JPH09206884A - メタルコア鋳造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方法 - Google Patents
メタルコア鋳造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方法Info
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- JPH09206884A JPH09206884A JP4654896A JP4654896A JPH09206884A JP H09206884 A JPH09206884 A JP H09206884A JP 4654896 A JP4654896 A JP 4654896A JP 4654896 A JP4654896 A JP 4654896A JP H09206884 A JPH09206884 A JP H09206884A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 合成樹脂からなり先端に付着した繊維に液状
ワックスを滲み込ませて形成したスプルー線を作業模型
のポスト孔に剌し込んでワックスパターンを採取し、ワ
ックスの焼去と共にスプルー線と繊維を焼去して湯道を
形成した鋳造リングを作成し、スプルー線の抜き取り工
程を不要とした。 【解決手段】 スプルー線は合成樹脂からなり該スプル
ー線に繊維を付着して該繊維に液状ワックスを滲み込ま
せて形成し、スプルー線の繊維に滲みたワックスを作業
用模型のポスト孔に挿入し、ワックスの固化後にポスト
孔から採取したワックスパターンをスプルー線を介して
円錐台に植立して鋳造リングの中に納めて埋没材を充填
し、この鋳造リングを炉内で加熱してワックスと共にス
プルー線及び繊維を焼去することにより、埋没材の中に
ワックスパターンの焼去跡の空洞とスプルー線の焼去跡
の湯道を形成する。
ワックスを滲み込ませて形成したスプルー線を作業模型
のポスト孔に剌し込んでワックスパターンを採取し、ワ
ックスの焼去と共にスプルー線と繊維を焼去して湯道を
形成した鋳造リングを作成し、スプルー線の抜き取り工
程を不要とした。 【解決手段】 スプルー線は合成樹脂からなり該スプル
ー線に繊維を付着して該繊維に液状ワックスを滲み込ま
せて形成し、スプルー線の繊維に滲みたワックスを作業
用模型のポスト孔に挿入し、ワックスの固化後にポスト
孔から採取したワックスパターンをスプルー線を介して
円錐台に植立して鋳造リングの中に納めて埋没材を充填
し、この鋳造リングを炉内で加熱してワックスと共にス
プルー線及び繊維を焼去することにより、埋没材の中に
ワックスパターンの焼去跡の空洞とスプルー線の焼去跡
の湯道を形成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科治療、特に、
単根歯の治療にいて、ポスト成形を施した歯牙に埋め込
み設置するメタルコアを成形するための鋳造リングの作
成用ワックスパターン及び該ワックスパターンを用いた
メタルコア鋳造リングの成形方法に関するものである。
単根歯の治療にいて、ポスト成形を施した歯牙に埋め込
み設置するメタルコアを成形するための鋳造リングの作
成用ワックスパターン及び該ワックスパターンを用いた
メタルコア鋳造リングの成形方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】歯科治療、特に単根歯の治療において、
歯牙の神経を抜き取った跡の根管に根管充填剤を充填す
るという根管治療を施した後、根管をくり貫いて拡大し
てポスト成形を施し、前記ポスト成形により拡大した根
管にメタルコアを埋め込み設置してメタルコアと歯牙の
表面に金属冠を被着している。
歯牙の神経を抜き取った跡の根管に根管充填剤を充填す
るという根管治療を施した後、根管をくり貫いて拡大し
てポスト成形を施し、前記ポスト成形により拡大した根
管にメタルコアを埋め込み設置してメタルコアと歯牙の
表面に金属冠を被着している。
【０００３】前記メタルコアは鋳造リングにより鋳造さ
れるが、従来のこの種鋳造リングは、詳細を後述するよ
うに、メタルコアを象ったワックスパターンにより鋳造
リングの中に空洞を形成し、この空洞に溶融金属を流し
込んでメタルコアを成形している。そして、前記ワック
スパターンの従来の採取方法としては、ポスト形成した
歯牙を印象して、図１０に示すように、ポスト成形によ
り拡大した根管に相当するポスト孔（イ）を有する作業
模型（ロ）の石膏を形成し、この作業模型（ロ）のポス
ト孔（イ）の中に液状ワックスを注ぎ込んでポスト部
（ハ）と歯冠部（ニ）を有するワックスパターン（ホ）
を固化して成形し、この固化したワックスパターン
（ホ）の歯冠部（ニ）の上面一部を軟化させて、全長が
約１５ｍｍの金属製のスプルー線（ヘ）の先端を２〜３
ｍｍ程度を前記歯冠部（ニ）の上に剌し込んで設置し、
ワックスが固化した後、前記スプルー線（ヘ）を摘んで
引き抜くことにより、作業模型（ロ）からワックスパタ
ーン（ホ）を分離して採取している。
れるが、従来のこの種鋳造リングは、詳細を後述するよ
うに、メタルコアを象ったワックスパターンにより鋳造
リングの中に空洞を形成し、この空洞に溶融金属を流し
込んでメタルコアを成形している。そして、前記ワック
スパターンの従来の採取方法としては、ポスト形成した
歯牙を印象して、図１０に示すように、ポスト成形によ
り拡大した根管に相当するポスト孔（イ）を有する作業
模型（ロ）の石膏を形成し、この作業模型（ロ）のポス
ト孔（イ）の中に液状ワックスを注ぎ込んでポスト部
（ハ）と歯冠部（ニ）を有するワックスパターン（ホ）
を固化して成形し、この固化したワックスパターン
（ホ）の歯冠部（ニ）の上面一部を軟化させて、全長が
約１５ｍｍの金属製のスプルー線（ヘ）の先端を２〜３
ｍｍ程度を前記歯冠部（ニ）の上に剌し込んで設置し、
ワックスが固化した後、前記スプルー線（ヘ）を摘んで
引き抜くことにより、作業模型（ロ）からワックスパタ
ーン（ホ）を分離して採取している。
【０００４】次に、作業模型（ロ）から採取した前記ワ
ックスパターン（ホ）は、図８及び図９に示すように、
スプルー線（ヘ）を介して円錐台（ト）に植立させて鋳
造リング（チ）の中に納め、そして、この鋳造リング
（チ）の中に耐熱石膏の埋没材（リ）を充填することに
よりワックスパターンが埋没材（リ）の中に埋め込まれ
る。そして埋没材（リ）が自然硬化した後に鋳造リング
（チ）から円錐台（ト）を外し、それから鋳造リング
（チ）を炉に入れて加熱し、ワックスが柔らかくなった
時点で鋳造リング（チ）を炉から取り出して埋没材
（り）の中のワックスパターン（ホ）からスプルー線
（ヘ）を抜き取り、この鋳造リング（チ）を再び炉の中
に入れて更に加熱してワックスを焼去する。この状態で
ワックスパターン（ホ）を焼去した跡の埋没材（リ）の
中にワックスパターン（ホ）と同形の空洞とスプルー線
（ヘ）の抜き跡を湯道とする鋳造リング（チ）を形成す
る。そして最後に、鋳造リング（チ）の湯道から空洞の
中に溶融した金属を流し込んでメタルコアを成形してい
る。
ックスパターン（ホ）は、図８及び図９に示すように、
スプルー線（ヘ）を介して円錐台（ト）に植立させて鋳
造リング（チ）の中に納め、そして、この鋳造リング
（チ）の中に耐熱石膏の埋没材（リ）を充填することに
よりワックスパターンが埋没材（リ）の中に埋め込まれ
る。そして埋没材（リ）が自然硬化した後に鋳造リング
（チ）から円錐台（ト）を外し、それから鋳造リング
（チ）を炉に入れて加熱し、ワックスが柔らかくなった
時点で鋳造リング（チ）を炉から取り出して埋没材
（り）の中のワックスパターン（ホ）からスプルー線
（ヘ）を抜き取り、この鋳造リング（チ）を再び炉の中
に入れて更に加熱してワックスを焼去する。この状態で
ワックスパターン（ホ）を焼去した跡の埋没材（リ）の
中にワックスパターン（ホ）と同形の空洞とスプルー線
（ヘ）の抜き跡を湯道とする鋳造リング（チ）を形成す
る。そして最後に、鋳造リング（チ）の湯道から空洞の
中に溶融した金属を流し込んでメタルコアを成形してい
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来のワックスパター
ンの成形において、作業模型のポスト孔にワックスを流
し込むときに、根管の下端の底面まで確実にワックスを
充填させるには十分に熟練した技術を必要とする困難な
作業であった。
ンの成形において、作業模型のポスト孔にワックスを流
し込むときに、根管の下端の底面まで確実にワックスを
充填させるには十分に熟練した技術を必要とする困難な
作業であった。
【０００６】また、ポスト成形において、根管を拡大す
る際に根管の側面の僅かな削り過ぎ、即ち、アンダーカ
ットがあると、作業模型のポスト孔にもアンダーカット
がそのままの形状で印象され、このようなアンダーカッ
トのある作業模型のポスト孔に充填したワックスパター
ンを抜き取るときに、スプルー線を引くと、ポスト孔の
孔幅の抵抗が大き過ぎて、ワックスパターンに２〜３ｍ
ｍ程度の深さで突き剌してあるに過ぎないスプルー線は
ワックスから分離してしまって、ワックスパターンの採
取が不可能となる問題点があった。
る際に根管の側面の僅かな削り過ぎ、即ち、アンダーカ
ットがあると、作業模型のポスト孔にもアンダーカット
がそのままの形状で印象され、このようなアンダーカッ
トのある作業模型のポスト孔に充填したワックスパター
ンを抜き取るときに、スプルー線を引くと、ポスト孔の
孔幅の抵抗が大き過ぎて、ワックスパターンに２〜３ｍ
ｍ程度の深さで突き剌してあるに過ぎないスプルー線は
ワックスから分離してしまって、ワックスパターンの採
取が不可能となる問題点があった。
【０００７】更に、通常は、図８及び図９に示すよう
に、１個の鋳造リングの中に複数のワックスパターンを
埋没させて複数のメタルコアを成形するが、ワックスパ
ターンからスプルー線を抜き取る工程において、複数本
のスプルー線は鋳造リングの中心線に向けて集中させて
円錐台に植立しているので、スプルー線を抜き取る際
に、他の湯道を傷つけたり破壊したりすることのないよ
うに細心の注意を払わなければならない困難な作業であ
った。
に、１個の鋳造リングの中に複数のワックスパターンを
埋没させて複数のメタルコアを成形するが、ワックスパ
ターンからスプルー線を抜き取る工程において、複数本
のスプルー線は鋳造リングの中心線に向けて集中させて
円錐台に植立しているので、スプルー線を抜き取る際
に、他の湯道を傷つけたり破壊したりすることのないよ
うに細心の注意を払わなければならない困難な作業であ
った。
【０００８】本発明は、従来の技術の有する問題点に鑑
みてなされたものであって、その目的とするところは、
合成樹脂からなるスプルー線の先端に繊維を付着し、こ
の繊維に液状ワックスを滲み込ませて作業模型のポスト
孔に挿入し、スプルー線の先端を作業模型のポスト孔の
先端まで剌し込むことによりポスト孔底部まで十分に確
実なワックスの充填を可能としすると共に多少のアンダ
ーカットのある作業模型のポスト孔からでもワックスパ
ターンの採取を可能にし、また、合成樹脂からなるスプ
ルー線はワックスの焼去と共に焼去することにより湯道
を傷つけたり破壊したりすることなく確実に確保できる
ようにし、更に、鋳造メタルの加熱途中で、スプルー線
の抜き取りのために炉からの出し入れを不要とし、しか
も、ワックスの焼去時間内でスプルー線及び繊維も焼去
可能としたメタルコア鋳造リングの作成用ワックスパタ
ーン及びメタルコア鋳造リングの成形方法を提供するこ
とにある。
みてなされたものであって、その目的とするところは、
合成樹脂からなるスプルー線の先端に繊維を付着し、こ
の繊維に液状ワックスを滲み込ませて作業模型のポスト
孔に挿入し、スプルー線の先端を作業模型のポスト孔の
先端まで剌し込むことによりポスト孔底部まで十分に確
実なワックスの充填を可能としすると共に多少のアンダ
ーカットのある作業模型のポスト孔からでもワックスパ
ターンの採取を可能にし、また、合成樹脂からなるスプ
ルー線はワックスの焼去と共に焼去することにより湯道
を傷つけたり破壊したりすることなく確実に確保できる
ようにし、更に、鋳造メタルの加熱途中で、スプルー線
の抜き取りのために炉からの出し入れを不要とし、しか
も、ワックスの焼去時間内でスプルー線及び繊維も焼去
可能としたメタルコア鋳造リングの作成用ワックスパタ
ーン及びメタルコア鋳造リングの成形方法を提供するこ
とにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかるメタルコア鋳造リングの作成用ワッ
クスバターンは、作業用模型により型取り採取するワッ
クスパターンにおいて、スプルー線は合成樹脂からなり
該スプルー線に繊維を付着して該繊維に液状ワックスを
滲み込ませて形成してなることを特徴とする。
に、本発明にかかるメタルコア鋳造リングの作成用ワッ
クスバターンは、作業用模型により型取り採取するワッ
クスパターンにおいて、スプルー線は合成樹脂からなり
該スプルー線に繊維を付着して該繊維に液状ワックスを
滲み込ませて形成してなることを特徴とする。
【００１０】本発明にかかるメタルコア鋳造リングの成
形方法は、スプルー線は合成樹脂からなり該スプルー線
に繊維を巻つけて該繊維に液状ワックスを滲み込ませて
形成し、このスプルー線の繊維に滲みたワックスを作業
用模型のポスト孔に挿入し、ワックスの固化後にポスト
孔から採取したワックスパターンをスプルー線を介して
円錐台に植立して鋳造リングの中に納めて埋没材を充填
し、この鋳造リングを炉内で加熱してワックスと共にス
プルー線及び繊維を焼去することにより、埋没材の中に
ワックスパターンの焼去跡の空洞とこの空洞に連通する
スプルー線の焼去跡の湯道を形成することを特徴とす
る。
形方法は、スプルー線は合成樹脂からなり該スプルー線
に繊維を巻つけて該繊維に液状ワックスを滲み込ませて
形成し、このスプルー線の繊維に滲みたワックスを作業
用模型のポスト孔に挿入し、ワックスの固化後にポスト
孔から採取したワックスパターンをスプルー線を介して
円錐台に植立して鋳造リングの中に納めて埋没材を充填
し、この鋳造リングを炉内で加熱してワックスと共にス
プルー線及び繊維を焼去することにより、埋没材の中に
ワックスパターンの焼去跡の空洞とこの空洞に連通する
スプルー線の焼去跡の湯道を形成することを特徴とす
る。
【００１１】前記スプルー線は、軸長を約３０ｍｍと
し、繊維をスブルー線の尖端を覆うようにして軸先端か
ら約５ｍｍの部分に付着し、この繊維にワックスを滲み
込ませて先端が尖った円錐形状のワックス体を接着保持
し、該ワックス体の上方に、軸頭が約１０〜１５ｍｍ程
度突出するように形成するのが好ましい。
し、繊維をスブルー線の尖端を覆うようにして軸先端か
ら約５ｍｍの部分に付着し、この繊維にワックスを滲み
込ませて先端が尖った円錐形状のワックス体を接着保持
し、該ワックス体の上方に、軸頭が約１０〜１５ｍｍ程
度突出するように形成するのが好ましい。
【００１２】スプルー線は本材または合成樹脂からなる
のが好ましい。
のが好ましい。
【００１３】前記繊維は、本綿、合成繊維、半合成繊維
からなるのが好ましい。
からなるのが好ましい。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明すると、図１は根管治療を終了した単根歯にポ
スト形成を施した状態を示す断面図で、１は歯牙、２は
歯肉、３は歯槽骨、４は歯髄を示し、歯科治療におい
て、単根歯は神経を抜いた後の根管５に根管充填剤６を
充填して根管治療を施し、次に、根管５をくり抜いて拡
大したポスト７を形成する。そして、このポスト７に図
７に示すメタルコア８を埋め込んでメタルコア８の露出
部と歯牙１の表面に金属冠（図示せず）が被せられる。
いて説明すると、図１は根管治療を終了した単根歯にポ
スト形成を施した状態を示す断面図で、１は歯牙、２は
歯肉、３は歯槽骨、４は歯髄を示し、歯科治療におい
て、単根歯は神経を抜いた後の根管５に根管充填剤６を
充填して根管治療を施し、次に、根管５をくり抜いて拡
大したポスト７を形成する。そして、このポスト７に図
７に示すメタルコア８を埋め込んでメタルコア８の露出
部と歯牙１の表面に金属冠（図示せず）が被せられる。
【００１５】前記メタルコア８は鋳造リング９により成
形されるが、この鋳造リング９は、メタルコア８を象っ
たワックスパターン１０により形成される。前記鋳造リ
ング９を形成するに当たって、図４のポスト形成を施し
た歯牙１を印象して、石膏により、図４に示すように、
ポスト孔７ａを有する作業模型１１を作成する。そし
て、作業模型１１のポスト孔７ａにワックスを充填し
て、メタルコア８を成形するためのワックスパターン１
０を採取する。
形されるが、この鋳造リング９は、メタルコア８を象っ
たワックスパターン１０により形成される。前記鋳造リ
ング９を形成するに当たって、図４のポスト形成を施し
た歯牙１を印象して、石膏により、図４に示すように、
ポスト孔７ａを有する作業模型１１を作成する。そし
て、作業模型１１のポスト孔７ａにワックスを充填し
て、メタルコア８を成形するためのワックスパターン１
０を採取する。
【００１６】本発明において、前記ワックスパターン１
０を採取するために、スプルー線１２は、図２に示すよ
うに、合成樹脂から所定長さの細軸になり且つ先端に繊
維１３を付着し、このスプルー線１２に付着した繊維１
３に液状ワックスを滲み込ませて形成する。そして、ス
プルー線１２の先端が前記作業模型１１のポスト孔７ａ
の先端に十分届くまで挿入することにより、繊維１３に
滲み込ませたワックスをポスト孔７ａ全体の隅々に十分
にかつ確実に充填させて、図４に示すように、ポスト部
１０ａを形成すると共に該ポスト部１０ａの上部に歯冠
部１０ｂを形成し、スプルー線１２の軸頭が歯冠部１０
ｂの上方に突出される。ワックスが固化した状態で、ス
プルー線１２を作業模型１１のポスト孔７ａから引き抜
くことにより所望のポスト部１０ａと歯冠部１０ｂを有
するワックスパターン１０を採取することができる。
０を採取するために、スプルー線１２は、図２に示すよ
うに、合成樹脂から所定長さの細軸になり且つ先端に繊
維１３を付着し、このスプルー線１２に付着した繊維１
３に液状ワックスを滲み込ませて形成する。そして、ス
プルー線１２の先端が前記作業模型１１のポスト孔７ａ
の先端に十分届くまで挿入することにより、繊維１３に
滲み込ませたワックスをポスト孔７ａ全体の隅々に十分
にかつ確実に充填させて、図４に示すように、ポスト部
１０ａを形成すると共に該ポスト部１０ａの上部に歯冠
部１０ｂを形成し、スプルー線１２の軸頭が歯冠部１０
ｂの上方に突出される。ワックスが固化した状態で、ス
プルー線１２を作業模型１１のポスト孔７ａから引き抜
くことにより所望のポスト部１０ａと歯冠部１０ｂを有
するワックスパターン１０を採取することができる。
【００１７】なお、本発明のスプルー線１２は、軸長を
約３０ｍｍとし、図２に示すように、繊維１３をスプル
ー線１２の尖端を覆うようにして軸先端から約５ｍｍの
部分に付着して該繊維１３にワックスを滲み込ませ軸頭
がワックスパターン１０の歯冠部１０ｂの上方へ約１０
〜１５ｍｍ程度突出するように形成するのが好ましい。
また、繊維１３にワックスを滲み込ませる場合、例えば
逆円錐形状に形成した孔の中に液状ワックスを入れてお
き、スプルー線１２の先端の繊維１３をワックスの中に
浸すことにより、図３に示すような先端が尖った円錐形
に固められ且つ繊維１３を介してスプルー線１２に確実
に取りつけ保持されたワックス体１２ａを得ることがで
きる。このワックス体１２ａは適宜温度の温水に入れて
柔らかくしてからポスト孔７ａに充填することにより、
良質のワックスパターン１０を採取することができる。
約３０ｍｍとし、図２に示すように、繊維１３をスプル
ー線１２の尖端を覆うようにして軸先端から約５ｍｍの
部分に付着して該繊維１３にワックスを滲み込ませ軸頭
がワックスパターン１０の歯冠部１０ｂの上方へ約１０
〜１５ｍｍ程度突出するように形成するのが好ましい。
また、繊維１３にワックスを滲み込ませる場合、例えば
逆円錐形状に形成した孔の中に液状ワックスを入れてお
き、スプルー線１２の先端の繊維１３をワックスの中に
浸すことにより、図３に示すような先端が尖った円錐形
に固められ且つ繊維１３を介してスプルー線１２に確実
に取りつけ保持されたワックス体１２ａを得ることがで
きる。このワックス体１２ａは適宜温度の温水に入れて
柔らかくしてからポスト孔７ａに充填することにより、
良質のワックスパターン１０を採取することができる。
【００１８】尚又、前記スプルー線１２及び繊維１３は
炉内でのワックスの通常の焼去時間内で焼去が可能な材
質のものが使用される。例えば、スプルー線１２は合成
樹脂又は本材から形成され、繊維１３は綿、又は合成繊
維、半合成繊維からなるのが好ましい。
炉内でのワックスの通常の焼去時間内で焼去が可能な材
質のものが使用される。例えば、スプルー線１２は合成
樹脂又は本材から形成され、繊維１３は綿、又は合成繊
維、半合成繊維からなるのが好ましい。
【００１９】本発明の鋳造リング９の成形方法におい
て、作業模型１１から採取したワックスパターン１０
は、従来と同じ手段を用いて、図５に示すように、円錐
台１４の中心部に備える植立部にスプルー線１０の軸頭
部を介して植立保持して鋳造リング９の中に収容し、そ
して該鋳造リング９の中に埋没材１５を充填することに
よりワックスバターン１０が埋没材１５の中に埋没設置
される。そして埋没財１５が自然硬化した後にワックス
パターン１０が埋没している鋳造リング９を炉により加
熱処理する。本発明においては、炉に入れた鋳造リング
９は、ワックスが焼去される時間内において、例えば約
６００〜７００℃で所定時間加熱（加熱時間は炉の機種
によって性能が異なる）することにより、綿花１３とワ
ックスを焼去し、埋没材１５の中にワックスパターン１
０と同形の焼去跡の空洞１６を形成し、そして同時に、
スプルー線１２の焼去跡に湯道１７が形成され、図６に
示す鋳造リング９が得られる。
て、作業模型１１から採取したワックスパターン１０
は、従来と同じ手段を用いて、図５に示すように、円錐
台１４の中心部に備える植立部にスプルー線１０の軸頭
部を介して植立保持して鋳造リング９の中に収容し、そ
して該鋳造リング９の中に埋没材１５を充填することに
よりワックスバターン１０が埋没材１５の中に埋没設置
される。そして埋没財１５が自然硬化した後にワックス
パターン１０が埋没している鋳造リング９を炉により加
熱処理する。本発明においては、炉に入れた鋳造リング
９は、ワックスが焼去される時間内において、例えば約
６００〜７００℃で所定時間加熱（加熱時間は炉の機種
によって性能が異なる）することにより、綿花１３とワ
ックスを焼去し、埋没材１５の中にワックスパターン１
０と同形の焼去跡の空洞１６を形成し、そして同時に、
スプルー線１２の焼去跡に湯道１７が形成され、図６に
示す鋳造リング９が得られる。
【００２０】そして、従来と同じ工程により、湯道１７
から埋没材１５の空洞１６へ溶解した金属を加圧して流
し込むことにより、図７に示すメタルコア８を成形す
る。
から埋没材１５の空洞１６へ溶解した金属を加圧して流
し込むことにより、図７に示すメタルコア８を成形す
る。
【００２１】図５及び図６において、鋳造リングの形成
過程を理解し易くするために、１個の鋳造リング９に１
個のワックスバターン１０を収容した状態で説明した
が、通常は、図８及び図９に示すように、１個の鋳造リ
ング９の中に複数のワックスパターンが収容され、そし
て、１個の鋳造リングにより複数個のメタルコアが成形
される。
過程を理解し易くするために、１個の鋳造リング９に１
個のワックスバターン１０を収容した状態で説明した
が、通常は、図８及び図９に示すように、１個の鋳造リ
ング９の中に複数のワックスパターンが収容され、そし
て、１個の鋳造リングにより複数個のメタルコアが成形
される。
【００２２】
【発明の効果】本発明は上記のような構成であるから、
スプルー線は、繊維を介してワックスを良好に絡みつけ
てあるので、スプルー線をポスト孔に挿入したときに、
繊維に滲み込んだワックスがスプルー線からずれたりす
ることなく、作業模型のポスト孔の奥端の隅々まで十分
に確実に行き届かせて充填することが可能となり、その
結果、希望の形状のワックスパターンを得ることができ
る。
スプルー線は、繊維を介してワックスを良好に絡みつけ
てあるので、スプルー線をポスト孔に挿入したときに、
繊維に滲み込んだワックスがスプルー線からずれたりす
ることなく、作業模型のポスト孔の奥端の隅々まで十分
に確実に行き届かせて充填することが可能となり、その
結果、希望の形状のワックスパターンを得ることができ
る。
【００２３】また、歯牙の根管をくり貫いて拡大する際
に、多少の削り過ぎ等によるアンダーカットが生じてい
る場合でも、スプルー線は、ポスト孔の最下端まで挿入
されているので、多少の引き抜き抵抗があっても容易に
抜き取ることが可能であり、しかも、ワックスは繊維を
介してスプルー線に強固に接着保持されているので、ス
プルー線を引き抜くときの引き抜き抵抗に抗してワック
スパターンの形を壊すことなく容易確実に離脱採取する
ことができる。
に、多少の削り過ぎ等によるアンダーカットが生じてい
る場合でも、スプルー線は、ポスト孔の最下端まで挿入
されているので、多少の引き抜き抵抗があっても容易に
抜き取ることが可能であり、しかも、ワックスは繊維を
介してスプルー線に強固に接着保持されているので、ス
プルー線を引き抜くときの引き抜き抵抗に抗してワック
スパターンの形を壊すことなく容易確実に離脱採取する
ことができる。
【００２４】更に、合成樹脂若しくは本材からなるスプ
ルー線、及び綿繊維若しくは合成繊維は、ワックスの通
常の焼去時間の範囲において完全燃焼し、しかも、従来
のような加熱途中で鋳造リングを炉から取り出してスプ
ルー線を抜き取る面倒な工程を不要とし、スプルー線の
焼去跡に湯道を傷つけることなく極めて容易に形成する
ことが可能であり、また繊維とワックスの焼去跡に希望
通りの所定の空洞を形成することができ、その結果、ポ
スト部の先端がポスト成形された歯牙の拡大した根管に
緻密に一致させることができる良質のメタルコアを極め
て容易確実に得ることができる等の効果を奏する。
ルー線、及び綿繊維若しくは合成繊維は、ワックスの通
常の焼去時間の範囲において完全燃焼し、しかも、従来
のような加熱途中で鋳造リングを炉から取り出してスプ
ルー線を抜き取る面倒な工程を不要とし、スプルー線の
焼去跡に湯道を傷つけることなく極めて容易に形成する
ことが可能であり、また繊維とワックスの焼去跡に希望
通りの所定の空洞を形成することができ、その結果、ポ
スト部の先端がポスト成形された歯牙の拡大した根管に
緻密に一致させることができる良質のメタルコアを極め
て容易確実に得ることができる等の効果を奏する。
【図１】本発明におけるポスト形成した状態の単根歯の
断面図である。
断面図である。
【図２】本発明におけるスプルー線に繊維を付着して示
す正面図である。
す正面図である。
【図３】本発明におけるスプルー線にワックス体を接着
保持した状態を示す縦断正面図である。
保持した状態を示す縦断正面図である。
【図４】本発明におけるワックスパターンを成形した状
態を示す作業模型の断面図である。
態を示す作業模型の断面図である。
【図５】本発明における作業模型から取り出したワック
スパターンを円錐台に植立して鋳造リングに収容した状
態を示す断面図である。
スパターンを円錐台に植立して鋳造リングに収容した状
態を示す断面図である。
【図６】本発明におけるワックスパターン及びスプルー
線焼去処理した状態の鋳造リングを示す断面図である。
線焼去処理した状態の鋳造リングを示す断面図である。
【図７】本発明における鋳造リングから成形したメタル
コアの正面図である。
コアの正面図である。
【図８】従来における１個の鋳造リングに複数のワック
スパターンを収容した状態を示す断面図である。
スパターンを収容した状態を示す断面図である。
【図９】従来における１個の鋳造リングに複数のワック
スパターンを収容した状態を示す平面図である。
スパターンを収容した状態を示す平面図である。
【図１０】従来に係る作業模型にワックスパターンを形
成した断面図である。
成した断面図である。
８ メタルコア ９ 鋳造リング １０ ワックスパターン １１ 作業模型 １２ スプルー線 １３ 綿花 １４ 円錐台 １５ 埋没材 １６ 空洞 １７ 湯道
Claims (6)
- 【請求項１】 作業用模型により型取り採取するワック
スパターンにおいて、スプルー線は合成樹脂からなり該
スプルー線の先端に繊維を付着して該繊維に液状ワック
スを滲み込ませて形成してなることを特徴とするメタル
コア鋳造リングの作成用ワックスパターン。 - 【請求項２】 スプルー線は合成樹脂からなり該スプル
ー線の先端に繊維を付着して該繊維に液状ワックスを滲
み込ませて形成し、このスプルー線の繊維に滲みたワッ
クスを作業用模型のポスト孔に挿入し、ワックスの固化
後にポスト孔から採取したワックスパターンをスプルー
線を介して円錐台に植立して鋳造リングの中に納めて埋
没材を充填し、この鋳造リングを炉内で加熱してワック
スと共にスプルー線及び繊維を焼去することにより、埋
没材の中にワックスパターンの焼去跡の空洞とこの空洞
に連通するスプルー線の焼去跡の湯道を形成することを
特徴とするメタルコア鋳造リングの成形方法。 - 【請求項３】 スプルー線は繊維をスプルー線の尖端を
覆うようにして軸先端部分に付着して該繊維にワックス
を滲み込ませて、先端が尖った円錐形状のワックス体を
接着保持させてなる請求項１及び２記載のメタルコア鋳
造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造
リングの成形方法。 - 【請求項４】 スプルー線は、軸長を約３０ｍｍとし、
繊維をスプルー線の尖端を覆うようにして軸先端から約
５ｍｍの部分に付着して該繊維にワックスを滲み込ませ
て接着保持させて、軸頭がワックスパターンの歯冠部の
上方へ約１０〜１５ｍｍ程度突出するように形成してな
る請求項１及び２記載のメタルコア鋳造リングの作成用
ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方
法。 - 【請求項５】 スプルー線は本材からなる請求項１及び
２記載のメタルコア鋳造リングの作成用ワックスパター
ン及びメタルコア鋳造リングの成形方法。 - 【請求項６】 スプルー線は綿からなる繊維を付着して
なる請求項１及び２記載のメタルコア鋳造リングの作成
用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4654896A JP3699974B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | メタルコア鋳造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4654896A JP3699974B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | メタルコア鋳造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09206884A true JPH09206884A (ja) | 1997-08-12 |
| JP3699974B2 JP3699974B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
ID=12750376
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4654896A Expired - Fee Related JP3699974B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | メタルコア鋳造リングの作成用ワックスパターン及びメタルコア鋳造リングの成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3699974B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105290325A (zh) * | 2015-10-30 | 2016-02-03 | 鹰普（中国）有限公司 | 一种水溶蜡模成型工艺 |
| CN108852543A (zh) * | 2018-07-31 | 2018-11-23 | 四川大学 | 一种口腔插铸及包埋用导板及其使用方法 |
| CN111036847A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-04-21 | 安徽应流航源动力科技有限公司 | 一种防止重型燃气轮机定向叶片型芯偏芯的方法 |
| CN113333670A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-09-03 | 贵州安吉航空精密铸造有限责任公司 | 一种内设空腔蜡模件制备方法 |
-
1996
- 1996-01-29 JP JP4654896A patent/JP3699974B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105290325A (zh) * | 2015-10-30 | 2016-02-03 | 鹰普（中国）有限公司 | 一种水溶蜡模成型工艺 |
| CN108852543A (zh) * | 2018-07-31 | 2018-11-23 | 四川大学 | 一种口腔插铸及包埋用导板及其使用方法 |
| CN108852543B (zh) * | 2018-07-31 | 2023-10-03 | 四川大学 | 一种口腔插铸及包埋用导板及其使用方法 |
| CN111036847A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-04-21 | 安徽应流航源动力科技有限公司 | 一种防止重型燃气轮机定向叶片型芯偏芯的方法 |
| CN113333670A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-09-03 | 贵州安吉航空精密铸造有限责任公司 | 一种内设空腔蜡模件制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3699974B2 (ja) | 2005-09-28 |
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