JPH09199074A - イオン注入器の排気システム - Google Patents

イオン注入器の排気システム

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JPH09199074A JP8334287A JP33428796A JPH09199074A JP H09199074 A JPH09199074 A JP H09199074A JP 8334287 A JP8334287 A JP 8334287A JP 33428796 A JP33428796 A JP 33428796A JP H09199074 A JPH09199074 A JP H09199074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ダクト内の副産物と排気ダクトに新たに
噴出される副産物との反応を抑えることで汚染物質によ
る排気ダクト内のコロナ放電発生をなくし排気ダクトの
焼失損傷を防止すること。 【解決手段】 イオン注入器10の内部とつながること
によりこのイオン注入器10内のガスを排出させ、か
つ、一定の動作信号に応じてこの排出動作を行なう排気
ポンプ12と、一端をこの排気ポンプ12に他端を外部
のメインダクト14に接続して排気ポンプ12から出力
される排出ガスを外部に導く排気ダクト16とからなる
イオン注入器の排気システムにおいて、排気ダクト16
に、排気ポンプ12を通して新たに排出される排気ガス
とすでに排気ダクト16内部に存在する排気ガス中の副
産物との反応による排気ダクト16内での汚染物発生を
抑制する汚染抑制手段20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入器の排
気システムに係り、詳しくは、イオン注入器の排気ダク
ト内での水分が形成されないようにしてコロナ放電現象
の発生を防止するイオン注入器の排気システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】まずイオン注入器について簡単に説明し
ておく。
【0003】イオン注入器は半導体製造過程においてド
ープ物質をイオン化しこれをビーム状にしてウェーハに
注入させるもので、ビームの大きさにより中電流イオン
注入器、大電流イオン注入器等がある。これらのイオン
注入器において、初期にはウェーハを一枚ずつ処理する
ウェーハトゥウェーハ方式がとられたが、近年ダブルウ
ェーハ加工室を有するイオン注入器が実用化され生産効
率の向上が図られている。
【0004】イオン注入器の一般的な構成は、ドープさ
れる不純物元素のイオンを生成するイオン注入ソース
部、イオンに必要なエネルギを与えるビームライン部、
ウェーハ加工室の気体圧力を調節し、またウェーハのロ
ーディング、アンローディングを行なうロードロック部
をも有するエンドステーション部とからなり、イオン注
入器の下部には、イオン注入工程が完了した後イオン注
入器内の残留ガスを排出させる排気システムが設置され
ている。
【0005】次に排気システムの従来例を説明する。
【0006】上記イオン注入器に用いられる排気システ
ムの従来例を図3に示す。イオン注入器10の内部とつ
ながるように排気ポンプ12が設置され、排気ポンプ1
2の排気出力をメインダクト14に導くため排気ダクト
16が排気ポンプ12に接続されている。排気ポンプ1
2の動作は所定の動作指示信号によって行われる。
【0007】排気ダクト16は高絶縁耐圧の絶縁物であ
るPVC( PolyvinylChloride:ポ
リ塩化ビニル)からなっている。これはイオン注入器1
0に印加される高電圧にも絶えられるようにするためで
あり、経時的にも一定の高絶縁耐圧が必要である。
【0008】なお、かかる排気システムを用いた一例に
は特開平5−6754公報記載のものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の排気システムに
おいて、イオン注入器10から排出される高温のガスと
既に排出されたガスに含まれていた副産物が冷えて排気
ダクト16の内壁に付着したものとは排気ダクト16内
で接触して反応するので高温ガスは凝縮しながら水分を
伴った副産物Fe+H2 O+(AsH3 +PH3 +BH
3 )を形成し得る。
【0010】この副産物のうちFe成分、H2 O成分と
これとの反応である次に示す反応式(1),(2)で生
成されるAs2 5 成分,P2 5 成分は排気ダクト1
6のPVCを汚染する物質である。
【0011】 2AsH3 +5H2 O=As2 5 +8H2 ↑ (1) 2PH3 +5H2 O=P2 5 +8H2 ↑ (2) すなわち、As2 5 成分、P2 5 成分は図4に示す
ように排気ダクト16の内壁に付着しその絶縁耐圧を低
下させる原因となる。絶縁耐圧が低下するとイオン注入
器10に印加される高電圧によりPVCが絶縁破壊し上
記排気ダクト16の内部でコロナ放電が誘発され得る。
【0012】かかるメカニズムにより発生する排気ダク
ト16の内部のコロナ放電現象はイオン注入器10の動
作状態に影響する可能性があり工程下にある半導体の品
質に少なからず悪影響をもたらすことになる。
【0013】また、コロナ放電の発生回数が増加しその
強さが増せば触媒役以外の副産物中の水素化合物が燃焼
し排気ダクト16を焼き切るおそれがあり副産物の噴出
による生産ラインの汚染や安全上の問題をもたらす可能
性がある。
【0014】これらの悪影響の発生要素はもとをただせ
ば、排気ポンプ12から発生し排気ダクト16の内部に
流入するFe成分、排気ダクト16のPVC材、排気ポ
ンプ12から新たに排出される高温の副産物と、すでに
排気ダクト16内に存在する低温の副産物との接触によ
る凝集現象で発生するH2 O成分の三者であるから、こ
れらのうちいずれかを排除すれば問題は発生しない。
【0015】しかし、排気ポンプ12を用いるかぎりF
e成分の発生は源泉的であり、排気ダクト16の材料と
してPVCを改めるのは現実的ではない。したがって、
上記のH2 O成分の発生をなくすことが最も必要かつ現
実的である。
【0016】本発明では排気ダクト16内でのH2 O成
分の発生を抑えた排気システムを提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、イオン注入器の内部とつながることによ
りこのイオン注入器内のガスを排出させ、かつ、一定の
動作信号に応じてこの排出動作を行なう排気ポンプと、
一端をこの排気ポンプに他端を外部のメインダクトに接
続して排気ポンプから出力される排出ガスを外部に導く
排気ダクトとからなるイオン注入器の排気システムにお
いて、排気ダクトに、排気ポンプを通して新たに排出さ
れる排気ガスとすでに排気ダクト内部に存在する排気ガ
ス中の副産物との反応による排気ダクト内での汚染物発
生を抑制する汚染抑制手段を設けた。
【0018】また、この汚染抑制手段は、排気ダクトの
内部とつながり高温の窒素ガスを排気ダクト内に吹き込
む窒素供給装置であることとした。
【0019】また、この窒素供給装置は、外部の窒素貯
蔵タンクから排気ダクトへ窒素ガスを導く窒素ガス供給
パイプと、この窒素ガス供給パイプの外周面の所定位置
に巻きつけられ窒素ガス供給パイプを通して排気ダクト
内に供給される窒素を所定の温度に加熱するヒータ部と
からなるものであることとした。
【0020】すなわち、汚染抑制手段である窒素供給装
置の作用により排気ダクト内に高温の窒素ガスを供給し
排気ダクト内でのH2O成分の発生をなくすものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
一形態を図面を用いて説明する。
【0022】図1は本発明によるイオン注入器の排気シ
ステムを示す構成図である。各構成およびそれらの機能
は、イオン注入器10の内部とつながることによりこの
イオン注入器10内のガスを排出させ、かつ、一定の動
作信号に応じてこの排出動作を行なう排気ポンプ12
と、一端をこの排気ポンプ12に他端を外部のメインダ
クト14に接続して排気ポンプ12から出力される排出
ガスを外部に導く排気ダクト16と、排気ダクト16の
内部とつながり高温の窒素ガスを排気16ダクト内に吹
き込む窒素供給装置20と、外部の窒素貯蔵タンク(図
示はしない)から排気ダクト16内へ窒素ガスN2 を導
く窒素ガス供給パイプ22と、この窒素ガス供給パイプ
22の外周面の所定位置に巻きつけられ窒素ガス供給パ
イプ22を通して排気ダクト16内に供給される窒素N
2 を所定の温度に加熱するヒータ部24とである。
【0023】動作を説明する。すでに図3において説明
した構成要素については基本的に同様の動作を行なう。
さらに、図1に示す構成においては、イオン注入器10
の残留ガスを排出するため排気ポンプ12を作動すると
きには、窒素供給装置20をも動作させる。すなわち排
気ダクト16内に窒素ガス供給パイプ22を通して窒素
ガスN2 を供給する。このとき、ヒータ部24により窒
素ガスN2 を所定の高温に加熱する。これにより排気ダ
クト16に吹き込まれた高温の窒素ガスN2 は排気ダク
ト16内の内壁にすでに存在する副産物を予熱する。
【0024】一方、排気ポンプ12から排気ダクト16
には新たにガスが排出されるが、その高温のガスは排気
ダクト16内にすでに存在する副産物が予熱されている
ので凝縮現象を起こさない。したがって、排気ダクト1
6内でのH2 O成分の発生が抑制される。この様子を図
2に示す。その結果H2 O成分と他の副産物であるAs
3 、PH3 との間で反応が生じず汚染物As2 5
2 5 の発生がない。よって、排気ダクト16の絶縁
耐力は低下しない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、排気ポンプの動作時に
汚染抑制手段が働き高温の窒素ガスが排気ダクト内に吹
き出されるので、すでに存在する副産物が熱せられ新た
に排出されるガスが凝縮現象を起こさない。よって汚染
原因であるH2 O成分の発生が抑えられ絶縁耐力低下を
伴う汚染を引き起こさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入器の排気システムを示す構
成図。
【図2】本発明に用いられる排気ダクトの内部に高温の
窒素ガスが吹き込まれた状態を説明する部分断面図。
【図3】従来のイオン注入器の排気システムを示す構成
図。
【図4】従来のイオン注入器の排気システムに用いられ
る排気ダクトの内部状態を説明する部分断面図。
【符号の説明】
10 イオン注入器 12 排気ポンプ 16 排気ダクト 20 窒素供給装置 22 窒素ガス供給パイプ 24 ヒータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朴 贊 佑 大韓民国京畿道水原市八達区現代アパート 103−304

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入器の内部とつながることによ
    り前記イオン注入器内のガスを排出させ、かつ、一定の
    動作信号に応じて前記ガスの排出動作を行なう排気ポン
    プと、一端を前記排気ポンプに他端を外部のメインダク
    トに接続して前記排気ポンプから出力される排出ガスを
    外部に導く排気ダクトとからなるイオン注入器の排気シ
    ステムにおいて、 前記排気ダクトに、前記排気ポンプを通して新たに排出
    される排気ガスとすでに前記排気ダクト内部に存在する
    排気ガス中の副産物との反応による前記排気ダクト内で
    の汚染物発生を抑制する汚染抑制手段を設けたことを特
    徴とするイオン注入器の排気システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイオン注入器の排気シス
    テムにおいて、 前記汚染抑制手段は、前記排気ダクトの内部とつながり
    高温の窒素ガスを前記排気ダクト内に吹き込む窒素供給
    装置であることを特徴とするイオン注入器の排気システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のイオン注入器の排気シス
    テムにおいて、 前記窒素供給装置は、外部の窒素貯蔵タンクから前記排
    気ダクトへ窒素ガスを導く窒素ガス供給パイプと、この
    窒素ガス供給パイプの外周面の所定位置に巻きつけられ
    上記窒素ガス供給パイプを通して上記排気ダクト内に供
    給される窒素を所定の温度に加熱するヒータ部とからな
    るものであることを特徴とするイオン注入器の排気シス
    テム。
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