JPH0920854A - 水素化ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマーを含むポリマーブレンド - Google Patents

水素化ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマーを含むポリマーブレンド

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JPH0920854A
JPH0920854A JP29560795A JP29560795A JPH0920854A JP H0920854 A JPH0920854 A JP H0920854A JP 29560795 A JP29560795 A JP 29560795A JP 29560795 A JP29560795 A JP 29560795A JP H0920854 A JPH0920854 A JP H0920854A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 機械的性質と耐薬品性との向上した組合せを
有し、さらに最終的に所望の成形物品まで容易に加工し
うるポリマーブレンドを提供する。 【解決手段】 (a)100重量部の水素化(ポリ)ブ
タジエンブロックコポリマーBDBもしくは[B1 E]
n X[ここでブロックBおよびB1 のそれぞれは実質的
に線状かつ純粋なポリエチレンブロックからなり;Dお
よびEは実質的にオレフィン性不飽和を含まずかつ実質
的に線状のエラストマー性ポリマーブロックであり、X
はカップリング剤残基であり、nは>2の整数である]
と; (b)20〜100重量部の主としてパラフィン系およ
び/またはナフテン系のエキステンダー油と; (c)20〜200重量部の2〜20個の炭素原子を有
するオレフィンのホモポリマーもしくはコポリマーとか
らなる耐薬品性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主成分として水素
化ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマーを含むと共に
他の成分としてポリ(オレフィン)ホモポリマーもしく
はコポリマーを含むポリマーブレンドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,237,245号および
第4,252,914号からα−オレフィンポリマーと
水素化ジ−ブロックコポリマーとの配合物が公知であ
り、これらは15重量%以下の1,2−ミクロ構造を有
するが主として1,4−ポリブタジエンの1つのブロッ
クと、少なくとも95重量%の1,2−ミクロ構造を有
する1,2−ポリブタジエンの第2ブロックとからな
り、前記1,2−ポリブタジエンブロックの分子量は前
記コポリマーの全分子量の少なくとも10%を示すと共
に、原ジブロックコポリマーにおける不飽和は少なくと
も85%水素化される。
【0003】さらに、特に米国特許第4,252,91
4号の教示によれば10〜60重量%、好ましくは15
〜48重量%のポリ(α−オレフィン)と90〜40重
量%の水素化ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマー
(これは予め部分的に硬化させうる)からなるブレンド
を主として使用することを意図した。
【0004】前記ブレンドはたとえば低温度における衝
撃強さ、高温での最小クリープ、引張強さ、および引裂
強さのような向上した機械的性質を示すと述べられてい
るが、この種のブレンドの耐薬品性については全く記載
されていない。
【0005】主成分としてポリ(オレフィン)を含むポ
リマーブレンドの耐薬品性は、この種のポリマーブレン
ドをボンネットの下に使用することが増え、たとえば炭
化水素燃料、グリース、潤滑油、ポリオールおよび濃強
無機酸(たとえば硫酸)のような化学薬品との接触およ
び有機溶剤、グリース、オイル、脂肪、ポリオールおよ
び強無機酸を伴う工業処理を受ける潜在的危険性が増大
しているため自動車にて特に重要となっている。
【0006】現在、強力に汚染された環境であらゆる適
切な機械的性質と耐薬品性との組合せを向上させうるよ
うなポリ(オレフィン)と他のポリマーとのポリマーブ
レンドにつき強いニーズが存在することも了解されよ
う。より詳細には、芳香族型の鉱油に対するこれらブレ
ンドの耐性を向上させねばならない、
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、機械的性質と耐薬品性との向上した組合せを示す
と共に最終的に所望の成形物品まで容易に加工しうるよ
うなポリマーブレンドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】鋭意研究および実験した
結果、目的とするこの種のブレンドが驚くことに今回見
出された。
【0009】したがって本発明は、少なくとも: (a)100重量部の水素化(ポリ)ブタジエンブロッ
クコポリマーBDBもしくは[B1 E]n X[ここでブ
ロックBおよびB1 のそれぞれはは5,000〜25
0,000の範囲の数平均分子量(Mn)を有する実質
的に線状かつ実質的に純粋なポリエチレンブロックから
なり;DおよびEは実質的にオレフィン性不飽和を含ま
ずかつ10,000〜400,000の範囲の数平均分
子量を有する実質的に線状のエラストマー性ポリマーブ
ロックであり、ブロックB、BD、BDB、B1 および
1 Eの分子量分布(Mw/Mn)は≦2であり、Xは
カップリング剤残基であり、nは≧2の整数である]
と; (b)20〜100重量部の主としてパラフィン系およ
び/またはナフテン系のエキステンダー油と; (c)20〜200重量部の2〜20個の炭素原子を有
するオレフィンのホモポリマーもしくはコポリマーと からなる耐薬品性組成物に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】より詳細には、本発明によるポリ
マーブレンドにおいて前記した各成分は全組成物の重量
に対し (a)10〜50重量% (b)5〜40重量% (c)10〜60重量% に対応する量で存在し、ただし成分(a)、(b)およ
び(c)の選択比率の合計は100でなければならな
い。
【0011】ブロックBおよびB1 は好ましくは20,
000〜60,000、より好ましくは30,000〜
50,000の範囲の数平均分子量を有し、全ブロック
コポリマーにおけるブロックBおよびB1 の重量分率は
一般に20〜80重量%の範囲である。
【0012】適用される完成ブロックコポリマーにおけ
るブロックBおよびB1 の好適な重量分率は30〜50
重量%の範囲である。
【0013】ブロックDおよびEは好ましくは80,0
00〜180,000、より好ましくは100,000
〜160,000の範囲の数平均分子量を有する。
【0014】特定ブレンドの成分(a)として使用すべ
きブロックコポリマーをもたらすのに適する先駆体ブロ
ックコポリマーは、公知プロセスの水素化前に最高10
%の末端ブロックにおけるビニル含有量を有すると共に
30〜70%、好ましくは30〜50%の中間ブロック
におけるビニル含有量を有する。
【0015】本明細書の全体で用いる「主としてパラフ
ィン系もしくはナフテン系のエックステンダー油」と言
う用語は、主成分としてパラフィン系および/またはナ
フテン系の油を含むと共に任意の少量成分(全油重量に
対し<5重量%)として芳香族油を含むエキステンダー
油を意味する。
【0016】エキステンダー油の選択は、少量の芳香族
油の使用をブレンド特性の予想される劣化のため厳密に
回避せねばならなかった従来技術の対応するポリマーブ
レンドと対比し、大して重要でないと判明したことが了
解されよう。
【0017】種々の可塑化油が、本発明により使用すべ
き組成物にエキステンダーとして有用である。
【0018】有用であると判明した可塑化油は石油系オ
イル、オレフィンオリゴマーおよび低分子量ポリマー並
びに植物油および動物油(これらは比較的高沸点の物質
として使用することができる)を包含し、少割合の芳香
族炭化水素、好ましくは20%未満、より好ましくは1
0重量%未満の芳香族炭化水素を含有する。特に好まし
くは、油は全て非芳香族とすることができる。
【0019】オリゴマーはたとえばポリ(プロピレ
ン)、ポリ(ブチレン)、ポリ(ドデセン)、水素化ポ
リ(イソプレン)、水素化ポリ(ブタジエン)、水素化
ポリ(ピペリレン)およびピペリレンとイソプレンとの
水素化コポリマーのようなポリ(α−オレフィン)とす
ることができ、350〜10,000の平均分子量を有
する。
【0020】植物油および動物油は通常の脂肪酸のグリ
セリルエステルおよびその重合生成物を包含する。
【0021】好適なパラフィン系油の例はプリモール
(PRIMOL)352およびオンジナ(ONDIN
A)100(プリモールおよびオンジナは登録商標であ
る)、並びにナプビス(NAPVIS)、ハイビス(H
YVIS)およびエチルフロ(ETHYLFLO)ポリ
オレフィン(ナプビス、ハイビスおよびエチルフロは登
録商標である)であって、500〜6,000の範囲の
分子量を有する。
【0022】好ましくはパラフィン系油およびポリ(α
−オレフィン)を成分(b)として使用する。
【0023】本発明のブレンドにおける成分(c)とし
て使用すべきポリ(オレフィン)は2〜20個の炭素原
子を有するα−オレフィンモノマーのホモポリマー、さ
らに前記α−オレフィンの2種もしくはそれ以上のコポ
リマーからなり、前記ポリマーは少なくとも90℃の融
点を有する。
【0024】ブレンド中のポリ(α−オレフィン)ポリ
マー成分(c)の含有量は好ましくは3種の成分の全重
量に対し15〜50重量%である。
【0025】α−オレフィンポリマーの製造に使用しう
る典型的なα−オレフィンモノマーはエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、4−メチル−1−ヘキセン、4−エチル−ヘ
キセンまたは6−メチル−1−ヘプタンなどを包含す
る。
【0026】使用すべき一層好適なポリ(α−オレフィ
ン)ポリマーはポリエチレン(HDPE、LLDP
E)、ポリプロピレン ホモポリマーおよびプロピレン
とエチレンとのコポリマーである。
【0027】主成分(a)、(b)および(c)からな
るポリマーブレンドはさらに1種もしくはそれ以上の助
剤、たとえば充填剤および安定剤をも含みうることが了
解されよう。
【0028】一般に無機繊維もしくは粉末よりなる充填
剤は、全組成物の重量に対し10〜50重量%までの量
にて使用することができる。好ましくは、炭酸カルシウ
ムもしくはタルクを充填剤として使用する。
【0029】通常の安定剤を全組成物の重量に対し1重
量%までの量にて使用することができる。
【0030】本発明のポリマーブレンドは驚くほど向上
した耐薬品性、特に芳香族型の鉱油および無機強酸に対
する向上した耐性を有すると判明したが、アルコール、
カルボン酸、動物もしくは植物源の脂肪および最も工業
的に用いられる洗剤に対する耐性は末端ポリ(ビニル芳
香族)ブロックを有する水素化ブロックコポリマー、よ
り特定的には成分としてポリ(スチレン)たとえばクラ
トン(KRATON)1651Gブロックコポリマー
(SEBS)を含む慣用の従来技術によるブレンドと比
較して維持され或いは僅かに向上することが了解されよ
う。芳香族エキステンダー油フラクションに対する向上
した耐性は、一般に少量のこの種の芳香族成分を含有す
ることが知られた工業用ナフテン油の使用が大して臨界
的でなくかつ一層安全であることをも意味する。
【0031】さらに、上記に特定した成分(a)と
(b)と(c)とからなるポリマーブレンドにおいて引
張強さ、破断点伸び率および引裂強さに関し、従来のブ
ロックコポリマー成分からなるブレンドとは異なり、異
方性が存在せず、しかも成分(a)と(b)と(c)と
からなるブレンドのメルトフローも顕著に向上すること
が驚くことに判明した。
【0032】本発明のブレンドに成分(a)として使用
すべきポリマーは主としてヨーロッパ特許出願第0,3
87,947号から公知であるが、今回見出された特定
ブレンドの耐薬品性に関し当業者には如何なる引例も見
出しえない。
【0033】
【実施例】以下、限定はしないが実施例により本発明を
さらに説明する。
【0034】(a)100重量部の水素化(ポリ)ブタ
ジエン トリブロックコポリマーBDB(これは40%
の末端ブロック含有量と、水素化前に<10%の末端ブ
ロックビニル含有量と、水素化前に40%の中間ブロッ
クビニル含有量と、40,000の末端ブロック分子量
と、120,000の中間ブロック見掛け分子量と、2
00,000の全分子量と、>80%のカップリング効
率とを有する)および100重量部のスチレンとブタジ
エンとの選択水素化されたブロック トリブロックコポ
リマー(クラトンG1651)(これは29,000の
ポリスチレン末端ブロック見掛け分子量)と33%のポ
リスチレン含有量とを有する)と、(b)100重量部
のパラフィン油(プリモール352)と、(c)34重
量部のポリプロピレンホモポリマーとからブレンドを作
成した。
【0035】初期試験の時点における該当する性質(初
期特性)並びにそれぞれ23℃および70℃にて168
時間にわたり老化させた後の性質を下表Iに示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 ハンス・フエルデイナンド・フエルメイレ ベルギー国、ルーバン−ラ−ヌーブ、ベー −1348・オテイニイ、アブニユ・ジヤン・ モネ・1

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも: (a)100重量部の水素化(ポリ)ブタジエンブロッ
    クコポリマーBDBもしくは[B1 E]n X[ここでブ
    ロックBおよびB1 のそれぞれは5,000〜250,
    000の範囲の数平均分子量(Mn)を有する実質的に
    線状かつ実質的に純粋なポリエチレンブロックからな
    り;DおよびEは実質的にオレフィン性不飽和を含まず
    かつ10,000〜400,000の範囲の数平均分子
    量を有する実質的に線状のエラストマー性ポリマーブロ
    ックであり、ブロックB、BD、BDB、B1 およびB
    1 Eの分子量分布(Mw/Mn)は≦2であり、Xはカ
    ップリング剤残基であり、nは>2の整数である]と; (b)20〜100重量部の主としてパラフィン系およ
    び/またはナフテン系のエキステンダー油と; (c)20〜200重量部の2〜20個の炭素原子を有
    するオレフィンのホモポリマーもしくはコポリマーとか
    らなることを特徴とする耐薬品性組成物。
  2. 【請求項2】 成分(a)、(b)および(c)が全組
    成物の重量に対し (a)10〜50重量% (b)5〜40重量% (c)10〜60重量% に対応する量で存在し、ただし成分(a)と(b)と
    (c)の選択比率の合計は100%でなければならない
    ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ブロックBおよびB1 のそれぞれが2
    0,000〜60,000の範囲の数平均分子量を有す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ブロックBおよびB1 のそれぞれが3
    0,000〜50,000の範囲の数平均分子量を有す
    ることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 全ブロックコポリマーにおけるブロック
    BおよびB1 の重量分率が20〜80重量%の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 全ブロックコポリマーにおけるブロック
    BおよびB1 の重量分率が30〜50重量%の範囲であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ブロックDおよびEのそれぞれが80,
    000〜180,000の範囲の数平均分子量を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 ブロックDおよびEのそれぞれが10
    0,000〜160,000の範囲の数平均分子量を有
    することを特徴とする請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 水素化前の成分(a)につき先駆体ブロ
    ックコポリマーにおけるブロックBおよびB1 が最高1
    0%のビニル含有量を示すと共に、ブロックDおよびE
    が30〜70%のビニル含有量を示すことを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 成分(b)としてパラフィン油もしく
    はポリ(α−オレフィン)が使用されることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 成分(c)が少なくとも90℃の融点
    を有するポリ(α−オレフィン)であることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 成分(c)の含有量が3種の成分の全
    重量に対し15〜50重量%の範囲であることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 成分(c)がポリエチレン、ポリ(プ
    ロピレン)ホモポリマーおよびプロピレンとエチレンと
    のコポリマーから選択されることを特徴とする請求項1
    〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 自動車における請求項1〜13のいず
    れか一項に記載の組成物の使用。
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