JPH09205314A - ガラスアンテナ用インピーダンス整合装置 - Google Patents

ガラスアンテナ用インピーダンス整合装置

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JPH09205314A
JPH09205314A JP1327896A JP1327896A JPH09205314A JP H09205314 A JPH09205314 A JP H09205314A JP 1327896 A JP1327896 A JP 1327896A JP 1327896 A JP1327896 A JP 1327896A JP H09205314 A JPH09205314 A JP H09205314A
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Tomoyuki Fukumaru
智之 福丸
Hisashi Hirai
尚志 平井
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置構成が簡単であって、リアクタンス素子の
精度をとりやすく、調整工数も不要であり、かつ取付方
法を原因とするリアクタンス値の変化をなくし、結果と
して、安定性、信頼性が向上する自動車のガラスアンテ
ナ用インピーダンス整合装置を提供する。 【解決手段】整合回路を構成するインダクタンス素子3
7とキャパシタンス素子38をプリントパターンにより
形成したフレキシブル回路基板35からなるインピーダ
ンス整合装置31を2箇所(入力端子36と出力端子4
0のところ)の半田付けとねじ71により自動車のボデ
ィ等に取り付ける。この場合、インピーダンス整合装置
31は、ガラスアンテナ32の受信端33の金属製のポ
スト端子69とボディ外板72により実質的に固定され
されるので、取り付け位置が安定し、振動等により位置
がずれることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
のリヤウインドガラス等に形成されたガラスアンテナ
と、ダッシュボード内等に配されるチューナのフロント
エンドへの給電線である同軸線との間に挿入されるガラ
スアンテナ用インピーダンス整合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、乗用自動車等のリヤウインド
ガラス内等に導体線をプリントした(印刷配線した)ア
ンテナ、すなわちガラスアンテナが採用されている。こ
のガラスアンテナでは、ガラスにより導体線の一定形状
が実質的に空中に保持されることとなり、導体線がアン
テナとして機能する。
【0003】最近、ガラスアンテナは、AMアンテナと
して使用されるだけでなく、FMアンテナ、さらには、
TVアンテナ{VHF帯〜UHF帯(90MHz〜77
0MHz)}としても使用される。
【0004】AMアンテナまたはFMアンテナとして使
用される場合には、ガラスアンテナと、例えば、ダッシ
ュボード側に配置されるチューナとの間は、単に、給電
線としての同軸線で接続するだけで必要な受信感度が得
られる場合が多いが、TVアンテナとして使用される場
合には、VHF帯の特に170MHz以上の受信周波数
になると、同軸線の長さ、ガラスアンテナのインピーダ
ンスの周波数特性等を原因とするインピーダンスの不整
合等を原因とする反射の増加、したがって、VSWRの
劣化が発生し、結果として、所望の受信感度が得られな
くなる場合が多々あった。
【0005】これを解決するため、同軸線上の複数の箇
所にブースタとしての中継用増幅器を配置する技術も考
えられるが、高周波広帯域の増幅であることから増幅器
自体のコストが高くなるとともに、取付スペース、取付
コスト、その中継用増幅器への電源供給等を考慮した場
合、トータルとしてのコストが相当に高くなるという問
題がある。
【0006】そこで、トータルとしてのコストを低減す
るとともに、上述のいわゆる伝送損失を最小限にするた
めに、ガラスアンテナの受信端と、チューナのフロント
エンドへの給電線である同軸線の入力側との間に受動素
子によるインピーダンス整合回路を配設することが考え
られる。
【0007】インピーダンス整合回路を構成するリアク
タンス素子としては、インダクタンス素子とキャパシタ
ンス素子であるが、1GHz程度の周波数までリアクタ
ンス素子として動作を期待する場合には、回路のQを確
保するために、インダクタンス値として数十nH程度以
下、キャパシタンス値として10pF程度以下であるこ
とが必要である。
【0008】そこで、このようなインダクタンス素子と
しては、図6に示すようなφ0.3〜φ1mm程度の導
線を数回巻いた直径2〜5mm程度の空心コイル1が選
択されるが、この構成の空心コイル1は、線間の開き具
合や、その形状、取り付けた際のリード長の変化によ
り、インダクタンス値が±20%程度容易に変化してし
まう。そのため、キャパシタンス素子としては、この変
化を補うためキャパシタンス値の調整可能なトリマコン
デンサ2が必要とされる。
【0009】なお、受動素子である空心コイル1とトリ
マコンデンサ2とは、例えば、導体パターン4がエッチ
ングにより作成された片面ガラスエポキシ基板5上に半
田付けにより取り付けられる。
【0010】しかしながらこのように構成されるインピ
ーダンス整合装置6は、上述の中継用増幅器を設ける方
法に比較してコストが相当に低減されるが、それでもト
リマコンデンサ2が高価であり、また、調整工数もかか
ることから、トータル的なコストがまだ高いという問題
がある。インダクタンス素子としてフェライトコアを用
いることもできるが、フェライトコア等を用いる可変イ
ンダクタは、基板5への取り付けが複雑で取付工数がか
かるという問題がある。
【0011】図7は、これらの問題を解決するための他
の構成のインピーダンス整合装置10を示している。こ
のインピーダンス整合装置10では、チップ部品を採用
している。すなわち、インダクタンス素子としてチップ
インダクタ11、キャパシタンス素子としてチップコン
デンサ12を採用している。
【0012】インピーダンス整合装置10を構成する回
路基板13の入力側には、リード付コネクタ14のリー
ド部分が半田付けされて取り付けられ、そのコネクタ部
分にはポスト端子用のリセプタクルが用いられ、このリ
セプタクルを介して、図示しないガラスアンテナの受信
端に取り付けられているポスト端子にコネクタにより電
気的かつ機械的に接続される。
【0013】一方、回路基板13の出力側には同軸線1
5が取り付けられ、その同軸線15の心線が回路の信号
線路に半田付けにより接続され、同軸線15の接地導体
である編組線がアース側に半田付けにより接続される。
そのアース側には、リード付グランド端子20のリード
側が編組線とともに半田付けされ、ラグ端子であるグラ
ンド端子20が図示しないねじにより図示しないボディ
の外板に取り付けられる。なお、部品が搭載された回路
基板13は、熱収縮チューブ21により保護、絶縁され
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図7の従来技術に係るガラスアンテナ用インピーダン
ス整合装置10では、チップインダクタ11やチップコ
ンデンサ12をガラスエポキシ基板やセラミック基板を
用いる片面プリント配線回路基板13への取付上の誤差
は排除されるが、調整を不要とするために、精度が±2
0%程度であるチップインダクタ11やチップコンデン
サ12を予め選別して使用する必要があり、その選別の
ためのコストが発生する。
【0015】その上、当該インピーダンス整合装置10
の車両への固定が、実質的に、リード付コネクタ14と
リード付グランド端子20および同軸線15による取り
付けであるために、インピーダンス整合装置10が大地
アースとして機能するボディ外板に対して遊着状態とな
り、取付状態によりリアクタンス値が変化して整合状態
が変化するという問題があった。
【0016】この発明はこのような課題を考慮してなさ
れたものであり、装置構成が簡単であって、リアクタン
ス素子の精度をとりやすく、調整工数も不要であり、か
つ取付方法を原因とするリアクタンス値の変化をなく
し、結果として、安定性、信頼性が向上し、トータル的
なコストを低減することを可能とするガラスアンテナ用
インピーダンス整合装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、ガラスアン
テナの受信端と、出力側がチューナのフロントエンドに
接続される同軸線の入力側との間に配されるガラスアン
テナ用インピーダンス整合装置において、プリント基板
としてフレキシブル基板を用い、このフレキシブル基板
上に、インピーダンス整合回路を構成するリアクタンス
素子をプリントパターンにより形成したフレキシブル回
路基板を備えることを特徴とする。
【0018】この場合、フレキシブル基板上にプリント
パターンにより形成したリアクタンス素子の精度は2%
(±1%)程度以下にすることが可能であり、プリント
基板とリアクタンス素子を一体的に形成できるので、い
わゆるディスクリート部品が不要となる。したがって、
調整工数が皆無となり、装置構成上のコストも低減され
る。
【0019】また、この発明は、前記フレキシブル回路
基板には、プリントパターンにより前記リアクタンス素
子の入力側が接続される入力端子用のランドと、前記リ
アクタンス素子の出力側が接続される出力端子用のラン
ドと、前記リアクタンス素子のアース側が接続され且つ
ねじ挿通用の開口部を有するアース用ランドが形成さ
れ、前記出力端子用のランドには、前記同軸線の心線側
が接続され、前記入力端子用のランドは、前記ガラスア
ンテナの受信端端子に直接電気的かつ機械的に接続さ
れ、前記開口部に挿通される前記ねじを介して前記同軸
線の接地導体と前記アース用ランドとが、大地アースと
して機能するボディ外板に電気的かつ機械的に接続され
るようにしたことを特徴とする。
【0020】この場合、プリントパターンにより形成し
た入力端子用のランドをガラスアンテナの受信端に直接
接続し、また、アース用ランド中に設けられた開口部を
通じてねじによりフレキシブル回路基板をボディ外板に
止めるようにしているので、インピーダンス整合装置の
取付位置が安定し、取付状態によりリアクタンス値が変
化するという不都合が是正される。これにより、信頼性
も向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。
【0022】図1は、この一実施の形態に係るインピー
ダンス整合装置31を含む全体的な回路図を示してい
る。
【0023】すなわち、乗用自動車等のリヤウインドガ
ラス内等に導体線をプリントしたガラスアンテナ32の
受信端33が、インピーダンス整合回路34が形成され
たフレキシブル回路基板35のランドで形成された入力
端子36に接続される。
【0024】入力端子36は、フレキシブル回路基板3
5上のプリントパターンによりそれぞれ形成されたイン
ダクタンス素子37とキャパシタンス素子38の共通接
続点に接続される。このインピーダンス整合回路34
は、いわゆるL型の整合回路であるが、整合回路はL型
に限らず、よく知られているように、T型あるいはπ型
の整合回路等をも用いることもできる。
【0025】インダクタンス素子37の出力側は、ラン
ドで形成された出力端子40に接続され、この出力端子
40には、インピーダンスが50オームの同軸線41の
心線42が半田付けされる。また、同軸線41の接地導
体である編組線43が、後に説明するアースブラケット
を介して、キャパシタンス素子38の接地側に設けられ
開口部付きランドとして形成されたアース端子(出力端
子)45にねじにより共締めされる。これにより、イン
ピーダンス整合装置31が、大地アースとして機能する
自動車のボディ外板に固定される。なお、同軸線41の
出力側は、図示しないチューナのフロントエンド側に接
続される。
【0026】図2は、インピーダンス整合装置31とし
て機能するフレキシブル回路基板35の平面視的構成、
図3は、そのIII−III線一部省略断面構成を示し
ている。
【0027】フレキシブル回路基板35は、この実施の
形態においては、厚みが0.03〜0.1mmのポリイ
ミド樹脂(比誘電率≒3.2)を用いた基板(以下、ポ
リイミド基板ともいう。)35であり、ガラスエポキシ
基板やセラミック基板に比較して柔軟性を有する。ポリ
イミド基板35に限らず、柔軟性を有し、数GHz程度
まで電気的かつ機械的特性の安定な他の樹脂、例えば、
ポリエチレン、いわゆるテフロン(登録商標)であるポ
リテトラフルオロエチレン(比誘電率≒2.0)基板を
用いることができる。
【0028】ポリイミド基板35上に、エッチングによ
りCu製の導体パターン(受動素子パターンも含む)を
両面に形成している。
【0029】図2中、パターンのエッジ部分を実線で描
いているパターンが、いわゆるA(表)面パターンであ
り、点線で描いているパターンが、いわゆるB(裏)面
パターンである。
【0030】ランドで形成された入力端子36は、ラン
ド内に開口が形成された面構成になっている。その入力
端子36から延びるパターンが、それぞれがパターンで
作成されるインダクタンス素子37とキャパシタンス素
子38の分岐点50(図1をも参照)を通じて、当該イ
ンダクタンス素子37とキャパシタンス素子38とに分
かれる。なお、入力端子36から分岐点(共通接続点)
50までの配線パターンが誘導性とならないように、B
面にアースパターンを設けている。
【0031】インダクタンス素子37は、A面が渦巻き
状のパターンとされ、スルーホール51を通じて、B面
の渦巻き状のパターンに接続されている。A面、B面の
渦巻き状のパターンは、平面視的にみて巻方向を同一の
方向にして結合を上げてインダクタンス値を大きくする
ようにしているが、自己共振周波数を帯域外とするため
に、平面的に見て重ならない位置にパターンを形成し、
分布容量値を減らすようにしている。
【0032】また、インダクタンス素子37を構成する
際に、渦巻き状のパターンをポリイミド基板35の両面
に形成しているので、片面に形成した場合に比較して同
じ面積で約4倍のインダクタンス値を得ることができ
る。
【0033】インダクタンス素子37の他端はスルーホ
ール52を通じてA面側の出力側パターン57に接続さ
れている。出力側パターン57は、開口部を有しランド
で形成された出力端子(端子面)40に接続されてい
る。
【0034】キャパシタンス素子38は、ポリイミド基
板35を誘電体とするA面パターンとB面パターンを利
用した平行平板コンデンサの構成としている。B面パタ
ーン側がスルーホール53を通じて開口部55を有する
アース用ランドとしてのA面側の出力端子(端子面)4
5に接続されている。
【0035】なお、この場合において、入力端子36か
ら分岐点50まで延びる配線パターンである信号パター
ンの裏に分岐点50から入力端子側に対向するように設
けたアースパターンは、配線パターンと相互に容量成分
となる。このアースパターンを設けることで、上述した
ように、信号パターンが誘導性とならないので、これを
原因としてインピーダンスの整合が悪化することが防止
される。
【0036】また、素子パターンおよび配線パターン等
のCuパターンは、図3に示すように、外部との接続用
の端子部(電極部)を除いて、全面が絶縁材料であるソ
ルダレジスト54により覆われ、絶縁性が確保されてい
る。
【0037】キャパシタンス素子38の容量値のばらつ
き(精度)は、写真製版によるエッチング精度が±0.
05%程度であるので、例えば、10mm角の面積(1
00mm2 )で考えた場合の容量変動幅が、10.05
2 −9.952 =2mm2 になり、±1%程度に抑える
ことができる。なお、インダクタンス素子37は、パタ
ーンの長さが精度に依存するので、ほぼエッチング精度
で決定され、ほとんど変動することがない。
【0038】次に、上述のように構成されるインピーダ
ンス整合装置31として機能するフレキシブル回路基板
35の自動車への取り付け、いわゆる実装について説明
する。
【0039】図4は、インピーダンス整合装置31を自
動車に取り付ける状態を示している。
【0040】図4において、リヤウインドガラス61に
形成されたガラスアンテナ32の受信端33の導体パタ
ーン上に取り付けられている階段状基部を有するCu
(通常、Auその他のめっきがされている。以下同じ)
製のポスト端子69にインピーダンス整合装置31の入
力端子36の開口がはめられて半田付け固定される。
【0041】一方、同軸線41の端末の絶縁被覆が予め
剥がされて、Cu製のブラケット付き保持金具70が、
その編組部にかしめられて接続され、ブラケット部を出
力端子(パターン面)45に重ねた状態で位置決めす
る。そして、スプリングワシャ付きねじ71を、ブラケ
ット部の開口および回路基板35に形成されたアースラ
ンド中の開口部55(図2参照)に挿通させ、リヤクォ
ータの一部を形成し、大地アースとして機能するボディ
外板72に形成された図示していないねじ溝に螺合させ
る。さらに、同軸線41の心線42を出力端子40のラ
ンドに半田付けする。
【0042】このようにして、インピーダンス整合装置
31であるフレキシブル回路基板35が自動車のボディ
に、きわめて簡単に固定される。半田付け箇所は、入力
端子36と出力端子40の僅かに2箇所である。なお、
同軸線41は、必要に応じて、ボディ外板72に配線固
定具等により固定される。
【0043】この場合、インピーダンス整合装置31
は、ガラスアンテナ32の受信端33の金属製のポスト
端子69と、ねじ71が螺合されるボディ外板72によ
り実質的に固定されるので取り付け位置が安定し、振動
等により位置がずれることがなくなり、取り付け状態に
よりリアクタンス値が変化するという不都合がなくな
る。言い換えれば、インピーダンス特性等の変化がなく
なる。
【0044】特に、図4に示すように、インダクタンス
素子37の背面側がリヤウインドガラス61上に配置さ
れるようにしているので、インピーダンス整合装置31
を取り付けた後と取り付ける前のインダクタンス値の変
化、言い換えれば、特性インピーダンスの変化を最小限
に抑制することができる。
【0045】その理由は、図5の特性図中の特性62に
示すように、インダクタンス素子37の主面側を図示し
ていないフェライトコア等の磁性体に近接させた場合に
は、コイルの鎖交磁束密度が増加してインダクタンス値
が増加するために特性インピーダンスが増加し、一方、
インダクタンス素子37の主面側を図示していないシー
ルド板等の金属導体に近接させた場合には、鎖交磁束が
遮られてインダクタンス値が低下するために特性インピ
ーダンスが低下するのに対し、インダクタンス素子37
がガラスに近接しても空中に単体に置かれている状態と
同じ状態であり、インダクタンス値が変化しないので特
性インピーダンスが変化することがないからである。
【0046】この場合、インダクタンス素子37の背面
となるガラス面は、インダクタンス素子37の面積が小
さいので略平面と考えられ、ポリイミド基板35をリヤ
ウインドガラス61上とボディ外板72上に後述するよ
うに取り付ける際には、インダクタンス素子37がその
ガラス平面上に少し押しつけられる方向に応力が働き、
結局、インダクタンス素子37は、ガラス平面上に平行
に配置されることから、インダクタンス素子37の形状
が変化することがない。この取付上の観点からも、フレ
キシブル回路基板35の実装前後でのインダクタンス値
の変化はないといえる。
【0047】その上、インダクタンス素子37をリヤウ
インドガラス61上に配置することで、たとえ、絶縁被
覆としてのソルダレジスト54(図3参照)の一部が剥
がれてもインダクタンス素子37の短絡(地絡)が発生
することがないという派生的な効果も得られる。なお、
キャパシタンス素子38のパターンは、アース側を回路
基板35のB面に形成しているので、たとえ、ボディ外
板72に接触しても地絡等が発生せず、容量値が変化す
ることもない。
【0048】このように上述の実施の形態による、全体
をフレキシブル回路基板により構成したインピーダンス
整合装置31によれば、図7に示したチップインダクタ
11やチップコンデンサ12等のいわゆる個別素子(デ
ィスクリート部品)が不要となり、かつリード付きコネ
クタ14やリード付きグランド端子20を使用する必要
がなくなるため、装置構成が簡単であって、リアクタン
ス素子の精度をとりやすく、調整工数も不要であり、か
つ取付方法を原因とするリアクタンス値の変化がなくな
り、結果として、安定性、信頼性が向上し、トータル的
なコストが大幅に低減される。
【0049】なお、チップインダクタ11やチップコン
デンサ12等のチップリアクタンス素子をフレキシブル
回路基板に取り付ける構成も考えられるが、ボディに取
り付ける際に、これらが剥がれて脱落、または電気的に
開放となるおそれがあり、実装構成によっては信頼性が
低下するので、リアクタンス素子をプリントパターンで
形成する上述の実施の形態によるインピーダンス整合装
置31に比べて劣る。
【0050】また、この実施の形態において、図1例の
L型構成のインピーダンス整合装置31を実際に試作し
て、ネットワークアナライザ等を用いて測定したとこ
ろ、特性インピーダンスがほぼ50オームであり、イン
ダクタンス素子37のインダクタンス値は約87nH、
キャパシタンス素子38の容量値は約7.4pFであっ
た。同様に、このインピーダンス整合装置31を挿入し
た場合、ネットワークアナライザ等を用いてテレビジョ
ンの3チャンネル〜12チャンネルに相当する周波数帯
域150MHz〜250MHzの間でのスミスチャート
上でのインピーダンス特性は、挿入しない場合に比較し
て、VSWRの値が4程度から2.5程度に改善され、
反射が相当に少なくなることが確認できた。さらに、こ
のインピーダンス整合装置31を挿入した場合、上記周
波数帯域150MHz〜250MHzの間での受信感度
に比例する挿入損失は、挿入しない場合に比較して、平
均で5〜6dB程度増加することが確認できた。
【0051】また、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、インピーダンス整合回路を構成するリアクタンス素
子をプリントパターンにより形成したフレキシブル回路
基板を、インピーダンス整合装置として用いるようにし
ている。
【0053】フレキシブル基板上にプリントパターンに
より形成したリアクタンス素子の精度は2%程度以下に
することが可能であり、かつ、プリント基板とリアクタ
ンス素子を一体的に形成できるので、いわゆるディスク
リート部品が不要となる。したがって、調整工数が皆無
となり、装置構成上のコストも低減され、チップ部品等
を使用する場合に比較して、信頼性も向上するという効
果が達成される。
【0054】また、この発明によれば、プリントパター
ンにより形成した入力端子用のランドをガラスアンテナ
の受信端に直接接続し、また、アース用ランド中に設け
られた開口部を通じてねじによりフレキシブル回路基板
をボディ外板に止めるようにしているので、インピーダ
ンス整合装置の取付位置が安定し、取付状態によりリア
クタンス値が変化するという不都合が是正されるという
効果が達成される。
【0055】結局、この発明によれば、装置構成が簡単
であって、リアクタンス素子の精度をとりやすく、調整
工数も不要であり、かつ取付方法を原因とするリアクタ
ンス値の変化のないガラスアンテナ用インピーダンス整
合装置が得られる。これらの結果として、安定性、信頼
性が向上し、トータル的なコストが大幅に低減されると
いう画期的な効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の構成を示す回路図で
ある。
【図2】インピーダンス整合装置に係る回路パターンの
概略的平面図である。
【図3】図2例のIII−III線一部省略断面図であ
る。
【図4】インピーダンス整合装置の実装状態の説明に供
される図である。
【図5】インダクタンス素子のインダクタンス値の変化
の説明に供される特性図である。
【図6】従来のインピーダンス整合装置の構成例を示す
斜視図である。
【図7】従来のインピーダンス整合装置の他の構成例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
31…インピーダンス整合装置 32…ガラスアン
テナ 35…フレキシブル回路基板(ポリイミド基板) 36…入力端子 37…インダクタ
ンス素子 38…キャパシタンス素子 40…出力端子 41…同軸線 61…リヤウイン
ドガラス 72…ボディ外板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスアンテナの受信端と同軸線の入力側
    との間に配され、この同軸線の出力側がチューナのフロ
    ントエンドに接続されるガラスアンテナ用インピーダン
    ス整合装置において、 プリント基板としてフレキシブル基板を用い、 このフレキシブル基板上に、インピーダンス整合回路を
    構成するリアクタンス素子をプリントパターンにより形
    成したフレキシブル回路基板を備えることを特徴とする
    ガラスアンテナ用インピーダンス整合装置。
  2. 【請求項2】前記フレキシブル回路基板には、プリント
    パターンにより前記リアクタンス素子の入力側が接続さ
    れる入力端子用のランドと、前記リアクタンス素子の出
    力側が接続される出力端子用のランドと、前記リアクタ
    ンス素子のアース側が接続され且つねじ挿通用の開口部
    を有するアース用ランドが形成され、 前記出力端子用のランドには、前記同軸線の心線側が接
    続され、 前記入力端子用のランドは、前記ガラスアンテナの受信
    端端子に直接電気的かつ機械的に接続され、 前記開口部に挿通される前記ねじを介して前記同軸線の
    接地導体と前記アース用ランドとが、大地アースとして
    機能するボディ外板に電気的かつ機械的に接続されるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のガラスアンテ
    ナ用インピーダンス整合装置。
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