JPH0920777A - 新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造方法及びその誘導体を有効成分とする酵素阻害剤 - Google Patents
新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造方法及びその誘導体を有効成分とする酵素阻害剤Info
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- JPH0920777A JPH0920777A JP18773295A JP18773295A JPH0920777A JP H0920777 A JPH0920777 A JP H0920777A JP 18773295 A JP18773295 A JP 18773295A JP 18773295 A JP18773295 A JP 18773295A JP H0920777 A JPH0920777 A JP H0920777A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造
方法及び、それ誘導体を有効成分として含有してなる新
規な酵素阻害剤を提供することにある。 【構成】 下記化1で表されることを特徴とするプリン
ヌクレオシド誘導体。 【化1】 但し、化1中のR1は水素原子、アミノ基、水酸基又はメ
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、下記化2に示されたアミノ
酸を形成し得るα位の置換基である。 【化2】
方法及び、それ誘導体を有効成分として含有してなる新
規な酵素阻害剤を提供することにある。 【構成】 下記化1で表されることを特徴とするプリン
ヌクレオシド誘導体。 【化1】 但し、化1中のR1は水素原子、アミノ基、水酸基又はメ
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、下記化2に示されたアミノ
酸を形成し得るα位の置換基である。 【化2】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な化合物に関し、
特に新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造法およ
びその誘導体を有効成分として含有してなる酵素阻害剤
に関するものである。
特に新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造法およ
びその誘導体を有効成分として含有してなる酵素阻害剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酵素阻害剤の分野では、従来から、核酸
塩基の各官能基上に、糖あるいはその他の置換基を導入
した化合物の合成研究が行われてきた。例えば、Patneu
らによって1992年に報告されたWILLARDIINE (シチジン
アミノ酸誘導体)などの一群は、AMPA(カイニン酸アゴ
ニスト)として、脳神経化学や薬理学の分野で注目を集
めている[J. Neurosci.,12, 595 (1992)] 。
塩基の各官能基上に、糖あるいはその他の置換基を導入
した化合物の合成研究が行われてきた。例えば、Patneu
らによって1992年に報告されたWILLARDIINE (シチジン
アミノ酸誘導体)などの一群は、AMPA(カイニン酸アゴ
ニスト)として、脳神経化学や薬理学の分野で注目を集
めている[J. Neurosci.,12, 595 (1992)] 。
【0003】また、プリン塩基の6 ,8 ,9 位に種々の
置換基を導入した一連の化合物に対して、細胞内情報伝
達の際に重要な役割を演じているリン酸化酵素である、
phosphatidylinositol-4- kinase阻害活性に関する研究
[R.C.Young, J. Med. Chem.,33, 2073 (1990)]もなされ
ている。従って、より高度な、或いは多種多様な酵素に
対して阻害作用を有する物質を、核酸塩基の誘導体から
得る可能性が残されていた。
置換基を導入した一連の化合物に対して、細胞内情報伝
達の際に重要な役割を演じているリン酸化酵素である、
phosphatidylinositol-4- kinase阻害活性に関する研究
[R.C.Young, J. Med. Chem.,33, 2073 (1990)]もなされ
ている。従って、より高度な、或いは多種多様な酵素に
対して阻害作用を有する物質を、核酸塩基の誘導体から
得る可能性が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】そこで、本発明者ら
は、プリンヌクレオシド塩基の9-位に置換する官能基を
種々検討したところ、アミノ酸から容易に誘導されるア
ミノアルコールのトシレートとのカップリング生成物が
優れた酵素阻害効果を有することを見出し、本発明に到
達した。
は、プリンヌクレオシド塩基の9-位に置換する官能基を
種々検討したところ、アミノ酸から容易に誘導されるア
ミノアルコールのトシレートとのカップリング生成物が
優れた酵素阻害効果を有することを見出し、本発明に到
達した。
【0005】従って、本発明の第一の目的は、酵素阻害
作用を有する新規なプリンヌクレオシド誘導体を提供す
ることにある。本発明の第二の目的は、酵素阻害作用を
有する新規なプリンヌクレオシド誘導体の製造方法を提
供することにある。本発明の第三の目的は、プリンヌク
レオシド誘導体を有効成分として含有してなる新規な酵
素阻害剤を提供することにある。
作用を有する新規なプリンヌクレオシド誘導体を提供す
ることにある。本発明の第二の目的は、酵素阻害作用を
有する新規なプリンヌクレオシド誘導体の製造方法を提
供することにある。本発明の第三の目的は、プリンヌク
レオシド誘導体を有効成分として含有してなる新規な酵
素阻害剤を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は下記化8で表されることを特徴とするプリンヌクレオ
シド誘導体によって達成された。
は下記化8で表されることを特徴とするプリンヌクレオ
シド誘導体によって達成された。
【化8】 但し、化8中のR1は水素原子、アミノ基、水酸基又はメ
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、下記化9に示されたアミノ
酸を形成し得るα位の置換基である。
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、下記化9に示されたアミノ
酸を形成し得るα位の置換基である。
【化9】
【0007】本発明のプリンヌクレオシド誘導体におい
ては、各置換基は、R1、R2、R3及びR4の種々の組み合わ
せの中から適宜選択することができる。本発明の化合物
の具体例としては、例えば(S)-9-(2- アミノプロピル)-
アデニン、(R)-9-(2- アミノプロピル)-アデニン、(S)-
9-(2- アミノ-3- メチルブチル)-アデニン、(S)-9-(2-
アミノ-4- メチルペンチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミ
ノ-3- メチルペンチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-4
- メチルチオブチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-3-
フェニルプロピル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノエチ
ル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-3- ベンジルオキシプ
ロピル)-アデニン;
ては、各置換基は、R1、R2、R3及びR4の種々の組み合わ
せの中から適宜選択することができる。本発明の化合物
の具体例としては、例えば(S)-9-(2- アミノプロピル)-
アデニン、(R)-9-(2- アミノプロピル)-アデニン、(S)-
9-(2- アミノ-3- メチルブチル)-アデニン、(S)-9-(2-
アミノ-4- メチルペンチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミ
ノ-3- メチルペンチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-4
- メチルチオブチル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-3-
フェニルプロピル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノエチ
ル)-アデニン、(S)-9-(2- アミノ-3- ベンジルオキシプ
ロピル)-アデニン;
【0008】(S)-9-(2- アミノ-3- ヒドロキシプロピ
ル)-アデニン、(S)-2,6-ジアミノ-9-(2-アミノプロピ
ル)-プリン、(S)-2,8-ジアミノ-9-(2-アミノプロピル)-
プリン、6-ヒドロキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、
2-アミノ-6- ヒドロキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリ
ン、6,8-ジアミノ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、2-ア
ミノ-6- メトキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、2-ア
ミノ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、及び2,8-ジアミノ
-6- メトキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン等が挙げら
れる。特に、プリンホスホリラーゼに対して強力な酵素
阻害活性を有するものとしては、(S)-9-(2- アミノプロ
ピル)-アデニン、及び、(S)-9-(2- アミノ-3- フェニル
プロピル)-アデニンが挙げられる。
ル)-アデニン、(S)-2,6-ジアミノ-9-(2-アミノプロピ
ル)-プリン、(S)-2,8-ジアミノ-9-(2-アミノプロピル)-
プリン、6-ヒドロキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、
2-アミノ-6- ヒドロキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリ
ン、6,8-ジアミノ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、2-ア
ミノ-6- メトキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、2-ア
ミノ-9-(2-アミノプロピル)-プリン、及び2,8-ジアミノ
-6- メトキシ-9-(2-アミノプロピル)-プリン等が挙げら
れる。特に、プリンホスホリラーゼに対して強力な酵素
阻害活性を有するものとしては、(S)-9-(2- アミノプロ
ピル)-アデニン、及び、(S)-9-(2- アミノ-3- フェニル
プロピル)-アデニンが挙げられる。
【0009】本発明のプリンヌクレオシド誘導体は、以
下に示す如く、5つの反応工程によって製造される。本
発明の製造方法における第1工程は、原料化合物である
アミノ酸(化9)のカルボキシル基を還元剤により、下
記化10で表される化合物に還元する工程である。
下に示す如く、5つの反応工程によって製造される。本
発明の製造方法における第1工程は、原料化合物である
アミノ酸(化9)のカルボキシル基を還元剤により、下
記化10で表される化合物に還元する工程である。
【化10】 但し、化10中のR4は前記化8のものと同じである。
【0010】ここで原料として使用されるアミノ酸は、
全ての動・植物に含まれるアミノ酸から適宜選択するこ
とができる。例えば、プロリン、フェニルアラニン、メ
チオニン、バリン、チロシン、スレオニン等、蛋白質や
ペプチドを構成するために共通する20種のL−α−アミ
ノ酸、及び、細菌等に含まれているD−α−アミノ酸等
を使用することも、また、蛋白質を構成するアミノ酸以
外の、ホモセリン、ドーパ等、代謝に重要なアミノ酸等
を使用することもできる。
全ての動・植物に含まれるアミノ酸から適宜選択するこ
とができる。例えば、プロリン、フェニルアラニン、メ
チオニン、バリン、チロシン、スレオニン等、蛋白質や
ペプチドを構成するために共通する20種のL−α−アミ
ノ酸、及び、細菌等に含まれているD−α−アミノ酸等
を使用することも、また、蛋白質を構成するアミノ酸以
外の、ホモセリン、ドーパ等、代謝に重要なアミノ酸等
を使用することもできる。
【0011】本工程における還元剤は、公知のものの中
から適宜選択することができるが、特に、水素化リチウ
ムアルミニウム(LiAlH4)を使用することが好ましい。
LiAlH4の使用量は、化9で表された化合物1モルに対し
て1.5〜2.0モルであることが好ましい。反応用溶
媒は、還元反応に適した溶媒であれば特に限定されるこ
とはないが、本発明においては、特に脱水テトラヒドロ
フランを使用することが好ましい。また、本工程におけ
る還元反応は、窒素雰囲気下で1時間加熱環流して行う
ことが好ましく、還元反応から得られた前記化10で表
された生成物は、精製することなく次工程の原料として
反応に用いることができる。
から適宜選択することができるが、特に、水素化リチウ
ムアルミニウム(LiAlH4)を使用することが好ましい。
LiAlH4の使用量は、化9で表された化合物1モルに対し
て1.5〜2.0モルであることが好ましい。反応用溶
媒は、還元反応に適した溶媒であれば特に限定されるこ
とはないが、本発明においては、特に脱水テトラヒドロ
フランを使用することが好ましい。また、本工程におけ
る還元反応は、窒素雰囲気下で1時間加熱環流して行う
ことが好ましく、還元反応から得られた前記化10で表
された生成物は、精製することなく次工程の原料として
反応に用いることができる。
【0012】本発明の製造方法における第2工程は、得
られた化10で表される化合物のアミノ基をベンゾイル
化することにより保護し、下記化11で表される化合物
を得る工程である。
られた化10で表される化合物のアミノ基をベンゾイル
化することにより保護し、下記化11で表される化合物
を得る工程である。
【化11】 但し、化11中のR4は前記化8のものと同じである。
【0013】ここで行うベンゾイル化反応は常法に従え
ばよく、例えば、エタノール溶媒中、窒素雰囲気下で1
時間加熱環流することによって行う。得られた生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー等で単離すること
により、次工程に用いられる化11で表される化合物を
得ることができる。また、原料の無水安息香酸の使用量
は、化10で表される化合物1モルに対して1.2〜
1.5モルであることが好ましい。尚、この工程で使用
されるアミノ基の保護基としては、アミノ酸に由来のも
の、例えば、ベンゾイル基、ジクロロアセチル基、トシ
ル基などが挙げられる。
ばよく、例えば、エタノール溶媒中、窒素雰囲気下で1
時間加熱環流することによって行う。得られた生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー等で単離すること
により、次工程に用いられる化11で表される化合物を
得ることができる。また、原料の無水安息香酸の使用量
は、化10で表される化合物1モルに対して1.2〜
1.5モルであることが好ましい。尚、この工程で使用
されるアミノ基の保護基としては、アミノ酸に由来のも
の、例えば、ベンゾイル基、ジクロロアセチル基、トシ
ル基などが挙げられる。
【0014】本発明の製造方法における第3工程は、得
られた化11で表される化合物の一級アルコール性水酸
基をp-トルエンスルホニルで保護することにより、下記
化12で表される化合物を得る工程である。
られた化11で表される化合物の一級アルコール性水酸
基をp-トルエンスルホニルで保護することにより、下記
化12で表される化合物を得る工程である。
【化12】 但し、化11中のR4は前記化8のものと同じであり、ま
たTsはパラトルエンスルホニル基を表す。
たTsはパラトルエンスルホニル基を表す。
【0015】ここで行うトシル化反応は常法に従えばよ
く、例えば、脱水ピリジン溶媒中、0℃で窒素雰囲気
下、化10で表された化合物の一級アルコール性水酸基
をp-トルエンスルホニル化し、得られた生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー等で単離することによ
り、次工程に用いられる化12で表された化合物を得る
ことができる。また、塩化p-トルエンスルホニルの使用
量は、化11で表される化合物1モルに対して2.0〜
3.0モルであることが好ましい。
く、例えば、脱水ピリジン溶媒中、0℃で窒素雰囲気
下、化10で表された化合物の一級アルコール性水酸基
をp-トルエンスルホニル化し、得られた生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー等で単離することによ
り、次工程に用いられる化12で表された化合物を得る
ことができる。また、塩化p-トルエンスルホニルの使用
量は、化11で表される化合物1モルに対して2.0〜
3.0モルであることが好ましい。
【0016】本発明の製造方法における第4工程は、得
られた化12で表される化合物とプリン塩基とのカップ
リングにより、下記化13で表される化合物を得る工程
である。
られた化12で表される化合物とプリン塩基とのカップ
リングにより、下記化13で表される化合物を得る工程
である。
【化13】 但し、化12中のR1、R2、R3、R4は前記化8のものと同
じである。
じである。
【0017】ここで行うカップリング化反応は常法に従
えばよく、例えば、脱水ジメチルホルムアミド(DM
F)溶媒中、窒素雰囲気下で、プリン塩基と等モルの18
- クラウン-6及び2倍モルのK2 CO3 を加え、30〜
60分間室温で撹拌した後、化12で表される化合物の
脱水DMF溶液を滴下し、得られた混合溶液を80℃で
一晩撹拌して化13で表される化合物を得ることができ
る。
えばよく、例えば、脱水ジメチルホルムアミド(DM
F)溶媒中、窒素雰囲気下で、プリン塩基と等モルの18
- クラウン-6及び2倍モルのK2 CO3 を加え、30〜
60分間室温で撹拌した後、化12で表される化合物の
脱水DMF溶液を滴下し、得られた混合溶液を80℃で
一晩撹拌して化13で表される化合物を得ることができ
る。
【0018】得られた化13で表される化合物は、ヌク
レオシドの単離精製に使用されている通常の方法を適宜
組み合わせて分離精製し、次工程の原料とすることがで
きる。ここで行う分離精製方法は、溶媒を留去した後、
エタノール等の適当な溶媒から結晶化、または凍結乾燥
により、遊離酸型を得るものであり、必要に応じて塩型
として得ることもできる外、イオン交換樹脂などのイオ
ン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭などの吸着カ
ラムクロマトグラフィーなどにより精製することもでき
る。
レオシドの単離精製に使用されている通常の方法を適宜
組み合わせて分離精製し、次工程の原料とすることがで
きる。ここで行う分離精製方法は、溶媒を留去した後、
エタノール等の適当な溶媒から結晶化、または凍結乾燥
により、遊離酸型を得るものであり、必要に応じて塩型
として得ることもできる外、イオン交換樹脂などのイオ
ン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭などの吸着カ
ラムクロマトグラフィーなどにより精製することもでき
る。
【0019】本発明の製造方法における第5工程は、得
られた化13で表される化合物をアンモニア性アルカリ
中、または、水酸化ナトリウム中で、若しくは、水素化
ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤を用いて、ベン
ゾイル基を脱保護することにより、前記化8に記載され
た新規プリンヌクレオシド誘導体を得る最終工程であ
る。
られた化13で表される化合物をアンモニア性アルカリ
中、または、水酸化ナトリウム中で、若しくは、水素化
ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤を用いて、ベン
ゾイル基を脱保護することにより、前記化8に記載され
た新規プリンヌクレオシド誘導体を得る最終工程であ
る。
【0020】本発明のプリンヌクレオシド誘導体は、生
化学及び生物学実験のみならず、医学基礎実験及び臨床
実験における酵素阻害剤として使用することができる。
従って、その形態は用途に応じて適宜選択すれば良い。
安定性の観点からは、阻害剤の形態は塩であることが好
ましく、例えば、塩酸塩又は硫酸塩などの酸付加塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩などのアルカ
リ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及
び、アンモニウム塩などの、薬理学的に許容される任意
の塩が挙げられる。
化学及び生物学実験のみならず、医学基礎実験及び臨床
実験における酵素阻害剤として使用することができる。
従って、その形態は用途に応じて適宜選択すれば良い。
安定性の観点からは、阻害剤の形態は塩であることが好
ましく、例えば、塩酸塩又は硫酸塩などの酸付加塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩などのアルカ
リ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及
び、アンモニウム塩などの、薬理学的に許容される任意
の塩が挙げられる。
【0021】
【発明の効果】本発明の、核酸塩基の誘導体から得られ
たプリンアミノ酸誘導体は、低濃度で酵素阻害活性を示
し、特に、プリンホスホリラーゼ、ホスファチジルイノ
シトール−4−キナーゼ、及びアデニル酸シクラーゼ等
の酵素に対して、いずれにも顕著な阻害効果が見られる
ので、生化学及び生物学実験のみならず、医学基礎実験
及び臨床実験に用いる酵素阻害剤として極めて有効であ
る。
たプリンアミノ酸誘導体は、低濃度で酵素阻害活性を示
し、特に、プリンホスホリラーゼ、ホスファチジルイノ
シトール−4−キナーゼ、及びアデニル酸シクラーゼ等
の酵素に対して、いずれにも顕著な阻害効果が見られる
ので、生化学及び生物学実験のみならず、医学基礎実験
及び臨床実験に用いる酵素阻害剤として極めて有効であ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び
「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び
「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0023】実施例1. 1) (S)-2- アミノプロパノールの合成 LiAlH4 6.0g(156ミリモル)を500ミリ
リットルの三つ口丸底フラスコに入れ、脱水テトラヒド
ロフラン(最大水分含量が0.005%)250ミリリ
ットルを加え、15分間オイルバス中で加熱還流した
後、L−アラニン8.9g(100ミリモル) を約0.
2gずつ加え、次いで更に1時間の還流を行った。
リットルの三つ口丸底フラスコに入れ、脱水テトラヒド
ロフラン(最大水分含量が0.005%)250ミリリ
ットルを加え、15分間オイルバス中で加熱還流した
後、L−アラニン8.9g(100ミリモル) を約0.
2gずつ加え、次いで更に1時間の還流を行った。
【0024】薄層クロマトグラフィー(TLC)により
反応が完了していることを確認した後加熱をやめ、2.
8g/11ミリリットルの水酸化カリウム水溶液をゆっ
くりと滴下した。滴下終了後、さらに25分間還流し、
直ちに吸引濾過した。得られた濾液を、30℃で減圧濃
縮して真空乾燥した後、薄黄色でオイル状の (S)−2−
アミノプロパノールを得た。収率は80%であった。
尚、その移動率(Rf 値)は0.45 (n−ブタノー
ル:酢酸:水=6:2:2)であった。
反応が完了していることを確認した後加熱をやめ、2.
8g/11ミリリットルの水酸化カリウム水溶液をゆっ
くりと滴下した。滴下終了後、さらに25分間還流し、
直ちに吸引濾過した。得られた濾液を、30℃で減圧濃
縮して真空乾燥した後、薄黄色でオイル状の (S)−2−
アミノプロパノールを得た。収率は80%であった。
尚、その移動率(Rf 値)は0.45 (n−ブタノー
ル:酢酸:水=6:2:2)であった。
【0025】2)(S)-N-ベンジル-2- アミノプロパノー
ルの合成 得られた (S)−2−アミノプロパノール0.75g(1
0ミリモル)を25ミリリットルのナス型フラスコに入
れ、エタノール50ミリリットル、及び、無水安息香酸
2.3g(10ミリモル)を加えて1 時間加熱還流し
た。薄層クロマトグラフィー(TLC)によって反応が
完了していることを確認した後、得られた反応液を、3
0℃で減圧濃縮して分取TLC(酢酸エチル: n−ヘキ
サン=1:1)により精製し、薄黄色でオイル状の(S)-
N-ベンジル−2−アミノプロパノールを得た。収率は6
0%であった。尚、そのRf 値は0.35(CH2Cl2:CH3
OH=98:2)であった。
ルの合成 得られた (S)−2−アミノプロパノール0.75g(1
0ミリモル)を25ミリリットルのナス型フラスコに入
れ、エタノール50ミリリットル、及び、無水安息香酸
2.3g(10ミリモル)を加えて1 時間加熱還流し
た。薄層クロマトグラフィー(TLC)によって反応が
完了していることを確認した後、得られた反応液を、3
0℃で減圧濃縮して分取TLC(酢酸エチル: n−ヘキ
サン=1:1)により精製し、薄黄色でオイル状の(S)-
N-ベンジル−2−アミノプロパノールを得た。収率は6
0%であった。尚、そのRf 値は0.35(CH2Cl2:CH3
OH=98:2)であった。
【0026】3)(S)-N-ベンジル-O- トシル-2- アミノ
プロパノールの合成 得られた(S)-N-ベンジル−2−アミノプロパノール0.
36g(2.0ミリモル) を50ミリリットルの三つ口
丸底フラスコに入れ、脱水ピリジン(最大水分含量が
0.005%)5ミリリットルを加え、0℃でしばらく
撹拌した。次いで、塩化p-トルエンスルホニル0.8g
(4.5ミリモル)を含有する10ミリリットルの脱水
ピリジン溶液を滴下した後、0℃で4時間撹拌した。
プロパノールの合成 得られた(S)-N-ベンジル−2−アミノプロパノール0.
36g(2.0ミリモル) を50ミリリットルの三つ口
丸底フラスコに入れ、脱水ピリジン(最大水分含量が
0.005%)5ミリリットルを加え、0℃でしばらく
撹拌した。次いで、塩化p-トルエンスルホニル0.8g
(4.5ミリモル)を含有する10ミリリットルの脱水
ピリジン溶液を滴下した後、0℃で4時間撹拌した。
【0027】薄層クロマトグラフィー(TLC)によっ
て反応が完了していることを確認した後、氷水に加え次
いで酢酸エチルで抽出した。ピリジンを1N-HClで抽出除
去した後、30℃で減圧濃縮して分取TLC(酢酸エチ
ル:n−ヘキサン=1:3)により精製し、白色結晶で
(S)-N-ベンジル-O- トシル−2−アミノプロパノールを
得た。収率は55%であった。尚、そのRf 値は0.3
2(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)であった。
て反応が完了していることを確認した後、氷水に加え次
いで酢酸エチルで抽出した。ピリジンを1N-HClで抽出除
去した後、30℃で減圧濃縮して分取TLC(酢酸エチ
ル:n−ヘキサン=1:3)により精製し、白色結晶で
(S)-N-ベンジル-O- トシル−2−アミノプロパノールを
得た。収率は55%であった。尚、そのRf 値は0.3
2(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)であった。
【0028】4) (S)-9-(N-ベンジル-2- アミノプロピ
ル)-アデニンの合成 アデニン60mg(0.44ミリモル)、K2CO3 0.1
2g(0.88ミリモル)、115mg(0.44ミリ
モル)の18−クラウン−6、及び、脱水N,N-ジメチル
ホルムアミド(最大水分含量が0.005%)10ミリ
リットルを50ミリリットルの三つ口丸底フラスコに加
え、窒素雰囲気下の室温で1 時間撹拌した。次いで、5
ミリリットルの脱水DMF溶液に、N-ベンジル−O−ト
シル−2−アミノプロパノール0.16g(0.44ミ
リモル)を溶解した液室温で滴下した後、80℃で一晩撹
拌した。
ル)-アデニンの合成 アデニン60mg(0.44ミリモル)、K2CO3 0.1
2g(0.88ミリモル)、115mg(0.44ミリ
モル)の18−クラウン−6、及び、脱水N,N-ジメチル
ホルムアミド(最大水分含量が0.005%)10ミリ
リットルを50ミリリットルの三つ口丸底フラスコに加
え、窒素雰囲気下の室温で1 時間撹拌した。次いで、5
ミリリットルの脱水DMF溶液に、N-ベンジル−O−ト
シル−2−アミノプロパノール0.16g(0.44ミ
リモル)を溶解した液室温で滴下した後、80℃で一晩撹
拌した。
【0029】薄層クロマトグラフィー(TLC)によっ
て反応が完了していることを確認した後、ガラス管蒸留
装置により溶媒を留去し、分取TLC(CH2Cl2:CH3OH=
9:1)により部分精製した。この粗目的物質を逆相HP
LC(CH3CN:H2O=3:7)により分離・精製し、白色結晶
の (S)-9-(N-ベンジル-2- アミノプロピル)-アデニンを
得た。収率は50%であった。尚、そのRf 値は0.4
8 (CH2Cl2:CH3OH=9:1)、及び、質量スペクトルの
親イオン(MASS)は297(M+1)であった。
て反応が完了していることを確認した後、ガラス管蒸留
装置により溶媒を留去し、分取TLC(CH2Cl2:CH3OH=
9:1)により部分精製した。この粗目的物質を逆相HP
LC(CH3CN:H2O=3:7)により分離・精製し、白色結晶
の (S)-9-(N-ベンジル-2- アミノプロピル)-アデニンを
得た。収率は50%であった。尚、そのRf 値は0.4
8 (CH2Cl2:CH3OH=9:1)、及び、質量スペクトルの
親イオン(MASS)は297(M+1)であった。
【0030】得られた化12で表される化合物(C15H16
N6O1・(1/2)H2O)の元素分析の結果は下記表1に示した
通りである。
N6O1・(1/2)H2O)の元素分析の結果は下記表1に示した
通りである。
【表1】
【0031】5)(S)-9-(2- アミノプロピル)-アデニン
の合成 得られた(S)-9-(N-ベンジル−2−アミノプロピル)−
アデニン50mg(0.17ミリモル)を、pH10に
調整した濃アンモニア水5ミリリットルに加えて一晩撹
拌した。反応の終了をシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)によって確認した後、溶媒を留去して分取
用TLCにより分離・精製し、(S)-9-(2- アミノプロピ
ル)-アデニンを得た。収率は84%であった。そのRf
値は0.10(CH2Cl2:CH3OH=9:1)と0.85 (n
−ブタノール:酢酸:水=6:2:2)、及び質量スペ
クトルの親イオン(MASS)は193(M+1)であった。
尚、1)〜5)の全工程の総収率は11%であった。
の合成 得られた(S)-9-(N-ベンジル−2−アミノプロピル)−
アデニン50mg(0.17ミリモル)を、pH10に
調整した濃アンモニア水5ミリリットルに加えて一晩撹
拌した。反応の終了をシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)によって確認した後、溶媒を留去して分取
用TLCにより分離・精製し、(S)-9-(2- アミノプロピ
ル)-アデニンを得た。収率は84%であった。そのRf
値は0.10(CH2Cl2:CH3OH=9:1)と0.85 (n
−ブタノール:酢酸:水=6:2:2)、及び質量スペ
クトルの親イオン(MASS)は193(M+1)であった。
尚、1)〜5)の全工程の総収率は11%であった。
【0032】実施例2〜9.実施例1で原料として用い
られたL-アラニンを、表2に示される同量の各アミノ酸
に代えたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で同表
に示されたプリンアミノ酸誘導体を合成した。
られたL-アラニンを、表2に示される同量の各アミノ酸
に代えたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で同表
に示されたプリンアミノ酸誘導体を合成した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例10.実施例9で、合成された(S)-
9-(2- アミノ-3- ベンジルオキシプロピル)-アデニンを
パラジウム−炭素中、水素雰囲気下で還元して、(S)-9-
(2-アミノ-3- ヒドロキシプロピル)-アデニンを合成し
た。
9-(2- アミノ-3- ベンジルオキシプロピル)-アデニンを
パラジウム−炭素中、水素雰囲気下で還元して、(S)-9-
(2-アミノ-3- ヒドロキシプロピル)-アデニンを合成し
た。
【0035】実施例11〜18.実施例1で原料として
用いられたL-アラニンを、表2に示される同量の各アミ
ノ酸に代えたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で
同表に示されたプリンアミノ酸誘導体を合成した。
用いられたL-アラニンを、表2に示される同量の各アミ
ノ酸に代えたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で
同表に示されたプリンアミノ酸誘導体を合成した。
【0036】以上の各実施例により得られた各誘導体の
収率、質量スペクトル及びプリンホスホリラーゼ阻害活
性試験結果は表3に示した通りである。尚、プリンホス
ホリラーゼに対する阻害活性試験方法は以下の通りであ
る。
収率、質量スペクトル及びプリンホスホリラーゼ阻害活
性試験結果は表3に示した通りである。尚、プリンホス
ホリラーゼに対する阻害活性試験方法は以下の通りであ
る。
【0037】1)酵素溶液の調整 大腸菌JA300を37℃で半日間培養した後、4℃、
6,000rpmで15分間遠心分離して集菌した。次
いで、pH7.0、50ミリモルのリン酸カリウム緩衝
液を用いて菌体ペレットを懸濁させ、4℃、6,000
rpmで15分間遠心分離して菌体を洗浄した。洗浄し
た菌体0.1gに対して0.5ミリリットルの50ミリ
モルリン酸カリウム緩衝液を用いて前記洗浄された菌体
を懸濁し、超音波処理することにより菌体を破砕した。
菌体破砕液を4℃、10,000rpmで15分間遠心
分離し、上澄みをとって、これを酵素溶液とした。
6,000rpmで15分間遠心分離して集菌した。次
いで、pH7.0、50ミリモルのリン酸カリウム緩衝
液を用いて菌体ペレットを懸濁させ、4℃、6,000
rpmで15分間遠心分離して菌体を洗浄した。洗浄し
た菌体0.1gに対して0.5ミリリットルの50ミリ
モルリン酸カリウム緩衝液を用いて前記洗浄された菌体
を懸濁し、超音波処理することにより菌体を破砕した。
菌体破砕液を4℃、10,000rpmで15分間遠心
分離し、上澄みをとって、これを酵素溶液とした。
【0038】2)酵素活性測定 本発明で得られた各阻害剤(実施例1〜18)を0,1
0,50,100,500マイクロモルとなるように、
上記酵素溶液にそれぞれを加え、更にこの混合溶液に、
基質として100ミリモルのプリンヌクレオシド溶液3
00マイクロリットルを加えて、全液量が2ミリリット
ルとなるようにした。50℃で15分間反応させ、1N
−NaOHを0.5ミリリットル加えることによって反
応を停止させた。反応液をHPLCにかけ、生成した塩
基量を測定した。
0,50,100,500マイクロモルとなるように、
上記酵素溶液にそれぞれを加え、更にこの混合溶液に、
基質として100ミリモルのプリンヌクレオシド溶液3
00マイクロリットルを加えて、全液量が2ミリリット
ルとなるようにした。50℃で15分間反応させ、1N
−NaOHを0.5ミリリットル加えることによって反
応を停止させた。反応液をHPLCにかけ、生成した塩
基量を測定した。
【0039】阻害剤を含まない反応液における塩基生成
量をコントロールとし、各誘導体のIC50(生成量を5
0%阻害する阻害剤の量を表わす指標)を測定した結果
は、表3に示した通りである。尚、本発明の酵素量は、
標準タンパク質としてウシ血清アルブミン(BSA)を
用い、BIO- RAD社製のプロテインアッセイキットにより
測定した。また、1ユニットは1分間に塩基1マイクロ
モルを生じる酵素量とした。
量をコントロールとし、各誘導体のIC50(生成量を5
0%阻害する阻害剤の量を表わす指標)を測定した結果
は、表3に示した通りである。尚、本発明の酵素量は、
標準タンパク質としてウシ血清アルブミン(BSA)を
用い、BIO- RAD社製のプロテインアッセイキットにより
測定した。また、1ユニットは1分間に塩基1マイクロ
モルを生じる酵素量とした。
【0040】
【表3】
【0041】また、Young らの方法[J. Med. Chem.,33,
2073 (1990)] に従って、ホスファチジルイノシトール
−4−キナーゼ阻害活性を測定したところ、実施例1,
7,10で得られた誘導体では、Young らの9-シクロペ
ンチルアデニンと同等の阻害活性がみられた。
2073 (1990)] に従って、ホスファチジルイノシトール
−4−キナーゼ阻害活性を測定したところ、実施例1,
7,10で得られた誘導体では、Young らの9-シクロペ
ンチルアデニンと同等の阻害活性がみられた。
【0042】更に、Weinryb らの方法[Biochim. Biophy
s. Acta, 334, 218 (1974)] に従って、アデニル酸シク
ラーゼ阻害活性を測定したところ、Mg2+を12ミリモ
ル含有する条件において、実施例1、7及び18で得ら
れた誘導体の場合では、アデニル酸シクラーゼに対する
阻害度であるIC50がそれぞれ0.02μM, 0.05μM,0.0
3μMであった。
s. Acta, 334, 218 (1974)] に従って、アデニル酸シク
ラーゼ阻害活性を測定したところ、Mg2+を12ミリモ
ル含有する条件において、実施例1、7及び18で得ら
れた誘導体の場合では、アデニル酸シクラーゼに対する
阻害度であるIC50がそれぞれ0.02μM, 0.05μM,0.0
3μMであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 473/32 C07D 473/32 C12N 9/99 C12N 9/99 (72)発明者 村上 邦睦 山口県岩国市飯田町2−8−1 日本製紙 株式会社岩国技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記化1で表されることを特徴とするプ
リンヌクレオシド誘導体。 【化1】 但し、化1中のR1は水素原子、アミノ基、水酸基又はメ
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、下記化2に示されたアミノ
酸を形成し得るα位の置換基である。 【化2】 - 【請求項2】 下記の5工程からなることを特徴とす
る、請求項1に記載されたプリンヌクレオシド誘導体の
製造方法。 第1工程;下記化3で表される、アミノ酸のカルボキシ
ル基を還元してアミノアルコールを得る工程。 【化3】 但し、化3中のR4はアミノ酸を形成し得る置換基であ
る。 第2工程;得られたアミノアルコールに含有されるアミ
ノ基をベンゾイル基により保護する、下記化4で表され
る工程。 【化4】 第3工程;得られた化合物のアルコール性水酸基をパラ
トルエンスルホニル化する、下記化5で表される工程。 【化5】 但し、Tsはパラトルエンスルホニル基を表す。 第4工程;得られた化合物のパラトルエンスルホニル基
にプリン塩基をカップリングさせる、下記化6で表され
る工程。 【化6】 但し、化6中のR1は水素原子、アミノ基、水酸基又はメ
トキシ基、R2及びR3は水素原子又はアミノ基、R4はメチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、2-
メチルチオエチル基、又は、前記化3に示された原料ア
ミノ酸を形成し得るα位の置換基である。 第5工程;得られた化合物をアルカリ中で処理してベン
ゾイル基を脱保護させる、下記化7で表される工程。 【化7】 - 【請求項3】 請求項1に記載されたプリンヌクレチオ
シド誘導体、及び/又は、その塩を有効成分として含有
してなる酵素阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18773295A JPH0920777A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造方法及びその誘導体を有効成分とする酵素阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18773295A JPH0920777A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造方法及びその誘導体を有効成分とする酵素阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0920777A true JPH0920777A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=16211223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18773295A Pending JPH0920777A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 新規なプリンヌクレオシド誘導体、その製造方法及びその誘導体を有効成分とする酵素阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0920777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010502696A (ja) * | 2006-09-07 | 2010-01-28 | インダストリアル リサーチ リミテッド | ヌクレオシドホスホリラーゼ及びヒドロラーゼの非環式アミン阻害剤 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP18773295A patent/JPH0920777A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010502696A (ja) * | 2006-09-07 | 2010-01-28 | インダストリアル リサーチ リミテッド | ヌクレオシドホスホリラーゼ及びヒドロラーゼの非環式アミン阻害剤 |
US8853224B2 (en) | 2006-09-07 | 2014-10-07 | Industrial Research Limited | Acyclic amine inhibitors of nucleoside phosphorylases and hydrolases |
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