JPH05319724A - エレベータ用非常停止装置 - Google Patents

エレベータ用非常停止装置

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JPH05319724A
JPH05319724A JP12729492A JP12729492A JPH05319724A JP H05319724 A JPH05319724 A JP H05319724A JP 12729492 A JP12729492 A JP 12729492A JP 12729492 A JP12729492 A JP 12729492A JP H05319724 A JPH05319724 A JP H05319724A
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Kazumasa Ito
和昌 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平常時は誤動作を防止し、非常停止時には迅
速かつ確実に制動子を所定位置まで変位させて昇降体を
停止させる。 【構成】 昇降体の下部に配設され、制動子19が上方
に変位したときにばね21を介してガイドレール13に
押圧されることにより昇降体の非常停止を行なう非常停
止機構と、調速機ロープの引張力によって上方に回動
し、制動子19を上動せしめる引上レバー15と、付勢
部材により平常時における引上部材15の上方への回動
を規制して非常停止機構の誤動作を防止する誤動作防止
手段24とを具備し、引上レバー15の軸側端部にカム
を形成し、誤動作防止手段24のコイルばね27におけ
る前記カムとの当接面に曲面座25を形成して、調速機
ロープ9,12の引張力が所定値以上になったときに制
動子19の上動を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレベータ用非常停止装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のエレベータ用非常停止装
置として、実開昭56−140570号公報に掲載の技
術を挙げることができる。図2は従来のエレベータ用非
常停止装置の全体を示す正面図、図3は従来のエレベー
タ用非常停止装置の要部正面図、図4は図3のA−A切
断線による断面図である。
【0003】図において、1はエレベータの昇降路、2
は昇降路1の上部に設けられた機械室、3は機械室2に
設けられた巻上機、4は巻上機3に巻掛けられて一端に
エレベータかご5、他端に釣合おもり6を吊持した主策
である。7はエレベータかご5の下部に設けられたかご
非常停止機構、8aはかご非常停止機構7と係合する調
速機ロープ9によって駆動されるかご調速機である。1
0は釣合おもり6の下部に設けられた釣合おもり非常停
止機構、8bは釣合おもり非常停止機構10と係合する
調速機ロープ12によって駆動される釣合おもり調速機
である。11aは調速機ロープ9の懸垂下端部に取付け
られ、調速機ロープ9に一定の張力を付与する張り車、
11bは調速機ロープ12の懸垂下端部に取付けられ、
調速機ロープ12に一定の張力を付与する張り車であ
る。13は昇降路1に立設されたガイドレール、14は
ガイドシューである。
【0004】15は端部において係合する調速機ロープ
9によって他端側を軸に上方に回動する引上レバー、1
6は前記引上レバー15に連結された連結棒、17は連
結棒16を反調速機ロープ9側に付勢し、制動誤動作を
防止するためのコイルばね等の付勢部材からなる誤動作
防止手段、18は引上レバー15と同軸で一体に上方に
回動する作動レバーである。19はガイドレール13の
両側に配設され、反ガイドレール13側に勾配を有する
楔形状をなし、前記引上レバー15及び作動レバー18
の回動に伴って上動する制動子、20はエレベータかご
5の下部に取付けられたかご非常停止機構7の枠体、2
1は前記枠体20に保持された馬蹄形状のばね、22は
一側がばね21に固定され、他側はガイドレール13と
所定距離隔てて対向している挾圧体、23は板体に回転
可能に保持された複数個のローラである。
【0005】次に、従来のエレベータ用非常停止装置の
動作を説明する。エレベータかご5及び釣合おもり6が
何らかの原因で異常速度で下降すると、かご調速機8a
または釣合おもり調速機8bが調速機ロープ9または調
速機ロープ12を介して引上レバー15を持ち上げる。
引上レバー15が引き上げられると、連結棒16が誤動
作防止手段17の付勢体の弾性力に抗して調速機ロープ
9方向に移動し、エレベータかご5の下部に取付けられ
ている左右一対の作動レバー18が持ち上げられる。こ
のため、平常時は下降位置に保持されている制動子19
がローラ23とともに上動してガイドレール13と挾圧
体22との間に介入する。すると、挾圧体22がガイド
レール13から離れる方向に変位しようとし、それによ
ってばね21の付勢による反力が発生して制動子19は
ガイドレール13に押圧される。そこで、ガイドレール
13と制動子19との間の摩擦による制動力が発生し
て、エレベータかご5及び釣合おもり6は非常停止す
る。
【0006】ところで、通常のエレベータの起動時に、
エレベータかご5または釣合おもり6が降下する際、調
速機ロープ9、調速機ロープ12及び張り車11a、張
り車11bの重量と、かご調速機8a、釣合おもり調速
機8b及び張り車11a、張り車11bのイナーシャ即
ち慣性力によってその分だけ引上レバー15が引上げら
れることとなる。このため、かご非常停止機構7または
釣合おもり非常停止機構10が誤動作を起こすことがあ
る。そこで、従来のエレベータ用非常停止装置には、コ
イルばね等の付勢部材からなる前記誤動作防止手段17
を設け、その弾性力によって常時連結棒16を反調速機
ロープ9側に付勢し、引上レバー15を押下げて、エレ
ベータかご5または釣合おもり6の降下起動時にかご非
常停止機構7または釣合おもり非常停止機構10が誤動
作するのを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のエレベータ用非
常停止装置は、上記のように構成されているから、非常
停止時の非常停止機構7が作動する際に、上記誤動作防
止手段17の付勢力が制動子19の上動に対して抵抗と
して作用するため、動作遅れが発生していた。また、何
らかの原因によって、かご非常停止機構7及び釣合おも
り非常停止機構10の動作中に、調速機ロープ9または
調速機ロープ12の引上力が減少し、引上レバー15の
引上力が誤動作防止力近くまで低下すると、誤動作防止
手段17の付勢力によって制動子19の上動が抑制さ
れ、制動力不足、場合によっては、制動力が無くなっ
て、エレベータかご5及び釣合おもり6の所定の制動を
行なうことができないという不具合があった。
【0008】そこで、本発明は、平常時は誤動作を防止
し、非常停止時には迅速かつ確実に制動子を所定位置ま
で変位させて昇降体を停止させることができるエレベー
タ用非常停止装置の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるエレベー
タ用非常停止装置は、昇降体の下部に配設され、制動子
が上方に変位したときに付勢体を介してガイドレールに
押圧されることにより昇降体の非常停止を行なう非常停
止機構と、調速機ロープの引張力によって上方に回動
し、前記制動子を上動せしめる引上部材と、付勢部材に
より平常時における引上部材の上方への回動を規制して
前記非常停止機構の誤動作を防止する誤動作防止手段と
が設けられたエレベータ用非常停止装置において、前記
引上部材の軸側端部にカムを形成し、前記誤動作防止手
段の付勢部材における前記カムとの当接面に曲面座を形
成して、調速機ロープの引張力が所定値以上になったと
きに前記非常停止機構の制動子の上動を可能ならしめた
ものである。
【0010】
【作用】本発明においては、調速機ロープの引張力が所
定値以下である平常時においては、誤動作防止手段の付
勢部材が引上部材のカム面を上方への回動を抑制する方
向に付勢しているので、非常停止機構の制動子が誤動作
により上動して昇降体を非常停止させることがない。一
方、調速機ロープの引張力が所定値以上となった非常停
止時においては、誤動作防止手段の付勢部材が逆に引上
部材のカム面を上方への回動を促進する方向に付勢する
ので、降下起動時における誤動作防止手段の付勢力によ
る動作遅れが減少するとともに、何らかの原因で調速機
ロープの引張力が誤動作防止力近くまで低下しても制動
子が上動して非常停止機構が動作し、昇降体は確実に停
止する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例によるエレベータ用非
常停止装置を示す要部正面図である。図中、図2乃至図
4と同一符号は従来の構成部分と同一または相当する部
分である。
【0012】図において、15は軸側端部を軸とし、他
端部において係合する調速機ロープ9によって上方に回
動する引上レバーで、前記軸側端部にはカムが形成され
ている。引上レバー15のカムは軸を通る略中心線上の
点Pにおいて下側円弧部分と上側円弧部分とに2分され
ている。24は従来例の誤動作防止手段17に代え、引
上レバー15と隣接する位置に設けられた誤動作防止手
段、25は誤動作防止手段24における引上レバー15
のカムとの当接面に形成された曲面座、26は一端部が
引上レバー15の回動軸に回動自在に取付けられたアイ
ボルト、27は曲面座25を調速機ロープ9側に付勢す
るコイルばね、28は前記アイボルト26の他端部を保
持するアイボルト固定用金具である。なお、エレベータ
かご5側と同様の釣合おもり非常停止機構10、引上レ
バー15、誤動作防止手段24等が釣合おもり6側にも
取付けられている。
【0013】次に、上記のように構成された本実施例の
エレベータ用非常停止装置の動作を説明する。平常にお
いては、誤動作防止手段24はコイルばね27の弾性力
によって曲面座25を介して引上レバー15のカムの下
側円弧部分を押圧し、引上レバー15の調速機ロープ9
との係合部が下降位置となるべく保持している。これに
よって、引上レバー15と同軸の作動レバー18も下方
に位置しており、制動子19の上動は規制されている。
このため、かご非常停止機構7は作動せず、エレベータ
かご5及び釣合おもり6の下降時における誤動作が防止
される。
【0014】一方、エレベータかご5及び釣合おもり6
が異常速度で下降し、調速機ロープ9の引張り力が所定
値以上となって、引上レバー15が所定以上のストロー
クまで引上げられると、引上レバー15のカムのP点が
曲面座25との接触点を越え、引上レバー15を下方に
押圧していた誤動作防止手段24の付勢力は、逆に、引
上レバー15を引上げる力として作用することとなり、
その結果、引上レバー15は二点鎖線で示す位置に回動
し、制動子19は上動することになる。これは、調速機
ロープ9の引張力が何らかの原因で誤動作防止力近くま
で低下した場合であっても、所定値以上の引張力であれ
ば、引上レバー15のカムのP点は曲面座25との接触
点を越えるので、引上レバー15は誤動作防止手段24
の付勢力によって上方に回動することとなり、上記の如
く、エレベータかご5は確実に停止することとなる。
【0015】このように、上記実施例のエレベータ用非
常停止装置は、昇降体であるエレベータかご5及び釣合
おもり6の下部に配設され、制動子19が上方に変位し
たときにばね21を介してガイドレール13に押圧され
ることによりエレベータかご5及び釣合おもり6の非常
停止を行なうかご非常停止機構7及び釣合おもり非常停
止機構10と、調速機ロープ9及び調速機ロープ12の
引張力によって上方に回動し、前記制動子19を上動せ
しめる引上部材としての引上レバー15と、付勢部材に
より平常時における引上レバー15の上方への回動を規
制して前記かご非常停止機構7及び釣合おもり非常停止
機構10の誤動作を防止する誤動作防止手段24とが設
けられたエレベータ用非常停止装置において、前記引上
レバー15の軸側端部にカムを形成し、前記誤動作防止
手段24のコイルばね27における前記カムとの当接面
に曲面座25を形成して、調速機ロープ9,12の引張
力が所定値以上になったときに前記かご非常停止機構7
及び釣合おもり非常停止機構10の制動子19の上動を
可能としたものである。
【0016】したがって、上記実施例によれば、平常時
においては、誤動作防止手段24のコイルばね27が引
上レバー15のカム面を上方への回動を抑制する方向に
付勢しているので、かご非常停止機構7及び釣合おもり
非常停止機構10の制動子19が上動する誤動作を防止
することができる。一方、非常停止時においては、誤動
作防止手段24のコイルばね27が引上レバー15のカ
ム面を、上方への回動を促進する方向に付勢するので、
降下起動時における誤動作防止手段24の付勢力による
動作遅れを減少させることができる。また、何らかの原
因で調速機ロープ9,12の引張力が誤動作防止力近く
まで低下した場合であっても、かご非常停止機構7及び
釣合おもり非常停止機構10を動作させて、エレベータ
かご5及び釣合おもり6を確実に停止させることができ
る。更に、誤動作防止手段24の曲面座25が曲面に形
成されているので、これと当接している引上レバー15
のカム面は前記曲面座25上を転動し、引上レバー15
は円滑に回動する。このため、降下起動時における従来
の誤動作防止手段17の付勢力による動作遅れをより減
少させることができる。
【0017】ところで、上記実施例の引上レバー15の
カムを下側円弧部分と上側円弧部分とに2分している点
Pは、引上レバー15の略中心線上に設けているが、点
Pは調速機ロープへの所定の引張力が加わったときに引
上レバー15の回動方向を切替えることのできる位置に
あればよいので、コイネばね27の弾性力と関連して、
引上レバー15の略中心線上にない場合もあり得る。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明のエレベータ用非
常停止装置は、昇降体の下部に配設され、制動子が上方
に変位したときに付勢体を介してガイドレールに押圧さ
れることにより昇降体の非常停止を行なう非常停止機構
と、調速機ロープの引張力によって上方に回動し、前記
制動子を上動せしめる引上部材と、付勢部材により平常
時における引上部材の上方への回動を規制して前記非常
停止機構の誤動作を防止する誤動作防止手段とが設けら
れたエレベータ用非常停止装置において、前記引上部材
の軸側端部にカムを形成し、前記誤動作防止手段の付勢
部材における前記カムとの当接面に曲面座を形成して、
調速機ロープの引張力が所定値以上になったときに前記
非常停止機構の制動子の上動を可能ならしめたものであ
る。したがって、平常時においては、誤動作防止手段の
付勢部材が引上部材のカム面を上方への回動を抑制する
方向に付勢しているので、非常停止機構の制動子が上動
する誤動作を防止することができる一方、非常停止時に
おいては、誤動作防止手段の付勢部材が引上部材のカム
面を上方への回動を促進する方向に付勢するので、降下
起動時における誤動作防止手段の付勢力による動作遅れ
を減少させることができる。そして、何らかの原因で調
速機ロープの引張力が誤動作防止力近くまで低下した場
合であっても、非常停止機構を動作させて、エレベータ
かごを確実に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例によるエレベータ用非
常停止装置を示す要部正面図である。
【図2】図2は従来のエレベータ用非常停止装置の全体
を示す正面図である。
【図3】図3は従来のエレベータ用非常停止装置の要部
正面図である。
【図4】図4は図3のA−A切断線による断面図であ
る。
【符号の説明】
5 エレベータかご 6 釣合おもり 7 かご非常停止機構 9,12 調速機ロープ 10 釣合おもり非常停止機構 13 ガイドレール 15 引上レバー 19 制動子 21 ばね 24 誤動作防止手段 25 曲面座 27 コイルばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降体の下部に配設され、制動子が上方
    に変位したときに付勢体を介してガイドレールに押圧さ
    れることにより昇降体の非常停止を行なう非常停止機構
    と、調速機ロープの引張力によって上方に回動し、前記
    制動子を上動せしめる引上部材と、付勢部材により平常
    時における引上部材の上方への回動を規制して前記非常
    停止機構の誤動作を防止する誤動作防止手段とが設けら
    れたエレベータ用非常停止装置において、 前記引上部材の軸側端部にカムを形成し、前記誤動作防
    止手段の付勢部材における前記カムとの当接面に曲面座
    を形成して、調速機ロープの引張力が所定値以上になっ
    たときに前記非常停止機構の制動子の上動を可能ならし
    めることを特徴とするエレベータ用非常停止装置。
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