JPH09198995A - 酸化物陰極を備えた電子管 - Google Patents

酸化物陰極を備えた電子管

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JPH09198995A
JPH09198995A JP335396A JP335396A JPH09198995A JP H09198995 A JPH09198995 A JP H09198995A JP 335396 A JP335396 A JP 335396A JP 335396 A JP335396 A JP 335396A JP H09198995 A JPH09198995 A JP H09198995A
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electron
cathode
oxide
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oxide cathode
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Yukio Suzuki
行男 鈴木
Shunji Saito
駿次 斎藤
Tadanori Taguchi
貞憲 田口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって、高い電流密度を維持し、
安定した電子放射動作特性を発揮させることが可能な電
子放射物質層15を有する酸化物陰極を備えた電子管を
提供する。 【解決手段】 ヒーター16を内包した円筒状のスリー
ブ13と、スリーブ13の一端部を覆い、ニッケル(N
i)を主成分としてシリコン(Si)やマグネシウム
(Mg)等の微量の還元性金属を含有した組成の陰極基
体14と、陰極基体14の表面に被着され、バリウム
(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)の金属酸化物に微量の酸化ランタン(La2 3
粉末を混合させた組成の電子放射物質層15とにより酸
化物陰極が構成される。酸化ランタン(La2 3 )粉
末は、混合量が0.2乃至5.0重量%の範囲内で、粒
径が0.5乃至20.0μmの範囲内であることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物陰極を備え
た電子管に係わり、特に、高精細カラー受像管や大型カ
ラー受像管または撮像管等のように、長期間にわたって
安定した高い電子放射動作特性を維持できる酸化物陰極
を備えた電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物陰極を備えた電子管、とり
わけ、高精細カラー受像管や大型カラー受像管または撮
像管等の電子管においては、ニッケル(Ni)を主成分
とし、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)、ジル
コニウム(Zr)、タングステン(W)等の微量の還元
性金属を含有した組成の陰極金属基体と、陰極金属基体
の表面に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム
(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物の微粉末、もし
くは、少なくともバリウム(Ba)の酸化物の微粉末を
含有したアルカリ土類金属酸化物からなる電子放射物質
層とを有する酸化物陰極が用いられている。
【0003】ここで、図4は、前記既知の酸化物陰極の
構成の一例を示す断面図であって、例えば、特開昭58
−154130号公報に開示されているものである。
【0004】図4において、41は円筒状の金属スリー
ブ、42は帽状の陰極基体、43は電子放射物質層、4
4はヒーターである。
【0005】ここで、円筒状の金属スリーブ41は、高
融点金属であるニッケル−クロム(Ni−Cr)合金等
からなり、帽状の陰極基体42は、ニッケル(Ni)を
主成分とし、シリコン(Si)、マグネシウム(M
g)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)等の
微量の還元性金属を含んだ組成のものからなり、電子放
射物質層43は、少なくともバリウム(Ba)の酸化物
の微粉末を含んだアルカリ土類金属酸化物からなってい
る。そして、帽状の陰極基体42は、円筒状の金属スリ
ーブ41の一端に、その開口部を閉鎖するように嵌合溶
接され、ヒーター44は、円筒状の金属スリーブ41に
内包されて傍熱型ヒーターを構成している。帽状の陰極
基体42は、頂部表面に電子放射物質層43が被着され
る。
【0006】このような構成の酸化物陰極は、ヒーター
44の通電により、帽状の陰極基体42を介して電子放
射物質層43を加熱すると、電子放射物質層43から比
較的大きな電流を導出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58−15
4130号に開示された酸化物陰極は、動作中に、陰極
基体42と電子放射物質層43との接合界面において、
バリウム(Ba)と、陰極基体42中に含まれている微
量の還元性金属、即ち、シリコン(Si)、マグネシウ
ム(Mg)、ジルコニウム(Zr)とがそれぞれ反応し
て、バリウムシリケート(Ba2 SiO4 )、マグネシ
ア(BaMgO2 )、バリウムジルコネート(BaZr
3 )等の中間生成物質が形成され、これらの中間生成
物質は酸化物陰極を高い電流密度で動作させたときにそ
の形成が加速される。そして、これらの中間生成物質
は、高抵抗層となり、電流の通流を妨げるようになる。
このとき、かかる電流の通流の妨げに対抗し、電子管内
の他の電極に高電圧を印加して酸化物陰極から大きな電
流を導出させようとすると、高抵抗層の部分に大きなジ
ュール熱が発生し、それにより酸化物陰極の温度が上昇
し、さらにより多くの中間生成物質が形成されるという
悪循環を起こすようになる。
【0008】このように、前記特開昭58−15413
0号に開示された酸化物陰極は、長期間にわたって、高
い電流密度を維持しながら動作させることができないと
いう問題を有している。
【0009】本発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その目的は、長期間にわたって、高い電流密度を維
持し、安定した電子放射動作特性を発揮することが可能
な電子放射物質層を有する酸化物陰極を備えた電子管を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)の金属酸化物からなる電子放射物質層と
を有する酸化物陰極を備えた電子管において、前記電子
放射物質層に微量の酸化ランタン(La2 3 )粉末を
混合させている。
【0011】また、酸化ランタン(La2 3 )粉末の
混合量は、好ましくは、0.2乃至5.0重量%の範囲
内に選び、酸化ランタン(La2 3 )粉末の粒径は、
0.5乃至20.0μmの範囲内に選んでいる。
【0012】前記手段を採用すれば、電子放射物質層に
混合した微量の酸化ランタン(La 2 3 )粉末は、電
子放射物質層内に自由に移動可能なドナーを形成し、こ
のドナーは、電子放射物質層内に生成されるバリウムシ
リケート(Ba2 SiO4 )、マグネシア(BaMgO
2 )、バリウムジルコネート(BaZrO3 )等の中間
生成物質に基づく抵抗層の電気抵抗の増大を抑制するよ
うに働くとともに、バリウム(Ba)の供給を助長する
ので、この抵抗層の部分に大きなジュール熱が発生する
のを抑えて、酸化物陰極の温度が上昇するのを抑え、そ
れにより、長期間にわたって、高い電流密度を維持し、
安定した電子放射動作特性を発揮できる酸化物陰極を備
えた電子管が得られる。
【0013】また、前記手段において、電子放射物質層
に混合した酸化ランタン(La2 3 )粉末は、混合量
が0.2乃至5.0重量%の範囲内に選び、その粒径が
0.5乃至20.0μmの範囲内に選べば、良好な電子
放射動作特性を発揮できる酸化物陰極を備えた電子管が
得られることを確認できた。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による酸化物陰極を備えた
電子管の実施の形態は次のとおりである。
【0015】電子管の酸化物陰極は、ヒーターを内包し
た高融点金属からなる円筒状のスリーブと、スリーブの
一端面を覆うように設けられた、ニッケル(Ni)を主
成分とし、シリコン(Si)やマグネシウム(Mg)等
の微量の還元性金属を含有した帽状の陰極基体と、陰極
基体の頂部表面に被着され、バリウム(Ba)、ストロ
ンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)の金属酸化物と
微量の酸化ランタン(La2 3 )粉末からなる電子放
射物質層とからなっている。
【0016】そして、電子放射物質層内の酸化ランタン
(La2 3 )粉末の混合量は、0.2重量%を超える
と、電子放射物質層内に生成されるバリウムシリケート
(Ba2 SiO4 )、マグネシア(BaMgO2 )、バ
リウムジルコネート(BaZrO3 )等の中間生成物質
に基づく抵抗層に対し、目立った電気抵抗の増大の抑制
機能を生じさせるとともに、バリウム(Ba)の供給を
助長するようになり、一方、5.0重量%を超えると、
電気抵抗の増大の抑制機能やバリウム(Ba)の供給機
能は発揮されるものの、酸化物陰極の初期エミッション
が低下するようになる。
【0017】このように、酸化ランタン(La2 3
粉末の混合量は、0.2乃至5.0重量%の範囲内が好
ましいが、その範囲内を多少、例えば、10%程度逸脱
しても、前述の電気抵抗の増大の抑制機能やバリウム
(Ba)の供給機能を発揮させることは可能である。
【0018】また、電子放射物質層を構成している各粒
子の平均粒径は、通常、10μm前後であり、電子放射
物質層に混合する粒子の粒径が平均粒径10μm前後よ
りも相当に異なっている場合に、その粒子の働きが鈍く
なることは必然であるから、電子放射物質層内の酸化ラ
ンタン(La2 3 )粉末の粒径は、平均粒径10μm
前後に比較的近いまたは若干小さい、0.5乃至20μ
mの範囲内に選んでいる。
【0019】このように、酸化ランタン(La2 3
粉末の粒径は、0.5乃至20μmの範囲内が好ましい
が、その範囲内を多少、例えば、10%程度逸脱して
も、前述の電気抵抗の増大の抑制機能やバリウム(B
a)の供給機能を発揮させることは可能である。
【0020】(実施例)ここで、本発明による酸化物陰
極を備えた電子管の実施例を図面を用いて説明する。
【0021】図1は、本発明による酸化物陰極を備えた
電子管の構成の一例を示す断面図であって、電子管がカ
ラー受像管である例を示すものである。
【0022】図1において、1はパネル部、2はファン
ネル部、3はネック部、4は螢光膜、5はシャドウマス
ク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリテ
イ調整用マグネット、9はセンタービームスタティック
コンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビーム
スタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11は
電子銃、12は電子ビームである。
【0023】そして、カラー受像管を構成する管体(ガ
ラス製)は、前側に設けられるパネル部1と、電子銃1
1を収納している細長のネック部3と、パネル部1及び
ネック部3を結合するホーン形のファンネル部2とから
なっている。パネル部1は、その内面に螢光膜4が被着
形成され、この螢光膜4に対向するようにシャドウマス
ク5が固定配置される。パネル部1とファンネル部2の
結合部分の内側には磁気シールド6が配置され、ファン
ネル部2とネック部3の結合部分の外側には偏向ヨーク
7が配置される。ネック部3の外側に、ピュリテイ調整
用マグネット8、センタービームスタティックコンバー
ゼンス調整用マグネット9、サイドビームスタティック
コンバーゼンス調整用マグネット10が並設配置され、
電子銃11から投射された3本の電子ビーム(1本だけ
が図示されている)12は、偏向ヨーク7の磁界によっ
て所定方向に偏向された後、シャドウマスク5にある多
くの電子ビーム通過孔(図示なし)を通して螢光膜4に
おける対応する色の画素に到達するように構成されてい
る。
【0024】前記構成によるカラー受像管における動
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー受像管におけ
る画像表示動作と全く同じであるので、このカラー受像
管における画像表示動作は、その説明を省略する。
【0025】続いて、図2は、図1に図示のカラー受像
管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の構成の一例を
示す断面図である。
【0026】図2において、13は高融点金属、例え
ば、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金等からなる円
筒状の陰極スリーブ、14はニッケル(Ni)を主成分
とし、シリコン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微
量の還元性金属を含んだ組成の帽状の陰極基体、15は
バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウ
ム(Ca)の金属酸化物と微量の酸化ランタン(La2
3 )粉末からなる電子放射物質層、16はヒーターで
ある。
【0027】そして、帽状の陰極基体14は、円筒状の
陰極スリーブ13の一端を封止するように嵌合され、円
筒状の陰極スリーブ13にはヒーター16が内包されて
傍熱型の酸化物陰極が構成される。電子放射物質層15
は、帽状の陰極基体14の頂部表面に被着形成される。
【0028】本実施例による酸化物陰極は、概要、次の
ように動作する。
【0029】既に知られているように、ヒーター16の
通電により、帽状の陰極基体14を介して電子放射物質
層15が加熱され、電子放射物質層15内に遊離バリウ
ム(Ba)が形成されるとともに、帽状の陰極基体14
と電子放射物質層15との接合界面に、バリウムシリケ
ート(Ba2 SiO4 )、マグネシア(BaMg
2)、バリウムジルコネート(BaZrO3 )等の中
間生成物質からなる抵抗層が生成され、抵抗層を流れる
大きな電流に基づくジュール熱の発生により、中間生成
物質からなる抵抗層の生成が促進されるようになる。こ
のとき、電子放射物質層15に混合された微量の酸化ラ
ンタン(La2 3 )粉末は、電子放射物質層15内を
自由に移動できるドナーを形成し、このドナーが抵抗層
を流れる電流の通流を助けるので、抵抗層のジュール熱
の発生が抑制され、中間生成物質からなる抵抗層の生成
が抑制されるようになる。
【0030】このように、本実施例による酸化物陰極
は、電子放射物質層15に大きな電流を通流させたとし
ても、中間生成物質からなる抵抗層の生成が抑制される
ので、長期間にわたって、高い電流密度を維持し、安定
した電子放射動作特性を発揮させることができるもので
ある。
【0031】本実施例による酸化物陰極を備えたカラー
受像管は、概要、次のようにして製造される。
【0032】始めに、円筒状の陰極スリーブ13の一端
に、帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円
筒状の陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部
分の少なくとも一部を溶接し、円筒状の陰極スリーブ1
3の一端に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
【0033】次に、炭酸バリウム(BaCO3 )、炭酸
ストロンチウム(SrCO3 )、炭酸カルシウム(Ca
CO3 )の3つの炭酸塩を混合して第1のサスペンショ
ン(懸濁液)を形成し、第1のサスペンション(懸濁
液)内に平均粒径が5.0μmで、純度99.99%の
酸化ランタン(La2 3 )粉末を1.0重量%混合し
て第2のサスペンション(懸濁液)を形成し、第2のサ
スペンション(懸濁液)をスプレーガンを用いて帽状の
陰極基体14の頂部表面に塗布し、厚さが約70μmの
塗布膜層を形成させる。この塗布膜層は、その後のカラ
ー受像管の製造過程において、3つの炭酸塩が酸化物に
分解され、陰極基体14に含まれている還元性金属によ
る活性化が行われて、電子放射物質層15が形成され
る。
【0034】次いで、円筒状の陰極スリーブ13の内部
にヒーター16が収納され、酸化物陰極が形成される。
【0035】こうして形成された酸化物陰極は、他の構
成部品とともに電子銃11に組込まれ、さらに、この電
子銃11が管体のネック部3内に挿入され、電子銃11
のステム部がネック部3の端部に封止されて、カラー受
像管が完成される。
【0036】図3は、本実施例による酸化物陰極と既知
の酸化物陰極の双方の動作継続時間対電子放射能力の関
係を示す特性図であって、いずれも電流密度2A/cm
2 で連続動作させた場合の特性を示すものである。
【0037】図3において、縦軸は、初期の電子放射能
力を100とした場合における各時間毎の電子放射能力
を相対値で表した電子放射能力、横軸は、キロアワー
(Kh)で表した動作継続時間であって、曲線Aは本実
施例による酸化物陰極、曲線Bは既知の酸化物陰極によ
るものである。
【0038】図3の曲線Aに示されるように、本実施例
による酸化物陰極は、約17キロアワーの動作継続時間
を経た後でも、70%を超える電子放射能力を維持して
いるのに対して、既知の酸化物陰極は、約17キロアワ
ーの動作持続時間を経ると、30%以下の電子放射能力
に減少するようになり、本実施例による酸化物陰極は、
既知の酸化物陰極に比べ、格段に優れた高い電子放射動
作特性を発揮できるものであることが判る。
【0039】このように、本実施例による酸化物陰極に
よれば、電子放射物質層15内の微量の酸化ランタン
(La2 3 )粉末を混合させたことにより、電子放射
物質層15内の遊離バリウム(Ba)の濃度を高い状態
に維持しながら、バリウムシリケート(Ba2 Si
4 )、マグネシア(BaMgO2 )、バリウムジルコ
ネート(BaZrO3 )等の中間生成物質の生成を抑制
することができ、その結果、長期間にわたって、高い電
流密度を維持し、安定した電子放射動作特性を発揮する
ことができる酸化物陰極を備えた電子管が得られる。
【0040】なお、前記実施例においては、酸化物陰極
を備えた電子管がカラー受像管である場合を例に挙げて
説明したが、本発明による酸化物陰極を備えた電子管は
カラー受像管に限られるものでなく、他の電子管、例え
ば、大型カラー受像管や撮像管等に同様に適用すること
ができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、電子放射物質層に微量
の酸化ランタン(La2 3 )粉末を混合させ、電子放
射物質層内に自由に移動可能なドナーを形成している。
このとき、ドナーは、電子放射物質層内に生成されるバ
リウムシリケート(Ba2 SiO4 )、マグネシア(B
aMgO2 )、バリウムジルコネート(BaZrO3
等の中間生成物質に基づく抵抗層の電気抵抗の増大を抑
制するように働くとともに、バリウム(Ba)の供給を
助長するので、この抵抗層の部分に大きなジュール熱が
発生するのを抑えて、酸化物陰極の温度が上昇するのを
抑え、それにより、長期間にわたって、高い電流密度を
維持し、安定した電子放射動作特性を発揮することがで
きる酸化物陰極を備えた電子管を得ることができる。
【0042】また、本発明によれば、酸化ランタン(L
2 3 )粉末の混合量を、0.2乃至5.0重量%の
範囲内に選び、酸化ランタン(La2 3 )粉末の粒径
を、0.5乃至20.0μmの範囲内に選んでいる。こ
のため、酸化ランタン(La2 3 )粉末は、電子放射
物質層内で有効に働き、極めて良好な電子放射動作特性
を発揮することができる酸化物陰極を備えた電子管を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による酸化物陰極を備えた電子管の構成
の一例を示す断面図である。
【図2】図1に図示のカラー受像管の電子銃に用いられ
る酸化物陰極の構成の一例を示す断面図である。
【図3】図2に図示の酸化物陰極と既知の酸化物陰極の
双方の動作継続時間対電子放射能力の関係を示す特性図
である。
【図4】既知の電子管の電子銃に用いられる酸化物陰極
の構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ファンネル部 3 ネック部 4 螢光膜 5 シャドウマスク 6 磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整用マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム 13 円筒状の陰極スリーブ 14 帽状の陰極基体 15 電子放射物質層 16 ヒーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
    ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
    属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
    れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
    シウム(Ca)の金属酸化物からなる電子放射物質層と
    を有する酸化物陰極を備えた電子管において、前記電子
    放射物質層に微量の酸化ランタン(La2 3 )粉末が
    混合されていることを特徴とする酸化物陰極を備えた電
    子管。
  2. 【請求項2】 前記酸化ランタン(La2 3 )粉末の
    混合量は、0.2乃至5.0重量%の範囲内であること
    を特徴とする請求項1に記載の酸化物陰極を備えた電子
    管。
  3. 【請求項3】 前記酸化ランタン(La2 3 )粉末の
    粒径は、0.5乃至20.0μmの範囲内であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の酸化物陰極を備え
    た電子管。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020063327A (ko) * 2001-01-27 2002-08-03 삼성에스디아이 주식회사 금속 음극 및 이를 구비한 방열형 음극구조체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020063327A (ko) * 2001-01-27 2002-08-03 삼성에스디아이 주식회사 금속 음극 및 이를 구비한 방열형 음극구조체

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