JPH09201997A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】印字スピードを遅くすることなく、確実に多
色印字が可能な印字装置を提供すること。 【解決手段】印字ヘッドの連続するドット印字素子を複
数列単位のグループ３２、３４に分割したサーマル印字
ヘッド２２を備える。前記複数列単位のグループごと
に、積層シート２の搬送方向Ｆに対して、複数ライン単
位のグループに分割したライン指定手段を備える。前記
サーマル印字ヘッドの複数列のグループと、前記複数ラ
インのライン指定手段とによって形成される複数の色指
定エリアＡ１〜Ａ６を備える。そして、複数の発色層６
ａ、６ｂが積層された前記積層シートを搬送方向に搬送
させながら積層シートに対し、ドット印字を施すもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特にサーマル印字
ヘッドを用いた多色印字に好適な印字装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、積層シートに発色を施す印字装置
としては、複数列のドット印字素子から構成される印字
ヘッドを備えるシリアルプリンタが知られている。この
種のシリアルプリンタでは、前記印字ヘッドのドット印
字素子に対し複数列の端から１列ずつ印加信号の必要性
を判定した上で、選択的に印加して積層シートに印字を
施すものであり、ドット印字素子と積層シートとの相対
位置を搬送方向へずらしながら積層シートへの書き込み
を行うものである。そして、積層シートに対し印字ヘッ
ドによって長く印加することにより積層シートは濃いめ
に、また印加を短くすることにより積層シートは薄め
に、各々印字されることになり、この積層シートに対す
る印加の長短によって発色の色合いを調整するようにな
っていた。

【０００３】しかしながら、従来のシリアルプリンタの
ような印字装置では、前述したように複数列のドット印
字素子に対し、１列ずつシリアルに印加する必要性の有
無を判定した上で印加するため時間が掛かり、必然的に
積層シートの相対位置のずらし、即ち、搬送方向への印
字スピードに影響がでるものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題に注目してなされたもので、印字スピードを遅く
することなく確実に多色印字が可能な印字装置を提供す
ることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に注
目してなされたものであって、複数の発色層が積層され
た積層シートを搬送方向に搬送させながら前記積層シー
トに対し、ドットを印字するドット印字素子が複数列か
ら成る印字ヘッドにて、印字を施す印字装置であって、
前記印字ヘッドの連続するドット印字素子を複数列単位
のグループに分割したサーマル印字ヘッドと、前記グル
ープごとに、前記積層シートの搬送方向に対して、複数
ライン単位のグループに分割したライン指定手段と、前
記サーマル印字ヘッドの複数列のグループと、前記複数
ラインのライン指定手段とにより形成される複数の色指
定エリアと、を備えることを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明に係る印字装置を図１ない
し図８に基づき説明する。なお、今後「列」及び「ライ
ン」というのは、図４に示すように、搬送方向を列方
向、搬送方向に交差する方向をライン方向と称する。

【０００７】本発明の印字装置には、積層シートとして
図１に示すようなラベル連続体２を使用する例を示す。
このラベル連続体２は、台紙４に、異なった色が複数の
層から形成されるラベル６が仮着された構成となってお
り、このラベル６は、例えば表面側が赤色の層６ａ、台
紙４に近い方が黒色の層６ｂとなっている。

【０００８】印字装置１０は、主に図２で示すように、
ＣＰＵ１２、ＲＯＭ１４、ＩＣカード１６、ＲＡＭ１
８、タッチパネル２０、サーマル印字ヘッド２２、ラベ
ル搬送用のモータ２４から構成される。

【０００９】ＣＰＵ１２は、接続されるＲＯＭ１４やＩ
Ｃカード１６などからの情報を処理する中央処理装置で
ある。

【００１０】ＲＯＭ１４には、ＣＰＵ１２を介して印字
や記憶手段への書き込み指示などの処理を行う各種プロ
グラムが格納されている。

【００１１】ＩＣカード１６は、後述するタッチパネル
２０から入力される、何列目の何ラインから商品名を出
力するといったレイアウトデータ、文字の種類を指定す
る印字パラメータや色を指定する色パラメータなどを格
納する「記憶手段」である。

【００１２】ＲＡＭ１８には、前記ＩＣカード１６から
読み出した前記印字パラメータを格納する印字パラメー
タエリア２８、色パラメータを格納する色パラメータエ
リア３０、そしてこれらのエリア２８、３０に格納され
たパラメータからラベル６に印字するイメージを作成す
る描画エリア２６などが備えられている。

【００１３】「入力装置」としてのタッチパネル２０
は、前記ＣＰＵ１２を介してＲＯＭ１４に格納された既
知のプログラム（図示せず）の働きにより、前記各種パ
ラメータを入力するための装置であり、順次、ライン方
向の開始位置、終了位置、色指定、及び濃度などの入力
指示が表示されると共に、前記指示に基づいて入力がで
きるようになっている。

【００１４】印字ヘッド２２としては、サーマル印字ヘ
ッドを採用し、主に図３に示すように、例えば６４０ド
ットの「列」から成り、１ドット目から連続して３２０
ドットまでをグループ化して第１のストローブ部３２、
そして、３２１ドット目から連続して６４０ドットまで
をグループ化して第２のストローブ部３４のように、複
数の「列」のグループに分けてあり、第１及び第２のス
トローブ部３２、３４ごとに、既知の手段により一括し
て印加できるようになっている。

【００１５】モータ２４は、ラベル連続体２を搬送方向
Ｆに搬送させるためのものである。

【００１６】このような本発明の印字装置１０で印字す
るラベル６の一例を図４に示す。このラベル６は、「お
すすめ米」が赤の白抜き文字、「７０％以上」、「３０
％以下」の文字を赤で表示し、他の文字は黒で表示して
ある。

【００１７】次に、図４に示すラベル６の印字レイアウ
トや色の設定処理の概略につき、図５に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。尚、ラベル６に表示する前記
「おすすめ米」などの文字は、本発明の要旨である印字
レイアウト指定や色指定に直接関係しないので、既知の
手段により予めＲＯＭ１４に格納してあるものとして説
明する。

【００１８】ステップＳ１０にて設定が終了か判定し、
設定が終了時には設定終了となる。未終了時には、ステ
ップＳ１１へ行く。

【００１９】ステップＳ１１では、印字レイアウトの設
定を行う。前記ラベル６のレイアウトにすべく、タッチ
パネル２０の入力指示に従い、「複数列単位のグルー
プ」ごとに設定を行う。この指示に従い、第１ストロー
ブ部３２の開始位置０ドット、終了位置１１２ドットの
「ライン指定」を入力する。

【００２０】ステップＳ１２では、タッチパネル２０よ
り入力された前記範囲（開始位置〜終了位置）のデータ
を、「記憶手段」としてのＩＣカード１６に書き込む。

【００２１】ステップＳ１３では、前記ラベル６の印字
レイアウトに合わせて色を赤に設定する。タッチパネル
２０へは、赤は１、黒は２といった表示を行うことによ
り、番号選択による色指定が可能である。

【００２２】ステップＳ１４では、前記色指定のデータ
をＩＣカード１６に書き込む。

【００２３】ステップＳ１５では、濃度を６０と設定入
力する。この濃度は、前記指定範囲の色の濃度設定であ
り、０〜９９の範囲で設定可能である。この設定された
濃度の数値は、印加時のストローブ時間として使用す
る。即ち、０から数値が大きくなるに従い、ストローブ
時間を長く印加するものであり、印加の時間が短いと濃
度は薄く、また印加の時間が長いと濃く、なるものであ
る。そして、濃度に対応したストローブ時間は、予め既
知の手段によりＲＡＭ１８などの記憶手段に記憶させて
おくものである。更に、ラベル６の表面側が赤色の層６
ａ、台紙４に近い方が黒色の層６ｂとなっていることと
相まって、黒色印字の場合は、赤色の層６ａを溶融して
通過する分、ストローブ時間が長く設定される。

【００２４】ステップＳ１６では、前記濃度のデータを
ＩＣカード１６に書き込む。

【００２５】上記のステップＳ１０からステップＳ１６
の設定処理は、以下設定が終了するまで繰り返される。

【００２６】ラベル６の印字フォーマットにすべく、前
記第１のストーロブ部３２の設定として、開始位置１１
３ドット、終了位置５９２ドット、色指定を黒、濃度９
９を入力する。

【００２７】第１のストーロブ部３２の設定が終了した
旨を応答すると、今度は次の「複数列単位のグループ」
である第２のストーロブ部３４の入力が指示されるの
で、開始位置１ドット、終了位置１１２ドット、色指定
赤、濃度指定６０を入力する。続けて、開始位置１１３
〜終了位置１９２ドット、色指定黒、濃度９９、そし
て、開始位置１９３〜終了位置４４８ドット、色指定
赤、濃度６０、更に、開始位置４４９〜終了位置５９２
ドット、色指定黒、濃度９９を入力する。

【００２８】上述のように、ステップＳ１０からステッ
プＳ１６を繰り返してタッチパネル２０より入力した前
記指定値は、「記憶手段」としてのＩＣカード１６に、
図６に示されるようなテーブル４０として記憶されるも
のである。このテーブル４０にて設定された設定値を印
字レイアウトイメージに展開すると、図７に示すよう
に、「複数列単位のグループ」である第１及び第２のス
トーロブ部３２、３４と、「複数ライン単位のグルー
プ」であるライン指定手段と、によって指定された複数
の「エリア」Ａ１〜Ａ６単位に色が指定されることにな
るものである。従って、図７のＬに示すように、１ライ
ン上に「黒」と「赤」の色指定が可能であり、この１ラ
イン上に複数の発色を可能としたことが本発明の大きな
特徴の一つである。

【００２９】次に、図８のフローチャートに基づき、本
発明の印字装置１０における印字処理を説明する。

【００３０】ステップＳ２１では、ＲＯＭ１４より「お
すすめ米」などの該当する文字データを読込む。

【００３１】ステップＳ２２では、ＩＣカード１６に記
憶されている前記テーブル４０から赤などの指定色を読
込む。

【００３２】ステップＳ２３では、前記テーブル４０の
濃度を読み込み、濃度に対応したストローブ時間をＲＡ
Ｍ１８より読み出して、第１、第２のストローブ部３
２、３４にセットする。

【００３３】ステップＳ２４では、第１、第２のストロ
ーブ部３２、３４の開始位置〜終了位置の範囲をカウン
タにセットする。

【００３４】ステップＳ２５では、１ライン分のデータ
を印字ヘッド２２へ転送する。

【００３５】ステップＳ２６では、第１及び第２のスト
ローブ部３２、３４への印加を同時にスタートする。こ
のとき、ラベル６の表面側が赤色の層６ａ、台紙４に近
い方が黒色の層６ｂとなっているので、黒色印字の場合
は、赤色印字よりストローブ時間が長く設定されてい
る。

【００３６】ステップＳ２７では、第１のストローブ部
３２の範囲が終了したかを判断し、未終了時はステップ
Ｓ２８へ、そして終了時はステップＳ２９へ行く。

【００３７】ステップＳ２８では、前記ＩＣカード１６
のテーブル４０より第１のストローブ部３２の、次の印
字範囲、印加時間、色指定などの印加条件を読み出して
セットする。

【００３８】ステップＳ２９では、第２のストローブ部
３４の範囲が終了したかを判断し、未終了時はステップ
Ｓ３０へ、そして終了時はステップＳ３１へ行く。

【００３９】ステップＳ３０では、前記ＩＣカード１６
のテーブル４０より第２のストローブ部３４の、次の印
字範囲、濃度、色指定などの印加条件を読み出してセッ
トする。

【００４０】ステップＳ３１では、第１及び第２のスト
ローブ部３２、３４の１ライン分の印加、即ち、ストロ
ーブ時間が終了するまで印加を続ける。

【００４１】ステップＳ３２では、モータ２４を駆動す
る。

【００４２】ステップＳ３３では、次のラインに位置決
めすべく、ラインカウンタをアップし、搬送方向Ｆへ１
ライン分ラベル連続体２を搬送する。

【００４３】ステップＳ３４では、第１及び第２のスト
ローブ部３２、３４の範囲カウンタを減算する。

【００４４】ステップＳ３５では、全ての印字範囲が終
了したかを判定し、未終了の場合は次のラインを印字す
べくステップステップＳ２５に行き、終了の場合は印字
処理を終了する。

【００４５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、複数列
のグループと複数ラインのグループとにより囲まれたエ
リアを色指定エリアに設定できるため、色指定エリアの
範囲がが容易に指定でき、しかも、色指定も容易で且つ
細かな範囲の色指定が可能である。更に、複数列の隣り
合った色指定エリアを別な色に指定すれば、１ラインの
中で別の色が印字できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明で使用する積層シートとしてのラベル連
続体の一例を示す斜視図

【図２】本発明に係る印字措置の電気回路のブロック図

【図３】本発明で使用するサーマル印字ヘッドの一例を
示す平面説明図

【図４】本発明の印字装置で出力するラベルの一例を示
す正面図

【図５】本発明の印字装置における設定処理の概略を示
すフローチャート

【図６】同、テーブルにおける設定状態を示す説明図

【図７】同、テーブルの設定値により展開したラベルイ
メージの説明図

【図８】同、印字処理の概略を示すフローチャート

【符号の説明】

Ｆ ラベル連続体２の搬送方向 ２ 積層シート（ラベル連続体） ４ 台紙 ６ ラベル ６ａ 赤色の層 ６ｂ 黒色の層 １０ 印字装置 １２ ＣＰＵ（中央処理装置） １４ ＲＯＭ １６ ＩＣカード（記憶手段） １８ ＲＡＭ ２０ タッチパネル（入力装置） ２２ サーマル印字ヘッド ２４ ラベル搬送用のモータ ２６ 描画エリア ２８ 印字パラメータエリア ３０ 色パラメータエリア ３２ 第１のストローブ部 ３４ 第２のストローブ部 ４０ テーブル Ａ１〜Ａ６ 色指定エリア

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の発色層が積層された積層シートを搬
   送方向に搬送させながら前記積層シートに対し、ドット
   を印字するドット印字素子が複数列から成る印字ヘッド
   にて、印字を施す印字装置であって、 前記印字ヘッドの連続するドット印字素子を複数列単位
   のグループに分割したサーマル印字ヘッドと、 前記グループごとに、前記積層シートの搬送方向に対し
   て、複数ライン単位のグループに分割したライン指定手
   段と、 前記サーマル印字ヘッドの複数列のグループと、前記複
   数ラインのライン指定手段とにより形成される複数の色
   指定エリアと、を備えることを特徴とする印字装置。
2. 【請求項２】前記色指定エリアごとに、濃度が指定可能
   となっていることを特徴とする請求項１記載の印字装
   置。
3. 【請求項３】前記色指定エリアの濃度は、通電時間に変
   換されることを特徴とする請求項１または２記載の印字
   装置。
4. 【請求項４】前記サーマル印字ヘッドは、複数列のグル
   ープごと且つ１ラインごとに、同時に印加を開始するこ
   とを特徴とする請求項１記載の印字装置。