JPH09202447A - フイルムカートリッジ用部品の供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形機で成形されたフイルムカートリッジ用部
品を、クリーンに維持した状態で組立機に対し自動的か
つ効率的に搬送供給するとともに、汎用性に優れたフイ
ルムカートリッジ用部品の供給装置を提供すること。 【解決手段】射出成形機１２から導出されたキャップ部
材１４を第１および第２ライン１８、２０に選択的に振
り分ける投入機構２２と、この第１および第２ライン１
８、２０に投入された前記キャップ部材１４を渦状のエ
アー流によって搬送するための渦流発生機構２４と、こ
の第１および第２ライン１８、２０の出口側に配置さ
れ、前記キャップ部材１４を前記組立機１６の第１およ
び第２ホッパー２６、２８に対して選択的に振り分ける
分配機構３０とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、成形機で成形され
たフイルムカートリッジ用部品を、クリーンに維持した
状態で組立機に自動的に搬送供給するためのフイルムカ
ートリッジ用部品の供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、種々のフイルムを収容するフ
イルムカートリッジは、筒状の容器とこの容器の開口部
を開閉するためのキャップ部材とを備えている。この容
器およびキャップ部材（以下、フイルムカートリッジ用
部品という）は、射出成形や圧空成形等の成形工程で成
形された後、カートリッジ組立工程、巻込工程および包
装工程に順次移送されることにより、フイルムカートリ
ッジが得られている。

【０００３】ところで、上記のフイルムカートリッジで
は、所望のクリーン性を維持するために、カートリッジ
組立工程、巻込工程および包装工程におけるクリーン度
を上げる工夫が施されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、成形工
程で成形されたフイルムカートリッジ用部品をカートリ
ッジ組立工程に搬送供給する際に、フイルムカートリッ
ジ用部品に付着したダストや磨耗屑等が前記カートリッ
ジ組立工程に持ち込まれてしまい、所望のクリーン度を
確保することができないという問題が指摘されている。
特に、ＡＰＳ（Advanced photo System ）用フイルムの
ように、磁気記録性能を維持する必要がある場合、フイ
ルムカートリッジ内にダストが存在することは極力避け
なければならない。

【０００５】そこで、特開平３−２５９８１９号公報に
開示されているように、成形加工装置と仕上げ加工装置
との間に、吸引エアーの流れによって成形品を吸引搬送
するホースが配設されたエアー搬送装置が知られてお
り、この技術をフイルムカートリッジ用部品の搬送作業
に使用することが考えられている。

【０００６】ところが、成形工程である成形機からカー
トリッジ組立工程である組立機に、上記の従来技術のよ
うに単一のホースでフイルムカートリッジ用部品を供給
しようとすると、複数の前記フイルムカートリッジ用部
品を迅速に搬送することが困難である。さらに、成形機
と組立機において、それぞれの作業時間に差があるた
め、成形機から組立機にフイルムカートリッジ用部品を
効率的に供給することができず、しかも仕様の変更等に
容易に対応することができないという問題がある。

【０００７】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、成形機で成形されたフイルムカートリッジ用部品
を、クリーンに維持した状態で組立機に対し自動的かつ
効率的に搬送供給するとともに、汎用性に優れたフイル
ムカートリッジ用部品の供給装置を提供することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、成形機から導出されたフイルムカート
リッジ用部品が第１および第２ラインに選択的に振り分
けられた後、渦状のエアー流に乗って前記第１および第
２ラインを搬送される。そして、フイルムカートリッジ
用部品は、第１および第２ラインの出口側に配置された
分配機構を介し、第１および第２部品導入部から組立機
側に供給される。このため、フイルムカートリッジ用部
品は、成形機から組立機に搬送される途上で第１および
第２ラインを構成する管体の内壁面に接触することがな
く、ダストや磨耗屑等が前記組立機側に持ち込まれるこ
とがない。

【０００９】しかも、成形機と組立機とが二つのライン
で連結されている。このため、複数のフイルムカートリ
ッジ用部品を組立機側に迅速に送り出すことが可能にな
り、さらに成形機と組立機とにおけるそれぞれの作業時
間に差が生じても、あるいは仕様の変更等が発生して
も、容易に対応することができ、効率的なフイルムカー
トリッジ用部品の供給作業が可能になる。

【００１０】また、フイルムカートリッジ用部品が、楕
円形状でかつローレットが形成されたキャップ部材を有
している。これにより、ローレット同士が、またはこの
ローレットが他の部材と接触してダストや磨耗屑が発生
することを確実に阻止するとともに、その楕円形状によ
り渦状のエアー流に乗って一層迅速かつ円滑に組立機側
に搬送されることになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態に係る
フイルムカートリッジ用部品の供給装置１０の概略斜視
説明図である。この供給装置１０は、射出成形機１２で
成形されたキャップ部材（フイルムカートリッジ用部
品）１４を組立機１６に搬送供給するものであり、この
キャップ部材１４は、楕円形状でかつローレット１４ａ
が形成されている。

【００１２】供給装置１０は、射出成形機１２から導出
されたキャップ部材１４を第１および第２ライン１８、
２０に選択的に振り分ける投入機構２２と、この第１お
よび第２ライン１８、２０に投入された前記キャップ部
材１４を渦状のエアー流によって搬送するための渦流発
生機構２４と、この第１および第２ライン１８、２０の
出口側に配置され、前記キャップ部材１４を前記組立機
１６側の第１および第２ホッパー（部品導入部）２６、
２８に対して選択的に振り分ける分配機構３０とを備え
る。

【００１３】投入機構２２は、射出成形機１２の成形品
搬出口１２ａに連結される搬出コンベア３４と、前記搬
出コンベア３４に搬送方向を交差させて連結される投入
コンベア３６と、前記投入コンベア３６上にシリンダ３
８を介して揺動自在に設けられる第１および第２ガイド
板４０、４２とを備える。

【００１４】第１および第２ライン１８、２０は、例え
ば、直径が６５ｍｍに設定された第１および第２管体４
４、４６を備え、この第１および第２管体４４、４６の
入口側には、投入機構２２から投入されるキャップ部材
１４を受け入れるためにロート状の第１および第２受け
入れ部材４８、５０が装着される。第１および第２管体
４４、４６の出口側には、渦流発生機構２４を構成する
第１および第２渦流ユニット５２、５４が接続される。

【００１５】第１および第２渦流ユニット５２、５４
は、例えば、直径が５０ｍｍに設定された第１および第
２吸引管体５６、５８を介してブロアや真空ポンプ等の
吸引ユニット６０に連通するとともに、前記第１および
第２吸引管体５６、５８に第１および第２バルブ６１
ａ、６１ｂが介装されている。この第１および第２渦流
ユニット５２、５４の下端部には、キャップ部材１４を
自重落下させるための第１および第２排出口６２、６４
が形成される。

【００１６】分配機構３０は、第１および第２排出口６
２、６４の下方に配置される分配コンベア６６と、前記
分配コンベア６６上に配設される固定ガイド板６８と、
シリンダ７０を介して揺動自在な可動ガイド板７２と、
前記可動ガイド板７２が、図１中、実線で示す位置に配
置された際にキャップ部材１４を第１ホッパー２６に案
内する第１案内部材７４と、該可動ガイド板７２が、図
１中、二点鎖線で示す位置に配置された際に前記キャッ
プ部材１４を第２ホッパー２８に案内する第２案内部材
７６とを備える。

【００１７】第１および第２ホッパー２６、２８は、そ
れぞれ所定量のキャップ部材１４を一旦収容して組立機
１６に送り出す機能を有しており、所定量の前記キャッ
プ部材１４が充填されたことを検出するために、第１お
よび第２センサ７８、８０がそれぞれ所定の高さ位置に
設置されている。

【００１８】このように構成される供給装置１０の動作
について、以下に説明する。

【００１９】先ず、射出成形機１２により所定数のキャ
ップ部材１４が成形された後、このキャップ部材１４
は、投入機構２２を構成する搬出コンベア３４を介して
投入コンベア３６に搬送される。この投入コンベア３６
では、シリンダ３８の作用下に第１および第２ガイド板
４０、４２が所望の角度位置に位置決めされており、こ
の第１および第２ガイド板４０、４２が、例えば、図１
中、実線で示す位置に配置されていると、キャップ部材
１４が第１受け入れ部材４８から第１管体４４内に投入
される。

【００２０】第１ライン１８では、吸引ユニット６０の
駆動作用下に第１バルブ６１ａを介して第１吸引管体５
６内のエアーが吸引されるため、第１渦流ユニット５２
を介して第１管体４４内に渦流が発生する。従って、第
１管体４４内に投入されたキャップ部材１４は、前記渦
流に乗って第１渦流ユニット５２内に導入され、その自
重により第１排出口６２から分配機構３０を構成する分
配コンベア６６上に送り出される。

【００２１】一方、シリンダ３８の作用下に第１および
第２ガイド板４０、４２が、図１中、二点鎖線で示す位
置に配置されるとともに、第２バルブ６１ｂが開成され
ると、吸引ユニット６０の作用下に第２吸引管体５８内
のエアーが吸引され、第２渦流ユニット５４を介して第
２管体４６内に渦流が発生する。このため、射出成形機
１２から排出されたキャップ部材１４は、投入機構２２
により第２受け入れ部材５０から第２管体４６内に投入
された後、この第２管体４６内の渦流に乗って第２渦流
ユニット５４に移送され、さらに分配コンベア６６上に
送り出される。

【００２２】この分配コンベア６６では、可動ガイド板
７２がシリンダ７０を介して、例えば、図１中、実線で
示す位置に配置されており、キャップ部材１４は、この
可動ガイド板７２に沿って第１案内部材７４に移送さ
れ、この第１案内部材７４から第１ホッパー２６内に搬
入される。そして、第１ホッパー２６の下部から組立機
１６側にキャップ部材１４が順次供給され、フイルムカ
ートリッジ組立作業が開始される。

【００２３】第１ホッパー２６内に所定量以上のキャッ
プ部材１４が搬入されたことが、第１センサ７８を介し
て検出されると、分配機構３０では、シリンダ７０を介
して可動ガイド板７２が、図１中、二点鎖線で示す位置
に配置される。このため、分配コンベア６６上に送り出
されたキャップ部材１４は、固定ガイド板６８に沿って
第２案内部材７６を介して第２ホッパー２８内に落下供
給される。

【００２４】第２ホッパー２８内に所定量以上のキャッ
プ部材１４が充填されていることが、第２センサ８０に
より検出されると、前記キャップ部材１４が第１ホッパ
ー２６上に供給される。そして、上記の動作が繰り返さ
れることにより、第１および第２ホッパー２６、２８に
キャップ部材１４が所定量ずつ供給されることになる。

【００２５】この場合、本実施形態では、射出成形機１
２から導出されたキャップ部材１４が、渦状のエアー流
に乗って第１および第２管体４４、４６内を搬送された
後、第１および第２ホッパー２６、２８を介して組立機
１６側に供給される。このため、キャップ部材１４は、
第１および第２管体４４、４６の内壁面に接触すること
がなく、射出成形機１２から組立機１６にダストや磨耗
屑等が持ち込まれることを確実に阻止することができ
る。

【００２６】さらに、射出成形機１２と組立機１６と
は、第１および第２ライン１８、２０で連結されてお
り、この第１および第２ライン１８、２０を介して複数
のキャップ部材１４を前記組立機１６側に効率的に送り
出すことが可能になる。しかも、キャップ部材１４は、
第１および第２ホッパー２６、２８内に所定量ずつ充填
されるため、射出成形機１２と組立機１６とにおいて、
それぞれの作業時間に差が生じても、あるいはこれらに
仕様の変更等が発生しても、容易に対応することができ
る。これにより、キャップ部材１４の供給作業が効率的
に遂行可能になるとともに、汎用性に優れるという効果
が得られる。

【００２７】また、キャップ部材１４は、楕円形状でか
つローレット１４ａが形成されている。従って、キャッ
プ部材１４を渦流を介して搬送することにより、前記キ
ャップ部材１４のローレット１４ａ同士が互いに接触し
たり、このローレット１４ａが第１および第２管体４
４、４６の内壁面と接触してダストや磨耗屑が発生する
ことがない。このため、特にＡＰＳ用フイルム等のよう
に、磁気記録性能を維持するための高いクリーン性が望
まれる場合にも有効に対応することができるという利点
がある。

【００２８】しかも、キャップ部材１４は、その楕円形
状により渦流に乗って迅速かつ円滑に組立機１６側に搬
送され、前記キャップ部材１４の供給作業が一層効率的
に遂行されるという効果がある。

【００２９】なお、本実施形態では、フイルムカートリ
ッジ用部品としてキャップ部材１４を用いて説明した
が、これに限定されるものではなく、例えば、このキャ
ップ部材１４が装着される筒状の容器を用いてもよい。
また、射出成形機１２に代替して圧空成形機等の種々の
成形機を使用することができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明に係るフイルムカートリッジ用部
品の供給装置では、フイルムカートリッジ用部品が渦状
のエアー流に乗って搬送されるため、このフイルムカー
トリッジ用部品が、成形機から組立機に搬送される途上
で第１および第２ラインを構成する管体内壁面に接触す
ることがなく、ダストや磨耗屑等が前記組立機側に持ち
込まれることを阻止できる。

【００３１】しかも、成形機と組立機とが二つのライン
で連結されている。このため、複数のフイルムカートリ
ッジ用部品を迅速に搬送することが可能になるととも
に、成形機の作業時間と組立機の作業時間とに差が生じ
ても、あるいはこれらに仕様の変更等が発生しても、容
易に対応することができ、汎用性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るフイルムカートリッジ
用部品の供給装置の概略斜視説明図である。

【符号の説明】

１０…供給装置 １２…射出成形機 １４…キャップ部材 １６…組立機 １８、２０…ライン ２２…投入機構 ２４…渦流発生機構 ２６、２８…ホッ
パー ３０…分配機構 ４０、４２…ガイ
ド板 ４４、４６…管体 ５２、５４…渦流
ユニット ５６、５８…吸引管体 ６０…吸引ユニッ
ト ６８…固定ガイド板 ７２…可動ガイド
板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】成形機で成形されたフイルムカートリッジ
   用部品を組立機に搬送供給するための供給装置であっ
   て、 前記成形機から導出された前記フイルムカートリッジ用
   部品を第１および第２ラインに選択的に振り分ける投入
   機構と、 前記第１および第２ラインに投入された前記フイルムカ
   ートリッジ用部品を、渦状のエアー流によって搬送する
   ための渦流発生機構と、 前記第１および第２ラインの出口側に配置され、前記フ
   イルムカートリッジ用部品を前記組立機側の第１および
   第２部品導入部に対して選択的に振り分ける分配機構
   と、 を備えることを特徴とするフイルムカートリッジ用部品
   の供給装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の供給装置において、前記フ
   イルムカートリッジ用部品は、楕円形状でかつローレッ
   トが形成されたキャップ部材を有することを特徴とする
   フイルムカートリッジ用部品の供給装置。