JPH09204687A - 光学式情報媒体及びその製造方法 - Google Patents

光学式情報媒体及びその製造方法

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JPH09204687A
JPH09204687A JP8014509A JP1450996A JPH09204687A JP H09204687 A JPH09204687 A JP H09204687A JP 8014509 A JP8014509 A JP 8014509A JP 1450996 A JP1450996 A JP 1450996A JP H09204687 A JPH09204687 A JP H09204687A
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JP
Japan
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optical information
information medium
mixture
zinc sulfide
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Pending
Application number
JP8014509A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Akiyama
哲也 秋山
Eiji Ono
鋭二 大野
Kazumi Yoshioka
一己 吉岡
Hidemi Isomura
秀己 磯村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】下引層3と上引層5の少なくとも一方を酸化タン
タル、硫化亜鉛、酸化珪素の混合体からなる薄膜で形成
することにより、オーバライトによる良好な記録が行え
るとともに、環境変化に強い光学式情報媒体を提供す
る。 【解決手段】案内溝2を具備した円盤状のポリカーボネ
ート樹脂製透明基板1上にTa2O5,ZnS,SiO2の混合体から
なり膜厚約180nmの下引層3と、GeSbTe合金薄膜か
らなり膜厚約20nmの記録層4と、下引層3と同じ材料から
なり膜厚約30nmの上引層5と、Al合金からなり膜厚約1
50nmの反射層6をスパッタによって形成し、その上に接
着剤7を介して保護基板8を設ける。下引層3及び上引層5
はTa2O5,ZnS,SiO2を混合した材料の焼結体をターゲット
とし、Arガスを用いてスパッタによって形成する。下
引層3または上引層5に窒素、窒化タンタルまたは窒化珪
素を添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光等の照
射により情報の記録再生及び消去を行う光学式情報媒体
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大容量で高密度なメモリーとして光学式
情報媒体が注目されており、現在、書換えが可能な消去
型と呼ばれるものの開発が進められている。この消去型
光学式情報媒体の一つとして、アモルファス状態と結晶
状態の間で相変化する薄膜を記録層として用い、レーザ
ー光の照射による熱エネルギーによって情報の記録及び
消去を行うものがある。
【0003】この記録層用の相変化材料としては、G
e,Sb,Te,In等を主成分とする合金膜が一般的
に知られており、例えばGeSbTe,GeSbTeS
e,InSb,InSbTe,InSbTeAg等があ
る。情報の記録は記録層の部分的なアモルファス化によ
ってマークを形成して行い、消去はこのアモルファスマ
ークの結晶化によって行う場合が多い。アモルファス化
は記録層を融点以上に加熱した後に一定値以上の速さで
冷却することによって行われる。また、結晶化は記録層
を結晶化温度以上、融点以下の温度に加熱することによ
って行われる。
【0004】そしてこの記録層の上下に誘電体層を設け
るのが一般的である。この誘電体層の目的は、第一に瞬
間的に融点以上に昇温する記録層の熱から基板を保護す
るとともに記録層の変形や破損を防止することであり、
第二に光干渉効果により記録情報の再生時に十分な信号
強度を得ることであり、第三に記録時に良好な形状のア
モルファスマークを形成するのに適した冷却速度を実現
することである。そのためにこの誘電体材料に要求され
る特性は、十分な耐熱性、大きな屈折率、適当な熱伝導
率等である。これらの条件を満たす材料として、例えば
Ta25等がある。
【0005】図2は従来の消去型情報記録媒体の一例の
断面図であり、中心孔を有し案内溝10を具備した円盤
状の透明基板9上にTa25からなり、膜厚約180nm
の下引層11、GeSbTe合金薄膜からなり、膜厚約
20nmの記録層12、Ta25からなり、膜厚約30nm
の上引層13、Al合金からなり、膜厚約150nmの反
射層14を形成し、その上に接着剤15を介して保護基
板16を設けたものである。
【0006】GeSbTe合金は極めて結晶化速度が速
いため、単一のレーザー光の強度を変調して照射するだ
けでアモルファス化及び結晶化ができる。したがって、
この光学式情報媒体は、一般にオーバライトと呼ばれる
単一のレーザー光による情報の書換えが可能である。下
引層12、上引層14の膜厚は、光干渉効果により再生
時に十分な信号強度が得られるとともに、記録時に良好
な形状のアモルファスマークを形成するに十分な記録層
の冷却速度が得られるように設計されている。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】このような光学式情報
媒体では一般に記録層は形成時にはアモルファス状態に
なっているため、使用前に予め結晶状態にしておく必要
がある。この処理を初期化と呼ぶ。この初期化は光学式
情報媒体を回転させながらスポット径数十μmに成形さ
れたArレーザーを照射する等して、ほぼ全面にわたっ
て記録層を結晶化する方法が一般的である。しかし、図
2に示した従来の光学式情報媒体をこの方法で初期化
し、室温環境から例えば90℃80%RHといった高温高
湿に保たれた恒温恒湿槽中への投入及び取り出しを行っ
た場合、膜の部分的な剥離やクラックが発生するという
課題があった。これは各層の内部応力と環境変化に伴う
膨張収縮によるものと考えられる。特に、酸化タンタル
は光学的、熱的には優れた性質を持っているが、記録層
との付着力が弱く、内部応力も大きいという問題を持っ
ており、これが大きな原因になっていると考えられる。
この問題に対して、例えば特開平4−37586号公報
記載のTa25にZnSを添加した材料を用いることが
提案されている。しかし、これだけでは十分とは言え
ず、より一層の耐環境性向上が望まれている。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、環境変化に強い光学式情報媒体を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の光学式情報媒体は、透明基板上に少なくとも
誘電体からなる下引層と、レーザー光等の照射によって
光学的に検出可能な状態変化を可逆的に起こす記録層
と、誘電体からなる上引層とを含む光学式情報媒体であ
って、前記下引層と前記上引層の少なくとも一方が、酸
化タンタル、硫化亜鉛及び酸化珪素の混合体からなる誘
電体層であることを特徴とする。
【0010】前記構成においては、酸化タンタル、硫化
亜鉛、酸化珪素の混合体からなる誘電体層の組成比が、
酸化タンタル:50mol%以上93mol%以下の範
囲、硫化亜鉛:5mol%以上48mol%以下の範
囲、酸化珪素2mol%以上45mol%以下の範囲で
あることが好ましい。また酸化タンタル、硫化亜鉛、酸
化珪素の混合体からなる誘電体層の厚さは、それぞれの
使用条件に応じて自由に選択することができる。
【0011】また前記構成においては、酸化タンタル、
硫化亜鉛、酸化珪素の混合体からなる誘電体層が、さら
に窒素を含有することが好ましい。好ましい窒素の含有
量は、0.1〜6atom%の範囲である。
【0012】また前記構成においては、窒素が窒化タン
タルまたは窒化珪素を形成していることが好ましい。次
に本発明の光学式情報媒体の第1番目の製造方法は、前
記誘電体層を、酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化珪素の混
合体をターゲットとし、不活性ガスを用いてスパッタリ
ングによって形成するという構成を備えたものである。
【0013】次に本発明の光学式情報媒体の第1番目の
製造方法は、前記誘電体層を、酸化タンタル、硫化亜
鉛、酸化珪素の混合体をターゲットとし、不活性ガスと
窒素の混合ガスを用いてスパッタリングによって形成す
るという構成を備えたものである。
【0014】前記した本発明の構成によれば、下引層と
前記上引層の少なくとも一方が、酸化タンタル、硫化亜
鉛及び酸化珪素の混合体からなることによって記録層と
の付着力が強くなる。さらに、結晶質の酸化タンタルに
非晶質の酸化珪素を添加することによって結晶粒径が小
さくなり、内部応力も小さくなる。したがって、剥離や
クラックの生じにくい、環境変化に強い光学式情報媒体
となる。ただし、後に述べるように酸化タンタルの含有
率が小さくなるとオーバライト特性が低下するので、前
記混合体の組成比は、耐環境性とオーバライト特性によ
って限定される。また、前記混合体からなる薄膜に窒素
を添加することによって、さらにオーバライト特性の優
れた光学式情報媒体となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。 (実施例1)図1は本発明の一実施例における光学式情
報媒体の断面図である。これは中心孔を有し溝幅約0.
7μm,ピッチ約1.5μmの螺旋状の案内溝2を具備
した円盤状のポリカーボネート樹脂製透明基板1上にT
25、ZnS、SiO2の混合体からなり、膜厚約1
80nmの下引層3、GeSbTe合金薄膜からなり、膜
厚約20nmの記録層4、下引層3と同じ材料からなり、
膜厚約30nmの上引層5、Al合金からなり、膜厚約1
50nmの反射層6をスパッタリングによって形成し、そ
の上に接着剤7を介して保護基板8を設けたものであ
る。下引層3及び上引層5はTa25、ZnS、SiO
2を混合した材料の焼結体をターゲットとし、Arガス
を用いてスパッタリングによって形成したものである。
このとき、ターゲットは直径60mm、厚さ6mmであ
り、スパッタリングは圧力2mTorr、放電電力50
0Wの高周波マグネトロンスパッタリングを用いた。
【0016】この光学式情報媒体の下引層3及び上引層
5の組成比を変えて耐環境性試験及びオーバライト特性
試験を行った結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1において、耐環境性試験は、90℃、
80%RHに保たれた恒温恒湿槽中に100時間放置した
後の剥離及びクラックの有無によって良否を判定した。
また、オーバライト特性試験は、これらの光学式情報媒
体を回転させ、線速度11m/secで波長830nm
のレーザ光を用いて周波数6.9MHzと2.5MHz
の信号を交互に繰り返しオーバライトした際の、6.9
MHz信号のC/N比が50dB以上であるオーバライ
ト回数で判定した。なお、表1での記号の意味は以下の
通りである。 (1)○:90℃80%RH100時間で剥離及びクラッ
クなし (2)×:90℃80%RH100時間で剥離またはクラ
ックあり この試験結果から、前記混合体の組成比が、酸化タンタ
ル50mol%以上、硫化亜鉛5mol%以上、酸化珪
素2mol%以上のときに、耐環境試験による剥離やク
ラックの発生がなく、100万回以上のオーバライト特
性が得られた。
【0019】(実施例2)実施例1と同様の構造であっ
て、下引層3及び上引層5をTa25、ZnS、SiO
2を混合した材料の焼結体をターゲットとし、ArにN2
を2vol.%添加した混合ガスを用いてスパッタリングに
よって形成したものである。このとき、スパッタリング
条件は実施例1と同一とした。(Ta2590(Zn
S)5(SiO25mol%の組成比の場合、ArにN2
を添加しなかった実施例1で200万回であったオーバ
ライト特性が、本実施例では250万回に向上した。試
験方法は実施例1と同一である。また、他の組成比でも
同様のオーバライト特性向上が認められた。さらに、ス
パッタリングの条件を変えた場合も同様な効果が得られ
るが、N2の分圧は1×10-5〜1×10-3Torrが
好ましい。
【0020】(実施例3)実施例1と同様の構造であっ
て、下引層3及び上引層5を(Ta2588(ZnS)
5(SiO25(Si342mol%の組成比の焼結体
をターゲットとし、Arガスを用いてスパッタリングに
よって形成したものである。スパッタリング条件は実施
例1と同一である。この光学式情報媒体について実施例
1と同一のオーバライト特性試験を行ったところ、24
0万回まで良好な再生信号が得られた。組成比を変えて
も同様の効果が得られるが、Si34の含有率は1〜1
0mol%が好ましい。
【0021】(実施例4)実施例1と同様の構造であっ
て、下引層3及び上引層5を(Ta2588(ZnS)
5(SiO25(TaN)2mol%の組成比の焼結体を
ターゲットとし、Arガスを用いてスパッタリングによ
って形成したものである。スパッタリング条件は実施例
1と同一である。この光学式情報媒体について実施例1
と同一のオーバライト特性試験を行ったところ、240
万回まで良好な再生信号が得られた組成比を変えても同
様の効果が得られるが、TaNの含有率は1〜10mo
l%が好ましい。
【0022】本実施例では記録層として、GeSbTe
合金薄膜を用いたが、レーザ光等の照射による熱を利用
して情報を記録するものであれば、他の記録層材料を用
いた場合でも本発明は有効である。反射層の材料もAu
等、他の金属を用いてもよいし省略することもできる。
また、本実施例では下引層と上引層両方の材料を酸化タ
ンタル、硫化亜鉛、酸化珪素の混合体としたが、記録層
や反射層の材料、使用時の線速度等に応じて下引層また
は上引層の一方のみを酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化珪
素の混合体で形成してもよい。また、記録層の上下に誘
電体層を設けた構造であれば、その他の部分は上記した
以外の構造であってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明は、下引層と上引層
の少なくとも一方を酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化珪素
の混合体からなる薄膜で形成することにより、剥離等の
生じにくい、環境変化に強い光学式情報媒体となる。さ
らに、前記混合体からなる薄膜に窒素または窒化タンタ
ルまたは窒化珪素を添加することによって、オーバライ
ト特性の優れた光学式情報媒体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における光学式情報媒体の断
面図である。
【図2】従来の光学式情報媒体の断面図である。
【符号の説明】
1,9 透明基板 2,10 案内溝 3,11 下引層 4,12 記録層 5,13 上引層 6,14 反射層 7,15 接着剤 8,16 保護基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 秀己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に少なくとも誘電体からなる
    下引層と、レーザー光等の照射によって光学的に検出可
    能な状態変化を可逆的に起こす記録層と、誘電体からな
    る上引層とを含む光学式情報媒体であって、前記下引層
    と前記上引層の少なくとも一方が、酸化タンタル、硫化
    亜鉛及び酸化珪素の混合体からなる誘電体層であること
    を特徴とする光学式情報媒体。
  2. 【請求項2】 前記酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化珪素
    の混合体からなる誘電体層の組成比が、酸化タンタル:
    50mol%以上93mol%以下の範囲、硫化亜鉛:
    5mol%以上48mol%以下の範囲、酸化珪素2m
    ol%以上45mol%以下の範囲である請求項1記載
    の光学式情報媒体。
  3. 【請求項3】 前記酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化珪素
    の混合体からなる誘電体層が、さらに窒素を含有する請
    求項1記載の光学式情報媒体。
  4. 【請求項4】 前記窒素が窒化タンタルまたは窒化珪素
    を形成している請求項3記載の光学式情報媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の光学式情報媒体
    の製造方法であって、前記誘電体層を、酸化タンタル、
    硫化亜鉛、酸化珪素の混合体をターゲットとし、不活性
    ガスを用いてスパッタリングによって形成する光学式情
    報媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の光学式情報媒体
    の製造方法であって、前記誘電体層を、酸化タンタル、
    硫化亜鉛、酸化珪素の混合体をターゲットとし、不活性
    ガスと窒素の混合ガスを用いてスパッタリングによって
    形成する光学式情報媒体の製造方法。
JP8014509A 1996-01-30 1996-01-30 光学式情報媒体及びその製造方法 Pending JPH09204687A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7803443B2 (en) 2005-11-02 2010-09-28 Nec Corporation Optical disk including a sulfuration suppressing dielectric film

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7803443B2 (en) 2005-11-02 2010-09-28 Nec Corporation Optical disk including a sulfuration suppressing dielectric film

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