JP2013237849A - 活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2以上の部材、特には偏光子と透明保護フィルム層との接着性を向上し、かつ耐久性および耐水性を向上した接着剤層を形成できる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、偏光板、光学フィルムならびに画像表示装置を提供すること。
【解決手段】SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、およびSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)はいずれも60℃以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、2以上の部材を接着する接着剤層を形成する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、特には偏光子と透明保護フィルムとの接着剤層を形成する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、および偏光板に関する。当該偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDPなどの画像表示装置を形成しうる。
時計、携帯電話、PDA、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコール(以下、単に「PVA」ともいう)にヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。一般的に偏光板は、ポリビニルアルコール系の材料を水に溶かしたいわゆる水系接着剤によって、偏光子の両面に透明保護フィルムを貼り合わせたものが用いられている(下記特許文献1および特許文献2)。透明保護フィルムとしては、透湿度の高いトリアセチルセルロースなどが用いられる。
偏光板を製造する際に、ポリビニルアルコール系接着剤のような水系接着剤を用いた場合(いわゆるウェットラミネーション)には、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた後に、乾燥工程が必要となる。偏光板の生産性を向上させるためには、乾燥工程を短縮するか、乾燥工程を必要としない別の接着方法を採用することが望ましい。
また水系接着剤を使用する場合には、偏光子との接着性を高めるために、偏光子の水分率も相対的に高くしておかないと(通常偏光子の水分率は30%程度)、接着性が良好な偏光板を得ることができない。しかし、このようにして得られた偏光板では、高温や、高温高湿度下での、寸法変化が大きく、光学特性が悪いなどの問題を有している。一方、寸法変化を抑えるには、偏光子の水分率を下げたり、透湿度の低い透明保護フィルムを用いたりすることができる。しかし、こうした偏光子と透明保護フィルムとを、水系接着剤を用いて貼り合わせると、乾燥効率が下がったり、偏光特性が下がったり、または外観の不具合が発生し実質上有用な偏光板を得ることができない。
また、特にTVで代表されるように、近年、画像表示装置の大画面化が進むにつれ、偏光板の大型化も生産性やコストの面(歩留まり、取り数アップ)から非常に重要になっている。しかし、前述の水系接着剤を用いた偏光板では、バックライトの熱により偏光板が寸法変化を引き起こし、それがムラになって画面全体のうち一部分で黒表示が白く見えるといったいわゆる光抜け(ムラ)が顕著になってくるという問題がある。
上述したウェットラミネーションでの問題点を解決すべく、水や有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型接着剤が提案されている。例えば、下記特許文献3では、(A)極性基を含有する、分子量1,000以下のラジカル重合性化合物と、(B)極性基を含有しない、分子量1,000以下のラジカル重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを含有する活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。しかしながら、かかる接着剤を構成するラジカル重合性化合物(モノマー)の組み合わせは、特にノルボルネン系樹脂フィルムに対する接着性向上を目的として設計されたものであるため、偏光膜との接着性に劣る傾向があった。
下記特許文献4では、360〜450nmの波長におけるモル吸光係数が400以上である光重合開始剤と紫外線硬化性化合物とを必須成分とする活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。しかしながら、かかる接着剤を構成するモノマーの組み合わせは、主として光ディスクなどを接着する際の反り・変形を防止することを目的として設計されたものであるため、偏光膜用として使用した場合、偏光膜との接着性に劣る傾向があった。
下記特許文献5では、(メタ)アクリル系化合物の合計量100重量部中に(a)分子中に(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、(b)分子中に水酸基を有し、重合性二重結合をただ1個有する(メタ)アクリル系化合物と、(c)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレートまたはノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。しかしながら、かかる接着剤を構成するモノマーの組み合わせは、各モノマー同士の相溶性が相対的に低く、それに伴い相分離が進行し、接着剤層の透明性が低下することなどが懸念される。また、かかる接着剤は、硬化物(接着剤層)を柔らかくする(Tgを低くする)ことにより接着性向上を図るものであり、耐クラック性などの耐久性は悪化することが懸念される。耐クラック性は、冷熱衝撃試験(ヒートショック試験)によって評価することができる。
本発明者らはN−置換アミド系モノマーを硬化性成分として使用した、ラジカル重合型の活性エネルギー線硬化型接着剤を開発した(下記特許文献6および特許文献7)。かかる接着剤は、高湿度下および高温下の過酷な環境下において優れた耐久性を発揮するものであるが、市場においては、さらなる接着性および/または耐水性を向上できる接着剤が要求されつつあるのが実情であった。
特開2006−220732号公報 特開2001−296427号公報 特開2008−009329号公報 特開平09−31416号公報 特開2008−174667号公報 特開2008−287207号公報 特開2010−78700号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、2以上の部材、特には偏光子と透明保護フィルム層との接着性を向上し、かつ耐久性および耐水性を向上した接着剤層を形成できる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物、偏光板、光学フィルムならびに画像表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中の硬化性成分のSP値(溶解度パラメータ)に着目した。一般に、SP値が近い物質同士は、互いに親和性が高いと言える。したがって、例えばラジカル重合性化合物同士のSP値が近いと、これらの相溶性が高まり、また、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物と偏光子とのSP値が近いと、接着剤層と偏光子との接着性が高まる。同様に、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物と保護フィルム(トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、アクリルフィルム、シクロオレフィンフィルム)とのSP値が近いと、接着剤層と保護フィルムとの接着性が高まる。これらの傾向に基づき、本発明者らが鋭意検討を行った結果、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中、少なくとも3種類のラジカル重合性化合物の各SP値を特定の範囲内に設計し、かつ最適な組成比率とすることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上述の目的を達成するものである。
即ち、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、硬化性成分として、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物であって、組成物全量を100重量%としたとき、SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、およびSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有し、前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であることを特徴とする。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中、ラジカル重合性化合物(A)のSP値は29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下であり、組成物全量を100重量%としたとき、その組成比率は20〜60重量%である。かかるラジカル重合性化合物(A)はSP値が高く、例えばPVA系偏光子(例えばSP値32.8)および透明保護フィルムとしてのケン化トリアセチルセルロース(例えばSP値32.7)と、接着剤層との接着性向上に大きく寄与する。その一方で、ラジカル重合性化合物(A)はSP値が水(SP値47.9)と相対的に近いため、組成物中のラジカル重合性化合物(A)の組成比率が多すぎると、接着剤層の耐水性の悪化が懸念される。したがって、偏光子やケン化トリアセチルセルロースなどとの接着性と耐水性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率を、20〜60重量%とすることが肝要である。接着性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率は25重量%以上が好ましく、30重量%以上であることがより好ましい。また、耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率は55重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。
ラジカル重合性化合物(B)のSP値は18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であり、その組成比率は10〜30重量%である。かかるラジカル重合性化合物(B)はSP値が低く、水(SP値47.9)とSP値が大きく離れており、接着剤層の耐水性向上に大きく寄与する。また、ラジカル重合性化合物(B)のSP値は、例えば透明保護フィルムとしての環状ポリオレフィン樹脂(例えば、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオノア」)のSP値(例えばSP値18.6)と近いため、かかる透明保護フィルムとの接着性向上にも寄与する。接着剤層の耐水性をさらに向上するためには、ラジカル重合性化合物(B)のSP値を20.0(kJ/m1/2未満とすることが好ましい。その一方で、ラジカル重合性化合物(B)はラジカル重合性化合物(A)とのSP値が大きく離れているため、その組成比率が多すぎると、ラジカル重合性化合物同士の相溶性のバランスが崩れ、相分離の進行に伴い、接着剤層の透明性の悪化が懸念される。したがって、耐水性と接着剤層の透明性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率を、10〜30重量%とすることが肝要である。耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率は10重量%以上が好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。また、接着剤層の透明性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率は25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、そのSP値は19.0(kJ/m1/2以上であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物(C)のSP値は21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2未満であり、その組成比率は20〜60重量%である。上述のとおり、ラジカル重合性化合物(A)とラジカル重合性化合物(B)とは、SP値が大きく離れており、これら同士は相溶性が悪い。しかしながら、ラジカル重合性化合物(C)のSP値は、ラジカル重合性化合物(A)のSP値とラジカル重合性化合物(B)のSP値との間に位置するため、ラジカル重合性化合物(A)とラジカル重合性化合物(B)とに加えて、ラジカル重合性化合物(C)を併用することにより、組成物全体としての相溶性がバランス良く向上する。さらに、ラジカル重合性化合物(C)のSP値は、例えば透明保護フィルムとしての未ケン化トリアセチルセルロースのSP値(例えば23.3)およびアクリルフィルムのSP値(例えば22.2)と近いため、これらの透明保護フィルムとの接着性向上にも寄与する。したがって、耐水性および接着性をバランス良く向上するためには、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率を、20〜60重量%とすることが肝要である。組成物全体としての相溶性と透明保護フィルムとの接着性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率は25重量%以上が好ましく、29重量%以上であることがより好ましい。また、耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率は55重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。
また、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であるため、耐久性が特に優れたものとなり、ヒートショッククラックの発生を防止することができる。ここで、「ヒートショッククラック」とは、例えば偏光子が収縮する際、延伸方向に裂ける現象を意味し、これを防止するためには、ヒートショック温度範囲(−40℃〜60℃)で偏光子の膨張・収縮を抑制することが重要である。上記のとおりラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であるため、接着剤層を形成した際、そのTgも高くなる。これにより、ヒートショック温度範囲での接着剤層の急激な弾性率変化を抑制し、偏光子に作用する膨張・収縮力を低減することができるため、ヒートショッククラックの発生を防止することができる。
ここで、本発明におけるSP値(溶解度パラメータ)の算出法について、以下に説明する。
(溶解度パラメーター(SP値)の算出法)
本発明において、ラジカル重合性化合物や偏光子、各種透明保護フィルムなどの溶解度パラメーター(SP値)は、Fedorsの算出法[「ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス(Polymer Eng.& Sci.)」,第14巻,第2号(1974),第148〜154ページ参照]すなわち、
Figure 2013237849
(ただしΔeiは原子または基に帰属する25℃における蒸発エネルギー、Δviは25℃におけるモル体積である)にて計算して求めることができる。
上記の数式中のΔeiおよびΔviに、主な分子中のi個の原子および基に与えられた一定の数値を示す。また、原子または基に対して与えられたΔeおよびΔvの数値の代表例を、以下の表1に示す。
Figure 2013237849
上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物の全量を100重量部としたとき、前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で85〜100重量部含有し、さらにSP値が23.0(kJ/m1/2を超えて29.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(D)を0〜15重量部含有することが好ましい。かかる構成によれば、接着剤組成物中のラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)の割合が十分に確保できるため、接着剤層の接着性を向上し、かつ耐久性および耐水性をより向上することができる。接着性、耐久性および耐水性をさらにバランス良く向上するためには、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で90〜100重量部含有することが好ましく、95〜100重量部含有することがより好ましい。
上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、前記ラジカル重合性化合物(A)が、ヒドロキシエチルアクリルアミドおよび/またはN−メチロールアクリルアミドであることが好ましい。また、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、前記ラジカル重合性化合物(B)が、トリプロピレングリコールジアクリレートであることが好ましい。さらに、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、前記ラジカル重合性化合物(C)が、アクリロイルモルホリンおよび/またはN−メトキシメチルアクリルアミドであることが好ましい。これらの構成によれば、接着剤層の接着性、耐久性および耐水性をよりバランス良く向上することができる。
上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
Figure 2013237849
(式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有することが好ましい。
一般式(1)の光重合開始剤は、UV吸収能を有する透明保護フィルムを透過する長波長の光によって重合を開始することができるため、UV吸収性フィルム越しでも接着剤を硬化できる。具体的には例えば、トリアセチルセルロース−偏光子−トリアセチルセルロースのように両面にUV吸収能を有する透明保護フィルムを積層する場合でも、一般式(1)の光重合開始剤を含有する場合、接着剤組成物の硬化が可能である。
また、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物において、光重合開始剤として、一般式(1)の光重合開始剤に加えて、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
Figure 2013237849
(式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有することが好ましい。上記一般式(1)および一般式(2)の光重合開始剤を併用することで、これらの光増感反応により反応が高効率化し、接着剤層の接着性が特に向上する。
また、本発明に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層を介して波長365nmの光線透過率が5%未満である透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、前記接着剤層が、前記いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物層により形成されたものであることを特徴とする。
前述のとおり、偏光子はSP値が高く(PVA系偏光子のSP値は例えば32.8)、一方、透明保護フィルムのSP値は一般に低い(SP値は18〜24程度)。本発明に係る偏光板は、SP値が高い偏光子と、SP値が低い透明保護フィルムとを接着する接着剤層を形成する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)のSP値および配合量を最適化するように設計されている。その結果、かかる偏光板は、偏光子と透明保護フィルムとが、接着剤層を介して強固に接着し、かつ接着剤層の耐久性および耐水性に優れる。特に、接着剤層のTgが60℃以上、より好ましくは70℃以上、特に好ましくは90℃以上であると、耐久性が特に優れたものとなり、ヒートショッククラックの発生を防止することができる。
また、本発明に係る光学フィルムは、前記記載の偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする。
上記偏光板において、前記透明保護フィルムのSP値が29.0(kJ/m1/2以上33.0(kJ/m1/2未満であることが好ましい。透明保護フィルムのSP値が上記範囲内であると、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物(A)のSP値と非常に近いため、透明保護フィルムと接着剤層との接着性が大きく向上する。SP値が29.0(kJ/m1/2以上33.0(kJ/m1/2未満である透明保護フィルムとしては、例えばケン化トリアセチルセルロース(例えばSP値32.7)が挙げられる。
上記偏光板において、前記透明保護フィルムのSP値が18.0(kJ/m1/2以上24.0(kJ/m1/2未満であることが好ましい。透明保護フィルムのSP値が上記範囲内であると、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物(B)およびラジカル重合性化合物(C)のSP値と非常に近いため、透明保護フィルムと接着剤層との接着性が大きく向上する。SP値が18.0(kJ/m1/2以上24.0(kJ/m1/2未満である透明保護フィルムとしては、例えば未ケン化トリアセチルセルロース(例えばSP値23.3)が挙げられる。
さらに、本発明に係る画像表示装置は、前記記載の偏光板、および/または前記記載の光学フィルムが用いられていることを特徴とする。かかる光学フィルムおよび画像表示装置では、偏光板の偏光子と透明保護フィルムとが、接着剤層を介して強固に接着し、接着剤層の耐久性および耐水性に優れる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物により接着剤層を形成した場合、2以上の部材、特には偏光子と透明保護フィルム層との接着性を向上し、かつ耐久性および耐水性を向上した接着剤層を形成できる。
本発明に係る接着剤層を備える場合、寸法変化が小さい偏光板を作製できるため、偏光板の大型化にも容易に対応でき、歩留まり、取り数の観点から生産コストを抑えることができる。また、本発明に係る偏光板は寸法安定性がよいことから、バックライトの外部熱による画像表示装置のムラの発生を抑えることができる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、硬化性成分として、組成物全量を100重量%としたとき、SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、およびSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有する。なお、本発明において、「組成物全量」とは、ラジカル重合性化合物に加えて、各種開始剤や添加剤を含む全量を意味するものとする。
ラジカル重合性化合物(A)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(A)の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド(SP値29.6)、N−メチロールアクリルアミド(SP値31.5)などが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリレート基とは、アクリレート基および/またはメタクリレート基を意味する。
ラジカル重合性化合物(B)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(B)の具体例としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート(SP値19.0)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(SP値19.2)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(SP値20.3)、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(SP値19.1)、ジオキサングリコールジアクリレート(SP値19.4)、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート(SP値20.9)などが挙げられる。なお、ラジカル重合性化合物(B)としては市販品も好適に使用可能であり、例えばアロニックスM−220(東亞合成社製、SP値19.0)、ライトアクリレート1,9ND−A(共栄社化学社製、SP値19.2)、ライトアクリレートDGE−4A(共栄社化学社製、SP値20.9)、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製、SP値20.3)、SR−531(Sartomer社製、SP値19.1)、CD−536(Sartomer社製、SP値19.4)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物(C)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(C)の具体例としては、例えば、アクリロイルモルホリン(SP値22.9)、N−メトキシメチルアクリルアミド(SP値22.9)、N−エトキシメチルアクリルアミド(SP値22.3)などが挙げられる。なお、ラジカル重合性化合物(C)としては市販品も好適に使用可能であり、例えばACMO(興人社製、SP値22.9)、ワスマー2MA(笠野興産社製、SP値22.9)、ワスマーEMA(笠野興産社製、SP値22.3)、ワスマー3MA(笠野興産社製、SP値22.4)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であると、接着剤層のTgも高くなり、耐久性が特に優れたものとなる。その結果、例えば偏光子と透明保護フィルムとの接着剤層としたとき、偏光子のヒートショッククラックの発生を防止することができる。ここで、ラジカル重合性化合物のホモポリマーのTgとは、ラジカル重合性化合物を単独で硬化(重合)させたときのTgを意味する。Tgの測定方法については後述する。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で85〜100重量部含有し、さらにSP値が23.0(kJ/m1/2を超えて29.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(D)を0〜15重量部含有しても良い。ラジカル重合性化合物(D)の具体例としては、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値23.8)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(SP値25.5)、N−ビニルカプロラクタム(商品名V−CAP、ISP社製、SP値23.4)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(SP値24.5)などが挙げられる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を電子線硬化型で用いる場合、組成物中に光重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型で用いる場合には、光重合開始剤を用いることが好ましく、特に380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を用いることが好ましい。380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤については後述する。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物では、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
Figure 2013237849
(式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を単独で使用するか、あるいは一般式(1)で表される化合物と後述する380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤とを併用することが好ましい。一般式(1)で表される化合物を使用した場合、380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を単独で使用した場合に比べて接着性に優れる。一般式(1)で表される化合物の中でも、RおよびRが−CHCHであるジエチルチオキサントンが特に好ましい。組成物中の一般式(1)で表される化合物の組成比率は、組成物全量を100重量%としたとき、0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.5〜4.0重量%であることがより好ましく、0.9〜3.0重量%であることがさらに好ましい。
また、必要に応じて重合開始助剤を添加することが好ましい。重合開始助剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられ、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルが特に好ましい。重合開始助剤を使用する場合、その添加量は、組成物全量を100重量%としたとき、通常0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。
また、必要に応じて公知の光重合開始剤を併用することができる。UV吸収能を有する透明保護フィルムは、380nm以下の光を透過しないため、光重合開始剤としては、380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を使用することが好ましい。具体的には、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
特に、光重合開始剤として、一般式(1)の光重合開始剤に加えて、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
Figure 2013237849
(式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を使用することが好ましい。一般式(2)で表される化合物としては、市販品でもある2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE907 メーカー:BASF)が好適に使用可能である。その他、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE369 メーカー:BASF)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE379 メーカー:BASF)が感度が高いため好ましい。
また、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマーなどのポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料などを挙げることができる。
上記の添加剤の中でも、シランカップリング剤は偏光子表面に作用し、更なる耐水性を付与することができる。シランカップリング剤を使用する場合、その添加量は、組成物全量を100重量%としたとき、通常0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。
シランカップリング剤は、活性エネルギー線硬化性の化合物を使用することが好ましいが、活性エネルギー線硬化性でなくても同様の耐水性を付与することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、活性エネルギー線硬化性の化合物としてビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性ではないシランカップリング剤の具体例としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。
好ましくは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、電子線硬化型、紫外線硬化型の態様で用いることができる。
電子線硬化型において、電子線の照射条件は、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。例えば、電子線照射は、加速電圧が好ましくは5kV〜300kVであり、さらに好ましくは10kV〜250kVである。加速電圧が5kV未満の場合、電子線が接着剤まで届かず硬化不足となるおそれがあり、加速電圧が300kVを超えると、試料を通る浸透力が強すぎて、透明保護フィルムや偏光子にダメージを与えるおそれがある。照射線量としては、5〜100kGy、さらに好ましくは10〜75kGyである。照射線量が5kGy未満の場合は、接着剤が硬化不足となり、100kGyを超えると、透明保護フィルムや偏光子にダメージを与え、機械的強度の低下や黄変を生じ、所定の光学特性を得ることができない。
電子線照射は、通常、不活性ガス中で照射を行うが、必要であれば大気中や酸素を少し導入した条件で行ってもよい。透明保護フィルムの材料によるが、酸素を適宜導入することによって、最初に電子線があたる透明保護フィルム面にあえて酸素阻害を生じさせ、透明保護フィルムへのダメージを防ぐことができ、接着剤にのみ効率的に電子線を照射させることができる。
一方、紫外線硬化型において、紫外線吸収能を付与した透明保護フィルムを使用する場合、およそ380nmより短波長の光を吸収するため、380nmより短波長の光は活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に到達しないため、その重合反応に寄与しない。さらに、透明保護フィルムによって吸収された380nmより短波長の光は熱に変換され、透明保護フィルム自体が発熱し、偏光板のカール・シワなど不良の原因となる。そのため、本発明において紫外線硬化型を採用する場合、紫外線発生装置として380nmより短波長の光を発光しない装置を使用することが好ましく、より具体的には、波長範囲380〜440nmの積算照度と波長範囲250〜370nmの積算照度との比が100:0〜100:50であることが好ましく、100:0〜100:40であることがより好ましい。このような積算照度の関係を満たす紫外線としては、ガリウム封入メタルハライドランプ、波長範囲380〜440nmを発光するLED光源が好ましい。あるいは、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザーまたは太陽光を光源とし、バンドパスフィルターを用いて380nmより短波長の光を遮断して用いることもできる。
紫外線硬化型において、紫外線を照射する前に活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を加温すること(照射前加温)が好ましく、その場合40℃以上に加温することが好ましく、50℃以上に加温することがより好ましい。また、紫外線を照射後に活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を加温すること(照射後加温)も好ましく、その場合40℃以上に加温することが好ましく、50℃以上に加温することがより好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、特に偏光子と波長365nmの光線透過率が5%未満である透明保護フィルムとを接着する接着剤層を形成する場合に好適に使用可能である。ここで、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、上述した一般式(1)の光重合開始剤を含有することによって、UV吸収能を有する透明保護フィルム越しに紫外線を照射して、接着剤層を硬化形成することができる。よって、偏光子の両面にUV吸収能を有する透明保護フィルムを積層した偏光板においても、接着剤層を硬化させることができる。ただし、当然ながら、UV吸収能を有さない透明保護フィルムを積層した偏光板においても、接着剤層を硬化させることができる。なお、UV吸収能を有する透明保護フィルムとは、380nmの光に対する透過率が10%未満である透明保護フィルムを意味する。
透明保護フィルムへのUV吸収能の付与方法としては、透明保護フィルム中に紫外線吸収剤を含有させる方法や、透明保護フィルム表面に紫外線吸収剤を含有する表面処理層を積層させる方法が挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、従来公知のオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物により形成された接着剤層は水系接着剤層に比べて、耐久性が高い。本発明においては、接着剤層として、Tgが60℃以上であるものを用いることが好ましい。また、接着剤層の厚みが、0.01〜7μmになるように制御することが好ましい。このように、本発明の偏光板では、接着剤層が60℃以上の高Tgになる、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を用いるとともに、接着剤層の厚みを上記範囲に制御した場合、高湿下および高温下の過酷な環境下における耐久性を満足させることができる。偏光板の耐久性を考慮した場合、本発明においては特に、接着剤層のTg(℃)をA、接着剤層の厚み(μm)をBと定義した場合に、数式(1):A−12×B>58、を満足することが好ましい。
上記のとおり、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、これにより形成される接着剤層のTgが60℃以上になるように選択されることが好ましく、さらには70℃以上であることが好ましく、さらには75℃以上、さらには100℃以上、さらには120℃以上であることが好ましい。一方、接着剤層のTgが高くなりすぎると偏光板の屈曲性が低下することから、接着剤層のTgは300℃以下、さらには240℃以下、さらには180℃以下にすることが好ましい。
また、上記のとおり、接着剤層の厚みは好ましくは0.01〜7μm、より好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.01〜2μm、最も好ましくは0.01〜1μmである。接着剤層の厚みが0.01μmより薄い場合は、接着剤層自体の凝集力が得られず、接着強度が得られないおそれがある。一方、接着剤層の厚みが7μmを超えると、偏光板が耐久性を満足できない。
本発明に係る偏光板は、偏光子の接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの接着剤層を形成する面に活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗工した後、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせる工程、次いで、活性エネルギー線照射によって活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を硬化して接着剤層を形成する工程、を有する。
偏光子、透明保護フィルムは、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗工する前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理による処理などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の塗工方式は、組成物の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
上記のように塗工した接着剤を介して、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーターなどにより行う事ができる。
偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせた後に、活性エネルギー線(電子線、紫外線など)を照射し、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を硬化して接着剤層を形成する。活性エネルギー線(電子線、紫外線など)の照射方向は、任意の適切な方向から照射することができる。好ましくは、透明保護フィルム側から照射する。偏光子側から照射すると、偏光子が活性エネルギー線(電子線、紫外線など)によって劣化するおそれがある。
本発明に係る偏光板を連続ラインで製造する場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、好ましくは1〜500m/min、より好ましくは5〜300m/min、さらに好ましくは10〜100m/minである。ライン速度が小さすぎる場合は、生産性が乏しい、または透明保護フィルムへのダメージが大きすぎ、耐久性試験などに耐えうる偏光板が作製できない。ライン速度が大きすぎる場合は、接着剤の硬化が不十分となり、目的とする接着性が得られない場合がある。
なお、本発明の偏光板は、偏光子と透明保護フィルムが、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物層により形成された接着剤層を介して貼り合されるが、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。
易接着層は、通常、透明保護フィルムに予め設けておき、当該透明保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により貼り合わせる。易接着層の形成は、易接着層の形成材を透明保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層は乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物層により形成された接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされている。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなどが挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚みは特に制限されないが、一般的に80μm程度以下である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
また偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光板としての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
薄型の偏光子としては、代表的には、特開昭51−069644号公報や特開2000−338329号公報や、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載されている薄型偏光膜を挙げることができる。これら薄型偏光膜は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法により得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となる。
前記薄型偏光膜としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。
上記のPCT/JP2010/001460の明細書に記載の薄型高機能偏光膜は、樹脂基材に一体に製膜される、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる厚みが7μm以下の薄型高機能偏光膜であって、単体透過率が42.0%以上および偏光度が99.95%以上の光学特性を有する。
上記薄型高機能偏光膜は、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材に、PVA系樹脂の塗布および乾燥によってPVA系樹脂層を生成し、生成されたPVA系樹脂層を二色性物質の染色液に浸漬して、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させ、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を、ホウ酸水溶液中において、樹脂基材と一体に総延伸倍率を元長の5倍以上となるように延伸することによって、製造することができる。
また、二色性物質を配向させた薄型高機能偏光膜を含む積層体フィルムを製造する方法であって、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材と、樹脂基材の片面にPVA系樹脂を含む水溶液を塗布および乾燥することによって形成されたPVA系樹脂層とを含む積層体フィルムを生成する工程と、樹脂基材と樹脂基材の片面に形成されたPVA系樹脂層とを含む前記積層体フィルムを、二色性物質を含む染色液中に浸漬することによって、積層体フィルムに含まれるPVA系樹脂層に二色性物質を吸着させる工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を含む前記積層体フィルムを、ホウ酸水溶液中において、総延伸倍率が元長の5倍以上となるように延伸する工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層が樹脂基材と一体に延伸されたことにより、樹脂基材の片面に、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる、厚みが7μm以下、単体透過率が42.0%以上かつ偏光度が99.95%以上の光学特性を有する薄型高機能偏光膜を製膜させた積層体フィルムを製造する工程を含むことで、上記薄型高機能偏光膜を製造することができる。
上記の特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載の薄型偏光膜は、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより、10μm以下の厚みにされたものである。かかる薄型偏光膜は、単体透過率をT、偏光度をPとしたとき、P>−(100.929T−42.4−1)×100(ただし、T<42.3)、およびP≧99.9(ただし、T≧42.3)の条件を満足する光学特性を有するようにされたものであることが好ましい。
具体的には、前記薄型偏光膜は、連続ウェブの非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層に対する空中高温延伸によって、配向されたPVA系樹脂層からなる延伸中間生成物を生成する工程と、延伸中間生成物に対する二色性物質の吸着によって、二色性物質(ヨウ素またはヨウ素と有機染料の混合物が好ましい)を配向させたPVA系樹脂層からなる着色中間生成物を生成する工程と、着色中間生成物に対するホウ酸水中延伸によって、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる厚みが10μm以下の偏光膜を生成する工程とを含む薄型偏光膜の製造方法により製造することができる。
この製造方法において、空中高温延伸とホウ酸水中延伸とによる非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上になるようにするのが望ましい。ホウ酸水中延伸のためのホウ酸水溶液の液温は、60℃以上とすることができる。ホウ酸水溶液中で着色中間生成物を延伸する前に、着色中間生成物に対して不溶化処理を施すのが望ましく、その場合、液温が40℃を超えないホウ酸水溶液に前記着色中間生成物を浸漬することにより行うのが望ましい。上記非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材は、イソフタル酸を共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノールを共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートまたは他の共重合ポリエチレンテレフタレートを含む非晶性ポリエチレンテレフタレートとすることができ、透明樹脂からなるものであることが好ましく、その厚みは、製膜されるPVA系樹脂層の厚みの7倍以上とすることができる。また、空中高温延伸の延伸倍率は3.5倍以下が好ましく、空中高温延伸の延伸温度はPVA系樹脂のガラス転移温度以上、具体的には95℃〜150℃の範囲であるのが好ましい。空中高温延伸を自由端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上7.5倍以下であるのが好ましい。また、空中高温延伸を固定端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上8.5倍以下であるのが好ましい。
更に具体的には、次のような方法により、薄型偏光膜を製造することができる。
イソフタル酸を6mol%共重合させたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)の連続ウェブの基材を作製する。非晶性PETのガラス転移温度は75℃である。連続ウェブの非晶性PET基材とポリビニルアルコール(PVA)層からなる積層体を、以下のように作製する。ちなみにPVAのガラス転移温度は80℃である。
200μm厚の非晶性PET基材と、重合度1000以上、ケン化度99%以上のPVA粉末を水に溶解した4〜5%濃度のPVA水溶液とを準備する。次に、200μm厚の非晶性PET基材にPVA水溶液を塗布し、50〜60℃の温度で乾燥し、非晶性PET基材に7μm厚のPVA層が製膜された積層体を得る。
7μm厚のPVA層を含む積層体を、空中補助延伸およびホウ酸水中延伸の2段延伸工程を含む以下の工程を経て、3μm厚の薄型高機能偏光膜を製造する。第1段の空中補助延伸工程によって、7μm厚のPVA層を含む積層体を非晶性PET基材と一体に延伸し、5μm厚のPVA層を含む延伸積層体を生成する。具体的には、この延伸積層体は、7μm厚のPVA層を含む積層体を130℃の延伸温度環境に設定されたオーブンに配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が1.8倍になるように自由端一軸に延伸したものである。この延伸処理によって、延伸積層体に含まれるPVA層を、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層へと変化させる。
次に、染色工程によって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。具体的には、この着色積層体は、延伸積層体を液温30℃のヨウ素およびヨウ化カリウムを含む染色液に、最終的に生成される高機能偏光膜を構成するPVA層の単体透過率が40〜44%になるように任意の時間、浸漬することによって、延伸積層体に含まれるPVA層にヨウ素を吸着させたものである。本工程において、染色液は、水を溶媒として、ヨウ素濃度を0.12〜0.30重量%の範囲内とし、ヨウ化カリウム濃度を0.7〜2.1重量%の範囲内とする。ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度の比は1対7である。ちなみに、ヨウ素を水に溶解するにはヨウ化カリウムを必要とする。より詳細には、ヨウ素濃度0.30重量%、ヨウ化カリウム濃度2.1重量%の染色液に延伸積層体を60秒間浸漬することによって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。
さらに、第2段のホウ酸水中延伸工程によって、着色積層体を非晶性PET基材と一体にさらに延伸し、3μm厚の高機能偏光膜を構成するPVA層を含む光学フィルム積層体を生成する。具体的には、この光学フィルム積層体は、着色積層体をホウ酸とヨウ化カリウムを含む液温範囲60〜85℃のホウ酸水溶液に設定された処理装置に配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸したものである。より詳細には、ホウ酸水溶液の液温は65℃である。それはまた、ホウ酸含有量を水100重量部に対して4重量部とし、ヨウ化カリウム含有量を水100重量部に対して5重量部とする。本工程においては、ヨウ素吸着量を調整した着色積層体をまず5〜10秒間ホウ酸水溶液に浸漬する。しかる後に、その着色積層体をそのまま処理装置に配備された延伸装置である周速の異なる複数の組のロール間に通し、30〜90秒かけて延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸する。この延伸処理によって、着色積層体に含まれるPVA層を、吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向した3μm厚のPVA層へと変化させる。このPVA層が光学フィルム積層体の高機能偏光膜を構成する。
光学フィルム積層体の製造に必須の工程ではないが、洗浄工程によって、光学フィルム積層体をホウ酸水溶液から取り出し、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に付着したホウ酸をヨウ化カリウム水溶液で洗浄するのが好ましい。しかる後に、洗浄された光学フィルム積層体を60℃の温風による乾燥工程によって乾燥する。なお洗浄工程は、ホウ酸析出などの外観不良を解消するための工程である。
同じく光学フィルム積層体の製造に必須の工程というわけではないが、貼合せおよび/または転写工程によって、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に接着剤を塗布しながら、80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムを貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離し、3μm厚のPVA層を80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムに転写することもできる。
[その他の工程]
上記の薄型偏光膜の製造方法は、上記工程以外に、その他の工程を含み得る。その他の工程としては、例えば、不溶化工程、架橋工程、乾燥(水分率の調節)工程等が挙げられる。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行い得る。
上記不溶化工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化工程は、積層体作製後、染色工程や水中延伸工程の前に行う。
上記架橋工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色工程後に架橋工程を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、架橋工程は上記第2のホウ酸水中延伸工程の前に行う。好ましい実施形態においては、染色工程、架橋工程および第2のホウ酸水中延伸工程をこの順で行う。
上記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または上記ポリマーのブレンド物なども上記透明保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性などが十分に発現できないおそれがある。
また、透明保護フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が挙げられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムが挙げられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。これらのフィルムは位相差が小さく、光弾性係数が小さいため偏光板の歪みによるムラなどの不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に優れる。
透明保護フィルムの厚みは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性などの作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
なお、偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料などからなる透明保護フィルムを用いてもよい。
上記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置などの形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に上記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置などの製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業などに優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層などの適宜な接着手段を用いうる。上記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セルなどの他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着層は、異なる組成または種類などのものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面または両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚みなどの粘着層とすることもできる。粘着層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、1〜200μmが好ましく、特に1〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止などを目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚み条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などの適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置などの各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、および必要に応じての照明システムなどの構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側または両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側または両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
<Tg:ガラス転移温度>
Tgは、TAインスツルメンツ製動的粘弾性測定装置RSAIIIを用い以下の測定条件で測定した。
サンプルサイズ:幅10mm、長さ30mm、
クランプ距離20mm、
測定モード:引っ張り、周波数:1Hz、昇温速度:5℃/分
動的粘弾性の測定を行い、tanδのピークトップの温度Tgとして採用した。
<偏光子X>
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%の厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬し膨潤させた。次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=0.5/8)の濃度0.3%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながらフィルムを染色した。その後、65℃のホウ酸エステル水溶液中で、トータルの延伸倍率が6倍となるように延伸を行った。延伸後に、40℃のオーブンにて3分間乾燥を行い、PVA系偏光子X(SP値32.8、厚み23μm)を得た。
<透明保護フィルム>
透明保護フィルムとして、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(SP値23.3)を、ケン化・コロナ処理等を行わずに用いた(以下、ケン化・コロナ処理等を行っていないTACを、「未処理TAC」ともいう)。
<活性エネルギー線>
活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ) 照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10 バルブ:Vバルブ ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380〜440nm)を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
(活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の調整)
実施例1〜7、比較例1〜5
表2に記載の配合表に従い、各成分を混合して50℃で1時間撹拌し、実施例1〜7、比較例1〜5に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を得た。使用した各成分は以下のとおりである。
(1)ラジカル重合性化合物(A)
HEAA(ヒドロキシエチルアクリルアミド)、SP値29.6、ホモポリマーのTg123℃、興人社製
N−MAM−PC(N−メチロールアクリルアミド)、SP値31.5、ホモポリマーのTg150℃、笠野興産社製
(2)ラジカル重合性化合物(B)
アロニックスM−220(トリプロピレングリコールジアクリレート)、SP値19.0、ホモポリマーのTg69℃、東亞合成社製
ライトアクリレートDCP−A(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、SP値20.3、ホモポリマーのTg134℃、共栄社化学社製
(3)ラジカル重合性化合物(C)
ACMO(アクリロイルモルホリン)、SP値22.9、ホモポリマーのTg150℃、興人社製
ワスマー2MA(N−メトキシメチルアクリルアミド)、SP値22.9、ホモポリマーのTg99℃、笠野興産社製
(4)ラジカル重合性化合物(D)
4HBA(4−ヒドロキシブチルアクリレート)、SP値23.8、ホモポリマーのTg−14℃、大阪有機化学工業社製
(5)光重合開始剤
KAYACURE DETX−S(ジエチルチオキサントン)、日本化薬社製
IRGACURE907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、BASF社製
つぎに、上記透明保護フィルム上に、実施例1〜7、比較例1〜5に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を、MCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み0.5μmになるように塗工し、上記偏光子Xの両面にロール機で貼り合わせた。その後、貼り合わせた透明保護フィルム側(両側)から、IRヒーターを用いて50℃に加温し、上記紫外線を両面に照射して実施例1〜7、比較例1〜6に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を硬化させた後、70℃で3分間熱風乾燥して、偏光子の両側に透明保護フィルムを有する偏光板を得た。貼り合わせのライン速度は25m/minで行った。得られた各偏光板の接着力(対TAC)、耐水性(温水浸漬試験)、耐久性(ヒートショック試験)を下記の条件に基づき評価した。
実施例8
(薄型偏光膜Yの作製とそれを用いた偏光板の作製)
薄型偏光膜Yを作製するため、まず、非晶性PET基材に24μm厚のPVA層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成し、次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、さらに着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸によって総延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸された10μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光膜Yを構成する、厚さ10μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成することができた。更に、当該光学フィルム積層体の薄型偏光膜Yの表面に実施例1に係る活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布し、実施例1で使用した透明保護フィルムを接着剤塗布面から貼り合わせた後、非晶性PET基材を剥離し、薄型偏光膜Yを用いた偏光板(実施例8に係る偏光板)を作製した。
<接着力>
偏光板を偏光子の延伸方向と平行に200mm、直行方向に20mmの大きさに切り出し、透明保護フィルム(未処理TAC;SP値23.3)と偏光子(SP値32.8)との間にカッターナイフで切り込みを入れ、偏光板をガラス板に貼り合わせた。テンシロンにより、90度方向に保護フィルムと偏光子とを剥離速度500mm/minで剥離し、その剥離強度を測定した。また、剥離後の剥離面の赤外吸収スペクトルをATR法によって測定し、剥離界面を下記の基準に基づき評価した。
A:保護フィルムの凝集破壊
B:保護フィルム/接着剤層間の界面剥離
C:接着剤層/偏光子間の界面剥離
D:偏光子の凝集破壊
上記基準において、AおよびDは、接着力がフィルムの凝集力以上であるため、接着力が非常に優れることを意味する。一方、BおよびCは、保護フィルム/接着剤層(接着剤層/偏光子)界面の接着力が不足している(接着力が劣る)ことを意味する。これらを勘案して、AまたはDである場合の接着力を○、A・B(「保護フィルムの凝集破壊」と「保護フィルム/接着剤層間の界面剥離」とが同時に発生)あるいはA・C(「保護フィルムの凝集破壊」と「接着剤層/偏光子間の界面剥離」とが同時に発生)である場合の接着力を△、BまたはCである場合の接着力を×とする。
<耐水性(温水浸漬試験)>
偏光板を、偏光子の延伸方向に50mm、垂直方向に25mmの長方形にカットした。かかる偏光板を60℃の温水に6時間浸漬した後の偏光子/透明保護フィルム間の剥れを目視観察し、下記の基準に基づき評価した。
○:剥れは確認されない
△:端部から剥れが生じているが、中心部の剥れは確認されない
×:全面に剥れが生じた
<耐久性(ヒートショック試験)>
偏光板のアクリルフィルム面に粘着剤層を積層し、偏光子の延伸方向に200mm、垂直方向に400mmの長方形にカットした。ガラス板に上記偏光板をラミネートし、−40℃⇔85℃のヒートサイクル試験を行い、50サイクル後の偏光板を目視観察し、下記の基準に基づき評価した。
○:クラックの発生は見られない
△:偏光子の延伸方向に貫通しないクラックが発生した(クラック長さ200mm以下)
×:偏光子の延伸方向に貫通するクラックが発生した(クラック長さ200mm)
Figure 2013237849
Figure 2013237849
表3の結果から、厚み23μmの偏光子Xに代えて、厚み10μmの薄型偏光膜Yを使用して得られた偏光板であっても、TAC接着力、温水浸漬試験およびヒートショック試験に関して良好な結果が得られることがわかる。

Claims (13)

  1. 硬化性成分として、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物であって、組成物全量を100重量%としたとき、
    SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、
    SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、および
    SP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有し、
    前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  2. 活性エネルギー線硬化型接着剤組成物中のラジカル重合性化合物の全量を100重量部としたとき、
    前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で85〜100重量部含有し、さらにSP値が23.0(kJ/m1/2を超えて29.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(D)を0〜15重量部含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  3. 前記ラジカル重合性化合物(A)が、ヒドロキシエチルアクリルアミドおよび/またはN−メチロールアクリルアミドである請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  4. 前記ラジカル重合性化合物(B)が、トリプロピレングリコールジアクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  5. 前記ラジカル重合性化合物(C)が、アクリロイルモルホリンおよび/またはN−メトキシメチルアクリルアミドである請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  6. 光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
    Figure 2013237849
    (式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  7. 光重合開始剤として、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
    Figure 2013237849
    (式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有する請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  8. 偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層を介して波長365nmの光線透過率が5%未満である透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、
    前記接着剤層が、請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物層により形成されたものであることを特徴とする偏光板。
  9. 前記透明保護フィルムのSP値が29.0(kJ/m1/2以上33.0(kJ/m1/2未満である請求項8に記載の偏光板。
  10. 前記透明保護フィルムのSP値が18.0(kJ/m1/2以上24.0(kJ/m1/2未満である請求項8または9に記載の偏光板。
  11. 前記接着剤層のガラス転移温度(Tg)が60℃以上である請求項8〜10のいずれかに記載の偏光板。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする光学フィルム。
  13. 請求項8〜11のいずれかに記載の偏光板、および/または請求項12に記載の光学フィルムが用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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