JPH09210588A - 内面溝付伝熱管の製造方法 - Google Patents

内面溝付伝熱管の製造方法

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JPH09210588A
JPH09210588A JP2026496A JP2026496A JPH09210588A JP H09210588 A JPH09210588 A JP H09210588A JP 2026496 A JP2026496 A JP 2026496A JP 2026496 A JP2026496 A JP 2026496A JP H09210588 A JPH09210588 A JP H09210588A
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transfer tube
fin
fins
strip material
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JP2026496A
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English (en)
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俊▲緑▼ ▲すくも▼田
Toshitsuka Sukumoda
Atsushi Miyauchi
淳 宮内
Fumio Takahashi
文夫 高橋
Kotaro Nagahara
孝太郎 永原
Haruo Kono
晴夫 幸野
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細く高いフィンを有する内面溝付伝熱管を低
コストで高い信頼性を以て製造できる内面溝付伝熱管の
製造方法を提供する。 【解決手段】 銅または銅合金製の素材を冷間圧延によ
り加工硬化させて板条材Tを作成する工程と、加工硬化
させた板条材Tを走行させつつ、少なくとも一対のフィ
ン形成ロール14,16間を通して、板条材の少なくと
も一面にフィン2および溝3を形成するフィン形成工程
と、フィン2および溝3が形成された板条材Tを、複数
のフォーミングロール20を通して管状に成形する管成
形工程と、管状に成形された板条材Tの両端縁を加熱し
たうえ突き合わせて溶接する溶接工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電縫管方式を採用
した内面溝付伝熱管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷蔵装置等の熱交換器において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状の溝を形成することにより、溝同士の間に螺旋状
のフィンを形成した伝熱管が広く市販されている。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙って螺旋溝およびフィンを転造する方法により
製造されており、一般に使用されている外径10mm程
度の伝熱管では、フィンの高さは0.15〜0.20m
m、フィンのピッチ(隣接するフィンの頂点間の距離)
は0.45〜0.55mm、フィン間に形成された溝の
底幅は0.2〜0.3mm、個々のフィンの両側面のな
す角度は50〜60゜程度とされている。なお、フロー
ティングプラグを使用した引き抜き加工では、上記範囲
以上に高く細いフィンを形成することは技術的に困難で
ある。
【0004】ところで、上記のような内面溝付伝熱管を
凝縮管として使用する場合、伝熱管の一端から熱媒気体
を導入し、その熱を放出させつつ凝縮させ、他端から熱
媒液体を排出するのであるが、この過程における凝縮効
率を高めるには、フィンの高さを大きくしてフィンの頂
点部分での液切れを良くし、フィンと熱媒気体との直接
接触を促進することが有効と考えられる。
【0005】そこで本発明者らは、シームレスパイプの
代わりに、長尺の金属板条材をその幅方向へ丸めて突き
合わせた両側縁を溶接し、金属管を得る「電縫管方式」
を細径の伝熱管製造に採用することにより、伝熱管内面
のフィンを従来以上に高くすることを試みた。電縫管方
式によれば、内面に形成すべきフィンを金属板条材の状
態の時に転造加工でき、伝熱管の外径に拘わり無く背の
高いフィンを形成できるからである。
【0006】しかし現実には、単にフィンを従来より高
く形成したとしても、伝熱管の凝縮効率はあまり向上し
ないことが確認された。この原因について本発明者らは
詳細な検討を試み、次のような知見を得るに至った。す
なわち、従来の内面溝付伝熱管では、フィンの断面形状
が頂角の大きい三角形状をなしているため、伝熱管内を
高速で流れる熱媒蒸気の風圧により溝内の熱媒液体がフ
ィンの緩い傾斜面に沿って吹き上げられ、伝熱管の先端
部が熱媒液体に覆われてしまい、フィンの先端部を露出
させる効果が小さい。これにより、熱交換効率の向上効
果が制限されていたのである。
【0007】そこで本発明者らは、図6に例示するよう
に、フィンを高くするだけでなく細くすることを試みて
いる。この図に示す伝熱管1は断面円形の金属管であ
り、その内面のほぼ全域に亙って、管軸に対して一定角
度をなす互いに平行なフィン2が螺旋状に多数形成さ
れ、隣り合うフィン2の間はそれぞれ螺旋溝3となって
いる。このような伝熱管1において、フィン2の両側面
のなす角度が40゜未満であると、伝熱管内を高速で流
れる熱媒蒸気の風圧により溝内の熱媒液体がフィンの側
面に沿って吹き上げられにくく、熱交換効率が高いこと
が本発明者らの実験から判明している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に細く高いフィン2を有する伝熱管を製造する場合、以
下のような特有の問題があることが判明した。伝熱管1
の製造方法において、銅または銅合金製の板条材にフィ
ン2および螺旋溝3を形成するには、図7に示すように
溝付ロール6および平滑ロール7の間に板条材Tを通し
て転造を行うのであるが、転造溝8が狭くて深いため
に、材料が転造溝8の奥まで進入せずに、板条材Tの面
方向へ流れやすく、フィン2の高さが不足する現象が生
じやすい。
【0009】本発明者らがこの現象について詳細に検討
したところ、次のような原因が判明した。すなわち、従
来の伝熱管製造方法では、圧延製造された板条材を焼鈍
により軟化させてからフィンを転造していたのである
が、このように焼鈍してからフィン転造を行うと、転造
時の圧下力は小さくて済むものの、板条材の面方向へ材
料流れが生じやすく、細く高いフィンを形成しにくい。
一方、従来の常識には反するが、板条材を加工硬化させ
てから溝加工を行ったところ、板条材の面方向へ材料が
流れずに、材料が転造溝の奥まで進入しやすく、細く高
いフィンを形成しやすいことを見いだしたのである。
【0010】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、細く高いフィンを有する内面溝付伝熱管を低コスト
で高い信頼性を以て製造できる内面溝付伝熱管の製造方
法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る内面溝付管の製造方法は、銅または銅
合金製の素材を冷間圧延により加工硬化させて板条材を
作成する工程と、前記加工硬化させた板条材を走行させ
つつ、少なくとも一対のフィン形成ロール間を通して、
前記板条材の少なくとも一面にフィンを形成するフィン
形成工程と、前記フィンが形成された板条材を、複数の
フォーミングロールを通して管状に成形する管成形工程
と、管状に成形された前記板条材の両端縁を加熱したう
え突き合わせて溶接する溶接工程とを具備することを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る内面溝付伝
熱管の製造方法の一実施形態を実施するために使用され
る装置の一例を示す正面図である。始めに、この装置の
構成を説明すると、図中符号10は一定幅の板条材Tを
連続的に繰り出すアンコイラであり、繰り出された板条
材Tは一対の押さえロール12を経て、対をなす溝付ロ
ール14および平滑ロール16(これらをフィン形成ロ
ールと総称する)の間を通され、溝付ロール14により
フィン2および螺旋溝3が形成される。なお、この実施
形態では、板条材Tの表面S1にのみフィン2および螺
旋溝3が形成され、裏面S2は平滑のままにされる。
【0013】溝付ロール14および平滑ロール16は、
図2および図3に示すように、それぞれシャフト34,
36を介してフレーム38に回転自在に支持されてい
る。溝付ロール14および平滑ロール16は板条材Tの
走行と同期するように駆動されてもよいし、駆動されず
に従動回転するだけでもよい。
【0014】溝付ロール14は、図4に示すように、外
周面に転造溝40が形成された溝付ロール本体14A
と、その両側に固定された一対のサイドロール14Bと
を具備し、転造溝40により板条材Tにはフィン2が形
成される一方、転造溝40の間の突条部42により螺旋
溝3が形成される。この例の突条部42の先端エッジは
面取りされているが、面取りされていなくてもよい。
【0015】この装置においては、望ましくは伝熱管1
内面に形成するフィン2を高く細いものとするため、図
5(転造溝40の長手方向に対して直交する断面図)に
示すように、転造溝40の両側面のなす角度αが10〜
40゜、より好ましくは15〜30゜、さらに好ましく
は15〜25゜とされている。この角度αが10゜未満
であると電縫管方式を以てしても製造が困難であり、4
0゜以上であると、熱交換効率の飛躍的な向上が図れな
いためである。但し、本発明は上記範囲に限定されるも
のではない。
【0016】図5に示すように、転造溝40の深さDと
転造溝40の開口幅Wとの比は、必ずしも本発明では限
定されないが、1.1:1〜2.5:1であることが好
ましく、より好ましくは1.2:1〜2.3:1、さら
に好ましくは1.3:1〜2.2:1とされている。形
成されるフィン2の肉厚が薄いほど、螺旋溝3の容積が
相対的に増してフィン2の先端における排液性が向上
し、熱交換効率を高めることができるからである。な
お、開口幅Wは、転造溝40の長手方向に対して垂直な
方向に測定した値とし、転造溝40の両側エッジが面取
りされている場合には、転造溝40の側面の延長面と突
条部42の先端面との交差線を測定の基準点とする。
【0017】サイドロール14Bの外周面は、軸方向外
側へ向けて外径が縮小するテーパ面とされているが、こ
れは、図4に示すように、板条材Tにフィン2を形成す
るときに板条材Tの両側縁部44がサイドロール14B
側へ反り返ることを考慮したものである。
【0018】溝付ロール14および平滑ロール16によ
り溝加工された板条材Tは、図1に示すように、一対の
ロール18を経て、複数対配列されたフォーミングロー
ル20を通して徐々に管状に丸められ、ローリングセパ
レータ21により突き合わせるべき両端縁間の間隙量が
一定に保たれたうえ、誘導加熱コイル22に通されて両
側縁部が加熱される。管状に成形され加熱された板条材
Tは、一対のスクイズロール24を通され、両側方から
押されることにより加熱された両側縁部が突き合わさ
れ、溶接される。こうして溶接された伝熱管Pの外周面
には、はみ出した溶融材料によりビードが形成されるの
で、このビードを切削するためのビードカッタ26が設
けられている。
【0019】ビードが切削された伝熱管Pは冷却槽28
を通されて強制冷却されたうえ、複数対配列されたサイ
ジングロール30を通され、所定の外径までに縮径され
るようになっている。こうして縮径された伝熱管Pは、
ラフコイラ32で巻き取られる。
【0020】次に、上記装置を用いた、本発明に係る内
面溝付伝熱管の製造方法の一実施形態を説明する。この
方法ではまず、銅または銅合金製の素材を冷間圧延によ
り加工硬化させて板条材を作成する。素材としては、銅
または銅合金であればいかなる材質も使用可能である
が、特に、伝熱管の材質として多用されている脱酸銅
(例えばJIS1220合金)が本発明には好適であ
る。しかし、本発明はこの材料のみに限定されるもので
はなく、無酸素銅,タフピッチ銅,黄銅,丹銅,アドミ
ラルティ黄銅などに適用した場合にも同様の効果が得ら
れる。
【0021】板条材Tを製造するには、板製造工程にお
いて冷間圧延後に還元焼鈍された板素材を改めて最終冷
間圧延することにより、所定の厚さにするとともに加工
硬化させてもよいし、板製造工程での冷間圧延後に焼鈍
を行わず、直接、加工硬化した板条材Tを得てもよい。
【0022】いずれの材料においても、加工硬化後の板
条材Tのビッカース硬度は65〜150Hvであること
が好ましく、さらに好ましくは70〜120Hvとされ
る。65〜150Hvの範囲であると、細く高いフィン
を製造する場合にも転造溝8の内部への材料流れを促進
して、製造コストが低減できるからである。但し、これ
らの範囲外であっても本発明の効果は得られる。
【0023】溝付ロール14により溝転造を行うに先立
ち、板条材Tの両面S1,S2の表面粗さを0.05〜
0.30μmRaに設定しておくことが望ましい。その
理由は、表面粗さを上記範囲にすると、板条材Tを加工
硬化させたこととも相まって板条材Tの伸びが適正に制
限され、材料が板条材Tと平行な方向へ流れずに転造溝
40内に流れ込む傾向がさらに増し、細く高いフィンを
形成する場合にもフィンの転造不良が防止できる効果が
増すからである。より好ましい板条材Tの表面粗さの範
囲は0.07〜0.20μmRa、さらに好ましくは
0.10〜0.17μmRaである。
【0024】なお、従来は板条材の表面粗さが留意され
ていなかったため、0.05μmRaより遥かに細かい
ものが使用されており、焼鈍後の柔らかい板条材を使用
していたこととも相まって、転造時に板条材Tと平行な
方向へ材料流れが生じやすく、細く高いフィンを形成す
ることがより困難であった。
【0025】板条材Tの表面粗さは両面S1,S2で揃
っていることが好ましいが、前記範囲内であれば同一で
なくてもよい。板条材Tの表面粗さを上記範囲内にする
手段としては、従来使用されているいかなる研磨法、表
面処理法等も使用可能であり、特に限定されない。
【0026】この実施形態の方法を一般的な外径3〜1
5mm程度の伝熱管製造に適用する場合には、フィン形
成前の板条材Tの厚さは0.3〜1.2mmであること
が好ましく、かつ転造溝40の深さ(=フィン2の高
さ)は板条材Tの前記厚さの40〜60%であることが
好ましい。
【0027】また、この場合、図4および図5に示す溝
付ロール14の突条部42の先端面の表面粗さは0.3
〜1.2μmRaであることが望ましく、より好ましく
は0.5〜1.0μmRaとされる。突条部42の先端
面は螺旋溝3の底面を形成する部分であり、板条材Tそ
のものの表面粗さと同様、板条材Tの伸びに対し影響を
与える。突条部42の先端面の表面粗さが前記範囲内で
あると、板条材Tを加工硬化させたこととも相まって、
転造不良の発生を防止する効果がいっそう高く、溝転造
に要する駆動力も小さくて済む。平滑ロール16の外周
面の表面粗さも0.3〜1.2μmRaであることが望
ましい。
【0028】上記のような板条材Tおよび転造条件を採
用し、図1に示す装置でフィン形成および電縫加工を行
う場合の手順および他の加工条件は従来と同様でよい。
すなわち、前記のように加工硬化させた一定幅の板条材
Tをアンコイラ10から連続的に繰り出し、繰り出され
た板条材Tを一対の押さえロール12を経て、溝付ロー
ル14と平滑ロール16との間に通し、溝付ロール14
によりフィン2および螺旋溝3を形成する。
【0029】溝加工された板条材Tを、図1に示すよう
に、一対のロール18および複数対配列されたフォーミ
ングロール20を通して徐々に管状に丸めたうえ、ロー
リングセパレータ21により突き合わせるべき両端縁間
の距離(間隙量)を一定に保つ。その上で、誘導加熱コ
イル22に通して両側縁部を加熱し、さらに一対のスク
イズロール24を通して両側方から押すことにより両側
縁部を突き合わせて溶接する。伝熱管Pの外周面にはみ
出した溶融材料はビードとなるため、このビードをビー
ドカッタ26で切削する。
【0030】ビードが切削された伝熱管Pを冷却槽28
に通して強制冷却し、複数対配列されたサイジングロー
ル30を通して、所定の外径までに縮径する。こうして
縮径された伝熱管Pを、ラフコイラ32で巻き取る。但
し、上記工程は図1の装置を使用した場合のものであ
り、装置の構成に合わせて変更してよいことは勿論であ
る。
【0031】上記構成からなるこの実施形態の内面溝付
伝熱管の製造方法によれば、板条材Tとして、加工硬化
させた銅または銅合金製の素材を使用するから、溝付ロ
ール14によりフィン2および螺旋溝3を形成する際
に、材料が板条材Tと平行な方向へ過剰に流れることが
防止でき、転造溝40内への材料進入を容易化して、細
く高いフィンを形成することが可能になる。
【0032】また、製造装置の構成そのものは従来のも
のと同一でよいので、設備コストを増すことはない。し
たがって、熱交換性能の優れた内面溝付伝熱管を、安い
製造コストで製造できるという優れた効果を奏する。
【0033】なお、上記実施形態では、伝熱管1の内面
にのみフィン2および螺旋溝3を形成していたが、本発
明を応用して伝熱管の外面、または内面および外面にフ
ィンや溝を形成することも可能である。また、上記実施
形態では、溝付ロール14により1段階の溝転造を行っ
ていたが、溝付ロールを2つ以上使用して2段階以上に
溝形成を行い、2種の溝を交差させた交差溝を伝熱管の
内面および/または外面に形成することも可能であり、
この場合にも上述したものと同様の効果が得られる。さ
らに、本発明の方法によれば、板条材の全幅に亙って延
びる螺旋状のフィンや螺旋溝を形成するだけでなく、複
数に分割された短いフィンを千鳥状または螺旋線に沿っ
て多数形成することも可能である。
【0034】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証す
る。 [実験1]脱酸銅(C1220)製の焼鈍した板条材
(50Hv前後)により試料1〜9を作成した。なお、
焼鈍条件は400℃×30分とした。加熱試料1,2は
そのまま、試料3〜9には圧下率が互いに異なる条件で
冷間圧延加工を行って加工硬化させたのち、表面粗さを
整えた。こうして得られた試料1〜9を用い、図1に示
す装置により内面溝付伝熱管の製造を行った。その際、
溝付ロール14のロール圧下力は、試料の硬度に応じて
経験的に最も良好な転造結果が得られる圧下力に設定し
た。また、溝付ロール14および平滑ロール16の外周
面粗さは、0.83μmRaとした。
【0035】目的とする内面溝付伝熱管の形状は、以下
の通りである。 外径:φ9.52mm フィンを除いた金属管の肉厚:0.30mm フィンの管内周面からの高さ:0.26mm 管断面におけるフィンの本数(条数):65 フィンの両側面のなす角度(頂角):20゜ フィンの管軸に対する螺旋角(リード角):18゜
【0036】結果を表1に示す。「合否」とは転造され
たフィンの形状が目標値を満たしているか否かを示して
いる。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、加工硬化させた
試料3〜7においては、目標形状に近い良好な転造結果
が得られた。一方、加工硬化させていない試料1,2で
は材料が水平方向に流れて十分に高いフィンが形成でき
なかった。また、過剰に加工硬化させた試料8,9で
も、十分に高いフィンが形成できなかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る内面
溝付伝熱管の製造方法は、冷間圧延により加工硬化させ
た板条材を使用するから、フィン形成ロールによりフィ
ンを転造する際に、板条材と平行な方向へ材料が過剰に
流れることが防止でき、フィン形成ロールの転造溝内へ
の材料進入を容易化して、細く高いフィンを形成するこ
とが可能となる。したがって、熱交換性能の優れた内面
溝付伝熱管を効率よく製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内面溝付伝熱管の製造方法の一実
施形態に使用される装置を示す側面図である。
【図2】同装置のフィン形成ロール周辺を示す側面図で
ある。
【図3】同装置のフィン形成ロール周辺を示す正面図で
ある。
【図4】同装置のフィン形成ロールを示す縦断面図であ
る。
【図5】同装置のフィン形成ロールによるフィン転造状
態を示す断面拡大図である。
【図6】本発明の方法により得られる内面溝付伝熱管の
一例を示す断面図である。
【図7】従来の方法の問題点を示すフィン転造状態を示
す断面拡大図である。
【符号の説明】
1,P 伝熱管 2 フィン 3 螺旋溝 4 溶接部 5 フィン無し部分 T 加工硬化された板条材 S1,S2 板条材の両面 14 溝付ロール(フィン形成ロール) 16 平滑ロール(フィン形成ロール) 20 フォーミングロール 40 転造溝 42 突条部 α 転造溝の両側面のなす角度 D 転造溝の深さ W 転造溝の開口幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永原 孝太郎 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 幸野 晴夫 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金製の素材を冷間圧延によ
    り加工硬化させて板条材を作成する工程と、 前記加工硬化させた板条材を走行させつつ、少なくとも
    一対のフィン形成ロール間を通して、前記板条材の少な
    くとも一面にフィンを形成するフィン形成工程と、 前記フィンが形成された板条材を、複数のフォーミング
    ロールを通して管状に成形する管成形工程と、 管状に成形された前記板条材の両端縁を加熱したうえ突
    き合わせて溶接する溶接工程とを具備することを特徴と
    する内面溝付伝熱管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フィン形成工程により、前記加工硬
    化した板条材の初期厚さの40%以上の高さを有するフ
    ィンを形成することを特徴とする請求項1記載の内面溝
    付伝熱管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フィン形成工程に先立ち、前記板条
    材の両面の表面粗さを0.05〜0.30μmRaにす
    ることを特徴とする請求項1または2記載の内面溝付伝
    熱管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記素材の材質として脱酸銅を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内面
    溝付伝熱管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加工硬化された板条材のビッカース
    硬度が65〜150Hvであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の内面溝付伝熱管の製造方法。
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