JPH09202380A - ディスクカートリッジなどの収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ ディスクカートリッジなどを片手で収納、
取り出しなどを行い易い、空間スペースを取らない開閉
機構を備えた収納ケースを提供する。 ［解決手段］ 収納物の掻き出しレバーを有する蓋と
函本体とを一定量摺動可能に嵌合させ、函本体内側に収
納物の収納位置と一定量掻き出した位置とで収納物を固
定できるバネ機構を備え、且つ、収納物が収納されてい
なくとも蓋が閉位置でロックされる機構を備えた収納ケ
ースにより、指一本の一往復（ストローク）運動にて収
納物を一定量収納ケースから突出せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［発明の属する技術分野］本発明は主とし
て光磁気ディスクカートリッジなどの可搬型収納用ケー
スに関するものであるが、カード型計算機、メモリーカ
ードなど略四角形を有し、携行時にケースに収納保護す
ることが望ましいカード型又は薄板状の電子製品などの
収納用途にも適用可能な収納ケースに関するものであ
る。

【０００２】［従来の技術］従来フロッピーディスク、
ＣＤ−ＲＯＭ、光磁気ディスクカートリッジなどの情報
記録媒体の収納用ケースは通常観音開き方式の開閉機構
を持ち、開閉にスペースを取ると同時に片手で媒体の取
り出し、収納が出来ないなど、コンピューターを操作し
乍ら扱うユーザーの使いやすさに対する配慮に欠けるも
のであった。

【０００３】この様な収納ケースは従来、カートリッジ
などを販売する為の入れ物として開発されたものであ
り、収納ケース厚みも内部に化粧用印刷物などを同封す
るため厚手に作られ、また、観音開きに開いて内部収納
カートリッジなどを露呈させる事ができるなど、店頭で
展示するなどには便利な様、それなりの考慮に基ずく設
計となっている為である。

【０００４】［発明が解決しようとする課題］本発明
は、この様な状況下で、記録媒体などの収納状態での携
行のし易さ、出し入れ操作のし易さを改良し、安価に生
産可能な収納ケースのデザインを提供することを目標と
するものである。

【０００５】［課題を解決するための手段］本発明は以
下の手段を有して構成される。 （イ）収納ケースの蓋（１）は収納カートリッジ（５
１）などを排出する方向、図２（１０）、及びその反対
側後部に側壁（２）を持たない。 （ロ）蓋（１）の両脇の２側壁（２）は、下函本体両脇
の側壁（１０２）外部に構成される嵌合用構造に外側か
ら嵌合させられる蓋側の嵌合用構造部（３）を有する。
この嵌合用構造は他の例と共に図４（イ）に断面拡大
図を示してある。 （ハ）蓋（１）は収納カートリッジ（５１）などを排出
する際に収納カートリッジ（５１）などの適当な部位
（図１、図３ではカートリッジ後縁）を引っ掛けて押し
出す為のレバー部（４）を有する。 （ニ）収納ケースの蓋（１）と下函本体（１０１）とは
嵌合された状態で排出方向に一定の規定量だけ摺動（ス
ライド）可能に構成されており、両者には該規定量だけ
スライドした位置で停止させる為のストッパー機構
（７）、及び（１０７）を有する。 （ホ）収納ケースの蓋（１）と下函本体（１０１）と
は、蓋（１）を閉じた状態で蓋（１）が摺動しない様に
保持する為の、軽いロック機構（５）、及び（１０５）
を各々に有する。 ロック機構の例は図４（ハ）に示
す。 （ヘ）収納ケースの下函（１０１）は、蓋（１）と同様
収納カートリッジ（５１）などの排出方向（１０）に壁
（１０２）を持たない。 （ト）下函（１０１）の両脇の側壁（１０２）の外部に
は、蓋（１）の嵌合用構造（３）と摺動可能に嵌合させ
る為の嵌合用構造部（１０３）を有する。 （チ）下函（１０１）の両脇の側壁（１０２）内部に
は、収納カートリッジ（５１）などが完全に収納された
状態、及び該規定量排出された状態で、排出側開口部か
ら収納物が落下しない程度の強さで収納物を固定する為
のバネ機構（１０６）、（１０６ａ）を有する。

【０００６】［発明の実施の形態］図１、及び図２に本
発明の一実施形態である３．５インチ規格型光磁気ディ
スクカートリッジ用の収納ケースの例を示す。 図１で
は（イ）が下函と相対的にスライド可能に構成された上
蓋であり、（ロ）は収納すべき３．５インチ光磁気ディ
スクカートリッジ、（ハ）に収納ケース本体を構成する
下函の概略構造を示す。 又、図２は蓋と下函本体とを
弾性的に嵌合させ、スライド可能に結合させた収納ケー
スの外観を示す。

【０００７】この様に構成される本発明による収納ケー
スは、既に明確な様に蓋（１）と下函（１０１）との２
部品のみから構成され、ケースとしての組立も、弾性的
に両部品を嵌合させるだけで完了するものである。

【０００８】図１（ロ）に例示した３．５インチ光磁気
ディスクカートリッジ（５１）を収納する場合、カート
リッジ（５１）をケース上部の開口部より差し込むだけ
で良い。 この時該規定量まで押し込むと図１（ハ）に
示す開口部側の一対のバネ機構（１０６ａ）が、図１
（ロ）に示すカートリッジのグリッパスロット（５２）
に噛み合って、その状態でカートリッジの落下防止機能
が作用する。 その後更に最終の閉位置まで押し込むと
一対の閉位置固定用バネ機構（１０６）が同様グリッパ
スロット（５２）に噛み合い、開口部側のバネ機構（１
０６ａ）の押さえ力と相まって、カートリッジが固定さ
れる。 この状態では蓋（１）の掻き出し用レバー
（４）がカートリッジの後部により移動を規制され、更
に蓋（１）自身の閉位置固定用ロック機構（５）及び
（１０５）の作用と相まって蓋（１）も閉位置に固定さ
れる。

【０００９】こうして収納されたカートリッジを排出さ
せる場合、指で図１及び図２に示される蓋（１）の操作
部（８）、又はを排出側にスライドさせてカートリッジ
（５１）を希望量だけ排出用レバー（４）の作用で押し
出し、その後蓋（１）を閉位置に戻すだけで良い。 希
望位置は該規定量、例えば３０ｍｍを超えない範囲で任
意である。この操作によりカートリッジ（５１）はグリ
ッパスロット（５２）部でのバネ機構（１０６）による
ロックが解除され、開口部側のバネ機構（１０６ａ）の
バネ圧のみで押さえられた状態で任意量スライドされた
分だけ排出口から突出する。 任意量が該規定量一杯の
場合開口部側バネ機構（１０６ａ）がグリッパスロット
（５２）と噛み合い、不慮の落下防止機構として作用す
る。蓋（１）を閉位置に戻す操作に於いては、蓋（１）
とカートリッジ（５１）との間に何ら個別の動きを妨げ
る障害は無いので、蓋（１）のみが、カートリッジを置
いて閉位置に戻ることとなり、ロック機構（５）、及び
（１０５）の作用に依り再び閉位置でロックされる。こ
うして、一本の指の一往復動作（ストローク）のみで、
収納されたカートリッジは排出方向（１０）外部に容易
に引き出せる量だけ突出する。

【００１０】以上の説明で明らかな様に、開口部側側面
内部の一対のバネ機構（１０６ａ）は閉位置でのバネ機
構（１０６）によるロックを外されたカートリッジ（５
１）が、操作時に滑り出して不慮の落下事故を起こす場
合に対処したものであり、この機構は無くても良い。
但しその場合は、収納位置ロック（１０６）を外された
カートリッジ（５１）の移動を規制する摺動抵抗も無く
なる為、ロックを蓋（１）の一ストロークで解除した後
は、排出口を下に向けるのみでカートリッジを取り出す
ことが出来る容易さを持つ半面、落下によるカートリッ
ジの破損、引いては記録情報の喪失などの危険を有する
こととなる。

【００１１】本発明の実施の形態に関して、幾つかの変
形が容易に考えられるが、以後示す例は何れも本発明の
範疇に属するものであり、本発明の別の実施形熊と考え
られるものである。これらについて、幾つかの例を挙げ
る。 （イ）蓋（１）内部に設けられる排出用レバー（４）
は、排出操作時に収納物を排出方向に案内し、蓋（１）
を戻す操作によって収納物が引き戻されないものであれ
ば良い。 収納物がカートリッジで、後縁を掻き出す場
合について例示したが、収納物の外形により、位置、形
状などは適宜決めることが出来る。 （ロ）蓋（１）と下函（１０１）とのスライド可能な嵌
合方法も種々考えられる。図１（イ）、（ハ）、及び図
３の（イ）、（ロ）に例示した単純噛み合わせ方式は嵌
合が浅い場合、蓋（１）にソリを生ずると嵌合部が離脱
し易い欠点もある。 嵌合部の剛性を高め、離脱し難く
した図４の（イ）の如き構造は側壁の厚みを要し、収納
ケースの幅の増加をもたらし、やや広幅のケースとなり
得る。本発明の趣旨は摺動可能に嵌合させることであ
り、嵌合方式は適宜定めれば良い。また例示したもの
（図１、図３）は蓋（１）の側壁（２）が下函（１０
１）の側壁（１０２）の外側にある場合であるが、これ
は下函の側壁（１０２）内部にバネ機構（１０６、１０
６ａ）が構成しやすい様に考慮したものであり、蓋の側
壁（２）を浅く構成してその下方にバネ機構が設置でき
るだけの下函側壁（１０２）の内面が確保される構造で
あれば、蓋（１）の側壁（２）が下函（１０１）の側壁
（１０２）の内側で嵌合させても良い。 （ハ）収納位置、又は蓋（１）の閉位置で収納物を固定
する下函側壁（１０２）内部のバネ機構（１０６）と、
排出口側の落下防止用バネ機構（１０６ａ）とは、図１
（ハ）、図４（ロ）に示した函本体と同一材料による一
体成形構造を持つものが、組立性、コストなどの点で望
ましいが、金属性バネなどをネジ止め、差し込みなどで
固定したものでも良いことは、本発明の趣旨から自明で
ある。また、例示した一体成形型のバネの形態もそのバ
ネ圧を適宜確保するため、固定用ヘッド部（１１６）、
弾性変形部（１２６））等は図４（ロ）にも示す通り、
用途に対応した設計が可能である。 閉位置固定用バネ
機構（１０６）と収納物の落下防止用バネ機構（１０６
ａ）は同じものである必要はない。 また、バネ機構に
より固定する収納物の部位は図１（ロ）の場合でも挿入
スロット（５３）などが利用可能であり、収納物の形熊
により決定されるものである。 （ニ）図２、及び図３（ハ）に示した収納ケースの外観
図では下函（１０１）の側壁（１０２）部のバネ機構
（１０６、１０６ａ）が露呈している例を示したが、側
壁（１０２）厚みの内側半分の厚みを用いて一体構成し
た片持ちバネ（１０６、１０６ａ）が収納物の収納時に
逃げられる空間を大きくしたのみの例であり、発明の本
質とは無関係であり、露呈部を閉じることは容易であ
る。 （ホ）閉位置での蓋（１）のロック構造、図４（ハ）
５、１０５もロック力、解除力、操作感などを考慮して
自由な位置に自由な設計が可能であることは論を待たな
い。同図４（ハ）右側の例は掻き出し板（４）の下部と
下函底に構成された突起（１０５’）にてロックする例
を示す。 （ヘ）蓋（１）の操作部（７）の目的は、蓋（１）を開
口方向にスライドさせることによって蓋（１）の閉位置
でのロック（５、１０５）を外し収納物を一定量押し出
す為の、指先の滑り防止である。 例示した図１のもの
は操作部に多数の凹凸を構成することにより指先との摩
擦を増加するものであるが、図３に示す様に蓋（１）の
後部覆い板（６）に、又は蓋（１）の後部覆い板（６）
と下函（１０１）の後部壁（１０４）との両方に部分的
な切り欠き（６’、１０４’）を作り、掻き出し板
（４）の一部を露呈させれば、掻き出し板（４）をじか
に押し出すことが出来るので、閉位置ロックが固い場合
にも外し易い構成とすることが可能である。

【００１２】［発明の効果］本発明は以上記述した構成
となっているため、指一本の一ストローク（往復運動）
動作で光磁気ディスクカートリッジなどの収納物を排出
口から一定量突出させる事が出来、従来の収納ケースの
様な両手で開かねばならぬ観音開き方式の収納ケースに
較べ、格段の収納、取り出し性の向上が計られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による３．５インチ光磁気ディスクカ
ートリッジの収納ケースの分解外観図。 （イ）上蓋 （ロ）光磁気ディスクカートリッジ （ハ）下函

【図２】 本発明による収納ケースを組み立てた状熊を
示す外観図。

【図３】 本発明による別の形態の収納ケースを組み立
てた状態を示す外観図。 （イ）上蓋 （ロ）下函 （ハ）組み立てケース

【図４】 本発明に用いられる機構の構造例を示す断面
図。 （イ）摺動可能嵌合機構の構造の例 （ロ）収納物固定用バネ機構の例 （ハ）蓋を閉位置に固定するロック機構の例

【符号の説明】

１ 可動蓋 ２ 蓋の側壁 ３ 蓋側の嵌合構造 ４ 収納物掻き出し板（レバー） ５ 蓋側の閉位置ロック機構 ６ 後部覆い板 ６’ 後部覆い板の切り欠き部 ７ 蓋側のストッパ機構 ８ 操作部 ８’ 補助操作部 ９ 装飾デザイン １０ 収納物の排出方向を示す ５１ ディスクカートリッジ ５２ グリッパスロット ５３ 挿入スロット ５４ シャッター １０１ 下函 １０２ 下函の側壁 １０３ 下函側の嵌合構造 １０４ 下函の後部壁 １０４’ 下函後部壁の切り欠き部 １０５ 下函側の蓋閉位置ロック機構 １０５’ 下函底に配置された蓋閉位置ロック機構 １０６ 収納物の収納位置固定用バネ機構 １０６ａ 収納物の落下防止用バネ機構 １０６’ 他の例のバネ機構 １１６、１１６’ バネ機構のヘッド部 １２６、１２６’ バネ機構の主弾性部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納物を排出する側に壁を持たない下
   函本体と、収納物の排出方向及び後部に壁を持たない蓋
   とが一定の規定量だけスライド（摺動）可能に組み立て
   られており、蓋の内側に、蓋のスライドと共に内部の収
   納物を掻き出す為の構造を有し、且つ、蓋が閉位置にあ
   る状態では蓋を排出方向にスライドさせる指の力で外れ
   る程度のロックが掛かる機構を備えており、これによ
   り、蓋を排出方向にスライドさせることによって該ロッ
   クを外し、収納物を掻き出せる様に構成した事を特徴と
   する、ディスクカートリッジなどの収納ケース。
2. 【請求項２】 請求項１に於いて、蓋と下函との嵌合
   は、嵌合用構造を有する蓋の両側壁が、嵌合受け用構造
   を有する下函の両側壁の外側に来る様配置して構成し、
   下函の両側壁内側に、収納物が最深部に収まった状熊で
   収納物を固定する為のバネ機構を構成したことを特徴と
   する、ディスクカートリッジなどの収納ケース。
3. 【請求項３】 請求項１に於いて、蓋と下函との嵌合
   は、嵌合用構造を有する蓋の両側壁が、嵌合受け用構造
   を有する下函の両側壁の外側に来る様配置して構成し、
   下函の両側壁内側に、収納物が規定量だけ掻き出された
   位置で収納物を固定する為のバネ機構を構成したことを
   特徴とする、ディスクカートリッジなどの収納ケース。
4. 【請求項４】 請求項２に於いて、バネ機構が下函の
   両側壁内側に下函と一体構造として設けられていること
   を特徴とする、ディスクカートリッジなどの収納ケー
   ス。
5. 【請求項５】 請求項３に於いて、バネ機構が下函の
   両側壁内側に下函と一体構造として設けられたことを特
   徴とする、ディスクカートリッジなどの収納ケース。