JPH09206845A - 絞り成形用ダイスおよびその修理方法 - Google Patents

絞り成形用ダイスおよびその修理方法

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JPH09206845A
JPH09206845A JP8014586A JP1458696A JPH09206845A JP H09206845 A JPH09206845 A JP H09206845A JP 8014586 A JP8014586 A JP 8014586A JP 1458696 A JP1458696 A JP 1458696A JP H09206845 A JPH09206845 A JP H09206845A
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善幸 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐摩耗性を有するとともに、その製造
コストを安価に抑えることができるようにする。 【解決手段】 軸方向に連続する大径部8と小径部9と
を有するワーク9を絞り成形する加工部材12と、この
加工部材12が嵌着される保持部材13とを有する絞り
成形用ダイス4であって、ワーク1の圧入方向の上流側
に配設される第1加工部14と、ワーク1の圧入方向の
下流側に配設される第2加工部15とに上記加工部材1
2を分割するとともに、上記第2加工部15に、ワーク
径の変化部(段部10)に対応した段部16を形成して
なる絞り成形用ダイスおよびその修理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸方向に連続する
大径部と小径部とを有するワーク、例えば自動車の自動
変速機に組付けられるクラッチドラム等を絞り成形する
絞り成形用ダイスおよびその修理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、クロムモリブデン鋼(SCM)等
の構造用鋼からなる保持部材に、ダイス鋼(SKD)等
の工具鋼からなる加工部材を焼嵌めしてなる絞り成形用
ダイスによってワークの壁面を絞り成形することによ
り、ワーク径が適正値となるように仕上げ加工すること
が行われている。
【0003】また、例えば特開平2−155520号公
報の従来技術の欄に開示されているように、深絞り用ダ
イスの加工部材(ダイリング)を、機械的強度、密度お
よび耐摩耗性に優れた超硬合金によって形成することが
行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記絞り成形用ダイス
の加工部材を工具鋼によって形成した場合には、この工
具鋼の単価が低いので、絞り成形用ダイスの製造コスト
を安価に抑えることができるという利点を有する反面、
上記工具鋼の耐摩耗性が低いので、上記加工部材の加工
部が早期に摩耗してその滑りが悪くなり、成形品の表面
に傷が形成されるという問題がある。このため、上記絞
り成形用ダイスを使用し始めてから早い段階で、絞り成
形用ダイスの交換を行わなければならず、絞り成形用ダ
イスの寿命が短いという欠点がある。
【0005】また、上記超硬合金によって絞り成形用ダ
イスの加工部材を形成した場合には、その表面を炭化チ
タン(TiC)等によって被覆して硬質被覆層を形成す
ることにより、その耐摩耗性を著しく向上させて絞り成
形用ダイスの寿命を長くすることができるという利点を
有する反面、上記超硬合金の単価が高いので絞り成形用
ダイスの製造コストが高くなるという欠点がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、優れた
耐摩耗性を有するとともに、その製造コストを安価に抑
えることができる絞り成形用ダイスおよびその修理方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
軸方向に連続する大径部と小径部とを有するワークを絞
り成形する加工部材と、この加工部材が嵌着される保持
部材とを有する絞り成形用ダイスであって、ワークの圧
入方向の上流側に配設される第1加工部と、ワークの圧
入方向の下流側に配設される第2加工部とに上記加工部
材を分割するとともに、上記第2加工部に、ワーク径の
変化部に対応した段部を形成したものである。
【0008】上記構成によれば、ワークの成形時に、ワ
ークの小径部が第2加工部の段部に圧接されつつ、その
軸方向に押動されることにより、上記小径部の壁面がダ
イスの第2加工部とパンチとの間において絞り成形され
るとともに、ワークの大径部が第1加工部の内周面に圧
接されつつ、その軸方向に押動されることにより、上記
大径部の壁面がパンチとダイスの第1加工部と間におい
て絞り成形されることになる。
【0009】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の絞り成形用ダイスにおいて、加工部材の第1加工部を
工具鋼によって形成するとともに、第2加工部を超硬合
金によって形成したものである。
【0010】上記構成によれば、ワークの成形時に、ワ
ークの小径部が第2加工部の段部に圧接されつつ、その
軸方向に押動されることにより、超硬合金からなる上記
第2加工部と、パンチとの間において、上記ワークの小
径部が効果的に絞り成形されることになる。
【0011】請求項3に係る発明は、上記請求項2記載
の絞り成形用ダイスにおいて、第2加工部の表面に硬質
被覆層を形成したものである。
【0012】上記構成によれば、ワークの成形時に、ワ
ークの小径部が第2加工部の段部に圧接されつつ、その
軸方向に押動されることにより、硬質被覆層によって表
面が被覆され超硬合金からなる上記第2加工部と、パン
チとの間において、上記ワークの小径部が効果的に絞り
成形されることになる。
【0013】請求項4に係る発明は、上記請求項2記載
の絞り成形用ダイスにおいて、第2加工部の表面に炭化
チタンからなる硬質被覆層を形成したものである。
【0014】上記構成によれば、ワークの成形時に、ワ
ークの小径部が第2加工部の段部に圧接されつつ、その
軸方向に押動されることにより、炭化チタンによって表
面が被覆された超硬合金からなる上記第2加工部と、パ
ンチとの間において、上記ワークの小径部が効果的に絞
り成形されることになる。
【0015】請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4
のいずれかに記載の絞り成形用ダイスにおいて、第2加
工部の両端部に、ワークの径の変化部に対応する一対の
段部を対称に配設したものである。
【0016】上記構成によれば、絞り成形を繰り返し行
うことによって第2加工部に設けられた一方の段部が摩
耗した場合に、第2加工部を保持部材から取り外して上
下反転させた状態で再度保持部材に嵌着させることによ
り、この第2加工部が再利用されることになる。
【0017】請求項6に係る発明は、軸方向に連続する
大径部と小径部とを有するワークを絞り成形する加工部
材と、この加工部材に嵌着される保持部材とを有し、ワ
ークの圧入方向の上流側に配設される第1加工部と、ワ
ークの圧入方向の下流側に配設される第2加工部とに上
記加工部材が分割されるとともに、この第2加工部の両
端部に、ワーク径の変化部に対応する一対の段部が対称
に配設されてなる絞り成形用ダイスの修理方法であっ
て、上記第2加工部の上流側に位置する段部が摩耗した
時点で、上記保持部材から上記加工部材の第2加工部を
取り外した後、この第2加工部を上下反転させた状態で
保持部材に嵌着して保持させるように構成したものであ
る。
【0018】上記構成によれば、絞り成形を繰り返し行
うことによって第2加工部に設けられた一方の段部が摩
耗したことが確認された時点で、上記保持部材から上記
第2加工部が取り外された後、この第2加工部が上下反
転されて新たな保持部材に嵌着されることにより、第2
加工部に設けられた他方の段部がワークの加工部に設置
された絞り成形用ダイスが得られることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の実施
形態に係る絞り成形用ダイスを有するプレス機を示して
いる。このプレス機は、ワーク1を保持するホルダー2
と、このホルダー2に支持されたワーク1を下方に押動
するパンチ3と、このパンチ3の駆動力に応じて上記ワ
ーク1を絞り成形する絞り成形用ダイス4とを有してい
る。
【0020】上記ワーク1は、中央部に位置決め孔5が
形成された底壁6と、この底壁6の外周部から上方に起
立する周壁7とを有している。そして、上記周壁7に
は、その軸方向に連続する上方の大径部8と、下方の小
径部9とを有し、この大径部8と小径部9との間には、
ワーク径の変化部となる段部10が形成されている。
【0021】また、上記ホルダー2は、ワーク1の位置
決め孔5に嵌入される突部11が上端面に形成された円
柱状体からなり、図外のガイド部材によってスライド自
在に支持されることにより、上記絞り成形用ダイス4内
において昇降変位するように構成されている。
【0022】上記パンチ3は、下端部がワーク1の周壁
7内に嵌入し得る大きさに形成された円柱状体からな
り、図外の駆動手段によって昇降駆動されるように構成
されている。そして、上記ホルダー2上にワーク1を設
置した状態で、パンチ3を駆動手段によって下方に押動
することにより、このパンチ3と上記ホルダー2とによ
ってワーク1が上下から挟持された状態で、このワーク
1が絞り成形用ダイス4内に圧入されるように構成され
ている。
【0023】上記絞り成形用ダイス4は、ワーク1の加
工面が内周部に形成された加工部材12と、この加工部
材12が嵌着される保持部材13とを有している。ま
た、上記加工部材12は、ワーク1の圧入方向の上流
側、つまり上方に配設された第1加工部14と、その下
方に配設された第2加工部15とに分割されている。
【0024】上記加工部材12の第1加工部14は、ダ
イス鋼(SKD)等の工具鋼によって形成されたリング
状の部材からなり、その内径が、ワーク1の大径部8を
所定径に絞り成形し得る大きさに形成されている。
【0025】上記加工部材12の第2加工部15は、炭
化タングステン(WC)等からなる硬質高沸点金属を主
成分とし、これに適量の炭化チタン(TiC)、炭化タ
ンタル(TaC)等の粉末を加えるともに、結合剤とし
てコバルト(Co)を3〜30%添加して加圧成形した
後、焼結することによって形成された超硬合金からなっ
ている。そして、上記第2加工部15は、その内径がワ
ーク1の小径部9を所定径に絞り成形し得る大きさに形
成されるとともに、上記段部10からなるワーク径の変
化部に対応した段部16が上下両端部の対称位置に配設
されている。
【0026】また、上記第1,第2加工部14,15の
表面、つまり加工部となる内周面には、炭化チタン(T
iC)がCVD法からなる化学蒸着法、またはイオンプ
レーティング法からなる物理蒸着法で被覆されることに
より、8〜10μ程度の厚さを有する硬質被覆層が形成
されている。
【0027】上記保持部材13は、クロムモリブデン鋼
(SCM)等の構造用鋼によって形成されたリング状部
材からなり、その内径が上記第1,第2加工部14,1
5の外径に対応した大きさに形成されるとともに、焼嵌
め等の手段で上記第1,第2加工部14,15に外嵌さ
れて固着されるように構成されている。
【0028】以上のように構成されたプレス機を使用し
てワーク1を絞り成形するには、まず図3に示すよう
に、素材1´を円板状に形成する第1工程と、図4に示
すように、上記素材1´の中央部に位置決め孔5を打ち
抜き加工する第2工程と、上記素材1´を図外の深絞り
成形機によって深絞り成形する第3工程とからなる前処
理を行うことにより、図1および図2に示すように、大
径部8および小径部9を有する周壁7と、底壁6とから
なるワーク1を形成する。
【0029】そして、上記ワーク1をホルダー2上に載
置して位置決めした後、パンチ5を駆動手段によって下
方に押動することにより、上記パンチ5とホルダー2と
によってワーク1を上下から挟持した状態で絞り成形用
ダイス4内に圧入する。この結果、図5に示すように、
上記ワーク1の小径部9が絞り成形用ダイス4の第2加
工部15と、上記パンチ4の外周面とによって挟持され
つつ、第2加工部15の内周面に沿って摺動するととも
に、ワーク1の大径部8が絞り成形用ダイス4の第1加
工部14と、上記パンチ4の外周面とによって挟持され
つつ、第2加工部15の内周面に沿って摺動することに
より、上記ワーク1の周壁7が絞り成形されて所定径に
仕上げ加工されることになる。
【0030】上記のようにして周壁部7が仕上げ加工さ
れたワーク1の底壁部6に、取付孔を形成することによ
り、上記小径部9の内壁面等にクラッチプレートが摺動
自在に取り付けられるクラッチドラム、つまり自動車の
自動変速機に組付けられるフォワードクラッチドラム、
リバースフォワードクラッチドラム、フォワードクラッ
チドラム、コースティングクラッチドラムまたはワンウ
ェイクラッチドラム等が形成される。
【0031】このように絞り成形用ダイス4の加工部材
12を、ワーク1の圧入方向の上流側に配設される第1
加工部14と、ワーク1の圧入方向の下流側に配設され
る第2加工部15とに分割するとともに、この第2加工
部15に、ワーク径の変化部に対応した段部16を形成
したため、ワーク1の絞り成形時に大きな荷重が上記第
2加工部15の段部16に作用してこの部分が摩耗した
場合に、この第2加工部15を修理または交換すること
により、絞り成形用ダイス4を容易に補修することがで
きる。
【0032】すなわち、上記周壁7に大径部8と小径部
9とが軸方向に連続して形成されるとともに、上記小径
部9を重点的に絞り成形してその寸法精度を高めるよう
に構成されたワーク1の周壁7を絞り成形する際には、
上記小径部9の外面が加工部材12の上流側に位置する
段部16に強固に圧接されてこの段部16に最も大きな
負荷が作用するので、加工部材12の上記段部16以外
の部分および保持部材13が十分に使用可能であるにも
拘らず、上記段部16が早期に摩耗して絞り成形用ダイ
ス4が使用不可能となるという事態が生じるが、上記の
ように加工部材12を上方の第1加工部14と、下方の
第2加工部15とに分割して形成した場合には、上記段
部16が形成された第2加工部15を保持部材13から
取り外して交換する等により、簡単かつ安価に上記絞り
成形用ダイス4を補修することができる。
【0033】また、上記加工部材12の第2加工部15
を第1加工部14よりも耐摩耗性の高い素材によって形
成することにより、上記段部16の早期摩耗を抑制する
ように構成した場合には、絞り成形用ダイス4の製造コ
ストを安価に抑えることができるとともに、上記第2加
工部15の早期摩耗を防止して絞り成形用ダイス4の耐
久性を向上させることができる。
【0034】すなわち、上記実施形態に示すように、絞
り成形用ダイス4を構成する加工部材12の第1加工部
14を比較的安価な上記工具鋼によって形成するととも
に、第2加工部15を優れた耐摩耗性を有する上記超硬
合金によって形成する等により、上記段部16が早期摩
耗に摩耗することを抑制しつつ、上記加工部材12の全
体を単価の高い超硬合金によって形成した場合に比べて
製造コストを安価に抑えることができる。
【0035】しかも、炭化タングステン(WC)等から
なる硬質高沸点金属を主成分として焼結することによっ
て形成された上記超硬合金は、1000°C以上の温度
で加熱されて焼結された後、再度加熱されてヒップ処理
(再焼結)が行われるため、優れた耐熱性を有しいる。
したがって、上記実施形態に示すように、第2加工部1
5を超硬合金によって形成した場合には、上記絞り成形
時に作用する熱によって絞り成形用ダイス4の焼き付き
等を生じることがなく、長期間に亘る使用が可能である
という利点がある。
【0036】また、上記実施形態では、第2加工部15
の表面に炭化チタン(TiC)からなる硬質被覆層を形
成したため、この硬質被覆層によって上記第2加工部1
5の耐摩耗性および耐熱性を向上させることにより、そ
の耐久性を効果的に高めることができる。例えば、ダイ
ス鋼(SKD)等の工具鋼の表面に炭化チタンを被覆し
てなる素材によって加工部材の全体を形成した比較例に
係るダイスと、加工部材12の第2加工部15を、炭化
タングステンを主体とする上記超硬合金の表面に炭化チ
タンを被覆した素材によって形成してなる本発明の実施
例に係るダイスとを使用してダイスの耐久性を確認する
実験を行ったところ、上記比較例では、その寿命が15
万回であるのに対し、上記実施例では、その寿命が4倍
の60万回となるというデータが得られた。
【0037】また、上記実施形態に示すように、耐熱性
に優れた超硬合金からなる第2加工部15の表面に上記
硬質被覆層を形成するように構成した場合には、この硬
質被覆層を形成する炭化チタンをCVD法からなる化学
蒸着法によって第2加工部15の表面に被覆させる際に
発生する熱が、上記第2加工部15に作用したとして
も、この第2加工部15が大きく塑性変形することがな
く、寸法精度が低下することを効果的に抑制することが
できるため、上記絞り成形用ダイス4の内径を適正に設
定してワーク1を精密に仕上げ加工することができる。
【0038】なお、上記硬質被覆層は、炭化チタン(T
iC)に限られず、窒化チタン(TiN)等によって上
記硬質被覆層を形成することができるが、この窒化チタ
ンを使用した場合には、その層の厚さを2〜3μ程度以
上に設定することが困難で、剥離し易いため、上記炭化
チタン(TiC)によって硬質被覆層を形成することが
望ましい。
【0039】また、上記実施形態では、第2加工部15
の両端部に、ワーク径の変化部に対応する一対の段部1
6を対称に配設したため、上記絞り成形用ダイス4を使
用して絞り成形を繰り返し行うことにより、上記第2加
工部15の上流側部に設けられた段部16上の硬質被覆
層が剥離するとともに、この段部16が摩耗した場合
に、上記保持部材13から第2加工部15を取り外して
その上下反転させることにより、この第2加工部15を
再利用することができる。
【0040】例えば、絞り成形されたワーク1の表面に
多くの傷が形成される等により、上記第2加工部15の
段部16に被覆された硬質被覆層の剥離または上記段部
16の摩耗が生じたことが確認された時点で、上記保持
部材13を加熱して膨張させて、この保持部材13から
上記加工部材12の第2加工部15を取り外した後、こ
の第2加工部15を上下反転させた状態で、新たな保持
部材13に嵌着して保持させることにより、上記第2加
工部15を再利用して絞り成形用ダイス4の修理を行う
ことができ、これによって大幅なコストダウンが可能と
なる。
【0041】また、上記第2加工部15を耐熱性に優れ
た超硬合金によって形成した場合には、上記保持部材1
3を加熱して膨張させることにより、第2加工部15を
損傷させることなく、上記保持部材13からように取り
外すことができるとともに、この第2加工部15が熱影
響を受けてその寸法精度が低下するという事態の発生を
効果的に防止することができる。なお、上記構造用鋼か
らなる保持部材13および工具鋼からなる第1加工部1
4は、上記第2加工部15を取り外す際に熱影響を受け
てその寸法精度が低下し易いため、新たなものに交換す
ることが望ましい。
【0042】なお、上記実施形態では、自動車の自動変
速機に組付けられるクラッチドラムからなるワーク1を
絞り成形する絞り成形用ダイスに本発明を適用した例に
ついて説明したが、上記クラッチドラムに限られず、軸
方向に連続する大径部と小径部とを有する他のワーク、
例えばアウトプットシェル等を絞り成形するダイスにつ
いても本発明を適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、軸方向
に連続する大径部と小径部とを有するワークを絞り成形
する加工部材と、この加工部材が嵌着される保持部材と
を有する絞り成形用ダイスにおいて、ワークの圧入方向
の上流側に配設される第1加工部と、ワークの圧入方向
の下流側に配設される第2加工部とに上記加工部材を分
割するとともに、上記第2加工部に、ワーク径の変化部
に対応した段部を形成したため、優れた耐摩耗性を有す
る素材によって上記第2加工部を形成することにより、
上記ダイスの耐久性を効果的に向上させることができる
とともに、比較的に摩耗を生じにくい上記第1加工部を
安価な素材によって形成することにより、ダイスの製造
コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0044】また、第2加工部の上下対称位置に、ワー
ク径の変化部に対応する段部をそれぞれ設けるように構
成した場合には、上記段部に摩耗が生じた時点で上記保
持部材から第2加工部を取り外し、その上下反転させて
保持部材に嵌着することにより、この第2加工部を再利
用してダイスを修理することができるので、このダイス
の製造コストを効果的に低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るダイスを有するプレス
機の構成を示す断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】ワークの素材形状を示す斜視図である。
【図4】ワークの中心部に位置決め孔を形成した状態を
示す斜視図である。
【図5】ワークを絞り成形した状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク 4 ダイス 8 大径部 9 小径部 10 ワークの段部(ワーク径変化部) 12 加工部材 13 保持部材 14 第1加工部 15 第2加工部 16 段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/56 C04B 35/56 S

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に連続する大径部と小径部とを有
    するワークを絞り成形する加工部材と、この加工部材が
    嵌着される保持部材とを有する絞り成形用ダイスであっ
    て、ワークの圧入方向の上流側に配設される第1加工部
    と、ワークの圧入方向の下流側に配設される第2加工部
    とに上記加工部材を分割するとともに、上記第2加工部
    に、ワーク径の変化部に対応した段部を形成したことを
    特徴とする絞り成形用ダイス。
  2. 【請求項2】 加工部材の第1加工部を工具鋼によって
    形成するとともに、第2加工部を超硬合金によって形成
    したことを特徴とする請求項1記載の絞り成形用ダイ
    ス。
  3. 【請求項3】 第2加工部の表面に硬質被覆層を形成し
    たことを特徴とする請求項2記載の絞り成形用ダイス。
  4. 【請求項4】 第2加工部の表面に炭化チタンからなる
    硬質被覆層を形成したことを特徴とする請求項2記載の
    絞り成形用ダイス。
  5. 【請求項5】 第2加工部の両端部に、ワーク径の変化
    部に対応する一対の段部を対称に配設したことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の絞り成形用ダイ
    ス。
  6. 【請求項6】 軸方向に連続する大径部と小径部とを有
    するワークを絞り成形する加工部材と、この加工部材に
    嵌着される保持部材とを有し、ワークの圧入方向の上流
    側に配設される第1加工部と、ワークの圧入方向の下流
    側に配設される第2加工部とに上記加工部材が分割され
    るとともに、この第2加工部の両端部に、ワーク径の変
    化部に対応する一対の段部が対称に配設されてなる絞り
    成形用ダイスの修理方法であって、上記第2加工部の上
    流側に位置する段部が摩耗した時点で、上記保持部材か
    ら上記加工部材の第2加工部を取り外した後、この第2
    加工部を上下反転させた状態で保持部材に嵌着して保持
    させるように構成したことを特徴とする絞り成形用ダイ
    スの修理方法。
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JP2011025277A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Canon Inc 金属部材の製造方法
JP2015131344A (ja) * 2013-12-11 2015-07-23 トヨタ紡織株式会社 プレス金型装置

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