JPH09207192A - 長尺製品引取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方のキャタピラーが一時的に停止する恐れ
のない長尺製品引取装置を提供する。 【解決課題】 上下のキャタピラー１、２の間に長尺製
品６を挟入し、上下のキャタピラー１、２の相互に逆方
向の回動により長尺製品６を引き取る長尺製品引取装置
において、下方のキャタピラー２に駆動軸２１が設けら
れ、上方のキャタピラー１に従動軸１１が設けられ、駆
動軸２１と従動軸１１との間に動力伝達用歯車１１２、
２１２が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、例えば、押出成形
された硬質塩化ビニル樹脂製の管、床材等の長尺製品を
引き取る際に使用して好適な長尺製品引取装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特開平４−１９３５１７
号公報等に記載されているように、硬質塩化ビニル樹脂
製管等の長尺製品は押出成形装置により押し出された
後、サイジングダイを通過した後、水槽内を経由して冷
却固化された後、引取装置により引き取られ、一定長さ
に切断して製品とされる。

【０００３】このような引取装置としては、上下にキャ
タピラーが設けられ、上下のキャタピラー間に製品を挟
入し、上下のキャタピラーの相互に逆方向の回動により
製品を引き取るものが知られている。

【０００４】このような引取装置としては、図３に示す
ように、上下のキャタピラー１、２の各回転軸１１、２
１に設けられたスプロケットホイール１０、２０に環状
の駆動チェイン８が懸架され、駆動チェイン８の一部を
駆動減速機モーター４の駆動軸４１に設けられたスプロ
ケットホイール４２に懸けて駆動することにより上下の
キャタピラー１、２が相互に逆方向に回動され、上下の
キャタピラー１、２の間に挟入される長尺製品６を矢印
方向ａに引き取るものである。

【０００５】尚、８１は駆動チェイン８の張力調節装置
であり、張力調節装置８１のエアシリンダ８２の一端が
機台７に固定され、エアシリンダ８２の他端から延設さ
れる作動杆８３の先端に設けられた歯車８４が駆動チェ
イン８の内側から引っ張られることにより駆動チェイン
８の張力が調節されるようになっている。５は上方キャ
タピラー１の昇降装置であり、昇降装置５のエアシリン
ダの一端に延設された作動杆５１の上端が上方キャタピ
ラー１から側方に突設されたブラケット１５の下面に取
付けられ、昇降装置５の作動により上方キャタピラー１
が昇降できるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示すような従来の引取装置においては、上方のキャタピ
ラー１は長尺製品を介して下方のキャタピラー２の移動
に従動する恰好となるため下方のキャタピラー２の回転
軸２１には、上方のキャタピラー１の回転軸１１に加わ
る負荷よりも大きな負荷が加わる。そのために、モータ
ー４の駆動軸４１に設けられたスプロケットホイール４
２と下方のキャタピラー２の回転軸２１のスプロケット
ホイール２１２との間の駆動チェイン８の部分に引張力
が加わり、下方のキャタピラー２の回転軸２１のスプロ
ケットホイール２０と上方のキャタピラー１の回転軸１
１のスプロケットホイール１０との間における駆動チェ
イン８の部分８５に、図４に示すように、弛みが生じ
る。

【０００７】このように、下方のキャタピラー２の回転
軸２１のスプロケットホイール２０と上方のキャタピラ
ー１の回転軸１１のスプロケットホイール１０との間に
おける駆動チェイン８の部分８５に弛みが生じると、下
方のキャタピラー２の回転軸２１のスプロケットホイー
ル２０における駆動チェイン８の部分の長さが引張力に
より引張られる結果、上方のキャタピラー１の回転軸１
１のスプロケットホイール１０における駆動チェイン８
の部分の長さよりも長くなる。

【０００８】このように、下方のキャタピラー２の回転
軸２１のスプロケットホイール２０における駆動チェイ
ン３の部分の長さが上方のキャタピラー１の回転軸１１
のスプロケットホイール１０における駆動チェイン８の
部分の長さよりも長くなると、下方のキャタピラー２の
回転軸２１のスプロケットホイール２０における駆動チ
ェイン８の周速が上方のキャタピラー１の回転軸１１の
スプロケットホイール１０における駆動チェイン８の周
速よりも小さくなる。

【０００９】このように、下方のキャタピラー２の回転
軸２１のスプロケットホイール２０における駆動チェイ
ン８の周速が上方のキャタピラー１の回転軸１１のスプ
ロケットホイール１０における駆動チェイン８の周速よ
りも小さくなると、下方のキャタピラー２の回転軸２１
のスプロケットホイール２０と上方のキャタピラー１の
回転軸１１のスプロケットホイール１０との間における
駆動チェイン８の部分８５の弛みが一層大きくなり、矢
印ｂで示すように、駆動チェイン８が上方のキャタピラ
ー１の回転軸１１のスプロケットホイール１０から乗り
上げると共に、矢印ｃで示すように、下方のキャタピラ
ー２の回転軸２１のスプロケットホイール２０から部分
的に外れ、下方のキャタピラー２の回転軸２１が一時的
に止まる、駆動チェイン８の所謂飛びによるシャクリ現
象が生じる。

【００１０】このように、駆動チェイン８の所謂飛びに
よるシャクリ現象が生じると、下方のキャタピラー２が
一時的に停止し、移送される長尺製品６に悪影響を与
え、製品６の表面に凹凸が生じる不都合が起こる。

【００１１】本発明は、このような従来の引取装置にお
ける問題点に着目してなされたものであり、その目的と
するところは、従来の問題点を解決し、下方のキャタピ
ラーが一時的に停止する恐れのない長尺製品引取装置を
提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明長尺製品引取装置は、上下のキャタピラーの
間に製品を挟入し、上下のキャタピラーの相互に逆方向
の回動により長尺製品を引き取る長尺製品引取装置にお
いて、上下のキャタピラーの一方に駆動軸が設けられ、
他方に従動軸が設けられ、駆動軸と従動軸との間に動力
伝達用歯車が設けられていることを特徴とするものであ
る。

【００１３】

【作用】本発明長尺製品引取装置においては、上下のキ
ャタピラーの一方に駆動軸が設けられ、他方に従動軸が
設けられ、駆動軸と従動軸との間に動力伝達用歯車が設
けられているので、駆動軸から動力伝達用歯車を介して
従動軸に確実に回転が伝達される。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図１は本発明長尺製品引取装
置の一例を示す一部切欠斜視図、図２は、図１の円Ａで
囲まれた部分の拡大斜視図である。図１、２において、
１、２は上下のキャタピラーであり、上下のキャタピラ
ー１、２には夫々２本の回転軸１１、１２、２１、２２
が設けられ、２本の回転軸１１、１２、２１、２２には
スプロケットホィール１１１、１２１、２１１、２２１
が取付けられ、双方のスプロケットホィール１１１、１
２１、２１１、２２１の間にキャタピラーチェイン１
３、２３が懸架され、２条のキャタピラーチェイン１
３、２３に亘り多数のキャタピラーゴム１４、２４が架
設されている。

【００１５】上方のキャタピラー１の一方の回転軸１１
は従動軸であり、従動軸１１の一端に歯車１１２が取付
けられている。下方のキャタピラー２の一方の回転軸２
１は駆動軸であり、駆動軸２１の一端には歯車２１２が
取付けられている。従動軸１１の歯車１１２と駆動軸２
１の歯車２１２との間に２個の中間歯車３、３が設けら
れ、駆動軸２１の回転が駆動軸２１の歯車２１２、２個
の中間歯車３、３及び従動軸１１の歯車１１２により従
動軸１１に伝達されるようになっている。

【００１６】駆動軸２１には三角形の固定ブラケット２
１３が取付けられ、固定ブラケット２１３の頂部には中
間リンク３１の一端が軸着され、中間リンク３１の他端
には従動軸１１に取付けられたリンク１１３の一端に軸
着されている。中間歯車３、３は中間リンク３１に軸着
され、従動軸１１が上方キャタピラー１の昇降に対応で
きるようになっている。

【００１７】駆動軸２１の歯車２１２の下方には潤滑油
パン２１４が設けられ、潤滑油パン２１４内の潤滑油に
駆動軸２１の歯車２１２が常時漬けられ、各歯車２１
２、１１２及び中間歯車３、３を潤滑するようになって
いる。

【００１８】駆動軸２１の他端にはスプロケットホィー
ル２１５が設けられ、スプロケットホィール２１５と駆
動減速機モーター４の駆動軸４１に設けられたスプロケ
ットホィール４２との間に駆動チェイン４３が懸架され
ていることにより、駆動減速機モーター４の回転がスプ
ロケットホィール４２、駆動チェイン４３及びスプロケ
ットホィール２１５により駆動軸２１に伝達されるよう
になっている。

【００１９】５は昇降クランプシリンダーであり、昇降
クランプシリンダー５の作動杆５１の上端が上方キャタ
ピラー１の側方に突設されたブラケット１５の下面に取
付けられ、昇降クランプシリンダー５の作動により上方
キャタピラー１が昇降して上下のキャタピラー１、２間
の間隔を調整し、上下のキャタピラー１、２間において
長尺製品６（硬質塩化ビニル樹脂製床材）を移送できる
ようになっている。７は機台、７１は軸受けである。

【００２０】（図１、２に示す本発明引取装置の作用）
次に、図１、２に示す本発明引取装置の作用について説
明する。予め、昇降クランプシリンダー５を作動させて
上下のキャタピラー１、２の間の間隔を製品６を移送す
るのに適合した間隔に調整しておく。駆動減速機モータ
ー４の作動により駆動減速機モーター４の回転がスプロ
ケットホィール４２、駆動チェイン４３及びスプロケッ
トホィール２１５により駆動軸２１に伝達され、下方の
キャタピラー２を回動させると共に、駆動軸２１の回転
が歯車２１２、中間歯車３、３を経由して歯車１１２に
伝達される結果、従動軸１１を回転させて上方キャタピ
ラー１を回動し、上下のキャタピラー１、２が相互に逆
方向に回動し、長尺製品６が矢印ａ方向に移送される。

【００２１】駆動軸２１の回転が歯車２１２、中間歯車
３、３及び歯車１１２により従動軸１１に伝達されるの
で、駆動軸２１の回転が従動軸１１に確実に伝達され、
上下のキャタピラー１、２が同一速度で回動し、長尺製
品６が確実に移送される。

【００２２】以上、本発明の実施の形態を図により説明
したが、本発明の具体的な構成は図示の実施の形態に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内の設計変更は本発明に含まれる。

【００２３】例えば、図示の実施の形態例のように下方
のキャタピラー２の回転軸２１を駆動軸とし、上方のキ
ャタピラー１の回転軸１１を従動軸とする代わりに、上
方のキャタピラー１の回転軸１１を駆動軸とし、下方の
キャタピラー２の回転軸２１を従動軸としてもよい。

【００２４】しかし、このように、上方のキャタピラー
１の回転軸１１を駆動軸とし、下方のキャタピラー２の
回転軸２１を従動軸とする場合には、図示の実施の形態
例のように、上方のキャタピラー１が昇降すると駆動減
速機モーター４の回転を駆動軸に伝達し難いので、図示
の実施の形態例のように、昇降クランプシリンダー５の
作動杆５１を上方キャタピラー１のブラケット１５に取
付けて上方のキャタピラー１を昇降させる代わりに、下
方のキャタピラー２にブラケットを取付け、このブラケ
ットに昇降クランプシリンダー５の作動杆５１を取付け
て下方のキャタピラー２を昇降させるようにした方が都
合がよい。

【００２５】又、図示の実施の形態例のように、下方の
キャタピラー２の駆動軸を回転する為に駆動軸２１に駆
動減速機モーター４の回転を駆動チェイン４３により伝
達する代わりに駆動軸２１に駆動減速機モーター４の駆
動軸４１とを直結するようにしてもよく、図示の実施の
形態例のように、スプロケットホィール４２、２１５や
駆動チェイン４３を使用する代わりに、駆動軸２１と駆
動減速機モーター４の駆動軸４１とを歯車により動力伝
達するようにしてもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明長尺製品引取装置においては、上
下のキャタピラーの一方に駆動軸が設けられ、他方に従
動軸が設けられ、駆動軸と従動軸との間に動力伝達用歯
車が設けられているので、駆動軸から動力伝達用歯車を
介して従動軸に確実に回転が伝達され、上下のキャタピ
ラーに速度差が生じることがなく、表面美麗な製品を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明引取装置の一例を示す一部切欠斜視図。

【図２】図１の円Ａの部分を拡大して示す斜視図。

【図３】従来の引取装置を示す一部切欠斜視図。

【図４】図３に示す従来の引取装置における駆動チェイ
ンのトラブル状態を示す説明図。

【符号の説明】

１ 上方キャタピラー １１ 回転軸（従動軸） １１２ 歯車 １２ 回転軸 １３ キャタピラーチェイン １４ キャタピラーゴム １５ ブラケット ２ 下方キャタピラー ２１ 回転軸（駆動軸） ２１２ 歯車 ２２ 回転軸 ２３ キャタピラーチェイン ２４ キャタピラーゴム ３ 中間歯車 ３１ リンク ４ 駆動減速機モーター ５ 昇降装置 ６ 長尺製品（床材） ７ 機台 ７１ 軸受け

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下のキャタピラーの間に製品を挟入
   し、上下のキャタピラーの相互に逆方向の回動により長
   尺製品を引き取る長尺製品引取装置において、上下のキ
   ャタピラーの一方に駆動軸が設けられ、他方に従動軸が
   設けられ、駆動軸と従動軸との間に動力伝達用歯車が設
   けられていることを特徴とする長尺製品引取装置。