JPH0920723A - ケトン酸エステルの精製法 - Google Patents
ケトン酸エステルの精製法Info
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Abstract
含む混合物を、酸共存下に加熱することを特徴とするケ
トン酸エステルの精製法。 【効果】 本発明の方法により、沸点が近接して蒸留分
離が困難なケトン酸エステルとオキシ酸エステルを含む
混合物を酸共存下に加熱する事で、高純度のケトン酸エ
ステルを容易に製造する事ができ、製造コストの低減に
大きく貢献できる。
Description
製方法に関するものであり、更に詳しくはケトン酸エス
テルとオキシ酸エステルを含む混合物からケトン酸エス
テルを精製する方法に関する。
ノ酸、香料などの原料および中間体として有用な化合物
である。
ステルの酸化により製造される。
ビン酸エステルの工業的製法は古くから知られている。
例えばバナジウム、モリブデン、リン及び酸素を必須成
分として含有する固体触媒に、乳酸エステルおよび酸素
を含むガスを接触させる方法(特開昭52−39624
号公報)が挙げられる。
物のケトン酸エステル中には未反応オキシ酸エステルが
含有されている。たとえば、ピルビン酸エステルと乳酸
エステルは沸点が近接しており、通常の蒸留精製では高
純度のケトン酸エステルを得る事は非常に難しい。
て極めて高純度のものが要求されており、ケトン酸エス
テルとオキシ酸エステルを分離する試みが多数なされて
いる。例えば、ピルビン酸エステルと乳酸エステルの混
合物を水の存在下に蒸留する事により精製する方法(特
開昭59−225144号公報)が知られている。
ピルビン酸エステルと乳酸エステルの混合物を水の存在
下に蒸留する方法は、充填物を充填した精留塔を装着し
た精留装置にピルビン酸エステルと乳酸エステルの混合
物を仕込み、ピルビン酸エステルを水との共沸混合物と
して留出させ、一方の乳酸エステルは缶残として残す事
により精製するものであるが、留出したピルビン酸エス
テルは水溶液であり、ピルビン酸エステルを単離するに
は、改めてピルビン酸エステルと水の共沸混合物から適
当な溶媒で抽出するか、或いは水を適当な溶媒との共沸
により除去しなければならず、必ずしも有利な方法とは
いいがたい。
テルの混合物から、高純度のピルビン酸エステルを単離
する工業的に有利な方法が望まれていた。
トン酸エステルとオキシ酸エステルの混合物からケトン
酸エステルを精製する方法について鋭意検討した結果、
ケトン酸エステルとオキシ酸エステルを含む混合物を酸
共存下に加熱すると、ケトン酸エステルとオキシ酸エス
テルの分解速度が異なることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
よびオキシ酸エステルを含む混合物を、酸共存下に加熱
することを特徴とするケトン酸エステルの精製法であ
る。
分子内にカルボニル基とカルボキシル基を含んでいる酸
をアルキルエステルで交換したものであり、ピルビン酸
エステル、ベンゾイルギ酸エステル、フェニルピルビン
酸エステルなどのα−エステル酸エステル、アセト酢酸
エステル、プロピオニル酢酸エステル、ベンゾイル酢酸
エステルなどのβ−ケトン酸エステル、レブリン酸エス
テル、β−ベンゾイルプロピオン酸エステルなどのγ−
ケトン酸エステルなどを挙げることができる。
カルボキシル基と水酸基を含んでいる酸をアルキルエス
テルで交換したものであり、グリコール酸エステル、乳
酸エステル、ヒドロアクリル酸エステル、α−オキシ酪
酸エステル、グリセリン酸エステル、リンゴ酸エステ
ル、酒石酸エステル、クエン酸エステルなどの脂肪族オ
キシ酸エステル、サリチル酸エステル、m−オキシ安息
香酸エステル、p−オキシ安息香酸エステル、没食子酸
エステル、マンデル酸エステル、トロパ酸エステルなど
の芳香族オキシ酸エステルが挙げられるが、本発明で
は、酸化によりケトン酸になる脂肪族オキシ酸エステル
が重要である。
を含む混合物は、いかなる混合物でも使用できる。たと
えば、オキシ酸エステルの気相酸化によりケトン酸エス
テルを製造し、未反応のオキシ酸エステルを含む混合
物、オキシ酸を酸化してケトン酸を製造し、未反応のオ
キシ酸を除くことなくエステル化を行なった混合物、さ
らにグルコース発酵により得たピルビン酸などのケトン
酸に不純物として乳酸などのオキシ酸が含まれているも
のをエステル化して得た混合物などが使用できる。
ステルを含む混合物に、反応を阻害しない化合物が共存
していても構わない。
テルの混合比は、特に限定されないが、精製の効率を考
慮すると、ケトン酸エステルが多く含まれる混合物が好
ましい。特に好ましくはケトン酸エステルとオキシ酸エ
ステルの重量比が1000/1〜5/1である。
オキシ酸エステルのエステル残基は、いずれの構造でも
構わないが、生産効率を考慮すると低級アルキル残基が
好ましい。特に好ましくはメチルエステル残基、エチル
エステル残基、プロピルエステル残基、ブチルエステル
残基であり、ケトン酸エステルとオキシ酸エステルのエ
ステル残基が同一でも、異なってもよい。また、ケトン
酸エステルとオキシ酸エステルのエステル残基が異なる
場合には、ケトン酸エステルの方がオキシ酸エステルよ
りアルキル鎖の長いエステル残基である事が好ましい。
テルの分解速度を小さく、一方オキシ酸エステルの分解
速度を大きくする酸であれば如何なる酸でも使用でき
る。H型の陽イオン交換樹脂、例えばナフィオン(デュ
ポン製)、ダイアイオン PK208(三菱化成製)等
が挙げられる。また、硫酸や塩酸等の鉱酸類、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸
類、メタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類が挙げら
れるが、好ましくはH型の陽イオン交換樹脂、硫酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の芳香族スル
ホン酸類、メタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類、
特に好ましくは硫酸、トルエンスルホン酸である。酸の
使用量はケトン酸エステルとオキシ酸エステルの混合物
のオキシ酸エステルに対して1モル%〜500モル%
で、好ましくは20モル%〜200モル%である。酸中
の水の濃度は、ケトン酸エステルの分解を抑え、オキシ
酸エステルを選択的に分解させるため、また、その水の
除去を考慮し出来るだけ少ない方が望ましい。例えば硫
酸の場合は98もしくは95%濃度品を、また、スルホ
ン酸類の場合は1水和物品を使用すると良い。
に好ましくは50〜80℃である。温度が低いと分解速
度が遅く、生産効率が悪くなる。また、高いとオキシ酸
エステルだけでなくケトン酸エステルの分解速度も速く
なり、ケトン酸エステルの回収率が低下するので好まし
くない。
とオキシ酸エステルの混合物だけで実施するのが好まし
いが、本発明の目的をさまたげない溶媒などを加えて行
なっても良い。
促進するため、撹拌をするのが好ましい。
酸エステルは加水分解して一般に固体のオキシ酸となる
ため、容易に分離することができる。
度に含む混合物から、ケトン酸エステルを単離するに
は、減圧蒸留法などが採用できる。
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
チルの重量比が98/2の乳酸エチルが入ったピルビン
酸エチル溶液100gと、95%硫酸1.15g(硫酸
/乳酸エチルのモル比0.5)を仕込み、約70℃で1
時間撹拌した。
をガスクロマトグラムで分析した結果、ピルビン酸エチ
ルと乳酸エチルの重量比が99.4/0.6であった。
(95%硫酸と当モル量)を加えた後、約6.0kP
a、バス温度約80℃の条件下で、減圧蒸留し、ピルビ
ン酸エチルと乳酸エチルの重量比が99.4/0.6の
高純度ピルビン酸エチルの留出液92gを得た。
チルの重量比が90/10の乳酸エチルが入ったピルビ
ン酸エチル溶液100gと、95%硫酸5.73g(硫
酸/乳酸エチルのモル比0.5)を仕込み、約70℃で
1時間撹拌した。
をガスクロマトグラムで分析した結果、ピルビン酸エチ
ルと乳酸エチルの重量比が98.5/1.5であった。
ルホン酸1水和物2.11g(p−トルエンスルホン酸
1水和物/乳酸エチルのモル比0.5)に代えた以外は
同様の操作を行なった結果、ピルビン酸エチルと乳酸エ
チルの重量比が99/1であった。
は同様の操作を行なった結果、ピルビン酸エチルと乳酸
エチルの重量比が98/2であった。
留分離が困難なケトン酸エステルとオキシ酸エステルを
含む混合物を酸共存下に加熱する事で、高純度のケトン
酸エステルを容易に製造する事ができ、製造コストの低
減に大きく貢献できる。
Claims (9)
- 【請求項1】 ケトン酸エステルおよびオキシ酸エステ
ルを含む混合物を、酸共存下に加熱することを特徴とす
るケトン酸エステルの精製法。 - 【請求項2】 ケトン酸エステルおよびオキシ酸エステ
ルのエステル残基が同一であることを特徴とする請求項
1記載のケトン酸エステルの精製法。 - 【請求項3】 ケトン酸エステルがα−ケトン酸エステ
ルであり、かつオキシ酸エステルがα−オキシ酸エステ
ルであることを特徴とする請求項1または2記載のケト
ン酸エステルの精製法。 - 【請求項4】 ケトン酸エステルがピルビン酸エステル
であり、かつオキシ酸エステルが乳酸エステルであるこ
とを特徴とする請求項3記載のケトン酸エステルの精製
法。 - 【請求項5】 酸が硫酸、芳香族スルホン酸および脂肪
族スルホン酸から選ばれる少なくとも一種であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のケトン酸
エステルの精製法。 - 【請求項6】 酸をオキシ酸エステルに対して1モル%
〜500モル%共存させることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項記載のケトン酸エステルの精製法。 - 【請求項7】 ケトン酸エステルとオキシ酸エステルの
重量比が1000/1から5/1であることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項記載のケトン酸エステル
の精製法。 - 【請求項8】 加熱する温度が30〜90℃であること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のケトン
酸エステルの精製法。 - 【請求項9】 ケトン酸エステルおよびオキシ酸エステ
ルのエステル残基が炭素数1〜6のアルキル基であるこ
とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のケト
ン酸エステルの精製法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17178995A JP3726315B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | ケトン酸エステルの精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0920723A true JPH0920723A (ja) | 1997-01-21 |
JP3726315B2 JP3726315B2 (ja) | 2005-12-14 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17178995A Expired - Lifetime JP3726315B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | ケトン酸エステルの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3726315B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6348617B1 (en) | 1996-10-09 | 2002-02-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for purifying pyruvic acid compounds |
WO2009127352A1 (en) * | 2008-04-14 | 2009-10-22 | Lonza Ltd | PROCESS FOR PURIFYING AN α-KETO ESTER |
-
1995
- 1995-07-07 JP JP17178995A patent/JP3726315B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN102026955A (zh) * | 2008-04-14 | 2011-04-20 | 隆萨有限公司 | 纯化α-酮基酯的方法 |
JP2011516590A (ja) * | 2008-04-14 | 2011-05-26 | ロンザ リミテッド | α−ケトエステルの精製方法 |
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---|---|
JP3726315B2 (ja) | 2005-12-14 |
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