JPH09208156A - リニアモータエレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータエレベータにおいて、制動時に
ブレーキシューがガイドレールに瞬時に押し付けられる
ことにより発生する騒音を低減すること。 【解決手段】 リニアモータエレベータにおいて、リニ
アモータで駆動されるかごおよび釣合おもりと、このか
ごまたは釣合おもりを案内するガイドレールと、このガ
イドレールにブレーキシューを押圧して制動力を作用さ
せるとともにブレーキアームと上記ブレーキシューとの
間に緩衝材を有する、上記かごまたは上記釣合おもりに
搭載されたブレーキ装置とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、電磁マグネット
により、２次導体やおもり側ガイドレールにブレーキシ
ューを接離させるリニアモータエレベータのブレーキ装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は例えば特開平１−２７１３８１号
公報に示された従来のリニアモータエレベータを示す斜
視図である。図において、昇降路１の上部には２個の返
し車２が設置されておりこれらにロープ３が巻き掛けら
れている。ロープ３の一端部にはかご４が、ロープ３の
他端部には釣合おもり５がそれぞれ吊り下げられてい
る。昇降路１のかご４の両端には、かご４の昇降をガイ
ドする一対のかご側ガイドレール６が設置されている。
また釣合おもり５の両側には、一対のおもり側ガイドレ
ール７が設置されている。

【０００３】釣合おもり５には、リニアモータの一次側
コイル８が複数個設けられている。昇降路１側には、一
次側コイル８に対向するリニアモータの二次導体９が設
けられているこの二次導体９は、その幅方向の一端部が
おもり側ガイドレール７に係合している。一次側コイル
８は、二次導体９の両面に対向するように配置されてい
る。釣合おもり５の下端部には、ブレーキ装置１０が設
けられている。

【０００４】図５は図４の釣合おもり５を示す正面図、
図６は図５のブレーキ装置を示す拡大図、図７は図６の
ブレーキ装置の制動時の状態を示す断面図、図８は図６
のブレーキ装置の開放時の状態を示す断面図である。図
において、ブレーキ装置１０は、おもり側ガイドレール
７の両面に接離する一対のブレーキシュー１１を有して
いる。これらのブレーキシュー１１は、それぞれピン１
２に回動自在に支持された一対のアーム１３の先端に取
り付けられている。各アーム１３の他端部は、それぞれ
電磁マグネット枠１５及びマグネットアーマチュア１６
に連結されている。

【０００５】図９は従来の電磁マグネット１４を拡大し
て示す断面図である。図において、マグネットアーマチ
ュア１６には、複数本のピン１７が固定されている。ピ
ン１７は、マグネット枠１５の外周部を摺動自在に貫通
している。ピン１７のマグネット枠１５から突出した部
分には、マグネット枠１５とマグネットアーマチュア１
６との開離間隔を規制するストッパ１８が固着されてい
る。バネ１９は、マグネットアーマチュア１６をマグネ
ット枠１５から開離する方向へ付勢している。また、マ
グネット枠１５内には、コイル２１が挿入されている。
マグネットアーマチュア１６とマグネット枠１５の間に
は緩衝材２２が装着されている。

【０００６】上記のような従来のリニアエレベータで
は、一次側コイル８と二次導体９とにより構成されるリ
ニア誘導モータの推進力により、釣合おもり５をおもり
側ガイドレール７に沿って昇降させ、これにより釣合お
もり５にロープ３を介して接続されたかご４をかご側ガ
イドレール６に沿って昇降させる。また、釣合おも５内
にブレーキ装置１０を設け、かご４と釣合おもり５とを
制動停止させる。

【０００７】次に、ブレーキ装置１０の動作について説
明する。まず、制動時には、図７に示すように、バネ１
９のバネ力によりマグネット枠１５とマグネットアーマ
チュア１６とが互いに開離する。これにより、アーム１
３がピン１２を中心に回動し、ブレーキシュー１１がお
もり側ガイドレール７に押し付けられて制動力が発生す
る。このような制動時には、マグネット枠１５とマグネ
ットアーマチュア１６との間に隙間が生じている。

【０００８】また、ブレーキ装置１０の開放時には、コ
イル２１を励磁することにより、マグネット枠１５とマ
グネットアーマチュア１６との間に吸引力を発生させ
る。これによりマグネット枠１５とマグネットアーマチ
ュア１６とは、図８に示すように、バネ１９に逆らって
接触する。従って、アーム１３が制動時とは逆方向に回
動し、ブレーキシュー１１がおもり側ガイドレール７か
ら開離する。このような開放時には、ブレーキシュー１
１とおもり側ガイドレール７との間には隙間が生じてい
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のブレーキ装置においては、開放時にコイル２１
を励磁することにより、マグネット枠１５とマグネット
アーマチュア１６とが衝突し発生する騒音は、緩衝材２
２で低減している。また、制動時の、バネ１９のバネ力
により、ブレーキシュー１１がおもり側ガイドレール７
に瞬時に押し付けられることにより発生する騒音は、ブ
レーキシュー１１とガイドレール７との隙間を極力狭く
することにより低減している。しかし、長期に渡りエレ
ベータの運転を続けるとブレーキシュー１１がすり減
り、ガイドレール７との隙間が徐々に広くなって、ブレ
ーキ制動時の騒音が大きくなってしまうという問題点が
ある。また、構造上、スキ間を広げなくてはならない場
合もある。

【００１０】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、制動時の騒音
を低減して、静かに動作するリニアモータエレベータの
ブレーキ装置を得ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に係るリニアモ
ータエレベータは、リニアモータで駆動されるかごおよ
び釣合おもりと、このかごまたは釣合おもりを案内する
ガイドレールと、このガイドレールにブレーキシューを
押圧して制動力を作用させるとともにブレーキアームと
上記ブレーキシューとの間に緩衝材を有する、上記かご
または上記釣合おもりに搭載されたブレーキ装置とを備
えたものである。

【００１２】また、リニアモータで駆動されるかごおよ
び釣合おもりと、このかごまたは釣合おもりを案内する
ガイドレールと、このガイドレールにブレーキシューを
押圧して制動力を作用させるとともに上記かごおよび上
記釣合おもりの昇降動作時に上記ガイドレールに対し上
記ブレーキシューを摺動させる、上記かごまたは上記釣
合おもりに搭載されたブレーキ装置とを備えたものであ
る。

【００１３】また、ブレーキアームとブレーキシューと
の間に緩衝材とバネとを設け、上記ブレーキシューを上
記バネの付勢力によりガイドレールと摺動させるもので
ある。

【００１４】また、ブレーキアームとブレーキシューと
の間の緩衝材を上記ブレーキシュー側に取り付けたもの
である。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
基に説明する。図１は、本発明の一実施の形態を示すリ
ニアモータエレベータのブレーキ装置である。図２、図
３は図１のＡ矢視図で、図２はブレーキ開放時の状態
を、図３は制動時の状態を示す。図において、ブレーキ
シュー１１はシュー取付金具３２に取り付けられている
が、シュー取付金具３２はブレーキアーム１３と分離し
ている。３０はシューガイド金具で、シュー取付金具３
２がずれたり傾いたりするのを防いでいる。ブレーキア
ーム１３とシュー取付金具３２の間には、バネ３３と緩
衝材３１が装着されている。バネ３３はブレーキアーム
１３とシュー取付金具３２を開離する方向に付勢されて
おり、ブレーキ開放時ブレーキシュー１１はガイドレー
ル７に軽く押し当てられている。このようにブレーキシ
ュー１１がガイドレール７に軽く接触しながら移動する
ことによって、レールが錆びないという効果もある。ブ
レーキ開放時はブレーキアーム１３と緩衝材３１の間は
隙間が空いており、制動時はブレーキアーム１３が緩衝
材３１に押圧されるので隙間は無くなる。

【００１６】次に動作時の騒音の低減方法を説明する。
ブレーキ開放時には、マグネット枠１５とマグネットア
ーマチュア１６が衝突し発生する騒音は、従来のブレー
キ装置と同様の方式で、間に挟まれた緩衝材２２で低減
している。一方、ブレーキの制動時にはブレーキシュー
の部分が図２から図３の状態になり、ブレーキアーム１
３がガイドレール７側へ瞬時に押し付けられるが、緩衝
材３１によりその衝撃は和らげられ、このとき発生する
騒音も低減される。

【００１７】緩衝材３１をシュー取付金具３２に接着剤
等で固定し、ブレーキシュー１１が摺り減って交換する
とき、緩衝材３１も同時に交換できるようにし、新たな
緩衝材で騒音低減の効果も持続できる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明のリニア
モータエレベータのブレーキ装置は、ブレーキアームと
ブレーキシューを分割し、その間に緩衝材を装着して、
ブレーキ制動時にブレーキシューがガイドレール等に押
し当てられる衝撃を緩和し、そのとき発生する騒音を低
減するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態によるブレーキ装置の
開放時の状態を示す図である。

【図２】 図面１のＡ矢視図でブレーキ装置の開放時の
状態を示す図である。

【図３】 図面１のＡ矢視図でブレーキ装置の制動時の
状態を示す図である。

【図４】 従来のリニアモータエレベータの一例を示す
斜視図である。

【図５】 図４の釣合おもりを示す正面図である。

【図６】 図５のブレーキ装置を示す拡大図である。

【図７】 図６のブレーキ装置の制動時の状態を示す断
面図である。

【図８】 図６のブレーキ装置の開放時の状態を示す断
面図である。

【図９】 従来の電磁マグネットを拡大して示す断面図
である。

【符号の説明】

７ ガイドレール、１１ ブレーキシュー、１３ ブレ
ーキアーム、３１ 緩衝材、３３ バネ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リニアモータで駆動されるかごおよび釣
   合おもりと、このかごまたは釣合おもりを案内するガイ
   ドレールと、このガイドレールにブレーキシューを押圧
   して制動力を作用させるとともにブレーキアームと上記
   ブレーキシューとの間に緩衝材を有する、上記かごまた
   は上記釣合おもりに搭載されたブレーキ装置とを備えた
   ことを特徴とするリニアモータエレベータ。
2. 【請求項２】 リニアモータで駆動されるかごおよび釣
   合おもりと、このかごまたは釣合おもりを案内するガイ
   ドレールと、このガイドレールにブレーキシューを押圧
   して制動力を作用させるとともに上記かごおよび上記釣
   合おもりの昇降動作時に上記ガイドレールに対し上記ブ
   レーキシューを摺動させる、上記かごまたは上記釣合お
   もりに搭載されたブレーキ装置とを備えたことを特徴と
   するリニアモータエレベータ。
3. 【請求項３】 ブレーキアームとブレーキシューとの間
   に緩衝材とバネとを設け、上記ブレーキシューを上記バ
   ネの付勢力によりガイドレールと摺動させることを特徴
   とする請求項２に記載のリニアモータエレベータ。
4. 【請求項４】 ブレーキアームとブレーキシューとの間
   に緩衝材を上記ブレーキシュー側に取り付けたことを特
   徴とする請求項１または３のいずれかに記載のリニアモ
   ータエレベータ。