JPH09207337A - 記録ヘッド及び画像記録装置 - Google Patents

記録ヘッド及び画像記録装置

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JPH09207337A
JPH09207337A JP1998896A JP1998896A JPH09207337A JP H09207337 A JPH09207337 A JP H09207337A JP 1998896 A JP1998896 A JP 1998896A JP 1998896 A JP1998896 A JP 1998896A JP H09207337 A JPH09207337 A JP H09207337A
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thermal energy
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JP1998896A
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Inventor
Yoshiaki Takayanagi
義章 高柳
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なるサイズのインク滴を確実に吐出させる
ことを可能にする。 【解決手段】 記録ヘッドの各インク吐出用の各ノズル
内には、その吐出口に近い位置と、それより距離をおい
た位置に配置された第1のヒータ201、第2のヒータ
202とが設けられている。第1のヒータ201は小さ
なインク滴吐出様に用いられ、第2のヒータはそれより
大きいインク滴吐出用に用いられる。高解像度で記録す
る際には、記録されるドット径が小さいことが望まれる
ので、第1のヒータを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録ヘッド及び該記
録ヘッドを用いた画像記録装置、詳しくはインク滴を吐
出する記録ヘッドとこの記録ヘッドで可視画像を記録媒
体上に記録し出力する画像記録装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタ分野における画質の向上
はめざましく、例えばレーザ・プリンタ及びインクジェ
ット・プリンタのいずれの分野においても、従来の30
0もしくは360dpi(dot per inch)という解像度か
ら、600もしくは720dpiまたはそれ以上の解像
度へと向上しつつある。こうした解像度の向上の主な目
的は、特に自然画で有効なきめ細かな解像度、及び濃度
的な階調表現の高度化にある。
【0003】インクジェット記録装置は、一般に、複数
のノズルが並んだ記録ヘッドを、そのノズル列に垂直な
方向に走査運動させることにより、記録紙に印字記録を
行う。このノズル列内の各ノズル間のピッチが、記録画
像の縦方向(以降では副走査方向と称す)の解像度に相
当し、記録ヘッドの走査方向の画素密度が、横方向(以
降では主走査方向と称す)の解像度に相当する。
【0004】一般にインクジェット記録装置の解像度を
向上させるためには、上記主走査方向及び副走査方向の
うち、少なくとも一方の解像度を向上させる必要があ
る。その時、従来の解像度の場合に比較して、ドロップ
径(記録紙等の記録媒体上に形成された1ドットのサイ
ズ)を小さくすることが必要である。なぜなら、例えば
主走査方向及び副走査方向の両方の解像度を2倍にする
と、従来の1ドットに対応する面積Aは、今度は4ドッ
ト分に対応することになるからであり、従来と同じ大き
さの面積A内に4滴分のインク吐出を行ってしまうと、
過剰のインクが記録紙上または内に広がり、インクのに
じみ、定着不良、記録紙の変形など様々な問題を生じる
からでもある。
【0005】また、一般に、階調表現を高度化するため
には、2つのステップが実行される。
【0006】第1のステップは、誤差拡散(ED)法な
どの既知の処理であり、こうした処理では、人間の視覚
が画像をどのように認知するかといった解析に基づき、
所定のアルゴリズムに従い、隣接画素間の濃度的関連性
を最適化する。具体的には、所定の基本画素ブロックを
単位として、各ブロック内の基準画素と隣接画素との濃
度差を次の画素の濃度に反映させ、こうした処理を基本
画素ブロック内の全ての画素について繰り返して実施
し、最終的にブロック内の各画素の濃度値を決定する。
【0007】第2のステップは、例えばレーザ・プリン
タ等で採用される各ドット径の制御による面積階調であ
る。具体的には、第1ステップで求めた濃度値に従い、
レーザ光の強度を複数段階(例えば256段階)に変調
することにより、結果的に電子写真プロセスにより生成
される画素の大きさを複数段階に制御し、階調表現(例
えば256階調)を実現する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録装置では、上記第2のステップ即ちドット
径による階調表現が実施されてこなかった。その主な理
由は、上述したノズル列内の個々のノズルから吐出され
るインク滴の量が、1ヘッド内もしくは個々のヘッド
間、またはロット間で大きくばらつき、たとえ各ノズル
に対応する吐出エネルギーを複数段階に制御したとして
も、結果のインク滴により形成されるドット径が一様に
制御できないことによる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みなされたものであり、異なるサイズのインク滴を確実
に吐出することを可能にする記録ヘッドを提供しようと
するものである。
【0010】この課題を解決するため、本発明の記録ヘ
ッドは以下に示す構成を備える。すなわち、熱エネルギ
ーの作用によってインク滴を吐出するノズルを有する記
録ヘッドであって、前記ノズルには、異なる大きさのイ
ンク滴を吐出させるため、選択的に駆動される少なくと
も第1、第2の熱エネルギー発生源を備える。
【0011】本発明の好適な実施形態に従えば、第1の
熱エネルギー発生源は、第2の熱エネルギー源よりノズ
ル先端に近い位置に配設されていることが望ましい。こ
れによって、第1の熱エネルギー源を駆動した際には、
第2の熱エネルギー源を駆動した場合より小さいサイズ
のインク吐出を行なわせることが可能になる。
【0012】また、前記第1の熱エネルギー発生源と第
2の熱エネルギー発生源は、インク吐出方向に対して所
定長さだけオーバーラップし、且つ並行に設けられてい
ることが望ましい。これによって、意図した大きさのイ
ンク滴を吐出させることが可能になる。
【0013】また、前記第2の熱エネルギー発生源に
は、第1の熱エネルギー発生源より大きな印加電力が供
給されることが望ましい。これによって、異なるインク
滴吐出をより高精度に制御することが可能になる。
【0014】また、全熱エネルギー発生源をほぼ同時に
駆動することで最大サイズのインク滴を吐出することが
できる。
【0015】また、本発明の更なる目的は、1つの記録
ヘッドでもって、異なる解像度で画像を記録することは
勿論、それぞれの解像度に応じた良好な画像を記録する
ことを可能ならしめる画像記録装置を提供しようとする
ものである。
【0016】この課題を解決する本発明の画像記録装置
は、以下に示す構成を備える。すなわち、インク吐出用
ノズルから異なる大きさのインク滴を吐出させるため、
選択的に駆動される少なくとも第1、第2の熱エネルギ
ー発生源を備える記録ヘッドと、当該記録ヘッドを走査
運動させ所定の記録媒体上に画像を記録する画像記録手
段とを備える画像記録装置であって、前記画像記録手段
は、第1の解像度での画像形成の際には、前記第1の熱
エネルギー発生源を使用し、前記第1の解像度より高い
第2の解像度での画像形成の際には前記第2の熱エネル
ギー発生源を使用して画像を形成する。
【0017】また、本発明の好適な実施形態に従えば、
前記記録ヘッドには、第1の解像度に応じた間隔で複数
のノズルが一様に配設されていることが望ましい。これ
によって、1回の走査運動でもってノズルの数に依存し
た幅の画像を記録することが可能になり、記録速度をあ
げることが可能になる。
【0018】また、複数ノズルを有する記録ヘッドの場
合であって、第2の解像度で画像を記録する際には、前
記記録ヘッドの走査運動方向の記録距離間隔を第2の解
像度におけるドット間隔にし、前記記録ヘッド1回の走
査運動が完了した際に、前記記録媒体を、前記記録ヘッ
ドの走査運動方向に垂直な方向に前記第2の解像度にお
ける1ドット分だけ相対的に搬送させるようにしてもよ
い。
【0019】また、望ましくは、第2の解像度が第1の
解像度のN倍であって、前記第2の解像度で画像を記録
する際には、前記記録ヘッドの走査運動方向の記録距離
間隔を第2の解像度におけるドット間隔にし、前記記録
ヘッド1回の走査運動が完了した際に、前記記録媒体
を、前記記録ヘッドによる1回の走査運動によって記録
されるバンドの幅の1/Nに対し前記第2の解像度の1
ドット分の位相差だけ補正した距離だけ相対的に搬送さ
せ、従前に記録された画像にオーバーラップさせながら
画像を形成するようにする。この結果、ノズルの個体差
が吸収できるので、良好な画像を記録することが可能に
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
かかる実施形態を詳細に説明する。
【0021】図1は本発明のインクジェット記録装置で
使用される記録ヘッドの外観を示す。図中、インクタン
ク110と記録ヘッド100とは一体に構成されてカー
トリッジ・タイプとなっており、カートリッジ120内
のインク吸収体112に含浸、保持されたインクが、記
録ヘッド100へ供給される構造を有している。ここ
で、記録ヘッド100は吐出部102及び供給タンク部
104などから成る。
【0022】吐出部102は記録媒体との対向面に形成
した吐出口103と、その内側に延在する液室と、各液
室に配設した電気−熱変換用の吐出エネルギー発生体と
しての記録ヒータと、各液室に連通した共通液室とを有
している。
【0023】また、供給タンク部104はインクタンク
110側からインクの供給を受け、吐出部602内の共
通液室にインクを導くサブタンクとして機能する。イン
クタンク110内に配設され、インクを含浸させたイン
ク供給体112は、多孔質体または繊維などを用いて形
成される。尚、114はインクタンク110の蓋部材で
ある。
【0024】図2は図1の記録ヘッドの吐出口103付
近の分解斜視図を示している。ここで200はヒータボ
ードであり、シリコン基板上に電気−熱変換体(吐出ヒ
ータ)245及び246、並びにこれに電力を供給する
Alなどの配線246が成膜技術により形成される。そ
してこのヒータボードに対して、記録用液体の流路21
0を形成するための隔壁を設けた天板216を接着する
ことにより、ヘッドチップが構成される。
【0025】記録用の液体(インク)は、天板216に
設けた供給口214より共通液室212に供給され、こ
こより各流路210内に導かれる。そして、通電によっ
てヒータ201または202が発熱すると、流路210
内に満たされたインクに気泡が発生し、吐出口(オリフ
ィス)211からインク滴が吐出される。
【0026】ここで本発明の特徴は、図2に示されるよ
うに、1つの流路に対応して2個の吐出ヒータ201及
び202が存在する点である。ここでヒータ201は小
インク滴を吐出するための小電力ヒータであり、ヒータ
202は中または大インク滴を吐出するための大電力ヒ
ータである。それぞれのヒータ201,202は、例え
ばAl配線による共通の電源パターン204に一方の端
部が接続され、他方の端部はそれぞれ異なるドライブ側
パターン206,208に接続される。このように、本
発明によれば、各ノズルに対応して、複数(実施形態で
は2種類)の吐出ヒータが選択的に駆動される。これら
のヒータの役割については以降で詳述される。
【0027】図3は図2のX−X’の断面図を模式的に
示し、その中でインクの吐出原理をプロセス過程に従い
示すものである。図示のように、インク液室210内の
インクは、吐出ヒータ201もしくは202またはそれ
らの両者により急激に加熱されて気化し、その際に発生
する気泡(バブル)の状態変化により、インクが外部に
吐出されるものである。従って、吐出されるインク滴の
大きさ、吐出速度などのファクタは、ヒータの液室内で
の位置、ヒータへの印加電力、液室寸法などの電気的及
び機械的ファクタから決定される。
【0028】基本的には、ヒータ位置よりも後方(オリ
フィスから離れる方向)の液室の長さが十分に長い場合
には、気泡の発泡位置よりもオリフィス211側のイン
クが吐出されるので、吐出ヒータがオリフィス211か
ら奥まった位置に配置され、大きな印加電力が供給され
れば、大きなインク滴が得られる。しかしながら、実際
には、液室の長さが増すと、インクの液室内でのリフィ
ル(再充填)周期が長くなり、高い周波数の吐出、すな
わち高速印字には対応できなくなる。
【0029】本発明者によれば、図2で示したようなヒ
ータ201とヒータ202とが直線上に並ぶヒータ配置
構成(図4参照)よりも、図5で示すような、ヒータ1
とヒータ2とが互いに平行に、かつそれぞれの一部がオ
ーバラップするような構成が、より効果的な吐出特性を
もたらすことが確認された。すなわち、インク液室21
0のオリフィス211寄りに小電力ヒータ201を配置
し、奥側に大電力ヒータ202を、その一部がヒータ2
01と長手方向にオーバラップするように平行に配置す
る。図3は、図5の小電力ヒータ201によるインクの
吐出を示している。
【0030】図6は本実施形態で使用されるモノクロ専
用の記録ヘッド601の模式図を示す。本実施形態では
360dpiの解像度で128個のノズルが直線上に配
列されている。この記録ヘッドの利点はシリアル・プリ
ンタで使用した場合に、従来の通常の大きさのテキスト
が一度に2行分印字可能であり、印字速度の高速化を図
れることである。
【0031】図7は本実施形態で使用可能な別のタイプ
(カラー)の記録ヘッド701を示した図であり、図で
はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブ
ラック(Bk)の4種類のノズル・ブロックが隣接ブロ
ックと8ノズル相当分づつ隔てて直線上に配列される。
図ではY,M,Cの各ノズル・ブロックは24ノズルを
含み、Bkだけは64ノズルを含む。この記録ヘッドに
よれば、カラー印字を可能なことはもとより、モノクロ
印字に対しても、従来のシリアル・プリンタ並の印字速
度を達成できる(一走査で1ライン分の印字が可能)。
【0032】図8はモノクロ専用記録ヘッド601の詳
細ブロックを示す。図9は図8に示される各制御信号の
タイミングを示す。以下、図8及び図9に従って説明す
る。
【0033】RESET信号841は印字の前に一度入
力され、ラッチ122をリセットする。LATCH84
2は1周期単位で256ビットのDATA813がCL
OCK1に同期してシフトレジスタ121に転送される
時、これらのデータをラッチ122にラッチする。ここ
で、256ビットのデータは、図6に示す128個の各
ノズルに対応する2つのヒータ(すなわちヒータ201
とヒータ202)に対応する(すなわち2bit×12
8ノズル分)。図中、ヒータ201はS(small)、また
ヒータ202はL(large)記号が印加される抵抗体(図
示のSeg.xS及びSeg.xL)で示される。本実
施形態ではラッチ信号間の1周期は例えば175μSで
ある。ラッチ822にラッチされた256ビットの信号
は、次の周期で時分割にゲートされて、発熱素子826
を順次駆動する。その様子を次に説明する。
【0034】図8で示される様に、図6の記録ヘッドは
ヒータ201、202はそれぞれ8ブロック×16セグ
メントのマトリクスにより構成され、各ブロックに接続
されるノズルの番号が図10に示される(図示では、ヒ
ータ201についてのみ示している)。図10から明ら
かな様に、図6のモノクロヘッドでは、各ブロックに同
数すなわち16個のノズルが接続される。図9に戻り、
BENB0乃至BENB2の3本のブロック選択信号
は、8ブロックのいずれかを順次選択する。その選択方
法は、通常は、2進数で000(10進数での0)から
111(10進数の7)へと遷移するが、キャリッジの
復路で印字するいわゆる反転印字の場合には、その方向
が逆になる。これは当業者には既知の様に、時分割駆動
による各ブロックの印字タイミングの差により、印字結
果が往路と復路とで一貫性を失わない様に実施される
(具体的には、縦罫線の直線性を往路と復路で維持する
ため。)。
【0035】図9では往路の場合がカッコ無しの数字、
復路の場合がカッコつきの数字で示される。本実施形態
では更に各ブロックを、ODD ENB 848及びE
VEN ENB 849制御信号により偶数ブロック
(すなわち、ヒータ1)と奇数ブロック(すなわちヒー
タ2)とに分割しており、図9では両者を同時に駆動す
るケースが示されている。しかしながら、電源の容量、
または記録ヘッドの特性等のファクタを考慮して、両ブ
ロックを同時駆動することが困難な場合には、これらを
別々にさらに時分割して駆動することも可能である。あ
るいは、主走査の1パス目にヒータ1すなわち小ヒータ
を使用して記録し、2パス目でヒータ2すなわち大ヒー
タを使用して記録することも有効である。最後に、ヒー
トイネーブルHENB150はダブル・パルスによる駆
動を提供し、これらはそれぞれプリパルス及びメインパ
ルスと呼ばれる。前者は記録ヘッドのヒータボード20
0(図2参照)の予熱用に使用され、インクの吐出量を
上げる効果を有する。後者は文字通りインクの吐出用に
使用される。図8の827はダイオード・センサであ
り、既知の様に、ダイオードのPN接合間の温度特性を
利用して、記録ヘッドのヒータボードの温度を測定する
ために使用される。測定温度に基づき、本実施形態で
は、前述したプリパルスのパルス幅を制御することによ
り、インクの吐出量が一定となるように制御する。具体
的には、プリパルス幅を温度の関数として、ヒータボー
ドの温度が上昇すると、プリパルス幅が小さくなる様に
制御を実施する。
【0036】図11は図7に示すカラー記録ヘッド70
1の詳細ブロックを示し、図12はその制御信号のタイ
ミングを示している。カラーヘッドの場合も図8及び図
9に関連して述べたモノクロヘッドの場合とほとんど同
様であるが、一部異なる点は、シフトレジスタ112
1、ラッチ1122、及びトランジスタアレイ1125
のビット数が272ビットであること、及びヒートイネ
ーブル信号が各色に対応して別々に用意されており(H
ENB0乃至HENB3)、各色独立の駆動エネルギー
を供給できることである。また、ブロック数はモノクロ
ヘッドの場合と同数の8ブロックであるが、各ブロック
に含まれるノズル(セグメント)の数は、図13に示さ
れる様に、17個となる。これは図6と図7の配列の違
い及びノズルの総数に起因する。
【0037】本実施形態で使用した記録ヘッド(図6,
図7参照)の特性を図14に示す。図14において、横
軸は使用ヒータ、縦軸はインクの吐出量(単位:ピコリ
ットル[p1])を示す。駆動条件は図中右上に示され
る。2つの曲線の上側はブラック・インクに、下側の曲
線はカラー・インク(Y,M,C)に対応する。
【0038】次に本発明による複数の記録モードについ
て説明する。
【0039】図15及び図16は、本発明による解像度
及び階調表現を模式的に示す。図15は解像度が360
dpi(dot per inch)、階調表現が4値の記録モードを
示す。図16は解像度が720dpi、階調表現が5値
の記録モードを示す。いずれのモードでも、階調表現は
面積階調を使用する。
【0040】最初に図15について詳細に説明する。図
15の記録モードは、図14などに関連して上述したよ
うに、本発明の2種類のヒータすなわちヒータ1(小電
力ヒータ)とヒータ2(大電力ヒータ)の使用の組合せ
により、4種類のドット径を獲得する。これらはドット
無し、小ドロップ、中ドロップ、及び大ドロップであ
り、それぞれ、ヒータ駆動無し、ヒータ1駆動、ヒータ
2駆動、及びヒータ1とヒータ2の両方を駆動に対応す
る。それぞれに対応するインク吐出量が図14に示され
る。ここで図8または図11を再度参照し、図15の1
501すなわちドット無しを獲得するためには、各ノズ
ル(セグメント)に対応する小ヒータ(図中S記号で示
される)及び大ヒータ(図中L記号で示される)のデー
タに0を書き込めばよい。小ドロップ1502を獲得す
るためには、小ヒータに対応するデータにのみ1を書き
込み、中ドロップ1503を獲得するためには、大ヒー
タに対応するデータにのみ1を書き込む。そして、大ド
ロップ1504を獲得するためには、小ヒータと大ヒー
タの両方に対応するデータに1を書き込むべきである。
このように図15の記録モードによれば、解像度に関し
ては従来と同様の360dpiであるが、階調表現に関
しては、上述したような面積階調により、より高品位は
画像を獲得することができる。
【0041】次に図16の記録モードについて説明す
る。この記録モードは上述のように、解像度が720d
piと従来の2倍であり、従来の1画素を小ドロップ4
ドットで表現する。また階調に関しては、図示のように
ドット数により表現され、ドット無し1601、1ドッ
ト1602、2ドット1603、3ドット1604、及
び4ドット1605の5値表現が可能である。もちろ
ん、2×2のマトリックス内に含まれるドットの位置に
ついては任意である。例えば、1603の2ドットの場
合に、ドットが図示の例とは異なり、対角に位置するこ
とも可能である。ここで、図6または図7で示した記録
ヘッドにより、図16の記録を実現するためには、2回
の主走査が必要である。なぜなら、これらのヘッドは基
本的に360dpiの解像度であるために、1回目の主
走査で、小ヒータだけを使用して、図6の上段を記録
後、記録紙を1/720インチ搬送し、再度2回目の主
走査で、小ヒータだけを使用して、残りの部分すなわち
図16の下段を記録する必要がある。図6に示すブロッ
ク128ノズルの記録ヘッドを使用して、この記録モー
ドに対応したときの動作概要が、図17に模式的に示さ
れる。図17では、ヒータ1(小ヒータ)だけを使用し
て1走査目の記録が終了後、紙送りモータ(図示せず)
で記録紙1701を1/720インチ搬送し、次に再度
ヒータ2だけを使用して、2走査目の記録を行う。2走
査目が終了後、今後は記録紙1701を256/720
インチ搬送し、次に3走査目の記録を行う。3走査目の
記録の終了後、記録紙を1/720インチ搬送し、次に
4走査目の記録を行う。4走査目の記録が終了すると、
記録紙を再度256/720インチ搬送して、1走査目
と同様に繰り返す。このようにして、記録紙の印字領域
の下端まで記録を継続する。
【0042】あるいは、図18に示すように、縦方向に
128ドット単位で、走査をオーバラップさせていく記
録方法も有効である。この場合には、縦方向の最初の1
28ドットを1走査目と2走査目で記録し、次の128
ドットを2走査目と3走査目で記録し、3番目の128
ドットを3走査目と4走査目で記録し、以下同様に継続
していく。
【0043】図19に、図18の記録を実現する記録ヘ
ッドと記録紙との相対的な移動関係を示す。図中、黒丸
が実際のノズル位置を示し、黒丸間の間隔は1/360
インチである。図19から明らかなように、1走査目で
記録ヘッド601の下半分64ノズルを使用して記録
し、次に記録紙を129/720インチ搬送する。その
後、2走査目を全ノズルすなわち128ノズル使用して
記録し、次に記録紙を127/720インチ搬送する。
その後、3走査目を全ノズルを使用して記録し、その
後、記録紙を129/720インチ搬送する。このよう
に、記録紙を主走査の終了毎に、127/720インチ
と129/720インチとの間を交互させながら搬送す
る。
【0044】図20は常に記録紙の紙搬送距離を一定に
保つための記録方法を示す。この例では、記録ヘッド6
01の最上部の1ノズルを常に使用せずに、それより下
方の残りの127ノズルを使用して記録する。この方法
によれば、記録紙の搬送距離は常に127/720イン
チに保つことが可能になる。この方法によれば、記録紙
の搬送距離が常に一定であるために、機械的な搬送機構
の送り精度を保証することが容易になりうる。しかしな
がら、記録領域が縦方向に127ドットと奇数単位にな
るため、記録制御がバイトまたはワード単位から逸脱す
ることになり、制御的な観点からの煩雑化を招きうる。
【0045】以上の説明から明らかなように、図17乃
至図20に関連して述べた記録方法では、装置のスルー
プットが、主走査速度を向上するなどの何らかの手段を
講じない限り、図15の記録モードの場合よりも低下す
る。しかしながら、このモードの記録結果は、従来の3
60dpiで2値の階調表現に比較して、解像度が2
倍、階調表現も5値と優れ、また図15のモードと比較
しても、解像度が2倍、階調も4値から5値へと向上
し、高品位かつ高精細な画像を提供することができる。
【0046】更に本発明の他の特徴は、従来の360d
pi、2値の記録モードにも対応できる点である。これ
は図15の大ドロップだけを使用してシミュレートでき
る。これにより、本発明によれば、従来ヘッドの使用に
合わせて設計された従来機種、すなわち解像度360d
pi、階調表現2値の機種にも、本発明を記録ヘッドを
上位互換に使用することができる。これにより多種ヘッ
ドを製造することによる生産コスト増大の防止、生産調
整の簡素かなどの利点が達成される。
【0047】以上述べたように、本実施形態によれば、
既存の解像度のヘッドでもってそれより高い解像度の記
録を行うことが可能になる。
【0048】また、複数段階の階調表現を有するインク
ジェット記録装置を提供することができる。
【0049】更に、従来の記録ヘッドと上位互換に使用
できる高解像度かつ階調表現可能な記録ヘッドおよびそ
の印字方法を提供することができる。尚、従来の解像度
で記録する場合と、上記実施形態で説明した高解像度で
記録する場合の切換は、例えば装置に備えられた操作パ
ネル或いは上位装置(ホストコンピュータ等)からの指
示コマンドに従うようにすればよい。
【0050】また、上記実施形態では、360dpiと
いう解像度に依存した状態でノズルが配列され、それを
720dpiにして記録する例を説明したが、これに限
らず、基本となる解像度(実施形態では360dpi)
の整数倍の解像度でもって画像を記録することが可能で
ある。すなわち、吐出したインク滴によるドロップ径が
十分に小さくできる場合には、主走査方向に対する1画
素間隔をそれに応じて狭め、且つ、副走査方向へもそれ
に応じた位相差だけずらせばよい。
【0051】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装
置、プリンタ単体)に適用してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明に従えば、異
なるサイズのインク滴を確実に吐出することが可能にな
る。
【0053】1つの記録ヘッドでもって、異なる解像度
で画像を記録することは勿論、それぞれの解像度に応じ
た良好な画像を記録することも可能になる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する記録ヘッドの斜視図である。
【図2】図1の記録ヘッドの吐出口103付近の内部構
造を示す図である。
【図3】図1の記録ヘッドによるインク吐出原理を表す
図である。
【図4】図2のヒータ配列を説明する図である。
【図5】図4とは別のヒータ配列の例を示す図である。
【図6】ブラック専用の記録ヘッドのノズル配列を示す
図である。
【図7】カラー用の記録ヘッドのノズル配列を示す図で
ある。
【図8】図6の記録ヘッドのヒータボードの回路構成を
示すブロック図である。
【図9】図8の各信号のタイミング図である。
【図10】図8のBE(ブロック・イネーブル)信号と
接続セグメントの関係を示す図である。
【図11】図7の記録ヘッドのヒータボードの回路構成
を示すブロック図である。
【図12】図11の各信号のタイミング図である。
【図13】図11のBE(ブロック・イネーブル)信号
と接続セグメントの関係を示す図である。
【図14】各ヒータの駆動の組合せとインク吐出量の関
係を示す図である。
【図15】ドロップ径による階調表現を説明する図であ
る。
【図16】ドット数による階調表現を説明する図であ
る。
【図17】縦横720dpiの解像度を獲得する記録方
法を示す図である。
【図18】縦横720dpiの解像度を獲得する別の記
録方法を示す図である。
【図19】図18の記録結果を得るための記録紙の搬送
方法を示す図である。
【図20】搬送距離を一定に保つことが必要な時の使用
ノズルと記録結果を示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギーの作用によってインク滴を
    吐出するノズルを有する記録ヘッドであって、 前記ノズルには、異なる大きさのインク滴を吐出させる
    ため、選択的に駆動される少なくとも第1、第2の熱エ
    ネルギー発生源を備えることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 第1の熱エネルギー発生源は、第2の熱
    エネルギー発生源よりノズル先端に近い位置に配設され
    ていることを特徴とする請求項第1項に記載の記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記第1の熱エネルギー源と第2の熱エ
    ネルギー発生源は、インク吐出方向に対して所定長さだ
    けオーバーラップし、且つ並行に設けられていることを
    特徴とする請求項第2項に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第2の熱エネルギー源には、第1の
    熱エネルギー発生源より印加電力が供給されることを特
    徴とする請求項第2項又は第3項のいずれかに記載の記
    録ヘッド。
  5. 【請求項5】 全熱エネルギー発生源をほぼ同時に駆動
    することで最大サイズのインク滴を吐出することを特徴
    とする請求項第1項乃至第4項に記載の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 インク吐出用ノズルから異なる大きさの
    インク滴を吐出させるため、選択的に駆動される少なく
    とも第1、第2の熱エネルギー発生源を備える記録ヘッ
    ドと、 当該記録ヘッドを走査運動させ所定の記録媒体上に画像
    を記録する画像記録手段とを備える画像記録装置であっ
    て、 前記画像記録手段は、第1の解像度での画像形成の際に
    は、前記第1の熱エネルギー発生源を使用し、前記第1
    の解像度より高い第2の解像度での画像形成の際には前
    記第2の熱エネルギー発生源を使用して画像を形成する
    ことを特徴とする画像記録装置。
  7. 【請求項7】 第1の熱エネルギー発生源は、第2の熱
    エネルギー発生源よりノズル先端に近い位置に配設され
    ていることを特徴とする請求項第6項に記載の画像記録
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の熱エネルギー源と第2の熱エ
    ネルギー発生源は、インク吐出方向に対して所定長さだ
    けオーバーラップし、且つ並行に設けられていることを
    特徴とする請求項第7項に記載の画像記録装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の熱エネルギー発生源には、第
    1の熱エネルギー発生源より大きな印加電力が供給され
    ることを特徴とする請求項第7項又は第8項のいずれか
    に記載の画像記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドには、第1の解像度に
    応じた間隔で複数のノズルが一様に配設されていること
    を特徴とする請求項第6項に記載の画像記録装置。
  11. 【請求項11】 第2の解像度で画像を記録する際に
    は、前記記録ヘッドの走査運動方向の記録距離間隔を第
    2の解像度におけるドット間隔にし、 前記記録ヘッド1回の走査運動が完了した際に、前記記
    録媒体を、前記記録ヘッドの走査運動方向に垂直な方向
    に前記第2の解像度における1ドット分だけ相対的に搬
    送させることを特徴とする請求項第10項に記載の画像
    記録装置。
  12. 【請求項12】 第2の解像度が第1の解像度のN倍で
    あって、前記第2の解像度で画像を記録する際には、 前記記録ヘッドの走査運動方向の記録距離間隔を第2の
    解像度におけるドット間隔にし、 前記記録ヘッド1回の走査運動が完了した際に、前記記
    録媒体を、前記記録ヘッドによる1回の走査運動によっ
    て記録されるバンドの幅の1/Nに対し前記第2の解像
    度の1ドット分の位相差だけ補正した距離だけ相対的に
    搬送させ、 従前に記録された画像にオーバーラップさせながら画像
    を形成することを特徴とする請求項第10項に記載の画
    像記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11348322A (ja) * 1998-06-02 1999-12-21 Seiko Epson Corp 印刷装置および印刷方法並びに記録媒体
US9849672B2 (en) 2014-04-03 2017-12-26 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection apparatus including a parasitic resistor

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