JPH09199743A - 太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池及びその製造方法

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JPH09199743A
JPH09199743A JP8009441A JP944196A JPH09199743A JP H09199743 A JPH09199743 A JP H09199743A JP 8009441 A JP8009441 A JP 8009441A JP 944196 A JP944196 A JP 944196A JP H09199743 A JPH09199743 A JP H09199743A
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JP
Japan
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semiconductor layer
solar cell
microcrystals
type semiconductor
conductivity type
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Application number
JP8009441A
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English (en)
Inventor
Nagayasu Yamagishi
長保 山岸
Takashi Ueda
孝 上田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

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  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成材料によらず、優れた変換効率を有する
太陽電池を提供する。 【解決手段】 第1導電型半導体基板10上に、この第
1導電型半導体基板10の上側に設けられた第1導電型
半導体層12と、この第1導電型半導体層12上に設け
られたアンドープ半導体層16と、このアンドープ半導
体層16上に設けられた第2導電型半導体層18とを具
えている。アンドープ半導体中には、埋め込み形成され
た第1または第2導電型の、柱状の微結晶14を、複数
個具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、太陽電池及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池及びその作製技術としては、例
えば文献(アドバンスト エレクトニクス シリーズI
−III、太陽エネルギー工学、p.21,培風館、1
994年)に開示されたものがある。
【0003】従来の文献に開示されている太陽電池の概
略構成を図5に示す。図5は、Siウエハ50を用いた
接合型太陽電池の断面図である。
【0004】n形半導体層52側から光が入射すると、
pn接合の界面に電子および正孔が生成される。このた
め、接合部に形成されている拡散電位差に起因する電界
によって、電子は表面(n形半導体層52側)へ引き寄
せられ、一方、正孔は裏面(p形半導体層50側)へ引
き寄せられる。このとき、太陽電池の表面と裏面との間
に起電力が発生するので、太陽電池の表面と裏面との間
に外部抵抗(RL )58を接続することによって、p形
半導体層50からn形半導体層52へ向かって光電流
(Iph)が流れて電力として取り出される。
【0005】また、従来は文献に開示されているSiウ
エハの代わりに、高い変換効率を得るために、構成材料
としてGaAsとかInPとかが使用されている。
【0006】また、製造コストを安くするために、Ga
AsやInPの代わりに、アモルファスシリコン(a−
Si)などの材料も使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たいずれの構成材料を用いた太陽電池であっても以下に
述べるような共通する課題がある。
【0008】太陽電池の起電力(開放電圧VOC)は、
使用される太陽電池の構成材料、ここでは半導体材料に
よってほぼ決まる。
【0009】また、太陽電池のpn接合の界面或いは
表面及び裏面での再結合によって外部に取り出すことの
できる光電流(Iph)が制限される。このため、太陽電
池の性能が著しく劣化する。
【0010】更に、n型またはp型半導体層を形成す
る際に、それぞれの層の結晶構造に欠陥が生じた場合、
キャリアの拡散長が短くなったり、キャリアの寿命が短
くなり、およびキャリアが消失してしまうという問題が
ある。この結果、光によって生成したキャリアをpn接
合の界面で有効に捕集することができなくなり、その結
果、太陽電池の性能劣化の原因ともなっていた。
【0011】そこで、使用する構成材料によらず、優れ
た変換効率を有する太陽電池及びその製造方法の出現が
望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】この第1発明の太陽電池
によれば、第1導電型半導体層と、この第1導電型半導
体の上側に設けられたアンドープ半導体層と、アンドー
プ半導体層の上側に設けられた第2導電型半導体層とを
具える太陽電池において、アンドープ半導体層中に、埋
め込み形成されている第1または第2導電型の柱状の微
結晶を、複数個具えていることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、アンドープ半導体層中
に、第1または第2導電型の微結晶を複数個埋め込んだ
構造となっているので、第1導電型及び第2導電型半導
体層との接合部の、すなわちキャリア密度で決定される
接合厚みを従来の空乏層幅Wとするとき、この発明で
は、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間の
接合部の空乏層の幅Wは、従来の幅Wに、接合部に垂直
方向の柱状の微結晶の大きさ(高さ)(h)分だけ加算
されたW+hとなる。従って、太陽電池に光が入射した
場合、太陽電池は実効的に空乏層幅(W+h)が増大す
ることになり、その結果、、スペクトル応答が改善さ
れ、よって変換効率(ここで、変換効率とは、入力光パ
ワーに対する最大出力電力との比を百分率で表したもの
をいう。)を高めることが可能となる。
【0014】また、第1発明の実施に当たっては、好ま
しくは、微結晶には深いエネルギー準位を有する不純物
をドープピングするのが好適である。微結晶中に、深い
エネルギー準位を有する不純物がドープされた場合、こ
の導入された深いエネルギー準位を介したマルチフォト
ン過程(ここで、マルチフォトン過程とは、2個以上の
光子(フォトン)が関与する遷移過程をいう。)によっ
て、長波長光が微結晶に吸収される。このため、光吸収
が起こった分、太陽電池の光電流に寄与して太陽電池の
変換効率を増大させる。
【0015】また、第2発明では、第1導電型半導体層
と、該第1導電型半導体層の上側に設けられた第2導電
型半導体層とを具える太陽電池において、第1または第
2導電型半導体層中に、埋め込み形成されている第1ま
たは第2導電型の、柱状の微結晶を、複数個具えている
ことを特徴とする。
【0016】このため、第1導電型半導体層または第2
導電型半導体層中に柱状の微結晶を埋め込んだ構造の太
陽電池の場合であっても、上述した第1発明のときと同
様に、空乏層幅を広げることができるので、太陽電池の
変換効率を高めることができる。
【0017】また、第3発明では、第1導電型半導体基
板の上側に、第1導電型半導体層、アンドープ半導体層
及び第2導電型半導体層を順次成長させて太陽電池を製
造するに当たり、第1導電型半導体層の上側にドロップ
レットエピタキシャル法を用いて、成長させるべき柱状
の微結晶の導電型を決める不純物をドーピングしなが
ら、当該微結晶を成長させる工程と、第1導電型半導体
層の上側に、微結晶を埋込むようにして、アンドープ半
導体層を成長させる工程とを含むことを特徴とする。
【0018】このように、ドロップレットエピタキシャ
ル法を用いて、成長させるべき柱状の微結晶の導電型を
決める不純物をドーピングしながら、第1導電型半導体
層の上側に柱状の微結晶を成長させるので、第1または
第2導電型の、柱状の微結晶を、アンドープ半導体層中
に所望の生成密度で埋込み形成できる。
【0019】また、柱状の微結晶の成長と成長しつつあ
る当該微結晶中の不純物ドーピングとを同時に一回の工
程によって行うことができる。従って、従来の工程数を
あまり増加させずに、柱状の微結晶を成長させることが
可能となる。
【0020】また、第3発明では、好ましくは、この柱
状の微結晶中に、深いエネルギー準位を有する不純物を
ドーピングするのが好適である。深いエネルギー準位の
不純物をドーピングする際も導電型を決める不純物のド
ーピングと同時に行うので、工程数を増加させることは
ない。
【0021】また、第4発明では、第1導電型半導体基
板の上側に、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体
層を順次成長させて太陽電池を製造するに当たり、第1
導電型半導体層の上側にドロップレットエピタキシャル
法を用いて、成長させるべき柱状の微結晶の導電型を決
める不純物をドーピングしながら、当該微結晶を成長さ
せる工程と、第1導電型半導体層の上側に、この微結晶
を埋め込むようにして、第2導電型半導体層を成長させ
る工程とを含むことを特徴とする。
【0022】第4発明においても、第3発明と同様に第
1または第2導電型の、柱状の微結晶を、アンドープ半
導体層中に所望の生成密度で埋込み形成が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
太陽電池、特にGaAs材料を用いた接合型太陽電池の
構造およびその製造方法の実施形態について説明する。
尚、図1〜図4は、この発明が理解できる程度に各構成
成分の形状、大きさ及び配置関係を概略的に示してある
にすぎない。
【0024】[pin接合型太陽電池の構造]まず、図
1を参照して、pin接合型太陽電池の構造につき説明
する。尚、図1は、pin接合型太陽電池の概略構造を
説明するための斜視図である。
【0025】pin接合型太陽電池は、第1導電型半導
体基板10と、この第1導電型半導体基板10の上側に
設けられた第1導電型半導体層12と、第1導電型半導
体層12上に設けられたアンドープ半導体層16と、こ
のアンドープ半導体層16上に設けられた第2導電型半
導体層18とを具えている。また、アンドープ半導体層
16中には、埋め込み形成されている第1導電型の、柱
状の微結晶14を具えている。尚、この実施形態では、
以下、第1導電型半導体基板10をn型GaAs基板、
第1導電型半導体層12をn型GaAs層、アンドープ
半導体層12をアンドープGaAs層(i層ともい
う。)、第2導電型半導体層16をp型GaAs層、お
よび微結晶をn型微結晶(柱状微結晶ともいう。)と称
する。
【0026】このpin接合型太陽電池は、i層16中
に、埋め込み形成されているn型の微結晶14を、複数
個具えている(図1では、n型微結晶14を点線で示
す。)。
【0027】この実施形態では、n型微結晶14を、n
型GaAs層12側に接合して成長させた例を示してあ
るが、このn型微結晶14をn型GaAs層12から離
間させてi層16に埋め込んであっても良い。また、図
1に示す例では、n型微結晶14の形状を円状にしてあ
るが、なんらこの形状に限定されず、円状以外の柱状
(凸状を含む)の形状であっても良い。
【0028】また、この実施形態では、柱状微結晶14
にn型の不純物をドープした例を示してあるが、下地の
n型GaAs基板10の代わりに、p型GaAs基板を
用いた場合には、柱状微結晶14にp型の不純物をドー
ピングするのが良い。
【0029】このように、i層16中に柱状の微結晶1
4を埋込むことによって、pin接合部の領域は、従来
のキャリア密度で決定される接合部の厚み(欠乏層幅)
をWとした場合、この実施形態では接合に垂直な方向の
高さhを有する微結晶14が埋め込まれているため、微
結晶のある部分での空乏層幅はW+hとなる。このよう
に、空乏層幅が拡大されることによって、実効的に空乏
層幅が増大することになるので、光が接合部へ入射され
たときに生成されるキャリアを実質的に全て捕集するこ
とが可能となる。このため、太陽電池のスペクトル応答
が改善されて変換効率が増大する。
【0030】更に、柱状微結晶14に深いエネルギー準
位を有する不純物、例えば、鉄(Fe)またはクロム
(Cr)或いはバナジウム(V)などをドープさせるの
が好適である。深いエネルギー準位を有する不純物をド
ープさせることにより、マルチフォトン過程(マルチフ
ォトン過程とは、2個以上の光子(フォトン)が関与す
る遷移過程をいう。)による長波長側での光吸収が接合
部で起こり、この光吸収が太陽電池の光電流に寄与して
変換効率を増大させることができるいう利点もある。
【0031】また、pin接合型太陽電池のp型GaA
s層18の表面には、表面電極20が設けられており、
一方、n型GaAs基板10の裏面には、裏面電極22
が設けられいる。この表面電極20および裏面電極22
を用いて外部抵抗(図示せず)を接続することにより、
太陽電池の外部に電流(光電流)が流れ電力として取り
出すことができる。
【0032】[pin接合型太陽電池の製造方法]次
に、図2を参照して、pin接合型太陽電池の製造方法
につき説明する。
【0033】図2の(A)〜(E)は、製造工程図であ
って、各図は製造段階で得られる構造体をストライプ状
の表面電極に対し直交する方向に沿って切断したときの
断面切り口を示した図である。
【0034】n型GaAs基板10上にバッファ層(図
示せず)を形成する。このバッファ層は基板10の表面
を均一な結晶面にするために形成する。
【0035】このバッファ層上に、例えば気相成長法
(VPE)を用いて第1導電型半導体層(n型GaAs
層)12を成長させる(図2の(A))。このとき、n
型ドーパントとして例えばジシラン(Si24 )を用
いるのが良い。このようにして形成されたn型GaAs
層12の密度は、約2×1017/cm2 となる。尚、n
型GaAs層12をベース層とも称する。
【0036】次に、ドロップレットエピタキシー法を用
いて、微結晶14を形成する。そのため、反応炉内にト
リメチルガリウム(TMG)ガスを供給してn型GaA
s層12上にガリウム(Ga)液滴を形成する。その
後、アルシン(AsH3 )ガスを反応炉内に供給するこ
とにより、ガリウム(Ga)液滴が結晶化してGaAs
の微結晶14となる(図2の(B))。
【0037】このとき、微結晶14の体積は、供給する
ガス量に比例して変化する。また、微結晶14の直径
は、ほぼ成長温度によって決まる。例えば、成長温度が
550℃では微結晶の直径は0.1μm程度となり、ま
た、700℃では直径は1μm程度となる。また、微結
晶14の生成密度は、成長温度およびTMGガス供給速
度によって変化する。この出願に係る発明者らによれ
ば、生成密度は106 /cm2 程度から108 /cm2
程度まで変化することが実験的に確認されている。
【0038】例えば、基板温度を700℃とし、TMG
ガス供給速度を9.3×10-6モル(mol)/分とし
た場合、生成されたGaAsの微結晶14の直径は1μ
mとなり、生成密度(微結晶の生成密度)は7×105
/cm2 程度になる。また、柱状微結晶14の間隔は、
キャリアの拡散長と同じ長さまたは拡散長より短いのが
望ましい。なぜなら、このような間隔にすることによ
り、接合部での光吸収を効率的に行わせることができる
ためである。
【0039】また、柱状微結晶14を形成するとき、深
いエネルギー準位を有する不純物をドーピングするのが
好適である。この不純物としては、例えば鉄(Fe)と
かクロム(Cr)或いはバナジウム(V)等を用いて、
n型ドーパントのジシラン(Si24 )と同時にドー
ピングする。このような深いエネルギー準位の不純物が
微結晶にドーピングされたpin接合型太陽電池は、マ
ルチフォトン過程により長波長光を吸収して光電流に寄
与するため、変換効率が増大する。ここで長波長とは1
μm以上の波長をいう。
【0040】次に、n型GaAs層12の上側に、例え
ばVPE法を用いて微結晶を埋め込むようにして、アン
ドープGaAs層16を成長させる。n型微結晶14の
成長とアンドープGaAs層(i層ともいう。)16の
成長を交互に繰り返すにとによって、微結晶14をi層
16中に埋め込む(図2の(C))。
【0041】また、図2の(C)に示す構造体では、微
結晶14を等間隔に形成してあるが、微結晶14間の間
隔が異なっていても良い。
【0042】次に、i層16上に、例えばVPE法を用
いて第2導電型半導体層(ここでは、p型GaAs層)
18を成長させる(図2の(D))。このときのp型G
aAs層の生成密度を約4×1018/cm2 とする。
尚、p型GaAs層18をエミッタ層とも称する。
【0043】次に、必要に応じてp型GaAs層上に窓
層とか反射防止膜とか(図示せず)を形成した後、p型
GaAs層18上に表面電極20を形成し、一方、n型
GaAs基板10の裏面に裏面電極22を形成する(図
2の(E))。上述した一連の工程を経てpin接合型
太陽電池が完成する。
【0044】このようにして、pin接合型太陽電池を
作製した場合、微結晶の大きさや生成密度によっては太
陽電池の表面に凹凸が形成されることになるので、テキ
スチャ構造(反射率の低減のために太陽電池の基板表面
を異方性エッチングによって逆ピラミット構造にす
る。)と同じ効果が得られる。このため、太陽電池の反
射率が低減して、変換効率が増大するという利点もあ
る。
【0045】[pn接合型太陽電池の構造]次に、図3
を参照して、pn接合型太陽電池の構造につき説明す
る。尚、図3は、pn接合型太陽電池の概略構造を説明
するための斜視図である。
【0046】このpn接合型太陽電池は、第1導電型半
導体基板30と、この第1導電型半導体基板30の上側
に設けられた第1導電型半導体層32と、第1導電型半
導体層32上に設けられた第2導電型半導体層36とを
具えている。また、第2導電型半導体層36中には、第
1導電型の、柱状の微結晶34を埋め込んである。尚、
この実施形態では、第1導電型半導体基板30をn型G
aAs基板、第1導電型半導体層32をn型GaAs
層、第2導電型半導体層36をp型GaAs層、および
第1導電型微結晶をn型微結晶(柱状微結晶ともい
う。)と称する。
【0047】このpn接合型太陽電池は、p型GaAs
層36中に、埋め込み形成されているn型微結晶34
を、複数個具えている(図3では微結晶34を点線で示
す。)。
【0048】また、この実施形態では、n型微結晶34
を、n型GaAs層32に接合させてp型GaAs層3
6に形成した例を示しているが、このn型微結晶34を
p型GaAs層36中に埋め込んで形成しても良い。ま
た、微結晶34をn型GaAs層32に埋め込んでも良
い。しかし、微結晶34をn型GaAs層32に埋め込
む場合は、微結晶34の不純物はp型ドーパントとす
る。
【0049】また、図3に示す例では、微結晶34の形
状を円状にしてあるが、なんらこの形状に限定されず、
円状以外の柱状(凸状を含む)の形状としても良い。
【0050】従って、従来のキャリア密度で決定される
接合部の厚み(欠乏層幅)をWとした場合、p型GaA
s層36中に柱状微結晶34を埋込むこの発明の構造に
よれば、接合部に垂直な方向の高さhの微結晶34が埋
め込まれているため、この微結晶34のところでの空乏
層幅はW+hとなる。このように、空乏層幅が拡大され
ることにより、実効的に空乏層幅が増大することになる
ので、光が接合部へ入射されたとき生成されるキャリア
は実質的に全て捕集される。従って、太陽電池のスペク
トル応答が改善されて変換効率が増大する。
【0051】更に、n型微結晶34に深いエネルギー準
位を有する不純物、例えば、鉄(Fe)またはクロム
(Cr)或いはバナジウム(V)などをドープさせるこ
とにより、上述したpin接合型太陽電池で説明したと
同様にマルチフォトン過程による長波長側での光吸収が
pn接合部で起こり、太陽電池の光電流に寄与して変換
効率が増加するという利点がある。
【0052】また、pn接合型太陽電池は、p型GaA
s層38の表面には、表面電極38を設けてあり、一
方、n型GaAs基板30の裏面には、裏面電極40を
設けている。この表面電極38および裏面電極40を用
いて外部抵抗(図示せず)を接続することにより、太陽
電池の外部に電流(光電流)が流れ電力として取り出す
ことができる。
【0053】[pn接合型太陽電池の製造方法]次に、
図4を参照して、pn接合型太陽電池の製造方法につき
説明する。
【0054】図4の(A)〜(Dは、製造工程図であっ
て、各図は製造段階で得られる構造体をストライプ状の
表面電極に対し直交する方向に沿って切断したときの断
面切り口を示した図である。
【0055】n型GaAs基板30上にバッファ層(図
示せず)を形成する。このバッファ層は基板10の表面
を均一な結晶面にするために形成する。
【0056】このバッファ層上に、例えば気相成長法
(VPE)を用いて第1導電型半導体層(n型GaAs
層)32を成長させる(図4の(A))。このとき、n
型ドーパントとして例えばジシラン(Si24 )を用
いるのが良い。ここでは、n型GaAs層32の生成密
度を約2×1017/cm2 とする。
【0057】次に、ドロップレットエピタキシー法を用
いて、微結晶34を形成する。そのため、反応炉内にト
リメチルガリウム(TMG)ガスを供給し、n型GaA
s層32上にGa液滴を形成する。その後、アルシン
(AsH3 )ガスを供給することにより、ガリウム(G
a)液滴が結晶化してGaAsの微結晶34となる(図
4の(B))。
【0058】この微結晶34の体積は、供給ガス量に比
例して変化する。また、微結晶34の直径は、ほぼ成長
温度によって決まる。例えば、成長温度が550℃では
微結晶の直径は0.1μm程度になり、また、700℃
では直径は1μm程度になる。また、微結晶34の生成
密度は、成長温度およびTMGガス供給速度によって変
化する。この出願に係る発明者らによれば、生成密度は
106 /cm2 程度から108 /cm2 程度まで変化す
ることが実験的に確認されている。また、微結晶34の
高さは、pin接合型太陽電池の製造方法で既に説明し
たように数μmとする。
【0059】また、この微結晶34を形成するとき、深
いエネルギー準位を有する不純物をドーピングするのが
好適である。この不純物としては、例えば鉄(Fe)と
かクロム(Cr)或いはバナジウム(V)などを用い
て、n型ドーパントのジシラン(Si24 )と同時に
ドーピングする。このような深いエネルギー準位の不純
物が微結晶にドーピングされたpn接合型太陽電池は、
マルチフォトン過程により長波長光(ここでは1μm以
上)を吸収して光電流に寄与するため、変換効率が増大
する。
【0060】次に、n型GaAs層32の上側に、例え
ばVPE法を用いて微結晶34を埋め込むようにして、
p型GaAs層36を成長させる。尚、このとき、微結
晶34の成長とp型GaAs層36の成長を交互に繰り
返すにとにより、n型微結晶34をp型GaAs層36
中に埋め込み形成する(図4の(C))。
【0061】また、図4の(C)に示す構造体では、微
結晶34を等間隔に形成してあるが、微結晶34の間隔
が異なっていても良い。このようにして形成されたp型
GaAs層の生成密度を約4×1018/cm2 とする。
尚、p型GaAs層36をエミッタ層とも称する。
【0062】次に、p型GaAs層36上に表面電極3
8を形成し、基板30の裏面に裏面電極40を形成する
(図4の(D))。
【0063】次に、必要に応じてp型GaAs層36上
に窓層とか反射防止膜とかを形成しても良い(図示せ
ず)。上述した一連の工程を経てpn接合型太陽電池が
完成する。
【0064】上述した説明で明らかなように、pin接
合型太陽電池では、i層に微結晶を具え、また、pn接
合型太陽電池ではn型またはp型GaAs層中に、n型
またはp型微結晶を複数個具えることによって、太陽電
池の構成材料に制約されずに、起電力(開放電圧Voc
を大きくすることが可能になる。
【0065】また、太陽電池のpn接合の界面或いは表
面および裏面での再結合による光電流が制限される問題
も、i層中、或いはp型GaAs層中に、微結晶を設け
ることにより、光の吸収効率を高めるこができるため、
従来よりも優れた変換効率が得られる。また、製造工程
において、半導体結晶に欠陥が生じていても、微結晶を
設けて空乏層が広がる分、光によって生成したキャリア
を十分に捕集することができるので、従来に比べて太陽
電池の性能が向上する。
【0066】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の太陽電池によれば、アンドープ半導体層中に、第
1または第2導電型の、柱状の微結晶を複数個具えてい
る。このように、アンドープ半導体層中に、柱状の微結
晶を埋め込んであるため、接合部での光の吸収効率が高
まる。従って、従来の太陽電池のように構成材料によら
ずに変換効率を増大させることができるので、優れた太
陽電池を得ることができる。
【0067】また、微結晶に深いエネルギー準位の不純
物をドープピングすることによって、長波長光が微結晶
に吸収されるので、太陽電池の変換効率が増大する。
【0068】また、太陽電池の製造方法では、アンドー
プ半導体層中に、微結晶を埋め込み形成するとき、ドロ
ップレットエピタキシー法を用いる。このため、微結晶
の成長条件を制御することにより、微結晶を、所望の微
結晶の形状または大きさに形成することができる。ま
た、微結晶をアンドープ半導体層中に埋め込むことによ
って、太陽電池の光の入射面に凹凸が形成されにことに
なるので、表面テキスチャーが構成されたと同じことに
なり、従って、入射光側の表面での反射率を低減できる
ので、太陽電池の変換効率は更に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のpin接合型太陽電池の構造を説明
するための斜視図である。
【図2】(A)〜(E)は、pin接合型太陽電池の製
造工程図である。
【図3】この発明のpn接合型太陽電池の構造を説明す
るための斜視図である。
【図4】(A)〜(D)は、pn接合型太陽電池の製造
工程図である。
【図5】従来の太陽電池の構造を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
10、30:n型GaAs基板 12、32:n型GaAs層 14、34:柱状の微結晶 16:アンドープGaAs層 18、36:p型GaAs層 20、38:表面電極 22、40:裏面電極

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体層と、該第1導電型半
    導体の上側に設けられたアンドープ半導体層と、該アン
    ドープ半導体層の上側に設けられた第2導電型半導体層
    とを具える太陽電池において、 前記アンドープ半導体層中に、埋め込み形成されている
    第1または第2導電型の柱状の微結晶を、複数個具えて
    いることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の太陽電池において、 前記微結晶は、他に深いエネルギー準位を有する不純物
    がドープされていることを特徴とする太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の太陽電池において、 前記微結晶の間隔は、キャリアの拡散長以下にしてある
    ことを特徴とする太陽電池。
  4. 【請求項4】 第1導電型半導体層と、該第1導電型半
    導体層の上側に設けられた第2導電型半導体層とを具え
    る太陽電池において、 前記第1または第2導電型半導体層中に、埋め込み形成
    されている第1または第2導電型の柱状の微結晶を、複
    数個具えていることを特徴とする太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の太陽電池において、 前記微結晶は、深いエネルギー準位を有する不純物がド
    ープされていることを特徴とする太陽電池。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の太陽電池において、 前記微結晶の間隔は、キャリアの拡散長以下にしてある
    ことを特徴とする太陽電池。
  7. 【請求項7】 第1導電型半導体基板上側に、第1導電
    型半導体層、アンドープ半導体層及び第2導電型半導体
    層を順次成長させて太陽電池を製造するに当たり、 (a)前記第1導電型半導体層の上側にドロップレット
    エピタキシャル法を用いて、成長させるべき微結晶の導
    電型を決める不純物をドーピングしながら、当該微結晶
    を成長させる工程と、 (b)前記第1導電型半導体層の上側に、前記微結晶を
    埋込むようにして、前記アンドープ半導体層を成長させ
    る工程とを含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の太陽電池の製造方法に
    おいて、 前記(a)工程において、前記第1導電型半導体層上に
    アンドープ半導体層を形成した後、該アンドープ半導体
    層上に前記微結晶を成長させる工程を含むことを特徴と
    する太陽電池の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の太陽電池の製造方法に
    おいて、 前記微結晶には、深いエネルギー準位を有する不純物を
    ドーピングする工程を含むことを特徴とする太陽電池の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 第1導電型半導体基板上側に、第1導
    電型半導体層及び第2導電型半導体層を順次成長させて
    太陽電池を製造するに当たり、 (a)第1導電型半導体層の上側にドロップレットエピ
    タキシャル法を用いて、成長させるべき微結晶の導電型
    を決める不純物をドープピングしながら、微結晶を成長
    させる工程と、 (b)前記第1導電型半導体層の上側に、前記微結晶を
    埋め込むようにして、前記第2導電型半導体層を成長さ
    せる工程とを含むことを特徴とする太陽電池の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の太陽電池の製造方
    法において、前記(a)工程において、前記第1導電型
    半導体層上に第2半導体層を形成した後、該第2半導体
    層上に前記微結晶を成長させる工程を含むことを特徴と
    する太陽電池の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の太陽電池の製造方
    法において、前記微結晶には、深いエネルギー準位を有
    する不純物をドーピングする工程を含むことを特徴とす
    る太陽電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011530829A (ja) * 2008-08-11 2011-12-22 コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス 量子ドットナノワイヤーアレイを有する太陽電池及びその製造方法

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JP2011530829A (ja) * 2008-08-11 2011-12-22 コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス 量子ドットナノワイヤーアレイを有する太陽電池及びその製造方法

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