JPH09208911A - 無電解めっき用接着剤および多層プリント配線板 - Google Patents

無電解めっき用接着剤および多層プリント配線板

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JPH09208911A
JPH09208911A JP3713496A JP3713496A JPH09208911A JP H09208911 A JPH09208911 A JP H09208911A JP 3713496 A JP3713496 A JP 3713496A JP 3713496 A JP3713496 A JP 3713496A JP H09208911 A JPH09208911 A JP H09208911A
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JP
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resin
adhesive
electroless plating
acid
heat
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JP3713496A
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Inventor
Akihiko Goto
彰彦 後藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/07Treatments involving liquids, e.g. plating, rinsing
    • H05K2203/0756Uses of liquids, e.g. rinsing, coating, dissolving
    • H05K2203/0773Dissolving the filler without dissolving the matrix material; Dissolving the matrix material without dissolving the filler

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒
子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬化
液に分散されてなる無電解めっき用接着剤において、前
記酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂は、熱硬化性
樹脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱可塑性
樹脂を含まないものであり、かつ前記耐熱性樹脂の未硬
化液には、25℃で液状の硬化剤を含有してなることを
特徴とする無電解めっき用接着剤、並びに該無電解めっ
き用接着剤が硬化してなる樹脂からなる層間絶縁材層を
有する多層プリント配線板。 【効果】本発明の無電解めっき用接着剤および多層プリ
ント配線板によれば、接続信頼性を確保でき、特に直径
が100μm未満の小径のバイアホールの場合でもピッ
トによる断線を防止でき、また高温、高湿度下で使用し
ても層間絶縁を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解めっき用接着
剤および多層プリント配線板に関する。さらに詳しく
は、ビルドアップ法に用いられる無電解めっき用接着剤
及びそれを用いて得られる多層プリント配線板に関し、
特に層間のショートがなく、断線などがない信頼性に優
れた多層プリント配線板、及びその製造に用いられる無
電解めっき用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板の製造方法として
は、銅張積層板をエッチングして導体回路を形成する、
いわゆるサブトラクティブ法が使用されていた(伊藤謹
司編著「プリント配線技術読本」、日刊工業新聞社、P
7)。
【0003】また、多層プリント配線板の製造方法とし
ては、導体箔が形成された基板上をエッチングした回路
基板と未硬化の樹脂を含浸したガラスクロスからなるプ
リプレグを交互に積層し、これを加熱加圧して一体成形
した後、ドリルで穴をあけ、ここに無電解めっきを施し
てスルーホールを形成するラミネーティング法が一般的
であった(「多層プリント配線板ステップ365」工業
調査会、P129〜130、および伊藤謹司編著「プリ
ント配線技術読本」、日刊工業新聞社、P8)。
【0004】しかしながら、サブトラクティブ法では、
導体回路をエッチングで形成するため、アンダーカット
と呼ばれるオーバーエッチングが見られ、そのため、細
い配線をエッチングで作成することは困難であった。そ
のため、高密度化を図ることができなかった。
【0005】また、ラミネーティング法では、上層と下
層との接続を貫通するスルーホールで行うことになるた
め、本来スルーホールが必要のない部分まで貫通孔によ
りスペースを奪われ、配線の高密度化ができなかった。
【0006】そこで、基板上に触媒核を付与した後、め
っきレジストを形成し、無電解めっき処理することによ
り、導体回路を形成する、いわゆるアディティブ法が提
案されている(伊藤謹司編著「プリント配線技術読
本」、日刊工業新聞社、P7)。このアディティブ法で
は、無電解めっきにより導体回路を形成するため、アン
ダーカットが見られず、細線を形成でき、高密度化を実
現できる。
【0007】一方、導体回路を成形した基板上に感光性
の層間絶縁材層を形成し、露光、現像して開口部を形成
し、アディティブ法によりその部分に導体(バイアホー
ル)を形成しつつ導体回路を形成し、さらにこの上に感
光性の層間絶縁材層を形成して、同様にして導体回路と
バイアホールを形成する、いわゆるビルドアップ法が提
案されている(特公平4−55555号、USP505
5321号)。このビルドアップ法では、上層と下層と
の接続は、その間の絶縁材層のみを貫通するバイアホー
ルで行われるため、スルーホールのようなスペースの無
駄がなく、高密度化を実現できる。
【0008】このような、アディティブ法、ビルドアッ
プ法による配線板は、無電解めっきにより析出される導
体回路と基板との密着性を向上させるために、無電解め
っき用接着剤という絶縁材を必要とする。この無電解め
っき用接着剤としては、特公平5−18476号公報、
特公平4−55555号公報、USP5055321号
明細書に記載のように、酸化剤等に溶けやすい樹脂粒子
と酸化剤等に溶けにくい樹脂マトリックスからなるもの
が知られており、これを酸化剤等で処理すると、酸化剤
等に溶けやすい樹脂粒子が溶けて、表面に細かいアンカ
ーが形成され、このアンカー面に無電解めっきすること
により、無電解めっき膜との密着強度が格段に向上す
る。また、樹脂マトリックスとして、熱可塑性樹脂との
複合体を形成することにより、靱性を改善してピール強
度を向上させようとする技術が、特開平7−34048
号公報に記載されている。しかしながら、この特開平7
−34048号公報に記載された技術では、直鎖高分子
からなる熱可塑性樹脂を複合化させているため、感光性
樹脂の解像度が十分ではなく、80〜90μmの小径の
バイアホールを形成することが困難である。
【0009】一般に、小径のバイアホールを形成する場
合には、熱可塑性樹脂を複合化させずに、また耐酸化
剤、耐酸性を考慮して熱硬化性樹脂を感光化したものが
主成分として使用される。また、残存する熱硬化性樹脂
の官能基を硬化させる硬化剤が必要となるが、樹脂組成
物の寿命(ポットライフ)を考慮して粉末状の硬化剤が
使用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法により、実際に配線板を製造してみると、バイアホー
ル壁面となる層間絶縁材として用いた無電解めっき用接
着剤が除去されてしまい、層間絶縁が失われたり、無電
解めっき用接着剤の表面にピットと呼ばれる窪みが発生
して導体回路が断線したりするといった問題が生じる。
特に小径のバイアホールの場合は、このような不良は致
命的であった。
【0011】そこで本発明の目的は、かかる課題を解決
すべく、層間絶縁の信頼性の確保とピットの防止と高
温、高湿度下でのプリント配線板の絶縁抵抗の確保が可
能な、無電解めっき用接着剤およびそれを用いて得られ
る多層プリント配線板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題の原因を追求したところ、硬化剤として使用している
イミダゾール系硬化剤が、接着剤組成物の寿命を伸ばす
ために粉末結晶が使用されているが(例えばUSP50
55321号の実施例1の四国化成のイミダゾール系硬
化剤、商品名2P4MHZなど)、この粉末結晶が硬化
後にも残存し、粗化処理の酸化剤により溶解除去され
て、無電解めっき用接着剤(絶縁層)の除去やピットと
呼ばれる窪みが発生していることを見出した。また、高
温、高湿度下で多層プリント配線板を使用すると、層間
絶縁抵抗が低下することが確認されているが、粉末状の
硬化剤が抵抗値の減少に関与していることも見出した。
本発明は以上の知見に基づき完成されたものである。
【0013】即ち、本発明の要旨は、 (1) 酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子
が、酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬化液
に分散されてなる無電解めっき用接着剤において、前記
酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂は、熱硬化性樹
脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱可塑性樹
脂を含まないものであり、かつ前記耐熱性樹脂の未硬化
液には、25℃で液状の硬化剤を含有してなることを特
徴とする無電解めっき用接着剤、 (2) 硬化剤がイミダゾール系硬化剤である前記
(1)記載の無電解めっき用接着剤、 (3) イミダゾール系硬化剤が、下記の式(1)、
(2)、及び(3)からなる群より選ばれる少なくとも
1種である前記(2)記載の無電解めっき用接着剤、
【0014】
【化2】
【0015】(4) 前記酸あるいは酸化剤に難溶性の
耐熱性樹脂は、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と感光性モノ
マーの混合樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と熱硬化性樹
脂の混合樹脂、又は 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、熱硬化性樹
脂および感光性モノマーの混合樹脂、のいずれか1つで
ある前記(1)記載の無電解めっき用接着剤、 (5) 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、およびフェノール
樹脂からなる群より選ばれる1種以上である前記(4)
記載の無電解めっき用接着剤、 (6) 少なくとも層間絶縁材層と導体回路が交互に積
層されてなり、該層間絶縁材層には、直径100μm未
満の開口部が設けられ、該開口部に形成されるバイアホ
ールを介して上層と下層の導体回路が電気的に接続され
てなる多層プリント配線板において、前記層間絶縁材層
が、熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂を含むととも
に、熱可塑性樹脂を含まないものであり、かつ25℃で
液状の硬化剤を用いて硬化された樹脂よりなることを特
徴とする多層プリント配線板、 (7) 少なくとも層間絶縁材層と導体回路が交互に積
層されてなり、該層間絶縁材層には、直径100μm未
満の開口部が設けられ、該開口部に形成されるバイアホ
ールを介して上層と下層の導体回路が電気的に接続され
てなる多層プリント配線板において、前記層間絶縁材層
が、前記(1)〜(5)いずれか記載の無電解めっき用
接着剤が硬化してなる樹脂からなることを特徴とする多
層プリント配線板、に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の無電解めっき用接
着剤について詳細に説明する。本発明の無電解めっき用
接着剤は、酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子
が、酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬化液
に分散されてなる無電解めっき用接着剤において、前記
酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂は、熱硬化性樹
脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱可塑性樹
脂を含まないものであり、かつ前記耐熱性樹脂の未硬化
液には、25℃で液状の硬化剤を含有してなることを特
徴とするものである。
【0017】本発明では、樹脂マトリックスとして、熱
硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱
可塑性樹脂を含まないものを使用しており、耐酸化剤、
耐酸性に優れ、硬化後に粗化処理しても樹脂マトリック
スが溶解することはなく、明確なアンカーを形成でき
る。また、熱可塑性樹脂を複合させないため、解像度が
高く、直径が100μm未満、例えば50〜90μm程
度の小径のバイアホールを容易に形成できる。さらに、
25℃で液状の硬化剤を使用するため、未硬化の樹脂オ
リゴマー分子中に均一分散した状態で存在し、これを硬
化させても硬化物中に均一分散された状態で存在する。
このため、粉末硬化剤のように結晶体で局在化(不均一
化)して存在することがない。
【0018】そのため、酸や酸化剤で粗化処理しても、
硬化剤の結晶体が溶解して絶縁材層や無電解めっき用接
着剤層に孔やピットが発生することがなく、このため導
体回路が断線したり、層間絶縁が破壊されることがな
い。
【0019】また、粉末状の硬化剤は、未反応の状態で
硬化後の樹脂中に残存するため、高温、高湿度下で電圧
を印加すると、銅導体を腐食させたり、銅導体と反応を
起こして、イオンを発生させて、層間の絶縁抵抗を低下
させることがあるが、本発明で用いる液状の硬化剤は、
このような未反応状態では残留しないので、層間の絶縁
抵抗を維持できる。
【0020】本発明の液状硬化剤は、25℃で液状のも
のであればいずれの公知の硬化剤も使用できるが、例え
ばイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤のうち25℃
で液状のものが挙げられる。本発明では特に、下記の理
由より液状のイミダゾール系硬化剤であることが望まし
い。
【0021】エポキシ基などを有する熱硬化性樹脂の硬
化剤としては、酸無水物やイミダゾール系硬化剤がある
が、酸無水物を使用すると、下記の化学反応を生じる。
【0022】
【化3】
【0023】ところが、この硬化物は、そのエステル構
造により塩基性条件で加水分解を生じるため、耐アルカ
リ性に乏しい。無電解めっき液は金属錯体形成の必要か
ら強塩基性であり、無電解めっき用接着剤、多層プリン
ト配線板の絶縁材、多層プリント配線板の層間絶縁材と
も耐塩基性が要求される。
【0024】一方、イミダゾール系硬化剤の反応は、下
記の化学反応に従うため、エステル構造が生じないた
め、耐塩基性にも優れる。
【0025】
【化4】
【0026】また、無電解めっき用接着剤、多層プリン
ト配線板の層間絶縁材ともその表面を酸あるいは酸化剤
で粗化処理するため、酸や酸化剤に難溶性でなければな
らない。イミダゾール系硬化剤により硬化された硬化物
は、酸や酸化剤に対しても比較的安定である。
【0027】液状イミダゾール系硬化剤としては、下記
の式(1)、(2)、及び(3)からなる群より選ばれ
る少なくとも1種が望ましい。
【0028】
【化5】
【0029】これらは、すべて常温(25℃)で液状で
あり、無電解めっき用接着剤の耐熱性樹脂マトリックス
中でも、多層プリント配線板の樹脂絶縁材中でも、多層
プリント配線板の層間絶縁材中でも均一分散し、また、
その硬化物は耐塩基性、耐酸性、耐酸化剤特性に優れる
ものである。
【0030】これらはすべて市販品であり、式(1)の
化合物は、四国化成製で商品名2E4MZ−CNであ
り、式(2)の化合物は、四国化成製で商品名2PHZ
−CN、式(3)の化合物は、四国化成製で商品名1B
2MZである。
【0031】以上のような硬化剤は、酸あるいは酸化剤
に可溶性の耐熱性樹脂粒子が分散した、酸あるいは酸化
剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬化液100重量部に対し
て、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは3〜7
重量部用いられる。1重量部より少ないと、硬化反応が
好適に進行せず、10重量部より多いと、残留硬化剤に
よる反応阻害により、耐酸化剤、耐酸性が低下する。
【0032】上記の硬化剤を含有してなる耐熱性樹脂の
未硬化液は、耐熱性樹脂の比較的低分子量物(モノマ
ー、オリゴマー、プレポリマー等)を含有する未硬化の
液体であり、耐熱性樹脂としては、熱硬化性樹脂を感光
化した感光性樹脂を使用できる。当該熱硬化性樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド
トリアジン樹脂、およびフェノール樹脂からなる群より
選ばれる1種以上が好ましい。
【0033】前記酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹
脂は、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と感光性モノ
マーの混合樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と熱硬化性樹
脂の混合樹脂、又は 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、熱硬化性樹
脂および感光性モノマーの混合樹脂、のいずれか1つで
あることが望ましい。特にの樹脂は、解像度に優れ、
の樹脂は強度を付加でき、の樹脂は、強度、解像度
を上げることができる。
【0034】使用される感光性モノマーとしては、エポ
キシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタン
アクリレート、ポリエステルアクリレート、イソシアヌ
レート、ペンタエリストール等がある。また、混合され
る熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、あるいはビスフェノールF型エポキシ樹脂が望ま
しい。靱性を改善できるからである。
【0035】熱硬化性樹脂を感光化する方法としては、
熱硬化性樹脂の官能基と2重結合を有する反応性化合物
とを反応させて熱硬化性樹脂に2重結合を導入したりす
る方法等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂をア
クリル酸やメタクリル酸などと反応させたエポキシアク
リレートやエポキシアクリレート等がよい。ここでエポ
キシアクリレート等は、全エポキシ基の20〜80モル
%がアクリル酸やメタクリル酸などと反応したものが望
ましい。
【0036】上記の耐熱性樹脂の未硬化液には、酸ある
いは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が分散されている
が、この耐熱性樹脂粒子としては、平均粒径が10μ
m以下の耐熱性樹脂粒子、平均粒径が2μm以下の耐
熱性樹脂粒子を凝集させて平均粒径が前記粒子の粒子径
の3倍以上の大きさとした凝集粒子、平均粒径が10
μm以下の耐熱性樹脂粒子と、平均粒径が前記粒子の粒
子径の1/5以下かつ2μm以下の耐熱性樹脂粒子との
混合物、平均粒径が2μm〜10μmの耐熱性樹脂粒
子の表面に、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粒子ま
たはシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子の
いずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子から
選ばれることが望ましい。これらは、複雑なアンカーを
形成できるからである。
【0037】酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒
子としては、エポキシ樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹
脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)などが好適に用いられ
る。なお、エポキシ樹脂は、そのオリゴマーの種類、硬
化剤の種類、架橋密度を変えることにより任意に酸や酸
化剤に対する溶解度を変えることができる。
【0038】例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
オリゴマーをアミン系硬化剤で硬化処理したものは、酸
化剤に溶解しやすい。しかし、ノボラックエポキシ樹脂
オリゴマーをイミダゾール系硬化剤で硬化させたもの
は、酸化剤に溶解しにくい。
【0039】以上のような耐熱性樹脂粒子は、酸あるい
は酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬化液100重量部
に対して、好ましくは5〜350重量部、より好ましく
は20〜200重量部用いられる。5重量部より少ない
と、表面粗化後のアンカーの密度が低くなり十分な接着
強度が得られず、350重量部より多いと、接着剤層の
ほとんどが溶解されるので明確なアンカーが形成されに
くい。
【0040】本発明の無電解めっき用接着剤は、無溶剤
でも溶媒を用いてもよいが、溶媒を用いる場合、メチル
エチルケトン、メチルセロソルブ、ブチルカルビトール
等の通常の溶媒が用いられる。
【0041】また、本発明の無電解めっき用接着剤に
は、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の充填剤の他、光
硬化開始剤、光開始助剤等を適宜配合してもよい。
【0042】光硬化開始剤としては、ベンゾイソブチ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシア
セトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフ
ェノン、ヒドロキシアセトフェノン等の分子内結合開裂
型、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベ
ロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサ
ンソン等の分子間水素引抜型、のいずれか1種以上が好
適に用いられる。
【0043】光開始助剤としては、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、ミヒラーケトン、4,4−ジエチルアミノベン
ゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−
ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エ
チルヘキシル、重合性3級アミン等のいずれか1種以上
が用いられる。その他、表面調整剤、脱泡剤、増粘剤、
着色剤等を配合してもよい。
【0044】次に、本発明の多層プリント配線板につい
て詳細に説明する。本発明の多層プリント配線板は、ビ
ルドアップ法により導体回路が多層に形成されたもので
ある。
【0045】即ち、本発明の多層プリント配線板は、少
なくとも層間絶縁材層と導体回路が交互に積層されてな
り、該層間絶縁材層には、直径100μm未満の開口部
が設けられ、該開口部に形成されるバイアホールを介し
て上層と下層の導体回路が電気的に接続されてなる多層
プリント配線板において、前記層間絶縁材層が、熱硬化
性樹脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱可塑
性樹脂を含まないものであり、かつ25℃で液状の硬化
剤を用いて硬化された樹脂よりなることを特徴とする。
【0046】本発明の多層プリント配線板は、前述の本
発明の無電解めっき用接着剤が硬化してなる樹脂が絶縁
材として用いられるのが好ましい。
【0047】本発明で使用される基板(コア材)は、ガ
ラスエポキシ基板、ポリイミド基板、セラミック基板、
金属基板などの基板を用いることができ、銅張積層板を
エッチングして銅パターンとするか、上記の基板に無電
解めっき用接着剤層を形成し、これを粗化して粗化面を
形成し、ここに無電解めっきを施して銅パターン等とし
たものを用いることができる。
【0048】また、銅張積層板をエッチングして銅パタ
ーンとした場合は、無溶剤の絶縁樹脂(エポキシ樹脂や
ポリイミド樹脂)を塗布して、これを硬化した後、研磨
し、銅パターンを露出させて、基板を平滑化しておくこ
とが望ましい。基板を平滑化しておくと、その上に感光
性の絶縁層を形成する際に厚さが均一になるため、露
光、現像しやすい。
【0049】ついで、この基板の上に、絶縁材層あるい
は層間絶縁材層を形成する。これらの絶縁材層には、熱
硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱
可塑性樹脂を含まないものであり、かつ25℃で液状の
硬化剤を用いて硬化された樹脂が使用できる。また、感
光性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビ
スマレイミドトリアジン樹脂、フェノール樹脂などの熱
硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂が使用できる。
【0050】本発明においては、層間絶縁材層に開口部
を設けて、バイアホールを形成するが、直径が100μ
m未満の小径のバイアホールの場合にその効果が顕著で
ある。また、これらの表面を酸化剤、酸、アルカリなど
で粗化処理したものでもよい。絶縁材層の表面を粗化す
ることにより、この表面に形成される導体回路との接着
性を改善できる。
【0051】このような、絶縁材および層間絶縁材とし
ては、無電解めっき用接着剤が望ましく、本発明の無電
解めっき用接着剤が最適である。このものは、酸あるい
は酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子を溶解して除去する
ことにより、表面に蛸壺状のアンカーを形成でき、導体
回路との接着性を改善できるからである。
【0052】本発明において絶縁材層の表面を粗化する
場合、使用される酸は、リン酸、塩酸、硫酸等の無機
酸、又は蟻酸、酢酸などの有機酸があるが、特に有機酸
が望ましい。粗化処理した場合に、バイアホール用の開
口部から露出する金属導体層を腐食させにくいからであ
る。
【0053】また、酸化剤としては、クロム酸、過マン
ガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)等が望ましい。
特に、アミノ樹脂の樹脂粒子を溶解除去する場合は、酸
と酸化剤で交互に粗化処理することが望ましい。粗化処
理に使用される酸や酸化剤の使用量は、特に限定される
ものではなく、適宜決定される。
【0054】多層プリント配線板においては、層間絶縁
材層は、複数層でもよい。複数層にする場合は、次の形
態が例示される。 1)上層導体回路と下層導体回路の間に設けられてなる
層間絶縁材層において、上層導体回路に近い側を、本発
明の無電解めっき用接着剤とし、下層導体回路に近い側
を酸あるいは酸化剤に難溶性であって、感光性を有する
耐熱性樹脂とする2層構造としたもの。この形態では、
無電解めっき用接着剤層を酸や酸化剤で粗化処理しても
粗化しすぎて、層間を短絡させてしまうことがない。
【0055】2)上層導体回路と下層導体回路の間に設
けられてなる層間絶縁材層において、下層導体回路間の
凹部に充填樹脂材を埋め込み、下層導体回路とこの充填
樹脂材の表面を同一平面になるようにし、この上に酸あ
るいは酸化剤に難溶性であって、感光性を有する耐熱性
樹脂層を形成、さらにその上に本発明の無電解めっき用
接着剤を形成した3層構造としたもの。
【0056】下層導体回路間の凹部にに充填樹脂材を充
填しているため、感光化した樹脂層が平滑になり、厚さ
のバラツキにより生じる現像不良がない。また、充填樹
脂材にシリカなどの無機粒子を含有させることにより硬
化収縮を低減して基板の反りを防止できる。充填樹脂材
としては、無溶剤樹脂が望ましい。溶剤を使用すると、
加熱した場合に残留溶剤が気化して層間剥離の原因にな
るからである。充填樹脂材としては、無溶剤エポキシ樹
脂が最適である。
【0057】本発明では、表面を粗化した後、触媒核を
付与する。触媒核は、貴金属イオンやコロイドなどが望
ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロ
イドを使用するが、パラジウムが特に好ましい。なお触
媒核を固定するために加熱処理を行うことが望ましい。
【0058】本発明では、触媒核を付与した後、めっき
レジストを形成する。めっきレジストとしては、市販品
を使用してもよく、あるいは、エポキシ樹脂をアクリル
酸やメタクリル酸などと反応させたエポキシアクリレー
トとイミダゾール系硬化剤からなる組成物やエポキシア
クリレート、ポリエーテルスルホンおよびイミダゾール
系硬化剤からなる組成物がよい。
【0059】エポキシアクリレートとポリエーテルスル
ホンの配合比率は、50/50〜80/20程度が望ま
しい。エポキシアクリレートが多過ぎるとかとう性が低
下し、少な過ぎると感光性、耐塩基性、耐酸性、耐酸化
剤特性が低下するからである。エポキシアクリレート
は、全エポキシ基の20〜80モル%がアクリル酸やメ
タクリル酸などと反応したものが望ましい。アクリル化
率が高過ぎるとOH基による親水性が高くなり吸湿性が
上がり、アクリル化率が低過ぎると解像度が低下する。
【0060】また、基本骨格樹脂であるエポキシ樹脂と
しては、ノボラック型エポキシ樹脂が望ましい。架橋密
度が高く、硬化物の吸水率が0.1%以下に調整でき、
耐塩基性に優れるからである。ノボラック型エポキシ樹
脂としては、クレゾールノボラック型、フェノールノボ
ラック型がある。
【0061】めっきレジストを形成する方法としては、
液状感光性レジストを所定の厚さで塗布して、乾燥し、
露光現像を行うことにより形成することができる。
【0062】本発明では、めっきレジストが形成されて
いない部分に導体回路を形成するが、残存するめっきレ
ジストは除去されなくともよい。従って、基板上に形成
された絶縁材層上に導体回路とめっきレジストが形成さ
れることになる。めっきレジストが存在することによ
り、導体回路を保護でき、また、めっきレジストは、導
体回路間の隙間を埋めるため、導体回路上に絶縁材をさ
らに塗布する場合に表面を平滑化できる。
【0063】このとき、導体回路パターンを形成するだ
けでなく、バイアホールを介して上層と下層の導体回路
を電気的に接続する。
【0064】導体回路の形成は、無電解銅めっき、無電
解ニッケルめっき等、金属の種類は特に限定されること
なく、通常公知の無電解めっきが用いられる。ただし、
本発明では次の観点から、一次めっきを施した後に、二
次めっきを施す方法が好ましい。
【0065】即ち、後述のようなめっき液により形成さ
れた一次めっき膜は、無電解めっき用接着剤層の粗化面
に対する追従性に優れ、粗化面の形態をそのままトレー
スする。そのため、一次めっき膜は、粗化面と同様にア
ンカーを持つ。従って、この一次めっき膜上に形成され
る二次めっき膜は、このアンカーにより、密着が確保さ
れるのである。一次めっき膜はピール強度を支配するた
め、強度が高い本発明のめっき液により析出するめっき
膜が望ましく、二次めっき膜は電気導電性が高く、析出
速度が早いことが望ましいので、複合めっきよりも単純
な銅めっきが望ましい。
【0066】一次の無電解めっき液としては、銅、ニッ
ケル及びコバルトから選ばれる少なくとも2種以上の金
属のイオンを使用することが必要であるが、この理由
は、これらの合金は強度が高く、ピール強度を向上させ
ることができるからである。
【0067】銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオ
ンは、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化銅、
塩化ニッケル、塩化コバルトなどの銅、ニッケル、コバ
ルト化合物を溶解させることにより供給する。
【0068】また、ヒドロキシカルボン酸が必要である
が、これは錯化剤として作用して、銅、ニッケル、コバ
ルトイオンと塩基性条件下で安定した錯体を形成するか
らである。
【0069】前記ヒドロキシカルボン酸としては、クエ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸などが望ましい。これらは、ニ
ッケル、コバルト、銅と錯体を形成しやすいからであ
る。
【0070】前記ヒドロキシカルボンの濃度が0.1〜
0.8Mであることが望ましい。0.1Mより少ない
と、十分な錯体が形成できず、異常析出や液の分解が生
じる。0.8Mを越えると、析出速度が遅くなったり、
水素の発生が多くなったりするなどの不具合が発生す
る。
【0071】この無電解めっき液では、還元剤が必要で
あるが、還元剤としては、アルデヒド、次亜リン酸塩
(ホスフィン酸塩と呼ばれる)、水素化ホウ素塩、ヒド
ラジンから選ばれる少なくとも1種であることが望まし
い。これらの還元剤は、水溶性であり、金属イオンを還
元する還元力に優れるからである。なかでも次亜リン酸
塩がニッケルを析出させることができるため好ましい。
【0072】またpH調整剤も使用されるが、pH調整
剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、塩基性
化合物である。
【0073】前記無電解めっき液には、ビピリジルを含
有してなることが望ましい。この理由は、ビピリジルは
めっき浴中の金属酸化物の発生を抑制してノジュールの
発生を抑制できるからである。
【0074】二次めっき膜としては、銅めっき膜が好適
に用いられる。二次めっき膜は、次の無電解めっき液に
浸漬することにより形成されることが望ましい。即ち、
銅イオン、トリアルカノールアミン、還元剤、pH調整
剤からなる無電解めっき液において、銅イオンの濃度が
0.005〜0.015mol/l、pH調整剤の濃度
が、0.25〜0.35mol/lであり、還元剤の濃
度が0.01〜0.04mol/lであることを特徴と
する無電解めっき液である。このめっき液は、浴が安定
であり、ノジュールなどの発生が少ないからである。
【0075】二次無電解めっき液は、トリアルカノール
アミンの濃度が0.1〜0.8Mであることが望まし
い。この範囲でめっき析出反応が最も進行しやすいから
である。前記トリアルカノールアミンは、トリエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメタノー
ルアミン、トリプロパノールアミンから選ばれる少なく
とも1種であることが望ましい。水溶性だからである。
【0076】二次無電解めっき液に用いられる還元剤
は、アルデヒド、次亜リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒド
ラジンから選ばれる少なくとも1種であることが望まし
い。水溶性であり、塩基性条件下で還元力を持つからで
ある。
【0077】また、pH調整剤は、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムから選ばれる少なく
とも1種であることが望ましい。
【0078】このように形成された一次めっき膜と二次
めっき膜からなる導体回路(バイアホール部分を含む)
を形成した後、再度層間絶縁材層を形成し、表面を粗化
して、めっきレジストを形成し、さらに無電解めっきに
より導体回路を形成して多層化を行うのである。
【0079】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0080】実施例1(多層プリント配線板の製造) (1)ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMD
G)10重量部に溶解したクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂の50%アクリル化物(共栄社化学製、CNA−
50)を40重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)20重量部、感
光性モノマー(日本化薬製、カヤラッドTMPTA)6
重量部、液状イミダゾール系硬化剤(四国化成製、キュ
アゾール1B2MZ)4重量部、光硬化開始剤(チバガ
イギー製、イルガキュア−DETX−S)1重量部、エ
ポキシ樹脂粒子(東レ製、トレパール)平均粒径5μm
20重量部、0.5μm5重量部をパールミルで混練し
て絶縁材樹脂組成物(無電解めっき用接着剤)を得た。
【0081】(2)常法に従いパターンを形成したガラ
スエポキシ基板上に絶縁材樹脂組成物をロールコータ
(大日本スクリーン)にて塗布、70℃、30分乾燥の
後、直径80μmの黒円が描画されたフォトマスクフィ
ルムを積層し、露光機(オーク)にて500mJ/cm2
で露光し、80℃、10分加熱した。次いで、DMTG
にて現像処理し、直径80μmのバイアホール用の孔を
形成した。 (3)(2)の基材を紫外線露光機にて3J/cm2 照射
した。 (4)(3)の基材を120℃で1時間、150℃で5
時間加熱し、絶縁材層を形成した。 (5)(4)の基材を70℃のクロム酸(800g/
l)に10分浸漬して、エポキシ樹脂粒子を溶解除去し
て、表面を粗化して粗化面とした。
【0082】(6)次いで、無電解めっき金属の最初の
析出に必要な触媒核をPdCl2 ・2H2 O 0.2g
/l、SnCl2 ・2H2 O 15g/l、HCl 3
0g/lの液中で処理することにより付与した後、市販
の液状感光性レジストを60μmの厚さで塗布して、乾
燥、露光現像を行い、めっきレジストを形成した(線幅
50μm)。
【0083】(7)100g/lの硫酸水溶液中で活性
化処理した後、無電解めっきを施し、導体回路を形成し
た。めっき浴の温度は50℃〜70℃であり、めっき浸
漬時間は90分〜360分である。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 8.6mM 錯化剤…トリエタノールアミン; 0.15M 還元剤…HCHO; 0.02M その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム
等)少量。 析出速度は、6μm/時間
【0084】(8)光学顕微鏡観察の結果、絶縁材に大
きな窪みやピットなどは確認されなかった。
【0085】実施例2(多層プリント配線板の製造、図
1参照) (1)ガラスエポキシ銅張積層板1の上に感光性ドライ
フィルムをラミネートし、露光、現像を行い、塩化第2
銅エッチング液でエッチングを行い、銅パターン2より
なる第1層導体回路を有する配線板を得た。さらに、こ
の配線板を黒化還元処理(酸化還元処理による表面粗化
のこと)を施し、さらに、表面に無溶剤のエポキシ樹脂
100重量部、シリカ粉末(1.6μm)170重量
部、イミダゾール系硬化剤(2PHZ−CN)6重量を
混合した充填樹脂を塗布して150℃、10時間硬化さ
せ、充填樹脂層4を形成した。
【0086】(2)ジエチレングリコールジメチルエー
テル(DMDG)10重量部に溶解したクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂の50%アクリル化物(共栄社化学
製、CNA−50)を40重量部、エポキシ樹脂(油化
シェル製、エピコート1001)20重量部、感光性モ
ノマー(日本化薬製、カヤラッドTMPTA)6重量
部、液状イミダゾール系硬化剤(四国化成製、キュアゾ
ール2PHZ−CN)4重量部、光硬化開始剤(チバガ
イギー製、イルガキュア−907)4重量部、光増感剤
(日本化薬製、カヤキュアーDETX−S)1重量部、
エポキシ樹脂粒子(東レ製、トレパール)平均粒径5μ
m20重量部、0.5μm5重量部をパールミルで混練
して感光性層間樹脂絶縁材(無電解めっき用接着剤)を
得た。
【0087】(3)この絶縁材樹脂を、(1)の配線板
上に、ロールコーター(大日本スクリーン)を用いて塗
布し、水平状態で20分間放置してから、70℃で30分
乾燥を行ない、層間絶縁材層5を形成した。
【0088】(4)前記(3)の処理を施した配線板
に、裏面に粘着剤付着のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを張りつけて重合反応を阻害する酸素との接触を
遮断したのち、フォトマスクフィルムを積層し、超高圧
水銀灯0.5J/cm2 で露光し、80℃、10分加熱し
た。ついでトリエチレングリコールジメチルエーテル
(DMTG)で現像した。その後80℃で1時間乾燥、
さらに3J/cm2 にて紫外線照射し、120℃で1時
間、150℃で5時間加熱して、フォトマスクフィルム
に相当する寸法精度に優れたバイアホール用の開口部
(50μmの直径)6を有する厚さ50μmの層間絶縁
材層5を形成した。
【0089】(5)クロム酸を使用して70℃で10分間
浸漬して、樹脂粒子を溶解除去し、層間絶縁材層5の表
面に微細なアンカーが多数形成された粗化面7を形成し
た。 (6)次いで、無電解めっき金属の最初の析出に必要な
触媒核をPdCl2 ・2H2 O 0.2g/l、SnC
2 ・2H2 O 15g/l、HCl 30g/lの液
中で処理することにより付与した後、市販の液状感光性
レジストを60μmの厚さで塗布して、乾燥、露光現像
を行い、めっきレジスト8を形成した(線幅50μ
m)。
【0090】(7)100g/lの硫酸水溶液中で活性
化処理した後、本発明に係る無電解めっき液による一次
めっき11(図2参照)を行った。一次めっきとして具
体的には下記の組成を有する無電解銅−ニッケル合金め
っき浴を用いた。めっき浴の温度は60℃であり、めっ
き浸漬時間は1時間である。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 6.0mM(1.5g/l) …NiSO4 ・6H2 O; 95.1mM(25g/l) 錯化剤…Na3657 0.23M (60g/l) 還元剤…NaPH22 ・H2 O ;0.19M(20g/l) pH調節剤…NaOH; ;0.75M (pH=9.5) 界面活性剤 ;0.05g/l 析出速度は、2.0μm/時間 以上の条件でめっきを行うことによって、レジスト非形
成部分に厚さ約1.7μmの銅−ニッケル−リンめっき
薄膜が形成された。この後、ガラスエポキシ板をめっき
浴から引き上げ、表面に付着しているめっき浴を水で洗
い流した。
【0091】(8)次いで、ガラスエポキシ板を酸性溶
液で処理する活性化処理によって、銅−ニッケル−リン
めっき薄膜表層の酸化皮膜を除去した。その後、Pd置
換を行うことなく、銅−ニッケル−リンめっき薄膜上に
対する二次めっき12(図2参照)を行った。ここで二
次めっき用のめっき浴としては、本発明の無電解銅めっ
き浴を使用した。
【0092】本実施例においては、二次めっきとして具
体的には下記の組成を有するめっき浴を用いた。めっき
浴の温度は50℃〜70℃であり、めっき浸漬時間は9
0分〜360分である。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 8.6mM 錯化剤…トリエタノールアミン; 0.15M 還元剤…HCHO; 0.02M その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム
等)少量。 析出速度は、6μm/時間 二次めっきの浸漬時間は2時間で一次めっきと二次めっ
きによる厚さ14μmの導体回路10とバイアホール9
を得た。
【0093】(9)得られた配線板について光学顕微鏡
にて観察したが、ピットは確認されなかった。上記配線
板の層間絶縁抵抗を測定したところ、初期値平均2×1
14オームであり、ショート率は、0.5%であった。
尚ショート率とは、多層板の1cm2角を測定して、層
間ショートが発見された製品の全製品に対する割合であ
る。また恒温恒湿槽(温度80℃、湿度80%)にて2
4Vの電圧を印加し、1000時間放置後(HHBT試
験)に層間絶縁抵抗を測定したところ、9×1012オー
ムであった。
【0094】実施例3(多層プリント配線板の製造) (1)実施例2の(1)と同様の基板を得た。 (2)ノルマルメチルピロリドン(NMP)10重量部
に溶解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の50%
アクリル化物(共栄社化学製、CNA−50)を60重
量部、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックスM2
15)5重量部、液状イミダゾール系硬化剤(四国化成
製、キュアゾール2E4MZ−CN)4重量部、光増感
剤(日本化薬製、カヤキュアーBP)5重量部、光硬化
開始剤(関東化学製、ミヒラーケトン)1重量部、エポ
キシ樹脂粒子(東レ製、トレパール)平均粒径5μm2
0重量部、0.5μm20重量部を3本ロールミル(E
XACT製)で混練して感光性層間樹脂絶縁材(無電解
めっき用接着剤)を得た。
【0095】(3)この絶縁材樹脂を、(1)の配線板
上に、ロールコーター(大日本スクリーン)を用いて8
0μmの厚さで塗布し、水平状態で20分間放置してか
ら、60℃で50分乾燥を行ない、層間絶縁材層を形成
した。
【0096】(4)前記(3)の処理を施した配線板
に、裏面に粘着剤付着のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを張りつけて重合反応を阻害する酸素との接触を
遮断したのち、フォトマスクフィルムを積層し、超高圧
水銀灯0.5J/cm2 で露光し、80℃、10分加熱し
た。ついでトリエチレングリコールジメチルエーテル
(DMTG)で現像した。その後80℃で1時間乾燥、
さらに5J/cm2 にて紫外線照射し、120℃で1時
間、160℃で7時間加熱して、フォトマスクフィルム
に相当する寸法精度に優れたバイアホール用開口部(直
径80μm)を有する厚さ50μmの樹脂接着剤層を形
成した。
【0097】(5)実施例2の(5)〜(8)までの処
理を施し、導体回路とバイアホールを有する多層プリン
ト配線板を製造した。
【0098】(6)得られた配線板について光学顕微鏡
にて観察したが、ピットは確認されなかった。上記配線
板の層間絶縁抵抗を測定したところ、初期値平均5×1
14オームであり、ショート率は、0.3%であった。
また恒温恒湿槽(温度80℃、湿度80%)にて24V
の電圧を印加し、1000時間放置後(HHBT試験)
に層間絶縁抵抗を測定したところ、7×1012オームで
あった。
【0099】比較例1 硬化剤として粉末状イミダゾール系硬化剤(四国化成
製、キュアゾール2P4MHZ−PW)4重量部を使用
すること以外は実施例2と同様にして多層プリント配線
板を製造した。得られた配線板を光学顕微鏡で観察した
ところ、ピットが1基板当たり数個観察された。
【0100】この配線板の層間絶縁抵抗を測定したとこ
ろ、初期値平均3×1013オームであり、ショート率
は、4.9%であった。また恒温恒湿槽(温度80℃、
湿度80%)にて24Vの電圧を印加し、1000時間
放置後(HHBT試験)に層間絶縁抵抗を測定したとこ
ろ、8×1010オームであった。
【0101】
【発明の効果】本発明の無電解めっき用接着剤および多
層プリント配線板によれば、接続信頼性を確保でき、特
に直径が100μm未満の小径のバイアホールの場合で
もピットによる断線を防止でき、また高温、高湿度下で
使用しても層間絶縁を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる多層プリント配線板の
製造方法を示す工程図であり、実施例2に対応するもの
である。
【図2】図2は、図1のバイアホール部分の部分拡大図
である。
【符号の説明】
1 銅張積層板 2 銅パターン 3 ガラスエポキシ基板 4 充填樹脂層 5 層間絶縁材層 6 バイアホール用の開口部 7 粗化面 8 めっきレジスト 9 バイアホール 10 導体回路 11 一次めっき 12 二次めっき

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂
    粒子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂の未硬
    化液に分散されてなる無電解めっき用接着剤において、
    前記酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂は、熱硬化
    性樹脂を感光化した感光性樹脂を含むとともに、熱可塑
    性樹脂を含まないものであり、かつ前記耐熱性樹脂の未
    硬化液には、25℃で液状の硬化剤を含有してなること
    を特徴とする無電解めっき用接着剤。
  2. 【請求項2】 硬化剤がイミダゾール系硬化剤である請
    求項1記載の無電解めっき用接着剤。
  3. 【請求項3】 イミダゾール系硬化剤が、下記の式
    (1)、(2)、及び(3)からなる群より選ばれる少
    なくとも1種である請求項2記載の無電解めっき用接着
    剤。 【化1】
  4. 【請求項4】 酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂
    が、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と感光性モノ
    マーの混合樹脂、 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂と熱硬化性樹
    脂の混合樹脂、又は 熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂、熱硬化性樹
    脂および感光性モノマーの混合樹脂、のいずれか1つで
    ある請求項1記載の無電解めっき用接着剤。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイ
    ミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、およびフェ
    ノール樹脂からなる群より選ばれる1種以上である請求
    項4記載の無電解めっき用接着剤。
  6. 【請求項6】 少なくとも層間絶縁材層と導体回路が交
    互に積層されてなり、該層間絶縁材層には、直径100
    μm未満の開口部が設けられ、該開口部に形成されるバ
    イアホールを介して上層と下層の導体回路が電気的に接
    続されてなる多層プリント配線板において、前記層間絶
    縁材層が、熱硬化性樹脂を感光化した感光性樹脂を含む
    とともに、熱可塑性樹脂を含まないものであり、かつ2
    5℃で液状の硬化剤を用いて硬化された樹脂よりなるこ
    とを特徴とする多層プリント配線板。
  7. 【請求項7】 少なくとも層間絶縁材層と導体回路が交
    互に積層されてなり、該層間絶縁材層には、直径100
    μm未満の開口部が設けられ、該開口部に形成されるバ
    イアホールを介して上層と下層の導体回路が電気的に接
    続されてなる多層プリント配線板において、前記層間絶
    縁材層が、請求項1〜5いずれか記載の無電解めっき用
    接着剤が硬化してなる樹脂からなることを特徴とする多
    層プリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6359035B1 (en) 1997-11-05 2002-03-19 Ibiden Co., Ltd. Adhesive for electroless plating and method of producing the same
JP2013237849A (ja) * 2010-12-24 2013-11-28 Nitto Denko Corp 活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置

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