JP2742574B2 - 貴金属製装身具の製造方法 - Google Patents

貴金属製装身具の製造方法

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JP2742574B2
JP2742574B2 JP27937389A JP27937389A JP2742574B2 JP 2742574 B2 JP2742574 B2 JP 2742574B2 JP 27937389 A JP27937389 A JP 27937389A JP 27937389 A JP27937389 A JP 27937389A JP 2742574 B2 JP2742574 B2 JP 2742574B2
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高司 大石
信行 川端
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株式会社ジュネ
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定された素材で編組したレースにより、所
望の形状に形成したペンダントやブローチ等の装身具と
同じ形状を有する貴金属製装身具を多量に製造する製造
方法に係わるものである。
〔従来の技術〕 従来、布,編物又はレース糸等の素材を編んで所望の
形状に形成した装身具の原型と同一の形状を有する貴金
属製品とその製造方法が例えば、特公昭63−13787合後
方に記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら前記公報記載のものは、原型を形成する
素材が布,編物又はレース糸等を編み込んで形成するも
のであるために、作られた原型の形の繊細さには自ら限
界がある。さらに、この原型に忠実な製品を得るために
瞬間接着材を塗布して原型の形状を固定する必要があ
り、さらにまた、この原型に埋没材を注入し、固化した
後に加熱して原型を燃焼させた後に、埋没材中の媒等の
燃焼残物を吸引して除去するための真空脱泡等の厄介な
工程が必要である。
また、前記公報記載の製造方法では一個の原型でただ
一個の製品しか得られないために、得られた製品にオリ
ジナルテイはあるもののその反面、余りにもコスト高に
なることは免れ得ず、従って、数多くの装身具を持ちた
い近代人の欲望を満足させることができず、時代の要請
に逆行することになる。
それ故に本発明の目的はこれらの課題をすべて解決し
た、貴金属製装身具の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の貴金属製装身具の製造方法は、先ず、天然繊
維の極細糸で編組したレースで所望形状の素原型を形成
し、該素原型を溶融したワツクスに浸漬してレースの全
体にワツクスが吸収された瞬間に引上げ、余剰に付着し
たワツクスを除去した後に所望の形状に整え、この素原
型に鋳造用の埋没材を注入し、埋没材が固化した後に加
熱して素原型を燃焼させ、埋没材中に焼失形成された空
洞に溶融した金属を注入して該金属が固化した後に埋没
材を除去して金属原型を得、該金属原型の上下を軟質ゴ
ムで挟み上下から加熱加圧して固化させ、固化したゴム
より金属原型を取出して該金属原型状の空洞を持ったゴ
ム型を形成し、該ゴム型の空洞に液状のワツクスを注入
し固化させることを繰返してワツクス原型を複数形成
し、これらの複数のワツクス原型を相互に湯道でつない
でツリー状に並べ、このワツクスツリーを鋳型容器に入
れて埋没材を注入し、埋没材が固化した後に加熱してワ
ツクスツリーを燃焼させて鋳型を形成し、該鋳型に溶融
した貴金属を注入して貴金属が固化した後に埋没材を取
除き、貴金属製品を得ることよりなる。
〔作用〕
天然繊維の極細糸を素材にして編組したレースは細い
糸目の繊細な線と曲面を持った所望の形状の素原型が形
成される。
このように形成されて適量のワツクスを付着させたも
のは指先で押さえたりすることで、その形状が簡単に変
形するから、曲げたり、波打たせたり、捻りを加えたり
して形を整えてから埋没材を注入し、埋没材が固化後に
加熱して素原型を燃焼させれば、素原型は天然繊維の極
細糸を素材としてワツクスを付着したものであるから残
渣なく完全に焼失して、素原型に忠実な形の空洞が形成
される。
この空洞に金属を注入して金属原型を得、この金属原
型よりゴム型を形成してこのゴム型よりワツクス原型を
複数形成してワツクスツリーとし、これにより鋳型を形
成し、この鋳型により複数個の貴金属を鋳造形成する
が、鋳造工程は従来のものがそのまま活用でき、設備投
資,技術開発等にコストが掛からず、安定した供給が可
能である。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を述べる。本発明で使用する
素原型は天然繊維の極細糸を使って編組したレースで所
望の形状に形成され、好ましくは天然繊維100%かつ、
0.2mmの極細糸を素材としたボビン・レースで形成す
る。
この素原型を完全に溶融したワツクスに浸漬し、レー
ス全体にワツクスが吸収された瞬間に引上げ、レースの
糸目を鮮明に出すために素原型を紙や布で挟み、ドライ
ヤーで加熱して余分なワツクスを紙や布に吸い取らせた
後、レースを曲げたり、波打たせたり、捻ったりして形
を整える。このようにして整えられた形状は湯道を複数
取付けることにより固定して、変形することがない。
この素原型に鋳造用に埋没材を注入して固化させ、加
熱して素原型を焼失させ、素原型の形に忠実な空洞を形
成し、この空洞に溶融した白金等の金属を注入し、固化
させ、埋没材を除去して金属原型を得る。
この金属原型の上下を軟質ゴムで挟み、プレス機によ
り上下から加熱加圧して固定化させた後金属原型を取出
すことで金属原型の形に忠実な形状の空洞を持つゴム型
が形成される。
このゴム型をぴつたりと合わせて空洞へ液状のワツク
スを注入して固化させ、ゴム型を開き成型されたワツク
ス原型を取出す。この作業を繰返して一組のゴム型より
同一形状のワツクス原型が複数形成される。
複数形成したワツクス原型を湯道でツリー状に相互に
つないでワツクスツリーを形成し、このワツクスツリー
を鋳型容器に入れ、水溶した石膏等の埋没材を注入す
る。埋没材中の気泡を取除いて自然乾燥させ、固化した
埋没材を電気炉で加熱してワツクスツリーを完全燃焼
し、鋳型を形成する。
鋳型を遠心鋳造機にセツトして金,プラチナ等の溶融
した貴金属を湯道から注入し、金属が固化してから鋳型
を水中にて崩壊させて、ワツクスツリー状に連なった金
属を取出す。
この金属は湯道部を取除き、金属表面の酸化被膜を電
解研磨し、さらに研磨機で研ぎ出して素原型に忠実な形
状の貴金属製品を複数製造する。
〔発明の効果〕 以上に述べたように本発明の貴金属製装身具の製造方
法は天然繊維の極細糸により編組したレース,好ましく
はボビン・レースで所望の形状の装身具の素原型を繊細
な線と曲面を持つように形成し、この素原型をロストワ
ツクス精密鋳造法を応用して技術的な困難さを少なく、
しかも素原型の形状に忠実な美麗な形のものを量産する
ことができ、精密な構造の装身具を低コストに提供する
ことができる利点がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然繊維の極細糸で編組したレースで所望
    形状の装身具の素原型を形成し、該素原型を溶融したワ
    ツクスに浸漬してレースの全体にワツクスが吸収された
    瞬間に引上げ、余剰に付着したワツクスを除去した後に
    所望の形状に整え、この素原型に鋳造用の埋没材を注入
    し、埋没材が固化した後に加熱して素原型を燃焼させ、
    埋没材中に焼失形成された空洞に溶融した金属を注入し
    て該金属が固化した後に埋没材を除去して金属原型を
    得、該金属原型の上下を軟質ゴムで挟み上下から加熱加
    圧して固化させ、固化したゴムより金属原型を取出して
    該金属原型状の空洞を持ったゴム型を形成し、該ゴム型
    の空洞に液状のワツクスを注入し固化させることを繰返
    してワツクス原型を複数形成し、これらの複数のワツク
    ス原型を相互に湯道でつないでツリー状に並べ、このワ
    ツクスツリーを鋳型容器に入れて埋没材を注入し、埋没
    材が固化した後に加熱してワツクスツリーを燃焼させて
    鋳型を形成し、該鋳型に溶融した貴金属を注入して貴金
    属が固化した後に埋没材を取除き、貴金属製品を得るこ
    とを特徴とする貴金属製装身具の製造方法。
  2. 【請求項2】レースが天然繊維100%かつ0.2mmの極細糸
    を素材にして編組したボビン・レースである請求項
    (1)記載の貴金属製装身具の製造方法。
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