JPH09203235A - 循環式駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駐車装置の小型化とメンテナンスの容易化を
図る。 【解決手段】 無端循環路を形成する同形状の２個のレ
ールを前後に対峙して設け、ローラを有し、上記レール
に沿って走行する台車を所要の間隔で複数取り付け、前
後に対峙する台車を連結軸で連結し、該連結軸に自動車
を載置するケージを懸吊してなり、各台車には台車を走
行駆動するモータが取り付けられているとともに、隣り
合う台車は帯状部材により互に連結されている循環式駐
車装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車を載置するケ
ージを無端に循環させて、駐車させる循環式駐車装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の垂直循環式駐車装置は、第４図に
示すように、入口側と奥側に設けてある対向配置の１対
の上部および下部スプロケットホイールａ，ｂに張設さ
れた２本のエンドレスリンクチェーンｃにアタッチメン
トｄを介して数十個のケージｅを懸吊支持し、マシンベ
ースｆ上に配置されるモータｇ、ブレーキｈ、減速機
ｉ、クロスシャフトｊ、およびギヤトレインｋ等から成
る駆動装置ｍにより上部スプロケットホイールａを回転
せしめ、これによって各ケージｅが垂直方向に移動循環
するように構成されており、この場合、リンクチェーン
ｃおよびケージｅは循環駆動中の揺動を防ぐためにチェ
ーンガイドｎおよびガイドローラｏを配置している。自
動車の入出庫は入口側手前に設けてあるターンテーブル
ｐにより方向転換して行われる。

【０００３】なお、ｑは中間ステー、ｒは制御盤ベー
ス、ｓはチェーンｃのゆるみを取るスラックテークアッ
プを示すものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の垂直
循環式駐車装置には次のような問題がある。 循環装置部分の自重および駐車した自動車の重量を
リンクチェーンｃで支持するため、チェーンが非常に大
きな特殊チェーンとなり、従ってスプロケットホイール
ａ，ｂも大きくなり、駆動装置の設計の自由度が損なわ
れている。 大きな駆動装置が中心部にあるため間口の寸法を小
さくすることが困難で、駐車装置のスペースが大きくな
る。 駆動装置が最上部にあるため、メンテナンスは高所
作業になり、アクセスが困難である。また据付工事の工
数も多くかかる。 駆動チェーンの伸びを吸収するため、構造が複雑な
スラックテークアップが必要となる。 客の待ち時間を少くするため、ケージの循環速度が
大きくなってきているので、スプロケットホイールａ，
ｂからチェーンｃが離れてチェーンガイドｎに入る部分
で、チェーンｃが当り、チェーンｃやチェーンガイドｎ
の摩耗や騒音が発生する。

【０００５】本発明は従来技術の以上のような問題点に
鑑み案出されたもので、駆動装置の設計の自由度が大き
く、駐車装置のスペースが節約でき、メンテナンスが容
易であり、騒音の少ない循環式駐車装置を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の循環式駐車装置は、無端循環路を形成する同形
状の２個のレールを前後に対峙して設け、ローラを有
し、上記レールに沿って走行する台車を所要の間隔で複
数取り付け、前後に対峙する台車を連結軸で連結し、該
連結軸に自動車を載置するケージを懸吊してなり、各台
車には台車を走行駆動するモータが取り付けられている
とともに、隣り合う台車は帯状部材により互に連結され
ている。

【０００７】無端循環路を形成するレールは、垂直方向
に伸びる２個の直線部の上、下端を半円部により連結し
て構成されているのがよい。

【０００８】また、台車の走行駆動は、モータ軸に設け
られたピニオンと、レールに沿って設けられたピンラッ
クとを噛合させて行うように構成してもよい。

【０００９】また、台車の走行駆動は、モータ軸に設け
られたピニオンと、レールに沿って設けられたラックギ
アとを噛合させて行うように構成してもよい。

【００１０】また、モータへの給電は、レールに沿って
設けられたトロリ線から、台車に設けられた集電トロリ
を経て行われるようにするのがよい。

【００１１】次に本発明の作用を説明する。無端循環路
を形成する１対のレールに複数の台車を取りつけ、前後
に対峙する台車間を連結軸で連結し、連結軸にケージを
懸吊させ、各台車に取り付けたモータにより、台車を駆
動するとともに隣り合う台車はチェーン等の帯状部材に
より連結し、各台車を一斉に動かすことによりケージを
循環させる。駐車に備えて、空のケージを自動車乗込位
置（通常は最下部）に待機させておき、自動車が乗込む
と、ケージを循環させて、次の空のケージを自動車乗込
位置に待機させる。自動車を出庫するときには、ケージ
を循環させ、目的の自動車を載せたケージを自動車乗込
位置に移動する。

【００１２】各台車に駆動モータが取付けられているの
で従来のように大きな駆動用スプロケットを要しない。
従って駐車装置の間口寸法も２個のケージを並べたより
もわずかに大きくすればよく、スペースの節約になる。
また隣り合う台車間を連結するチェーン等の帯状部材は
単に台車間の相対間隔を保つだけなので、大きな強度を
要さず、従来のような大きな特殊チェーンを要しない。
またチェーンのスラック・テークアップも要しない。さ
らに駆動装置のメンテナンスは当該台車を地上階まで循
環させて行うことができ高所作業が不要になる。また駆
動装置の据付作業も地上階でレールに台車を取り付け、
順次送り込めばよいので安全かつ工数の削減になる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下本発明の１実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図１は本発明の循環式駐車
装置、特に垂直循環式駐車装置の１部省略した正面図で
ある。図２は図１のＡ−Ａ矢視平面図である。図３は図
２の台車部分の拡大図である。図１ないし図３におい
て、１は無端循環路を形成するレールである。レール１
は、垂直方向に延びる２個の直線部１ａ，１ａと、それ
らの上、下端を連結する上方半円部１ｂおよび下方半円
部１ｃとからなり、上下方向に延びる垂直循環路を形成
している。同形状の２個のレール１が前後に対峙して配
置されている。レール１はさらに長円環状の平板１ｆの
側面に２本の長円環状に形成された溝形鋼１ｄ，１ｅ
を、所要の間隔を離して固着して形成されており、溝形
鋼１ｄ，１ｅの間に後述する台車２のローラ２ａが転動
して走行する無端循環路１ｇが形成されている（図
３）。２は台車であり、正面から見て略二等辺三角形状
をしており、底辺に２個のローラ２ａ，２ａが軸２ｂ，
２ｂを介して取り付けられており、上述したようにロー
ラ２ａが無端循環路１ｇ内を走行する。台車２はレール
１に所要の間隔で複数取り付けられており、対峙する前
後の台車２，２間を連結軸３で連結している。即ち台車
２は連結軸３の両端に上記二等辺三角形の頂点付近で一
体に固着されている。

【００１４】連結軸３には自動車１１を載置するケージ
４がその長手方向の両端部で懸吊されている。各台車２
の上記二等辺三角形の中央部付近にモータ５が設けられ
ている。モータ５は直流またはインバータ駆動が好まし
く、ブレーキを内蔵している。モータの軸端にはピニオ
ン７が固着されている。レール１の外周には全周にわた
ってピンラック８が設けられており、上記ピニオン７と
噛合している。尚ピンラック８に代わって通常のラック
ギヤを用いてもよい。ピンラック８は多数の平行なピン
を一列に並べて植設したものである。

【００１５】隣り合う台車２，２はリンクチェーン６
（帯状部材）により互に連結されていて、相互に間隔が
一定に保たれている。９はトロリ線であり、レール１に
沿って設けられ、レール１から絶縁材を介して支持され
ている。トロリ線９は導体９ａとそれを覆う柔軟な絶縁
材９ｂとからなり、絶縁材９ｂは溝を有しており、図示
しない集電トロリが溝を開きつつ走行しうるようになっ
ている。１０は建屋の内壁を示している。１１は自動車
である。

【００１６】次に本実施形態の作用を説明する。垂直な
無端循環路１ｇを形成する１対のレール１に複数の台車
２を取りつけ、前後に対峙する台車２，２間を連結軸３
で連結し、連結軸にケージ４を懸吊させ、各台車２に取
り付けたモータ５により、台車２を駆動するとともに隣
り合う台車２はチェーン等の帯状部材６により連結し、
各台車２を一斉に動かすことによりケージ４を循環させ
る。駐車に備えて、空のケージ４を自動車１１の乗込位
置（通常は最下部）に待機させておき、自動車１１が乗
込むと、ケージ４を循環させて、次の空のケージ４を自
動車１１の乗込位置に待機させる。自動車１１を出庫す
るときには、ケージ４を循環させ、目的の自動車を載せ
たケージを自動車１１の乗込位置に移動する。

【００１７】各台車２に駆動モータ５が取り付けられて
いるので従来のように大きな駆動用スプロケットを要し
ない。従って駐車装置の間口寸法も２個のケージ４を横
に並べたよりもわずかに大きくすればよく、スペースの
節約になる。また隣り合う台車２，２間を連結するチェ
ーン等の帯状部材６は単に台車２間の相対間隔を保つだ
けなので、大きな強度を要さず、したがって従来のよう
な大きな特殊チェーンを要しない。またチェーンのスラ
ック・テークアップも要しない。さらに駆動装置のメン
テナンスは当該台車２を地上階まで循環させて行うこと
ができ高所作業が不要になる。また駆動装置の据付作業
も地上階でレール１に台車２を取り付け、順次送り込め
よいので安全かつ工数の削減になる。

【００１８】なお、図示していないがレール１に沿って
ケージ４の揺れ止めのための案内レールが設けられてい
る。

【００１９】なお、本発明は以上述べた実施形態に限定
されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変更が可能である。例えば、無端垂直循環路として
説明したが無端水平循環路としても良いし、他の形状で
あってもよい。またモータはリニヤモータであってもよ
い。この場合にはピニオンやラックは不要となる。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように本発明の循環式駐車装
置は、ケージを吊持する各台車に駆動モータを取付ける
と共に各台車を帯状部材で連結したので次のような効果
がある。 従来の垂直循環式駐車装置では、前後に設けた２条
の無端チェーンを介して１台のモータで駆動するため、
チェーンが大型になり、そのため上部に設けた駆動用チ
ェーンスプロケットの径も大きくなり、駆動時の騒音や
振動も大きいが、本発明ではケージを吊る台車は個々に
駆動モータを有しているので、それぞれの馬力も小さく
小型化でき、騒音や振動が小さい。 小型車用、中型車用、大型車用の３つの標準駆動ユ
ニットを用意すれば収容台数に無関係に全ての要求仕様
に対応できるので著しいコストダウンが可能となる。 先に述べたように大きな駆動用チェーンスプロケッ
トが不要なので、間口寸法もケージ２台を横に並べたよ
りもわずかに大きくすればよく、駐車装置の設置スペー
スが節約できる。 駆動装置のメンテナンスは台車を地上階まで循環さ
せて行えばよいので高所作業がほとんど必要無くなり、
安全性が向上する。 台車を地上階でレールに取り付け、順次送り込んで
行けるので作業性と安全性が向上する。 台車間を連結するチェーン等の帯状部材は、単に台
車間の相対間隔を維持するためだけに使用されているの
で、伸びに対する対策（スラック．テークアップ等）が
不要となり、構造がシンプルになり、コストダウンが可
能になる。 レールとピンラックまたはラックギヤを組合わせた
定尺物を製作しておき、工事現場では単に継ぎ合せれば
よいので他の工事現場との相互利用を図ることができ生
産管理上も有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の循環式駐車装置の正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視平面図である。

【図３】図２の部分拡大図である。

【図４】従来の垂直循環式駐車装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ レール ２ 台車 ２ａ ローラ ３ 連結軸 ４ ケージ ５ モータ ６ リンクチェーン（帯状部材） ７ ピニオン ８ ピンラック ９ トロリ線 １１ 自動車

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端循環路を形成する同形状の２個のレ
   ールを前後に対峙して設け、ローラを有し、上記レール
   に沿って走行する台車を所要の間隔で複数取り付け、前
   後に対峙する台車を連結軸で連結し、該連結軸に自動車
   を載置するケージを懸吊してなり、各台車には台車を走
   行駆動するモータが取り付けられているとともに、隣り
   合う台車は帯状部材により互に連結されている循環式駐
   車装置。
2. 【請求項２】 上記無端循環路を形成するレールは、垂
   直方向に伸びる２個の直線部の上、下端を半円部により
   連結して構成されている請求項１記載の循環式駐車装
   置。
3. 【請求項３】 台車の走行駆動は、モータ軸に設けられ
   たピニオンと、レールに沿って設けられたピンラックと
   を噛合させて行うように構成した請求項１または請求項
   ２記載の循環式駐車装置。
4. 【請求項４】 台車の走行駆動は、モータ軸に設けられ
   たピニオンと、レールに沿って設けられたラックギアと
   を噛合させて行うように構成した請求項１または請求項
   ２記載の循環式駐車装置。
5. 【請求項５】 モータへの給電は、レールに沿って設け
   られたトロリ線から、台車に設けられた集電トロリを経
   て行われる請求項１ないし請求項４記載の循環式駐車装
   置。