JP6857634B2 - 歯科補綴物成型用器具、歯科補綴物の製造方法 - Google Patents

歯科補綴物成型用器具、歯科補綴物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックス等の材料からなるブランクをプレス成型して歯科補綴物を作製する際に用いる歯科補綴物成型用器具である植立具、押圧具、及び、これを用いた歯科補綴物の製造方法に関する。
歯科補綴物の材料として、審美性及び機械的強度の観点からセラミックス(例えばガラスセラミックス、特にケイ酸リチウム系ガラスセラミックス)が用いられることが増えている。このようなセラミックス等の材料からなる歯科補綴物を製造する方法として例えば特許文献1に記載のようにプレス成型がある。
プレス成型による歯科補綴物の製造は例えば次のように行われる。初めに製造される歯科補綴物の形状に成形したワックスパターンを植立具(「クルーシブルフォーマー」と呼ばれることもある。)に固定する。その後、ワックスパターンが固定された植立具を該ワックスパターンごと歯科用埋没材に埋没させ、その後にワックスパターンと植立具を除外することで空洞を有する歯科用埋没材による型を作製する。
作製した型に対して、加熱して餅状になったセラミックス等の材料からなるインゴット(ブランク)を型の空洞内に挿入し、これを押圧具により加圧して型の空洞内に充填した後、温度を下げ、材料を流動性を有さない状態に戻して形状を確定させることで、セラミックス等の材料からなる目的とする形状の歯科補綴物を得る。
そして、特許文献1には植立具(クルーシブフォーマー)の形状が開示されている。特許文献1に記載の植立具は、円柱形状部と、該円柱形状部に隣接して設けられた縮径部と、を有している。これによれば、プレス成型の際に湯口の底部の欠けの発生を抑制可能な鋳型とすることができるとしている。
特開2016−174683号公報
ところが、特許文献1を始めとする従来のプレス成型による歯科補綴物の製造方法では、歯科補綴物の表面に反応層と呼ばれる異質の層が付着するように生成され、歯科補綴物の面性状が低下したり、着色してしまったりする不具合があった。この反応層は歯科補綴物の表面に強固に付着しているため、容易に除去することが難しく、ガラスビーズによるサンドブラストやフッ化水素酸を用いた除去をする必要があり、非常に手間や時間がかかっていた。
そこで本発明は上記問題に鑑み、反応層の生成を抑制することができる歯科補綴物成型用器具を提供することを課題とする。また、これを用いた歯科補綴物の製造方法を提供する。
発明者は、反応層の生成はプレス成型時における高温高圧状態に起因するものであると考えた。そこで、プレス成型時における圧力を適切に抑制することにより反応層の生成を抑えることができるとの着想を得て、これを具体化することにより、以下のような本発明を完成させた。
本発明の第一の態様は、ブランクを押圧して型の空洞内にブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型するための器具であり、型の空洞を形成する植立具であって、台座部と、台座部から立設する柱状部と、柱状部の外周面に設けられ、該柱状部の軸線に沿って延びる突条と、を備える、植立具である。
本発明の第二の態様は、ブランクを押圧して型の空洞内にブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型する歯科補綴物の製造方法であって、上記第一の態様の植立具の柱状部の先端にワックスパターンを固定する工程と、ワックスパターンが固定された植立具を埋没材で埋没してその後に加熱することでワックスパターンを消失させ、さらに植立具を除去することにより空洞を有する型を形成する工程と、空洞にブランクを挿入し、柱状の押圧具によりブランクを押圧してブランクの材料を空洞内に充填する工程と、を含む、歯科補綴物の製造方法である。
本発明の第三の態様は、ブランクを押圧して型の空洞内にブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型するための器具であり、ブランクを押圧する押圧具であって、柱状に形成された本体を有し、本体の外周面に設けられた該本体の軸線に沿って延びる溝を具備する、押圧具である。
本発明の第四の態様は、ブランクを押圧して型の空洞内にブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型する歯科補綴物の製造方法であって、柱状の部位を有する植立具の柱状部の先端にワックスパターンを固定する工程と、ワックスパターンが固定された植立具を埋没材で埋没してその後に加熱することでワックスパターンを消失させ、さらに植立具を除去することにより空洞を有する型を形成する工程と、空洞にブランクを挿入し、上記第三の態様の押圧具によりブランクを押圧してブランクの材料を空洞内に充填する工程と、を含む、歯科補綴物の製造方法である。
本発明によれば、歯科補綴物の表面の反応層の生成を抑制することができる。
図1(a)、図1(b)は、作製の対象となる歯科補綴物1を説明する図である。 図2は植立具11の外観斜視図である。 図3(a)、図3(b)は植立具11を説明する図である。 図4はワックスパターン30が固定された植立具11を説明する図である。 図5は型40の作製を説明する図である。 図6(a)、図6(b)は型40を説明する図である。 図7(a)、図7(b)は型40にブランク42が挿入された場面を説明する図である。 図8(a)、図8(b)は押圧具21によりブランク42を押圧する場面を説明する図である。 図9は成型体43を表す図である。 図10(a)、図10(b)は押圧具121を説明する図である。 図11は植立具111の斜視図である。 図12(a)、図12(b)は型140を説明する図である。 図13(a)、図13(b)は押圧具121によりブランク42を押圧する場面を説明する図である。 図14は成型体143を表す図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら形態に限定されるものではない。
はじめに、作製の対象となる歯科補綴物の形態の一例について説明する。図1に歯科補綴物1の外観を模式的に示した。図1(a)が平面図、図1(b)が正面図である。
歯科補綴物1はいわゆるクラウンと呼ばれる歯科補綴物の一種であり、全体として容器状に形成されている。従って外面1a及び内面1bを有している。図1(b)では内面1bを破線で透視して表している。この容器状であるクラウンを例えば治療した歯牙の上からかぶせることにより治療部位を覆って保護する。
このような歯科補綴物1をセラミックス(例えばケイ酸リチウム系ガラスセラミックス)等の材料により製造する際の1つの方法として以下に説明するプレス成型があり、このプレス成型で用いられる器具が歯科補綴物成型用器具である。
次に、第一の形態にかかる歯科補綴物成型用器具10について説明する。歯科補綴物成型用器具10は、植立具11、及び、押圧具21を有して構成されている。
図2、図3に歯科補綴物成型用器具10に含まれる植立具11を説明するための図を示した。図2が植立具11の斜視図、図3(a)が平面図、図3(b)が正面図である。
植立具11は、その先端にワックスパターンを固定するとともに、型に歯科補綴物成型のための空洞である成型空洞を形成する器具である。植立具11は、台座部12及び植立部13を有して構成されている。
台座部12は、植立部13を保持して固定するための台座となる部位である。本形態の台座部12は円板形状であり、後述するように、植立具11により型を作製する時に外枠を固定するための段差12aを有する。この段差12aも台座部12の外形に沿って平面視で台座部12の外形と同心に形成されている。
植立部13は、ワックスパターンが固定されるとともに、型における成型空洞を形成する部位であり、柱状部14、突条15、及び、先端部16を備えている。
柱状部14は台座11の中心と同軸に立設された柱状の部位であり、本形態では円柱状である。柱状部14は、植立部13の長手方向、すなわち柱状の軸に沿った方向において、任意の場所で断面形状は同じである。
突条15は、柱状部14の外周に配置され、柱状部14の軸に平行に延びる突条である。この突条15は、柱状部14の軸線方向全長に亘って延び、後述するように型における溝を形成する。これにより、型の成型空洞内にブランク及び押圧具21を配置したときに、型の内面と押圧具21と間に、ブランクと外部とを連通する直線状の空洞である連通洞が形成される。この連通洞により、押圧具21がブランクを押圧する時において充填される材料に負荷される圧力が適切に緩和され、歯科補綴物表面における反応層の生成が抑制される。
突条15が延びる方向に対して直交する方向における突条15の断面形状は特に限定されることはなく、本形態のように三角形である他、四角形、その他の多角形、半円形、及び半楕円形等であってもよい。その中でも、形成した型から植立具11を離脱させやすい観点から三角形断面であることが好ましい。
図3(a)にAで示した、突条15の柱状部14からの突出量は、特に限定されることはないが、1mm以上8mm以下が好ましく、2mm以上7mm以下であることがより好ましい。
本形態で突条15は1つ設けられているが、これに限らず複数の突条15が具備されてもよい。このときには、複数の突条15は柱状部14の外周に等間隔に配置されていることが好ましい。
先端部16は、柱状部14のうち、台座部12となる側の端部とは反対側の端部に、該柱状部14と同軸に形成される部位である。先端部16は、その軸に沿って柱状部14から離隔するに従って断面積が小さくなることで先細りとなるように形成される。従って、柱状部14及び先端部16が円形断面の場合には、径が小さくなるように構成されている。この先端部16により成型空洞を、該成型空洞の底部に向かってすぼんだ形状とすることができる。これにより、ブランクに押圧具で圧力を加えた際、型の成型空洞に形成されたスプルー線に向かって材料が流動し易くなり、得られた成型体に欠け等の損傷が生じることを抑制できる。
本形態で先端部16は円錐台形状であるが、これに限らず先細りとなるような形状であればよく、他の形態として半球形状、半球形状の先端部を平坦面とした形状、錐状、階段状に先細りとなる形状等を挙げることができる。
また植立具11には、図3(a)に表れているように植立部13の先端から柱状部14の軸線に沿って延びる開口部17を設けてもよい。この開口部17は、軸線に沿って植立具11を貫通する穴としてもよいし、貫通しない凹部としてもよい。開口部17には、例えばワックスパターンのスプルー線部を固定することができる。また、開口部17が植立具11を貫通する貫通孔とした場合には、植立具11を使用前後に洗浄した際の水切り孔としても用いることもできる。
以上説明した植立具11の材質は特に限定されるものではなく、例えば各種樹脂等を用いることができる。
押圧具21はプランジャーと呼ばれることがあり、植立具11を用いて作製した型内に配置したブランクを押圧し、材料を型内の成型空洞に充填される部材である。
本形態で押圧具21は図8に表れているように、植立具11の柱状部14の外形と概ね同じ外形を有する柱状の部材である。従って本形態で押圧具21は円柱状である。
以上のような歯科補綴物成型用器具10を用いて、セラミックス製の歯科補綴物1は例えば以下の手順により製造される。
まず、図4に現れているように、形成する歯科補綴物1に対応した形状を有するワックスパターン30を準備する。ワックスパターン30は、形成する歯科補綴物1に対応した形状にできるように、例えば印象材等で患者から取得した歯型に対して石膏を流して作製した石膏模型上に形成する。ワックスパターン30は、歯科補綴物1に対応する形状を具備する歯科補綴物部31、及び、成型において充填されるブランクの材料が通る供給路であるスプルー線を形成するためのスプルー線部32を有していることが好ましい。
このようなワックスパターン30は歯科にて用いられるワックスにより形成されることが好ましい。
次に、図4に示したように、作製したワックスパターン30を植立具11に固定する。このときには、ワックスパターン30をスプルー線部32を介して植立部13の先端部16の面に固定する。本例では2組のワックスパターン30を固定しているが、これに限定されるものではなく、例えば1組、または3組以上のワックスパターン30を固定することもできる。
その後、図5に示すように、ワックスパターン30を固定した植立具11の台座部12の周縁部上に、ワックスパターン30、及び、植立部13を囲むように、外枠35を配置する。この際、外枠35は植立具11の台座部12に設けた段差12aを利用して台座部12に噛み合わせることで固定されている。本形態で外枠35は管状である。
このように外枠35を配置した後、この外枠35の内側にスラリー状にした埋没材36を流し込んで、ワックスパターン30、及び、植立部13を埋没させる。埋没材は特に限定されるものではなく、例えばセラミックス製の歯科補綴物を作製する際に用いられる公知の埋没材を好ましく用いることができる。具体的には例えばリン酸塩系の埋没材を好ましく用いることができる。
次に、埋没材36の硬化後にワックスパターン30を含む埋没材36を加熱する。これにより埋没材36は焼成された型40となる。また、加熱によりワックスパターン30が焼却されて消失し、その後に植立具11及び外枠35を除去すれば、図6に示したように歯科補綴物1の成型のための空洞である成型空洞41を具備する型40となる。図6(a)は型40を開口側から見た平面図、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb矢視断面図である。
これら図からかわかるように、型40の成型空洞41は、ワックスパターン30の歯科補綴物部31が除去されてなる歯科補綴物1に対応する歯科補綴物空洞41a、ワックスパターン30のスプルー線部32が除去されてなるスプルー線41b、植立部13の柱状部14が除去されてなる空洞である柱状空洞41c、植立部13の突条15が除去されてなる空洞である溝41d、及び、植立部13の先端部16が除去されてなる空洞である底部空洞41eを有している。
柱状空洞41c、溝41dの一端が型40の端部において開口し、柱状空洞41c及び溝41dの他端が底部空洞41eに連通している。そしてこの底部空洞41eが、各スプルー線41bに連通して歯科補綴物空洞41aにまで達する。
すなわち、本形態で成型空洞40には、柱状空洞41cの内面に、柱状空洞41cの柱状の軸に沿って延びる溝41dが形成されている。
このように形成された型40に対して、図7に示したように、成型空洞41の開口から、ブランク42を挿入する。図7(a)及び図7(b)はそれぞれ図6(a)及び図6(b)と同じ視点による図である。
本形態でブランク42は、柱状空洞41cと概ね同じ断面形状を有する柱状の部材である。従って、図7(a)、図7(b)に表れているように、これを成型空洞41に入れることで、ブランク42はその下端が柱状空洞41cの最下部にまで達する。
なお、ブランク42の形状の下端部を底部空洞41eの形状に沿ったものとしてもよい。これによれば、成型空洞41にブランク42を入れることで、ブランク42の下端は底部空洞41eにまで配置される。
ブランクの材料は、常温で固体であり、加熱(例えば、700℃〜950℃)により流動性を有する状態となる材料であれば特に限定されるものではなく、作製する歯科補綴物に応じて任意に材料を選択することができる。中でも、セラミックス(例えばガラスセラミックス、特にケイ酸リチウム系ガラスセラミックス)が特に好ましい。
このようにブランク42を配置した後に、このブランク42を型40ごと加熱し流動性を有する状態とした後、図8に示したように押圧具21でブランク42を押圧する。図8(a)及び図8(b)はそれぞれ図7(a)及び図7(b)と同じ視点による図である。これによりブランク42の材料を流動させ、歯科補綴物空洞41a、及び、スプルー線41bに材料を充填する。
ここで、図8(a)からわかるように、溝41dと押圧具21により、型40の成型空洞41内にブランク42及び押圧具21を配置したときに、型40の内面と押圧具21と間に、ブランク42と外部とを連通する直線状の空洞である連通洞45が形成される。この連通洞45により、押圧具21によるブランク42の押圧の際に、充填される材料に負荷される圧力が適切に緩和され、歯科補綴物の表面における反応層の生成が抑制される。すなわち、本形態では植立具11の植立部13に形成された突条15が連通洞45を形成する手段として機能し、これが反応層の生成を抑制している。
押圧時における加熱温度や、加圧条件は特に限定されるものではなく、用いるブランクの材料等に応じて任意に選択することができる。
その後、温度を下げ、材料を流動性を有さない状態に戻して形状を確定させることで、型40から図9に示したようにブランクの材料からなる成型体43を取り出し、必要な部位を残して切断することで、歯科補綴物1を得ることができる。なお、成型体43には連通洞45に材料が進入したことにより形成された突条部43aが含まれている。
次の第二の形態について説明する。図10〜図13に説明のための図を示した。第二の形態にかかる歯科補綴物成型用器具110は、植立具111、及び、押圧具121を有して構成されている。
植立具111は、図11にその外観斜視図を表したように、上記した植立具11に対して、植立部113には突条15が設けられていない点を除き、他の部位は植立具11と同様である。従って、植立具111のうち植立具11と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
押圧具121は、植立具111を用いて作製した型内に配置したブランクを押圧し、ブランクの材料を型内の成型空洞に充填するための部材である。図10(a)には押圧具121の平面図、図10(b)には押圧具121の斜視図を示した。
本形態で押圧具121は、植立具111の柱状部14の外形と概ね同じ断面形状とされた柱状の部位である本体122、及び、本体122の側面に形成され、該本体122の柱状の軸に平行に延びる溝123を有している。本形態ではこの溝123が連通洞を形成する手段として機能する。
溝123は、本体122の外周に配置され、本体122の軸に平行に設けられた溝である。この溝123は、本体122の軸線方向全長に亘って延びる。これにより後述するように、型の成型空洞内にブランク及び押圧具を配置したときに、型の内面と押圧具との間に、ブランクと外部とを連通する直線状の空洞である連通洞が形成される。この連通洞により、押圧具121によりブランクを押圧する際に、充填されるブランクの材料に負荷される圧力が適切に緩和され、歯科補綴物の表面における反応層の生成が抑制される。
溝123が延びる方向に対して直交する方向における溝123の断面形状は特に限定されることはなく、本形態のように三角形である他、四角形、その他の多角形、半円形、及び半楕円形等とすることが挙げられる。その中でも、形成した型から離脱させやすい観点から三角形であることが好ましい。
図10(a)にBで示した、溝123の深さは、特に限定されることはないが、1mm以上5mm以下であることが好ましく、2mm以上4mm以下であることがより好ましい。
本形態で溝123は1つ設けられているが、これに限らず複数の溝123が具備されてもよい。このときには、複数の溝123は本体122の外周に等間隔で配置されていることが好ましい。
以上のような歯科補綴物成型用器具110を用いて、セラミックス製の歯科補綴物1は、例えば以下の手順により作製される。ただし、植立具111を用いて型140を得て、ここにブランク42を挿入するまでの手順は、上記した型40を得てブランク42を挿入するまでの手順と同様であるため、ここでは説明を省略する。図12には型140を表す図を示した。図12(a)及び図12(b)はそれぞれ、図6(a)及び図6(b)に相当する図である。
図12(a)、図12(b)からわかるように、型140は、その成型空洞141において、型40の成型空洞41が具備していた溝41dが具備されていない点を除いては型40と同様に考えることができる。従って、型140のうち型40と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
ブランク42を型140の成型空洞141に配置した後に、このブランク42を型140ごと加熱し流動性を有する状態とした後、図13に示したように押圧具121でブランク42を押圧する。図13(a)及び図13(b)はそれぞれ図8(a)及び図8(b)に相当する図である。これによりブランク42の材料を流動させ、歯科補綴物空洞41a、及び、スプルー線41bに材料を充填する。
ここで、図13(a)からわかるように、押圧具121の溝123と型140の内面により、型140の成型空洞141内にブランク42及び押圧具121を配置したときに、型140の内面と押圧具121との間に、ブランク42と外部とを連通する直線状の空洞である連通洞145が形成される。この連通洞145により、押圧具121によりブランク42を押圧した際に、充填される材料に負荷される圧力が適切に緩和され、歯科補綴物の表面における反応層の生成が抑制される。すなわち、本形態では押圧具121に形成された溝123が連通洞145を形成する手段として機能し、これが反応層の生成を抑制している。
押圧時における加熱温度や、加圧条件は特に限定されるものではなく、用いるブランクの材料等に応じて任意に選択することができる。
その後、温度を下げ、材料を流動性を有さない状態に戻して形状を確定させることで、型140から図14に示したようにブランクの材料からなる成型体143を取り出し、必要な部位を残して切断することで、歯科補綴物1を得ることができる。なお、成型体143には連通洞145に材料が進入したことにより形成された突条部143aが含まれている。
1 歯科補綴物
10 歯科補綴物成型用器具
11 植立具
12 台座部
13 植立部
14 柱状部
15 突条(連通洞を形成する手段)
16 先端部
21 押圧具
30 ワックスパターン
35 外枠
40 型
41 成型空洞
110 歯科補綴物成型用器具
111 植立具
121 押圧具
122 本体
123 溝(連通洞を形成する手段)

Claims (4)

  1. ブランクを押圧して型の空洞内に前記ブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型するための器具であり、前記型の空洞を形成する植立具であって、
    台座部と、
    前記台座部から立設する柱状部と、
    前記柱状部の外周面に設けられ、該柱状部の軸線に沿って延びる突条と、を備える、植立具。
  2. ブランクを押圧して型の空洞内に前記ブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型する歯科補綴物の製造方法であって、
    請求項1に記載の前記植立具の前記柱状部の先端にワックスパターンを固定する工程と、
    前記ワックスパターンが固定された前記植立具を埋没材で埋没してその後に加熱することで前記ワックスパターンを消失させ、さらに前記植立具を除去することにより前記空洞を有する前記型を形成する工程と、
    前記空洞に前記ブランクを挿入し、柱状の押圧具により前記ブランクを押圧して前記ブランクの材料を前記空洞内に充填する工程と、を含む、歯科補綴物の製造方法。
  3. ブランクを押圧して型の空洞内に前記ブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型するための器具であり、前記ブランクを押圧する押圧具であって、
    柱状に形成された本体を有し、
    前記本体の外周面に設けられた該本体の軸線に沿って延びる溝を具備する、押圧具。
  4. ブランクを押圧して型の空洞内に前記ブランクの材料を充填することにより歯科補綴物を成型する歯科補綴物の製造方法であって、
    柱状の部位を有する植立具の前記柱状部の先端にワックスパターンを固定する工程と、
    前記ワックスパターンが固定された前記植立具を埋没材で埋没してその後に加熱することで前記ワックスパターンを消失させ、さらに前記植立具を除去することにより前記空洞を有する前記型を形成する工程と、
    前記空洞に前記ブランクを挿入し、請求項3に記載の押圧具により前記ブランクを押圧して前記ブランクの材料を前記空洞内に充填する工程と、を含む、歯科補綴物の製造方法。
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