JPH0921196A - 電波吸収壁 - Google Patents

電波吸収壁

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JPH0921196A
JPH0921196A JP19614295A JP19614295A JPH0921196A JP H0921196 A JPH0921196 A JP H0921196A JP 19614295 A JP19614295 A JP 19614295A JP 19614295 A JP19614295 A JP 19614295A JP H0921196 A JPH0921196 A JP H0921196A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェライトタイルそれ自体でコンクリート乃
至モルタルとの間の付着力を持たせ、且つ外装部材とし
て一般的な外装タイル等の利用を可能にすると共に要求
に応じ塗料等の利用も可能にし、電波吸収壁のコスト低
減と利用範囲の拡大を図る。 【構成】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方向に
不連続にフェライトタイル11を配置してコンクリート
4に固定する場合において、前記フェライトタイル11
の電界方向の両端部に、電波到来方向よりみて前面12
より後退した段差面13aを持つ段差部13をそれぞれ
形成した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TVゴースト防止
等の建造物の電波反射防止策として、建造物の外壁面に
用いられる建材用の電波吸収壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フェライトタイルを用いたTVゴ
ースト防止用電波吸収壁として、図9のようにフェライ
トタイルを到来電波に対し磁界方向に連続に、電界方向
に一定の間隔を設けて配置しコンクリートを打設したコ
ンクリート一体型のプレキャスト・カーテンウォール構
造の電波吸収パネルが知られている。すなわち、この電
波吸収パネルは、金属反射メッシュ(電波反射体)をな
す鉄筋2の前面にフェライトタイル1(例えば縦横寸法
10cm×10cmの方形板)を磁界方向に連続に、電界方
向に不連続となるように配置し、フェライトタイル1の
落下防止のための特殊足付き外装タイル3をフェライト
タイル1の前面に被せ、背面側にコンクリート4を打設
した構造となっている。
【0003】フェライトとコンクリート乃至モルタルと
の相性は悪く、フェライトのコンクリート乃至モルタル
に対する付着力は極めて悪い。従って、フェライトタイ
ルの固定は、図9にその一例を示したように特殊足付き
外装タイル3によって行われている。この特殊足付き外
装タイル3は普通の外装タイルの両端部に背後に延長す
る足を一体に形成したもので、これらの足によりフェラ
イトタイル1及び特殊足付き外装タイル自体をコンクリ
ート4に固定している。
【0004】また、本出願人提案の実開平6−8639
8号の電波吸収パネルでは、特殊足付き外装タイルの代
わりに両端部にシヤーコネクタを取り付けた外装タイル
を用いてフェライトタイルをコンクリート乃至モルタル
に固定する構造が示されている。この電波吸収パネル
は、図10及び図11に示すように、金属反射メッシュ
(電波反射体)をなす鉄筋2の前面にフェライトタイル
1(例えば縦横寸法10cm×10cmの方形板)を磁界方
向に連続に、電界方向に不連続となるように配置し、フ
ェライトタイル1の落下防止のためのシヤーコネクタ付
き外装タイル5をフェライトタイル1の前面に被せ、背
面側にコンクリート4を打設した構造となっている。こ
の場合、外装タイル5の両端部のシヤーコネクタ6がフ
ェライトタイル1の間隙を通じてコンクリート4中に埋
設されることになり、フェライトタイル1及び外装タイ
ル5を挟持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9の従来
の電波吸収パネルは、特殊足付き外装タイルを用いるた
め、一般の外装部材に比較し大幅なコスト高となる問題
がある。
【0006】また、図10乃至図11に示す他の従来構
造でも、シヤーコネクタ付き外装タイル5が両端部にシ
ヤーコネクタ6を装着したものであり、加工コストが高
くなる問題がある。
【0007】本発明は、現状の電波吸収壁の最大課題で
あるコスト低減を目的に、その根本原因であるフェライ
トとコンクリート乃至モルタルとの相性の悪さから来る
付着力の課題について、フェライトタイルそれ自体でコ
ンクリート乃至モルタルとの間の付着力を持たせ、且つ
外装部材として一般的な外装タイル等の利用を可能にす
ると共に要求に応じ塗料等の利用も可能にし、電波吸収
壁のコスト低減と利用範囲の拡大を図るものである。
【0008】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の発明の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フェライト
とコンクリート乃至モルタルとの相性の悪さの解決のた
めに、(1)従来技術のシヤーコネクタ等、すなわち外装
部材の固定強化のためのコネクタ類は断面凸型乃至逆三
角形状を有し、固定しようとする対象物に差し込まれて
固定されるようになっていること、(2)電波吸収体とし
てのフェライトタイルは外装タイル等と比較して一般に
厚みが大きく、約9mm乃至11mm程度であること、(3)
従来の特殊足付き外装タイルのコンクリートとの付着強
度等の実験により両足が7mm程度コンクリートに埋没さ
れていれば十分建材としての強度確保が可能であるこ
と、(4)フェライトタイルを磁界方向に連続化するため
の図12の如き相じゃくり形状が一時検討されたこと
(実公昭55−52717号)等を参考にフェライトタ
イル形状を工夫することでコンクリート乃至モルタルに
対して付着強度を持たせることを検討し、フェライトタ
イルの製造方法をも考慮した。そして、従来の単純な角
板形状に対し、フェライトタイルの相対する2組の側面
のうちの一方の相対する側面に段差部を設け、他方は従
来のように前後面に対し直角面とし、段差部のある側面
側を到来電波の電界方向に間隙を設けて配置すること
で、到来電波の磁界方向にはフェライトタイルを相互に
密着でき、フェライト電波吸収体の基本条件である磁界
方向での連続化が図られること、付着強度もフェライト
タイルが10mm程度コンクリート乃至モルタルに埋没す
ることで建材として要求される強度も十分確保し得るこ
とが確認された。
【0010】従来、フェライトタイルは磁界連続化を実
現することが最大の課題で、この対策のためにフェライ
トタイルの形状について多くの提案がなされている。し
かし、現状では、磁界方向の接合面を前後面に対し直角
面とした連続化が最も単純で且つ接合面も各フェライト
タイル毎の動きを固定化することで、十分磁気特性が確
保され、特に到来電波の偏波面が固定されているTV電
波等では磁界方向も固定され、フェライトタイルの2組
の相対する側面のうちの一方のみ直角面を有しておれば
よく、もう一方の相対する側面はどのような形状でも選
択可能である。
【0011】以上の点を踏まえ、本発明は、到来電波の
磁界方向に連続、かつ電界方向に不連続にフェライトタ
イルを配置してコンクリート乃至モルタルに固定してな
る電波吸収壁において、前記フェライトタイルの電界方
向の両端部に、電波到来方向よりみて前面より後退した
段差面を持つ段差部をそれぞれ形成した構成としてい
る。
【0012】また、前記段差部を形成したフェライトタ
イルに外装部材を接着一体化して、前記コンクリート乃
至モルタルを打設してもよい。
【0013】さらに、前記コンクリート乃至モルタルに
絶縁性の繊維強化材を混入した構成としてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電波吸収壁の
実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】図1は本発明に係る電波吸収壁の第1の実
施の形態であって、TVゴースト等の到来電波の偏波面
固定の場合におけるコンクリート一体型のプレキャスト
・カーテンウォール構造の電波吸収パネルを示し、図2
は第1の実施の形態で使用するフェライトタイルの形
状、図3は該フェライトタイルを磁界方向に連続化した
状態を示す。
【0016】これらの図において、各フェライトタイル
11は、厚みが約9mm乃至11mm程度であり、到来電波
の電界方向の両端部に、電波到来方向よりみて前面12
より後退した段差面13aを持つ段差部13をそれぞれ
形成し、電界方向断面を凸型形状としたものである。段
差面13aは前面12と後面14との中間位置であり、
前面12及び後面14と略平行な面である。また、フェ
ライトタイル11のプレス成形が可能なように、前面1
2と段差面13aとを連絡している段差部側面13b及
びフェライトタイル11の電界方向両端面15はフェラ
イトタイル11の電界方向の横幅が前面12に向かって
狭くなる向きに僅かに傾斜していることが望ましく、段
差面13aと段差部側面13bとの接続部分は多少丸み
を付けることが望ましい。なお、各フェライトタイル1
1の到来電波の磁界方向の両端面は、図2及び図3に示
すように、前面12及び後面14に対する単純な直角面
16となっている。
【0017】また、陶磁器等の外装タイル20はフェラ
イトタイル11の電界方向の横幅よりも大きい横幅を有
する一般的な方形板のものであり、後面にコンクリート
に対する付着性を良くするための凹凸21が形成されて
いる(但し、フェライトタイル11に対接する部分は凹
凸不要)。
【0018】そして、金属反射メッシュ(電波反射体)
をなす鉄筋2の前面に図2の如き段差部13付きのフェ
ライトタイル11(例えば縦横寸法10cm×10cm)を
図3のように磁界方向に連続に、電界方向に不連続とな
るように配置し、フェライトタイル11の前面に外装タ
イル20を被せ、背面側にコンクリート(又はモルタ
ル)4を打設して鉄筋2、フェライトタイル11及び外
装タイル20を一体化する。外装タイル20間の隙間
(目地部分)には目地材22を充填して雨水の浸入を防
止する。
【0019】この場合、コンクリート4がフェライトタ
イル11の電界方向両端部の段差部13に入り込み、フ
ェライトタイル11の脱落を確実に防止するとともに、
外装タイル20の後面とコンクリート4との接触面積を
増加させて外装タイル20の付着強度を十分なものとし
ている。
【0020】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0021】(1) フェライトタイル11が到来電波の
電界方向両端部に段差面13aを有する段差部13を形
成したものであるため、コンクリート4を打設した際
に、段差部13にコンクリート4が入り込み、コンクリ
ート4に対しフェライトタイル11自体を確実に固着一
体化できる。
【0022】(2) フェライトタイル11自体がコンク
リート4に確実に固定されるため、外装部材として特殊
な形状なものは不要であり、一般的な外装タイル20を
使用でき、電波吸収壁の原価低減を図ることができる。
【0023】(3) 電界方向両端部に段差面13aを持
つ段差部13を形成したフェライトタイル11の製造
は、プレス成形で量産性良く実行でき、フェライトタイ
ル11自体の製造コストも安価にできる。
【0024】(4) コンクリート4の打設時に、フェラ
イトタイル11の段差部13にコンクリート4が回り込
むが、この段差部13に入ったコンクリート4は、外装
タイル20の後面にも接して付着することになり、外装
タイル20のコンクリート4への付着面積を増大させる
ことができ、外装タイル20の固着も確実に実施でき
る。
【0025】図4は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合、陶磁器等の外装タイル30間の間隙である目
地部分がフェライトタイル11の前面中間位置となるよ
うにして、鉄筋2、フェライトタイル11及び外装タイ
ル30を一体化するために打設されたコンクリート4に
対する外装タイル30の付着面積を増大させている。な
お、外装タイル30はフェライトタイル11の電界方向
の横幅よりも大きい横幅を有する一般的な方形板のもの
であり、後面にコンクリートに対する付着性を良くする
ための凹凸31が形成されている(但し、フェライトタ
イル11に対接する部分は凹凸不要)。また、外装タイ
ル30間の隙間(目地部分)には目地材22を充填して
雨水の浸入を防止する。その他の構成、及び作用効果は
前述の第1の実施の形態と同様である。
【0026】図5は本発明の第3の実施の形態を示す。
この場合、陶磁器等の外装タイル20とフェライトタイ
ル11の前面12間に接着剤からなる接着層25を介在
させて、コンクリート4の打設前に予め外装タイル20
とフェライトタイル11とを接着剤からなる接着層25
で相互に接着一体化している。前記外装タイル20の凹
凸21はフェライトタイル11の前面12から外れた部
分に設けるようにする。なお、その他の構成は前述した
第1の実施の形態と同様である。
【0027】この第3の実施の形態によれば、外装タイ
ル20はコンクリート4への付着に加えて、コンクリー
ト4に一体化されたフェライトタイル11の前面12に
接着層25で接着されるため、外装タイル20のコンク
リート4側への固着強度をいっそう大きくすることがで
きる。また、外装タイル20の前面12が接着層25で
覆われているので、外装タイル20間の隙間から浸入す
る雨水によりフェライトタイル11が劣化(特に磁気特
性の劣化)するのを防止できる。
【0028】図6は本発明の第4の実施の形態を示す。
この場合、陶磁器等の外装タイルとて中間部にシヤーコ
ネクタ41を設けたシヤーコネクタ付き外装タイル40
を用いている。そして、シヤーコネクタ付き外装タイル
40間の間隙である目地部分がフェライトタイル11の
前面中間位置となりかつシヤーコネクタ41がフェライ
トタイル11の電界方向間隙を通過するようにして、鉄
筋2、フェライトタイル11及び外装タイル40をコン
クリート4を打設することで一体化する。なお、シヤー
コネクタ41の外装タイル40への装着は、図11の従
来例の側断面図と同様に外装タイル40の上下端面の穴
にシヤーコネクタ41の上下折り曲げ端部を差し込み、
シヤーコネクタ41の弾性で外装タイル40を挟持する
ことにより行うことができる。なお、外装タイル40の
後面には凹凸43が形成され、外装タイル間に目地材4
2が設けられている。その他の構成は前述の第1の実施
の形態と同様である。
【0029】この第4の実施の形態によれば、シヤーコ
ネクタ付き外装タイル40の目地部分をフェライトタイ
ル11の前面中間位置することでコンクリート4に対す
る外装タイル40の付着面積を増大させるとともに、外
装タイル40の中間位置に一体化されたシヤーコネクタ
41がフェライトタイル11の背後のコンクリート4中
に深く埋没するため、外装タイル40のコンクリート4
に対する固着強度をいっそう大きくすることができる。
とくに、超高層ビル等の火災等の災害時における外装タ
イル落下防止に極めて有効である。また、フェライトタ
イル11自体の付着強度は十分確保されるため、外装タ
イル40自体の剥離、落下防止のみを考慮すればよく、
シヤーコネクタ41を外装タイル40の電界方向横幅の
中間位置に1個設ける構成とすることが可能で、従来の
図10の外装タイル1個当たりシヤーコネクタ2個の構
成に比べて加工工程が半分で済み、歩留まりも大幅に向
上し、原価低減を図ることができる。
【0030】図7は本発明の第5の実施の形態を示す。
この場合、陶磁器等の外装タイルは使用せず、外装材と
して塗料を塗布してなる塗装層50を設けるとともに、
コンクリートとしてガラス繊維、プラスチック繊維等の
電気抵抗率の高い絶縁性繊維強化材(短繊維であっても
繊維布であってもよい)を混入した繊維強化コンクリー
ト54を使用している。すなわち、鉄筋2の前面に図2
の段差部付きのフェライトタイル11を図3のように磁
界方向に連続に、電界方向に不連続となるように配置
し、フェライトタイル11の電界方向間隙部及びフェラ
イトタイル11の背面側に繊維強化コンクリート54を
打設して鉄筋2及びフェライトタイル11を一体化す
る。その後、防水性及び耐候性に優れた塗料を電波到来
方向よりみて前面となるフェライトタイル11及び繊維
強化コンクリート54の外面に塗布して外装材としての
塗装層50を形成し、フェライトタイル11及び繊維強
化コンクリート54の雨水による劣化を防止する。
【0031】この第5の実施の形態によれば、外装タイ
ルを使用しないので、安価かつ軽量の電波吸収パネルを
作製することが可能であり、利用範囲の拡大を図ること
ができる。また、反射メッシュとしての鉄筋2と繊維強
化コンクリート54の使用により十分な強度確保が可能
であり、ビルの外壁のみならず鉄骨支柱、鉄塔等の外装
壁としての利用も可能である。
【0032】図8は本発明の各実施の形態で使用可能な
フェライトタイル61で、厚みが約9mm乃至11mm程度
であり、到来電波の電界方向の両端部に、電波到来方向
よりみて前面62より後退した傾斜段差面63aを持つ
段差部63をそれぞれ形成し、電界方向断面を凸型形状
としたものである。傾斜段差面63aは前面62と後面
64との中間位置であり、段差部63の形成により残っ
た両端部の薄肉部67が両端に向けて肉厚が減じるよう
に傾斜している。また、フェライトタイル61のプレス
成形が可能なように、前面62と傾斜段差面63aとを
連絡している段差部側面63b及びフェライトタイル6
1の電界方向両端面65はフェライトタイル61の電界
方向の横幅が前面62に向かって狭くなる向きに僅かに
傾斜していることが望ましい。なお、フェライトタイル
61の到来電波の磁界方向の両端面は、前述したフェラ
イトタイル11と同様に前面62及び後面64に対する
単純な直角面となっている。
【0033】図8のフェライトタイルの変形例の場合、
傾斜段差面63aを持つ段差部63とすることで、薄肉
部67が先細となっているため、段差部63の形成に起
因するクラック発生を防止できる効果がある。また、コ
ンクリートの段差部63への回り込みがいっそう良好と
なる。
【0034】なお、第1乃至第4の実施の形態において
も繊維強化コンクリートを使用して軽量化を図ることが
できる。
【0035】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電波吸収
壁によれば、到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方向
に不連続にフェライトタイルを配置してコンクリート乃
至モルタルに固定してなる構成において、前記フェライ
トタイルの電界方向の両端部に、電波到来方向よりみて
前面より後退した段差面を持つ段差部をそれぞれ形成し
たので、コンクリート乃至モルタル打設時に段差部内に
コンクリート乃至モルタルが入り込み、フェライトタイ
ルのコンクリート乃至モルタルへの固着を強固に行うこ
とができる。また、前記段差部内に入り込んだコンクリ
ート乃至モルタルは外装タイル等の外装部材の後面に付
着するので、外装タイル等の外装部材に対するコンクリ
ート乃至モルタルの付着面積を増大させて外装タイル等
の外装部材の固着強度を向上させることができる。この
ため、従来技術のように外装部材として特殊足付き外装
タイルを採用する必要がなく、一般的な外装タイルを使
用でき、原価低減が可能である。また、フェライトタイ
ルの段差部の形成は、フェライトタイルをプレス成形す
る際に同時に形成できるので、段差部付きフェライトタ
イルを安価に作製できる。
【0037】また、外装タイルを用いないで外装材とし
て塗料を塗布した塗装層を設ける構成とすることも可能
であり、軽量化や原価低減を図ることができるととも
に、利用範囲の拡大を図る上でも有効である。
【0038】さらに、プラスチック、ガラス等の高抵抗
短繊維乃至繊維布等の繊維強化材をコンクリートに混入
した繊維強化コンクリートを使用することもでき、軽量
化及び利用範囲の拡大を図る上で有効である。
【0039】このように、本発明に係る電波吸収壁は、
今後200m以上の超高層ビルの災害対策を考慮した電
波吸収パネルへの実用化につながる優れた作用効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波吸収壁の第1の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。
【図2】第1の実施の形態で用いるフェライトタイルの
斜視図である。
【図3】第1の実施の形態においてフェライトタイルを
磁界方向に連続化した状態の斜視図である。
【図4】本発明に係る電波吸収壁の第2の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。
【図5】本発明に係る電波吸収壁の第3の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。
【図6】本発明に係る電波吸収壁の第4の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。
【図7】本発明に係る電波吸収壁の第5の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。
【図8】各実施の形態で使用可能なフェライトタイルの
変形例を示す平断面図である。
【図9】従来の電波吸収壁であって、特殊足付き外装タ
イルを用いたコンクリート一体型のプレキャスト・カー
テンウォール構造の電波吸収パネルを示す斜視図であ
る。
【図10】電波吸収壁としての電波吸収パネルの他の従
来例を示す平断面図である。
【図11】同側断面図である。
【図12】磁界方向連続化のためのフェライトタイルの
相じゃくり構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11,61 フェライトタイル 2 鉄筋 3,5,20,30,40 外装タイル 4 コンクリート 6,41 シヤーコネクタ 12,62 前面 13,63 段差部 13a,63a 段差面 14,64 後面 15,65 電界方向両端面 16 直角面 21,31,43 凹凸 22 目地材 25 接着層 50 塗装層 54 繊維強化コンクリート 67 薄肉部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方
    向に不連続にフェライトタイルを配置してコンクリート
    乃至モルタルに固定してなる電波吸収壁において、 前記フェライトタイルの電界方向の両端部に、電波到来
    方向よりみて前面より後退した段差面を持つ段差部をそ
    れぞれ形成したことを特徴とする電波吸収壁。
  2. 【請求項2】 前記段差部を形成したフェライトタイル
    に外装部材を接着一体化して、前記コンクリート乃至モ
    ルタルを打設してなる請求項1記載の電波吸収壁。
  3. 【請求項3】 前記コンクリート乃至モルタルに絶縁性
    の繊維強化材が混入されている請求項1又は2記載の電
    波吸収壁。
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