JPH09209173A - 抗菌・防カビ性及び耐摩耗性に優れたセラミックス被覆金属成形部品 - Google Patents

抗菌・防カビ性及び耐摩耗性に優れたセラミックス被覆金属成形部品

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JPH09209173A
JPH09209173A JP8040559A JP4055996A JPH09209173A JP H09209173 A JPH09209173 A JP H09209173A JP 8040559 A JP8040559 A JP 8040559A JP 4055996 A JP4055996 A JP 4055996A JP H09209173 A JPH09209173 A JP H09209173A
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JP
Japan
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antibacterial
ceramic layer
metal
ceramic
wear resistance
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Withdrawn
Application number
JP8040559A
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English (en)
Inventor
Kenji Sakado
健二 坂戸
Etsuko Kobayashi
恵津子 小林
Setsuko Koura
節子 小浦
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れ、長期間にわたって安定した
抗菌・防カビ作用を持続する金属成形部品を提供する。 【構成】 担持量0.1〜45%でイオン化された抗菌
性金属を含むセラミックス層が金属成形部品の全表面に
形成されている。抗菌金属には、Ag,Cu,Zn,S
n,Pb,Co及びBiから選ばれた1種又は2種以上
が使用される。セラミックス層には、ゼオライトを主成
分とするコーティング層がある。 【効果】 耐摩耗性に優れ長期間使用しても皮膜厚みの
減少がほとんどなく、長期間にわたって高位に安定した
抗菌・防カビ作用を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌・防カビ性及び耐
摩耗性に優れたセラミックス層でコーティングされたセ
ラミックス被覆金属成形部品に関する。
【0002】
【従来の技術】流し台等の表面は、細菌が繁殖し易い湿
潤環境に曝される。細菌の発生は、流し台表面を常に乾
燥雰囲気に維持することによりある程度防止できるが、
そのためには日常の管理に多大の負担がかかる。また、
上水管路等のように湿気を抜き取り難い内壁面等に発生
した菌類が流水に随伴され、飲み水に混入する虞れもあ
る。流水に混入した菌類は、活性炭等のフィルタである
程度除去できるが、フィルタ自体に細菌が溜ることから
フィルタの定期的な取り替えが必要になる。細菌の繁殖
は、空調機器の普及によっても促進される傾向にある。
すなわち、空調機器によって室内環境が一定に維持され
ることから、湿度の高い浴槽,流し台,その周辺機器は
細菌の繁殖に一層適した環境になる。
【0003】衛生面が重視される病院や保養施設等の手
摺り,ドアノブ,内装材の表面等では、細菌のない清潔
な状態に維持されることが必要である。清潔さが要求さ
れる素材として、各分野で種々の抗菌性素材が開発され
ている。抗菌性素材としては、抗菌性元素のイオンや樹
脂をセラミックスに担持させたものが一般的である。担
持されたイオンは、水中に溶出し、湿潤環境にいる細菌
に対して効力を発現する。抗菌性金属元素の代表的なも
のにAgやCuがある。たとえば、Agは、硝酸銀等の
水溶液の形態で消毒剤として汎用されている。抗菌剤コ
ーティングにより抗菌性を付与した金属板も知られてい
る。たとえば、特開平6−25897号公報では、無機
系抗菌剤及びフッ素化合物を含む金属めっきが紹介され
ている。また、特開平5−309328号公報では、抗
菌剤粒子及び防汚剤を配合した塗膜を金属表面に形成し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】粉末状の抗菌剤を使用
してプラスチック練り込みにより抗菌コーティングを施
すとき、コーティング樹脂に含まれる抗菌剤の含有量は
せいぜい数%程度であり、表面に露出する抗菌剤が極く
微量になる。そのため、形成されたコーティング層の抗
菌作用が速効性に劣る。抗菌剤を含む塗料をコーティン
グした金属板,抗菌剤を含むニッケルめっき層等が形成
された金属板も知られているが、抗菌剤の含有量が少な
いことから、高い抗菌作用が得られない。また、手摺り
等の金属成形部品をコーティングした場合、コーティン
グ層から抗菌剤が摩耗によって欠落し、抗菌性が持続さ
れない虞れもある。本発明は、このような問題を解消す
べく案出されたものであり、抗菌性金属を電荷を持った
状態で担持したセラミックス層を金属成形部品の表面に
形成することにより、耐摩耗性に優れ、長期間にわたっ
て安定した抗菌作用を持続させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックス被
覆金属成形部品は、その目的を達成するため、担持量
0.1〜45%でイオン化された抗菌性金属を含むセラ
ミックス層が表面に形成されていることを特徴とする。
抗菌金属としては、Ag,Cu,Zn,Sn,Pb,C
o及びBiから選ばれた1種又は2種以上が使用され
る。セラミックス層には、ゼオライトを主成分とするコ
ーティング層がある。本発明に従った金属成形部品は、
表面全体が抗菌性をもつセラミックス層で覆われてお
り、菌類やカビ類に対して短時間で効力を発揮する。セ
ラミックス層が耐摩耗性に優れ、且つ抗菌性金属の溶出
が極く微量であることから、長期間にわたって優れた抗
菌・防カビ作用が持続する。
【0006】セラミックス層に担持させる抗菌性金属元
素の担持量は、0.1%以上が必要である。しかし、4
5%を超える担持量では、担持に長時間を要し、また担
持自体が困難になる。コーティング法は、抗菌性金属元
素が酸化しない温度,具体的には700℃以下の温度で
セラミックスを金属表面に密着性良く焼き付ける限り、
特にその方法に拘束を受けるものではない。形成される
セラミックス層は、抗菌作用を呈する表面積を大きくす
る上から、多孔質のものほど好ましい。この点、泳動電
着法,ゾル−ゲル法等で金属成形部品の表面に付着させ
たセラミックスを低温加熱する方法が好適である。
【0007】
【実施の形態】抗菌性金属としてのAgをゼオライトに
担持させた場合を例にとって、本発明を具体的に説明す
る。ゼオライトは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
の結晶性アルミノケイ酸塩であって、SiO4 四面体の
4頂点にある酸素原子の全てが共有された三次元の骨格
構造をもち、一部のSi原子がAl原子で置換されてい
る。ゼオライト骨格構造にあるAl原子は、Si原子の
酸化数+4よりも1低い酸化数+3であり、電気的に中
和し安定化するため、負の電荷を補う当量の陽イオンが
導入される。この陽イオンをAgイオンと置換すると
き、電荷をもったAgイオンが保持される。
【0008】電荷を持ったAgイオンは、強い抗菌作用
を呈する。強い抗菌作用は、菌の細胞膜に拡散吸着した
Agイオンが細胞膜を破壊し、細胞の新陳代謝を不能に
すると共に、菌の分解に有効な活性酸素がAgイオンに
よって生成されること等に由来する。Agイオンの抗菌
作用は、溶出によって殺菌作用を示すものと異なり、周
辺にきた菌に対し殺菌性を呈する。金属成形部品の全表
面に施された抗菌性セラミックス層は、700℃以下の
加熱によって金属成形部品の表面に焼き付けられる。加
熱温度が低いので、焼付け時の酸化が抑制されてAgイ
オンのままで保持されるので、焼付けによっても抗菌性
が劣化しない。本発明に従った金属成形部品は、抗菌性
粉末を樹脂やニッケルめっき層中に分散させたものと異
なり、表面全てがAgを担持したゼオライトで被覆され
ている。したがって、ゼオライト自体の優れた耐摩耗性
が活かされ、しかもゼオライトに担持されたAgが長期
間にわたって抗菌作用を持続する。この点、抗菌剤含有
塗装鋼板,金属めっき鋼板等にあっては2〜3%程度の
含有量では十分な抗菌効果が得られないが、本発明に従
ったAg担持コーティング層は、金属抗菌剤で覆われる
ことになるため十分な抗菌作用を発揮する。
【0009】
【実施例】
実施例1:ステンレス鋼SUS430でできた直径30
mm,長さ1mの手摺りに、ゾルゲル浴を用いたスプレ
ー法でゼオライトコーティングを施した。500℃で焼
成した後、0.3MのAgNO3 溶液に30秒間浸漬す
ることにより、ゼオライト層中にAgを導入した。この
ように処理された手摺りを部屋内に取り付け、1年間使
用した。1年後に皮膜の状態を観察した結果、摩耗によ
る皮膜厚みの減少がみられなかった。また、手摺りに3
0分で50人の手が接触するように使用し、接触後6時
間おいて溶液で洗い出し、寒天培地で37℃に保持して
培養した。コーティングを施さない手摺りでは24時間
後で菌の繁殖が検出されたが、コーティング処理を施し
た手摺りでは24時間後にも菌の繁殖がみられなかっ
た。
【0010】実施例2:1Mアルミニウムイソプロポキ
シド,1.25Mオルトケイ酸テトラエチル,1Mナト
リウムメトキシドを溶媒としての15Mブチルセルソル
ブに溶解することにより、ゾルゲル浴を調整した。厨芥
処理装置に設けられているゴミカゴを、図1に示すよう
にステンレス鋼SUS430製のパンチングメタル1で
作製し、ゾルゲル浴に浸漬し、パンチングメタル1の全
表面にゼオライトコーティングを施した。次いで、40
0℃で焼成した後、0.3M硝酸銀溶液に60秒間浸漬
し、ゼオライト中に銀を導入した。処理後のゴミカゴを
観察すると、図2に示すようにパンチングメタル1の孔
部2をつぶすことなく、孔部内壁もAg担持ゼオライト
コーティング層3で均一に被覆されていた。コーティン
グ処理が施されていないゴミカゴでは、数日間の使用に
よって細菌やカビが繁殖し、孔部2が塞がれてしまっ
た。また、嫌悪感を催すヌメリがゴミカゴ表面に発生し
た。これに対し、コーティング処理を施したゴミカゴを
同じ環境で使用した場合、1か月経過した時点でも孔部
2の閉塞がなく、ヌメリもみられなかった。また、たわ
し,スポンジ等でゴミカゴを洗っても、Ag担持ゼオラ
イトコーティング層3に剥離や厚み減少が生じなかっ
た。
【0011】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、電荷をもった状態で抗菌性金属を担持したセラミッ
クス層を金属成形部品の表面に形成することにより、耐
摩耗性に優れ、長期間にわたって安定した抗菌・防カビ
作用が発揮される。そのため、医療器具,厨房器具,厨
芥処理設備,内装品,建材等の広範な分野において、衛
生面に優れた製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した厨芥処理設備のゴミカゴ
【図2】 ゴミカゴを構成するパンチングメタルに施し
たAg担持ゼオライトコーティング層
【符号の説明】
1:パンチングメタル 2:孔部 3:Ag担持ゼオライトコーティング層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 303 B05D 7/24 303C B32B 15/04 B32B 15/04 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持量0.1〜45%でイオン化された
    抗菌性金属を含むセラミックス層が表面に形成されてい
    る抗菌・防カビ性及び耐摩耗性に優れたセラミックス被
    覆金属成形部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抗菌金属がAg,Cu,
    Zn,Sn,Pb,Co及びBiから選ばれた1種又は
    2種以上であるセラミックス被覆金属成形部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセラミックス層がゼオラ
    イトを主成分とするセラミックス被覆金属成形部品。
JP8040559A 1996-02-02 1996-02-02 抗菌・防カビ性及び耐摩耗性に優れたセラミックス被覆金属成形部品 Withdrawn JPH09209173A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025898A1 (fr) * 1997-11-14 1999-05-27 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Procede de production d'articles metalliques antimicrobiens et articles metalliques antimicrobiens produits selon ledit procede
JP2006063427A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Takasago Tekko Kk 耐テンパーカラー性の優れたステンレス鋼
JP2020025608A (ja) * 2018-08-09 2020-02-20 株式会社ニコン 抗菌膜を有する部材、及びその製造方法

Cited By (4)

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US6180162B1 (en) 1997-11-14 2001-01-30 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Method of producing antimicrobial metal articles and antimicrobial metal articles produced by the method
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