、より上記オフセット現象が発生し
易くなる。
【0010】さらに、多重又は両面印字を行った場合、
ひとたび加熱定着装置を通過し高抵抗化した転写材の後
端が加熱ローラー,加熱フィルムから剥離するときに、
後端部分のみ線状に強くフッ素樹脂層を帯電させ(この
時も、転写時の電荷がフッ素樹脂層に転移する)、次の
転写材が加熱定着装置を通過する際に、線状に帯電した
部分が転写材上のトナーを引きつけ、オフセットが発生
する。
【0011】以上のようなオフセットは、フッ素樹脂層
の帯電により発生するために、例えば特開昭54−21
37号公報に開示されているように、加熱ローラー表層
のフッ素樹脂層に低抵抗物質を混入させ、フッ素樹脂層
の抵抗を下げることにより、フッ素樹脂層の帯電を防止
する事が有効である。しかしながら、上記公開公報に開
示されている方式では、加熱ローラーあるいは加熱フィ
ルムのフッ素樹脂層を低抵抗化することにより、常に転
写電荷がフッ素樹脂層を介してリークすることから、転
写材のトナー保持力が弱くなるため、定着ニップ部での
圧力、あるいは転写材から発生する水蒸気の影響などに
より、トナー像の乱れが発生し易くなるという問題があ
る。
【0012】よって、本発明の目的は、上述の点に鑑
み、フッ素樹脂層などを低抵抗化することなしに、多重
又は両面印字を行った場合に発生し易くなるオフセット
を、簡易かつ適確に防止することができる画像形成装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、電子写真プロセスを用いて転写材への
両面または多重プリントが可能な画像形成装置におい
て、前記転写材に対する画像記録の終了後は、所定の制
御シーケンスに従って加熱定着手段の加熱状態を継続す
る手段を具備したものである。ここで、所定時間の経過
後は前記加熱定着手段への通電を遮断する。また、前記
加熱定着手段における加熱状態継続時間を複数有するも
のとする。
【0014】さらに、待機モード継続時間が所定の節電
時間より長い場合には節電モードに入り、前記加熱定着
手段への通電を遮断するものとする。ここで、前記節電
時間は多重・両面ユニットが装着されているか否かに応
じて変更設定される。また、多重または両面プリントの
状況に応じて前記節電モードに入るタイミングを制御す
るのが好適である。
【0015】また、像担持体上に電子写真プロセスによ
り形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、
転写材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段とを有
し、1回目の帯電から定着に至る画像形成プロセスが完
了した転写材に対し、再度同じ画像形成プロセスを繰り
返し、両面または多重プリントを行うことが可能な画像
形成装置において、画像形成終了後、前記加熱定着手段
の加熱状態を継続すると同時に、所定時間経過後に前記
加熱定着手段への通電を遮断する手段を具備した構成と
する。ここで、前記加熱定着手段の加熱状態継続時間を
複数有するのが好適である。さらに、両面または多重プ
リントの為の転写材搬送部が画像形成装置に対して装着
脱可能なユニットとなっており、画像形成終了後、前記
加熱定着手段の加熱状態を継続すると同時に、該加熱状
態継続時間を該両面または多重印字ユニット装着時には
長く設定するのが好適である。あるいは、画像形成終了
後、前記加熱定着手段の加熱状態を継続すると同時に、
印字モードに応じて加熱状態継続時間を変えることも可
能である。
【0016】さらに、その他の発明では、像担持体上に
電子写真プロセスにより形成されたトナー像を転写材に
転写する転写手段と、転写材上のトナー像を加熱定着す
る加熱定着手段とを有し、1回目の帯電から定着に至る
画像形成プロセスが完了した転写材に対し、再度同じ画
像形成プロセスを繰り返し、両面または多重プリントを
行うことが可能な画像形成装置において、複数枚のプリ
ント動作を行う際に、2回目の画像形成プロセスの後の
次の画像形成プロセスのプリント間隔を、他のプリント
モードにおけるプリント間隔に比して長く設定する手段
を具備した構成とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態では、像担
持体上に帯電手段、露光手段、現像手段により形成され
たトナー像を転写材に転写する転写手段、転写材上のト
ナー像を加熱定着する加熱定着手段を有し、1回目の帯
電から定着に至る画像形成プロセスが完了した転写材に
対し、再度同じ画像形成プロセスを繰り返し、両面・多
重印字を行うことが可能な画像形成装置において、画像
形成終了後、加熱定着手段の加熱状態を継続すると共に
所定時間経過後自動的に加熱定着手段への通電を遮断
し、さらに通電遮断時間を複数有する。
【0018】特に、両面または多重印字の為の転写材搬
送部が画像形成装置に対して装脱着可能なユニットとな
っており、画像形成終了後、加熱定着手段の加熱状態を
継続すると同時に、上記加熱状態継続時間を上記両面ま
たは多重印字ユニット装着時には長くすることにより、
画像形成装置の節電モードに入るまでの時間が、両面又
は多重印字ユニットを装着したときに長くなり、加熱ロ
ーラー又は加熱フィルムの表面電位が両面又は多重印字
で上昇しても、十分減衰することが可能となり、特別な
除電手段を設けなくともオフセット現象の防止が可能と
なる。
【0019】更に画像形成終了後、加熱定着手段の加熱
状態を継続すると同時に、印字モードに応じて加熱状態
継続時間を変えることにより、画像形成装置の節電モー
ドに入るまでの時間が、両面又は多重印字を行ったとき
に長くすることにより、加熱ローラー又は加熱フィルム
の表面電位が両面又は多重印字で上昇しても、十分減衰
することが可能となり、特別な除電手段を設けなくとも
オフセット現象の防止が可能になると同時に、両面又は
多重印字を行っていない場合は速やかに節電モードに入
るため、スタンバイ時の消費電力低減効果も優れるとい
う利点がある。
【0020】また像担持体上に帯電手段、露光手段、現
像手段により形成されたトナー像を転写材に転写する転
写手段、記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手
段を有し、1回目の帯電から定着に至る画像形成プロセ
スが完了した転写材に対し、再度同じ画像形成プロセス
を繰り返し、両面・多重印字を行うことが可能な画像形
成装置において、複数枚の印字動作を行う際に、2回目
の画像形成プロセスの後の次の画像形成プロセスの印字
間隔を、他の印字モードにおける印字間隔に比して長く
することにより、両面又は多重印字の転写材の後端が加
熱ローラー、又は加熱フィルムを線状に帯電したとして
も、次の転写材が加熱定着装置に到達するまでの時間を
長くすることにより、線状に帯電した部分が十分減衰す
る事が可能となる。かくして、線状オフセットも特別な
除電手段、フッ素樹脂層の低抵抗化を図ることなしに効
果的に防止できる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0022】(第1の実施例)図1は、本発明を適用し
た画像形成装置の構成の概略を示す。同図を参照して、
本画像形成装置全体の構成及び動作について以下に説明
する。
【0023】本実施例においては、画像形成装置として
レーザービームプリンターを構成する。レーザービーム
プリンター(以下、プリンターと称す)Mのほぼ中央に
は、像担持体としての感光ドラム1が配置されている。
感光ドラム1は、矢印A1方向に回転自在に支持されて
おり、感光ドラム1の周囲にはその回転方向に沿って順
に、帯電ローラー(帯電手段)2、露光装置(露光手
段)3、現像器(現像手段)5、転写ローラー(転写手
段)6、クリーニング装置(クリーニング手段)7等が
配置されている。又、感光ドラム1の下流側には加熱定
着装置(定着手段)9が配設されている。
【0024】画像形成対象となる転写材Pは、同図中、
プリンターMの右側に装着された給紙カセット10内に
収納されている。この転写材Pは、給紙ローラーR1に
よって給紙され、搬送路に沿って搬送される。搬送路と
しては、給紙ローラーR1に続くガイドG1、レジスト
ローラーR2、ガイドG2、ガイドG3、搬送ローラー
R3、フラッパK1、このフラッパK1の上方のガイド
G4、排紙ローラーR4等によって構成された片面画像
形成用のもの、又、上述のフラッパK1から下方に分岐
したガイドG5、搬送ローラーR5、ガイドG6、搬送
ローラーR6、フラッパK2、このフラッパK2上方の
搬送ローラーR7、ガイドG7等によって構成された多
重画像形成用のもの、そして、多重画像形成用のものに
更にフラッパK2から分岐したガイドG8、搬送ローラ
ーR8等が加わった両面画像形成用のもの等がある。
【0025】つづいて、上述の画像形成動作を説明す
る。感光ドラム1は、アルミニウム等の金属シリンダー
の表面に感光層として有機光導電体(OPC)、セレ
ン、アモルファスシリコン等が形成され(本実施例では
OPCを用いている)、矢印A1方向に回転自在に支持
されている。感光ドラム1は、導電性の弾性体によって
形成され感光ドラム1に接触されて矢印A2方向に従動
回転する帯電ローラー2によって一様に帯電される。こ
こで帯電ローラー2には、DC電圧が重畳されたAC高
圧が印加されている。帯電された感光ドラム1(負極性
に帯電)はレーザー、ポリゴンミラー等を含む露光装置
3によって画像信号に応じた像露光がなされ、静電潜像
が形成される。この静電潜像は、次のジャンピング現像
装置、FEED現像装置等の現像器5によって帯電トナ
ーが付着されトナー像となる。なお、本実施例における
現像は、帯電ローラー2による帯電と同極性の帯電トナ
ーによって行われる、いわゆる反転現像であるものとす
る。
【0026】感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム
1と所定のトナーと逆極性(本実施例では正極性)の電
圧が印加された転写ローラー6との間の転写ニップ部N
にて、転写材Pに転写される。つづいて転写材Pは感光
ドラム1から分離され、ガイドG3を介して加熱定着装
置9に搬送され、未定着であったトナー像がここで加熱
加圧されて溶融固着される。
【0027】一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、
表面の残留トナーがブレードクリーナー等のクリーニン
グ装置7によって除去され、次の画像形成に供せられ
る。以上の帯電から始まりクリーニングに至る一連の画
像形成プロセスによって、転写材Pの第1面に対する1
回目のプリントが完了する。トナー像定着後の転写材P
は、その後の処理が、プリントが片面か、多重か、両面
かにより次の3つに分かれる。
【0028】第1に、転写材Pに対するプリントが片面
(多重を除く)の場合、転写材PはフラッパK1が矢印
B1方向に切り換わっていて上方のガイド4に搬送され
た後、排紙ローラーR4を介してプリンター本体M外部
に排出される。
【0029】第2に、多重プリントの場合には、転写材
Pは図示の位置にあるフラッパK1によって下方のガイ
ドG5に導かれ、搬送ローラーR5、ガイドG6、搬送
ローラーR6を介して搬送され、更に矢印B2方向に切
り換わっているフラッパK2によって上方の搬送ローラ
ーR7、ガイドG7に導かれ、レジストローラーR2等
を介して再度転写ニップ部Nに搬送され、第1面目に対
する2回目のプリントが行われる。以下は、1回目のプ
リントと同様にして装置本体外部に排出される。
【0030】第3に、両面プリントの場合は、多重プリ
ントとほぼ同じであり、異なる点は、転写材Pが図示の
位置にあるフラッパK2により、ガイドG8に導かれて
一旦停留され、所定のタイミングで搬送ローラーR8に
よって再給紙され、搬送ローラーR7、ガイドG7に搬
送される点である。これにより、2回目のプリント時に
は転写材Pが表裏反転されており、第2面目に対してプ
リントが行われる。
【0031】なお、図1に示したプリンターMは破線L
部で本体部M1と多重・両面ユニットM2に分割可能な
構成とされる。また、プリンターMは外部情報処理機器
からのコード情報を、ラスター情報に変換するコントロ
ーラーC1と、ビデオインターフェイスを介して、プリ
ンターの動作を制御するコントローラーC2により制御
され、印字を行う。
【0032】図2は、上記画像形成装置に用いられる加
熱定着装置9の略断面図である。加熱ローラー91はア
ルミニウムからなる芯金911の上に、離型性層として
PFA層912が厚み30μmで静電塗装後焼成される
事により被覆されており、加熱ローラー91の内部には
加熱用のハロゲンヒーター92が配設されている。加熱
ローラー91との間に定着ニップN1を形成するための
加圧ローラー93はステンレス、鉄等の芯金931の上
にシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンスポンジ等
の弾性層932を有し、更にその表層にPFAチューブ
等の離型層933を有し、所定の圧力で加熱ローラーに
圧接している。
【0033】加熱ローラー表面温度は、加熱ローラー9
1表面に設けられたサーミスタ等の温度検知素子94、
及び、温度検知素子94の信号に基づきヒーター92へ
の通電を制御する制御部95により、所定の温度に保た
れる。加熱ローラー91は不図示の駆動手段により矢印
A方向に回転し、入口ガイド96によって定着ニップ部
N1に導かれた転写材Pのトナー像を定着すると同時
に、転写材Pを搬送する。
【0034】図3は、上記画像形成装置において、節電
モードにはいるタイミングを示すフローチャートであ
る。まず、プリンターMの電源投入時に多重・両面ユニ
ットM2(図1参照)が本体部に装着されているか否か
のチェックを行い、多重・両面印字が可能かどうかの判
断を行う(ステップS1,S2)。
【0035】次いで、加熱定着装置9が予め決められた
温度T1 に達したかどうか判断し、達した場合はプリン
ト可能であることを知らせるレディ信号をコントローラ
ーC1に送信する(ステップS3,S4)。この時、プ
リント命令を受信するまでは、プリンターMは待機モー
ドに入り、タイマーにより待機モードの継続時間をカウ
ントすると同時に、加熱ローラー91の表面温度はT1
に保たれている(ステップS5)。
【0036】ついで、プリント命令がきた場合には、指
定枚数のプリントを行い、最終のプリントが完了して転
写材Pを機外へ排出した時点で待機モードに戻ると同時
に前記タイマーをリセットして、再び待機モード継続時
間をカウントする(ステップS1〜S8)。
【0037】待機モード継続時間が節電時間t0 よりも
長い場合は画像形成装置は自動的に節電モードにはい
り、加熱定着装置9への通電が遮断される(ステップS
9,S10)。
【0038】ここで、節電時間t0 は多重・両面ユニッ
トM2が装着されているか否かによりその値が変更さ
れ、装着されていない場合はt1 、装着されている場合
はt1より長いt2 に設定される(ステップS11,S
12)。なお、本実施例ではt1 =15分、t2 =30
分とした。この時、t1 ,t2 はデフォルト値として設
定し、ユーザーが適宜変更する事も可能である。
【0039】以上のような画像形成装置により、多重・
両面ユニットM2が装着された場合は、多重又は両面プ
リントにより一度加熱定着装置を通過して高抵抗化した
転写材Pが、再度加熱定着装置9を通過して、加熱ロー
ラー表面をトナーと逆極性に強く帯電させたとしても、
プリント終了後節電モードに入るまでの時間を長く設定
することにより、加熱ローラー表面電位が十分減衰する
ことが可能となり、長期にわたって表面電位が上昇し続
けることがなく、オフセットの発生も生じない。
【0040】次に、上述した作用・効果に関して、実験
データを基に更に詳細に説明する。
【0041】図4は、多重又は両面プリントによる耐久
を行ったときの加熱ローラー表面電位の推移を示したグ
ラフである。ここで、破線aは1日に1000イメージ
連続の両面プリントを行った直後に加熱定着装置9への
通電を遮断した場合の加熱ローラー表面電位推移を示
し、実線bは同様に1日に1000イメージ連続の両面
プリントを行った後30分後に加熱定着装置9への通電
を遮断した場合の加熱ローラー表面電位の推移を示す。
【0042】この図4からわかるように、プリント終了
直後に加熱ローラー91への通電を遮断すると、加熱ロ
ーラー表面電位の減衰が殆ど観測されず、連続通紙によ
る表面電位上昇の履歴がそのまま残り、通紙枚数が増す
につれて、電荷の蓄積により表面電位が上昇していく。
この結果、耐久枚数が多くなるにつれ、オフセットが発
生しやすくなる。
【0043】本発明者等の検討では、加熱ローラー表面
電位が300vを超えるとオフセットが発生し易くな
り、図4のグラフより20000イメージの耐久でオフ
セットが発生し始めることがわかる。
【0044】一方、プリント終了後30分後に加熱ロー
ラーへの通電を遮断した場合には、定着ローラーの表面
電位が翌日のプリント前までに十分減衰しているため、
1000イメージ/1日の両面プリントを繰り返して
も、常に加熱ローラー表面電位は一定値以下(図4のグ
ラフより150v以下)に収まっている。従ってオフセ
ットの発生も生じることがない。
【0045】このような現象が生じるのは、加熱ローラ
ー表層のフッ素樹脂(PFA)が室温では絶縁性が高く
電荷減衰が殆ど生じず、高温下では抵抗が低下して電荷
減衰が生じ易くなるためである。
【0046】また、本発明者等の検討によると、片面の
みの通紙では加熱ローラー表面電位は、転写材Pの抵抗
が比較的低いため余り上昇せず、1日に1000枚通紙
した直後に加熱定着装置への通電を遮断したとしても、
その表面電位は高々200v程度で収まり、オフセット
の発生もなかった。
【0047】従って、片面通紙の機能しかない本体で
は、比較的早いタイミングで節電モードに入ったとして
も、特にオフセット等の問題は生じないため、節電効果
を優先させて節電モードに入る時間を早くし(例えば5
から15分)、多重・両面ユニットを装着したプリンタ
ーでは加熱ローラー表面電位が十分減衰可能な時間まで
節電モードに入るタイミングを遅らせることが好まし
い。
【0048】この時節電モードに入るまでの時間として
好ましいのは、本発明者等の検討によれば20から60
分であり、20分以下では1日に通紙枚数が多いときに
は表面電位減衰が不十分であり、また60分以上放置し
ておいても表面電位減衰量は殆ど変わらず、節電モード
での節電効果も少なくなってしまう。
【0049】(第2の実施例)図5は、本発明の第2の
実施例を説明するためのフローチャートである。本実施
例を適用する画像形成装置は、第1の実施例と同様の構
成を有するので説明は省略する。本実施例では多重又は
両面プリントの状況をモニターし、その状況に応じて節
電モードに入るタイミングを制御するものである。以
下、図5のフローチャートに基づき、本実施例の動作を
説明する。
【0050】プリンターMの電源投入後、加熱定着装置
9が予め決められた温度T1 に達したか否かを判断し、
達した場合はプリント可能であることを知らせるレディ
信号をコントローラーC1に送信する(ステップS1,
S2,S3)。この時、プリント命令を受信するまで
は、プリンターMは待機モードにはいり、タイマーによ
り待機モードの継続時間をカウントすると同時に、加熱
ローラー9の表面温度はT1 に保たれている(ステップ
S4)。
【0051】ついで、プリント命令がきた場合には、指
定枚数のプリントを行い、最終のプリントが完了して転
写材Pを機外へ排出した時点で、待機モードに戻ると同
時に前記タイマーをリセットして、再び待機モード継続
時間をカウントする(ステップS5〜S8)。この時、
1ジョブ中(プリント命令がきてからプリンターが完全
に停止するまでの期間)のプリント枚数のうち多重又は
両面プリントの枚数をカウントし、図6に示した各状態
に応じて節電時間t0 の設定を行う(ステップS9)。
【0052】次いで、待機モード継続時間が節電時間t
0 よりも長い場合は、画像形成装置は自動的に節電モー
ドに入り、加熱定着装置9への通電が遮断される(ステ
ップS10,S11)。
【0053】ここで、節電時間t0 は上述したように図
6に示したプリントモードに応じて設定され、片面プリ
ントの時は常に、加熱ローラー91の表面電位減衰のた
めの時間が必要ないため、節電時間が最も短い10分、
次に多重又は両面プリントが10枚以下の場合は、比較
的加熱ローラー91の帯電量が少ないため、表面電位減
衰のための時間は短くて良いことから節電時間は15分
に設定される。また、多重又は両面プリントが30枚以
下の場合は20分、100枚以下の場合は30分、10
1枚以上の場合は60分と、多重又は両面プリントの枚
数が多いほど節電時間t0 は長く設定される。
【0054】なお、1ジョブが終了し、節電時間t0
設定された後、節電モードに入る前に次のプリントが開
始され、当該ジョブにおいて上記と同様のアルゴリズム
で節電時間t0 が再度設定されるが、この時に求められ
た節電時間が前回のジョブで設定された節電時間t0
りも短い場合は、前回のジョブで設定された節電時間が
そのまま継続される。このようにして、プリンターの電
源がオフされるか、一旦節電モードにはいるまでは、各
ジョブ中の最も長い節電時間が選択される。
【0055】以上のように、多重又は両面プリント枚数
に応じて節電時間を設定することで、通常の使用状態で
ある1ジョブ20イメージ以内のプリントならば、殆ど
片面プリント時と同じ節電時間となり、節電モードを有
効に働かせることが可能となる。
【0056】更に、多重又は両面プリントを1ジョブで
100枚以上と多量にプリントされた場合などは、節電
モードに入る時間を遅らせることにより、加熱ローラー
の表面電位を十分減衰させることができ、オフセットの
問題も発生しない。
【0057】(第3の実施例)図7は、本発明の第3の
実施例を説明するための加熱定着装置の略断面図であ
る。図8は、本実施例の制御手順を示すフローチャート
である。また、本実施例を適用する画像形成装置は第
1,2の実施例と同様な構成を有するので、説明は省略
する。以下図7,図8に従って、本実施例の動作を説明
する。
【0058】図7に示した加熱定着装置60は、エンド
レスベルト状の耐熱フィルム(加熱フィルム)61駆動
ローラーを、互いに略平行に配設した駆動ローラー61
1、テンションローラーを兼ねる従動ローラー612
と、発熱体(セラミックヒーター)62の3部材間に懸
回張設させてある。
【0059】加熱フィルム61は熱容量を小さくしてク
イックスタート性を向上させるために、膜厚は総厚10
0μm以下、好ましくは40μm以下20μm以上の耐
熱性、強度、耐久性に優れたポリイミド、ポリアミドイ
ミド、PEEK、PES等のフィルムの上に、基準電位
面を構成し、基層のフィルムと離型層の接着力を確保す
るために、導電性の接着層を設け、更にその表層にPF
A、PTFE、又はその混合物を10から20μm離型
層としてコーティングした複合層フィルムである。
【0060】本実施例では基層のフィルム材として30
μm厚のポリイミド、その表層に離型層として液状のP
FA樹脂を10μm厚で塗装した後焼成した、複合フィ
ルムを用いる。発熱体62はAl23 ,AlN,Si
O等の電気絶縁性、耐熱性、低熱容量のセラミック基板
上に、抵抗発熱体(Ag/Pd,RuO2 ,Ta2 N)
をスクリーン印刷等で形成し、その上にガラス等の電気
絶縁層をコーティングする。またセラミック基板背面に
はサーミスタ621、温度ヒューズ(不図示)をそれぞ
れ接触して設けてある。
【0061】発熱体62は基板背面のサーミスタ621
によりその温度が検出され、不図示の制御部により所定
温度に保たれるように通電制御される。加圧ローラー6
3はステンレス、鉄等の芯金631の上にシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンスポンジ等の弾性体63
2、更にその表層にPFAチューブ又はフッ素樹脂・フ
ッ素ゴム混合ラテックス(ダイエルGLS213:ダイ
キン工業商品名)を離型層633として被覆してある。
【0062】以上のような加熱定着装置60を用いるこ
とで、発熱体62、加熱フィルム61共に熱容量を極め
て小さくできる為、温度上昇の立ち上がりが非常に早
く、室温状態で待機してもプリント命令で発熱体への通
電を開始すれば、転写材Pが加熱定着装置60に到達す
る前に十分定着可能な温度に立ち上がることが可能であ
る。この結果、通常の待機モード中でも加熱定着装置へ
の通電を遮断することが可能になるため、実質的に省エ
ネルギ化に大きく寄与することができる。
【0063】図8は、実施例の動作を説明するためのフ
ローチャートである。まず電源投入後、プリンターのコ
ントローラー部C1,C2の初期化処理が終了した時点
で、プリント可能であることを知らせるレディ信号の送
出を行う(ステップS1,S2)。次いで、プリンター
本体は待機状態となり、プリント命令を受信した段階で
プリント動作を開始し、加熱定着装置60への通電を開
始する(ステップS3)。
【0064】指定枚数の印字が終了した時点で(この
間、加熱定着装置60は所定の温度で温調されてい
る)、転写材Pを機外へ排出し、その後、加熱定着装置
は印字モードに応じて一定時間t1 加熱温調されなが
ら、回転を続ける(ステップS4〜S7)。この時の回
転時間t1 は図9のアルゴリズムによって決定される
(加熱フィルム定着の場合は定着ニップ部のみ加熱する
ため、加熱フィルム全体を加熱するためには回転させる
必要がある。)。
【0065】片面のみの印字が行われたときは、第1,
第2の実施例で説明したように、加熱フィルムの表面電
位は殆ど上昇しないため、印字終了後、転写材Pを機外
へ排出した直後に加熱定着装置への通電を遮断してもオ
フセットの発生はなく、t1=0分に設定できる。多重
又は両面印字の枚数が1ジョブの間に10枚以下の場合
は、加熱フィルム表面の電位上昇量はわずかなため、加
熱減衰時間は短くて済み、転写材Pを機外に排出した後
10秒間加熱回転を行うだけで表面電位の減衰が可能と
なり、t1 =10秒に設定される。ここでは、既述の第
2の実施例に比べて、表面電位減衰に要する時間が短く
て済んでいるが、その理由は、主に加熱フィルム表層の
PFA層の厚みが10μmと極めて薄いこと、更に導電
性の接着層の影響により(恐らくPFA焼成時に導電接
着中のカーボンブラック等の導電性フィラーが1部PF
A層中に混入している可能性も考えられる)電位減衰の
速度が非常に速くなっているためである。
【0066】但し、このような加熱状態では非常に電位
減衰は早いが、上記の各実施例と同様に室温状態では電
位減衰は殆ど生じない。
【0067】また、多重又は両面プリントの印字枚数が
11枚以上、20枚以下の場合は加熱回転時間を長めに
設定してt1 =20秒とする。さらに、多重又は両面プ
リントの印字枚数が21枚以上、50枚以下の場合はt
1 =30秒、51枚以上の場合はt1 =1分に設定す
る。
【0068】このように、クイックスタート性に優れた
加熱フィルム定着の場合において、多重又は両面印字時
には印字終了後すぐに加熱定着装置への通電を遮断する
のでなく、一定時間加熱回転モードを設けることによ
り、前記実施例と同様に多重又は両面印字によるオフセ
ットの発生を防止できる。
【0069】(第4の実施例)図10は、本発明の第4
の実施例を説明するためのフローチャートである。本実
施例を適用する画像形成装置は、第1の実施例と同様の
構成を有するので説明は省略する。本実施例では、多重
又は両面プリントの状況をモニターし、その状況に応じ
て節電モードに入るタイミングを制御すると同時に、印
字終了後に一定時間経過した場合、加熱定着装置の温調
温度をPFA、PTFEが十分電荷減衰可能な低い温度
にまで低下させるものである。以下、図10に示したフ
ローチャートに基づき、本実施例の動作を説明する。
【0070】プリンターMの電源投入後、加熱定着装置
9が予め決められた温度T1 に達したか否かを判断し、
達した場合はプリント可能であることを知らせるレディ
信号をコントローラーC1に送信する(ステップS1,
S2,S3)。この時、プリント命令を受信するまで
は、プリンターMは待機モードに入り、タイマーにより
待機モードの継続時間をカウントすると同時に、加熱ロ
ーラー9表面温度をT1に保つ(ステップS4)。
【0071】ついで、プリント命令がきた場合には、指
定枚数のプリントを行い、最終のプリントが完了して転
写材Pを機外へ排出した時点で待機モードに戻ると同時
に、上記タイマーをリセットして、再び待機モード継続
時間をカウントする(ステップS6〜S9)。この時、
1ジョブ中(プリント命令がきてからプリンターが完全
に停止するまでの期間)のプリント枚数のうち、多重又
は両面プリントの枚数をカウントし(ステップS8)、
第2の実施例と同様に図6に示した各状態に応じて節電
時間t0 の設定を行う。
【0072】次いで、待機モード継続時間が所定の時間
2 (t2 ≦t0 )よりも長くなったとき、加熱ローラ
ーの表面温度はT1 よりも低いT2 で温調される(本実
施例ではT1 =170℃,T2 =130℃とする)(ス
テップS10,S11)。
【0073】さらに、待機モード継続時間が節電時間t
0 よりも長い場合は、画像形成装置は自動的に節電モー
ドに入り、加熱定着装置9への通電が遮断される(ステ
ップS12,S13)。ここで、節電時間t0 は上述し
たように図6に示したプリントモードに応じて設定さ
れ、全て片面プリントの時は、加熱ローラーの表面電位
減衰のための時間が必要ないため節電時間が最も短い1
0分、次に多重又は両面プリントが10枚以下の場合
は、比較的加熱ローラーの帯電量が少ないことから表面
電位減衰のための時間が短くて良いため、節電時間は1
5分に設定される。この時、低温温調に移行する時間は
10分とされる。
【0074】また、多重又は両面プリントが30枚以下
の場合は20分、100枚以下の場合は30分、100
枚以上の場合は60分と、多重又は両面プリントの枚数
が多いほど節電時間t0 は長く設定される。これらの場
合も全て、低温温調に移行する時間t2 は10分とされ
る。
【0075】なお、1ジョブが終了し、節電時間t0
設定された後、節電モードに入る前に次のプリントが開
始され、当該ジョブにおいて上記と同様のアルゴリズム
で節電時間t0 が再度設定されるが、この時求められた
節電時間が前回のジョブで設定された節電時間t0 より
も短い場合は、前回のジョブで設定された節電時間がそ
のまま継続される。このようにして、プリンターの電源
がオフされるか、一旦節電モードにはいるまでは、各ジ
ョブ中の最も長い節電時間が選択される。
【0076】以上のように、多重又は両面プリント枚数
に応じて節電時間を設定することで、通常の使用状態で
ある1ジョブ20イメージ以内のプリントならば、殆ど
片面プリント時と同じ節電時間となり、節電モードを有
効に働かせることが可能となる。また、多重又は両面プ
リントを1ジョブで100枚以上と多量にプリントされ
た場合などは、節電モードに入る時間を遅らせることに
より、加熱ローラーの表面電位を十分減衰させることが
できオフセットの問題も発生しない。
【0077】更に、節電時間内に加熱ローラー表面温度
が低下するために、プリンター本体内の機内昇温も低く
抑えられ、排気ファンの風量を落とすことが可能とな
り、待機中の騒音の軽減も図れる。
【0078】なお、本実施例の加熱回転体表面温度減衰
モード中に温調温度を低下させる方法は、当然のことな
がら、加熱フィルム定着装置にも適用可能なのはいうま
でもない。
【0079】(第5の実施例)図11は、本発明の第5
の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
本実施例を適用する画像形成装置は、前記第1から5の
実施例と同様なので説明は省略する。以下、図11に示
したタイミングチャートに従って、本実施例の説明を行
う。
【0080】プリンターMはプリント命令を受信した段
階で、給紙ローラーR1により転写材Pを給紙し、レジ
ストローラーR2で一旦待機した後、画像書込み準備が
完了した段階でレジストローラーR2を起動させて印字
動作を開始する。この時、例えば複数枚の両面プリント
の指令を受けた場合、プリンターMは1面目→1面目→
2面目→1面目→2面目→…→2面目→1面目→2面目
→2面目というように、いわゆる交互給紙を行う。この
時、給紙タイミング及びレジストローラーR2の起動タ
イミングはコントローラーC2により制御され、1面目
の後のレジストローラーR2起動タイミング(p1−p
2)に比して、2面目の後のレジストローラーR2起動
タイミング(p2−p3)を遅くすることにより、2面
目が加熱定着装置を通過した後の転写材通紙間の時間を
長くすることが可能となる。
【0081】このような制御を行うことで、ひとたび加
熱定着装置を通過して高抵抗化した転写材Pの後端が、
加熱ローラーまたは加熱フィルムから剥離する時に加熱
ローラーまたは加熱フィルムの表層フッ素樹脂層を線状
に帯電させたとしても、次の転写材Pが加熱定着装置に
突入する前に、線状に帯電した部分の電位が減衰するこ
とが可能となり、次の転写材P上のトナーのオフセット
が発生しなくなる。
【0082】図12は、この作用をより詳しく説明する
ために、印字動作中の加熱ローラー表面電位をモニター
したグラフである。転写材Pが片面印字の場合には、転
写材Pの後端が加熱ローラーから剥離しても、剥離部の
電位上昇はわずかである(図12(A):破線hの間隔
が加熱ローラー1周分の時間である)。
【0083】一方、転写材Pが1度加熱定着装置を通過
した後、多重又は両面印字を行った場合には、転写材P
の後端が加熱ローラーから剥離した時、図12(B)の
ように剥離部が強く帯電していることがわかる。このよ
うな部分的に高い電位ピーク(加熱ローラー周方向での
他の部分との電位差)によって、次の転写材Pが加熱定
着装置に到達した時、転写材P上のトナーが加熱ローラ
ーの線状に帯電した部分だけ加熱ローラー側に剥ぎとら
れオフセット(線状オフセット)する。
【0084】しかし、図12(B)に示したように、こ
の電位ピークは加熱ローラーの回転に応じて減衰してい
き、3周目には約半分にまで落ちこむ。本発明者等の検
討によれば、電位ピークの高さが200V程度で強い線
状オフセットが発生するが、100V程度ならば殆どオ
フセットの発生はわからないレベルになる。
【0085】電位ピークの高さは、転写材Pの種類によ
っても異なるが、多くの場合剥離時の電位ピークは15
0〜250Vの間であり、加熱ローラーを2〜3周分回
転させることで、そのレベルは100V前後に収まり、
オフセットの発生はなくなる。
【0086】従って、例えば画像形成速度が60mm/
sec、加熱ローラー外径が直径20mmとしたとき、
片面印字のみの場合は転写材Pへの印字間隔を50mm
とし、多重又は両面印字の時は多重又は両面印字後の印
字間隔を150mmとし、第1回目の印字後は50mm
とすることで、片面のみの時のスループットがA4サイ
ズで約10枚/分に対し、多重又は両面印字の時は約9
枚/分となり、殆どスループットも落とさず印字可能と
なり、同時に線状オフセットの発生もなくなる。
【0087】以上説明した様に、多重又は両面印字後の
印字間隔を長くするだけで、スループットはほとんど落
とさず、特別な加熱ローラー又はフィルムの除電手段を
設けることなく、上記オフセットの防止が可能となる。
【0088】(第6の実施例)図13は、本発明の第6
の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
本実施例を適用する画像形成装置は第1〜6の実施例と
同様なので説明は省略する。以下、図13のタイミング
チャートに従って本実施例の説明を行う。
【0089】プリンターMはプリント命令を受信した段
階で、給紙ローラーR1により転写材Pを給紙し、レジ
ストローラーR2で一旦待機した後、画像書き込み準備
が完了した段階でレジストローラーR2を起動させ、印
字動作を開始する。この時、例えば複数枚の両面プリン
トの指令を受けた場合は、上記第5の実施例と同様に交
互給紙を行う。
【0090】本実施例では、上記実施例と同様に2面目
の後のレジストローラーR2の起動タイミング(p2−
p3)を遅くすることで印字間隔を長くするだけでな
く、1面目の後のレジストローラーR2の起動タイミン
グ(p1−p2,…pn−pn+1)を、片面のみの印
字時と比較しても短かくし、更に、2面目の後のレジス
トローラーR2の起動タイミングを印字枚数に応じて徐
々に短かくするものである。
【0091】具体例として上記実施例と同様に、画像形
成速度60mm/secのプリンターを例にとると、片
面のみの印字では印字間隔を50mm、多重又は両面印
字時には、第1回目の印字後の印字間隔を40mmと
し、多重又は両面印字後の印字間隔は、最初の3枚目
(第1回目の印字を含めると本実施例の様な交互給紙系
では7イメージ目に相当する)までは150mm、4枚
目から8枚目(9イメージから17イメージ)までは1
00mm、9枚目以降(19イメージ以降)は60mm
に設定する。
【0092】このように、第1回目印字後の印字間隔を
短くし、更に多重又は両面印字後の印字間隔を、印字枚
数に応じて短くしていくことで、多量に印字する場合
(本実施例では20イメージ以上)にもスループットは
片面印字のみの場合と比して殆ど同じになる。
【0093】更に、多重又は両面印字後の次の転写材で
発生する線状オフセットも、以下に述べる理由で、印字
枚数に従って印字間隔を短くしたとしても、発生しな
い。
【0094】図14は、印字動作中の加熱ローラー表面
電位をモニターしたグラフである。ここで、図14
(A)は最初に(3イメージ目)多重又は両面印字した
転写材Pが通過した時の表面電位の状態を示し、図14
(B)は9枚目(19イメージ目)が通過した時の表面
電位を示す。これら(A),(B)のグラフの比較から
判るように、印字枚数が増すと剥離部における電位ピー
ク部の絶対値は変わらないが、全体の電位が上昇するた
めに、電位ピーク部と他の部分の電位差が小さくなって
いることが判る。
【0095】本発明者等の検討では、線状オフセットに
ついては、電位ピーク部と他の部分との電位差がその発
生に対する支配的要因であることが判っており、この結
果、印字枚数が増せば、電位ピーク値は小さくなること
により、減衰時間が短くなっても線状オフセットの発生
を防止することが可能となる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
重又は両面印字が可能な画像形成装置において、ひとた
び加熱定着装置を通過して高抵抗化した転写材による加
熱回転体の表層フッ素樹脂層の帯電を、印字終了後又は
印字中において加熱状態で十分な電位減衰を行わせるこ
とにより、特別な除電手段等を用いることなく、加熱回
転体の帯電によるオフセット現象を簡易に防止すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の断面構成図で
ある。
【図2】本発明を適用した加熱定着装置の断面構成図で
ある。
【図3】第1の実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図4】第1の実施例の作用・効果を実証するための実
験データとして、加熱ローラーの表面電位の推移を示し
た線図である。
【図5】第2の実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図6】第2の実施例の制御手順を説明するための図で
ある。
【図7】第3の実施例による加熱定着装置を示す断面構
成図である。
【図8】第3の実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図9】第3の実施例の制御手順を説明するための図で
ある。
【図10】第4の実施例の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図11】第5の実施例を説明するためのタイミング図
である。
【図12】第5の実施例における加熱ローラーの表面電
位の推移を示した線図である。
【図13】第6の実施例を説明するためのタイミング図
である。
【図14】第6の実施例における加熱ローラーの表面電
位の推移を示した線図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 5 現像器 6 転写ローラー 7 クリーニング装置 9 加熱定着装置 10 給紙カセット P 転写材 M レーザービームプリンター M1 本体部 M2 多重・両面ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 正美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真プロセスを用いて転写材への両
    面または多重プリントが可能な画像形成装置において、 前記転写材に対する画像記録の終了後は、所定の制御シ
    ーケンスに従って加熱定着手段の加熱状態を継続する手
    段を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、所定時間の経過後は
    前記加熱定着手段への通電を遮断することを特徴とする
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記加熱定着手段に
    おける加熱状態継続時間を複数有することを特徴とする
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、待機モード継続時間
    が所定の節電時間より長い場合には節電モードに入り、
    前記加熱定着手段への通電を遮断することを特徴とする
    画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記節電時間は多重
    ・両面ユニットが装着されているか否かに応じて変更設
    定されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、多重または両面プリ
    ントの状況に応じて前記節電モードに入るタイミングを
    制御することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 像担持体上に電子写真プロセスにより形
    成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写
    材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段とを有し、
    1回目の帯電から定着に至る画像形成プロセスが完了し
    た転写材に対し、再度同じ画像形成プロセスを繰り返
    し、両面または多重プリントを行うことが可能な画像形
    成装置において、 画像形成終了後、前記加熱定着手段の加熱状態を継続す
    ると同時に、所定時間経過後に前記加熱定着手段への通
    電を遮断する手段を具備したことを特徴とする画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記加熱定着手段の
    加熱状態継続時間を複数有することを特徴とする画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、両面または多重プリ
    ントの為の転写材搬送部が画像形成装置に対して装着脱
    可能なユニットとなっており、画像形成終了後、前記加
    熱定着手段の加熱状態を継続すると同時に、該加熱状態
    継続時間を該両面または多重印字ユニット装着時には長
    く設定することを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、画像形成終了後、
    前記加熱定着手段の加熱状態を継続すると同時に、印字
    モードに応じて加熱状態継続時間を変えることを特徴と
    する画像形成装置。
  11. 【請求項11】 像担持体上に電子写真プロセスにより
    形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転
    写材上のトナー像を加熱定着する加熱定着手段とを有
    し、1回目の帯電から定着に至る画像形成プロセスが完
    了した転写材に対し、再度同じ画像形成プロセスを繰り
    返し、両面または多重プリントを行うことが可能な画像
    形成装置において、 複数枚のプリント動作を行う際に、2回目の画像形成プ
    ロセスの後の次の画像形成プロセスのプリント間隔を、
    他のプリントモードにおけるプリント間隔に比して長く
    設定する手段を具備したことを特徴とする画像形成装
    置。
JP01906996A 1996-02-05 1996-02-05 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3420418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01906996A JP3420418B2 (ja) 1996-02-05 1996-02-05 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01906996A JP3420418B2 (ja) 1996-02-05 1996-02-05 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09212034A true JPH09212034A (ja) 1997-08-15
JP3420418B2 JP3420418B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=11989153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01906996A Expired - Fee Related JP3420418B2 (ja) 1996-02-05 1996-02-05 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3420418B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011203440A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Sharp Corp 画像形成装置
JP2013097165A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Kyocera Document Solutions Inc 画像形成装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10620055B2 (en) * 2017-08-14 2020-04-14 Maverick Industries, Inc. Cooking thermometers and multi-function cooking tools having count-up timers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011203440A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Sharp Corp 画像形成装置
JP2013097165A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Kyocera Document Solutions Inc 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3420418B2 (ja) 2003-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4498369B2 (ja) 像加熱装置及びこの像加熱装置に用いられる可撓性スリーブ
JP2007249186A5 (ja)
JP2004046089A (ja) 定着装置及び該定着装置を有する画像形成装置
JP2007163591A (ja) 定着装置およびそれを備えてなる画像形成装置、定着装置の制御方法
JP3977200B2 (ja) 像加熱装置
JP2000047533A (ja) 画像形成装置
JP3420418B2 (ja) 画像形成装置
JPH02162382A (ja) 定着装置
JPH10321352A (ja) ヒータ、加熱装置及び画像形成装置
JP2006133471A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2004302152A (ja) 画像形成装置
JP2002311749A (ja) 画像形成装置
JPS6364058A (ja) 画像形成装置
JP2003076198A (ja) 画像形成装置
JP2000112279A (ja) 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置
JP2000250374A (ja) 画像形成装置
JPH09325643A (ja) 画像形成装置
JPH11327352A (ja) 両面画像形成装置
JP4280386B2 (ja) 画像形成装置
JP2003280442A (ja) 像加熱装置
JP4865159B2 (ja) 画像形成装置
JP2004127700A (ja) 加熱装置
JP2003263050A (ja) 画像形成装置
JP2000010426A (ja) 画像形成装置
JP2004177853A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees